JP2006117752A - 硬質ポリウレタンフォームの製造方法 - Google Patents

硬質ポリウレタンフォームの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】水のみを発泡剤として使用した場合に、軽量であって、断熱性能が高く、寸法安定性に優れ、接着性に優れ、かつ、特殊な配合剤を必要としない硬質フォームの製造方法を提供する。
【解決手段】ポリオール化合物とイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下に反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、発泡剤として水を用い、ポリオール化合物として官能基数が4の非アミン系ポリオールと芳香族アミン系ポリオールとを併用することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。特にペンタエリスリトールを開始剤としてアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルテトラオールと、トルエンジアミンを開始剤としてアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルテトラオールとの併用が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は特定のポリオール化合物を用いる硬質ポリウレタンフォームの製造方法に関する。
硬質ポリウレタンフォーム(以下、硬質フォームという。)は、断熱性に優れ、製造の自由度も高い。この特性を利用し、冷蔵庫等の冷蔵、冷凍機器;低温倉庫等の建築物;保冷車等の移動体等の断熱材として広く利用されている。
従来は硬質フォームを製造する際に用いる発泡剤としては、塩素化フッ素化炭化水素類が使用されてきた。しかしオゾン破壊、地球温暖化等の環境負荷を低減する観点から、他の発泡剤を使用する技術が開発されてきた。すなわち大きくは発泡剤として、フッ素化炭化水素(以下、HFCという。)を用いる方法、炭化水素を用いる方法、水のみを用いる方法の3種類の技術が開発されてきた。
このうち水のみを発泡剤として用いる場合には、特に多量の水を発泡剤として使用して軽量の硬質フォームを製造する場合には、製造時の寸法安定性と断熱性能とを両立させることが比較的困難であった。製造時の寸法安定性とは、水とイソシアネート化合物とが反応して発生する炭酸ガスが、フォームのセルの膜を透過して漏洩することによりセル内部が大気圧に対して負圧となり、収縮しやすいという問題である。この問題はセルを破泡し独立気泡率を低下させればよいが、その場合に断熱性能は大きく低下して断熱材としての効果が期待できなくなる。
すなわち水のみを発泡剤として使用した場合に、軽量であって、断熱性能が高く、かつ、寸法安定性に優れた硬質フォームの製造は困難である。さらに水を多く使用した場合に、樹脂中の尿素結合の割合が高くなり、樹脂が脆くなり接着性が低下しやすいという問題もあった。この課題を解決するために種々の技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかし従来提案されている技術では非常に複雑な配合が必要であったり、特殊な配合剤を必要とする等の問題があった。
特開2004−137492号公報
本発明は、水のみを発泡剤として使用した場合であっても、軽量であって、断熱性能が高く、寸法安定性に優れ、接着性に優れ、かつ、特殊な配合を必要としない硬質フォームの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、ポリオール化合物とイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下に反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、発泡剤として水を用い、ポリオール化合物として官能基数が4の非アミン系ポリオール(A)と芳香族アミン系ポリオール(B)とを併用することを特徴とする。
ここで、前記官能基数が4の非アミン系ポリオール(A)が、ペンタエリスリトールを開始剤としてアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルテトラオールであり、前記芳香族アミン系ポリオール(B)が、トルエンジアミンを開始剤としてアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルテトラオールであることが好ましい。また、前記発泡剤としての水の使用量がポリオール化合物の100質量部に対して、4〜10質量部であることが好ましい。
本発明の硬質フォームの製造方法によれば、水のみを発泡剤として使用した場合であっても特殊な配合を必要としないで、軽量であって、断熱性能が高く、寸法安定性に優れ、接着性に優れる硬質フォームが得られる。
本発明の硬質フォームの製造方法は、ポリオール化合物とイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下に反応させる。以下これらの各成分の詳細について説明する。
(ポリオール化合物)
本発明においては、ポリオール化合物として官能基数が4の非アミン系ポリオール(A)と芳香族アミン系ポリオール(B)とを併用する。ここで非アミン系ポリオールとは分子内に窒素原子を有していないポリオールを意味する。またアミン系ポリオールとは分子内に窒素原子を有するポリオールを意味する。さらに芳香族系ポリオールとは分子内に芳香環を有するポリオールを意味する。ただし芳香環とは炭素のみからなる芳香環であっても、窒素原子等のヘテロ原子を含む芳香環であってもよい。代表的な芳香環はベンゼン環である。
前記官能基数が4の非アミン系ポリオール(A)としては、ポリエーテルポリオールが好ましい。すなわち窒素原子を含まない化合物を開始剤として用い、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリオールが好ましい。ここで開始剤として用いる窒素原子を含まない化合物としては多価アルコール類が好ましい。すなわち本発明において用いる、官能基数が4の非アミン系ポリオール(A)としては、4個の水酸基を有する多価アルコール類を開始剤として用い、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、ポリエーテルテトラオールが好ましい。4個の水酸基を有する多価アルコール類としては、ペンタエリスリトール、メチルグルコシド、ジグリセリンが例示できる。このうちペンタエリスリトールが最も好ましい。すなわち官能基数が4の非アミン系ポリオール(A)としては、ペンタエリスリトールを開始剤としてアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルテトラオール(AA)が最も好ましい。
前記芳香族アミン系ポリオール(B)としては、ポリエーテルポリオールが好ましい。すなわち芳香環を有し、かつ、窒素原子を有する化合物を開始剤として用い、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリオールが好ましい。ここで開始剤として用いる芳香環を有し、かつ、窒素原子を有する化合物としては芳香族アミン類が好ましい。すなわち本発明において用いる芳香族アミン系ポリオール(B)としては、芳香族アミン類を開始剤として用い、アルキレンオキシドを開環付加重合させて得られる、ポリエーテルポリオールが好ましい。芳香族アミン類としては、トルエンジアミン、キシリレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、マンニッヒ縮合物が例示できる。このうちトルエンジアミンが最も好ましい。すなわち芳香族アミン系ポリオール(B)としては、トルエンジアミンを開始剤としてアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルテトラオール(BB)が特に好ましい。
これら2種類のポリエーテルポリオールの製造に用いるアルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドが例示できる。このうちプロピレンオキシドを単独で用いるか、プロピレンオキシドとエチレンオキシドとを併用することが好ましい。プロピレンオキシドとエチレンオキシドとを併用する場合には、これらを順次(ブロック)反応させてもよく、または、これらを混合した後に(ランダム)反応させてもよい。
本発明においては、官能基数が4の非アミン系ポリオール(A)と芳香族アミン系ポリオール(B)とを併用する。これらのポリオールの混合割合としては、両者の合計に対して官能基数が4の非アミン系ポリオール(A)の割合が、10〜90質量%であることが好ましく、30〜90質量%であることがより好ましく、50〜90質量%であることがさらに好ましい。
また本発明において、官能基数が4の非アミン系ポリオール(A)と芳香族アミン系ポリオール(B)以外の他のポリオールを併用してもよい。ここで官能基数が4の非アミン系ポリオール(A)と芳香族アミン系ポリオール(B)との合計は、ポリオール混合物の全体に対して、50〜100質量%が好ましく、80〜100質量%が好ましい。
前記他のポリオールとしては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等が挙げられる。他のポリオールとして用いるポリエーテルポリオールとしては、前述した特定の開始剤以外の化合物を開始剤として用いる。すなわち官能基数が4ではない多価アルコール類、アルカノールアミン類、脂肪族アミン類等の化合物が開始剤として挙げられる。
この多価アルコール類としては、官能基数が2〜3の多価アルコール類も用いられるが、官能基数が5〜8の多価アルコール類が好ましい。官能基数が2〜3の多価アルコール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパンが例示できる。また官能基数が5〜8の多価アルコール類としては、ソルビトール、ショ糖が例示できる。
またアルカノールアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンが例示できる。さらに脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、アミノエチルピペラジンが例示できる。
本発明において、ポリオール化合物として用いるポリオール混合物は、上述した特定の2種類のポリオールと場合により他のポリオールとのポリオール混合物である。このポリオール混合物の平均水酸基価は、300〜500mgKOH/gが好ましく、350〜500mgKOH/gがより好ましい。この範囲であれば、製造される硬質フォームの強度が充分にあるため寸法安定性が良好となり、かつ、ポリオール混合物の粘度が高くなりすぎることがないため混合不良が発生せず断熱性能が良好となる点で好ましい。また官能基数が4の非アミン系ポリオール(A)の水酸基価、および、芳香族アミン系ポリオール(B)の水酸基価が、それぞれ上記範囲内にあることが好ましい。
またこのポリオール混合物の平均官能基数は3〜6が好ましく、4〜5が好ましい。この範囲であれば、製造される硬質フォームの強度が充分にあるため寸法安定性が良好となり、かつ、ポリオール混合物の粘度が高くなりすぎることがないため混合不良が発生せず断熱性能が良好となる点で好ましい。
またこのポリオール混合物は安定に分散したポリマー微粒子を含んでいてもよい。すなわちポリオール混合物がポリマー分散ポリオールであってもよい。ポリマー分散ポリオールとは、ポリマー微粒子(分散質)がベースポリオール(分散媒)中に安定に分散されたポリオールの分散系である。
本発明において特に好適なポリオール混合物は、ペンタエリスリトールを開始剤としてアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルテトラオール(AA)、および、トルエンジアミンを開始剤としてアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルテトラオール(BB)の混合物である。特にこの2種類のポリオールのみからなる混合物が好ましい。さらにこの混合の割合としては、ポリエーテルテトラオール(AA)が当該混合物のうちの50〜100質量%であることが特に好ましい。
(イソシアネート化合物)
本発明において用いるイソシアネート化合物としては、公知のイソシアネート化合物が使用できる。すなわち、イソシアネート基を2以上有する芳香族系、脂環族系、脂肪族系のポリイソシアネート;前記ポリイソシアネートの2種類以上の混合物;および、これらを変性して得られる変性ポリイソシアネートが例示できる。ポリイソシアネートの具体例としては、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(通称:クルードMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)等が挙げられる。また変性ポリイソシアネートとしては、前記ポリイソシアネートのプレポリマー型変性体、イソシアヌレート型変性体、ウレア型変性体、カルボジイミド型変性体等が挙げられる。これらのうち、TDI、MDI、クルードMDI、またはこれらの変性体が好ましい。
イソシアネート化合物の使用量は、ポリオール化合物およびその他の活性水素化合物の活性水素の合計数に対するイソシアネート基の数の100倍で表して(通常この100倍で表した数値をイソシアネート指数という)70〜300が好ましい。ここで、触媒としてウレタン化触媒を主に用いるウレタン処方においては、ポリイソシアネート化合物の使用量はイソシアネート指数で、70〜150が好ましく、90〜120がより好ましい。また触媒としてイソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を主に用いるイソシアヌレート処方においては、ポリイソシアネート化合物の使用量はイソシアネート指数で、120〜300が好ましく、150〜270がより好ましい。本発明においては接着性等の観点からウレタン処方を採用することが好ましく、前記イソシアネート指数は70〜150が好ましい。
(発泡剤)
本発明において、発泡剤として水を使用する。特に本発明は、発泡剤として水のみを用いて硬質フォームを製造する場合に好適である。本発明における水の使用量はポリオール化合物100質量部に対して4〜13質量部が好ましく、4〜10質量部がより好ましく、6〜9質量部が特に好ましい。
(整泡剤)
本発明において用いる整泡剤としては、通常硬質フォームの製造に用いられる整泡剤が使用できる。例えばシリコーン系整泡剤、フッ素系整泡剤が使用できる。また整泡剤の使用量は、ポリオール化合物の100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、1〜4質量部がより好ましく、1〜3質量部が特に好ましい。
(触媒)
本発明において用いる触媒としては、ウレタン化反応(樹脂化反応)および泡化反応(水とイソシアネート化合物との反応)を促進する触媒であれば特に制限はない。例えば、トリエチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミンなどの3級アミン類;ジブチルスズジラウレート等の有機金属化合物が挙げられる。また、イソシアネート基の三量化反応を促進させる触媒を併用してもよい。その具体例としては、酢酸カリウム、2−エチルヘキサン酸カリウム等のカルボン酸金属塩等が挙げられる。
(その他の配合剤)
本発明では、上述したポリオール化合物、イソシアネート化合物、発泡剤、整泡剤、触媒の他に、任意の配合剤が使用できる。配合剤としては、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等の充填剤;酸化防止剤、紫外線吸収剤等の老化防止剤;難燃剤、可塑剤、着色剤、抗カビ剤、破泡剤、分散剤、変色防止剤等が挙げられる。
(発泡装置)
本発明の硬質フォームの製造方法においては、高圧発泡装置、低圧発泡装置、簡易型(低圧)発泡装置のいずれでも使用することができる。
(硬質フォーム)
本発明の製造方法によって得られる硬質フォームは断熱材として好適である。特に、自動販売機、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍倉庫、保冷倉庫、保冷庫、保温保冷車両等に使用する断熱パネルとして好適である。また上記以外の建材用の硬質フォームとしても好適である。
また本発明の製造方法によって得られる硬質フォームの独立気泡率は、50〜100%が好ましく、80〜100%が特に好ましい。独立気泡率が高いことは、気泡膜が破れて気泡同士が連続した連続気泡の割合が少なく、1個の気泡が独立して存在する独立気泡の割合が高いことを意味する。独立気泡率が高い程、断熱性が高いといえる。独立気泡率は、ASTM D2856に準拠して測定され、ポリオールの活性の強さ、触媒の種類や使用量、整泡剤の種類や使用量で制御される。
また本発明の製造方法によって得られる硬質フォームのコア密度は、15〜100kg/mが好ましく、20〜60kg/mがより好ましく、25〜50kg/mが特に好ましい。コア密度が15kg/m未満の場合では、圧縮強度、寸法安定性等が不良となる可能性がある。また、100kg/mを超える場合では、熱伝導率等が不良となる可能性がある。コア密度は、発泡剤の使用量で制御される。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(ポリオール化合物)
下記に示すポリオールA、B1、B2を、表1に示す配合C1〜C3で混合して使用した。ただし表1のポリオールの欄の数値は質量部を表す。
ポリオールA:ペンタエリスリトールを開始剤として、プロピレンオキシドを付加重合させて得られた、水酸基価が410mgKOH/gであるポリエーテルテトラオール。
ポリオールB1:メタトルエンジアミンを開始剤として、エチレンオキシド、ついでプロピレンオキシド、ついでエチレンオキシドをこの順序で開環付加重合させて得られた、水酸基価が450mgKOH/gであるポリエーテルポリオール。ただしアルキレンオキシドのうちのエチレンオキシドの割合は、23質量%である。
ポリオールB2:メタトルエンジアミンを開始剤として、エチレンオキシド、ついでプロピレンオキシド、ついでエチレンオキシドをこの順序で開環付加重合させて得られた、水酸基価が350mgKOH/gであるポリエーテルポリオール。ただしアルキレンオキシドのうちのエチレンオキシドの割合は、27質量%である。
Figure 2006117752
(原料の調製)
評価に用いた原料は以下のものを用いた。バットに前記配合C1〜C3から選ばれる配合のポリオール混合物の100質量部、発泡剤として水7.5質量部、シリコーン系整泡剤(東レダウコーニング社製、SH−193)の1.5質量部、および、触媒としてN,N,N’,N’テトラメチルヘキサメチレンジアミンをゲルタイムが70秒となる必要量を投入し、これらを撹拌機で良く混合、撹拌し、ポリオールシステム液を得た。
(硬質フォームの製造)
前記ポリオールシステム液と、イソシアネート化合物としてクルードMDI(日本ポリウレタン工業社製、MR−200)を20℃に温度調整した。イソシアネート化合物をイソシアネート指数が110となるようにポリオールシステム液に加え、回転数毎分3000回転で5秒間撹拌したものを反応性組成物として以下の発泡試験に用いた。
(1)前記反応性組成物を20cm×20cm×20cmの上部開放の木製箱内に注入し自由発泡フォームを製造した。
(2)前記反応性組成物を40℃に加温された高さ40cm×横40cm×厚さ5cm(容量8000cm)のアルミ製金型の金型上部から全密度が35kg/mになるように注入し上部蓋を閉じ硬化させて金型成形フォームを製造した。注入開始から30分が経過した後に硬質フォーム成形体を脱型した。
(評価)
製造された自由発泡フォームについて、密度(コア密度)、圧縮強度、寸法安定性(高温寸法安定性、湿熱寸法安定性)を測定、評価した。また製造された金型成形フォームについて、密度(全密度、コア密度)、断熱性、圧縮強度を測定、評価した。ただし測定のための試料片は前記成形体から適宜切り出して用いた。また流動性および接着性について測定、評価した。これらの結果を表2に示す。また各試験条件を下記に示す。
密度(単位:kg/m)はJIS−A−9511に準拠して測定した。自由発泡フォームの場合、発泡体の中心の15cm×15cm×15cmを切り出しその重量を体積で割り表した。また金型成形フォームの場合、全密度は成形体重量をその体積で割った値、コア密度は熱伝導率測定用試験片の重量をその体積で割った値を表した。
圧縮強度(単位:MPa)の測定は、JIS−A−9511に準拠して測定した。ただし試料片の大きさは50mm×50mm×50mmとした。自由発泡フォームの場合、重力方向に平行および垂直方向で測定した。金型成形フォームの場合は、金型の上部から注入し下から上に発泡するが、重力方向に平行をY、それに直角方向をX、厚み方向をTとして測定した。
寸法安定性(単位:%)の測定はASTM−D−2126−75に準拠して測定した。高温寸法安定性、湿熱寸法安定性を測定、評価した。各測定は、高温寸法安定性は70℃、湿熱寸法安定性は70℃、相対湿度95%のそれぞれの雰囲気に試料片を72時間保存し、減少または増加した長さ(厚さ)を保存前の長さ(厚さ)に対する変化率で表した。ただし試料片の大きさは、30mm×30mm×30mmとした。強度評価と同様に、発泡方向が重力方向に平行をY、それに直角方向をX、厚み方向をTとして測定した。
断熱性の評価として熱伝導率を測定した。熱伝導率(単位:mW/m・K)の測定は、JIS−A−1412に準拠し、オートラムダHC−047型(英弘精機社製)を用いて測定した。ただし試料片の大きさは、200mm×200mm×25mmとした。
流動性評価には、長さ150cm、巾30cm、厚さ3.5cmのアルミ製金型を用いた。この金型の長さ150cmの一方の端部を持ち上げ45度に傾斜させ、上端部は大気開放とし、温度を40℃に調整し使用した。また金型内の全面にポリエチレン製シートを貼り付けた。発泡評価は、下端部に設置された注入開口部から反応性組成物を注入して行った。注入量は発泡体が全長の90〜95%になるように調整した。注入して10分経過後に脱型し流動長(cm)とフォーム重量を測定した。流動性は注入量100g当りの流動長(cm/100g)で表した。
接着性評価は、流動性評価において注入して10分経過後に脱型し硬質フォームからポリエチレンシートを剥離させた時のポリエチレン製シートへの付着度を観察し評価した。フォームが脆くてポリエチレンシートへの付着度が多い場合を×、フォーム強度が出てポリエチレンシートへの付着が無い場合を○として表示した。すなわちポリエチレン製シートへの付着が少なく、フォームが脆くないものを接着性が良好であり、好ましいフォームとした。
表2には、硬質フォームを製造した際のポリオールの配合(平均水酸基価(単位:mgKOH/g))と上記各評価の結果を示す。
Figure 2006117752
表2の結果から明らかなように、本発明の硬質フォームの製造方法を採用した実施例1では熱伝導率、寸法安定性、接着力に優れた硬質フォームが得られた。またこの硬質フォームは流動性にも優れることがわかる。
一方、ペンタエリスリトールまたはトルエンジアミンを開始剤として得られたポリエーテルポリオールだけを用いた比較例1、2においては、両者とも寸法安定性が劣り、さらに比較例1では接着力、比較例2においては流動性が劣ることがわかる。
本発明の硬質ポリウレタンフォームの製造方法は、環境に対して負荷の低い水のみを発泡剤として使用した場合であっても、特殊な配合剤を必要とせずに、軽量であって、断熱性能が高く、寸法安定性に優れ、接着性に優れる。

Claims (3)

  1. ポリオール化合物とイソシアネート化合物とを、発泡剤、整泡剤および触媒の存在下に反応させて硬質ポリウレタンフォームを製造する方法において、発泡剤として水を用い、ポリオール化合物として官能基数が4の非アミン系ポリオール(A)と芳香族アミン系ポリオール(B)とを併用することを特徴とする硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  2. 前記官能基数が4の非アミン系ポリオール(A)が、ペンタエリスリトールを開始剤としてアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルテトラオールであり、前記芳香族アミン系ポリオール(B)が、トルエンジアミンを開始剤としてアルキレンオキシドを開環付加重合させて得られるポリエーテルテトラオールである、請求項1に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
  3. 前記発泡剤としての水の使用量がポリオール化合物の100質量部に対して、4〜10質量部である請求項1または2に記載の硬質ポリウレタンフォームの製造方法。
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