JP2006118194A - 柱梁接続構造 - Google Patents

柱梁接続構造 Download PDF

Info

Publication number
JP2006118194A
JP2006118194A JP2004306737A JP2004306737A JP2006118194A JP 2006118194 A JP2006118194 A JP 2006118194A JP 2004306737 A JP2004306737 A JP 2004306737A JP 2004306737 A JP2004306737 A JP 2004306737A JP 2006118194 A JP2006118194 A JP 2006118194A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
column
screwed
screw member
bolt
connection structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004306737A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4411178B2 (ja
Inventor
Hideyuki Nasu
秀行 那須
Hisaki Ishiyama
央樹 石山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Forestry Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Forestry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Forestry Co Ltd filed Critical Sumitomo Forestry Co Ltd
Priority to JP2004306737A priority Critical patent/JP4411178B2/ja
Publication of JP2006118194A publication Critical patent/JP2006118194A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4411178B2 publication Critical patent/JP4411178B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】 簡単な構造で曲げモーメントを確実に伝達することが可能な木製の柱と梁との接続構造を提供する。
【解決手段】 ラーメン架構体を形成する木製梁2と木製柱3との接続構造において、柱3の下端における端面の長辺方向の両端部に切り欠き3bを設け、この切り欠きから柱の軸線方向に2本のスクリュー部材11をねじ込む。一方、梁2の対応する位置にも鉛直方向に2本のスクリュー部材12がねじ込む。切り欠き内にはそれぞれ接合金具31を介挿し、柱にねじ込まれたスクリュー部材11と梁にねじ込まれたスクリュー部材12との双方にボルトで結合する。接合金具は、側部に開口を有するもので、開口の背面側は鉛直方向の円筒曲面とする。これにより、ボルトを中心に切り欠き内で回動が可能となり、ボルトの締め付け時に開口を作業が容易な方向に向けることができる。
【選択図】 図2

Description

本願発明は、木造建築物における柱と梁とを接合する構造に係り、特に柱と梁との接合部で相対的な変形が拘束され、双方間で曲げモーメントの伝達が生じる柱梁接続構造に関する。
一般に普及している木造建築物では古くから柱と梁との接合を、柱に設けたほぞ穴に梁の端部を加工したほぞを差し入れることによって行っている。このような接続構造では、双方間における変形を許容し、曲げモーメントはほとんど伝達されない。つまり、曲げモーメントに抵抗することができず、複数の柱および複数の梁(胴差、軒けた、土台等の横方向に架設される部材を含む)で形成される軸組みは、変形が生じ易い。このため、柱間の壁内に筋交いを配置し、地震時等の水平方向力が作用したときの変形に抵抗するものとなっている。
筋交いは、一般的に複数の位置に設けられ、さらに傾斜の方向が逆となる二つの方向に必要となる。したがって、従来の木造建築物では筋交いを設ける壁体を確保する必要があるために、開口部の設定や屋内空間の利用に支障を生じることがある。このような事情から、柱と梁とをいわゆる剛結合、つまり曲げモーメントの伝達が生じる結合とし、軸組みをラーメン構造とする提案がなされている。
特許文献1に記載の接続構造は、梁の端面と柱の側面とに継ぎ手金具を取り付け、これらの継ぎ手金具を互いに接合するものである。継ぎ手金具は、梁の端面からその軸線方向にねじ込まれた、外周面に雄ネジを有する棒鋼、又は柱の側面から水平方向にねじ込まれた棒鋼に固着するものとなっている。双方の継ぎ手金具は、断面がI型となった突出部を有しており、これらを突き合わせるように配置して、双方の突出部にわたって取付用鉄板に当接し、ボルトで結合するものである。
特許文献2に記載の接続構造は、梁に端面の全域を覆うようにガセットプレートを取り付け、柱の側面から水平方向にねじ込んだラグスクリューボルトを用いて上記ガセットプレートを柱に締結するものである。そして、ガセットプレートは多数のドリフトピンを用いて梁に固着されている。
特許公報第2798239号 特許公報第2653413号
しかしながら、上記のような従来から知られている接続構造では、次のような未解決の課題がある。
上記特許文献に記載の接続構造は、いずれも柱の側面に梁の端面を突き当てて接合するものであるため、接合面には曲げモーメントと大きなせん断力が作用する。この大きなせん断力に抵抗するために、特許文献1及び特許文献2の接続構造では、梁端面の全域を覆うような大きな金属製の接合用部材を用いるものとなっている。このように大きな接合用の部材を用いると特許文献1に示されるように、接合部の構造が複雑になったり、特許文献2に示される構造のように接合用部材を木部材に固着するのに多数のピンが必要となったりする。そして、加工の作業量及び費用が増大することになる。
また、特許文献1に記載の接続構造では、接合部に大きな継ぎ手金具が用いられるために、この部分で断熱性が低下し、結露等の原因になる。
本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、曲げモーメントを確実に伝達することが可能に木製の柱と梁とを接合する構造であって、簡単な構造で、接合を行う現場での作業を簡易化することができる柱梁接続構造を提供することである。
上記課題を解決するために請求項1に係る発明は、 横方向に架設される木製の梁と、この梁の上面または下面に端面を当接して接合される木製の柱との接続構造であって、
前記柱の端部には、複数の切り欠き部が設けられ、 該切り欠き内から該柱の軸線方向にスクリュー部材がねじ込まれており、 前記梁には、前記柱にねじ込まれたスクリュー部材と対向する位置で鉛直方向にスクリュー部材がねじ込まれ、 前記柱にねじ込まれたスクリュー部材及び梁にねじ込まれたスクリュー部材の端面から軸線方向に設けられたねじ孔にボルトが螺合され、 前記切り欠き内に配置された接合金具が、前記ボルトによって柱にねじ込まれたスクリュー部材と梁にねじ込まれたスクリュー部材との双方に結合され、該接合金具を介して双方のスクリュー部材が連結されており、 前記接合金具は、互いに対向して前記柱にねじ込まれたスクリュー部材と梁にねじ込まれたスクリュー部材とのそれぞれに当接される二つの水平板部と、これらの水平板部の縁部を互いに結合する側板部とを備え、 該接合金具の、一方の側部が開放され、開放された部分の反対側は、鉛直方向に平面形状が均等な凸状の曲面となっている柱梁接続構造を提供する。
なお、上記梁は、胴差、軒けた、土台等の横方向に架設される部材一般を含むものである。
この接続構造では、柱の上端面又は下端面が梁の下面又は上面に当接されるものであり、柱に作用する軸力つまり鉛直方向の力は、柱の端面の梁との当接部分から梁に伝達される。また、複数の位置で柱にねじ込まれたスクリュー部材と梁にねじ込まれたスクリュー部材とが接合金具を介して連結されており、引張力及び圧縮力が伝達されるものとなっている。したがって、柱と梁との接合部で曲げモーメントが伝達される構造となり、木製の柱と梁とが一体となったラーメン構造として、鉛直方向の荷重及び地震時等における水平力に抵抗できる構造となる。
また、上記スクリュー部材及び接合金具を介して伝達される力は、スクリュー部材が広い範囲で木部材と係合されていることにより、分散して木製の柱又は梁に作用し、局部的に大きな応力が発生するのが抑制される。
一方、上記接続構造によって柱と梁とを接合するときには、接合金具を柱の切り欠き内に仮固定しておき、柱の端面と梁の上面又は下面とが当接するように双方を配置した後、梁にねじ込まれたスクリュー部材のねじ孔にボルトを螺合することによって接合金具と梁とが結合される。上記接合金具は、スクリュー部材の端面に設けられたねじ孔に螺合されたボルトで柱の切り欠き内に仮固定されており、切り欠き内でボルトを中心に回動することができる。このとき、接合金具の開口が設けられた側と反対側の側部が凸状の曲面となっているので、柱の切り欠き寸法が小さくなっていても、接合金具は切り欠き内の鉛直面に突き当たることなく回動させることができる。したがって、作業が容易となる方向に側部の開口を向け、この開口から接合金具内部に工具を差し入れてボルトを締め付ける作業を行うことができる。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の柱梁接続構造において、 前記柱は、前記梁の幅方向の断面寸法よりも前記梁の軸線方向の断面寸法が大きいものが用いられ、 前記柱の下端又は上端における端面の長辺方向の両端部に前記切り欠きが設けられ、 該柱の端面における長辺方向の中央部は、前記梁の上面又は下面に当接されているものとする。
この接続構造では、柱の断面が扁平な長方形となっており、長辺方向の両端部が、上記スクリュー部材と接合金具によって連結されているので、長辺方向に作用する曲げモーメントに対して有効に抵抗が可能な構造となる。また、長辺方向の中央部では柱の端面が梁の上面又は下面に当接され、両端部のみに接合金具を設ける構造となっているので、簡単な構造で柱の軸力と曲げモーメントとを有効に伝達する構造となる。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の柱梁接続構造において、 前記接合金具が有する二つの水平板部の一方には、他方の水平板部に設けられたボルト孔より大きな円孔が設けられ、 該接合金具の内側から前記円孔に、周方向の回転が可能に円形プレートが係止され、 該円形プレートには、中心から半径方向に軸線を有する長孔がボルト挿通孔として設けられているものとする。
上記接合金具の円孔に係止された円形プレートが長孔を有しており、この長孔に挿通されたボルトは、長孔の軸線方向つまり円孔の半径方向に位置を調整することができる。また、円形プレートは円孔に係止された状態で周方向に回転が可能になっているので、半径方向の位置の調整と回転方向の位置の調整とにより、円孔内の広い範囲でボルトの位置を調整することが可能となる。したがって、接合金具を梁にねじ込まれたスクリュー部材に結合しようとするときに、スクリュー部材のねじ込み位置に誤差等があっても、上記円孔内で位置を調整して簡単に結合することが可能となる。
請求項4に係る発明は、請求項1、請求項2又は請求項3に記載の柱梁接続構造において、 前記切り欠き内には、前記接合金具を覆うように成型された硬質の断熱材が嵌め入れられているものとする。
この接続構造では、柱に設けられた切り欠き内の接合金具が断熱材で被覆されているので、屋内が暖房されて温度が上昇した状態であっても、切り欠き内で結露が生じるのを防止することができる。特に接合金具が金属で形成されているため表面に結露が生じやすくなっているが、断熱材を装着することによって有効に防止すること可能となる。また、断熱材が耐火被覆となり、火災時における安全性を確保することができる。
一方、施工時においては、断熱材を硬質の材料とすることによって、切り欠き内に嵌め込むように装着することができ、作業の効率を向上させることができる。
なお、硬質の断熱材とは、切り欠きの形状寸法に合わせた成型が可能であって、その形状寸法を維持できるものであればよく、合成樹脂の発泡材、発泡モルタル等を用いることができる。
以上説明したように、本願発明に係る柱梁接続構造では、柱の端面を梁の上面または下面に当接して接合し、これらの間で確実に曲げモーメントが伝達される構造とすることができる。そして、施工時においては、仮固定された接合金具を柱に設けられた切り欠き内で回転させ、作業性の良好な方向から工具等を差し入れて、接合金具の固定作業を容易に行うことができる。また、切り欠き内に断熱材を装着することにより、接合部における結露を防止するとともに、耐火性を確保することができる。
以下、本願発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明の柱梁接続構造が好適に用いられる木造建築物の構造躯体を示す概略斜視図である。
この構造躯体は、1階を構成する下層部分及び2階を構成する上層部分が、それぞれラーメン架構体を複数組み合わせて形成されており、これらを積層することによって全体の構造躯体が形成されている。それぞれのラーメン架構体は、木製の柱1、3の上に木製の梁2、4を載置して接合するいわゆる梁勝ち構造となっており、それぞれラーメン架構体を構成する柱1、3及び梁2、4は、これらの軸線を含む立面と平行な方向の断面寸法を大きく、これと直角方向の断面寸法を小さくして扁平な部材となっている。したがって、各ラーメン架構体の接合部は一方向の曲げに抵抗する構造となっている。
これらのラーメン架構体は、平面上で方向が互いに直角となるように、つまり複数のラーメン架構体の梁2−1,2−2,4−1,4−2が互いに直角となるように接合されている。これにより、異なる方向の水平力に抵抗する複数のラーメン架構体が互いに組み合わされ、あらゆる方向の水平力に抵抗可能な構造躯体となっている。そして、上層部分の柱3は、下層のラーメン架構体の梁2上に立設され、これらの接合部でも曲げモーメントが伝達されるものとなっている。
図2は、図1に示すラーメン架構体で用いられる下層部分の梁2と上層部分の
柱3との接続構造であって、本願に係る発明の一実施形態を示す分解斜視図であ
る。また、図3は、同じ接続構造の断面図であり、ラーメン架構体の軸線と平行な断面を示すものである。
この接続構造では、柱3の下端面における長辺方向の両端部に切り欠き部3bが設けられ、中央部3aは梁2の上面に当接されている。そして、柱3の切り欠き部3bからこの柱の軸線方向に2本のスクリュー部材11、11がねじ込まれている。一方、梁2の対応する位置にも鉛直方向に2本のスクリュー部材12、12がねじ込まれており、柱3にねじ込まれたスクリュー部材11と梁にねじ込まれたスクリュー部材12の互いに対向するものが接合金具31を介してボルト41により結合される。これにより、柱3と梁2とはスクリュー部材11,12及び接合金具31を介して連結されている。
上記スクリュー部材11は、図4に平面図及び正面図を示すように、棒状の鋼部材の側面に螺旋状の張り出し部11aを設けたものであり、両端部には端面から軸線方向にねじ穴11bが設けられている。それぞれのスクリュー部材11は、図2に示すように、梁2又は柱3に鉛直方向の孔を設け、さらに螺旋状の溝を切削した後にねじ込まれたものである。
上記接合金具31は、図5に示すように、互いに対向する二つの水平板部31aと、これらの水平板部31aの縁部を互いに結合する側板部31bとを備え、水平板部31aにはそれぞれボルト孔31cが設けられている。二つの水平板部31aは、柱3にねじ込まれたスクリュー部材11の下端面及び梁2にねじ込まれたスクリュー部材12の上端面にそれぞれ当接される。そして、ボルト孔31cに挿通されたボルト41がスクリュー部材の端面に設けられたねじ孔に螺合され、スクリュー部材11、12とこの接合金具31とが結合されるものとなっている。したがって、柱3にねじ込まれたスクリュー部材11と梁2にねじ込まれたスクリュー部材12とが、この接合金具31を介して連結されるものである。
また、上記接合金具31は、図5に示すように、一方の側部が開放されており、該開放された部分の反対側は、鉛直方向に軸線を有する円筒曲面となっている。つまり、鉛直方向に均等な断面となり、その平面形状の背面側が円弧状となっている。
この接合金具31の寸法は、水平方向の幅及び奥行きが柱3の幅より小さくなっており、高さは柱3の端部に設けられた切り欠き3bの鉛直方向の寸法とほぼ等しくなっている。
次に、上記柱3と梁2とを接合する工程について説明する。
柱3は、工場等における加工段階において、端部に所定の寸法の切り欠き3bを設ける。そして、この切り欠き内から軸線方向に孔を切削し、スクリュー部材11をねじ込む。このスクリュー部材11の端部に設けられたねじ孔11bにボルト41を螺合し、接合金具31を切り欠き内に仮固定しておく。また、梁も工場等における作業により、所定の位置にスクリュー部材12をねじ込んでおく。
柱3及び梁2を組み立てる現場では、梁2を所定の位置に架設し、その上に柱3を建て込む。柱3は端面の長辺方向の中央部3aを梁2の上面に当接し、軸線方向にねじ込まれたスクリュー部材11の端面が切り欠き3bを介して梁2にねじ込まれたスクリュー部材12の端面と対向するように配置する。そして、接合金具31の側面の開放された部分からボルト41を水平板部31aのボルト孔31cに挿通し、梁2にねじ込まれたスクリュー部材12の端部のねじ孔に螺合する。このとき柱3に仮固定しているボルト41を少し緩めることによって、接合金具31はボルト41を中心にして回動が可能となる。接合金具の側部に設けられた開放部分の背面側は、円筒曲面となって頂角部がないので、柱の切り欠き3b内の鉛直面に突き当たることがなく自由に回動する。したがって、この接合金具31を作業が容易となる方向へ向け、開放部分から工具を差し入れて、ボルト41を締め付ける作業を効率よく行うことができる。これにより、接合金具31は柱3にねじ込まれたスクリュー部材11及び梁2にねじ込まれたスクリュー部材12との双方に強固に接合される。
なお、上記ボルト41に代えて、全長にわたって雄ねじが形成された頭なしボルト(長ねじボルト)とナットとを用いることができる。このような頭なしボルトとナットとを用いる場合には、頭なしボルトをスクリュー部材のねじ穴に所定長をねじ込んでおき、柱に仮固定された接合金具3をこれに装着する。そして、接合金具31の側部の開放部分からナットを頭なしボルトに螺合し、締め付けることができる。
接合金具31とスクリュー部材11、12とが接合されると、図6に示すように柱3に設けられた切り欠き内に成型された断熱材51を嵌め入れる。この断熱材51は、合成樹脂の発泡剤、発泡モルタル、発泡ガラス等によって形成されており、平面形状がコの字上になっている。したがって、内部に接合金具31を収容するとともに、外側面が柱3の側面と連続するように嵌め入れることができる。
上記のように柱3と梁2とが接合されることにより、柱3の中央部3aは梁2の上面に圧接されるとともに、柱断面の長辺方向における両端部でスクリュー部材11が接合金具31を介して梁2ねじ込まれたスクリュー部材12と連結される。これにより、柱3に作用する鉛直方向の荷重が梁2によって支持されるとともに、曲げモーメントによって発生する引張力及び圧縮力はスクリュー部材11、12及び接合金具31によって抵抗するものとなる。したがって、柱3と梁2との接合部に曲げモーメントが作用しても、大きな変形が生じることはなく、大きな剛性を有するラーメン架構体が形成される。
また、柱3の切り欠き内に断熱材51を嵌め入れることにより、建物の内外間における断熱性が向上するとともに、切り欠き内での結露、特に接合金具31への結露を有効に防止することができる。さらに、接合金具31はラーメン架構体を維持する重要な構造部材となっており、上記断熱材51は接合金具31の耐火被覆として作用し、構造躯体の耐火性能を担保するものとなる。
図7は、図2及び図3に示す柱梁接続構造で用いられる接合金具31に代えて用いることができる接合金具の他の例を示す平面図、底面図及び断面図である。
この接合金具32は、図5に示すものと同様に二つの水平板部32aとこれらを連結する側部32bとを有し、側部32bの一部が開放されているものであるが、水平板部32aの一方には、他方に設けられたボルト孔32cより径が大きい円孔32dが設けられている。この円孔32dには内側から円形プレート33が係止され、一部がこの円孔32d内に嵌め合わされて周方向に回転が可能となっている。そして、この円形プレート33には中心から半径方向に軸線を有する長孔33aが設けられており、接合金具32の内側からこの長孔33aにボルト41を挿通して、接合金具32を梁にねじ込まれたスクリュー部材12と結合するものとなっている。
スクリュー部材11、12を柱3や梁2にねじ込む作業は、工場等において高い精度で行われるが、木材は完全に均質な材料ではないし、乾燥状態によって伸縮するため、スクリュー部材11、12のねじ込み位置に誤差が生じる場合がある。スクリュー部材11、12の位置に誤差があっても、上記接合金具32を用いた場合には長孔33a内でボルト41の位置を円孔32dの半径方向に調整が可能であるとともに、円形プレート33を回転することによっていずれの方向にもボルト41の位置を調整することができる。したがって、現場において柱3と梁2とを組み立てるときにボルト41の位置を調整して容易に施工することができる。また、締め付け前に接合金具32を回動して施工が容易となる方向からボルト41の締め付け作業を行うことができる点は、図5に示す接合金具と同じである。
以上に説明した実施形態は、下層部分の梁2と、その上に支持される上層部分の柱3との接続構造であるが、下層部分の柱1とその上に支持される梁2との接合部にも、上下を反転して同様の構成を採用することができる。そして、下層の柱1と梁2とを上記構造によって接合した後、同じ位置に上層の柱3を立設するときには、梁2にねじ込まれたスクリュー部材12を、上層部分の柱3と梁2の接合にも共通に用いることができる。これにより、下層の柱1と上層の柱3とは、スクリュー部材12及び接合金具31により結合され、双方の柱は通し柱に近い剛性を有するものとなる。
本願発明の柱梁接続構造が好適に用いられる木造建築物の構造躯体を示す概略斜視図である。 本願に係る発明の一実施形態である柱梁接続構造を示す分解斜視図である。 本願に係る発明の一実施形態である柱梁接続構造を示す断面図であり、ラーメン架構体の軸線と平行な断面を示すものである。 図2及び図3に示す柱梁接続構造で用いられるスクリュー部材の平面図及び正面図である。 図2及び図3に示す柱梁接続構造で用いられる接続金具の斜視図である。 図2及び図3に示す柱梁接続構造で接合金具の周囲に嵌め入れられる断熱材を示す概略斜視図である。 図2及び図3に示す柱梁接続構造の接合金具に代えて用いることができる他の接合金具の平面図、底面図及び断面図である。
符号の説明
1,3:柱、 3a:柱端面の中央部、 3b:切り欠き、
2,4:梁、 2a:鉛直方向の孔、
11,12:スクリュー部材
31:接合金具、 31a:水平板部、 31b:側板部、 31c:ボルト孔、
32:接合金具、 32a:水平板部、 32b:側板部、 32c:ボルト孔、 32d:円孔、
33:円形プレート、 33a:長孔、
41:ボルト、
51:断熱材

Claims (4)

  1. 横方向に架設される木製の梁と、この梁の上面または下面に端面を当接して接合される木製の柱との接続構造であって、
    前記柱の端部には、複数の切り欠き部が設けられ、
    該切り欠き内から該柱の軸線方向にスクリュー部材がねじ込まれており、
    前記梁には、前記柱にねじ込まれたスクリュー部材と対向する位置で鉛直方向にスクリュー部材がねじ込まれ、
    前記柱にねじ込まれたスクリュー部材及び梁にねじ込まれたスクリュー部材の端面から軸線方向に設けられたねじ孔にボルトが螺合され、
    前記切り欠き内に配置された接合金具が、前記ボルトによって柱にねじ込まれたスクリュー部材と梁にねじ込まれたスクリュー部材との双方に結合され、該接合金具を介して双方のスクリュー部材が連結されており、
    前記接合金具は、互いに対向して前記柱にねじ込まれたスクリュー部材と梁にねじ込まれたスクリュー部材とのそれぞれに当接される二つの水平板部と、これらの水平板部の縁部を互いに結合する側板部とを備え、
    該接合金具の、一方の側部が開放され、開放された部分の反対側は、鉛直方向に平面形状が均等な凸状の曲面となっていることを特徴とする柱梁接続構造。
  2. 前記柱は、前記梁の幅方向の断面寸法よりも前記梁の軸線方向の断面寸法が大きいものが用いられ、
    前記柱の下端又は上端における端面の長辺方向の両端部に前記切り欠きが設けられ、
    該柱の端面における長辺方向の中央部は、前記梁の上面又は下面に当接されていることを特徴とする請求項1に記載の柱梁接続構造。
  3. 前記接合金具が有する二つの水平板部の一方には、他方の水平板部に設けられたボルト孔より大きな円孔が設けられ、
    該接合金具の内側から前記円孔に、周方向の回転が可能に円形プレートが係止され、
    該円形プレートには、中心から半径方向に軸線を有する長孔がボルト挿通孔として設けられていることを特徴とする請求項2に記載の柱梁接続構造。
  4. 前記切り欠き内には、前記接合金具を覆うように成型された硬質の断熱材が嵌め入れられていることを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の柱梁接続構造。
JP2004306737A 2004-10-21 2004-10-21 柱梁接続構造 Active JP4411178B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004306737A JP4411178B2 (ja) 2004-10-21 2004-10-21 柱梁接続構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004306737A JP4411178B2 (ja) 2004-10-21 2004-10-21 柱梁接続構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006118194A true JP2006118194A (ja) 2006-05-11
JP4411178B2 JP4411178B2 (ja) 2010-02-10

Family

ID=36536324

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004306737A Active JP4411178B2 (ja) 2004-10-21 2004-10-21 柱梁接続構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4411178B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008050776A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Sumitomo Forestry Co Ltd 柱梁接合構造及び柱梁接合方法
JP2011117212A (ja) * 2009-12-04 2011-06-16 Misawa Homes Co Ltd 構造部材の連結構造
JP2015101834A (ja) * 2013-11-21 2015-06-04 日之出水道機器株式会社 構造部材の接合金物
CN110173041A (zh) * 2019-06-04 2019-08-27 中铁第一勘察设计院集团有限公司 装配式榫卯梁柱悬挑节点构造

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008050776A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Sumitomo Forestry Co Ltd 柱梁接合構造及び柱梁接合方法
JP2011117212A (ja) * 2009-12-04 2011-06-16 Misawa Homes Co Ltd 構造部材の連結構造
JP2015101834A (ja) * 2013-11-21 2015-06-04 日之出水道機器株式会社 構造部材の接合金物
CN110173041A (zh) * 2019-06-04 2019-08-27 中铁第一勘察设计院集团有限公司 装配式榫卯梁柱悬挑节点构造

Also Published As

Publication number Publication date
JP4411178B2 (ja) 2010-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5667389B2 (ja) 木造建築物における耐力面材を使用した壁構造とその施工方法。
JP3981037B2 (ja) 柱梁接合構造
JP4411178B2 (ja) 柱梁接続構造
JP6872879B2 (ja) 柱梁接合構造及びラーメン構造体
JP2007092318A (ja) 木製構造材の仕口構造、横架材、柱脚構造および柱脚金具、並びにこれらを備えた木造建築物の軸組およびその組立て方法
JP4667114B2 (ja) 梁と柱との接合方法
JP4972363B2 (ja) 柱梁接合構造及び柱梁接合方法
JP2005344500A (ja) 部材相互の接合金具および上下階縦枠材接合構造並びに接合方法
JP4411180B2 (ja) 柱梁接続構造
JP4645999B2 (ja) 柱梁接合構造
JP3713256B2 (ja) 木造建築構造躯体
KR20170118372A (ko) 하우스 시공방법
JP2010106626A (ja) 柱と梁の接合部構造
JP4178157B2 (ja) 柱梁接合構造
JP3742368B2 (ja) 柱梁接合構造
JP7217143B2 (ja) 柱と基礎の接合構造
JP5385098B2 (ja) 建築構造用部材
WO2021245735A1 (ja) 集成材の接合構造
JP2009275356A (ja) 建物補強金物
JP3538151B2 (ja) 軸組構造、躯体構造
JP4437736B2 (ja) 木質材接合金具の位置決め治具
JP3099307U (ja) 建物と建物用の継手
JP2021161631A (ja) 木質軸部材の接合構造
JPH10183776A (ja) コンクリート充填型鋼管柱とブレースとの仕口部
JP4011574B2 (ja) 耐力壁

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070712

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20091029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4411178

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151120

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250