JP2006122801A - 固化防止装置 - Google Patents

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JP2006122801A JP2004313784A JP2004313784A JP2006122801A JP 2006122801 A JP2006122801 A JP 2006122801A JP 2004313784 A JP2004313784 A JP 2004313784A JP 2004313784 A JP2004313784 A JP 2004313784A JP 2006122801 A JP2006122801 A JP 2006122801A
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Tamiyuki Eguchi
民行 江口
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Abstract

【課題】 簡単かつ低コストで、浸漬型膜分離装置の膜モジュールのコンパクト化に伴う固化を抑制することができる固化防止装置を提供する。
【解決手段】 複数の管状膜からなる膜モジュールと当該膜モジュールの下方より気泡を供給する気泡供給装置とを具備し、被処理液をろ過する浸漬型膜分離装置のための固化防止装置であって、前記膜モジュールと前記気泡供給装置との間に以下の条件を満たす第1ネットを設けたものである。
10≦a1<d3 /K ・・・(1)
K≧27 ・・・(2)
ただし、a1は第1ネットの目開き面積(mm2)、dは管状膜の内径(mm)である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、様々な活性汚泥等の被処理液をろ過するための浸漬型膜分離装置、特に、生活排水を総合的に活性汚泥処理で浄化するための浸漬型膜分離装置において、その流路が汚泥で閉塞した状態(以下、この状態を固化と称する)になるのを防止するための固化防止装置に関する。
活性汚泥処理は、種々の排水浄化手段として多方面で利用されている。中でも総合生活排水の浄化に活性汚泥処理を利用することは、環境汚染を改善するためにとりわけ重要であり、小型浄化槽へも適用できるように、浸漬型ろ過法と組み合わせた効率的な膜分離活性汚泥処理技術の開発が積極的に進められてきた(例えば、(財)日本環境整備教育センター、「膜処理法を導入した小型生活排水処理装置の実用化に関する研究報告書」、平成4〜平成7年度、参照)。その結果、総合生活排水が高度に浄化されるだけでなく、汚泥濃度(例えば、MLSS濃度)を従来の活性汚泥処理における汚泥濃度に比べて数倍まで濃縮することが可能となり、浄化槽がコンパクトになることも確認された。
また、従来活性汚泥処理の膜モジュールとしてもっぱら利用されてきたプレート型および中空糸型の膜モジュールの代わりに、多数の管状膜からなる膜モジュールを利用する浸漬型膜分離装置も開発されている(特許文献1,2参照)。このような浸漬型膜分離装置は、プレート型および中空糸型の膜モジュールに比して、コンパクト性や経済性は格段に改善されることとなったが、コンパクト化に伴い、固化対策が重要になってきており、これらの膜モジュールにおいても固化対策は満足できるものではなかった。
特開2002−166137号公報 特開2002−166138号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点を解決するべくなされたもので、簡単かつ低コストで、浸漬型膜分離装置の膜モジュールのコンパクト化に伴う固化を抑制することができる固化防止装置を提供することを目的とする。
本発明に係る固化防止装置は、複数の管状膜からなる膜モジュールと当該膜モジュールの下方より気泡を供給する気泡供給装置とを具備し、被処理液をろ過する浸漬型膜分離装置のための固化防止装置であって、前記膜モジュールと前記気泡供給装置との間に以下の条件を満たす第1ネットを設けたものである。
10≦a1<d3 /K ・・・(1)
K≧27 ・・・(2)
ただし、a1は第1ネットの目開き面積(mm2)、dは管状膜の内径(mm)である。
上記構成の固化防止装置によれば、浸漬型膜分離装置を構成する膜モジュールとその下方に設けられる気泡供給装置との間に第1ネットが設けられる。ここで、膜モジュールは、複数の管状膜からなり、気泡供給装置から供給される気泡とともに流入してきた活性汚泥等の被処理液をろ過する。この際、膜モジュールの管状膜に所定の大きさを超える塊状の活性汚泥が進入すると固化が生じ易いため、膜モジュールへの進入側に第1ネットを設けることにより活性汚泥等の被処理液が管状膜内で固化するのを防止することができる。
ここで、本発明における条件式(1)および(2)は、第1ネットの目開き面積を規定するものであり、固化を有効に防止するための条件を示すものである。
すなわち、第1ネットの目開き面積が条件式(1)の上限を超えると、被処理液中にあり固化を生じ易い塊状の被処理物(夾雑物、塊状の活性汚泥等)が膜モジュールの管状膜に進入することとなり、固化を有効に防止できない。一方、条件式(1)の下限を超えると、第1ネットの目自体が小さくなり過ぎ、第1ネットにおいて目詰まりや固化を生じてしまう。
以上のように、管状膜の前段に塊状の被処理物が進入することを規制する第1ネットを設けることにより、簡単かつ低コストで、固化を有効に防止することができる。
好ましくは、前記管状膜の内径は、8mm以上15mm以下であるように構成される。
好ましくは、前記第1ネットと前記気泡供給装置との間に前記第1ネットの目開き面積より大きい目開き面積を有する第2ネットを設けたように構成される。
この場合、第1ネットの前段部に、第1ネットよりも目開き面積の大きい第2ネットが設けられる。したがって、膜モジュールに進入する塊状の被処理物を多段的に小さくすることができるため、より効果的に固化を防止することができる。
さらに、好ましくは、前記第2ネットは以下の条件を満たすように構成される。
2<πd2 /4 ・・・(3)
この場合、条件式(3)により第2ネットの目開き面積の上限が膜モジュールの内径より小さくなるべく規定される。したがって、第2ネットがより効果的に作用して、固化を有効に防止することができる。
また、本発明に係る固化防止装置は、多数の管状膜からなる膜モジュールに代えて、プレート型の膜モジュールにも適用可能である。すなわち、複数の平膜を平行に配置し、平膜間の間隔が4mm以上7mm以下であるプレート型の膜モジュールと前記平膜に対して平行に気泡を供給する気泡供給装置とを具備し、被処理液をろ過する浸漬型膜分離装置のための固化防止装置であって、前記膜モジュールと前記気泡供給装置との間に以下の条件を満たす第1ネットを設けたものである。
10≦a1<d3 /K ・・・(1)
K≧27 ・・・(2)
ただし、a1は第1ネットの目開き面積(mm2)、dは平膜間の間隔の2倍(mm)である。
上記構成の固化防止装置においても、上記と同様に固化を有効に防止することができる。
好ましくは、前記第1ネットは、正方形、ひし形、または正六角形の目を有するように構成される。
この場合、第1ネットの目の形状が高い対称性を有することとなり、第1ネットにおける目詰まりをより効果的に防止することができる。
好ましくは、前記被処理液は、総合生活排水を処理するための浄化槽における好気性活性汚泥であるように構成される。
本発明に係る固化防止装置によれば、膜モジュールの前段に塊状の被処理物が進入することを規制する第1ネットを設けることにより、簡単かつ低コストで、固化を有効に防止することができる。したがって、容易な構成に基づいて維持管理性を著しく向上させることができる。
以下、添付図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。図1は本発明の第1実施形態に係る固化防止装置を備えた浸漬型膜分離装置を浄化槽に配置したところを側方から見た部分断面図である。図2は図1の浸漬型膜分離装置と固化防止装置との関係を示す分解斜視図である。図3は図2の第1ネットにおける活性汚泥の様子を側方から見た断面図である。
本発明に係る固化防止装置は、図1に示すように、複数の管状膜111からなる膜モジュール11と当該膜モジュール11の下方より気泡bを供給する気泡供給装置12とを具備し、被処理液をろ過する浸漬型膜分離装置1のための固化防止装置3であって、前記膜モジュール11と前記気泡供給装置12との間に第1ネット31(図2)を設けたものである。
はじめに、浄化槽2における浸漬型膜分離装置1の機能について説明する。合併処理機能を有する浄化槽2は、大別して2から3の槽より構成される。例えば、3槽の場合は、固液分離槽、脱窒槽および硝化槽から構成され、2槽の場合は、固液分離槽および硝化槽から構成される。本実施形態の浄化槽2においては、槽21と槽22とが仕切り板23で仕切られており、槽21が固液分離槽または脱窒槽に該当し、槽22が硝化槽に該当するが、本発明はこれに限定されるものではない。浸漬型膜分離装置1は、硝化槽22に設置され、前段の槽21から移送パイプ24を経て送り込まれる生活排水(汚水)を硝化槽22の活性汚泥(活性汚泥を含む汚水を被処理液と称する)を用いてろ過処理する。なお、生活排水の移送量が急激に増加したり、ろ過性能が低下したりして硝化槽22の水位が上限HWLを超えると警報(図示せず)が作動するべく構成される。
浸漬型膜分離装置1は、膜モジュール11の下方に気泡供給装置12が設置されており、膜モジュール11全体に略均一に気泡bが送り込まれる。膜モジュール11に下方から送り込まれた気泡bは、活性汚泥を含む被処理液を随伴しながら膜モジュール11内を上昇し、その上端から放出される。これにより、曝気中、被処理液は、硝化槽22内において膜モジュール11内外を循環し、この間、膜モジュール11においてろ過処理が行われる。
膜モジュール11においてろ過処理が行われた後のろ過液は、ろ過液出口に接続された排出パイプ13を通じて排出される。排出パイプ13は、大気開放された第1パイプ14とろ過液を排出するポンプ25に通じる第2パイプ15とに分岐される。これにより、ろ過液出口の位置をろ過圧の基準として活性汚泥を含む被処理液は重力ろ過される。ろ過処理されたろ過液が第2パイプ15を通じてポンプ25でくみ上げられ、消毒槽27に送られる。消毒槽27に送られたろ過液は、消毒されて排出口28から排出される。
ここで、本実施形態の膜モジュール11の構成についてより詳しく説明する。膜モジュール11は、円筒形の容器に多数の管状膜111が収納され、両端(上下端)近傍で熱硬化性樹脂によって集束固定されており(図1において破線で示される)、前述したろ過液出口が膜モジュール11の側方の上端近傍に設けられている。活性汚泥を含む被処理液は、図3に示すように、管状膜111の内側を気泡供給装置12から供給される気泡bの上昇に随伴して流れ、その間に、内側から外側へとろ過される。管状膜111は、例えば、特公昭56−35483号公報に記載の方法によって製造される。この方法によれば、膜を不織布で補強して複合膜とし、内径を規定する心棒に螺旋状に巻き付けながら、その長手方向の互いに重ね合わせた周辺部を超音波溶着することによって任意の内径の管状膜111が連続的に製造される。浄化槽2に用いられる膜モジュール11には、内径dが8mm以上15mm以下の管状膜111を用いることが好ましい。
この膜モジュール11は、非常に軽量かつコンパクトな特徴を有しており、例えば、内径11mm、厚さ0.2mmの管状膜111を有効長が約50cmとなるように内径約30cm、高さ約57cmの円筒形容器に約600本集束固定すると、膜モジュール11の重量は、約7kg、有効膜面積は約10m2となり、好ましくは10人以下の浄化槽2、少なくとも7人槽の浄化槽2に対応できる。
さらに、他の形式の膜モジュールとは異なり、管状膜111自身がエアリフトポンプ作用を有するため、第1パイプ14によって大気圧に開放されたろ過液出口よりも活性汚泥を含む被処理液の液面が低下しても、当該被処理液が管状膜111内を上昇するため、このエアリフトポンプ作用により、被処理液が膜モジュール11の上端まで持ち上げられる限り、重力ろ過が継続して行われる。これにより、硝化槽22の可変容量を大きくすることができるので、浄化槽2自身も他の形式の膜モジュールを使用する場合に比べてコンパクトにすることができる。
ろ過液出口には、大気開放パイプである第1パイプ14の他にポンプ25へとろ過液を導く第2パイプ15が接続されている。本実施形態においては、膜モジュール11の着脱作業時における障害物を少なくするために、ポンプ25を浄化槽2に固定している。このため、第2パイプ15が浄化槽2から膜モジュール11を取り出す際に不都合が生じない長さにするとともに、第2パイプ15全体をろ過液出口の高さより高くしないように設置する必要がある。第2パイプ15の一部がろ過液出口より高い位置にあると、被処理液面が低下したときに、第2パイプ15の一部に空気溜りができてろ過液がポンプ25に送れない場合があるからである。
本実施形態のポンプ25には、エアリフトポンプが用いられる。ポンプ効率を上げるためには、ろ過液の入口はできるだけ、下方にあることが好ましい。第2パイプ15からポンプ25に入ったろ過液は、エアポンプ(図示せず)から送り出された空気が空気導入口26からポンプ25内に噴出した気泡bに随伴して上昇し、消毒槽27に送られる。なお、ポンプ25を膜モジュール11に固定することとしてもよい。
続いて、本実施形態の気泡供給装置12の構成についてより詳しく説明する。本実施形態の気泡供給装置12には、膜モジュール11と同じ円筒形の容器が用いられる。当該容器の上端には、膜モジュール11を正しく装着するための位置決め具121が設けられる。また、容器の底部には、硝化槽23の底面からの位置(水平方向・垂直方向)を規定するための支持足122が取り付けられている。容器の中には、気泡発生装置123が設置され、エアポンプ(図示せず)から送り込まれた空気が噴出穴124から活性汚泥を含む被処理液中に気泡bとなって噴出する。
浸漬型膜分離装置1における膜モジュール11のろ過性能を十分に発揮させるためには、気泡bを膜モジュール11全体に均一分配する必要がある。気泡供給装置12には、例えば、数cm間隔で直径10mm程度の気泡bの噴出穴124が複数設けられているが、噴出穴124の位置に例えば2mmの水深差が生じた(水平が取れていない)場合、気泡bの噴出量としては約60%の大差となって表れてしまう。したがって、気泡供給装置12には、高い設置精度が要求される。当然、膜モジュール11においても気泡供給装置12に対して高い精度で設置する必要が生じる。
したがって、本実施形態においては、FRP等からなる堅牢な構造体である浄化槽2に、位置決め基準となるガイド体29,30を設け、当該ガイド体29,30に沿って気泡供給装置12および膜モジュール11を設置することにより、浄化槽2に対する気泡供給装置12および膜モジュール11の設置精度および気泡供給装置12に対する膜モジュール11の設置精度をともに高くすることができ、膜モジュール11のろ過性能を十分に発揮させることができる。
ここで、本実施形態における膜モジュール11と気泡供給装置12との間に設けられた固化防止装置3について詳しく説明する。本発明に係る固化防止装置3の第1ネット31は、以下の条件を満たすものである。
10≦a1<d3 /K ・・・(1)
K≧27 ・・・(2)
ただし、a1は第1ネット31の目開き面積(mm2)、dは管状膜111の内径(mm)である。
まず、固化は、塊状になった被処理物(主に塊状の活性汚泥や夾雑物。以下、単に塊状汚泥と称する)が管状膜111の中で流動を停止することによって生じる可能性が高い。気泡供給装置12から供給される平均的な気泡bの直径は数cm程度である。この直径は、前述した管状膜111の内径dの数倍程度と言える。膜モジュール11に供給された気泡bがすべての管状膜111に均一に分配され、管状膜111に接触した気泡bがそのまま管状膜111に沿って上昇して行くとすると、管状膜111内における気泡bの鉛直方向の平均的長さは、元の気泡bの直径に依存し、管状膜111の内径によらないものと想定できる。
このような想定に基づいて、塊状汚泥が気泡bの浮力によって移動する条件を考察する。まず、気泡bによる浮力Fbは管状膜111のd2に比例して以下のように表される。
b=kb2 ・・・・(f1)
ここで、比例定数kbは気泡bの長さに比例するものであり、上述のように、気泡bの長さは管状膜111の内径dに依存しないので、比例定数kbも内径dに依存しない。
一方、塊状汚泥が管状膜111の内面から受ける摩擦力Ffは、管状膜111中の塊状汚泥の鉛直方向の平均的長さをsとすると、以下のように表される。
f=kfds ・・・(f2)
ここで、管状膜111の内面の粗さに依存する比例定数kfは、管状膜111の素材に依存し、内径dによらない。
ここで、浮力Fbが摩擦力Ffより大きければ、塊状汚泥は上昇する(固化しない)と言える。
b2>kfds ・・・(f3)
この不等式(f3)を変形すると以下のようになる。
α≡d/s>kf/kb ・・・(f4)
ここで、d/sで定義された定数αは、塊状汚泥の動き易さを示す数値と言える。すなわち、この定数αの値が管状膜111の内径dによらない特定の値αmin(=kf/kb)よりも大きくなるようにすれば、塊状汚泥は気泡bの浮力によって上昇することとなり、固化の発生を防止することができる。
ここではまず、固化防止装置3として第1ネット31のみを気泡供給装置12と膜モジュール11との間に挿入した場合を考える。図3に示すように、第1ネット31を通過する前の塊状汚泥を直径Dの球と想定すると、第1ネット31を通過した塊状汚泥の体積は、第1ネット31の目開き面積a1を用いてa1Dと表すことができる。したがって、管状膜111における塊状汚泥の鉛直方向長さsは、以下の関係を有するとして差し支えない。
π(d/2)2s≒a1D ・・・(f5)
したがって、この塊状汚泥に関する定数αは、
α(=d/s)=(π/4D)d3/a1 ・・・(f6)
となり、これを変形して、
1=d3/K (K=α・4D/π) ・・・(f7)
ここで、式f7において、Dは前述の通り塊状汚泥の直径であり、定数αの最小値kf/kbとともに、管状膜111の内径dによらない。したがって、固化が生じないときの定数Kの最小値を求めることにより、固化を生じない第1ネット31の目開き面積a1の最大値を求めることができる。すなわち、以下の式を得る。
1<d3/Kmin (Kmin=(kf/kb)・(4D/π)) ・・・(f8)
ここで、発明者は、Kminを求めるために、管状膜111の内径d=10mmで活性汚泥のMLSS濃度として必要な領域である17000mg/l以下において固化しないための条件を実験的に求めたところ、Kの値の最小値Kminとして、27という数値を得た。なお、MLSS濃度の設定について、浄化槽2をコンパクトにするためには、汚泥濃度をできるだけ高くする必要があることに基づいて設定される。ここで、図5は固化防止装置を用いない場合の各内径における固化のしきい値を示す図である。図5によれば、前述した本発明において好ましい内径dが8mm以上15mm以下の領域にあっては3000mg/lから9000mg/lを超えると固化が発生し易くなる。これより、実験的には、9000mg/l、実際上は、少なくとも15000mg/lの濃度にする必要がある。したがって、活性汚泥のMLSS濃度として設定される可能性の高い領域を含んだ17000mg/lを基準に求めたものである。なお、MLSS濃度が高くなり過ぎると、Kの最小値は大きくなり、要求される第1ネット31の目開き面積a1は小さくなるが、この場合第1ネット31自身が目詰まりし易くなるだけでなく、気泡の浮力のみをクロスフローの力としている浸漬型膜分離装置1にあっては、活性汚泥のフラックス(流量)が低下するため好ましくない。
ところで、このKの値は、前述の通り管状膜111の内径dに依存しないものであり、内径dが上記10mm以外の管状膜111についても有効であるという知見が得られた。以上より、以下の式を得る。
1<d3/K ・・・(f9)
K≧27 ・・・(f10)
一方、発明者は、第1ネット31の目開き面積a1が10mm2より小さくなると、主に硝化槽22内に混入している夾雑物により第1ネット31自身が目詰まりや固化を生じ易くなる点を鑑みて、目開き面積a1の下限値を定めた。
10≦a1 ・・・(f11)
以上のようにして、本発明に係る固化防止装置3の第1ネット31が以下の条件を満たせばよいことが導かれる。
10≦a1<d3 /K ・・・(1)
K≧27 ・・・(2)
したがって、以上に説明した条件に基づいて、管状膜の前段に塊状汚泥が進入することを規制する第1ネットを設けることにより、簡単かつ低コストで、固化を有効に防止することができる。
なお、本実施形態においては、第1ネット31の目の開口形状は正方形である。この場合、対称性が高くなり、第1ネット31における目詰まりをより効果的に防止することができる。また、正方形以外でも菱形または正六角形も好適に用いられる。
また、本実施形態においては、図2に示すように、複数のネットを追加する構成も採用可能である。図2においては、第1ネット31に加えて第2ネット32が第1ネット31の前段部、すなわち、第1ネット31と気泡供給装置12との間に設置される。一般的な浄化槽2においては、固化防止装置3の第1ネット31を目詰まりさせる夾雑物は、分離槽(固液分離槽や沈殿分離層等)21で除去されるため、第1ネット31だけで、固化を効果的に防止することは可能である。しかし、夾雑物が多量に含まれる汚水を処理する場合には、目詰まり防止のため、できるだけ目の大きいネットを用いることが好ましい。そこで、第1ネット31に加えて、その前段(下方)に第2ネット32を設けるものである。
ここで、この第2ネット32の目開き面積a2の条件は、第1ネット31の目開き面積a1より大きければよい。すなわち、以下の条件を満たせばよい。
1<a2 ・・・(f12)
というのも、ネットを通過した塊状汚泥は、図3に示すように、液中を流れる(上昇する)塊状汚泥の凝集力により、必ず当該ネットの目開き面積より小さい球状に変形していく。すなわち、一度ネットを通過した塊状汚泥は再び通過したネットの目開き面積より大きな断面積を有することはないからである。
このように、第2ネット32を追加することにより、夾雑物が多量に含まれる汚水を処理する場合であっても、膜モジュール11の管状膜111に夾雑物が進入することを効果的に防止することができ、また、進入する塊状汚泥を多段的に小さくすることができるため、より効果的に固化を防止することができる。
なお、第2ネット32の目開き面積a2は、管状膜111の断面積π(d/2)2より小さいことが好ましい。すなわち、以下のような条件が好ましい。
( a1< )a2<πd2 /4 ・・・(3)
また、第1ネット31の目開き面積a1より大きく管状膜111の断面積πd2/4より小さなネットを複数設けることとしてもよい。これにより、進入する塊状汚泥をより多段的に小さくすることができ、夾雑物が多い場合にあっても、より効果的に固化を防止することができる。
なお、第1ネット31の設置位置は、適宜採用可能であるが、気泡供給装置12から約20cm以上離れた気泡が略均一に分散するところで、膜モジュール11から約5cm以上離れたところが好ましい。また、複数のネットを用いる場合には、ネット間距離を約5cm以上にすることが好ましい。また、第1ネット31および第2ネット32の材質は、プラスチック等、特に限定されることなく適宜採用可能である。
続いて、本発明の第2の実施形態について説明する。図4は本発明の第2実施形態に係る固化防止装置を備えた浸漬型膜分離装置において、浸漬型膜分離装置と固化防止装置との関係を示す分解斜視図である。なお、第1実施形態と同様の構成を有するものは、同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施形態においては、第1実施形態における管状膜111を備えた多管状膜モジュール11の代わりに、平膜間間隔eが4mm以上7mm以下の複数の平行平膜131を備えたプレート型の膜モジュール13を適用したものである。
このようなプレート型の膜モジュール13は、平膜131間の間隔が7mm以下になると固化がしばしば発生することが知られている。ここで、膜モジュールとして管状膜を使用した場合において固化が生じるしきい値についての実験結果と比較すると、平膜131間の間隔eは、管状膜の内径の1/2に相当する知見が得られた。
すなわち、第1実施形態の管状膜111の内径dを本実施形態の平膜131の間隔eに置き換えると、第1実施形態の条件式(1)(2)は、次式で表される。
10≦a1<d3 /K ・・・(1)
K≧27 ・・・(2)
ただし、a1は第1ネット31の目開き面積(mm2)、d=2e(mm)である。
すなわち、
10≦a1<8e3 /K ・・・(f13)
K≧27 ・・・(f14)
ただし、a1は第1ネット31の目開き面積(mm2)、eは平膜131間の間隔(mm)である。
以上より、プレート型の膜モジュール13に上記条件式を満足する固化防止装置3を第1実施形態と同様に設けることにより、膜モジュール13の前段において塊状汚泥が進入することを規制することができ、簡単かつ低コストで、固化を有効に防止することができる。
なお、本実施形態においても第2ネット32等の複数のネットを第1ネット31の前段に採用することが可能である。
以上のような本発明の構成は一例であってこれに限定されるものではなく、各構成の構造や設置方法等、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で変更可能であり、これと同様の効果を奏する多数の態様を得ることができる。
ここで、本発明の実施例について比較例と対比しつつ説明する。
図1の装置を用いて、固液分離後の総合生活排水を多管状膜モジュール11で膜分離活性処理を行い、固化の発生状況を調べた。
内径d=10mmの管状膜111を270本束ねた膜モジュール11の前段に第1ネット31として6×6mmの正方形目のプラスチック製ネットを設置した。このときの目開き面積a1=64mm2であり、式(f7)より逆算したKの値は、27.8である。これは式(1)(2)を満足している。そして、気泡供給装置12には、直径が10mmの気泡(空気)bの噴出穴124が複数設けられ、当該噴出穴124からの気泡(空気)の曝気流量を膜面積1m2あたり約10L/分にしてMLSS濃度を上昇させていった際の固化の発生状況を調べた。
内径d=13mmの管状膜111を366本束ねた膜モジュール11の前段に第1ネット31として9×9mmの正方形目のプラスチック製ネットを設置した。このときの目開き面積a1=81mm2であり、式(f7)より逆算したKの値は、27.1である。これは式(1)(2)を満足している。その他の構成、条件等は、実施例1と同様にして固化の発生状況を調べた。
<比較例1>
内径10mmの管状膜を270本束ねた膜モジュールの前段に8×8mmの正方形目のプラスチック製ネットを設置した。このときの目開き面積は、64mm2であり、式(f7)より逆算したKの値は、15.6である。これは式(1)(2)を満足していない。その他の構成、条件等は、実施例1と同様にして固化の発生状況を調べた。
<参考例>
内径7,10,および13mmの管状膜を160本以上束ねた膜モジュールをネットなしで使用した場合(その他の条件は実施例1と同様)、膜モジュールのろ過液出口から被処理液面までの距離が約20cmあるとき、ろ過フラックスは、0.25m/日であった。この条件下で固化が発生するMLSS濃度のしきい値は、図5で示される通りである。なお、図5は5本以上の管状膜で固化が発生したときのMLSS濃度のしきい値を示している。図5に示すように、管状膜の内径が大きくなるにつれて、固化が発生するMLSS濃度が高くなっている。特に、9000mg/l付近では、内径が13mmであっても固化が生じている。浸漬型膜分離装置においては、実際には15000mg/l程度になるまでは運転されるので、このままの状態では時間経過とともに固化した管状膜の本数が増加してろ過流量が低下することは明らかである。
<評価>
実施例1、実施例2ともMLSS濃度がおよそ17000mg/lを超えるまで発生することはなかった。したがって、これらの実施例1,2において第1ネット31は、十分な固化の発生防止効果を達成することができた。一方、比較例1においては、MLSS濃度が15000mg/lのときからすでに固化が発生し始め、固化の発生防止効果としては不十分であるという結果になった。
本発明の第1実施形態に係る固化防止装置を備えた浸漬型膜分離装置を浄化槽に配置したところを側方から見た部分断面図である。 図1の浸漬型膜分離装置と固化防止装置との関係を示す分解斜視図である。 図2の第1ネットにおける活性汚泥の様子を側方から見た断面図である。 本発明の第2実施形態に係る固化防止装置を備えた浸漬型膜分離装置において、浸漬型膜分離装置と固化防止装置との関係を示す分解斜視図である。 固化防止装置を用いない場合の各内径における固化のしきい値を示す図である。
符号の説明
1 浸漬型膜分離装置
2 浄化槽
3 固化防止装置
11,13 膜モジュール
12 気泡供給装置
31 第1ネット
32 第2ネット
111 管状膜
131 平膜

Claims (7)

  1. 複数の管状膜からなる膜モジュールと当該膜モジュールの下方より気泡を供給する気泡供給装置とを具備し、被処理液をろ過する浸漬型膜分離装置のための固化防止装置であって、
    前記膜モジュールと前記気泡供給装置との間に以下の条件を満たす第1ネットを設けたことを特徴とする固化防止装置。
    10≦a1<d3 /K ・・・(1)
    K≧27 ・・・(2)
    ただし、a1は第1ネットの目開き面積(mm2)、dは管状膜の内径(mm)である。
  2. 前記管状膜の内径は、8mm以上15mm以下であることを特徴とする請求項1記載の固化防止装置。
  3. 前記第1ネットと前記気泡供給装置との間に前記第1ネットの目開き面積より大きい目開き面積を有する第2ネットを設けたことを特徴とする請求項1または2記載の固化防止装置。
  4. 前記第2ネットは、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項3記載の固化防止装置。
    2<πd2 /4 ・・・(3)
  5. 複数の平膜を平行に配置し、平膜間の間隔が4mm以上7mm以下であるプレート型の膜モジュールと前記平膜に対して平行に気泡を供給する気泡供給装置とを具備し、被処理液をろ過する浸漬型膜分離装置のための固化防止装置であって、
    前記膜モジュールと前記気泡供給装置との間に以下の条件を満たす第1ネットを設けたことを特徴とする固化防止装置。
    10≦a1<d3 /K ・・・(1)
    K≧27 ・・・(2)
    ただし、a1は第1ネットの目開き面積(mm2)、dは平膜間の間隔の2倍(mm)である。
  6. 前記第1ネットは、正方形、ひし形、または正六角形の目を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の固化防止装置。
  7. 前記被処理液は、総合生活排水を処理するための浄化槽における好気性活性汚泥であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の固化防止装置。
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