JP2006124124A - 産業車両の走行制御装置 - Google Patents

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一 村岸
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Abstract

【課題】 バーハンドルの揺動状態によらず、容易に安全性を確保して走行できるようにする。
【解決手段】 ウオーキー型車両の操舵用のバーハンドルの揺動角度θを検出する検出手段と、揺動角度θが起立状態から所定の角度(θ=θ2)以下であるときに、走行速度を制限して走行装置7を制御する制限手段とを備える。ここで、制限手段は、バーハンドルの揺動角度θが起立状態に対応する角度(θ=0)に近づくほど走行速度の上限値Vsを小さな値に設定する。
【選択図】 図5

Description

本発明は、操舵用のバーハンドルを備えた産業車両の走行制御装置に関する。
従来、産業車両には、例えば特許文献1に示されているような、運転者が歩行しながら操作を行う、いわゆるウォーキー型の車両がある。この種の車両では、車体に設けられた車輪が駆動輪と操舵輪を兼ねており、同じく車体に設けられたバーハンドルを旋回操作することで、車輪の操舵がなされるようになっている。
さて、ウォーキー型の車両では、その操作形態のため、運転者の歩行速度と車両の走行速度とが適切な関係にないと、運転者と車体とが接触するおそれがある。そこで、特許文献1に記載されているように、バーハンドルの旋回角度に応じて発進加速性を抑制し、急発進して運転者と車体とが接触することを防止する技術が開発されている。又、特許文献2に記載されているように、バーハンドルの操作角度に応じて電気制動力を制御することで、車両の走行速度をスムーズに減速、停止させる技術も開発されている。
尚、特許文献3に記載されているように、長距離移動時など必要に応じて第1速、第2速、第3速というように段階的に切り換えて走行速度を制御する技術が開発されている。
特開2003−171095号公報 特開2002−193594号公報 実開昭61−104701号公報
さて、上記特許文献にも記載されているように、バーハンドルは略垂直な起立状態と略水平な傾倒状態との間で揺動可能に設けられることが多くある。このような形態の車両では、傾倒状態においてはバーハンドルを把持している運転者と車体との間が広く空くことになるが、起立状態においては運転者と車体とが接近することになる。そのため、例えばバーハンドルを起立状態に近い状態として車両を走行させる際には慎重に走行操作をするというように、運転者はバーハンドルの揺動状態を考慮しながら走行操作を行う必要がある。
そこで本発明は、バーハンドルの揺動状態によらず、容易に安全性を確保して走行できるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の産業車両の走行制御装置は、車体に、操舵をなすバーハンドルを略垂直な起立状態と略水平な傾倒状態との間で揺動可能に備えた産業車両において、上記車体に備えられた走行装置を制御する走行制御装置であって、上記バーハンドルの揺動角度を検出する検出手段と、上記揺動角度が上記起立状態から所定の角度以下であるときに、走行速度を制限して上記走行装置を制御する制限手段とを備えることを特徴とする構成としている。
これによれば、バーハンドルが揺動操作されて、その揺動角度が起立状態から所定の角度以下となると、車体は制限された走行速度で走行することになる。従って、バーハンドルが起立状態か、これに近い状態にあり、バーハンドルを把持している運転者と車体とが接近しているときには走行速度が制限されるので、運転者は容易に車体との接触を避けることができ、安全に作業することができる。
本発明において、上記制限手段は、上記検出手段による上記バーハンドルの揺動角度に基づき走行速度の上限値を設定し、該上限値以下に走行速度を制限して上記走行装置を制御することを特徴とする構成とすることができる。
これによれば、バーハンドルの揺動角度に応じた上限値以下に走行速度は制限されるが、上限値以下の走行速度での車両の走行は可能であることから、作業性を著しく下げることなく、安全性を確保することができる。
又、本発明において、上記制限手段は、上記検出手段による上記バーハンドルの揺動角度が上記起立状態に対応する角度に近づくほど、上記上限値を小さな値に設定することを特徴とする構成とすることができる。
これによれば、バーハンドルの揺動角度が起立状態に対応する角度に近づくほど、上限値が小さな値に設定されるので、運転者と車体とが接近しているほど走行速度は低く抑えられ、より高い安全性を確保することができる。
本発明によれば、バーハンドルが起立状態にあるか、起立状態からの揺動角度が小さく起立状態に近い状態にあり、運転者と車体とが接近しているときには車両の走行速度が制限される。そのため、運転者は容易に車体との接触を避けることができ、安全に作業することができる。
以下、本発明をウォーキー型バッテリフォークリフトに適用した実施形態を、図面を参照しながら説明する。
図1に示すように、このウォーキー型バッテリフォークリフトは、車体1の後部に、バッテリを収納したバッテリルーム2が昇降可能に支持され、バッテリルーム2の下部に設けられ、バッテリルーム2と一体的に昇降するフォーク3に、荷物を載置するようになっている。フォーク3の下方には後輪4が備えられ、車体1にはバッテリルーム2を昇降させるリフト装置5が備えられている。又、車体1には駆動輪と操舵輪とを兼ねた前輪6が備えられ、前輪6の上方には前輪6を駆動する走行用モータ7が配されており、走行用モータ7からの駆動トルクはドライブ装置8により前輪6へ伝達される。
ドライブ装置8は、車体1に縦軸回りに旋回可能に設けられ、ドライブ装置8に支持される前輪6、及びドライブ装置8上に載置される走行用モータ7と一体的に旋回するようになっている。尚、走行用モータ7には、回転数を検出する回転センサ7Aが付設されている。
図1と図2に示すように、車体1の上方へ突出して、走行用モータ7の上部に連結されたアーム9が設けられており、このアーム9にバーハンドル10の基端部が揺動可能に支持されている。これにより、運転者はバーハンドル10を把持して操作することで前輪6を旋回させることができる。
バーハンドル10は、図2に示すように、略垂直な起立状態(図2に実線で示す)と略水平な傾倒状態(図2に二点鎖線で示す)との間で揺動可能とされており、図示しないスプリングにより起立状態に付勢され、操作していないときは起立状態で保持される。
このバーハンドル10には、バーハンドル10の揺動した角度であるハンドル角θを検出する角度センサ10Aが付設されている。角度センサ10Aは、起立状態を基準(θ=0°)としたハンドル角θを検出し、検出結果を後述する制御装置14へ送る。
又、図2に示すように、バーハンドル10の先端部には、走行速度を調節するためのアクセルレバー11が設けられている。アクセルレバー11は、中立状態から運転者にとって手前側と奥側の両方向へ揺動可能に設けられており、アクセルレバー11の揺動した角度を検出する角度センサ11Aが付設されている。更に、バーハンドル10の先端部には、リフト装置5を操作するための上昇スイッチ12、及び下降スイッチ13が設けられている。
尚、車体1には、アクセルレバー11などの操作に応じて、リフト装置5や走行用モータ7を制御する制御装置14が備えられている。
図3に示すように、制御装置14は、モータ7を制御する走行制御部15と、リフト装置5を制御する昇降制御部16とを備えている。走行制御部15は、回転センサ7A、角度センサ10A、及び角度センサ11Aからの信号を受けてモータ7を制御し、このウォーキー型バッテリフォークリフトを走行させる。昇降制御部16は、上昇スイッチ12、及び下降スイッチ13からの信号を受けてリフト装置5を制御し、バッテリルーム2並びにフォーク3を昇降させる。
さて、走行制御部15は、図4に示すように、ハンドル角θに応じて最高走行速度Vsを設定する。すなわち、ハンドル角θが検出されると(S1)、まずハンドル角θが所定値θ1(例えば15°)より大きいか否かを判定し(S2)、ハンドル角θが所定値θ1より小さければ(S2:NO)、最高走行速度Vsを0km/hに設定する(S3)。
ハンドル角θが所定値θ1より大きければ(S2:YES)、続いてハンドル角θが所定値θ2(>θ1、例えば50°)より大きいか否かを判定する(S4)。ハンドル角θが所定値θ2より小さければ(S4:NO)、最高走行速度Vsを次式により設定する(S5)。
Vs=(Vmax−Vmin)/(θ2−θ1)×(θ−θ1)+Vmin
ここで、Vmaxは最高走行速度Vsのとり得る上限値(例えば5km/h)であり、Vminは、最高走行速度Vsが0km/hでないときにとり得る下限値(例えば1km/h)である。
ハンドル角θが所定値θ2より大きければ(S4:YES)、更に続いてハンドル角θが所定値θ3(>θ2、例えば80°)より大きいか否かを判定する(S6)。ハンドル角θが所定値θ3より小さければ(S6:NO)、最高走行速度VsをVmaxに設定し(S7)、所定値θ3より大きければ(S6:YES)、最高走行速度Vsを0km/hに設定する(S8)。
その結果、ハンドル角θと最高走行速度Vsとの関係は、図5に示すように表される。尚、θmaxは、バーハンドル10を傾倒状態まで揺動させたときのハンドル角であり、ハンドル角θのとり得る最大値(例えば90°)である。
そして、走行制御部15は、角度センサ11Aからの信号に基づいて目標とする走行速度を算出すると共に、回転センサ7Aからの信号に基づいて実際の走行速度を算出し、両者が一致するようにモータ7の制御を行う。
ここで、最高走行速度Vsが0km/hに設定されていれば、走行制御部15は、アクセルレバー11が操作されているかどうかにかかわらず、実際の走行速度が0km/hになるようモータ7を減速させて停止させる。最高走行速度VsがVminとVmaxとの間の値、又はVmaxに設定されていれば、実際の走行速度が最高走行速度Vsを超えない範囲では目標とする走行速度に従ったモータ7の制御を行い、仮に実際の走行速度が最高走行速度Vsを超えると、実際の走行速度が最高走行速度Vsとなるまでモータ7を減速させる。
このような実施形態によれば、バーハンドル10のハンドル角θがθ2以下であり、バーハンドル10を把持している運転者と車体1とが接近しているときには、最高走行速度Vsが上限値であるVmax以下の値に制限されるので、高速走行が抑制され、運転者は容易に車体1との接触を避けることができるようになる。しかも、ハンドル角θが小さくなり起立状態に近づくほど、最高走行速度Vsが小さな値に設定されるので、運転者と車体1とが接近しているほど走行速度はより低く抑えられ、安全に作業できる。尚、ハンドル角θがθ1<θ≦θ2の範囲であれば、最高走行速度Vsは制限されるものの、下限値Vmin(>0)よりも大きな値に設定され、最高走行速度Vs以下の走行速度での走行は可能であるから、作業性が著しく下がることはない。
一方、ハンドル角θがθ2<θ≦θ3の範囲であり、運転者と車体1との間に充分に空間があるときには、最高走行速度Vsは制限されず、高速走行が可能である。
本発明の実施形態の側面図である。 本発明の実施形態の側面図である。 本発明の実施形態の機能ブロック図である。 本発明の実施形態の制御フロー図である。 本発明の実施形態の制御特性図である。
符号の説明
1 車体
6 前輪
7 走行用モータ
7A 回転センサ
8 ドライブ装置
9 アーム
10 バーハンドル
10A 角度センサ
11 アクセルレバー
11A 角度センサ
14 制御装置
15 走行制御部
θ ハンドル角
Vs 最高走行速度
Vmax 最高走行速度の上限値
Vmin 最高走行速度の下限値

Claims (3)

  1. 車体に、操舵をなすバーハンドルを略垂直な起立状態と略水平な傾倒状態との間で揺動可能に備えた産業車両において、上記車体に備えられた走行装置を制御する走行制御装置であって、
    上記バーハンドルの揺動角度を検出する検出手段と、上記揺動角度が上記起立状態から所定の角度以下であるときに、走行速度を制限して上記走行装置を制御する制限手段とを備えることを特徴とする産業車両の走行制御装置。
  2. 上記制限手段は、上記検出手段による上記バーハンドルの揺動角度に基づき走行速度の上限値を設定し、該上限値以下に走行速度を制限して上記走行装置を制御することを特徴とする請求項1に記載の産業車両の走行制御装置。
  3. 上記制限手段は、上記検出手段による上記バーハンドルの揺動角度が上記起立状態に対応する角度に近づくほど、上記上限値を小さな値に設定することを特徴とする請求項2に記載の産業車両の走行制御装置。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002193594A (ja) * 2000-12-26 2002-07-10 Nippon Yusoki Co Ltd 荷役車両
JP2004161470A (ja) * 2002-11-15 2004-06-10 Nippon Yusoki Co Ltd 歩行操縦型フォークリフトの操縦装置

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