JP2006117882A - 光反応性ホットメルト接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加熱溶融塗工により容易に被着体に適用することができ、光の照射により硬化が進行する反応性ホットメルト接着剤組成物であって、被着体同士を貼り合わせた後に常態接着性に優れ、且つ耐水接着性に優れた光反応性ホットメルト接着剤組成物を提供することにある。
【解決手段】 カチオン重合性化合物、光カチオン重合開始剤、及び強塩基弱酸塩又は金属酸化物を含むことを特徴とする光反応性ホットメルト接着剤組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、加熱溶融塗工により適用され、光の照射により硬化が進行する光反応性ホットメルト接着剤組成物に関し、より詳細には、耐水接着性に優れた光反応性ホットメルト接着剤組成物に関する。
従来、溶剤を含まず耐環境性に優れているので、ホットメルト接着剤は様々な被着体を接着するのに幅広く用いられている。また、近年、加熱溶融塗工により適用された後、光を照射することにより硬化が進行する光反応性ホットメルト接着剤が種々提案されている。この種の光反応性ホットメルト接着剤では光の照射により硬化が進行し、最終的に高い接着強度が得られる。
これらの光反応性ホットメルト接着剤として、エポキシ樹脂の開環重合を利用した反応性ホットメルト接着剤組成物が種々提案されている。
例えば、特許文献1には、エポキシ化合物のようなカチオン重合性化合物及び光カチオン重合開始剤を含む反応性ホットメルト接着剤組成物等が開示されている。
また、特許文献2には、エポキシ化合物のようなカチオン重合性化合物、光カチオン重合開始剤、及び1分子中に硫黄原子とフェノール基を有する化合物よりなる安定剤を含む反応性ホットメルト接着剤組成物等が開示されている。
さらに、特許文献3には、1分子当たり、特定の構造を平均2以上有する化合物であって、脂環式エポキシ基以外のエポキシ基と、脂環式エポキシ基とを有するカチオン重合性化合物と、フェノール性OH基を有する化合物と、光カチオン重合開始剤とを含む反応性ホットメルト接着剤組成物等が開示されている。
これらの光反応性ホットメルト接着剤は、いずれも、エポキシ基の開環重合を利用することにより、高い接着強度を発現するものであり、さらにエポキシ化合物を選択したり、フェノール基を有する化合物等を含有させたりすることにより、接着強度や硬化後の耐熱性の向上等が図られている。
しかしながら、これら従来の光反応性ホットメルト接着剤により被着体同士を貼り合わせた後に接着物を水に浸漬した場合、被着体と接着剤との界面において剥離が生じやすいという問題があった。
特開平11−5964号公報 特開平11−116929号公報 特開2000−8015号公報
本発明の目的は、上述した従来技術の現状に鑑み、加熱溶融塗工により容易に被着体に適用することが出来、光の照射により硬化が進行する光反応性ホットメルト接着剤組成物であって、被着体同士を貼り合わせた後に常態接着性に優れ、且つ耐水接着性に優れた光反応性ホットメルト接着剤組成物を提供することにある。
本願発明者は、親水性シート、特に帯電防止処理のようなイオン物質が塗布されたシートに対して、光カチオン重合開始剤を含む接着剤を用いた場合、光カチオン重合開始剤由来のイオン物質が、親水性シートと接着剤の接着界面に多量に偏在することが判明し、強塩基弱酸塩又は金属酸化物を接着剤に配合することにより、上記イオン物質の移動拡散を防止することができ、耐水性接着性が改良されることを見出して本発明をなすに至ったのである。
本発明による反応性ホットメルト接着剤組成物は、カチオン重合性化合物、光カチオン重合開始剤、及び強塩基弱酸塩又は金属酸化物を含むことを特徴とする。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明によるカチオン重合性化合物は、光の照射によりカチオン重合して高分子量化し得る部分を有する有機化合物であり、特に限定されないが、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂や3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン等のオキセタン環を含有する樹脂等が挙げられる。
上記カチオン重合性化合物としては、カチオン重合性に優れているため、エポキシ樹脂が好ましく用いられる。また、上記エポキシ樹脂としては、常温で固形のビスフェノール型エポキシ樹脂が耐水性接着性に優れているため好ましいが、常温で液状のエポキシ樹脂も適宜用いることができ、常温で固形のエポキシ樹脂と常温で液状のエポキシ樹脂とを併用してもよい。
上記ビスフェノール型エポキシ樹脂の中でも、ビスフェノールF型エポキシ樹脂は、優れた接着強度を発現できるためより好適に用いられる。このビスフェノールF型エポキシ樹脂は、フェニル基を連結している炭素原子に結合しているのが水素原子であるため、ビスフェノールA型エポキシ樹脂に比べて、骨格のフレキシビリティが高く、硬化物の応力緩和性に優れているためであると考えられる。
上記ビスフェノールF型エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、重量平均分子量600〜60000程度のビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることができ、市販品としては、例えば、油化シェルエポキシ社製、商品名:エピコート4004P、エピコート4010P等を挙げることができる。
上記常温で液状のエポキシ樹脂は、光反応性ホットメルト接着剤組成物から得られる硬化物の弾力性及び可撓性を高めるように作用し、また、カチオン重合性が高いため、常温で固形のエポキシ樹脂単独ではカチオン重合が十分に進まない場合、液状エポキシ樹脂によりカチオン重合が良好に進行し、硬化速度を高めるとともに、硬化物の耐熱接着性をより一層高めるように作用する。
しかしながら、液状のエポキシ樹脂の含有量が多すぎると、水等の親水性液体に接着物が浸漬された場合、界面剥離が生じることがあるため、この液状のエポキシ樹脂の含有量は、常温で固形のエポキシ樹脂100重量部に対し、1〜40重量部の範囲で用いることが好ましい。
上記常温で液状のエポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、アルキレンオキサイド骨格を有する樹脂は硬化性が高められ、より優れた耐久接着性が発現されるので好適に用いられる。なかでも、直鎖アルキレンオキサイドが可撓性に優れるので好ましく、エチレンオキサイド骨格がより好ましい。
このようなビスフェノールA型エポキシ樹脂として、市販品として、例えば、新日本理化社製、商品名:BEO60Eや四日市合成社製、商品名:BisA−EO10等が挙げられる。
本発明による光カチオン重合開始剤としては、光を照射されることにより活性化し、エポキシ樹脂の開環重合を引き起し得る限り特に限定されないが、例えば、スルホニウム塩、ヨードニウム塩又はオニウム塩等が挙げられ、なかでもスルホニウム塩が好ましく、芳香族スルホニウム塩がより好ましく用いられる。この芳香族スルホニウム塩としては、例えば、米国特許第4256828号に開示されている芳香族スルホニウム塩を用いることができ、具体的には、トリフェニルスルホニウム塩、メチルジフェニルスルホニウム塩、ジメチルフェニルスルホニウム塩、ジフェニルナフチルスルホニウム塩又はジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウム塩等が挙げられる。
上記芳香族スルホニウム塩のなかでも、ヘキサフルオロホスフェートイオン(PF )を対アニオンに持つ芳香族スルホニウム塩が好ましく、例えば米国特許第4256828号に開示されているものが挙げられ、具体的には、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、メチルジフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジメチルフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルナフチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート又はジ(メトキシナフチル)メチルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート等が挙げられる。
上記PF を対アニオンに持つ芳香族スルホニウム塩は、硬化開始に有効な光を遮断した状態で加熱溶融した時、加熱だけでは、エポキシ樹脂の開環重合を起こしにくい、あるいは、少ししか起こさないため、製造時の光カチオン重合開始剤投入後又はホットメルト塗工時の加熱安定性が優れている。これらの市販品としては、旭電化工業社製、商品名:SP−150(常温液状)、ユニオンカーバイド社製、商品名:サイラキュアUVI−6990(常温液状)等を例示することができる。
上記光カチオン重合開始剤の配合量は、光の種類や強度、カチオン重合性化合物の種類や量、光カチオン重合開始剤の種類等によって異なるが、好ましくは、カチオン重合性化合物100重量部に対し、0.01〜10重量部の割合で配合される。
本発明による強塩基弱酸塩とは、弱酸(下記式中のHA)と強塩基(下記式中のBOH)を当量配合すると生成するイオン化合物(下記式中のAB)のことである。
HA + BOH → AB + H
上記イオン化合物(下記式中のAB)は、強い酸(下記式中のHX)がくると反応して弱い酸(下記式中のHA)とイオン化合物(下記式中のBX)になる。
HX + AB → HA +BX
このように、上記強塩基弱酸塩は、光カチオン重合開始剤由来の強い酸を、水に溶けにくい弱い酸に変えて、実質的にイオン性を弱めることができる。また、上記イオン化合物BXも水に溶けにくくなるようにBを選ぶことにより、イオン性を弱めることができる。
その結果、水と親和性の良い酸の接着剤中での濃度が下がるので親水性が低下し、水が接着剤及び接着剤と基材との界面に侵入しにくくなるため耐水性が向上すると考えられる。
また、これらの強塩基弱酸塩は、水に不溶か少ししか溶けずまた有機物にも不溶である。その性状は、微粉末状(粒子)であり、接着剤にその状態のまま分散して反応しているものと考えられる。即ち、反応の場所が粒子の表面近くなので、光カチオン重合開始剤由来の酸を吸着するように作用するのである。
上記強塩基弱酸塩の弱酸性化合物としては、炭酸、ホウ酸、ケイ酸、フェノール性水酸基等が好適である。
また、強塩基弱酸塩の強塩基化合物としては、カルシウム、カリウム、マグネシウム、バリウム、コバルト等のアルカリ金属、アルカリ土類金属が好適である。
本発明による金属酸化物としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン等が挙げられ、上記強塩基弱酸塩と同様にして耐水性向上に効果がある。上述の考察から、これら金属酸化物も、上記強塩基弱酸塩と同様に酸と反応して、耐水性向上に効果があるものと考えられる。
本発明による光反応性ホットメルト接着剤組成物において、上記強塩基弱酸塩又は金属酸化物の配合量に特に限定されないが、0.1〜30重量%が好適である。少ないと効果が得られにくく、また、多すぎると固形物であるので接着剤中で大きなかたまりになってしまうことがある。
本発明による光反応性ホットメルト接着剤組成物には、硬化物の架橋構造や弾性率等の硬化物性や硬化速度を制御したり、可撓性、耐水性を向上させるために、カチオン重合性基と重合することが可能な1級水酸基を有する化合物を含むことが好ましい。
上記1級水酸基を有する化合物としては、1級水酸基を有する限り特に限定されないが、例えば、1級水酸基を有するアルコールが好ましく、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール等の2価アルコール類;グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール等の3価アルコール類;ソルビトール、シュークローズ等の4価以上の多価アルコール類等が挙げられる。
上記1級水酸基を有する化合物として、主鎖中にポリオキシアルキレン基を有する化合物も好ましく用いられ、これらは末端に水酸基、エポキシ基又は炭素原子数1〜8のアルコキシル基等を有する。これらの化合物としては、例えば、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール(PEG)又はポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等が挙げられる。
また、上記主鎖中にポリオキシアルキレン基を有する化合物としては、テトラメチレンオキシドとエチレンオキシドとの共重合体又はテトラメチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体が好ましい。
また、上記1級水酸基を有する化合物としては、多価フェノール類、例えば、ハイドロキノン、ビスフェノールA、ビスフェノールF等も挙げられる。
上記1級水酸基を有する化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
本発明による光反応性ホットメルト接着剤組成物には、本発明の目的を阻害しない限り、必要に応じて他の成分を含有させることができる。このような他の成分としては、硬化遅延剤、密着性向上剤、増感剤、脱水剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤、ワックス、充填剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、防かび剤、粘度調整剤等を挙げることができる。また、添加し得る他の成分は2種以上添加されてもよい。
上記硬化遅延剤としては、例えば、1級水酸基を有するアルコール類の中で、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリエチレングリコール(PEG)又はポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリエーテルポリオールを代表として挙げられる。
上記密着性向上剤としては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリウレタンポリオール、末端がエポキシ基やアルコキシル基で変性されたポリエステルポリオール又はポリウレタンポリオール等の常温で液状の化合物が挙げられる。なお、これらの密着性向上剤は、硬化遅延の効果も有し得る。
本発明による光反応性ホットメルト接着剤組成物の製造方法については、配合する各成分を混合し、均一に分散し得る限り、特に限定されないが、使用材料が溶融し得る適度な加熱条件下で各成分を混合し、また硬化開始に有効な光を遮断した状態で行うことが必要である。また、製造に際しての各成分の混合分散は無溶媒で行ってもよく、不活性溶媒中で行ってもよい。更に、各成分を混合する場合、カチオン重合を阻害する成分である水分の混入が少なくなるため、無水条件下で混合することが望ましい。
本発明による光反応性ホットメルト接着剤組成物を用いた接着に際しては、該光反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融し、被着体の一方または双方に溶融状態で塗布する。被着体を貼り合わせる前、または貼り合わせた後に該光反応性ホットメルト接着剤組成物に光を照射する。光の照射により速やかにエポキシ樹脂等の開環重合が進行し、最終的に硬化が完了すると、得られた接合体の接着強度が発現する。なお、この光カチオン重合は、暗反応でも進行するため、光の照射を停止した後においても硬化が進行し、硬化が完了する。
上記光反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融して被着体に塗布する方法についても特に限定されず、通常のホットメルトアプリケータやホットメルトコータ等を用いる方法、加熱溶融した光反応性ホットメルト接着剤組成物中に被着体を浸漬する方法、ホットメルトエアガン等により被着体に加熱溶融状態にある光反応性ホットメルト接着剤組成物を噴霧する方法、押出機等により加熱溶融した光反応性ホットメルト接着剤組成物を被着体表面に押出する方法等が挙げられる。
上述した照射される光については、光カチオン重合開始剤からカチオンを生成し得る限り、用いられるカチオン重合開始剤の種類に応じて適宜の光が用いられる。好ましくは、紫外線又は200〜600nmの波長の光が用いられる。特に、カチオン重合開始剤として芳香族スルホニウム塩を用いる場合には、200〜400nmの波長を含む光を用いることが好ましい。
上記光の照射量についても、カチオン重合開始剤の種類や光反応性ホットメルト接着剤組成物が塗布されている部分の厚みや量によっても異なるため、一義的には定め得ないが、0.001J〜10Jの範囲とすることが好ましい。
上記光の照射時間は、光の強度や、エポキシ樹脂等の種類等により異なるので一概には言えないが、通常、0.1〜30秒で十分である。比較的厚く接着剤を塗工した場合には、上記範囲を超えて、光を照射することが好ましい。
上記光の光源としては、光として紫外線を用いる場合には、蛍光ランプや高圧水銀灯な
どの紫外線照射源として一般的に用いられているものを用いることができる。
なお、本発明による光反応性ホットメルト接着剤組成物は、常態条件下において、光の照射により十分硬化し良好な接着力が得られるが、被着体の変形や劣化が発生しない範囲で加熱すると非常に高い接着力が得られるので好ましい。
本発明による光反応性ホットメルト接着剤組成物が適用される被着体は特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂等のプラスチックからなる被着体の接着に好適に用いることができる。また、他のプラスチック、エチレンプロピレンラバー等のゴム、あるいは鉄、アルミニウム等の金属もしくは合金;木材や紙等のセルロース系材料;皮革等広範な材料からの被着体にも適用することができる。
本発明による光反応性ホットメルト接着剤組成物は、上述の通りの構成であるので、加熱溶融塗工により容易に被着体に適用することができ、光の照射により硬化が進行する反応性ホットメルト接着剤組成物であって、被着体同士を貼り合わせた後に常態接着性に優れ、且つ耐水接着性に優れたものである。
以下、本発明の具体的な実施例を挙げて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(光反応性ホットメルト接着剤組成物の作製)
表1に示した実施例1〜6及び比較例1の配合組成(重量部)により調整した配合物を溶融混錬機で混錬して光反応性ホットメルト接着剤組成物を得た。
ここで用いた原料の種類及び内容を下記に示す。
・E4004P…ジャパンエポキシレジン社製、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(常温固形)
・BisA(EO)10…四日市合成社製、エチレンオキサイド付加ビスフェノールAエポキシ樹脂(常温液状)
・DCB−1000…日本油脂社製、テトラメチレンオキシド・エチレンオキシド共重合体
・UVI6990…ユニオンカーバイド社製、光カチオン重合開始剤
・炭酸カルシウム…和光純薬工業社製、強塩基弱酸塩
・ホウ酸カルシウム酸…和光純薬工業社製、強塩基弱酸塩
・ステアリン酸カルシウム…和光純薬工業社製、強塩基弱酸塩
・ケイ酸アルミニウム…和光純薬工業社製、強塩基弱酸塩
・酸化亜鉛…和光純薬工業社製、金属酸化物
・酸化チタン…和光純薬工業社製、ルチル型、金属酸化物
(性能評価)
上記で得られた光反応性ホットメルト接着剤組成物の性能(常態接着性及び耐水接着性)を以下の方法で評価した。その結果は表1に示す通りであった。
・貼り合わせ接着体の作製
温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、被着体として100μm厚みのポリエチレンテレフタレートシート(白色ポリエチレンテレフタレートシート、帝人デュポンフィルム社製、商品名:U298W)を2枚用意し、両方のシートの表面に光反応性ホットメルト接着剤を300g/mの塗布量で加熱溶融塗工した。次に、メタルハライドランプを使用して、2000mJ/cmのエネルギーを照射した後、この2枚のポリエチレンテレフタレートシートを貼り合わせ、直ちに60℃で18時間養生し、接着体を得た。
・常態接着性
上記接着体について、23℃、相対湿度50%の雰囲気下で、引張速度5mm/分の条件でT剥離試験を行った。試験後、剥離した状態を観察し、接着界面で剥離されているか、あるいは材料破壊が生じているか(すなわち、PETシートが材破しているか)を観察した。
・耐水接着性
上記接着体を25mm幅に切断し、23℃の水中に浸漬した。その後水中から引き上げ、直ちに手でT剥離を行い、基材が完全に剥離した日時を記録して耐水接着性を評価した。その剥離に要した日数の結果を表1に示した。
Figure 2006117882

Claims (4)

  1. カチオン重合性化合物、光カチオン重合開始剤、及び強塩基弱酸塩又は金属酸化物を含むことを特徴とする光反応性ホットメルト接着剤組成物。
  2. 1級水酸基を有する化合物を含むことを特徴とする請求項1記載の光反応性ホットメルト接着剤組成物。
  3. 上記カチオン重合性化合物が、常温で固形のビスフェノール型エポキシ樹脂を主成分とし、上記1級水酸基を有する化合物が、主鎖中にポリオキシアルキレン基を有する化合物であることを特徴とする請求項2記載の光反応性ホットメルト接着剤組成物。
  4. 上記常温で固形のビスフェノール型エポキシ樹脂が、ビスフェノールF型エポキシ樹脂であり、上記主鎖中にポリオキシアルキレン基を有する化合物が、テトラメチレンオキシドとエチレンオキシドとの共重合体、又はテトラメチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体であること
    を特徴とする請求項3記載の光反応性ホットメルト接着剤組成物。


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