JP2006117767A - 熱可塑性エラストマー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 以下の成分(A)、(B)を含む熱可塑性エラストマー。
(A):X線小角散乱において補正散乱強度(I(q))をY軸に、散乱ベクトル(q)をX軸にプロットした時、散乱ベクトルqが0.1nm-1から0.3nm-1の領域における傾きが負または0であり、且つ周波数1Hzの正弦波加振による動的粘弾性測定で得られる損失正接―温度曲線において、損失正接ピーク値の最大値が0.3以下である高分子材料。
(B):低分子量炭化水素および/またはその誘導体。
【選択図】 なし
Description
(1)高分子材料のX線小角散乱(以下、「SAXS」と略記することがある。)分析結果において、補正散乱強度(I(q))をY軸に、散乱ベクトル(q)をX軸としたグラフ上にプロットして得られるグラフが、X軸(散乱ベクトル(q))が0.1nm-1〜0.3nm-1の領域における傾きが負または0である。
(2)周波数1Hzの正弦波加振による動的粘弾性測定で得られる損失正接−温度曲線において、損失正接ピーク値の最大値が0.3以下である。
(A):X線小角散乱において補正散乱強度(I(q))をY軸に、散乱ベクトル(q)をX軸にプロットした時、散乱ベクトルqが0.1nm-1から0.3nm-1の領域における傾きが負または0であり、且つ周波数1Hzの正弦波加振による動的粘弾性測定で得られる損失正接―温度曲線において、損失正接ピーク値の最大値が0.3以下である高分子材料。
(B):低分子量炭化水素および/またはその誘導体。
(A)成分
本発明に用いる(A)成分の高分子材料は、以下の(1)、及び(2)の特徴を有する。
(1)高分子材料のX線小角散乱(以下、「SAXS」と略記することがある。)分析結果において、補正散乱強度(I(q))をY軸に、散乱ベクトル(q)をX軸としたグラフ上にプロットして得られるグラフが、X軸(散乱ベクトル(q))が0.1nm-1〜0.3nm-1の領域における傾きが負または0である。
(2)周波数1Hzの正弦波加振による動的粘弾性測定で得られる損失正接−温度曲線において、損失正接ピーク値の最大値が0.3以下である。
本発明に用いる(A)成分の高分子材料は、(1)高分子材料のX線小角散乱(以下、「SAXS」と略記することがある。)分析結果において、補正散乱強度(I(q))をY軸に、散乱ベクトル(q)をX軸としたグラフ上にプロットして得られるグラフが、X
軸(散乱ベクトル(q))が0.1nm-1〜0.3nm-1の範囲において傾きが負または0であることを特徴とする。ここで散乱ベクトルqは、q=4πsinθ/1.542であり、2θは散乱角度である。また補正散乱強度(I(q))とは、X線小角散乱強度から空気散乱強度とX線透過率との積を差し引いた値を示す。尚、この領域における傾きが負または0とは、グラフ上の0.1nm-1と0.3nm-1との点を直線で結んだ際の傾きが負または0であることを示す。I(q)は散乱体積中の電子密度揺らぎに関係しており
、I(q)から、数十ナノメートル程度のスケールの周期構造や散乱体の形や大きさを知
ることができる。散乱ベクトル(q)が0.1nm-1から0.3nm-1の領域において、傾きが0以下であることは、該エラストマー中の非晶相と結晶相のサブミクロンスケールでの相分離構造が存在していると考えられる(J.polym .Sci.polym .Phys.Ed.38,2580(2000))。この条件を満たさない高分子材料を用いた場合、上記(B)成分を含むと、エラストマーとなった際に白濁し、透明性が低下してしまう。
入射したX線の強度に対する、入射X線の中で、散乱されずに透過したX線の強度の割合である。
プロピレン系樹脂が共重合体である場合には、プロピレン単位以外のオレフィン単位の含有量は少ない方が最終的に得られる熱可塑性エラストマーの特性が顕著となるので好ましく、プロピレン系樹脂中のプロピレン単位以外のオレフィン単位の含有率は通常10mol%以下、中でも5mol%以下、更には3mol%以下が好ましい。本発明に用いる(A)成分がプロピレン系樹脂である場合には、特にプロピレンホモポリマーであることが好ましい。
ンサ−メタロセンが好ましく、特に共役5員環配位子を有する架橋された4族遷移金属化合物のC1−対象性を有するメタロセンが好ましい。
重合方法に特に制限はなく、例えばプロパン、ブタン、ヘキサン、ヘプタンおよびトルエン等の不活性炭化水素溶媒中で行う方法や、液化αオレフィン中で行う方法、または実質的に溶媒を使用しない気相重合方法の他、生成した重合体が媒体に溶解する、いわゆる溶液重合が挙げられる。中でも気相重合が好ましい。
触媒成分[1]:メタロセン
触媒成分[2]:助触媒
触媒成分[3]:有機アルミニウム化合物
以下、各成分につき説明する。
触媒成分[1]:メタロセン
本発明に好ましく用いるメタロセンとしては、一般式:Q(C5H4-aR2 a)(C5H4-bR3 b
)MXYで表されるC1−対称性メタロセンが挙げられ、Qは2つの共役5員環配位子を
架橋する結合性基を、Mは周期律表4族遷移金属を、XおよびYは、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20の酸素含有炭化水素基、炭素数1〜20の窒素含有炭化水素基、炭素数1〜20のリン含有炭化水素基または炭素数1〜20のケイ素含有炭化水素基を、R2およびR3はそれぞれ独立して、炭素数1〜40、好ましくは1〜20の炭化水素基、ハロゲン、炭素数1〜20、好ましくは1〜20のハロゲン含有炭化水素基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ケイ素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基またはホウ素含有炭化水素基を示す。また、隣接する2個のR2および/またはR3がそれぞれ結合して4〜10員環を形成していてもよい。aおよびbは、それぞれ独立して、0≦a≦4、0≦b≦4を満足する整数である。
シリレン基、テトラメチルジシリレン基のようなケイ素含有架橋基、ジメチルゲルミレン基、ジエチルゲルミレン基、ジフェニルゲルミレン基、メチルフェニルゲルミレン基のようなゲルマニウム含有架橋基、アルキルフォスフィンジイル基、イミノ基等である。これらのうち、アルキレン基、アルキリデン基、ケイ素含有架橋基、ゲルマニウム含有架橋基が特に好ましく用いられる。
ロフルオレニル基、アズレニル基、ヘキサヒドロアズレニル基等となってもよい。同様に、R3が複数個存在するときは、それらは同一でも異なっていてもよい。また2個のR3がシクロペンタジエニル環の隣接する炭素原子に存在する場合は、相互に結合して4〜10員環を形成し、インデニル基、テトラヒドロインデニル基、フルオレニル基、オクタヒドロフルオレニル基、アズレニル基、ヘキサヒドロアズレニル基等となってもよい。本発明においては、一般式:Q(C5H4-aR2 a)(C5H4-bR3 b )MXYで表されるメタロセンがC1−対称性を有していればよいので、C1-対称性が保持されるかぎり、R2とR3は同じで
あっても、異なっていてもよい。
(1)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(2)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(3)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウム]
(4)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチルー4−イソプロピル−1−インデニル)ジルコニウム]
(5)ジクロロ[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(6)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(7)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウム]
(8)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(9)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(10)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウム]
(12)ジクロロ[エチレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(13)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−1−インデニル)ジルコニウム]
(14)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウム]
(15)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(16)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチルテト
ラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(17)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(18)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−イソプロピルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(19)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)2,4−ジメチルテトラヒドロ−1−インデニル]ジルコニウム]
(20)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(22)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(23)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(24)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(25)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−イソプロピルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(26)ジクロロ[エチレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(27)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
(28)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−フェニルテトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウム]
等が例示される。
少なくとも一方は、共役5員環配位子上の隣接した置換基が結合し、5員環の2原子を含めて形成された7〜10員の縮合環を有し、Qは、2つの共役5員環配位子を任意の位置で架橋する結合性基、Mは、周期律表4族から選ばれる遷移金属原子を示し、そして、XおよびYは、それぞれ独立して、Mと結合した水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、アルキルアミド基、ハロゲン化炭化水素基、酸素含有炭化水素基、窒素含有炭化水素基、リン含有炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、硫黄含有基を示す。
(29)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)] ハフニウム
(30)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)] ハフニウム
(31)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(32)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(33)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−エチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(34)ジクロロ[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(35)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(36)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(37)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(38)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(39)ジクロロ[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(40)ジクロロ[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(42)ジクロロ [エチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(43)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(44)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(45)ジクロロ[エチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(46)ジクロロ[エチレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(47)ジクロロ[エチレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(48)ジクロロ[エチレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(49)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(50)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(52)ジクロロ[エチレン(9−フルオレニル)(2−エチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(53)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−n−プロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(54)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(55)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−n−ブチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(56)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−n−プロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(57)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(58)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−n−ブチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(59)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,8−トリメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(60)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4,6−トリメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(62)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−6−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(63)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−7−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(64)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−8−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(65)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−6−エチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(66)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−7−エチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(67)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−8−エチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(68)ジクロロ{[ジ(クロロメチル)シリレン](シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)}ハフニウム
(69)ジクロロ{[ジ(4−クロロフェニル)シリレン](シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)}ハフニウム
(70)ジクロロ[ジメチルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(72)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(73)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(74)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(75)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(76)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(2−n−プロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(77)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(2−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(78)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(シクロペンタジエニル)(2−n−ブチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(79)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(80)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(82)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2−n−プロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(83)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)2−n−プロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル]]ハフニウム
(84)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(9−フルオレニル)(2−n−プロピル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(85)ジクロロ[ジメチルシリレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(86)ジクロロ[ジメチルシリレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(87)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(88)ジクロロ[ジメチルゲルミレン(3−トリメチルシリル−1−シクロペンタジエニル)2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル]]ハフニウム
(89)ジブロモ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(90)ジブロモ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(92)ジブロモ[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(93)ジヨード[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(95)ジヨード[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(95)ジヨード[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)
ハフニウム
(96)ジヨード[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(97)ジメチル[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(98)ジメチル[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(99)ジメチル[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(100)ジメチル[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(102)ジヒドリド[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(103)ジヒドリド[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(104)ジヒドリド[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(105)ビス(ジメチルアミド)[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(106)ビス(ジメチルアミド)[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(107)ビス(ジメチルアミド)[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(108)ビス(ジメチルアミド)[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(109)ビスフェノキシ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(110)ビスフェノキシ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(112)ビスフェノキシ[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(113)ビスメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(114)ビスメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(115)ビスメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(116)ビスメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(117)ビストリフルオロメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(118)ビストリフルオロメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(119)ビストリフルオロメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(120)ビストリフルオロメタンスルフィナト[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(112)ビス−p−トルエンスルフィナト[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(123)ビス−p−トルエンスルフィナト[ジメチルシリレン(2,3−ジメチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(124)ビス−p−トルエンスルフィナト[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(125)ジクロロ[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(126)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(127)ジクロロ[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(128)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(129)ジブロモ[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(130)ジブロモ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(132)ジブロモ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(133)ジヨード[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(134)ジヨード[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(135)ジヨード[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(136)ジヨード[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(137)ジメチル[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(138)ジメチル[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2,4−ジメ
チル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(139)ジメチル[ジメチルシリレン(1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(140)ジメチル[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−エチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(142)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−シクロペンタジエニル)(2,4−ジメチル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−アズレニル)]ハフニウム(143)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−アズレニル)]ハフニウム
(144)ジクロロ[ジメチルシリレン(9−フルオレニル)(2,4−ジメチル−4H−5,6,7,8−テトラヒドロ−1−アズレニル)]ハフニウム
(145)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−クロロメチル−4−メチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(146)ジクロロ[ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル)(2−メチル−4−クロロメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(147)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(148)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−メチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(149)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−メチル−4−イソブチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(150)ジクロロ[ジメチルシリレン(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−9−フルオレニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(152)ジクロロ[ジメチルシリレン(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−9−フルオレニル)(2−メチル−4−イソプロピル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(153)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(154)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2−メチル−4−(4−t−ブチルフェニル)−4H−1−1アズレニル)]ハフニウム
(155)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(156)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチルベンゾ[e]インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(157)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチルベンゾ[e]インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
(158)ジクロロ[ジメチルシリレン(2−メチル−5,6−シクロトリメチレン−1−インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)]ハフニウム
ウムに代わった化合物も例示することが出来る。これらは2種以上組み合わせて用いてもよい。また重合を多段で行う場合に、重合の第1段階終了時や第2段階の重合開始前に、
新たに遷移金属成分を追加してもよい。
触媒成分 [2]:助触媒
触媒成分[2]である助触媒としては、必須成分として(1)有機アルミニウムオキシ化合物、(2)触媒成分[1]と反応して触媒成分[1]をカチオンに交換することが可能なイオン性化合物、(3)ルイス酸、(4)ケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物、および無機ケイ酸塩からなる群より選択される一種以上の物質を含むものである。
[2]−(1):有機アルミニウムオキシ化合物
有機アルミニウムオキシ化合物としては、具体的には、次の一般式 (II)、(II
I)、(IV)で表される化合物が挙げられる。
好ましくは、炭素数1〜6の炭化水素残基を示す。また複数のR3はそれぞれ同一でも異
なっていてもよい。またpは0〜40、好ましくは2〜30の整数を示す。
一般式 (II)および(III)で表される化合物は、アルミノキサンとも呼ばれる
化合物であって、一種類のトリアルキルアルミニウムまたは二種類以上のトリアルキルアルミニウムと水との反応により得られる。具体的には、(a)一種類のトリアルキルアルミニウムと水とから得られる、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、プロピルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、(b)二種類のトリアルキルアルミニウムと水とから得られる、メチルエチルアルミノキサン、メチルブチルアルミノキサン、メチルイソブチルアルミノキサン等が挙げられる。これらの中では、メチルアルミノキサン、メチルイソブチルアルミノキサンが好ましい。上記のアルミノキサンは、複数種併用することも可能である。そして、上記のアルミノキサンは、公知の様々な条件下に調製することができる。
素数1〜10、好ましくは炭素数1〜6の炭化水素残基またはハロゲン化炭化水素基を示す。
触媒成分[1]と反応してこれをカチオンに変換することが可能なイオン性化合物としては、一般式(VI)で表される化合物が挙げられる。
ホスホニウム、トリス (メチルフェニル)ホスホニウム、トリフェニルスルホニウム、ト
リフェニルスルホニウム、トリフェニルオキソニウム、トリエチルオキソニウム、ピリリウム、銀イオン、金イオン、白金イオン、銅イオン、パラジウムイオン、水銀イオン、フェロセニウムイオン等が挙げられる。
(3,4,5−トリフルオロフェニル)ホウ素、テトラキス{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}ホウ素、テトラキス{3,5−ジ(t−ブチル)フェニル}ホウ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等、(b)テトラフェニルアルミニウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム、テトラキス{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}アルミニウム、テトラキス{3,5−ジ(t−ブチル)フェニル}アルミニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アルミニウム等、(c)テトラフェニルガリウム、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ガリウム、テトラキス{3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル}ガリウム、テトラキス{3,5−ジ(t−ブチル)フェニル}ガリウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ガリウム等、(d)テトラフェニルリン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)リン等、(e)テトラフェニルヒ素、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ヒ素等、(f)テトラフェニルアンチモン、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)アンチモン等、(g)デカボレート、ウンデカボレート、カルバドデカボレート、デカクロロデカボレート等である。
[2]―3:ルイス酸
ルイス酸、特に触媒成分[1]をカチオンに変換可能なルイス酸としては、種々の有機ホウ素化合物、金属ハロゲン化合物、固体酸などが例示され、その具体例としては次の化合物が挙げられる。すなわち、(a)トリフェニルホウ素、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ホウ素、トリス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素等の有機ホウ素化合物、(b)塩化アルミニウム、臭化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム、ヨウ化マグネシウム、塩化臭化マグネシウム、塩化ヨウ化マグネシウム、臭化ヨウ化マグネシウム、塩化マグネシウムハイドライド、塩化マグネシウムハイドロオキシド、臭化マグネシウムハイドロオキシド、塩化マグネシウムアルコキシド、臭化マグネシウムアルコキシド等の金属ハロゲン化合物、(c)アルミナ、シリカ・アルミナ等の固体酸などを挙げることができる。
[2]−4:ケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物または無機ケイ酸塩
ケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物は、イオン結合等によって構成される面が互いに弱い結合力で平行に積み重なった結晶構造をとる化合物であり、含有するイオンが交換可能なものを言う。ケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物は、六方最密パッキング型、アンチモン型、CdCl2 型、CdI2型等の層状の結晶構造を有するイオン結晶性化合
物等を例示することができる。具体的には、α−Zr(HAsO4)2・H2O、α−Zr
(HPO4)2、α−Zr(KPO4)2・3H20、α−Ti(HPO4)2、α−Ti(H
AsO4)2・H2O、α−Sn(HPO4)2・H20、γ−Zr(HPO4)2、γ−Ti(HPO4)2、γ−Ti(NH4PO4)2・ H20等の多価金属の結晶性酸性塩があげられ
る。
KCl、CaCl2 、MgCl2 、Li2SO4、MgSO4、ZnSO4、Ti(SO4)2、Zr(SO4 )2、Al2 (SO4 )3等の塩類処理を行ったほうが好ましい。なお処理にあたり、対応する酸と塩基を混合して反応系内で塩を生成させて処理を行ってもよい。また、粉砕や造粒等の形状制御を行ってもよく、粒子性状に優れたブロック共重合体を得るためには、造粒することが好ましい。また上記成分は、通常脱水乾燥してから用いる。これら触媒成分[2]の必須成分としては、得られるブロック共重合体の粒子性状や、重合活性の面で、[2]−4のケイ酸塩を除くイオン交換性層状化合物、または無機ケイ酸塩を用いることが好ましい。
触媒成分[3]:有機アルミニウム化合物
触媒成分[3] である有機アルミニウム化合物は、AlR1 mZ3-m(式中、R1は、炭
素数1〜20の炭化水素基、Zは、水素、ハロゲン、アルコキシ基もしくはアリールオキシ基、mは0<m≦3の数)で示される化合物であり、具体的にはトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム、またはジエチルアルミニウムモノクロライド、ジエチルアルミニウムエトキシド等のハロゲンもしくはアルコキシ含有アルキルアルミニウム、または、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド等の水素含有有機アルミニウム化合物である。またこの他、メチルアルミノキサン等のアルミノキサン等も使用できる。これらのうち、特に好ましいのはトリアルキルアルミニウムである。これら任意成分は2種以上組み合わせて用いてもよい。また、重合の第1段階開始
後や終了時、また、第2段階の重合開始前、開始後等に、新たにこの触媒成分[3]を追
加してもよい。
本発明における(A)成分の高分子材料を得るためのその他の条件は、特に制限はなく、従来公知の方法を採用することが出来る。例えば本発明における(A)成分の高分子材料を得るために好適に用いられるメタロセン触媒は、触媒成分[1]〜[3]の接触によって得られるが、その接触方法については特に限定されない。この接触は、触媒調製時だけでなく、α-オレフィンによる予備重合時または、α-オレフィンの重合時に行ってもよい。触媒各成分の接触時、または接触後にポリエチレン、ポリプロピレン等の重合体、シリカ、アルミナ等の無機酸化物の固体を共存させるか、もしくは接触させてもよい。
触媒として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン、スチレン等のαオレフィンを予備的に重合し、必要に応じて洗浄したもの使用することもできる。この予備重合は窒素等の不活性ガス中、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、キシレン等の不活性炭化水素溶媒中で行ってもよいし、液体プロピレン中で行ってもよい。
(2)低分子量炭化水素およびその誘導体
本発明における(B)成分の低分子量炭化水素および/またはその誘導体は、(A)成分に含有されることによって熱可塑性エラストマーとなるものである。その重量平均分子
量は任意だが、重量平均分子量が低すぎると揮発しやすく、ブリードアウトやべたつきが生じ易くなる場合があり、逆に重量平均分子量が大きすぎても、熱可塑性エラストマーとした際に弾性率が大きく、柔軟性が低下する場合がある。よって低分子量炭化水素およびその誘導体の重量平均分子量は300〜3000であることが好ましく、特に300〜2000であることが好ましい。また、本発明の熱可塑性エラストマーとした際の柔軟性の観点から、23℃で液体状態のものが好ましい。23℃で液体状態とは、JIS Z−8830に従って測定した23℃における粘度が、1〜1×104センチポイズの範囲にあることを意味する。23℃で非液体状態のものは、結晶性を有するものを多く含むものであることが多く、このようなものを(B)成分として用いた熱可塑性エラストマーは弾性率が高く、柔軟性が低下する場合がある。
(3)熱可塑性エラストマー
本発明の熱可塑性エラストマーは、オイル等の低分子量炭化水素および/またはその誘導体を多量に含有、保持することが可能であり、且つ柔軟性、透明性、耐熱性に優れたものである。中でも低分子量炭化水素および/またはその誘導体の含有量は、上述の熱可塑性エラストマー(A)成分と(B)成分との合計を100重量部としたときに(B)成分の含有量が20重量部を超え、中でも25重量部以上、更には30重量部以上であることが好ましい。また上限は熱可塑性エラストマーの用途に応じて適宜選択すればよいが、多すぎると本発明の効果が低下する場合があるので、一般的には50重量部以下、中でも40重量%以下であることが好ましい。
物の存在下にグラフトしたものであってもよい。
本発明の熱可塑性エラストマーの製造方法は、上述の(A)成分及び(B)成分を、必要に応じて、他の添加成分及び他の樹脂材料とともに、混合又は溶融混練する方法によって製造することができる。中でも、成分(B)の分散性の観点から、溶融混練によって製造することが好ましい。溶融混練機としては任意のものが使用でき、例えばブラベンダープラストグラフ、バンバリーミキサー、ニーダーブレンダー、ロールミル、単軸又は二軸等の多軸混練押出機等が挙げられる。
本発明の熱可塑性エラストマーは、柔軟性、透明性、オイル保持能に優れているため、従来のエチレン系材料、プロピレン系材料の他、軟質PVC等の熱可塑性エラストマーが用いられている高透明性、低弾性率、等の条件を要求される種々の分野において、単体として、あるいは主成分として、好適に用いることができる。成形方法は特に限定されないが、フィルム・シートにおいては、インフレーション法、Tダイ法、カレンダー法等により製膜され、単層あるいは2層以上の各種層を適宜必要に応じて設けることもできる。積層化に際しては、押し出しラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等も可能であり、また、フィルムを一軸あるいは二軸延伸することも可能である。延伸法としては、ロール法、テンター法、チューブラー法等が挙げられる。更に、通常工業的に用いられるコロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理を施すこともできる。
本発明の熱可塑性エラストマーのフィルム・シート分野における用途は特に限定されないが、例えば具体的には以下のような用途が挙げられる。包装用ストレッチフィルム、業務用または家庭用ラップフィルム、パレットストレッチフィルム、ストレッチラベル、シュリンクフィルム、シュリンクラベル、シーラント用フィルム、レトルト用フィルム、レトルト用シーラントフィルム、熱溶着フィルム、熱接着フィルム、熱封緘用フィルム、バッグ・イン・ボックス用シーラントフィルム、レトルトパウチ、スタンディングパウチ、スパウトパウチ、ラミネートチューブ、重袋、繊維包装フィルム等の食品、雑貨等包装分野、ハウス用フィルム、マルチフィルム等の農業用フィルム分野、輸液バッグ、高カロリー輸液や腹膜透析用 (CAPD)等の複室容器、腹膜透析用の排液バッグ、血液バッグ、尿バッグ、手術用バッグ、アイス枕、アンプルケース、PTP包装等の医療用フィルム・シート分野、土木遮水シート、止水材、目地材、床材、ルーフィング、化粧フィルム、表皮フィルム、壁紙等の建材関連分野、レザー、天井材、トランクルーム内張、内装表皮材、制震シート、遮音シート等の自動車部品分野、ディスプレーカバー、バッテリーケース、マウスパッド、携帯電話ケース、ICカード入れ、CDやDVD等のメディアケース等の弱電分野、ハブラシケース、パフケース、化粧品ケース、目薬等医薬品ケース、ティッシュケース、フェイスパック等のトイレタリーまたはサニタリー分野、文具用フィルム・シート、クリアファイル、ペンケース、手帳カバー、デスクマット、キーボードカバー、ブックカバー、バインダー等の事務用品関連分野、家具用レザー、ビーチボール等の玩具、傘、レインコート等の雨具、テーブルクロス、ブリスターパッケージ、風呂蓋、タオルケース、ファンシーケース、タグケース、ポーチ、お守り袋、保険証カバー、通帳ケース、パスポートケース、刃物ケース等の一般家庭用、雑貨分野、再帰反射シート、合成紙等が挙げられる。また、基材に粘着材が塗布され、粘着性が付与されたフィルム・シート分野として、粘着テープ、マーキングフィルム、半導体またはガラス用ダイシングフィルム、表面保護フィルム、鋼鈑・合板保護フィルム、自動車保護フィルム、包装・結束用粘着テープ、事務・家庭用粘着テープ、接合用粘着テープ、塗装マスキング用粘着テープ、表面保護用粘着テープ、シーリング用粘着テープ、防食・防水用粘着テープ、電気絶縁用粘着テープ、電子機器用粘着テープ、貼布フィルム、バンソウコウ基材フィルム等医療・衛生材用粘着テープ、識別・装飾用粘着テープ、表示用テープ、包装用テープ、サージカルテープ、ラベル用粘着テープ等。
本発明の熱可塑性エラストマーは、低分子量炭化水素および/またはその誘導体を、安定して、大量に含有出来るので、流動性が高く、その結果として吐出量の制御幅が広いという特徴がある。本発明の熱可塑性エラストマーの射出成形や押出し成形、発泡成形分野における用途は、特に限定されないが、例えば具体的には以下のような用途が挙げられる。電気・電子部品分野における電線、コード類、ワイヤーハーネス等の被覆材料、絶縁シート、自動車部品における、コントロールケーブル被覆材、エアーバッグ・カバー、マッドガード、バンパー、ブーツ、エアホース、ランプパッキン類、ガスケット類、ウィンドウモール等の各種モール、サイトシールド、、ウェザーストリップ、グラスランチャンネル、グロメット類、制震・遮音部材、家電、弱電分野における各種パッキン類、グリップ類、ベルト類、足ゴム、ローラー、プロテクター、吸盤、冷蔵庫等のガスケット類、OA機器用各種ロール類、ホース、チューブ等の管状成形体、異型押し出し品、レザー調物品、咬合具、ソフトな触感の人形類等の玩具類、ペングリップ、ハブラシ柄等の一般雑貨類、ハウスウェア、タッパーウェア等の容器類、結束バンド、ブロー成形による輸液ボトル、食品用ボトル、化粧品用等のパーソナルケア用のボトル等各種ボトル、医療用部品におけるカテーテル、シリンジ、シリンジガスケット、点滴筒、チューブ、ポート、キャップ、ゴム栓、ディスポーザブル容器等。
本発明の熱可塑性エラストマーは柔軟性に優れるので、伸縮性に優れた繊維、不織布分野における用途へも適用することが出来る。具体的には以下のような用途が挙げられる。例えば連続紡糸、連続捲縮糸、短繊維、モノフィラメント等の繊維、フラットヤーン、メルトブロー法、スパンボンド法によって不織布とすることで、紙おむつ等の衛生材料、手術用衣服、手袋等の医療用、カーペット、その裏地、ロープ等の用途が挙げられる。またこれら不織布やモノフィラメント、フラットヤーン、スリットテープ等の編物と、フィルム・シートのラミネートによる、帆布、テント材、幌、フレキシブルコンテナー、レジャーシート、ターポリン等の用途が挙げられる。
また触媒合成工程の溶媒として用いたテトラヒドロフラン、ジエチルエーテルは、使用前に金属ナトリウムとベンゾフェノンケチル上で乾燥し使用した。トルエン及びn−ヘキサンについては、関東化学社製の脱水トルエン及びn−ヘキサンを使用した。重合工程は、全て精製窒素雰囲気下で行い、溶媒は、モレキュラーシーブ(MS−4A)で脱水した後に精製窒素でバブリングして脱気して使用した。
(1)分子量の測定:
GPCにより得られた重量平均分子量を測定した。GPC装置は、Waters社製「150CV型」を使用した。溶媒はオルトジクロルベンゼンを使用し、測定温度は135℃とした。
(2)融点の測定:
DSC(デュポン社製「TA2000型」)を使用し、10℃/分で20℃から200℃まで昇温し、さらに−10℃/分で200℃から20℃まで降温した後の昇温時の測定により求めた。
(3)13C−NMRスペクトルの測定:
試料100〜500mgを、10mmのNMR用サンプル管中で、約2.2mlのオルトジクロロベンゼンを用いて完全に溶解させた。次いで、ロック溶媒として約0.2mlの重水素化ベンゼンを加え、均一化させた後、130℃でプロトン完全デカップリング法により測定を行った。測定条件は、フリップアングル90°、パルス間隔5T1以上(T1は、メチル基のスピン−格子緩和時間のうち最長の値。)とした。プロピレン重合体において、メチレン基およびメチン基のスピン−格子緩和時間はメチル基のそれよりも短いので、この測定条件では、すべての炭素の磁化の回復は99%以上である。
(3−i)ペンタッドの測定(結果の単位はモル%)
ケミカルシフトは、頭−尾(head to tail)結合からなるプロピレン単位連鎖部の10種類のペンタッド(mmmm,mmmr,rmmr,mmrr,mmrm,rmrr,rmrm,rrrr,rrrm,mrrm)のうち、メチル分岐の絶対配置がすべて同一である、すなわち、mmmmで表されるプロピレン単位5連鎖の第3単位目のメチル基にもとづくピークのケミカルシフトを21.8ppmとして設定し、これを基準として他の炭素ピークのケミカルシフトを決定した。
(3−ii) 2,1−挿入及び1,3−挿入の測定
プロピレンの重合は、メチレン基が触媒の活性サイトと結合する1,2−挿入で進行するのが普通であるが、まれに、2,1−挿入あるいは1,3−挿入することがある。2,1−挿入で重合されたプロピレン単量体は、重合体主鎖中において、下記部分構造(I)および(II)で表される位置不規則単位を形成する。また、1,3−挿入で重合されたプロピレン単量体は、重合体主鎖中において、下記部分構造(III)で表される位置不規則単位を形成する。
積分強度和である。これは、次の式で求めた。
ASTM−D−1238に従って測定した。
(5)X線小角散乱(SAXS)測定:
X線回折装置 (理学電機社製 「ultrax18」)を用いてX線小角散乱測定を行った。試験片は以下に示すようにして作成したプレスシートを用いた。
(5−i)プレスシート作製条件
重合体100重量部に対して、酸化防止剤として、テトラキス〔メチレン−3−(3'
、5'−ジ−t−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(日本チバ
ガイギー社製「IRGANOX 1010」)を0.05重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト(日本チバガイギー社製「IRGAFOS 168」)を0.05重量部、中和剤として協和化学工業社製「DHT−4A」を0.03重量部添加し、ラボプラストミルを用いて設定温度200℃、150rpmで5分間溶融混練した後、サンプルを200℃で5分間予熱し、200℃、100kgf/cm2にて2分間加
圧した。その後20℃/minにて室温まで冷却し、厚さ2mmのプレスシートを得、試験片とした。
固体粘弾性測定装置(REOMETRICS社製メカニカルスペクトロメーター「RMS−800」、トーション測定用治具を使用)用いて、以下の条件にて測定した。振動数:1Hz、温度上昇幅:3℃、各温度における保持時間:60秒、歪み:0.1%、試験片サイズ:長さ46mm、幅12mm、厚さ2mm。試験片は上記実施例(5−i)と同様にしてプレスシートを作成し使用した。
(1−1) 錯体(1)の合成
・ジクロロ{1,1'−ジメチルシリレン〔2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル〕
〔2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル〕}ハフニウム(1)の合成
(1−1−i) Li〔2−メチルベンゾ〔e〕インデニル〕塩(A)の合成
2−メチルベンゾ〔e〕インデン(1.87g、10.4mmol)をn−ヘキサン(38mL)に溶解させた溶液に、n−ブチルリチウム(6.6mL、10.5mmol、1.59mol/L)を0℃でシリンジにて添加した。はじめ透明だった溶液は、しだいに濁り、沈殿を形成した。白色懸濁液を室温で24時間攪拌し、カニューレにて濾過した。得られた白色固体を乾燥n−ヘキサン(10mLx2回)で洗浄し、減圧下に乾燥してふわふわした白色固体のリチウム塩(A)(1.84g、収率95%)を得た。
これとは別に、2−メチルアズレン(5.6g、39.7mmol)を120mLのn−ヘキサンに溶解し、0℃で、フェニルリチウムのシクロヘキサン・ジエチルエーテル溶液(40.0mL、42.4mmol、1.06mol/L)をシリンジで10分間で滴下した。得られた濃青色溶液を0℃で3時間攪拌した後、0.5時間かけて室温まで昇温した。ベージュ色のサスペンションから固体成分をカニューレで濾別し、得られた固体を50mLのn−ヘキサンで2回洗浄した。減圧下に恒量まで乾燥し、9.0gのリチウム塩(B)を得た。
合成
上記(1−1−i)で得られたリチウム塩(A)(0.94g、5.1mmol)をテトラヒドロフランとジエチルエーテル(1/1)との混合溶液(40mL)に溶解させた。一方、ジメチルジクロロシラン(2.60g、20.2mmol)をテトラヒドロフランとジエチルエーテル(1/1)との混合溶液(20mL)で希釈し、この溶液を、先に得られたリチウム塩(A)の溶液に、−5℃にて1時間かけて滴下した。滴下終了後、速やかに0℃に昇温して攪拌し、さらに室温で2時間攪拌した。淡黄色サスペンジョンから減圧下に溶媒を除去し、黄色ペーストを得た。このペーストから乾燥ジエチルエーテル(10mLx3回)で抽出操作を行い、得られた溶液をカニューレにて濾過した。濾液を集め、減圧下に溶媒を除去した後、恒量になるまで減圧乾燥を行い、ジメチル(2−メチルベンゾ〔e〕インデニル)クロロシランの粘稠な黄色オイルを得た(1.35g、収率100%)。
(d,J=7.80Hz,1H),7.54(m,2H),7.44−7.35(m,2H),7.16(s,1H),3.73(s,1H),2.31(s,3H),0.29(s,3H),0.06(s,3H)。
(1−1−iv) ジメチル(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)シランの合成
上記(1−1−ii)で得られたリチウム塩(B)(1.13g、5.1mmol)を
N−メチルイミダゾール(10μmol)を含むテトラヒドロフランとジエチルエーテル(1/1)との混合溶媒(30mL)に溶解させ、上記(1−1−iii)で得られたジメチル(2−メチルベンゾ〔e〕インデニル)クロロシラン(1.35g、5.1mmol)のジエチルエーテル(30mL)で希釈した溶液を、温度0℃にて15分間で添加した。0℃で1時間攪拌し、さらに室温で2時間攪拌した。その後、30mLの氷水を反応混合物に加え、迅速に攪拌して反応をクエンチした。水層を分離し、ジエチルエーテル(30mLx2回)で抽出を行った。油層を集め、硫酸マグネシウムで乾燥させた後濾過し、溶媒ならびに揮発分を除去した。さらに揮発分を完全に除去し、粗生成物を粘稠な暗褐色のオイルとして得た。ここで得られた粗生成物を、n−ヘキサンを溶媒として、テトラヒドロフランにて不活性化したシリカゲルカラムを通して精製した。生成物を含むフラクションを集め、溶媒を除去し、さらに減圧乾燥して黄褐色の固体生成物を得た(1.72g、収率76%)。
−4−フェニル−4H−1−アズレニル)シランのリチウム塩の合成
上記(1−1−iv)で得られた化合物(1.72g、3.9mmol)をn−ヘキサン(25mL)に溶解後、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(5.1mL、8.0mmol、1.58mol/L)を、−78℃において、シリンジを用いて5分間かけて添加した。混合物を−78℃で攪拌し、ゆっくりと室温まで昇温させた後、室温にて終夜攪拌を行った。黄色みを帯びたサスペンジョンを窒素雰囲気下、1.5時間還流し、熱時濾過を行った。固体残渣をn−ヘキサン(15mLx2)で洗浄し、減圧乾燥を行い、ジメチル(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2−メチル−4−フェニル−4H−1−アズレニル)シランのリチウム塩を得た(1.80g、収率100%)。
上記(1−1−v)で得られたジリチウム塩(0.469g、1.0mmol)及び四
塩化ハフニウム(0.320g、1.0mmol)を、ガス導入コックを備えた100mL丸底フラスコに加えた。フラスコをグローブボックスから取り出し、−5℃の冷浴に浸した。トルエン(70mL)及びエチルエーテル(10mL)をシリンジにて加えた後、サスペンジョンを15時間攪拌した。この間、温度は徐々に室温まで上昇した。得られたサスペンジョンをセライト濾過し、減圧下に溶媒を除去し、黄色の粗錯体を得た(0.696g)。
。粗錯体にトルエン(5mLx3回)による抽出操作を施し、固体残渣を減圧乾燥し、ジクロロ{1,1'−ジメチルシリレン〔2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル〕〔2
−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル〕}ハフニウムを淡黄色の粉末として得た(0.13g、収率19%)。1H−NMR及びNOE測定による分析の結果、主成分はexo−シン立体異性体であり、マイナー成分はexo−アンチ立体異性体であった。なお、exo−シン立体異性体/exo−アンチ立体異性体=10/1(モル比)であった。
500ml円筒型フラスコに、脱塩水(94ml)、硫酸リチウム・1水和物(14.5 g)および硫酸 (22.1g)を採取し、攪拌下で溶解させた。この溶液に、市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSLL,29.4g)を分散させ、10分間かけて沸騰
するまで昇温し、沸点(105℃)で120分間攪拌を行った。その後、脱塩水200mlを加えて冷却し、得られたスラリーを濾過してウェットケーキを回収した。回収したケーキを1,000mlビーカーにて、脱塩水(800ml)を用いて再度スラリー化し、濾過
を行った。この操作を2回繰り返した。最終的に得られたケーキを、空気下100℃で3時間乾燥し、化学処理モンモリロナイト (24.1 g)を得た。
上記(1−2)で得られた化学処理モンモリロナイトを200℃で2時間減圧乾燥した
。(乾燥後 0.97g)これに、日本アルキルアルミ社製トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(2.00mmol/ml,1.0ml)及びトルエン1.0ml を加え、室温で30分間撹拌した。この懸濁液にトルエン(25ml)を加え、撹拌後、上澄みを除いた。この操作を2回繰り返して粘土スラリーを得た。別のフラスコに、日本アルキルアルミ社製トリイソブチルアルミニウム(0.30mmol)と、上記(1−1)で得られた錯体(1)(トルエン1配位、105.4mg,132.4 (mol) (exo−シン立体異性体異性体/exo−アンチ立体異性体)=10/1(モル比))を加えてあらかじめ反応させトルエンを加えて溶液とした。(3.05 (mol/ml)。この錯体溶液 9.5ml(29 (mol)を上記粘土スラリーに加え、室温で1時間撹拌後静置し、上澄み液10ml を抜き出して触媒スラリーを得た。この触媒スラリーをトリイソブチルアルミニウム(0.01mmol)を含有するトルエン15ml で2回洗浄した。
l)を含有したトルエン(60ml)で2回洗浄した。この予備重合触媒は、固体触媒成分
1gあたりポリプロピレン4.0gを含有していた。
(1−4) プロピレン重合
精製窒素で置換された、いかり型攪拌翼を内蔵する2Lの誘導攪拌式オートクレーブに東ソーファインケム社製メチルアルミノキサン(MMAO−3A Modified methylaluminoxane)のトルエン溶液をAl原子換算で36mmol装入した。別のフラスコに、日本アルキルアルミ社製トリイソブチルアルミニウム(0.009 mmol)と、合成例1で得られたジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン〔2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル〕〔2−メチル−4−フェニル−4H−アズレニル〕}ハフニウム(4.5μmol)を加えてあらかじめ反応させトルエンを加えて溶液とした。(3.0μmol/ml)この錯体溶液1.5ml(4.5μmol)をオートクレーブ内部に装着した破裂板付き触媒フィーダに装入した。
得られた重合体を分析したところ、以下の結果が得られた。13C−NMRで測定した結果、head to tail結合からなるプロピレン単位連鎖部のミクロタクティシティは、mmmm=72.5%,mmmr=6.9%,rmmr=1.1%,mmrr=7.9%,mmrm+rmrr=3.8%,rmrm=2.4%,rrrr=0.7%,rrrm=1.2%,mrrm=3.5%であった。また、全プロピレン挿入に対し、プロピレンの2,1−挿入に基づく位置不規則単位の量は0.1%、プロピレンの1,3−挿入に基づく位置不規則単位の量は0.1%であった。なお、MFRは、1.7g/10minであった。また、DSC測定を行ったところ、融点ピークは153.0ーC、結晶融解熱量は47.6J/gであった。
(2−1) 錯体(2)の合成
・[ジクロロ{1,1’−ジメチルシリレン〔2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル〕〔2,4−ジメチル−4H−アズレニル〕}ハフニウム(2)の合成
(2−1−i)Li(2,4−ジメチルアズレニル)塩(C)の合成
2−メチルアズレン(2.49g、17.5mmol)をテトラヒドロフラン(25mL)に溶解し、アイスバスにて5℃に冷却した後、同温度でメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(14.6mL、17.5mmol、1.20mol/L)を滴下した。滴下終了後、アイスバスを外して1時間攪拌することにより、リチウム塩(C)のテトラヒドロフラン溶液を得た。
上記(1−1−iii)で得られたジメチル(2−メチルベンゾ〔e〕インデニル)クロロシラン(4.79g、17.6mmol)をテトラヒドロフラン(25mL)に希釈し、この溶液を、上記(2−1−i)で得られたリチウム塩(C)のテトラヒドロフラン溶液に、温度−10℃にて15分間かけて添加した。0℃で1時間攪拌し、さらに室温で12時間攪拌した。その後、30mLの水を反応混合物に加え、迅速に攪拌して反応をクエンチした。水層を分離し、ヘキサン(30mLx3回)で抽出を行った。油層を集め、硫酸マグネシウムで乾燥させた後濾過し、濃縮し、粗生成物を得た(6.95g、収率100%)。
上記(2−1−ii)で得られた粗生成物(6.95g、17.5mol)をn−ヘキサン(50mL)に溶解した。この溶液に、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(2
2.3mL、35.2mmol、1.58mol/L)を、−78℃においてシリンジを用いて5分間かけて添加した。混合物を−78℃で攪拌し、ゆっくりと室温まで昇温させた後、室温にて終夜攪拌を行った。上澄み液を取り除いた後、固体残渣をn−ヘキサン(20mLx2)で洗浄し、減圧乾燥を行い、ジメチル(2−メチル−1−ベンゾ〔e〕インデニル)(2,4−ジメチル−4H−1−アズレニル)シランのリチウム塩を得た(8.24g、収率100%)。
上記(2−1−iii)で得られたジリチウム塩(6.95g、17.5mmol)及び四塩化ハフニウム(5.64g、17.6mmol)を、ガス導入コックを備えた500mL丸底フラスコに加えた。フラスコをグローブボックスから取り出し、−78℃の冷浴に浸した。トルエン(300mL)及びジイソプロピルエーテル(30mL)をシリンジを用いて加えた後、そのサスペンジョンを15時間攪拌した。この間、温度は徐々に室温まで上昇した。得られたサスペンジョンをセライト濾過し、減圧下にて溶媒を除去し、黒黄色の粗錯体を得た。1H−NMRにて得られた粗錯体を分析したところ、主成分は2種類の異性体であった。立体構造は1H−NMR及びNOE測定により決定した。
.95 Hz, 1H),7.77(d,J =7.78Hz,1H),7.62−7.60(m,2H),7.54−7.48(m,1H),7.41(s,1H), 7.31(d,J =9.08 Hz,1H),6.95(d,J =11.6 Hz,1H),6.21−6.17(m,1H),6.14(s,1H),5.86−5.41(m,1H),5.41(dd,J =9.88,4.94Hz,1H),3.60−3.48(br.s,1H),2.54(s,3H),2.26(s,3H),1.34(d,J =7.32 Hz,3H),1.23(s,3H),1.13(s,3H)。exo−シン立体異性体: 1H−NMR (CDCl3): d 8.06 (d, J=7.80 Hz,1H),7.73(d,J =7.80 Hz,1H),7.62−7.60(m,2H),7.54−7.48(m,1H),7.25(d,J =9.80 Hz,1H),7.21(s,1H),7.01(d,J = 1.7Hz,1H),6.09−6.04(m,1H),6.05(s,1H),5.78−5.72(m,1H),5.30(dd,J =10.0,5.30 Hz,1H),3.19−3.10(br.s,1H),2.62(s,3H),2.46(s,3H),1.28(d,J =7.60Hz,3H),1.22(s,3H),1.14(s,3H)。
2L丸底フラスコに、脱塩水(830mL)及び硫酸(170g)を採取し、攪拌下で溶解させた。この溶液に、市販の造粒モンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL、220g)を分散させ、沸騰するまで昇温し、沸点(105℃)で60分間攪拌を行った後、冷却した。得られたスラリーを濾過してウェットケーキを回収した。回収したケーキを5Lビーカーにて、脱塩水(2,000mL)を用いて再度スラリー化し、濾過を行っ
た。この操作を2回繰り返した。最終的に得られたケーキを、空気下100℃で 3時間乾燥し、化学処理モンモリロナイト(176g)を得た。
上記(2−2)で得られた化学処理モンモリロナイト(0.52g)に、日本アルキルアルミ社製トリエチルアルミニウムのトルエン溶液(0.45mmol/mL、2.3mL)を加え、室温で1時間撹拌した。この懸濁液にトルエン(4.0mL)を加え、撹拌後、上澄みを除いた。この操作を2回繰り返して粘土スラリーを得た。その後、トルエンを加えて、粘土スラリー(スラリー濃度=100mg粘土/mL)を得た。
[0069] 別のフラスコに、日本アルキルアルミ社製トリイソブチルアルミニウム(0.01mmol)を採取し、ここで得られた粘土スラリー(1.0mL)及び上記(2−1)で得られた錯体(2)(exo−シン立体異性体異性体/exo−アンチ立体異性体)=1.3/1(モル比))(1.93mg, 3.0mmol)のトルエンでの希釈液を加え、室温で20分間撹拌し、触媒スラリーを得た。
精製窒素で置換された、いかり型攪拌翼を内蔵する2Lの誘導攪拌式オートクレーブに日本アルキルアルミ社製トリイソブチルアルミニウムのトルエン溶液を0.35mmol装入した。一方、破裂板板付き触媒フィーダーに、上記(2−3)で得られた触媒スラリーを全量装入した。その後、オートクレーブに液化プロピレン700gを装入した。その後、室温で破裂板をカットし、70℃まで昇温して重合を開始した。60分後に、モノマーをパージして重合を終わらせた。重合前後のオートクレーブ重量より、ポリプロピレンの収量は325gであった。
rrrm=2.8%, mrrm=2.6%であった。また、全プロピレン挿入に対し、プロピレンの2,1−挿入に基づく位置不規則単位の量は0.11%、プロピレンの1,3−挿入に基づく位置不規則単位の量は0.10%であった。なお、MFRは、14.1 g/10minであった。また、DSC測定を行ったところ、融点ピークは148.9ーC、結晶融解熱量は45.6 J/gであった。
[高分子材料例3]
ポリプロピレン単独重合体(日本ポリプロ株式会社製「FY4」)を上記(A)成分である高分子材料として用いた。
高分子材料例1の重合体100重量部に対して、酸化防止剤として、テトラキス〔メチレン−3−(3’、5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(日本チバガイギー社製「IRGANOX 1010」)を0.05重量部、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト(日本チバガイギー社製「IRGAFOS 168」)を0.05重量部、中和剤として協和化学工業社製「DHT−4A」を0.03重量部添加し、ラボプラストミルを用いて設定温度200℃、100rpmでパラフィン系プロセスオイル(出光興産社製「ダイアナプロセスオイルPW−90」)とともに5分間溶融混練した後、サンプルを200℃で5分間予熱し、200℃、100kgf/cm2にて2分間加圧した。その後20℃/minにて室温まで冷却し、厚さ2mmのプレスシートを得た。そのプレスシートを試験片として用い、SAXS測定、固体粘弾性測定をおこなった。試験片は、高分子材料とパラフィン系プロセスオイルの重量比が90:10、80:20、70:30、50:50であるものをそれぞれ調製した。得られたプレスシートを1週間、室温で放置し、オイルブリード性の評価とオイル添加による白濁の有無を目視により行なった。
高分子材料例2の重合体の試験片を、実施例1と同様にして、高分子材料とパラフィン系プロセスオイルの重量比が90:10、80:20であるものをそれぞれ作成した。それぞれの評価結果を表2に示す。
(比較例2)
高分子材料例3であるポリプロピレン単独重合体(日本ポリプロ株式会社製「FY4」)を上記(A)成分である高分子材料として用いた。ラボプラストミルを用いて設定温度200℃、100rpmでパラフィン系プロセスオイル(出光興産社製「ダイアナプロセスオイルPW−90」)とともに5分間溶融混練した後、サンプルを200℃で5分間予熱し、200℃、100kgf/cm2にて2分間加圧した。その後20℃/minにて室温まで冷却し、厚さ2mmのプレスシートを得た。そのプレスシートを試験片として用い、SAXS測定、固体粘弾性測定をおこなった。更に、得られたプレスシートを1週間、室温で放置し、オイルブリード性の評価とオイル添加による白濁の有無を目視により行なった。高分子材料とパラフィン系プロセスオイルの重量比は70:30であるものを調製した。評価結果を表2に示す。
Claims (4)
- 以下の成分(A)、(B)を含む熱可塑性エラストマー。
(A):X線小角散乱において補正散乱強度(I(q))をY軸に、散乱ベクトル(q)をX軸にプロットした時、散乱ベクトルqが0.1nm-1から0.3nm-1の領域における傾きが負または0であり、且つ周波数1Hzの正弦波加振による動的粘弾性測定で得られる損失正接―温度曲線において、損失正接ピーク値の最大値が0.3以下である高分子材料。
(B):低分子量炭化水素および/またはその誘導体。 - (A)成分と(B)成分との合計を100重量部としたとき、(B)成分が20重量部を超え50重量部以下であることを特徴とする請求項1に記載の熱可塑性エラストマー。
- (A)成分がαオレフィン単独重合体またはαオレフィン共重合体を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の熱可塑性エラストマー。
- (A)成分がプロピレン系樹脂であり、プロピレン連鎖部分の立体規則性がステレオブロック構造である請求項3に記載の熱可塑性エラストマー。
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