JP2006117794A - 炭素材原料の乾燥方法および炭素材原料乾燥炉 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】炭素材原料乾燥炉10は、処理容器12と、反応ガス導入排出部14と、材料配置部16と、マイクロ波照射装置18とを備える。マイクロ波照射装置18は、マイクロ波発信器30と、処理容器12内の材料配置部16の真上に開口が位置するように設けられる導波管32を備える。処理容器12は、マイクロ波吸収性および断熱性を有する材料で形成される。材料配置部16は、水分を含む炭素材原料を配置する、マイクロ波透過性を有する材料で形成した目皿24および目皿24を炉床から離れた位置に支持する目皿支え足26で構成される。
【選択図】図1
Description
これらの水分を含んだ炭素材原料をそのままの状態で使用すると、捏合等の加熱混合工程において大量の水蒸気が発生し、炭素材を安定して製造する際の支障となる。
このため、熱風キルン(熱風吹き込み式のロータリキルン)や真空乾燥機(熱風真空乾燥処理装置)等を用いて熱風気流下で炭素材原料を流動させながら乾燥処理することが広く行われている(例えば特許文献1参照。)。
また、従来の乾燥方法では、熱風気流下で炭素材原料を流動させながら乾燥するため、気流に同伴してキルン等から排出される炭素材原料が無視できない量の乾燥ロス(飛散ロス)となる。
また、従来の乾燥方法では、大型の乾燥装置を必要とする。
また、本発明は、乾燥ロスの少ない炭素材原料の乾燥方法および炭素材原料乾燥炉を提供することを目的とする。
また、本発明は、小型化された炭素材原料乾燥炉を提供することを目的とする。
炭素材原料は、例えば、電極のバインダーとして使用されるバインダーピッチまたは電極母材として使用される生コークスである。ただし、炭素材原料は、これらに限定するものではない。
上記本発明に係る第一の炭素材原料の乾燥方法によれば、マイクロ波によって炭素材原料の水分が選択的に急速加熱されて蒸発するため、乾燥のための熱風を生成するエネルギが大幅に軽減される。また、処理能率が高い。また、熱風の風量が軽減されることにより、乾燥ロス、すなわち、炭素材原料の衝突による粉化、飛散による損失が少ない。また、炭素材原料はマイクロ波によって内部から乾燥され、かつ炭素材原料の内部と表面との温度勾配も小さいため、熱履歴での炭素材原料の粉化による損失も少ない。また、小型化された乾燥装置で取り扱うことができる。
上記本発明に係る第二の炭素材原料の乾燥方法によれば、前記第一の炭素材原料の乾燥方法と同様の効果を得ることができる。
炭素材原料乾燥炉10は、図1に示すように、処理容器12と、ガス導入排出部14と、材料配置部16と、マイクロ波照射装置18とを備える。
マイクロ波吸収性および断熱性を有する材料としては、CaO・6Al2O3等を用いることができる。
マイクロ波吸収性を有する内壁の材料としては、上記CaO・6Al2O3等や、SiC、ZrB2、β−Al2O3等を用いることができる。一方、断熱性を有する外壁の材料としては、炭素系やセラミック系の通常の断熱材を用いることができ、また、上記CaO・6Al2O3等を用いてもよい。
目皿24は、好ましくは、マイクロ波透過性を有する材料で形成する。マイクロ波透過性を有する材料としては、Si3N4、SiAlON等を用いることができる。ただし、これらに替えて、目皿24を黒鉛等で形成してもよい。一方、目皿支え足26の材料は特に限定はなく、例えば黒鉛で形成することができる。
なお、マイクロ波照射装置18は、マイクロ波発信器28を含めて2系統設け、2つの導波管30を処理容器12の上部に目皿24を挟んで並置したものであってもよい。
このとき、目皿24がマイクロ波透過性を有する材料で形成されているため、目皿24の側からも効率的にマイクロ波が炭素材原料Wに照射され、炭素材原料Wを全面から加熱することができる。また、このとき、処理容器12の少なくとも内壁はマイクロ波吸収性を有する材料で形成されているため、マイクロ波を吸収して加熱され、炭素材原料Wから発生した水蒸気が内壁の表面で結露することがない。
処理容器12の空間に滞留する水蒸気は、パージ用のガスによって、連続的にあるいは間歇的に炉外に排出される。なお、パージ用のガスは予熱したものであると、より好ましい。
含水率3質量%のバインダーピッチを600kg/hrでロータリーキルン型乾燥機に供給し、灯油を8l(リットル)/hr燃焼して発生した熱風を乾燥機内に吹き込んだ。このとき、バインダーピッチのキルン投入口のバインダーピッチが落下する箇所に出力5kWで周波数2.45GHzのマイクロ波を連続して照射した
得られた乾燥バインダーピッチの回収ロス(乾燥ロス)は、2.3質量%であり、また、乾燥バインダーピッチの含水率は0.1質量%未満であった。
本発明の炭素材原料乾燥炉を用い、パージ用のガスを流通させながら、常圧下で、目皿に含水率3質量%のバインダーピッチを30kg堆積させ、マグネトロンタイプのマイクロ波発信器から出力5kWで周波数2.45GHzのマイクロ波を1分間隔で断続的に合計15回照射した。マイクロ波の照射を止めた時間帯は、水蒸気のパージを行った。したがって、乾燥処理の総時間は30分である。
得られた乾燥バインダーピッチの回収ロスは、0.1質量%未満であり、また、乾燥バインダーピッチの含水率は0.1質量%未満であった。
含水率3質量%のバインダーピッチを500kg/hrでロータリーキルン型乾燥機に供給し、灯油を8l(リットル)/hr燃焼して発生した熱風を乾燥機内に吹き込んだ。
得られた乾燥バインダーピッチの回収ロスは、3質量%であり、また、乾燥バインダーピッチの含水率は0.2質量%であった。
12 処理容器
14 ガス導入排出部
16 材料配置部
18 マイクロ波照射装置
20 導入路
22 排出路
24 黒鉛製目皿
26 黒鉛製目皿支え足
28 マイクロ波発信器
30、30a、30b 導波管
32 耐熱ガラス板
Claims (7)
- 水分を含む炭素材原料を熱風吹き込み式のロータリーキルンで乾燥する方法において、該炭素材原料を供給するホッパーの投入口から投入される該炭素材原料にマイクロ波を照射することを特徴とする炭素材原料の乾燥方法。
- 水分を含む炭素材原料を熱風真空乾燥処理装置で乾燥する方法において、該炭素材原料にマイクロ波を照射することを特徴とする炭素材原料の乾燥方法。
- 処理容器と、該処理容器に接続して設けられ、パージ用のガスを該処理容器に導入する導入路と排出路を備えるガス導入排出部と、水分を含む炭素材原料が配置される材料配置部と、該処理容器の該材料配置部を臨む位置に設けられ、マイクロ波を照射するマイクロ波導波管を備えるマイクロ波照射装置とを有することを特徴とする炭素材原料乾燥炉。
- 前記処理容器の少なくとも内壁がマイクロ波吸収性および断熱性を有する材料で形成されてなることを特徴とする請求項3記載の炭素材原料乾燥炉。
- 前記処理容器が内壁および外壁の2層を含む構造からなり、該内壁がマイクロ波吸収性を有する材料で形成されるとともに、該外壁が断熱性を有する材料で形成されてなることを特徴とする請求項3記載の炭素材原料乾燥炉。
- 前記材料配置部が前記炭素材原料を戴置する戴置台と該戴置台を炉底上に離間して支持する支持具とで構成され、該戴置台がマイクロ波透過性を有する材料で形成されてなることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載の炭素材原料乾燥炉。
- 前記マイクロ波導波管が、異なる方向からマイクロ波を照射するように複数備えられてなることを特徴とする3〜6のいずれか1項に記載の炭素材原料乾燥炉。
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