JP2006117767A - 熱可塑性エラストマー - Google Patents

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道子 吉田
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Abstract

【課題】 オイル等の低分子量炭化水素および/またはその誘導体を多量に含有、保持することが可能であり、且つ柔軟性、透明性、耐熱性に優れた熱可塑性エラストマーを提供することが出来る。
【解決手段】 以下の成分(A)、(B)を含む熱可塑性エラストマー。
(A):X線小角散乱において補正散乱強度(I(q))をY軸に、散乱ベクトル(q)をX軸にプロットした時、散乱ベクトルqが0.1nm-1から0.3nm-1の領域における傾きが負または0であり、且つ周波数1Hzの正弦波加振による動的粘弾性測定で得られる損失正接―温度曲線において、損失正接ピーク値の最大値が0.3以下である高分子材料。
(B):低分子量炭化水素および/またはその誘導体。
【選択図】 なし

Description

本発明は新規熱可塑性エラストマーに関する。さらに詳しくは、低分子量炭化水素および/またはその誘導体を多量に含有・保持し、柔軟性、透明性に優れた熱可塑性エラストマーに関する。
自動車部品、工業機械部品、電気・電子部品、建築材料、医療・衛生材料等に用いられるゴム弾性を必要とする部品または部位には、従来から種々の材料が用いられている。大多数の材料は結晶性ポリマーとゴム成分である非晶性ポリマーとからなり、例えばポリプロピレンなどの結晶性ポリマーとエチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムを含むエラストマーが知られている(特許文献1参照)。またこのような樹脂に、更に柔軟性を付与する目的で、ポリプロピレンなどの結晶性ポリマーと、エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴムからなるエラストマーに、パラフィン系オイル等の、いわゆる低分子量炭化水素を含有させた、熱可塑性エラストマーが知られている(特許文献2参照)。
更に柔軟性、耐熱性を向上させる目的で、共重合体成分としてゴム成分を用いることなく低分子量炭化水素を結晶性ポリオレフィンに含有させることができれば、熱可塑性エラストマーの生産コストを大幅に削減することができる。よってこの様な、共重合体中にゴム成分を含まずともミネラルオイルを含むことが可能なポリプロピレン単独重合体も知られている(特許文献3参照)。
また一般的に、低分子量炭化水素を含有させた熱可塑性エラストマーに共通する問題として、低分子量炭化水素が時間の経過により熱可塑性エラストマーの表面に滲み出してくる、いわゆるブリードアウト現象がある。ブリードアウト現象が生じると、成形体表面がべた付いたり、透明な熱可塑性エラストマーが白濁したり、光沢が変化するなど、外観が悪化して商品価値が著しく損なわれてしまう。この様なブリド−アウト現象を抑制する方法としては、アルカリ土類金属の脂肪酸塩および/またはアルカリ土類金属の酸化物等を熱可塑性エラストマー中に添加する方法が知られている(特許文献4参照)。
特開昭48−26838号公報 特開平06−001888号公報 特開2003−292700号公報 特開平5−287132号公報
しかし従来からのブリド−アウト現象の抑制方法では、市販の熱可塑性エラストマーや特許文献3にもある様に、低分子量炭化水素の含有量は、せいぜい20重量%に留まっていた。これは、柔軟性を向上させるべく低分子量炭化水素の含有量を増加させると、サブミクロンスケールの相分離を起こし、その結果として熱可塑性エラストマーが白濁し、透明性が低下するという問題があったためである。
更に、特許文献4に記載の様な添加剤によるブリド−アウト現象の抑制方法では、添加剤の存在のために、熱可塑性エラストマーの用途が制限されると言う問題があった。特に、血液等の輸液バッグに代表される衛生材料や医療用材料に使用すると、オイルブリードアウト抑制に用いる添加剤が血液等の内容液体への混入が懸念されており、この様な用途への熱可塑性エラストマーの使用が制限されるという問題があった。
この様に、添加剤等を用いずとも、多量の、例えば30重量%以上の低分子量炭化水素を含有し、柔軟性に優れ、且つ、透明性、耐熱性を兼ね備えた熱可塑性エラストマーは望まれていたが、実現されていなかった。
本発明者らは上述の課題に鑑みて鋭意検討した。その結果、以下の二つの特徴を有する高分子材料は、いわゆるゴム成分や添加剤を用いずとも、ブリードアウトを抑制し、オイルを多量に含有、保持することが可能であることを見出した。
(1)高分子材料のX線小角散乱(以下、「SAXS」と略記することがある。)分析結果において、補正散乱強度(I(q))をY軸に、散乱ベクトル(q)をX軸としたグラフ上にプロットして得られるグラフが、X軸(散乱ベクトル(q))が0.1nm-1〜0.3nm-1の領域における傾きが負または0である。
(2)周波数1Hzの正弦波加振による動的粘弾性測定で得られる損失正接−温度曲線において、損失正接ピーク値の最大値が0.3以下である。
そして、この様にオイルを多量含む熱可塑性エラストマーは、柔軟性、透明性、そして耐熱性に優れた熱可塑性エラストマーとなることを見出し、本発明を完成させた。即ち本発明の要旨は、以下の成分(A)、(B)を含む熱可塑性エラストマーに関する。
(A):X線小角散乱において補正散乱強度(I(q))をY軸に、散乱ベクトル(q)をX軸にプロットした時、散乱ベクトルqが0.1nm-1から0.3nm-1の領域における傾きが負または0であり、且つ周波数1Hzの正弦波加振による動的粘弾性測定で得られる損失正接―温度曲線において、損失正接ピーク値の最大値が0.3以下である高分子材料。
(B):低分子量炭化水素および/またはその誘導体。
本発明は、オイル等の低分子量炭化水素および/またはその誘導体を多量に含有、保持することが可能であり、且つ柔軟性、透明性、耐熱性に優れた熱可塑性エラストマーを提供することが出来る。
以下に、本発明の熱可塑性エラストマーの成分である高分子材料、低分子量炭化水素および/またはその誘導体について詳しく説明する。
(A)成分
本発明に用いる(A)成分の高分子材料は、以下の(1)、及び(2)の特徴を有する。
(1)高分子材料のX線小角散乱(以下、「SAXS」と略記することがある。)分析結果において、補正散乱強度(I(q))をY軸に、散乱ベクトル(q)をX軸としたグラフ上にプロットして得られるグラフが、X軸(散乱ベクトル(q))が0.1nm-1〜0.3nm-1の領域における傾きが負または0である。
(2)周波数1Hzの正弦波加振による動的粘弾性測定で得られる損失正接−温度曲線において、損失正接ピーク値の最大値が0.3以下である。
本発明に用いる成分(A)の高分子材料成分は、高分子共重合体ゴム成分を該(A)成分の一部として必ずしも含まなくとも、低分子量炭化水素および/またはその誘導体を多量に含有、保持することが可能であり、柔軟性、透明性、耐熱性に優れる熱可塑性エラストマーとなる。
本発明に用いる(A)成分の高分子材料は、(1)高分子材料のX線小角散乱(以下、「SAXS」と略記することがある。)分析結果において、補正散乱強度(I(q))をY軸に、散乱ベクトル(q)をX軸としたグラフ上にプロットして得られるグラフが、X
軸(散乱ベクトル(q))が0.1nm-1〜0.3nm-1の範囲において傾きが負または0であることを特徴とする。ここで散乱ベクトルqは、q=4πsinθ/1.542であり、2θは散乱角度である。また補正散乱強度(I(q))とは、X線小角散乱強度から空気散乱強度とX線透過率との積を差し引いた値を示す。尚、この領域における傾きが負または0とは、グラフ上の0.1nm-1と0.3nm-1との点を直線で結んだ際の傾きが負または0であることを示す。I(q)は散乱体積中の電子密度揺らぎに関係しており
、I(q)から、数十ナノメートル程度のスケールの周期構造や散乱体の形や大きさを知
ることができる。散乱ベクトル(q)が0.1nm-1から0.3nm-1の領域において、傾きが0以下であることは、該エラストマー中の非晶相と結晶相のサブミクロンスケールでの相分離構造が存在していると考えられる(J.polym .Sci.polym .Phys.Ed.38,2580(2000))。この条件を満たさない高分子材料を用いた場合、上記(B)成分を含むと、エラストマーとなった際に白濁し、透明性が低下してしまう。
本発明におけるSAXS測定は、従来公知の方法、装置を用いて行えばよい。例えば、銅を陰極とする回転陰極型X線発生装置をX線源とし、グラファイト結晶を用いたX線単色化装置によりCu−Kα線のみを抽出し入射X線として使用する方法が挙げられる。本発明においては、X線の測定試料への入射の際、50cm以上の間隔で設置した二つの直径0.5mmのピンホールスリットにより、X線ビームの形状を絞る。試料の厚さは2mmとする。空気中、25℃において保持されているサンプルにX線を入射する。
試料からの散乱X線を試料位置から3m離れた場所に設置したX線用比例計数管を用いて角度0〜3度の範囲で測定し、散乱強度分布を得る。得られた散乱強度分布データから試料を置かない(ブランク)で測定した散乱強度(通常「空気散乱強度」と呼ばれる)とX線透過率との積を差し引き、補正散乱強度(I(q))を得る。ここでX線透過率とは
入射したX線の強度に対する、入射X線の中で、散乱されずに透過したX線の強度の割合である。
さらに、上記(A)成分の高分子材料は、周波数1Hzの正弦波加振による動的粘弾性測定で得られる損失正接−温度曲線において、損失正接ピーク値の最大値が0.3以下であることを特徴とする。損失正接は損失弾性率を貯蔵弾性率で割った値である。本発明における損失正接のピークとは、高分子材料中に存在する非晶相のガラス−ゴム転移に帰属され、そのピーク値は非晶相のつながり(パーコレーション)の尺度となる。また本発明においては、(A)成分に上記(B)成分を含んでなる熱可塑性エラストマーについても、損失正接ピーク値が0.3以下であることが好ましい。0.3を超えると、ブリードアウトするオイル量が多くなり、エラストマー表面にオイルが浮き出てくる場合がある。
このような物性を達成する手段として、比較的低い結晶化温度を持つ結晶化可能成分を存在させることが考えられる。比較的低い結晶化温度を持つ結晶化可能成分は、より低温において非晶性成分を結晶間に取り込みながら結晶化すると考えられ、本発明者らは、この現象を説明するために、低温におけるスピノーダル分解的結晶化機構を提案している。非晶性成分が結晶間に取り込まれるために、非晶部は全体として連結しにくくなる(非晶が連続相を形成しにくくなる)。非晶相の連続性は、動的粘弾性測定によって得られる、非晶のガラス転移温度における損失正接のピーク値によって評価されるが、比較的低温で結晶化する成分がスピノーダル分解的結晶化をおこすと、非晶性成分が結晶間(ラメラ間、フィブリル間)に取り込まれた状態で結晶化するため、非晶相は不連続相を形成しやすく、損失正接のピーク値も低下する。パラフィンオイル等の低分子量炭化水素は、樹脂中の非晶性高分子からなる相中に存在するので、非晶相が不連続相を形成しているとオイルのブリードアウトが起きず、高分子材料中に保持されると考えられる。
本発明に用いる(A)成分の高分子材料は、上述の特性を有するものであれば任意の高分子材料を使用することができる。具体的には例えば、オレフィン系ポリマー、エステル系ポリマー等の熱可塑性樹脂やこれらの水添物等の誘導体が挙げられる。中でも、本発明の熱可塑性エラストマーとした際の効果が著しい点から、αオレフィン単独重合体またはαオレフィン共重合体を含む、いわゆるオレフィン系ポリマーが好ましい。中でもαオレフィン重合体としてプロピレンを含むプロピレン系樹脂であることが好ましい。オレフィン系ポリマーにおいてオレフィンがプロピレンの際、プロピレン連鎖部分の立体規則性がステレオブロック構造であることが好ましい。
プロピレン系樹脂とは、プロピレンを含む重合体で実質的に構成されており、例えば、プロピレンホモポリマーの他、プロピレンと、エチレンおよび/または炭素数4〜20のαオレフィンとの共重合体、具体的にはプロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・エチレン・1−ブテン共重合体等が挙げられる。
プロピレン系樹脂が共重合体である場合には、プロピレン単位以外のオレフィン単位の含有量は少ない方が最終的に得られる熱可塑性エラストマーの特性が顕著となるので好ましく、プロピレン系樹脂中のプロピレン単位以外のオレフィン単位の含有率は通常10mol%以下、中でも5mol%以下、更には3mol%以下が好ましい。本発明に用いる(A)成分がプロピレン系樹脂である場合には、特にプロピレンホモポリマーであることが好ましい。
上記(A)成分の高分子材料の製造方法は、特に限定されるものではない。(A)成分の製造方法としては、例えばオレフィン系ポリマーにおいては、立体規制能の異なる2種以上の触媒の混合物を用いて、モノマーを重合する方法や、立体規制能の異なる触媒で重合した重合体を重合後にブレンドすることにより、立体規則性分布や結晶性分布を調整する方法、また高分子主鎖形成のために挿入された単量体に基づく位置不規則を該主鎖に存在させる方法等が挙げられる。
具体的には例えば、(A)成分として用いるステレオブロック構造を有するプロピレン系樹脂としては、特許文献3に記載されている方法により得ることが出来る。アイソタクチックブロックを含むステレオブロック構造を得るためには、(a)ポリプロピレンのエピ化による製造方法の他に、触媒に特徴のある製造方法として(b)Ziegler−Natta触媒、(c)いわゆるCollette触媒、及び(d)シングルサイト触媒による製造方法が挙げられる。中でも、一般にシングルサイト触媒はリガンドのデザインによりミクロタクティシティを制御でき、得られるプロピレン系樹脂の分子量分布や立体規則性分布がシャープであるので(d)による製造方法が好ましい。
以下、本発明における(A)成分として用いる高分子材料の製造方法の例として、(d)を例にして説明する。シングルサイト触媒としては従来公知のものを用いることが出来るが、中でも熱安定性等に優れ、特に工業的な見地から、架橋基を有するC1−対称性ア
ンサ−メタロセンが好ましく、特に共役5員環配位子を有する架橋された4族遷移金属化合物のC1−対象性を有するメタロセンが好ましい。
この様なメタロセン触媒による重合に用いる反応原料としては、プロピレン、エチレンおよび/または炭素数4〜20のαオレフィンからなる群より、目的とする構成成分に応じて任意に選択し、目的とする重合体の構成割合によって各成分の量を決定すればよい。
重合方法に特に制限はなく、例えばプロパン、ブタン、ヘキサン、ヘプタンおよびトルエン等の不活性炭化水素溶媒中で行う方法や、液化αオレフィン中で行う方法、または実質的に溶媒を使用しない気相重合方法の他、生成した重合体が媒体に溶解する、いわゆる溶液重合が挙げられる。中でも気相重合が好ましい。
本発明における(A)成分の高分子材料を得るためには、重合触媒としてメタロセン触媒を用いる際、触媒成分として以下の触媒成分[1]〜[3]を用い、特に触媒成分[2]の1g当たりの触媒成分[3]の量を0.1〜10000mmol、中でも0.3〜100mmolとすればよい。各触媒成分は、特許文献3に記載されているものを、適宜選択し、組み合わせて用いることが出来る。
触媒成分[1]:メタロセン
触媒成分[2]:助触媒
触媒成分[3]:有機アルミニウム化合物
以下、各成分につき説明する。
触媒成分[1]:メタロセン
本発明に好ましく用いるメタロセンとしては、一般式:Q(C54-a2 a)(C54-b3 b
)MXYで表されるC1−対称性メタロセンが挙げられ、Qは2つの共役5員環配位子を
架橋する結合性基を、Mは周期律表4族遷移金属を、XおよびYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基を、R2およびR3はそれぞれ独立して、炭素数1〜40、好ましくは1〜20の炭化水素基、ハロゲン、炭素数1〜20、好ましくは1〜20のハロゲン含有炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ケイ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基またはホウ素含有炭化水素基を示す。また、隣接する2個のR2および/またはR3がそれぞれ結合して4〜10員環を形成していてもよい。aおよびbは、それぞれ独立して、0≦a≦4、0≦b≦4を満足する整数である。
2個の共役5員環配位子の間を架橋する結合性基Qとしては、具体的には下記のようなものが挙げられ、Qが炭素を含む場合の炭素数は通常1〜20である。すなわち、メチレン基、エチレン基のようなアルキレン基、エチリデン基、プロピリデン基、イソプロピリデン基、フェニルメチリデン基、ジフェニルメチリデン基のようなアルキリデン基、ジメチルシリレン基、ジエチルシリレン基、ジプロピルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルエチルシリレン基、メチルフェニルシリレン基、メチル-t-ブチルシリレン基、ジ
シリレン基、テトラメチルジシリレン基のようなケイ素含有架橋基、ジメチルゲルミレン基、ジエチルゲルミレン基、ジフェニルゲルミレン基、メチルフェニルゲルミレン基のようなゲルマニウム含有架橋基、アルキルフォスフィンジイル基、イミノ基等である。これらのうち、アルキレン基、アルキリデン基、ケイ素含有架橋基、ゲルマニウム含有架橋基が特に好ましく用いられる。
上記一般式において、R2および/またはR3は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、フェニル基、t−ブチルフェニル基、ナフチル基等の置換されていてもよい炭素数1〜40の炭化水素基、フルオロメチル基、フルオロエチル基、フルオロフェニル基、フルオロナフチル基、フルオロビフェニル基、クロロメチル基、クロロエチル基、クロロフェニル基、クロロナフチル基、クロロビフェニル基等のハロゲンを含有していてもよい炭素数1〜40の炭化水素基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基等のアリールオキシ基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基等のケイ素含有炭化水素基、または、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、ホウ素含有炭化水素基である。
2が複数個存在するときは、それらは同一でも異なっていてもよい。また2個のR2がシクロペンタジエニル環の隣接する炭素原子に存在する場合は、相互に結合して4〜10員環を形成し、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、オクタヒド
ロフルオレニル基、アズレニル基、ヘキサヒドロアズレニル基等となってもよい。同様に、R3が複数個存在するときは、それらは同一でも異なっていてもよい。また2個のR3がシクロペンタジエニル環の隣接する炭素原子に存在する場合は、相互に結合して4〜10員環を形成し、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基、アズレニル基、ヘキサヒドロアズレニル基等となってもよい。本発明においては、一般式:Q(C54-a2 a)(C54-b3 b )MXYで表されるメタロセンがC1−対称性を有していればよいので、C1-対称性が保持されるかぎり、R2とR3は同じで
あっても、異なっていてもよい。
Mは、周期律表4族から選ばれる遷移金属原子であり、なかでもチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが好ましく、ジルコニウム、ハフニウムがさらに好ましい。XおよびYは、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、ならびに炭素数1〜20、好ましくは1〜10の炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、アルコキシ基、アルキルアミド基、炭素数1〜20、好ましくは1〜12のリン含有炭化水素基およびケイ素含有炭化水素基等である。XとYは同一でも異なっていてもよい。これらのうちハロゲン、炭化水素基およびアルキルアミド基が好ましい。
Mがジルコニウムである場合、この遷移金属化合物の具体例としては、
(1)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(2)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(3)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウム]
(4)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチルー4−イソプロピル−1−インデニル)ジルコニウム]
(5)ジクロロ[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(6)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(7)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウム]
(8)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(9)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(10)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウム]
(11)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−イソプロピル−1−インデニル)ジルコニウム]
(12)ジクロロ[エチレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(13)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(14)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウム]
(15)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(16)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチルテト
ラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(17)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(18)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−イソプロピルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(19)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)2,4−ジメチルテトラヒドロ−1−インデニル]ジルコニウム]
(20)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(21)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−フェニルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(22)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(23)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(24)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(25)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−イソプロピルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(26)ジクロロ[エチレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(27)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(28)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−フェニルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
等が例示される。
またチタニウム化合物、ハフニウム化合物等の他の第4〜6族遷移金属化合物についても、上記と同様の化合物が挙げられる。尚、これらの化合物については複数の異なる構造を有する化合物の混合物を用いてもよい。複数の異なる構造を有する化合物の混合物を用いることにより、プロピレン系樹脂中のプロピレン連鎖部分に立体規則性分布を導入することができる。立体規則性分布の導入は、柔軟でありながら、比較的高い融点を有する樹脂の設計を可能とするため、本発明においては、好ましい様態のひとつである。またさらに、公知の三塩化チタンを主成分とする固体触媒やマグネシウム、チタン、ハロゲンを必須成分として含有する担体担持型触媒を補助的に用いることもできる。
本発明において、特に好ましく用いられる遷移金属化合物は、下記の一般式(I)で表され、かつC1−対称性を有する化合物である。
Figure 2006117767
一般式(I)中、A1およびA2は、異なる共役5員環配位子であって、A1およびA2
少なくとも一方は、共役5員環配位子上の隣接した置換基が結合し、5員環の2原子を含めて形成された7〜10員の縮合環を有し、Qは、2つの共役5員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基、Mは、周期律表4族から選ばれる遷移金属原子を示し、そして、XおよびYは、それぞれ独立して、Mと結合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルキルアミド基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、硫黄含有基を示す。
上記の共役5員環配位子の典型例としては、例えば、置換シクロペンタジエニル基を挙げることが出来る。該置換基の具体例としては、炭素数が通常1〜40、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜15の炭化水素基を挙げることができる。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基、ブテニル基、ブタジエニル基、トリフェニルカルビル基などが挙げられる。
上記の炭化水素基以外の置換基としては、ケイ素、酸素、窒素、リン、ホウ素、硫黄などの原子を含有する炭化水素残基が挙げられる。その典型例としては、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、フリル基、トリメチルシリル基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基、ジフェニルホウ素基、ジメトキシホウ素基、チエニル基などが挙げられる。
その他の置換基としては、ハロゲン原子又はハロゲン含有炭化水素基などが挙げられる。その典型的例としては、塩素、臭素、ヨウ素、フッ素、トリクロロメチル基、クロロフェニル基、クロロビフェニル基、クロロナフチル基、トリフルオロメチル基、フルオロフェニル基、フルオロビフェニル基、フルオロナフチル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
また上述の様にA1およびA2の少なくとも一方は、共役5員環配位子上の隣接した置換基が結合し、5員環の2原子を含めて7〜10員の縮合環を形成する。このような具体例としては、アズレン等の化合物やその誘導体を挙げることができる。さらに具体的には、ヒドロアズレニル基、メチルヒドロアズレニル基、エチルヒドロアズレニル基、ジメチルヒドロアズレニル基、メチルエチルヒドロアズレニル基、メチルイソプロピルヒドロアズレニル基、メチルフェニルイソプロピルヒドロアズレニル基、各種アズレニル基の水添体、ビシクロ―[6.3.0]―ウンデカニル基、メチル−ビシクロ―[6.3.0]―ウンデカニル基、エチル−ビシクロ―[6.3.0]―ウンデカニル基、フェニル−ビシクロ―[6.3.0]―ウンデカニル基、メチルフェニル−ビシクロ―[6.3.0]―ウンデカニル基、エチルフェニル−ビシクロ―[6.3.0]―ウンデカニル基、メチルジフェニル−ビシクロ―[6.3.0]―ウンデカニル基、メチル−ビシクロ―[6.3.0]―ウンデカジエニル基、メチルフェニル−ビシクロ―[6.3.0]―ウンデカジエニル基、エチルフェニル−ビシクロ―[6.3.0]―ウンデカジエニル基、メチルイソプロピル−ビシクロ―[6.3.0]―ウンデカジエニル基、ビシクロ―[7.3.0]―ドデカニル基及びその誘導体、ビシクロ―[7.3.0]―ドデカジエニル基及びその誘導体、ビシクロ―[8.3.0]―トリデカニル基及びその誘導体、ビシクロ―[8.3.0]―トリデカジエニル基及びその誘導体などが例示される。
上述の各基の置換基としては、前述した炭化水素基、ケイ素、酸素、窒素、リン、ホウ素、硫黄などの原子を含有する炭化水素基、ハロゲン原子又はハロゲン含有炭化水素基などが挙げられる。Qは、2つの共役5員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基を示す。すなわちQは2価の結合性基であり、A1とA2とを架橋する。Qの種類に特に制限はないが、その具体例としては炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜12の2価の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基、具体的には、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン等の不飽和炭化水素基、ハロアルキレン基、ハロシクロアルキレン基、シリレン基またはオリゴシリレン基、炭素数が通常1〜20、好ましくは1〜12の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を置換基として有するシリレン基またはオリゴシリレン基、ゲルミレン基、炭素数が通常1〜20の炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基を置換基として有するゲルミレン基などを挙げることができる。これらの中では、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、炭化水素基を置換基として有するシリレン基またはゲルミレン基が好ましい。
Mは、周期律表4族から選ばれる遷移金属原子を示し、好ましくは、ジルコニウムまたはハフニウムである。XおよびYは、それぞれ独立して、Mと結合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルキルアミド基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、硫黄含有基を示す。上記の各炭化水素基における炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜12である。これらの中では、水素原子、塩素原子、メチル基、イソブチル基、フェニル基、ジメチルアミド基、ジエチルアミド基、スルフィナト基が好ましい。
本発明における遷移金属化合物の具体例としては次の化合物が挙げられる。
(29)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)] ハフニウム
(30)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)] ハフニウム
(31)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(32)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(33)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(34)ジクロロ[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(35)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(36)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(37)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(38)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(39)ジクロロ[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(40)ジクロロ[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(41)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(42)ジクロロ [エチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(43)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(44)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(45)ジクロロ[エチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(46)ジクロロ[エチレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(47)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(48)ジクロロ[エチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(49)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(50)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(51)ジクロロ[エチレン(9−フルオレニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(52)ジクロロ[エチレン(9−フルオレニル)(2−エチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(53)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−n−プロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(54)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(55)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−n−ブチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(56)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−n−プロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(57)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(58)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−n−ブチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(59)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,8−トリメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(60)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,6−トリメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(61)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,7−トリメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(62)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−6−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(63)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−7−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(64)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−8−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(65)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−6−エチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(66)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−7−エチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(67)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−8−エチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(68)ジクロロ{[ジ(クロロメチル)シリレン](シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)}ハフニウム
(69)ジクロロ{[ジ(4−クロロフェニル)シリレン](シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)}ハフニウム
(70)ジクロロ[ジメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(71)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(72)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(73)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(74)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(75)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(76)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(2−n−プロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(77)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(78)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(2−n−ブチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(79)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(80)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(81)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(9−フルオレニル)2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル]]ハフニウム
(82)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−n−プロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(83)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)2−n−プロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル]]ハフニウム
(84)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(9−フルオレニル)(2−n−プロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(85)ジクロロ[ジメチルシリレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(86)ジクロロ[ジメチルシリレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(87)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(88)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル]]ハフニウム
(89)ジブロモ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(90)ジブロモ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(91)ジブロモ[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)
(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(92)ジブロモ[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(93)ジヨード[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(95)ジヨード[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(95)ジヨード[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)
ハフニウム
(96)ジヨード[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(97)ジメチル[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(98)ジメチル[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(99)ジメチル[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(100)ジメチル[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(101)ジヒドリド[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(102)ジヒドリド[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(103)ジヒドリド[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(104)ジヒドリド[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(105)ビス(ジメチルアミド)[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(106)ビス(ジメチルアミド)[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(107)ビス(ジメチルアミド)[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(108)ビス(ジメチルアミド)[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(109)ビスフェノキシ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(110)ビスフェノキシ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(111)ビスフェノキシ[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(112)ビスフェノキシ[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(113)ビスメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(114)ビスメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(115)ビスメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(116)ビスメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(117)ビストリフルオロメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(118)ビストリフルオロメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(119)ビストリフルオロメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(120)ビストリフルオロメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(121)ビス−p−トルエンスルフィナト[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(112)ビス−p−トルエンスルフィナト[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(123)ビス−p−トルエンスルフィナト[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(124)ビス−p−トルエンスルフィナト[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(125)ジクロロ[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(126)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(127)ジクロロ[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(128)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(129)ジブロモ[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(130)ジブロモ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(131)ジブロモ[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(132)ジブロモ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(133)ジヨード[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(134)ジヨード[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(135)ジヨード[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(136)ジヨード[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(137)ジメチル[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(138)ジメチル[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2,4−ジメ
チル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(139)ジメチル[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(140)ジメチル[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(141)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−5,6,7,8テトラヒドロ−1−アズレニル)]ハフニウ
(142)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−アズレニル)]ハフニウム(143)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−アズレニル)]ハフニウム
(144)ジクロロ[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−アズレニル)]ハフニウム
(145)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−クロロメチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(146)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−クロロメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(147)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(148)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−メチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(149)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−メチル−4−イソブチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(150)ジクロロ[ジメチルシリレン(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−9−フルオレニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(151)ジクロロ[ジメチルシリレン(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−9−フルオレニル)(2−メチル−4−イソブチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(152)ジクロロ[ジメチルシリレン(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−9−フルオレニル)(2−メチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(153)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(154)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−1−1アズレニル)]ハフニウム
(155)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(156)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチルベンゾ[e]インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(157)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチルベンゾ[e]インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(158)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−5,6−シクロトリメチレン−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
また、先に例示した化合物の中心金属 Mがハフニウムの代わりに、チタン、ジルコニ
ウムに代わった化合物も例示することが出来る。これらは2種以上組み合わせて用いてもよい。また重合を多段で行う場合に、重合の第1段階終了時や第2段階の重合開始前に、
新たに遷移金属成分を追加してもよい。
触媒成分 [2]:助触媒
触媒成分[2]である助触媒としては、必須成分として(1)有機アルミニウムオキシ化合物、(2)触媒成分[1]と反応して触媒成分[1]をカチオンに交換することが可能なイオン性化合物、(3)ルイス酸、(4)ケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物、および無機ケイ酸塩からなる群より選択される一種以上の物質を含むものである。
[2]−(1):有機アルミニウムオキシ化合物
有機アルミニウムオキシ化合物としては、具体的には、次の一般式 (II)、(II
I)、(IV)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2006117767
各一般式中、R3は、水素原子または炭化水素残基、好ましくは炭素数1〜10、特に
好ましくは、炭素数1〜6の炭化水素残基を示す。また複数のR3はそれぞれ同一でも異
なっていてもよい。またpは0〜40、好ましくは2〜30の整数を示す。
一般式 (II)および(III)で表される化合物は、アルミノキサンとも呼ばれる
化合物であって、一種類のトリアルキルアルミニウムまたは二種類以上のトリアルキルアルミニウムと水との反応により得られる。具体的には、(a)一種類のトリアルキルアルミニウムと水とから得られる、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、(b)二種類のトリアルキルアルミニウムと水とから得られる、メチルエチルアルミノキサン、メチルブチルアルミノキサン、メチルイソブチルアルミノキサン等が挙げられる。これらの中では、メチルアルミノキサン、メチルイソブチルアルミノキサンが好ましい。上記のアルミノキサンは、複数種併用することも可能である。そして、上記のアルミノキサンは、公知の様々な条件下に調製することができる。
一般式(IV)で表される化合物は、一種類のトリアルキルアルミニウムまたは二種類以上のトリアルキルアルミニウムと次の一般式(V)で表されるアルキルボロン酸との10:1〜1:1(モル比)の反応により得ることができる。一般式(V)中、R4は、炭
素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素残基またはハロゲン化炭化水素基を示す。
Figure 2006117767
具体的には、以下の様な反応生成物、すなわち、(a)トリメチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1の反応物、(b)トリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の2:1反応物、(c)トリメチルアルミニウムとトリイソブチルアルミニウムとメチルボロン酸の1:1:1反応物、(d)トリメチルアルミニウムとエチルボロン酸の2:1反応物、(e)トリエチルアルミニウムとブチルボロン酸の2:1反応物などが挙げられる。[2]―2:触媒成分[1]と反応して触媒成分[1]をカチオンに変換することが可能なイオン性化合物
触媒成分[1]と反応してこれをカチオンに変換することが可能なイオン性化合物としては、一般式(VI)で表される化合物が挙げられる。
一般式(VI)中、Kはカチオン成分であって、例えばカルボニウムカチオン、トロピリウムカチオン、アンモニウムカチオン、オキソニウムカチオン、スルホニウムカチオン、ホスフォニウムカチオン等が挙げられる。また、それ自身が還元されやすい金属の陽イオンや有機金属の陽イオン等も挙げられる。
Figure 2006117767
上記のカチオンの具体例としては、トリフェニルカルボニウム、ジフェニルカルボニウム、シクロヘプタトリエニウム、インデニウム、トリエチルアンモニウム、トリプロピルアンモニウム、トリブチルアンモニウム、N,N,−ジメチルアニリニウム、ジプロピルアンモニウム、ジシクロヘキシルアンモニウム、トリフェニルホスホニウム、トリメチルホスホニウム、トリス (ジメチルフェニル) ホスホニウム、トリス (ジメチルフェニル)
ホスホニウム、トリス (メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウム、ト
リフェニルスルホニウム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、ピリリウム、銀イオン、金イオン、白金イオン、銅イオン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイオン等が挙げられる。
上記の一般式(VI)中、Zはアニオン成分であり、触媒成分[1]が変換されたカチオン種に対して対アニオンとなる成分(一般には非配位の成分)である。Zとしては、例えば、有機ホウ素化合物アニオン、有機アルミニウム化合物アニオン、有機ガリウム化合物アニオン、有機ヒ素化合物アニオン、有機アンチモン化合物アニオン等が挙げられ、具体的には次の化合物が挙げられる。すなわち(a)テトラフェニルホウ素、テトラキス
(3,4,5−トリフルオロフェニル)ホウ素、テトラキス{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}ホウ素、テトラキス{3,5−ジ(t−ブチル)フェニル}ホウ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等、(b)テトラフェニルアルミニウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム、テトラキス{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}アルミニウム、テトラキス{3,5−ジ(t−ブチル)フェニル}アルミニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム等、(c)テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}ガリウム、テトラキス{3,5−ジ(t−ブチル)フェニル}ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウム等、(d)テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)リン等、(e)テトラフェニルヒ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ヒ素等、(f)テトラフェニルアンチモン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチモン等、(g)デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカボレート、デカクロロデカボレート等である。
[2]―3:ルイス酸
ルイス酸、特に触媒成分[1]をカチオンに変換可能なルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、金属ハロゲン化合物、固体酸などが例示され、その具体例としては次の化合物が挙げられる。すなわち、(a)トリフェニルホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等の有機ホウ素化合物、(b)塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化臭化マグネシウム、塩化ヨウ化マグネシウム、臭化ヨウ化マグネシウム、塩化マグネシウムハイドライド、塩化マグネシウムハイドロオキシド、臭化マグネシウムハイドロオキシド、塩化マグネシウムアルコキシド、臭化マグネシウムアルコキシド等の金属ハロゲン化合物、(c)アルミナ、シリカ・アルミナ等の固体酸などを挙げることができる。
[2]−4:ケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物または無機ケイ酸塩
ケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる化合物であり、含有するイオンが交換可能なものを言う。ケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物は、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl2 型、CdI2型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合
物等を例示することができる。具体的には、α−Zr(HAsO42・H2O、α−Zr
(HPO42、α−Zr(KPO42・3H20、α−Ti(HPO42、α−Ti(H
AsO42・H2O、α−Sn(HPO42・H20、γ−Zr(HPO42、γ−Ti(HPO42、γ−Ti(NH4PO42・ H20等の多価金属の結晶性酸性塩があげられ
る。
また無機ケイ酸塩としては、粘土、粘土鉱物、ゼオライト、珪藻土等が挙げられる。これらは、合成品を用いてもよいし、天然に産出する鉱物を用いてもよい。粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パイゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、リョクデイ石群等が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。
人工合成物としては、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライト等が挙げられる。これら具体例のうち好ましくは、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロサイト、ハロサイト等のハロサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げられ、特に好ましくはモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げられる。
これら、ケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物、または無機ケイ酸塩は、そのまま用いてもよいが、塩酸、硝酸、硫酸等による酸処理および/または、LiCl、NaCl、
KCl、CaCl2 、MgCl2 、Li2SO4、MgSO4、ZnSO4、Ti(SO42、Zr(SO4 2、Al2 (SO4 3等の塩類処理を行ったほうが好ましい。なお処理にあたり、対応する酸と塩基を混合して反応系内で塩を生成させて処理を行ってもよい。また、粉砕や造粒等の形状制御を行ってもよく、粒子性状に優れたブロック共重合体を得るためには、造粒することが好ましい。また上記成分は、通常脱水乾燥してから用いる。これら触媒成分[2]の必須成分としては、得られるブロック共重合体の粒子性状や、重合活性の面で、[2]−4のケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物、または無機ケイ酸塩を用いることが好ましい。
触媒成分[3]:有機アルミニウム化合物
触媒成分[3] である有機アルミニウム化合物は、AlR1 m3-m(式中、R1は、炭
素数1〜20の炭化水素基、Zは、水素、ハロゲン、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基、mは0<m≦3の数)で示される化合物であり、具体的にはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、またはジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムエトキシド等のハロゲンもしくはアルコキシ含有アルキルアルミニウム、または、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等の水素含有有機アルミニウム化合物である。またこの他、メチルアルミノキサン等のアルミノキサン等も使用できる。これらのうち、特に好ましいのはトリアルキルアルミニウムである。これら任意成分は2種以上組み合わせて用いてもよい。また、重合の第1段階開始
後や終了時、また、第2段階の重合開始前、開始後等に、新たにこの触媒成分[3]を追
加してもよい。
触媒成分[2]の1g当たりの触媒成分[1]の量は、0.0001〜10mmolであることが好ましく、中でも0.001〜5mmolであることが好ましい。更に触媒成分[1]中の遷移金属と触媒成分[3]中のアルミニウムの原子比は1:0.1〜1000000であることが好ましい。
本発明における(A)成分の高分子材料を得るためのその他の条件は、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することが出来る。例えば本発明における(A)成分の高分子材料を得るために好適に用いられるメタロセン触媒は、触媒成分[1]〜[3]の接触によって得られるが、その接触方法については特に限定されない。この接触は、触媒調製時だけでなく、α-オレフィンによる予備重合時または、α-オレフィンの重合時に行ってもよい。触媒各成分の接触時、または接触後にポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、アルミナ等の無機酸化物の固体を共存させるか、もしくは接触させてもよい。
接触は窒素等の不活性ガス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行ってもよい。これらの溶媒は、水や硫黄化合物などの被毒物質を除去する操作を施したものを使用することが好ましい。接触温度は、−20℃乃至、使用する溶媒の沸点の間で行い、特に室温から使用する溶媒の沸点の間で行うのが好ましい。
このようにして得られた触媒は、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒で洗浄して使用してもよいし、洗浄せずに用いてもよい。
触媒として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等のαオレフィンを予備的に重合し、必要に応じて洗浄したもの使用することもできる。この予備重合は窒素等の不活性ガス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行ってもよいし、液体プロピレン中で行ってもよい。
(2)低分子量炭化水素およびその誘導体
本発明における(B)成分の低分子量炭化水素および/またはその誘導体は、(A)成分に含有されることによって熱可塑性エラストマーとなるものである。その重量平均分子
量は任意だが、重量平均分子量が低すぎると揮発しやすく、ブリードアウトやべたつきが生じ易くなる場合があり、逆に重量平均分子量が大きすぎても、熱可塑性エラストマーとした際に弾性率が大きく、柔軟性が低下する場合がある。よって低分子量炭化水素およびその誘導体の重量平均分子量は300〜3000であることが好ましく、特に300〜2000であることが好ましい。また、本発明の熱可塑性エラストマーとした際の柔軟性の観点から、23℃で液体状態のものが好ましい。23℃で液体状態とは、JIS Z−8830に従って測定した23℃における粘度が、1〜1×104センチポイズの範囲にあることを意味する。23℃で非液体状態のものは、結晶性を有するものを多く含むものであることが多く、このようなものを(B)成分として用いた熱可塑性エラストマーは弾性率が高く、柔軟性が低下する場合がある。
また本発明で用いる(B)成分の低分子量炭化水素および/またはその誘導体の引火点は、200℃以上、中でも250℃以上であることが好ましい。引火点が200℃未満であると、(A)成分との接触等により本発明の熱可塑性エラストマーを成形する際に発火する等、取扱い性が低下する場合がある。ここで引火点とは、JIS K 2265−1989に準拠して測定する値である。
本発明の熱可塑性エラストマーの(A)成分としてオレフィン系樹脂を用いた場合には、(A)成分である樹脂との相溶性の観点から、(B)成分として、分子内に非環式脂肪族鎖構造および/または飽和脂肪環構造を有するものであることが好ましい。中でも、低分子量炭化水素の全炭素原子数に占める非環式脂肪族鎖を構成する炭素原子数の比率が高いものが好ましく、この比率が50%以上、特に65%以上であることが好ましい。尚、低分子量炭化水素は芳香環構造を有してもよいが、その全炭素原子数の比率は低い方が好ましく、中でも30%以下、特に10%以下であることが好ましい。低分子量炭化水素の非環式脂肪族鎖構造、飽和脂肪族環構造および芳香環構造の炭素原子の比率は、例えばASTMD−3283に従って測定できる。
低分子量炭化水素および/またはその誘導体としては、石油留分のうち、いわゆる加工油、プロセスオイル(例えば出光興産社製 商品名:ダイアナプロセスオイル)や、ひまし油、綿実油、亜麻仁油、菜種油、大豆油、パーム油、やし油、落花生油、木蝋、パインオイル、オリーブオイル等の植物油などが挙げられる。中でも熱可塑性エラストマーとした際の効果が顕著となる点から、加工油やプロセスオイルが好ましい。
(3)熱可塑性エラストマー
本発明の熱可塑性エラストマーは、オイル等の低分子量炭化水素および/またはその誘導体を多量に含有、保持することが可能であり、且つ柔軟性、透明性、耐熱性に優れたものである。中でも低分子量炭化水素および/またはその誘導体の含有量は、上述の熱可塑性エラストマー(A)成分と(B)成分との合計を100重量部としたときに(B)成分の含有量が20重量部を超え、中でも25重量部以上、更には30重量部以上であることが好ましい。また上限は熱可塑性エラストマーの用途に応じて適宜選択すればよいが、多すぎると本発明の効果が低下する場合があるので、一般的には50重量部以下、中でも40重量%以下であることが好ましい。
本発明の熱可塑性エラストマーには、(A)成分と(B)成分の他に、該エラストマーの粘弾性、耐熱性、透明性を制御するため、本発明の効果を損なわない範囲において、各種樹脂やゴム(オレフィン系共重合体)、ガラス繊維、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、マイカ、クレー等の充填材、多孔質体、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の難燃材、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤、抗菌剤、顔料、滑剤、分散剤、界面活性剤等の両親媒性物質、中和剤、石油樹脂等の粘着剤、ブロッキング防止剤、結晶核剤等の各種添加剤を必要に応じて配合してもよい。上記添加剤成分を配合する場合、上記成分(A)及び成分(B)の混合前、混合途中、あるいは混合後に、配合することができる。
本発明の熱可塑性エラストマーは、その用途に応じて、従来公知の架橋(助)剤の存在下で架橋されたものや、また無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸を有機過酸化
物の存在下にグラフトしたものであってもよい。
本発明の熱可塑性エラストマーの製造方法は、上述の(A)成分及び(B)成分を、必要に応じて、他の添加成分及び他の樹脂材料とともに、混合又は溶融混練する方法によって製造することができる。中でも、成分(B)の分散性の観点から、溶融混練によって製造することが好ましい。溶融混練機としては任意のものが使用でき、例えばブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、ロールミル、単軸又は二軸等の多軸混練押出機等が挙げられる。
(4)熱可塑性エラストマーの用途
本発明の熱可塑性エラストマーは、柔軟性、透明性、オイル保持能に優れているため、従来のエチレン系材料、プロピレン系材料の他、軟質PVC等の熱可塑性エラストマーが用いられている高透明性、低弾性率、等の条件を要求される種々の分野において、単体として、あるいは主成分として、好適に用いることができる。成形方法は特に限定されないが、フィルム・シートにおいては、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法等により製膜され、単層あるいは2層以上の各種層を適宜必要に応じて設けることもできる。積層化に際しては、押し出しラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等も可能であり、また、フィルムを一軸あるいは二軸延伸することも可能である。延伸法としては、ロール法、テンター法、チューブラー法等が挙げられる。更に、通常工業的に用いられるコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理を施すこともできる。
(5)フィルム・シート分野における用途
本発明の熱可塑性エラストマーのフィルム・シート分野における用途は特に限定されないが、例えば具体的には以下のような用途が挙げられる。包装用ストレッチフィルム、業務用または家庭用ラップフィルム、パレットストレッチフィルム、ストレッチラベル、シュリンクフィルム、シュリンクラベル、シーラント用フィルム、レトルト用フィルム、レトルト用シーラントフィルム、熱溶着フィルム、熱接着フィルム、熱封緘用フィルム、バッグ・イン・ボックス用シーラントフィルム、レトルトパウチ、スタンディングパウチ、スパウトパウチ、ラミネートチューブ、重袋、繊維包装フィルム等の食品、雑貨等包装分野、ハウス用フィルム、マルチフィルム等の農業用フィルム分野、輸液バッグ、高カロリー輸液や腹膜透析用 (CAPD)等の複室容器、腹膜透析用の排液バッグ、血液バッグ、尿バッグ、手術用バッグ、アイス枕、アンプルケース、PTP包装等の医療用フィルム・シート分野、土木遮水シート、止水材、目地材、床材、ルーフィング、化粧フィルム、表皮フィルム、壁紙等の建材関連分野、レザー、天井材、トランクルーム内張、内装表皮材、制震シート、遮音シート等の自動車部品分野、ディスプレーカバー、バッテリーケース、マウスパッド、携帯電話ケース、ICカード入れ、CDやDVD等のメディアケース等の弱電分野、ハブラシケース、パフケース、化粧品ケース、目薬等医薬品ケース、ティッシュケース、フェイスパック等のトイレタリーまたはサニタリー分野、文具用フィルム・シート、クリアファイル、ペンケース、手帳カバー、デスクマット、キーボードカバー、ブックカバー、バインダー等の事務用品関連分野、家具用レザー、ビーチボール等の玩具、傘、レインコート等の雨具、テーブルクロス、ブリスターパッケージ、風呂蓋、タオルケース、ファンシーケース、タグケース、ポーチ、お守り袋、保険証カバー、通帳ケース、パスポートケース、刃物ケース等の一般家庭用、雑貨分野、再帰反射シート、合成紙等が挙げられる。また、基材に粘着材が塗布され、粘着性が付与されたフィルム・シート分野として、粘着テープ、マーキングフィルム、半導体またはガラス用ダイシングフィルム、表面保護フィルム、鋼鈑・合板保護フィルム、自動車保護フィルム、包装・結束用粘着テープ、事務・家庭用粘着テープ、接合用粘着テープ、塗装マスキング用粘着テープ、表面保護用粘着テープ、シーリング用粘着テープ、防食・防水用粘着テープ、電気絶縁用粘着テープ、電子機器用粘着テープ、貼布フィルム、バンソウコウ基材フィルム等医療・衛生材用粘着テープ、識別・装飾用粘着テープ、表示用テープ、包装用テープ、サージカルテープ、ラベル用粘着テープ等。
(6)射出成形、押出し成形分野における用途
本発明の熱可塑性エラストマーは、低分子量炭化水素および/またはその誘導体を、安定して、大量に含有出来るので、流動性が高く、その結果として吐出量の制御幅が広いという特徴がある。本発明の熱可塑性エラストマーの射出成形や押出し成形、発泡成形分野における用途は、特に限定されないが、例えば具体的には以下のような用途が挙げられる。電気・電子部品分野における電線、コード類、ワイヤーハーネス等の被覆材料、絶縁シート、自動車部品における、コントロールケーブル被覆材、エアーバッグ・カバー、マッドガード、バンパー、ブーツ、エアホース、ランプパッキン類、ガスケット類、ウィンドウモール等の各種モール、サイトシールド、、ウェザーストリップ、グラスランチャンネル、グロメット類、制震・遮音部材、家電、弱電分野における各種パッキン類、グリップ類、ベルト類、足ゴム、ローラー、プロテクター、吸盤、冷蔵庫等のガスケット類、OA機器用各種ロール類、ホース、チューブ等の管状成形体、異型押し出し品、レザー調物品、咬合具、ソフトな触感の人形類等の玩具類、ペングリップ、ハブラシ柄等の一般雑貨類、ハウスウェア、タッパーウェア等の容器類、結束バンド、ブロー成形による輸液ボトル、食品用ボトル、化粧品用等のパーソナルケア用のボトル等各種ボトル、医療用部品におけるカテーテル、シリンジ、シリンジガスケット、点滴筒、チューブ、ポート、キャップ、ゴム栓、ディスポーザブル容器等。
(7)繊維、不織布分野における用途、他
本発明の熱可塑性エラストマーは柔軟性に優れるので、伸縮性に優れた繊維、不織布分野における用途へも適用することが出来る。具体的には以下のような用途が挙げられる。例えば連続紡糸、連続捲縮糸、短繊維、モノフィラメント等の繊維、フラットヤーン、メルトブロー法、スパンボンド法によって不織布とすることで、紙おむつ等の衛生材料、手術用衣服、手袋等の医療用、カーペット、その裏地、ロープ等の用途が挙げられる。またこれら不織布やモノフィラメント、フラットヤーン、スリットテープ等の編物と、フィルム・シートのラミネートによる、帆布、テント材、幌、フレキシブルコンテナー、レジャーシート、ターポリン等の用途が挙げられる。
更に本発明の熱可塑性エラストマーは、その(A)成分を主成分とする他の高分子樹脂の改質にも、好適に使用することができる。具体的には、柔軟性、透明性、靭性等や熱シール性、耐衝撃性、添加剤との親和性、成形体表面の改良などが挙げられる。また、その熱融着性を生かしたホットメルト接着剤、タッキファイヤー、アスファルト改質、ビチューメン改質、防水加工紙等の用途にも用いることが出来る。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
また触媒合成工程の溶媒として用いたテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルは、使用前に金属ナトリウムとベンゾフェノンケチル上で乾燥し使用した。トルエン及びn−ヘキサンについては、関東化学社製の脱水トルエン及びn−ヘキサンを使用した。重合工程は、全て精製窒素雰囲気下で行い、溶媒は、モレキュラーシーブ(MS−4A)で脱水した後に精製窒素でバブリングして脱気して使用した。
得られた重合体の物性を評価するために、分子量、融点、13C−NMRスペクトル、MFR、X線小角散乱、動的粘弾性測定を以下(1)〜(6)に記載の条件で行なった。
(1)分子量の測定:
GPCにより得られた重量平均分子量を測定した。GPC装置は、Waters社製「150CV型」を使用した。溶媒はオルトジクロルベンゼンを使用し、測定温度は135℃とした。
(2)融点の測定:
DSC(デュポン社製「TA2000型」)を使用し、10℃/分で20℃から200℃まで昇温し、さらに−10℃/分で200℃から20℃まで降温した後の昇温時の測定により求めた。
(3)13C−NMRスペクトルの測定:
試料100〜500mgを、10mmのNMR用サンプル管中で、約2.2mlのオルトジクロロベンゼンを用いて完全に溶解させた。次いで、ロック溶媒として約0.2mlの重水素化ベンゼンを加え、均一化させた後、130℃でプロトン完全デカップリング法により測定を行った。測定条件は、フリップアングル90°、パルス間隔5T1以上(T1は、メチル基のスピン−格子緩和時間のうち最長の値。)とした。プロピレン重合体において、メチレン基およびメチン基のスピン−格子緩和時間はメチル基のそれよりも短いので、この測定条件では、すべての炭素の磁化の回復は99%以上である。
(3−i)ペンタッドの測定(結果の単位はモル%)
ケミカルシフトは、頭−尾(head to tail)結合からなるプロピレン単位連鎖部の10種類のペンタッド(mmmm,mmmr,rmmr,mmrr,mmrm,rmrr,rmrm,rrrr,rrrm,mrrm)のうち、メチル分岐の絶対配置がすべて同一である、すなわち、mmmmで表されるプロピレン単位5連鎖の第3単位目のメチル基にもとづくピークのケミカルシフトを21.8ppmとして設定し、これを基準として他の炭素ピークのケミカルシフトを決定した。
この基準では、例えば、その他のプロピレン単位5連鎖の場合、第3単位目のメチル基にもとづくピークのケミカルシフトはおおむね次のようになる。すなわち、mmmr:21.5〜21.7ppm、rmmr:21.3〜21.5ppm、mmrr:21.0〜21.1ppm、mmrmおよびrmrr:20.8〜21.0ppm、rmrm:20.6〜20.8ppm、rrrr:20.3〜20.5ppm、rrrm:20.1〜20.3ppm、mrrm:19.9〜20.1ppmである。なお、これらのペンタッドに由来するピークのケミカルシフトは、NMRの測定条件によって多少の変動があること、および、ピークは必ずしも単一ピーク(single peak)ではなく、微細構造にもとづく複雑な分裂パターン(split pattern)を示すことが多い点に注意して帰属を行う必要がある。
(3−ii) 2,1−挿入及び1,3−挿入の測定
プロピレンの重合は、メチレン基が触媒の活性サイトと結合する1,2−挿入で進行するのが普通であるが、まれに、2,1−挿入あるいは1,3−挿入することがある。2,1−挿入で重合されたプロピレン単量体は、重合体主鎖中において、下記部分構造(I)および(II)で表される位置不規則単位を形成する。また、1,3−挿入で重合されたプロピレン単量体は、重合体主鎖中において、下記部分構造(III)で表される位置不規則単位を形成する。
Figure 2006117767
全プロピレン挿入に対する2,1−挿入したプロピレン単量体の割合、および、1,3−挿入したプロピレン単量体の割合は、下記式で求めた。
Figure 2006117767
式中、ΣI(x−y)は、13C−NMRスペクトルにおいて、xppmからyppmに現れる信号の積分強度和を表し、ΣI(CH3)は、末端を除く全メチル基に由来する信号の
積分強度和である。これは、次の式で求めた。
Figure 2006117767
なお、14.5〜18.0ppmに現れる信号は、2,1−挿入したプロピレンのメチル基の炭素に由来するものであり、19.5〜24.4ppmに現れる信号は、1,2−挿入したプロピレンのメチル基の炭素に由来するものである。また、27.5〜28.0ppmに現れる信号は、1,3−挿入したプロピレン中の2個のメチレン炭素に由来するものである。
(4)MFRの測定:
ASTM−D−1238に従って測定した。
(5)X線小角散乱(SAXS)測定:
X線回折装置 (理学電機社製 「ultrax18」)を用いてX線小角散乱測定を行った。試験片は以下に示すようにして作成したプレスシートを用いた。
(5−i)プレスシート作製条件
重合体100重量部に対して、酸化防止剤として、テトラキス〔メチレン−3−(3'
、5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(日本チバ
ガイギー社製「IRGANOX 1010」)を0.05重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト(日本チバガイギー社製「IRGAFOS 168」)を0.05重量部、中和剤として協和化学工業社製「DHT−4A」を0.03重量部添加し、ラボプラストミルを用いて設定温度200℃、150rpmで5分間溶融混練した後、サンプルを200℃で5分間予熱し、200℃、100kgf/cm2にて2分間加
圧した。その後20℃/minにて室温まで冷却し、厚さ2mmのプレスシートを得、試験片とした。
(6)動的粘弾性測定:
固体粘弾性測定装置(REOMETRICS社製メカニカルスペクトロメーター「RMS−800」、トーション測定用治具を使用)用いて、以下の条件にて測定した。振動数:1Hz、温度上昇幅:3℃、各温度における保持時間:60秒、歪み:0.1%、試験片サイズ:長さ46mm、幅12mm、厚さ2mm。試験片は上記実施例(5−i)と同様にしてプレスシートを作成し使用した。
[高分子材料例1]
(1−1) 錯体(1)の合成
・ジクロロ{1,1'−ジメチルシリレン〔2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル〕
〔2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル〕}ハフニウム(1)の合成
(1−1−i) Li〔2−メチルベンゾ〔e〕インデニル〕塩(A)の合成
2−メチルベンゾ〔e〕インデン(1.87g、10.4mmol)をn−ヘキサン(38mL)に溶解させた溶液に、n−ブチルリチウム(6.6mL、10.5mmol、1.59mol/L)を0℃でシリンジにて添加した。はじめ透明だった溶液は、しだいに濁り、沈殿を形成した。白色懸濁液を室温で24時間攪拌し、カニューレにて濾過した。得られた白色固体を乾燥n−ヘキサン(10mLx2回)で洗浄し、減圧下に乾燥してふわふわした白色固体のリチウム塩(A)(1.84g、収率95%)を得た。
(1−1−ii) Li〔2−メチル−4−フェニルアズレニル〕塩(B)の合成
これとは別に、2−メチルアズレン(5.6g、39.7mmol)を120mLのn−ヘキサンに溶解し、0℃で、フェニルリチウムのシクロヘキサン・ジエチルエーテル溶液(40.0mL、42.4mmol、1.06mol/L)をシリンジで10分間で滴下した。得られた濃青色溶液を0℃で3時間攪拌した後、0.5時間かけて室温まで昇温した。ベージュ色のサスペンションから固体成分をカニューレで濾別し、得られた固体を50mLのn−ヘキサンで2回洗浄した。減圧下に恒量まで乾燥し、9.0gのリチウム塩(B)を得た。
(1−1−iii) ジメチル(2−メチルベンゾ〔e〕インデニル)クロロシランの
合成
上記(1−1−i)で得られたリチウム塩(A)(0.94g、5.1mmol)をテトラヒドロフランとジエチルエーテル(1/1)との混合溶液(40mL)に溶解させた。一方、ジメチルジクロロシラン(2.60g、20.2mmol)をテトラヒドロフランとジエチルエーテル(1/1)との混合溶液(20mL)で希釈し、この溶液を、先に得られたリチウム塩(A)の溶液に、−5℃にて1時間かけて滴下した。滴下終了後、速やかに0℃に昇温して攪拌し、さらに室温で2時間攪拌した。淡黄色サスペンジョンから減圧下に溶媒を除去し、黄色ペーストを得た。このペーストから乾燥ジエチルエーテル(10mLx3回)で抽出操作を行い、得られた溶液をカニューレにて濾過した。濾液を集め、減圧下に溶媒を除去した後、恒量になるまで減圧乾燥を行い、ジメチル(2−メチルベンゾ〔e〕インデニル)クロロシランの粘稠な黄色オイルを得た(1.35g、収率100%)。
1H−NMR(CDCl3):( 8.01(d,J=8.04Hz,1H),7.79
(d,J=7.80Hz,1H),7.54(m,2H),7.44−7.35(m,2H),7.16(s,1H),3.73(s,1H),2.31(s,3H),0.29(s,3H),0.06(s,3H)。
(1−1−iv) ジメチル(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)シランの合成
上記(1−1−ii)で得られたリチウム塩(B)(1.13g、5.1mmol)を
N−メチルイミダゾール(10μmol)を含むテトラヒドロフランとジエチルエーテル(1/1)との混合溶媒(30mL)に溶解させ、上記(1−1−iii)で得られたジメチル(2−メチルベンゾ〔e〕インデニル)クロロシラン(1.35g、5.1mmol)のジエチルエーテル(30mL)で希釈した溶液を、温度0℃にて15分間で添加した。0℃で1時間攪拌し、さらに室温で2時間攪拌した。その後、30mLの氷水を反応混合物に加え、迅速に攪拌して反応をクエンチした。水層を分離し、ジエチルエーテル(30mLx2回)で抽出を行った。油層を集め、硫酸マグネシウムで乾燥させた後濾過し、溶媒ならびに揮発分を除去した。さらに揮発分を完全に除去し、粗生成物を粘稠な暗褐色のオイルとして得た。ここで得られた粗生成物を、n−ヘキサンを溶媒として、テトラヒドロフランにて不活性化したシリカゲルカラムを通して精製した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒を除去し、さらに減圧乾燥して黄褐色の固体生成物を得た(1.72g、収率76%)。
(1−1−v) ジメチル(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル
−4−フェニル−4H−1−アズレニル)シランのリチウム塩の合成
上記(1−1−iv)で得られた化合物(1.72g、3.9mmol)をn−ヘキサン(25mL)に溶解後、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(5.1mL、8.0mmol、1.58mol/L)を、−78℃において、シリンジを用いて5分間かけて添加した。混合物を−78℃で攪拌し、ゆっくりと室温まで昇温させた後、室温にて終夜攪拌を行った。黄色みを帯びたサスペンジョンを窒素雰囲気下、1.5時間還流し、熱時濾過を行った。固体残渣をn−ヘキサン(15mLx2)で洗浄し、減圧乾燥を行い、ジメチル(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)シランのリチウム塩を得た(1.80g、収率100%)。
(1−1−vi) ジクロロ{1,1'−ジメチルシリレン〔2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル〕〔2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル〕}ハフニウム(2)の合成
上記(1−1−v)で得られたジリチウム塩(0.469g、1.0mmol)及び四
塩化ハフニウム(0.320g、1.0mmol)を、ガス導入コックを備えた100mL丸底フラスコに加えた。フラスコをグローブボックスから取り出し、−5℃の冷浴に浸した。トルエン(70mL)及びエチルエーテル(10mL)をシリンジにて加えた後、サスペンジョンを15時間攪拌した。この間、温度は徐々に室温まで上昇した。得られたサスペンジョンをセライト濾過し、減圧下に溶媒を除去し、黄色の粗錯体を得た(0.696g)。
1H−NMRにて得られた粗錯体を分析したところ、主成分は2種類の異性体であった
。粗錯体にトルエン(5mLx3回)による抽出操作を施し、固体残渣を減圧乾燥し、ジクロロ{1,1'−ジメチルシリレン〔2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル〕〔2
−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル〕}ハフニウムを淡黄色の粉末として得た(0.13g、収率19%)。1H−NMR及びNOE測定による分析の結果、主成分はexo−シン立体異性体であり、マイナー成分はexo−アンチ立体異性体であった。なお、exo−シン立体異性体/exo−アンチ立体異性体=10/1(モル比)であった。
exo−アンチ立体異性体:1H−NMR(CDCl3):( 8.03(d,J= 7.83Hz,1H),7.71(d,J=7.83Hz,1H),7.55(m,2H),7.46(m,1H),7.41(s,1H),7.33(m,2H),7.23(m,3H),7.16(m,1H),6.92(d,J =1.6 Hz,1H),6.18(m,1H),5.96(m,1H),5.88(m,1H),5.48(s,1H),5.04(br.s,1H),2.59(s,3H),2.14 (s,3H),1.20(s,3H),1.13(s,3H)。
exo−シン立体異性体: 1H−NMR(CDCl3):( 8.06(d,J=7.83Hz,1H),7.77(d,J=7.83Hz,1H),7.63(t,J=7.84 Hz,1H),7.60(m,2H),7.52(t,J=7.33Hz,1H),7.35−7.15(m,6H),6.97(d,J=11.62 Hz,1H),6.04(m,1H),5.82(m,1H),5.70(m,1H),5.55(s,1H),4.71(br.s,1H),2.59(s,3H),2.37(s,3H),1.23(s,3H),1.13(s,3H)。
(1−2) 粘土鉱物の化学処理
500ml円筒型フラスコに、脱塩水(94ml)、硫酸リチウム・1水和物(14.5 g)および硫酸 (22.1g)を採取し、攪拌下で溶解させた。この溶液に、市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSLL,29.4g)を分散させ、10分間かけて沸騰
するまで昇温し、沸点(105℃)で120分間攪拌を行った。その後、脱塩水200mlを加えて冷却し、得られたスラリーを濾過してウェットケーキを回収した。回収したケーキを1,000mlビーカーにて、脱塩水(800ml)を用いて再度スラリー化し、濾過
を行った。この操作を2回繰り返した。最終的に得られたケーキを、空気下100℃で3時間乾燥し、化学処理モンモリロナイト (24.1 g)を得た。
(1−3) 予備重合
上記(1−2)で得られた化学処理モンモリロナイトを200℃で2時間減圧乾燥した
。(乾燥後 0.97g)これに、日本アルキルアルミ社製トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(2.00mmol/ml,1.0ml)及びトルエン1.0ml を加え、室温で30分間撹拌した。この懸濁液にトルエン(25ml)を加え、撹拌後、上澄みを除いた。この操作を2回繰り返して粘土スラリーを得た。別のフラスコに、日本アルキルアルミ社製トリイソブチルアルミニウム(0.30mmol)と、上記(1−1)で得られた錯体(1)(トルエン1配位、105.4mg,132.4 (mol) (exo−シン立体異性体異性体/exo−アンチ立体異性体)=10/1(モル比))を加えてあらかじめ反応させトルエンを加えて溶液とした。(3.05 (mol/ml)。この錯体溶液 9.5ml(29 (mol)を上記粘土スラリーに加え、室温で1時間撹拌後静置し、上澄み液10ml を抜き出して触媒スラリーを得た。この触媒スラリーをトリイソブチルアルミニウム(0.01mmol)を含有するトルエン15ml で2回洗浄した。
次いで、内容積2リッターの誘導撹拌式オートクレーブ内に、上記触媒スラリーを全量導入した。 次いで、トリイソブチルアルミニウム(0.06mmol)を含有するトルエン(90ml)を導入し、オートクレーブ内に、26℃で液化プロピレン(31ml)を導入して30℃で75分間予備重合を行った。得られた予備重合触媒スラリーを200ml丸底フラスコに回収し、上澄みを除いた後、トリイソブチルアルミニウム(0.04mmo
l)を含有したトルエン(60ml)で2回洗浄した。この予備重合触媒は、固体触媒成分
1gあたりポリプロピレン4.0gを含有していた。
(1−4) プロピレン重合
精製窒素で置換された、いかり型攪拌翼を内蔵する2Lの誘導攪拌式オートクレーブに東ソーファインケム社製メチルアルミノキサン(MMAO−3A Modified methylaluminoxane)のトルエン溶液をAl原子換算で36mmol装入した。別のフラスコに、日本アルキルアルミ社製トリイソブチルアルミニウム(0.009 mmol)と、合成例1で得られたジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン〔2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル〕〔2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル〕}ハフニウム(4.5μmol)を加えてあらかじめ反応させトルエンを加えて溶液とした。(3.0μmol/ml)この錯体溶液1.5ml(4.5μmol)をオートクレーブ内部に装着した破裂板付き触媒フィーダに装入した。
オートクレーブに液化プロピレン625gを装入後、触媒フィーダを加圧して破裂板を割り、触媒を導入した。その後60℃まで昇温し、重合開始とした。70分後に、モノマーをパージして重合を終わらせた。重合前後のオートクレーブ重量より、ポリプロピレンの収量は116gであった。
得られた重合体を分析したところ、以下の結果が得られた。13C−NMRで測定した結果、head to tail結合からなるプロピレン単位連鎖部のミクロタクティシティは、mmmm=72.5%,mmmr=6.9%,rmmr=1.1%,mmrr=7.9%,mmrm+rmrr=3.8%,rmrm=2.4%,rrrr=0.7%,rrrm=1.2%,mrrm=3.5%であった。また、全プロピレン挿入に対し、プロピレンの2,1−挿入に基づく位置不規則単位の量は0.1%、プロピレンの1,3−挿入に基づく位置不規則単位の量は0.1%であった。なお、MFRは、1.7g/10minであった。また、DSC測定を行ったところ、融点ピークは153.0ーC、結晶融解熱量は47.6J/gであった。
[高分子材料例2]
(2−1) 錯体(2)の合成
・[ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン〔2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル〕〔2,4−ジメチル−4H−アズレニル〕}ハフニウム(2)の合成
(2−1−i)Li(2,4−ジメチルアズレニル)塩(C)の合成
2−メチルアズレン(2.49g、17.5mmol)をテトラヒドロフラン(25mL)に溶解し、アイスバスにて5℃に冷却した後、同温度でメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(14.6mL、17.5mmol、1.20mol/L)を滴下した。滴下終了後、アイスバスを外して1時間攪拌することにより、リチウム塩(C)のテトラヒドロフラン溶液を得た。
(2−1−ii) ジメチル(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)シランの合成
上記(1−1−iii)で得られたジメチル(2−メチルベンゾ〔e〕インデニル)クロロシラン(4.79g、17.6mmol)をテトラヒドロフラン(25mL)に希釈し、この溶液を、上記(2−1−i)で得られたリチウム塩(C)のテトラヒドロフラン溶液に、温度−10℃にて15分間かけて添加した。0℃で1時間攪拌し、さらに室温で12時間攪拌した。その後、30mLの水を反応混合物に加え、迅速に攪拌して反応をクエンチした。水層を分離し、ヘキサン(30mLx3回)で抽出を行った。油層を集め、硫酸マグネシウムで乾燥させた後濾過し、濃縮し、粗生成物を得た(6.95g、収率100%)。
(2−1−iii) ジメチル(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)シランのリチウム塩の合成
上記(2−1−ii)で得られた粗生成物(6.95g、17.5mol)をn−ヘキサン(50mL)に溶解した。この溶液に、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(2
2.3mL、35.2mmol、1.58mol/L)を、−78℃においてシリンジを用いて5分間かけて添加した。混合物を−78℃で攪拌し、ゆっくりと室温まで昇温させた後、室温にて終夜攪拌を行った。上澄み液を取り除いた後、固体残渣をn−ヘキサン(20mLx2)で洗浄し、減圧乾燥を行い、ジメチル(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)シランのリチウム塩を得た(8.24g、収率100%)。
(2−1−iv) ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン〔2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル〕〔2,4−ジメチル−4H−アズレニル〕}ハフニウム(2)の合成
上記(2−1−iii)で得られたジリチウム塩(6.95g、17.5mmol)及び四塩化ハフニウム(5.64g、17.6mmol)を、ガス導入コックを備えた500mL丸底フラスコに加えた。フラスコをグローブボックスから取り出し、−78℃の冷浴に浸した。トルエン(300mL)及びジイソプロピルエーテル(30mL)をシリンジを用いて加えた後、そのサスペンジョンを15時間攪拌した。この間、温度は徐々に室温まで上昇した。得られたサスペンジョンをセライト濾過し、減圧下にて溶媒を除去し、黒黄色の粗錯体を得た。H−NMRにて得られた粗錯体を分析したところ、主成分は2種類の異性体であった。立体構造はH−NMR及びNOE測定により決定した。
粗錯体にトルエン(150mL)を入れ、次にn−ヘキサン(300mL)を入れた。上澄み液と沈殿物に分けた。上澄み液を濃縮後、再びトルエン(100mL)とn−ヘキサン(200mL)で抽出した。そして、抽出液を濃縮後、ジエチルエーテル(20mLx5回)で洗浄した。再びトルエン(25mL)とn−ヘキサン(50mL)とで抽出し、抽出液を濃縮した。その後、残渣をn−ヘキサン及びジエチルエーテルで洗浄し、粉末を得た。(0.40g)。H−NMRによる分析の結果、これはexo−シン立体異性体が主成分の錯体であり、exo−シン立体異性体/exo−アンチ立体異性体=1.3/1(モル比)であった。
exo−アンチ立体異性体:H−NMR(CDCl):d 8.05(d,J=7
.95 Hz, 1H),7.77(d,J =7.78Hz,1H),7.62−7.60(m,2H),7.54−7.48(m,1H),7.41(s,1H), 7.31(d,J =9.08 Hz,1H),6.95(d,J =11.6 Hz,1H),6.21−6.17(m,1H),6.14(s,1H),5.86−5.41(m,1H),5.41(dd,J =9.88,4.94Hz,1H),3.60−3.48(br.s,1H),2.54(s,3H),2.26(s,3H),1.34(d,J =7.32 Hz,3H),1.23(s,3H),1.13(s,3H)。exo−シン立体異性体: H−NMR (CDCl): d 8.06 (d, J=7.80 Hz,1H),7.73(d,J =7.80 Hz,1H),7.62−7.60(m,2H),7.54−7.48(m,1H),7.25(d,J =9.80 Hz,1H),7.21(s,1H),7.01(d,J = 1.7Hz,1H),6.09−6.04(m,1H),6.05(s,1H),5.78−5.72(m,1H),5.30(dd,J =10.0,5.30 Hz,1H),3.19−3.10(br.s,1H),2.62(s,3H),2.46(s,3H),1.28(d,J =7.60Hz,3H),1.22(s,3H),1.14(s,3H)。
(2−2) 粘土鉱物の化学処理
2L丸底フラスコに、脱塩水(830mL)及び硫酸(170g)を採取し、攪拌下で溶解させた。この溶液に、市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL、220g)を分散させ、沸騰するまで昇温し、沸点(105℃)で60分間攪拌を行った後、冷却した。得られたスラリーを濾過してウェットケーキを回収した。回収したケーキを5Lビーカーにて、脱塩水(2,000mL)を用いて再度スラリー化し、濾過を行っ
た。この操作を2回繰り返した。最終的に得られたケーキを、空気下100℃で 3時間乾燥し、化学処理モンモリロナイト(176g)を得た。
(2−3) 触媒調整
上記(2−2)で得られた化学処理モンモリロナイト(0.52g)に、日本アルキルアルミ社製トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.45mmol/mL、2.3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。この懸濁液にトルエン(4.0mL)を加え、撹拌後、上澄みを除いた。この操作を2回繰り返して粘土スラリーを得た。その後、トルエンを加えて、粘土スラリー(スラリー濃度=100mg粘土/mL)を得た。
[0069] 別のフラスコに、日本アルキルアルミ社製トリイソブチルアルミニウム(0.01mmol)を採取し、ここで得られた粘土スラリー(1.0mL)及び上記(2−1)で得られた錯体(2)(exo−シン立体異性体異性体/exo−アンチ立体異性体)=1.3/1(モル比))(1.93mg, 3.0mmol)のトルエンでの希釈液を加え、室温で20分間撹拌し、触媒スラリーを得た。
(2−4) プロピレン重合
精製窒素で置換された、いかり型攪拌翼を内蔵する2Lの誘導攪拌式オートクレーブに日本アルキルアルミ社製トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液を0.35mmol装入した。一方、破裂板板付き触媒フィーダーに、上記(2−3)で得られた触媒スラリーを全量装入した。その後、オートクレーブに液化プロピレン700gを装入した。その後、室温で破裂板をカットし、70℃まで昇温して重合を開始した。60分後に、モノマーをパージして重合を終わらせた。重合前後のオートクレーブ重量より、ポリプロピレンの収量は325gであった。
得られた重合体を分析したところ、以下の結果が得られた。13C−NMRで測定した結果、head to tail結合からなるプロピレン単位連鎖部のミクロタクティシティは、mmmm=63.6%,mmmr=8.3%,rmmr=2.0%,mmrr=6.3%,mmrm+rmrr=8.6%,rmrm=4.5%,rrrr=1.4%,
rrrm=2.8%, mrrm=2.6%であった。また、全プロピレン挿入に対し、プロピレンの2,1−挿入に基づく位置不規則単位の量は0.11%、プロピレンの1,3−挿入に基づく位置不規則単位の量は0.10%であった。なお、MFRは、14.1 g/10minであった。また、DSC測定を行ったところ、融点ピークは148.9ーC、結晶融解熱量は45.6 J/gであった。
[高分子材料例3]
ポリプロピレン単独重合体(日本ポリプロ株式会社製「FY4」)を上記(A)成分である高分子材料として用いた。
高分子材料例1から3の重合体について、SAXS測定および固体粘弾性測定の結果を図1および2にそれぞれ示す。また、各高分子材料例について損失正接のピーク値、およびSAXS測定で得られたI(q)−q曲線の0.1 nm−1から 0.3 nm−1のq領域において、勾配が0または負値をとるq領域の有無を表1に示す。
Figure 2006117767
高分子材料例1では、損失正接が0.3以下であり、I(q)−q曲線の0.1nm-1から0.3nm-1の領域において、勾配が0または負となる。高分子材料例2でも、I(q)−q曲線の0.1nm-1から0.3nm-1の領域において、勾配が0または負値となるが、損失正接が0.3を超えている。高分子材料例3では、損失正接が0.3以下であるが、I(q)−q曲線の0.1nm-1から0.3 nm-1の領域において、勾配が0または負値となっていない。
(実施例1)
高分子材料例1の重合体100重量部に対して、酸化防止剤として、テトラキス〔メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(日本チバガイギー社製「IRGANOX 1010」)を0.05重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト(日本チバガイギー社製「IRGAFOS 168」)を0.05重量部、中和剤として協和化学工業社製「DHT−4A」を0.03重量部添加し、ラボプラストミルを用いて設定温度200℃、100rpmでパラフィン系プロセスオイル(出光興産社製「ダイアナプロセスオイルPW−90」)とともに5分間溶融混練した後、サンプルを200℃で5分間予熱し、200℃、100kgf/cm2にて2分間加圧した。その後20℃/minにて室温まで冷却し、厚さ2mmのプレスシートを得た。そのプレスシートを試験片として用い、SAXS測定、固体粘弾性測定をおこなった。試験片は、高分子材料とパラフィン系プロセスオイルの重量比が90:10、80:20、70:30、50:50であるものをそれぞれ調製した。得られたプレスシートを1週間、室温で放置し、オイルブリード性の評価とオイル添加による白濁の有無を目視により行なった。
(比較例1)
高分子材料例2の重合体の試験片を、実施例1と同様にして、高分子材料とパラフィン系プロセスオイルの重量比が90:10、80:20であるものをそれぞれ作成した。それぞれの評価結果を表2に示す。
(比較例2)
高分子材料例3であるポリプロピレン単独重合体(日本ポリプロ株式会社製「FY4」)を上記(A)成分である高分子材料として用いた。ラボプラストミルを用いて設定温度200℃、100rpmでパラフィン系プロセスオイル(出光興産社製「ダイアナプロセスオイルPW−90」)とともに5分間溶融混練した後、サンプルを200℃で5分間予熱し、200℃、100kgf/cmにて2分間加圧した。その後20℃/minにて室温まで冷却し、厚さ2mmのプレスシートを得た。そのプレスシートを試験片として用い、SAXS測定、固体粘弾性測定をおこなった。更に、得られたプレスシートを1週間、室温で放置し、オイルブリード性の評価とオイル添加による白濁の有無を目視により行なった。高分子材料とパラフィン系プロセスオイルの重量比は70:30であるものを調製した。評価結果を表2に示す。
Figure 2006117767
比較例1では、エラストマー表面にオイルの浮きが観察されたが、実施例1ではオイルの浮きは観察されず、明らかにオイル保持能に違いがあった。損失正接のピーク値の最大値は実施例1では0.23から0.24であり、比較例1では0.39から0.41である。比較例2ではオイルを混合することにより、エラストマーが白濁した。実施例1および比較例1ではオイル混合によるエラストマーの白濁は観察されず、エラストマー中でのオイルの分散状態に明らかな違いが認められた。
本発明の熱可塑性エラストマーの特性(SAXS測定結果等)を示すグラフである。 本発明の熱可塑性エラストマーの特性(損失正接ピーク)を示すグラフである。

Claims (4)

  1. 以下の成分(A)、(B)を含む熱可塑性エラストマー。
    (A):X線小角散乱において補正散乱強度(I(q))をY軸に、散乱ベクトル(q)をX軸にプロットした時、散乱ベクトルqが0.1nm-1から0.3nm-1の領域における傾きが負または0であり、且つ周波数1Hzの正弦波加振による動的粘弾性測定で得られる損失正接―温度曲線において、損失正接ピーク値の最大値が0.3以下である高分子材料。
    (B):低分子量炭化水素および/またはその誘導体。
  2. (A)成分と(B)成分との合計を100重量部としたとき、(B)成分が20重量部を超え50重量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラストマー。
  3. (A)成分がαオレフィン単独重合体またはαオレフィン共重合体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー。
  4. (A)成分がプロピレン系樹脂であり、プロピレン連鎖部分の立体規則性がステレオブロック構造である請求項3に記載の熱可塑性エラストマー。
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