JP2006120912A - 半導体装置の製造方法および製造装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法および製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 導電膜の化学的機械研磨後に、導電膜の表面上に研磨砥粒が残存することを抑制し、半導体装置の平坦性を向上させる。
【解決手段】 基板上に絶縁膜を堆積する工程と、絶縁膜内に凹部を形成する工程と、凹部を埋め込むように導電膜を堆積する工程と、基板を研磨砥粒が供給される研磨パッドに押圧して研磨を行うことにより、凹部からはみ出した導電膜を除去する工程とを含み、導電膜を除去した後に、凹部内に埋め込まれた導電膜上の研磨砥粒を除去する。これにより、導電膜が過剰研磨されてしまうことがなく、半導体装置の平坦性を向上させ、配線パターンの疎密に関わらず、配線のシート抵抗の分布を抑えることができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、半導体装置の製造方法および化学的機械研磨装置に関するものである。特に、化学的機械研磨を用いて配線を形成する半導体装置の製造方法および製造装置に関するものである。
半導体集積回路装置の素子の高密度化に伴って配線技術は、益々微細化および多層化の方向に向かっている。近年の開発では、設計ルールが90ナノメートル以細と微細化してきている。またこのような論理LSIでは、配線を6層以上に多層化することが必要となっている。このため、半導体集積回路装置の製造プロセスにおける多層配線プロセスの重要性はより高くなっている。また配線に使用される金属も、アルミニウムから銅に移行してきた。
しかしながら、配線の微細化および多層化の進展により、重大な問題が発生している。具体的には、配線の微細化に伴い、配線パターンサイズが小さくなることで、配線の孤立部で発生する局所段差が抵抗ばらつきに影響する問題が生じている。
ここで一般的な銅配線形成プロセスと従来の化学的機械研磨装置について説明する。
まず、銅配線形成プロセスについて説明する。一般的にはそのプロセスには化学的機械研磨(CMP)法が導入され、実用化されている。
図12は、CMPを用いた一般的な配線形成プロセスを示したものである。層間絶縁膜1001である二酸化ケイ素を堆積後、フォトリソグラフィー技術とドライエッチング技術によって前記層間絶縁膜表面に配線のための溝1002を形成する。銅は、二酸化ケイ素中を拡散しやすく、層間絶縁膜の性能を劣化させる恐れがあるため、バリアメタル1003と呼ばれる銅の拡散防止膜を層間絶縁膜1001の表面に薄く堆積する。銅のバリアメタル1003の材料には、窒化タンタル膜がよく用いられる。銅の配線溝1002への埋め込みは、まずスパッタ技術で銅のシード層1004を形成し、次に電解めっき技術によって、銅1005を堆積し配線溝1002を埋め込む。このときの銅の堆積膜厚は、配線溝の深さよりも大きく設定される。なぜなら、このようにしないと配線溝1002が銅1005で埋まらないからである。このとき、半導体装置の表面には、初期段差1006が発生する。この初期段差の量は、配線パターンによって異なる。最後に、化学的機械研磨技術によって、余剰な銅1005とバリアメタル1003を除去し、埋め込み配線1007を完成させる。このバリアメタル研磨後のバリアメタルと銅の界面には、リセス1008と呼ばれる局所段差が生じる。このように銅の配線形成には、銅膜の研磨と、バリアメタル膜の研磨との2段階研磨で行われる。ただし、最近はバリアメタル研磨時に層間の絶縁膜も研磨して、最終の銅の配線高さを調整するプロセスが増えてきている。
次に従来の化学的機械研磨装置について説明する。図13にその一例を示す。図13に示すように、この化学的機械研磨装置は、研磨パッド1101が固着され、外部からの駆動力により図中の矢印方向1102に回転する研磨プレート1103、被研磨物であるウェハなどの基板1104を保持し、研磨圧力により研磨パッド1101に基板1104を押し付けるとともに、外部からの駆動力により図中の矢印方向1105に回転するキャリア1106、および、シリカやアルミナなどの研磨粒子がpH調整剤を含んだ水に懸濁した研磨剤、すなわちいわゆるスラリーを供給するスラリー供給系1107により、主として構成されている。スラリー供給系1107に取り付けられたスラリー供給口1108の先端から研磨プレート1103の回転中心付近にスラリー1109が滴下され、滴下されたスラリー1109は研磨プレート1103の回転による遠心力で研磨パッド1101上に拡散される。そして、このようにスラリー1109を供給しながら、研磨プレート1103とキャリア1106とをいずれも回転させ、基板1104と研磨パッド1101とを擦り合わせることにより基板1104の表面を研磨する。このとき、被研磨物が銅膜かバリアメタル膜かで、異なるスラリーを用いて化学的機械研磨が行われる。
特開2004−27165号公報 特開2002−19833号公報
CMPでは、研磨前のめっき堆積後の初期段差が配線形成に大きく影響する。図14は、配線の孤立部(a1〜3)と密集部(b1〜3)とのめっき堆積後、すなわち銅のCMP前の状態とCMPの途中経過を示した図である。既に上述したように、CMP前までのプロセスは層間絶縁膜1201に形成された溝に、バリアメタル膜1202が堆積され、その上にめっき銅1203が堆積される。このとき、孤立部と密集部とでそれぞれ、初期段差1204を生じる。その初期段差1204は溝の占有率に応じて、孤立部では配線上にへこみ、密集部では配線パターン上に盛り上がる形状になる。これは図12で説明したように、めっき銅は銅のシード層に応じて堆積されていく。このため、孤立部に比べてよりシード層の表面積が大きい密集部の方が、早い段階で配線の底からめっきされていくことになる。その結果、初期段差1204が生じることになる。
こうした初期段差の違いがある配線をCMPしていくと、孤立部の銅が平坦化、すなわちバリアメタル表面との段差がなくなった状態では、まだ密集部では銅の残り1205がある。このため、さらにオーバー研磨を行うことで、この銅の残り1205も除去できる。しかし、このとき、孤立部の銅配線とバリアとの表面は局所段差1206が生じている。これは、オーバー研磨を行うことで、銅の研磨がさらに進行したためである。この状態では、その局所段差に銅CMPスラリーの残留砥粒1207が残存することになる。
この状態で、バリアメタル研磨を行うと配線形状に大きな影響を与える。図15は銅の化学的研磨後にスラリー、すなわち研磨砥粒が残存した場合(a1〜3)と除去された場合(b1〜3)のそれぞれのケースで、次の段階のバリアCMPを実施した場合の配線形状を示したものである。通常、バリアメタルの研磨では、バリアが除去された時点で研磨を止めるプロセスと、さらに積極的に層間絶縁膜をも研磨するプロセスとがある。まず、研磨砥粒1009が残存した場合にバリアメタル1003の研磨を実施した場合、銅1007の研磨後に残存した砥粒1009がバリアメタルの研磨時にさらに物理的な研磨が加速されることになり、局所段差、すなわちリセス1301がますます進行することになる。さらに絶縁膜1001を研磨するプロセスでは、なおいっそうリセスが進行することになる。
この結果は、本来チップ内において均一であるべき配線のシート抵抗にばらつきを生じ、さらには、クロックなどの信号の遅延時間に差を生じるなど、正常なLSIとしての機能を失うおそれがある。このことが、より高品質、より高信頼性、より高密度の半導体装置を提供する障害の1つとなっている。このようなリセスの問題は、特許文献1や特許文献2でも指摘している。しかし、これらの発明は、スラリーの成分を工夫することでリセスの発生を抑制するものである。
したがって、この発明の目的は、導電膜の化学的機械研磨後に、導電膜の表面上に研磨砥粒が残存することを抑制し、半導体装置の平坦性を向上させ、配線パターンの疎密に関わらず、配線のシート抵抗の分布を抑えた半導体装置の製造方法をおよび製造装置を提供することである。
上記目的を達成するためにこの発明の請求項1記載の半導体装置の製造方法は、基板上に絶縁膜を堆積する工程と、前記絶縁膜内に凹部を形成する工程と、前記凹部を埋め込むように導電膜を堆積する工程と、前記基板を研磨砥粒が供給される研磨パッドに押圧して研磨を行うことにより、前記凹部からはみ出した前記導電膜を除去する工程とを含み、前記導電膜を除去した後に、前記凹部内に埋め込まれた導電膜上の研磨砥粒を除去する。
請求項2記載の半導体装置の製造方法は、請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記導電膜は銅膜からなり、前記銅膜が前記絶縁膜に接触しないように前記絶縁膜上にバリア膜が形成された。
請求項3記載の半導体装置の製造方法は、請求項2記載の半導体装置の製造方法において、前記バリア膜は、タンタル、チタン、タングステンを含む金属である。
請求項4記載の半導体装置の製造方法は、請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記導電膜上の研磨砥粒を除去する工程は、前記導電膜上に超音波水を配する、またはアンモニア及び界面活性剤を含む有機酸を配することにより行う。
請求項5記載の半導体装置の製造方法は、請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記導電膜上の研磨砥粒を除去する工程において、研磨パッドに対して不活性なガスと超高圧水を供給する、またはポリビニルアルコールブラシで研磨することにより、前記研磨パッド上の残留物を除去する。
請求項6記載の半導体装置の製造方法は、請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記凹部からはみ出した前記導電膜を除去する工程は、前記基板を自転方向に回転させながら研磨パッドに押圧することにより行い、かつ前記導電膜のオーバー研磨時に、前記基板を研磨パッドの軸周りに回転させるとともにその回転方向と前記研磨パッドの回転方向は、互いに逆向きである。
請求項7記載の半導体装置の製造方法は、請求項1記載の半導体装置の製造方法において、前記凹部からはみ出した前記導電膜を除去する工程において、前記導電膜のオーバー研磨時に、研磨砥粒の砥粒濃度を高いものから低いものに変更する。
請求項8記載の半導体装置の製造装置は、絶縁膜およびこの絶縁膜に形成された凹部に埋め込むように導電膜を堆積した基板を保持する基板保持部と、前記基板を押し当てて研磨を行うことで、前記凹部からはみ出した前記導電膜を除去する研磨パッドと、前記研磨パッドに対して研磨砥粒を供給する機構とを有する半導体装置の製造装置であって、前記凹部内に埋め込まれた前記導電膜上の研磨砥粒を除去する除去機構を備えている。
請求項9記載の半導体装置の製造装置は、請求項8記載の半導体装置の製造装置において、前記研磨砥粒の除去機構は、前記研磨パッドに薬液を供給する装置、超高圧水を供給する装置、超音波水を供給する装置、またはガス供給装置である。
請求項10記載の半導体装置の製造装置は、請求項8記載の半導体装置の製造装置において、前記薬液は、アンモニア水、または界面活性剤入りの有機酸である。
この発明の請求項1記載の半導体装置の製造方法によれば、導電膜を除去した後に、凹部内に埋め込まれた導電膜上の研磨砥粒を除去するので、導電膜の研磨後に残存した砥粒により次の研磨時にさらに物理的な研磨が加速されることがなくなる。このため、半導体装置の平坦性を向上させ、配線パターンの疎密に関わらず、配線のシート抵抗の分布を抑えることができる。すなわち、従来は導電膜の研磨後に砥粒が残存していたために、その状態でバリアメタル研磨を行うことになる。このため、バリアメタル研磨時に物理的に導電膜が過剰研磨されてしまうために、配線の孤立部と密集部とで、配線高さが異なることになる。このために配線抵抗のパターンばらつきを引き起こすことになる。本発明では、導電膜の研磨後に砥粒が残存しないため、バリアメタル研磨の制御のみで配線高さを調整することが可能となる。
請求項2では、請求項1記載の半導体装置の製造方法において、導電膜は銅膜からなり、銅膜が絶縁膜に接触しないように絶縁膜上にバリア膜が形成されているので、銅が絶縁膜中に拡散することを防止することができる。また、配線高さのばらつきがバリアメタル研磨のみで制御可能となる。
請求項3では、請求項2記載の半導体装置の製造方法において、バリア膜は、タンタル、チタン、タングステンを含む金属であることが好ましい。
請求項4では、請求項1記載の半導体装置の製造方法において、導電膜上の研磨砥粒を除去する工程は、導電膜上に超音波水を配する、またはアンモニア及び界面活性剤を含む有機酸を配することにより行うことが好ましい。超音波によって純水がキャビテーション(空洞)を生成し、この空洞が基板と接触して、研磨圧力が一定以上により消滅する。その消滅する衝撃力に残留砥粒が銅膜から吸引脱離される。また、研磨パッド上の砥粒や化学研磨時に生成した反応物を十分に除去した上で、アンモニア及び界面活性剤を含む有機酸を用いた基板の研磨を行うことにより、基板上の残留砥粒をより効果的に除去することが可能となる。
請求項5では、請求項1記載の半導体装置の製造方法において、導電膜上の研磨砥粒を除去する工程において、研磨パッドに対して不活性なガスと超高圧水を供給する、またはポリビニルアルコールブラシで研磨することにより、研磨パッド上の残留物を除去するので、研磨パッドの寿命が向上する。従来は銅の研磨後の研磨パッド上の残留物を取り除くために、ドレスを使って研磨パッドを物理的に削り取ることで対策している。しかし、本発明の研磨パッド上の残留物除去方法を用いれば、研磨パッドを削り取らなくても、残留物を完全に除去することが期待できる。このことは、消耗部材である研磨パッドの寿命の向上を実現するものである。
請求項6では、請求項1記載の半導体装置の製造方法において、凹部からはみ出した導電膜を除去する工程は、基板を自転方向に回転させながら研磨パッドに押圧することにより行い、かつ導電膜のオーバー研磨時に、基板を研磨パッドの軸周りに回転させるとともにその回転方向と研磨パッドの回転方向は、互いに逆向きであることが好ましい。オーバー研磨時に、研磨パッドを上記のように揺動させることで、スラリーが研磨パッド上を拡散するために、実質、砥粒濃度が低下して研磨される。これにより、孤立部の導電膜はへこまず、密集部の残を除去することができる。
請求項7では、請求項1記載の半導体装置の製造方法において、凹部からはみ出した導電膜を除去する工程において、導電膜のオーバー研磨時に、研磨砥粒の砥粒濃度を高いものから低いものに変更するので、オーバー研磨の目的である、密集部の残は除けて、かつ孤立部の導電膜はへこまないようにすることで砥粒が残留することがない。
この発明の請求項8記載の半導体装置の製造装置によれば、凹部内に埋め込まれた導電膜上の研磨砥粒を除去する除去機構を備えているので、請求項1と同様に半導体装置の平坦性を向上させ、配線パターンの疎密に関わらず、配線のシート抵抗の分布を抑えることができる。
請求項9では、請求項8記載の半導体装置の製造装置において、研磨砥粒の除去機構は、研磨パッドに薬液を供給する装置、超高圧水を供給する装置、超音波水を供給する装置、またはガス供給装置であるので、請求項4または5と同様の効果が得られる。
請求項10では、請求項8記載の半導体装置の製造装置において、薬液は、アンモニア水、または界面活性剤入りの有機酸であることが好ましい。
図1は本発明者が、従来技術が有する上述の課題を解決するための手段を検討した結果をまとめたフローチャートである。
本課題は、銅の研磨を行う前、すなわちめっき後の段差が粗密間の配線部で異なることが影響している。基板表面において、密集部の銅を完全に平坦化するために、オーバー研磨を行う必要がある。このため、孤立部の銅表面はオーバー研磨のためにバリア表面よりもへこんでしまう。そのため、このへこみ部に銅の研磨用スラリー中の砥粒が、残留してしまう。この砥粒が残存したままで、バリアメタルの研磨を実施すると、さらに局所段差、すなわちリセスは進行してしまう。これが図1に示す、従来のプロセス201である。
本発明者は、この残存砥粒が、最終的なリセスに最も影響することを発見した。
そこで鋭意検討した結果、残存砥粒を除去する研磨装置と、砥粒の残存を抑制する研磨装置を発明した。前者の残存砥粒の除去を行う手段は、大きく分けて二種類ある。これが、図1のフローチャートの砥粒除去プロセス202と砥粒残存抑制プロセス203である。
第一の発明のうちの一点は、銅の研磨が終了した後に、銅がへこんだ部分に残留した砥粒を除去する装置とその方法である。装置は、通常の銅の研磨後に、800kHzの超音波水を500mL/minの流量で10秒乃至20秒間、研磨パッド上に噴射しながら基板を研磨する。これは、超音波によって純水がキャビテーション(空洞)を生成し、この空洞が基板と接触して、研磨圧力100hpa以上により消滅する。その消滅する衝撃力に残留砥粒が銅膜から吸引脱離される。このような物理的効果は、従来の単なる水研磨では不可能であった。
第一の発明のうちの二点は、同じく、銅の研磨が終了した後で残留砥粒を除去する手段である。
通常、銅の研磨が終了した時点では、研磨パッド上に多くの砥粒や、銅との化学反応物が残留している。この状態で、基板上の砥粒の除去を短時間で行うには、上述の超音波水研磨のような効果がなければ効果は薄い。そこで、研磨パッド上の砥粒や化学研磨時に生成した反応物を十分に除去した上で、薬液を用いた基板の研磨を行う。これにより、基板上の残留砥粒をより効果的に除去することが可能となる。その研磨パッド上の砥粒や反応物を除去する手段が2つある。
そのうちの1つ目が、銅の研磨が終了した後に、銅に対し不活性なガスを圧力として純水を研磨パッド上に全面にかける。このときの条件として、ガスの圧力は0.3MPa以上、純水の流量は1.5L/min以上、研磨圧力100hpa以上で30秒間行う。これにより、研磨パッド上の残留砥粒や研磨生成物は除去できる。
2つ目は、PVA(ポリビニルアルコール)ブラシとアンモニア水を用いた除去方法である。アンモニア水の供給下、すなわちアルカリ領域では研磨パッド、パッド上の砥粒およびPVA表面がいずれも、マイナスの電位をもつことから、接触すると互いに電気的な反発が生じる。これにより、砥粒はブラシやパッドから除去される。これも上述の1つ目の手段と同等の効果がある。
これらの2種のうちのどちらかの手段の後に、以下の手段を行う。研磨パッド全面に、アンモニア添加水あるいは、界面活性剤を含む有機酸を流量500mL/minで、研磨圧力100hPa以上で10秒乃至20秒間、研磨する。これにより、基板上の砥粒は除去できる。
本発明ではこの2種の手段を、一体のノズル機構を用いた装置で行うことが可能である点が大きな特徴である。さらにこの複合効果を、研磨パッドならびにウェハ全面に適用させた装置としては、従来のスラリーと同じく、一つのノズル供給口から流して水研磨する装置では不可能な効果である。
第二の発明は、砥粒そのものを抑制する手段を発明した。砥粒が残留する理由は、銅のオーバー研磨によりへこんでしまうからである。そこで、銅がへこまないようにする装置を発明した。方法は、2つある。1つ目は、オーバー研磨時に、スラリーの砥粒濃度を小さくしたスラリーで研磨する方法である。メインの研磨時の砥粒濃度が2乃至5重量%であるのに対し、オーバー研磨時のそれは、1重量%で行う。これにより、オーバー研磨の目的である、密集部の残は除けて、かつ孤立部の銅はへこまない。2つ目は、オーバー研磨時に、研磨キャリアを揺動させることで、実質、砥粒濃度が1.5重量%で研磨される。これを1重量%の0.6倍のオーバー研磨量で研磨することで、上述同様に孤立部の銅はへこまず、密集部の残を除去することができる。
前記構成によって、バリアCMP前に、孤立部の銅膜上にスラリーの砥粒が残留するのを抑制する研磨装置を実現することができる。
以下、本発明の第1の実施形態を図2および図3に基づいて説明する。
図2は本発明の第1の実施形態における研磨装置とその方法を示すものである。
本実施形態の研磨装置は、超音波水で研磨することにより、銅研磨後の残留砥粒を除去することができる点が特徴である。
すなわち、従来の研磨装置に加えて、超音波水を発生させる装置を追加する。以下、その半導体装置を用いて実施された方法について、以下にその詳細を説明する。
図2に示すような化学的機械研磨装置を用いる。この研磨装置は、研磨パッド101が固着され、外部からの駆動力により図中の矢印方向102に回転する研磨プレート103、被研磨物であるウェハなどの基板104を保持し、研磨圧力により研磨パッド101に基板104を押し付けるとともに、外部からの駆動力により図中の矢印方向105に回転するキャリア106、シリカやアルミナなどの研磨粒子がpH調整剤を含んだ水に懸濁した研磨剤、すなわちいわゆるスラリーを供給するスラリー供給系107により、主として構成されている。さらに、研磨砥粒を除去する除去機構として、純水供給系110、超音波発生装置111を有する。
半導体装置の製造方法は、基板104上に絶縁膜を堆積する工程と、絶縁膜内に凹部を形成する工程と、凹部を埋め込むように導電膜を堆積する工程と、基板104を研磨砥粒が供給される研磨パッドに押圧して研磨を行うことにより、凹部からはみ出した導電膜を除去する工程と、導電膜を除去した後の基板表面にオーバー研磨を行う工程とを含み、導電膜を除去した後に、凹部内に埋め込まれた導電膜上の研磨砥粒を除去する。
実際の銅研磨開始から、バリア研磨前までの実施形態を説明する。銅研磨用スラリーの供給系107に取り付けられたスラリー供給口108の先端から、研磨プレート103の回転中心付近に銅研磨用スラリー109が滴下され、滴下されたスラリー109は研磨プレート103の回転による遠心力で研磨パッド101上に拡散される。そして、スラリー109を供給しながら、研磨プレート103とキャリア106とをいずれも回転させ、基板104と研磨パッド101とを擦り合わせることにより基板104の表面を研磨する。すると、基板表面のめっき銅は研磨され、やがて上述したオーバー研磨の状態に入る。すなわち、研磨の段階で銅配線の孤立部のめっき銅は完全に除去され、バリアメタル膜が表出し、密集部だけが銅の残りが生じる。この密集部の残りを除去する研磨の段階がオーバー研磨である。このオーバー研磨が終了した時点で、通常の銅研磨が終了する。この後、本発明の特徴である、超音波水研磨を実施する。すなわち、オーバー研磨終了後の基板104と研磨パッド101とが接触されたままで、純水供給系110に取り付けられた超音波発生装置111で、超音波を発生させ、それにより生成したキャビテーション(空洞)を保持した超音波水が、超音波水供給口112から研磨パッド101上の回転中心付近に滴下される。滴下されたキャビテーションを保持した水113は、研磨パッド101上で消滅することなく、研磨プレート103の回転による遠心力で研磨パッド101上に拡散される。そして、基板104と研磨パッド101との間に拡散された水113は、研磨圧力により、その空洞が消滅する。このとき、空洞の衝撃力により、孤立部のへこんだ銅配線上に残留した砥粒が脱離していく。このときに実施した超音波発生装置111の印加量は800kHzを用いた。超音波水の流量は500mL/minであり、この超音波水による研磨時間は10秒乃至20秒間行う。10秒以上行わないと、銅膜上の残留砥粒が十分に除去されない。これは、基板上の砥粒を除去すると同時に、研磨パッド101上の残留砥粒を除去するのに十分な時間が必要だからである。ただし、20秒以上の研磨時間は効果を得るには不要である。またこの研磨時の研磨圧力は100hPa以上を実施する。100hPa以上で研磨することで、残留砥粒を除去するのに十分な衝撃力を発生するからである。
この超音波水による研磨を実施した後、バリア研磨を行うことで、配線の孤立部と密集部との配線の高さはバリア研磨の時間で制御されるため、均一な高さを満足することが可能である。このような砥粒の除去は、従来の単なる水を供給しただけの研磨では不可能であった。
実際に、図15(b1〜3)に示すように残留砥粒がない場合は、バリアメタル1003の研磨だけで配線形状の仕上がりが制御できる。そのためバリアメタル1003の研磨後には、絶縁膜1001と銅配線1007の表面高さは極めて良好に一致する。その後の絶縁膜1001の研磨を実施しても、表面高さは均一に研磨される。
図3は銅の研磨後の砥粒の残存度と、バリアメタル研磨後のリセス量との関係を示したものである。これによると、従来の対策なしの場合と、従来の単に銅の研磨後に研磨パッド上で水研磨を実施した場合では、砥粒の残存度に大差はない。この結果、バリアメタル研磨後のリセス量にも大差はなく、歩留まり不良を引き起こす可能性があるレベルより上にある。一方、本発明の対策を講じた場合は、バリアメタルの研磨後にリセスが発生することがないため、歩留まりは良好である。
以下、本発明の第2の実施形態を図4〜図7に基づいて説明する。
本実施形態は、実施形態1と異なる装置を用いた方法で、銅研磨後の銅膜上の残留砥粒を除去する。以下にその詳細な方法を説明する。
図4に示すような化学的機械研磨装置を用いる。この研磨装置の構成としては、研磨パッド201が固着され、外部からの駆動力により図中の矢印方向202に回転する研磨プレート203、被研磨物であるウェハなどの基板204を保持し、研磨圧力により研磨パッド201に基板204を押し付けるとともに、外部からの駆動力により図中の矢印方向205に回転するキャリア206、および、スラリーを供給するスラリー供給系207により、主として構成されている。さらに、研磨砥粒を除去する除去機構として、超高圧水発生装置210を有する。
半導体装置の製造方法は、第1の実施形態と同様の工程を含み、導電膜を除去した後に、凹部内に埋め込まれた導電膜上の研磨砥粒を除去する。
実際の銅研磨開始から、バリア研磨前までの実施形態を説明する。銅研磨用スラリーの供給系207に取り付けられたスラリー供給口208の先端から、研磨プレート203の回転中心付近に銅研磨用スラリー209が滴下され、滴下されたスラリー209は研磨プレート203の回転による遠心力で研磨パッド201上に拡散される。そして、スラリー209を供給しながら、研磨プレート203とキャリア206とをいずれも回転させ、基板204と研磨パッド201とを擦り合わせることにより基板204の表面を研磨する。すると、基板表面のめっき銅は研磨され、オーバー研磨の状態に入る。実施形態1で上述したように、このオーバー研磨が終了した時点で、通常の銅研磨が終了する。この時点では、銅膜上に砥粒が残留している。さらに、研磨パッド201上には、スラリー内の砥粒や、化学研磨時に発生した反応物209が残っている。本実施形態では、この研磨パッド201全面に残留しているスラリーや反応物209を十分に除去した上で、基板上の残留砥粒を取り除く。
この研磨パッド201上に残留しているスラリーや反応物209を除去する前処理は、後の基板上の残留砥粒を除去するためには、非常に重要な効果をもたらす。というのは、基板上の残留砥粒を除去するには、物理的に研磨パッド201と基板204とを接触しながら、研磨圧力を加えることで除去する以外に効果的な方法はない。そのために、研磨パッド201上に砥粒が残存している場合、基板上の残留砥粒を除去するだけではなく、研磨パッド上の砥粒も同時に除去しないといけないからである。そのために、基板上の砥粒を除去する前に、研磨パッド上の砥粒を除去する前処理を入れることで、効率よく基板上の砥粒を除去することが可能となる。本実施形態では、この前処理と基板上の砥粒除去を行う装置を一体化したもので行うことができる装置構成となっている。
したがって、オーバー研磨が終了した時点で、まず研磨パッド201上のスラリーおよび反応物209を除去するための超高圧水発生装置210から、発生した超高圧水211で研磨パッド201上のスラリーおよび反応物209を取り除く。
図5、図6でさらにこの超高圧水発生装置とその方法について、詳細に説明する。
図5は、この超高圧水発生装置301を含む研磨装置の一部を側面図(a)と上面図(b)で示したものである。超高圧水発生装置301は、研磨パッド302の半径分の長さを有するのが特徴である。この長さをもつ理由は、研磨パッド全面の残留物を一度に均一に除去することができるからである。実際に、この超高圧水発生装置301を用いて、研磨パッド302上のスラリーや反応物303を除去する方法を説明する。オーバー研磨が終了した時点で、これまで研磨中に基板を研磨パッドに押し付けていた研磨圧力をかけることを止める。そして、この後、超高圧水発生装置301で発生した超高圧水304を研磨パッド302上に噴射する。このとき、研磨プレート305は回転方向306に回転している。この超高圧水304により、研磨パッド302上のスラリーや反応物303は除去される。こうした前処理の後、基板上の砥粒を除去する。
ここで、超高圧水発生装置301を用いた超高圧水の発生方法を図6で説明する。図6は超高圧発生装置401を上面から見た図である。横の長さは研磨パッド301の半径分の長さを有する。
超高圧水発生装置401は中心部分に列をなして、超高圧水を噴射する噴射口402が並んでいる。当噴射口402の配列は任意に設定できるものとする。例えば、基板のサイズが300mmである場合、研磨中に発生した反応物は、研磨キャリアの外周部分に比べて、中心部分に多い傾向がある。これは、200mmサイズ以上に基板の中心部分で発生した反応物が、十分に基板の外に排出されることが困難であるためである。こうした場合、噴射口の数を減らし、噴射口の配列を中心部分に多く配列することでより効果的に基板の中心部分付近に残留した研磨パッド上のスラリーや反応物を除去することができる。
次に超高圧水の発生方法を説明する。噴射口402には純水供給系403から供給された純水に、途中銅に不活性なガス、たとえば窒素やアルゴンのようなガスを供給系404から供給することで、超高圧水が噴射口から研磨パッド上に噴射される。本実施形態で用いた条件は、ガスの圧力は0.3MPa以上、純水の流量は1.5L/min以上、研磨プレート回転数50rpm乃至100rpmで15秒間行う。これにより、研磨パッド上の残留砥粒や研磨生成物は除去できる。
この後、基板上の残留砥粒、すなわちへこんだ銅に溜まった砥粒を除去するプロセスを行う。その方法について、図7を用いて説明する。図7は上述の超高圧水発生装置501の超高圧水噴射口502の他にさらに、薬液を供給する噴射口503を設けたものである。この噴射口503は、アンモニア添加水か界面活性剤を有する有機酸を供給する供給系と接続されている。本実施形態では、上述した超高圧水噴射と一体化したものを使用した。上述の研磨パッドの残留物を除去後、この薬液を供給する噴射口503から、薬液を流量500mL/minで研磨パッド全面上に噴射し、研磨圧力100hPa以上で10秒乃至20秒間、研磨する。これにより、基板上の砥粒は除去できる。砥粒が除去できるメカニズムは以下の理由で説明できる。アンモニア水のような弱アルカリ性溶液では、表面電位、いわゆるゼータ電位の反発作用が働く。このゼータ電位について説明する。弱アルカリ性溶液中では、スラリー中の砥粒、すなわちシリカ粒子はその表面にあったSi−O−SiとOH−基との反応によって結合が切れる。したがって、シリカ粒子表面にはOH−基が形成され負に帯電されることになる。このときのシリカ粒子と溶液中の界面に生じる電位差がゼータ電位と呼ばれる。その電位の大きさは、薬液のpH値によって左右される。本実施形態で使用した、アンモニア水は2乃至5ppm濃度の弱アルカリ水溶液である。この濃度でも、基板および研磨パッド表面の電位はマイナスを帯びており、シリカ粒子と同符号化のため、電気的に反発することになる。いったん基板から脱離した砥粒は、基板に再付着することなく、研磨パッドの外に排出される。ここで低濃度のアルカリ性水溶液を用いたのは、極度のアンモニア水は銅膜をエッチングさせてしまうからである。これは銅膜がアンモニア水とアンミン錯体を容易に形成しエッチングされやすいためである。
このような観点から、アンモニア水のゼータ電位による反発の他に、界面活性剤を使用して手段を考案した。界面活性剤を用いると、その高分子が粒子に吸着して、それら吸着物同士による反発力により、基板から砥粒が除去できる。この方法はシリカ粒子の凝集も防止することができるため、大変効果的である。このときに、界面活性剤に有機酸を用いることで、スラリーの溶液で使用されるKやFe、および被研磨物であるCuなどの金属汚染も、有機酸とキレート錯体を形成することで除去することができる。
以下、本発明の第3の実施形態を図8に基づいて説明する。
図8は本発明の第3の実施形態における研磨装置とその方法を示すもので、(a)は側面図、(b)は上面図である。
本実施形態は、実施形態2における研磨パッド上の残留物を除去する手段として、PVAブラシを用いた装置で除去する点で実施形態2とは異なる。それまでの銅膜のCMPの方法および、その後の研磨パッド上の残留物除去後の基板の残留砥粒を除去する方法は同じである。したがって、本実施形態では、このPVAブラシを用いた装置による、研磨パッド上の残留物を除去する方法を以下に説明する。
図8に示すように、実施形態2で説明した図5に設置されている装置構成に加えて、研磨パッド601のおよそ半径分の長さをもったPVAブラシ602を研磨装置に設置する。銅膜のオーバー研磨が終了した時点で、アンモニア添加水を研磨パッド601全面に噴射する噴射装置603を用いる。これは超高圧水発生装置501と同様の構成であるが、超高圧水の代わりにアンモニア添加水を噴射する。噴射装置603からアンモニア添加水を流量500mL/minで研磨パッド全面上に噴射しながら、PVAブラシ602をブラシ回転方向604に100rpmで回転させる。このとき、研磨圧力はかけないで、研磨プレート605をプレート回転方向606に50rpm乃至100rpmで回転させる。時間は10秒乃至20秒間実施する。これにより、弱アルカリ性溶液中では、シリカ粒子、研磨パッドおよびPVAブラシ表面はすべてマイナスの電位を示すため、互いに電気的な反発を生じる。このためシリカ砥粒は研磨パッド上から脱離し、ブラシや研磨パッド上に再付着することなく、研磨パッド外に排出される。こうした前処理の後、実施形態2と同様、アンモニア添加水あるいは界面活性剤入りの有機酸にて、基板の研磨を行うことで、銅膜上の砥粒を除去することができる。
以下、本発明の第4の実施形態を図9および図10に基づいて説明する。
図9は本発明の第4の実施形態における研磨装置とその方法を示すものである。
本実施形態は、これまでの実施形態1,2,3とは異なり、銅のCMP後に砥粒を残すことを抑制するための装置とその方法を実施した。すなわち、銅のオーバー研磨時に銅がへこまないようにすることで、結果として銅のへこみ部に砥粒が残らないようにする実施方法である。
図9を用いて銅の研磨開始から研磨終了までの実施形態を以下に説明する。
この研磨装置は、研磨パッド705が固着され、外部からの駆動力により図中の矢印方向に回転する研磨プレート703、被研磨物であるウェハなどの基板707を保持し、研磨圧力により研磨パッド705に基板707を押し付けるとともに、外部からの駆動力により図中の矢印方向に回転するキャリア706、シリカやアルミナなどの研磨粒子がpH調整剤を含んだ水に懸濁した研磨剤、すなわちいわゆるスラリーを供給するスラリー供給系701により、主として構成されている。さらに、オーバー研磨時に別のスラリーを供給できる供給系708が備わっている。このスラリーは、めっき銅を研磨するメイン研磨時に供給されるスラリーよりも、スラリー中の砥粒の濃度がより小さいスラリーである。
銅メイン研磨用スラリーの供給系701に取り付けられたスラリー供給口702の先端から、研磨プレート703の回転中心付近に銅メイン研磨用スラリー704が滴下され、滴下されたスラリー704は研磨プレート703の回転による遠心力で研磨パッド705上に拡散される。そして、スラリー704を供給しながら、研磨プレート703とキャリア706とをいずれも回転させ、基板707と研磨パッド705とを擦り合わせることにより基板707の表面を研磨する。すると、基板表面のめっき銅は研磨され、やがてオーバー研磨の状態に入る。このオーバー研磨に入る直前の段階では、銅配線の孤立部のめっき銅は完全に除去され、バリアメタル膜が表出し、密集部だけが銅の残りが生じる。この密集部の残りを除去する研磨の段階がオーバー研磨である。このオーバー研磨が終了した時点で、通常の銅研磨が終了する。
本発明の実施形態では、このオーバー研磨時にメイン研磨時に使用していたスラリーとは異なるスラリーを供給することで、銅のへこみを発生させずに、密集部の銅の残りを除去する装置とその方法を説明する。上述したメインの研磨が終了した時点、すなわちオーバー研磨に入る直前で、銅のメイン研磨用スラリー供給系701からの供給を止め、オーバー研磨用スラリー供給系708から、スラリーを供給する。そのスラリーは供給口709から研磨パッド705上に供給され、研磨パッド上には、オーバー研磨用のスラリー710が研磨プレート703の回転による遠心力で研磨パッド705上に拡散される。この状態でメイン研磨に引き続いて、オーバー研磨を行う。このオーバー研磨時に使用する砥粒濃度は通常のスラリーの半分の濃度を使用する。実際に、銅のへこみがなく、従来のオーバー研磨と同様、密集部の残りがない研磨が行われたときの条件は、次のようである。使用したスラリーは、メイン研磨時の砥粒濃度は2重量%、オーバー研磨時の砥粒濃度は半分の1重量%であった。研磨圧力はメイン研磨もオーバー研磨も4psiで行った。通常、めっき膜厚が6000nmであるとき、オーバー研磨直前での密集部の残りは100nm以下である。そのため、基板全面内の密集部の残りを除去するマージンを考えて、オーバー研磨量は200nmが適当である。図10は、実験で得られた、砥粒濃度と1分間の銅の研磨量との関係を示したグラフである。図10より、従来のようにメインとオーバー研磨を同一のスラリーで行った場合は、オーバー研磨量200nmに必要なオーバー研磨時間は、砥粒濃度2重量%で600nm/minであることから、20秒となる。本実施形態で用いたオーバー研磨時に、砥粒濃度1重量%を使用した場合、300nm/minであることから、オーバー研磨時間は40秒となる。本発明者は、この砥粒濃度1重量%のスラリーでメイン研磨からオーバー研磨までを行った実験も実施した。しかし、研磨時間が長くなるばかりか、メイン研磨時の孤立部と密集部の研磨速度が2重量%の場合とは異なり、密集部の残りが200nmもあった。このため、オーバー研磨時に1重量%で研磨したとしても、マージンを考えたオーバー研磨量を行うと、銅がへこんでしまう結果となった。したがって、研磨は2段階のスラリーを使用することが、効果的であることが実験で得られた。
以上のように、オーバー研磨時に砥粒濃度を半分にしたスラリーで研磨することで、銅のへこみを生じずに、すなわち銅の研磨後に銅膜上に砥粒を残さないで銅の研磨が実現できる。
以下、本発明の第5の実施形態を図11に基づいて説明する。
図11は本発明の第5の実施形態における研磨装置とその方法を示すものである。
本実施形態も、実施形態4と同様、実施形態1,2,3とは異なり、銅のCMP後に砥粒を残すことを抑制するための装置とその方法を実施した。すなわち、銅のオーバー研磨時に銅がへこまないようにすることで、結果として銅のへこみ部に砥粒が残らないようにする実施方法である。
本実施形態も、オーバー研磨直前までは、実施形態4で説明したように銅の研磨を行う。オーバー研磨の段階で、図11に示すように研磨キャリア901を自転方向902に回転しながら、研磨プレート903上を研磨プレートの回転方向904とは反対周りに、キャリアの公転方向905に回転しながらオーバー研磨を行う。このときの条件は、研磨キャリアの回転数51rpm、研磨プレートの回転数を53rpm、研磨キャリアの公転数10rpmで実施する。これにより、研磨パッド903上のスラリーの砥粒濃度は、メイン研磨時の濃度が2重量%であるのに対して、スラリーが研磨パッド上を拡散するために、実質1.5重量%で研磨が行われる。これにより、実質砥粒濃度が小さいスラリーで研磨が進行するため、オーバー研磨後には、孤立部の銅はへこまず、銅膜上に砥粒が残らないで銅の研磨が終了することができた。研磨キャリアを図11に示すように、研磨パッドの外周方向に回転させることで、研磨パッド上に新鮮な砥粒が供給され、反応物が即座に研磨パッド外に排出されることになる。本発明者は、メイン研磨当初から、この揺動を実施しながらオーバー研磨までを実施した。しかしながら、銅のオーバー研磨の直前では密集部の銅の残りが200nmと大きく、オーバー研磨が終了した時点では、孤立部の銅はへこんでしまう結果となった。この結果から、メイン研磨時は、研磨キャリアは揺動させないで研磨を行うことが良い。これは、メイン研磨時は基板全面を定位置にて研磨しないと、化学反応の進行速度がパターンによって大きく差を生じてしまうためであると考えられる。
本発明に係る半導体装置の製造方法および製造装置は、銅の研磨後に銅膜上に砥粒を残存させないで、バリアメタル研磨を実現できるという効果を有し、半導体集積回路装置の多層配線プロセスに有用である。
本発明者が、従来技術が有する課題を解決するための手段を検討した結果をまとめたフローチャートである。 本発明の第1の実施形態における研磨装置を示す説明図である。 銅の研磨後の砥粒の残存度と、バリアメタル研磨後のリセス量との関係を示した図である。 本発明の第2の実施形態における研磨装置を示す説明図である。 (a)は本発明の第2の実施形態において超高圧水発生装置を含む研磨装置の一部を側面図、(b)は上面図である。 本発明の第2の実施形態において超高圧発生装置を上面から見た図である。 本発明の第2の実施形態において超高圧水発生装置の超高圧水噴射口の他にさらに、薬液を供給する噴射口を設けた図である。 (a)は本発明の第3の実施形態における研磨装置の側面図、(b)は上面図である。 本発明の第4の実施形態における研磨装置の説明図である。 砥粒濃度と1分間の銅の研磨量との関係を示したグラフである。 本発明の第5の実施形態における研磨装置の説明図である。 (a)〜(g)はCMPを用いた一般的な配線形成プロセスを示した工程図、(h)は(g)の拡大図である。 従来の化学的機械研磨装置の説明図である。 (a1〜3)は従来例における配線の孤立部、(b1〜3)は密集部のCMP前の状態とCMPの途中経過を示した工程図、(c)は(a3)の拡大図である。 (a1〜3)は銅の化学的研磨後にスラリーが残存した場合、(b1〜3)はスラリーが除去された場合のそれぞれの説明図である。
符号の説明
101 研磨パッド
102 研磨プレートの回転方向
103 研磨プレート
104 基板
105 キャリアの回転方向
106 キャリア
107 銅研磨用スラリー供給系
108 銅研磨用スラリー供給口
109 銅研磨用スラリー
110 純水供給系
111 超音波発生装置
112 超音波水供給口
113 キャビテーションを保持した水
201 研磨パッド
202 研磨プレートの回転方向
203 研磨プレート
204 基板
205 キャリアの回転方向
206 キャリア
207 銅研磨用スラリー供給系
208 銅研磨用スラリー供給口
209 銅研磨用スラリーや反応物
210 超高圧水発生装置
211 超高圧水
301 超高圧水発生装置
302 研磨パッド
303 銅研磨用スラリーや反応物
304 超高圧水
305 研磨プレート
306 研磨プレートの回転方向
401 超高圧水発生装置
402 超高圧水噴射口
403 純水供給系
404 銅に不活性なガスの供給系
501 超高圧水発生装置
502 超高圧水噴射口
503 薬液(アンモニア添加水および界面活性剤を含む有機酸)の噴射口
601 研磨パッド
602 PVAブラシ
603 噴射装置
604 ブラシ回転方向
605 研磨プレート
606 研磨プレートの回転方向
701 銅メイン研磨用スラリー供給系
702 銅メイン研磨用スラリー供給口
703 研磨プレート
704 銅メイン研磨用スラリー
705 研磨パッド
706 キャリア
707 基板
708 オーバー研磨用スラリー供給系
709 オーバー研磨用スラリー供給口
710 オーバー研磨用スラリー
901 研磨キャリア
902 キャリアの自転方向
903 研磨プレート
904 研磨プレートの回転方向
905 キャリアの公転方向
1001 層間絶縁膜
1002 配線溝
1003 バリアメタル
1004 銅のシード層
1005 めっき銅
1006 初期段差
1007 銅配線
1008 リセス
1101 研磨パッド
1102 研磨プレートの回転方向
1103 研磨プレート
1104 基板
1105 キャリアの回転方向
1106 キャリア
1107 スラリー供給系
1108 スラリー供給口
1109 スラリー
1201 層間絶縁膜
1202 バリアメタル膜
1203 めっき銅
1204 初期段差
1205 銅の残り
1206 銅の研磨後の局所段差
1207 銅研磨後の残留砥粒

Claims (10)

  1. 基板上に絶縁膜を堆積する工程と、
    前記絶縁膜内に凹部を形成する工程と、
    前記凹部を埋め込むように導電膜を堆積する工程と、
    前記基板を研磨砥粒が供給される研磨パッドに押圧して研磨を行うことにより、前記凹部からはみ出した前記導電膜を除去する工程と、
    前記導電膜を除去した後に、前記凹部内に埋め込まれた前記導電膜上の研磨砥粒を除去することを特徴とする半導体装置の製造方法。
  2. 前記導電膜は銅膜からなり、前記銅膜が前記絶縁膜に接触しないように前記絶縁膜上にバリア膜が形成された請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記バリア膜は、タンタル、チタン、タングステンを含む金属である請求項2記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記導電膜上の研磨砥粒を除去する工程は、前記導電膜上に超音波水を配する、またはアンモニア及び界面活性剤を含む有機酸を配することにより行う請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記導電膜上の研磨砥粒を除去する工程において、研磨パッドに対して不活性なガスと超高圧水を供給する、またはポリビニルアルコールブラシで研磨することにより、前記研磨パッド上の残留物を除去する請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記凹部からはみ出した前記導電膜を除去する工程は、前記基板を自転方向に回転させながら研磨パッドに押圧することにより行い、かつ前記導電膜のオーバー研磨時に、前記基板を研磨パッドの軸周りに回転させるとともにその回転方向と前記研磨パッドの回転方向は、互いに逆向きである請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記凹部からはみ出した前記導電膜を除去する工程において、前記導電膜のオーバー研磨時に、研磨砥粒の砥粒濃度を高いものから低いものに変更する請求項1記載の半導体装置の製造方法。
  8. 絶縁膜およびこの絶縁膜に形成された凹部に埋め込むように導電膜を堆積した基板を保持する基板保持部と、前記基板を押し当てて研磨を行うことで、前記凹部からはみ出した前記導電膜を除去する研磨パッドと、前記研磨パッドに対して研磨砥粒を供給する機構とを有する半導体装置の製造装置であって、
    前記凹部内に埋め込まれた前記導電膜上の研磨砥粒を除去する除去機構を備えていることを特徴とする半導体装置の製造装置。
  9. 前記研磨砥粒の除去機構は、前記研磨パッドに薬液を供給する装置、超高圧水を供給する装置、超音波水を供給する装置、またはガス供給装置である請求項8記載の半導体装置の製造装置。
  10. 前記薬液は、アンモニア水、または界面活性剤入りの有機酸である請求項8記載の半導体装置の製造装置。

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