JP2006116864A - インクジェット記録媒体のインク受容層に用いる針状ベーマイト粒子粉末及び該針状ベーマイト粒子を含有する水系分散体 - Google Patents

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Minoru Yoshizawa
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Abstract

【課題】 本発明は、インクジェット記録用インクにおいて、高品位インク吸収材料として用いられる従来のベーマイト,アルミナ水和物より優れた印刷特性を得ることができるベーマイト類化合物粒子及び該ベーマイト類化合物を用いたインクジェット記録媒体の受容層を形成する水系分散体に関するものである。
【解決手段】 一次粒子の短軸径が50nm以下、且つ軸比(長軸/短軸)が2以上15以下であるインクジェット記録用インク受容層に用いる針状ベーマイト粒子粉末及び該針状ベーマイト粒子を含有する水系分散体である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、インクジェット記録媒体のインク受容層に用いるベーマイト粒子粉末であって、高品位インク吸収材料として用いられる従来のベーマイト、アルミナ水和物より優れた印刷特性を得ることができ、また、該ベーマイト粒子を用いたインクジェット記録媒体の受容層を形成する水系分散体に関するものである。
パーソナルコンピューターやデジタルカメラ等の発展とともに、画像を銀塩写真と同じように印画紙上に記録することが行われている。このような記録に用いられる記録方法としてはインクジェット記録方式と称される画像形成方法が知られており、その記録方式は、騒音が少ない、高速記録が可能、多色化が容易、記録パターンの融通性が大きい及び現像−定着の工程が不要等の種々の特徴があり、多くの分野で利用されている。
インクジェット記録方式の原理は溶液状のインク液を、電界や熱、圧力等を駆動源としてノズルより吐出させ、印画紙の受容層に移行せしめるものである。このインクジェット記録方式は高速度化、高精細化、フルカラー化など記録装置、記録方式の改良が行われている。
近年、印刷画像に対する鮮明性、定着性及び耐光性等の特性向上が格段に進化するに従って、銀塩系写真や製版方式の多色印刷と比較しても遜色のない画像を出力できるレベルになってきており、記録媒体に対しても更なる特性の向上が要求されている。
即ち、解像度の高い画像を得るためにはインクジェットヘッドから吐出されるインクを素早く吸収し、円形のドットを小さく保持する必要がある。また、優れた発色の画像を得るためにはインクが吸着される記録媒体が高い透明性を有することが必要とされている。さらに、高級感及びリアリティさを向上させるためには印刷面を平滑にして高光沢化することが必要である。
従って、インク吸収性に優れ、高い透明性を有するとともに、表面平滑性(光沢度)に優れたインクジェット記録媒体は、高品位な画像を形成させるために非常に重要な特性である。
インクジェット記録媒体としては、紙、フィルムなどの基体上に、ベーマイトなどのアルミナ水和物又はケイ素化合物等の無機化合物を含有するインク受容層を形成することが知られている。
インクジェット記録媒体のインク受容層に用いる無機化合物として、種々の無機化合物の適応が提案されているが、アルミニウム水和化合物は正電荷を有し、インク染料との定着が良く、発色性の高い、高光沢性の画像が得られるなど高品位な画像を得やすい記録媒体として注目されている。
従来、アルミニウム水和化合物をインクジェット記録媒体のインク受容層に用い、形状、配向度及び平均径等を制御して、インク吸収性向上や透明性向上を目的とした技術(特許文献1〜5)が数多く提案されている。
特開平7−232475号公報 特開平11−1060号公報 特開平11−228132号公報 特開平8−132731号公報 特開平9−30115号公報
前出特許文献1乃至3に記載の技術では、アルミニウム水和化合物であるアルミナ水和物や非晶質アルミナの形状を特殊な紡錘形状にし、このアスペクト比(長軸/短軸=軸比)を1〜4と大きくしたり、一般的に得やすい形状である板状形状のアスペクト比(板面/厚さ)を3〜10と大きくして、粒子の異方性を大きくすることで粒子間隙間を広げてインク吸収性向上させることは可能であるが、透明性について十分に向上させることは困難である。
また、特許文献4及び5に記載の技術では、アルミニウム水和化合物の特定結晶面の強度比を特定して高配向の粒子にすることによって、光沢度及び透明性を高くすることは可能であるが、インク吸収性の向上は望めない。これらの技術はインクジェット記録媒体として重要な特性であるインク吸収性、透明性、光沢性等、個々に関して特性を向上させる技術にすぎない。
これらの従来技術のみではそれぞれの特性、特に重要なインク吸収性及び透明性を両立させることは困難である。
そこで、本発明は、インクジェット記録媒体として重要な、透明性とインク吸収性及び光沢性の全てを高い次元で向上させるインクジェット記録媒体のインク受容層に用いるベーマイト粒子を提供することを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、一次粒子の平均短軸径が50nm以下であり、且つ、軸比(長軸/短軸)が2以上15以下であることを特徴とするインクジェット記録媒体のインク受容層に用いる針状ベーマイト粒子粉末である(本発明1)。
また、本発明は、本発明1の針状ベーマイト粒子において、BET比表面積が250m/g以下であることを特徴とするインクジェット記録媒体のインク受容層に用いる針状ベーマイト粒子粉末である(本発明2)。
また、本発明は、本発明1又は2の針状ベーマイト粒子の粉末X線回折によるd(020)/d(021)強度比が2.0以上であることを特徴する本発明1又は2のインクジェット記録媒体のインク受容層に用いる針状ベーマイト粒子粉末である(本発明3)。
また、本発明は、本発明1乃至3のいずれかの針状ベーマイト粒子粉末を用いたインクジェット記録媒体の受容層に用いる水系分散体である(本発明4)。
本発明に係る針状ベーマイト粒子をインクジェット記録媒体のインク受容層に用いた場合、インク吸収性及び透明性が高く、優れた印刷特性を得ることが可能である。
本発明に係る水系分散体は、分散性に優れたベーマイト粒子であるので、インク吸収性、透明性及び表面光沢に優れたインク受容層を形成することができる。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係る針状ベーマイト粒子について述べる。
本発明に係る針状ベーマイト粒子は一次粒子の短軸径が50nm以下である。一次粒子の短軸径が50nm以下の場合には光散乱の関係より透明度が高くなる。本発明においては、粒子形状が針状であるので、長軸方向より短軸方向の方が光の当たる割合が莫大に大きくなり、短軸が小さいものはたとえ長軸が大きくても透明性を高くすることができるものである。殊に、短軸径が30nm以下の場合にはより透明性が高くなる。小さければ小さいほど透明性は向上するが、BET比表面積が小さくなりすぎて凝集性が非常に強くなり塗工特性に起因する粘度などに悪影響を及ぼす。より好ましくは短軸25nm以下である。下限値は2nm程度である。
本発明に係る針状ベーマイト粒子の一次粒子の軸比(長軸/短軸)は2.0〜15.0である。一次粒子の軸比が2.0未満の場合、充填度合いが大きくなりインク吸収性に重要な粒子間隙間が減少する。軸比は大きい方が嵩高くなり粒子間隙間が大きくなるが、軸比が15.0を超えるベーマイト粒子では短軸径が30nm以下の粒子は工業的に製造することが困難である。好ましくは2.3〜15.0、より好ましくは2.5〜15.0である。
本発明に係る針状ベーマイト粒子粉末の一次粒子の平均長軸径は10〜100nmが好ましい。
本発明に係る針状ベーマイト粒子粉末のBET比表面積が250m/g以下であることが好ましい。なお、BET比表面積が50m/g以下の場合には塗工時にムラが出来やすく、また表面光沢性も低下し高品位の画像は得られにくくなる。より好ましくは60〜200m/gである。
本発明に係る針状ベーマイト粒子は、非常に光沢性が高く、軸比があまり大きくない2程度でも粉末X線回折によるベーマイト結晶のd(020)/d(021)の回折強度比が2.0以上と高い。高いインク吸収性、高い透明性及び高い表面光沢性の全て特性を高いレベルで満足させるには回折強度比は2.0以上が好ましく、より好ましくは2.1以上で、上限値は5.0程度である。
次に、本発明に係る針状ベーマイト粒子の製造方法について述べる。
本発明に係る針状ベーマイト粒子は、アルミニウム塩水溶液とアルカリ又は酸である中和剤水溶液とを混合し、pH値が7.0〜10.0の範囲の混合溶液とした後、該混合溶液を40〜100℃の温度範囲で熟成して繊維状ベーマイト種晶粒子を作った後、必要によりMgなどのアルカリ土類金属元素を微量添加し、次いで、100〜250℃の温度範囲で種晶成長反応を行い、水洗して副生塩を除くことによって得られる。
ベーマイト粒子の軸比は、Mgなどのアルカリ土類金属元素の添加量、種晶成長反応のpH、反応温度を調整することにより制御することができる。
アルミニウム塩水溶液とアルカリ又は酸である中和剤水溶液との混合割合は、反応溶液のpHが6〜11の範囲となるように中和剤水溶液を添加すればよい。
Mgなどのアルカリ土類金属元素の添加量は、Alイオンに対して0.01〜5.0mol%が好ましい。添加量が0.01mol%未満の場合にはベーマイト粒子の軸比向上の効果がみられない。5.0mol%を超える場合には、効果が飽和するため必要以上に添加する意味がない。得られるベーマイト粒子中には添加したMgなどの元素のほぼ全量が含有される。
種晶粒子の生成反応時の反応溶液のpHは6.0〜9.0が好ましい。
種晶成長反応の反応温度は100〜250℃が好ましい。100℃未満の場合には、本発明の目的とする針状ベーマイト粒子粉末が得られない。250℃を越える場合には、短軸径が50nmを超えるベーマイト粒子が生成するため好ましくない。
成長反応時の反応溶液のpHは9.0以上が好ましく、より好ましくは9.0〜12.0である。
水洗は常法によって行えばよい。
次に、本発明に係る水系分散体について述べる。
本発明に係る水系分散体の固形分濃度は15〜30wt%が好ましく、pH値は3.0〜6.0が好ましい。また、水系分散体の粘度は低い方が好ましく、殊に、1000mPaSを越える場合には塗工紙製造時に大きな問題となる。
また、本発明に係る水系分散体中の針状ベーマイト粒子の平均二次粒子径は100〜300nmが好ましい。なお、二次粒子径が500nmを越えるベーマイト粒子は存在しないことが好ましい。
次に、本発明に係る水系分散体の製造法について述べる。
上記のようにして得られた針状ベーマイト粒子の分散剤は一般的には酢酸等の酸が有効であるが、他の公知の分散剤でもよい。
ゾルの濃度は塗工条件に見合った濃度が好ましく、粘度との関係により、出来るだけ高濃度のものの方が使いやすく15%以上であれば特に問題ない。
分散の仕方としては、ミキサー、ボールミル、ディスパー、コロイドミル、ペイントシェイカー(PC)などの一般的な水系の混合機であれば良く、処理条件を変えることで凝集粒子径を制御することは可能である。
次に、本発明に係る針状ベーマイト粒子粉末を用いたインクジェット記録媒体について述べる。
本発明におけるインクジェット記録媒体は、基材と基材上に形成されたインク受容層を有し、本発明の針状ベーマイト粒子を有する層以外の別のインク受容層を積層しても良いし、インク受容層を形成するにあたる塗工組成及び基材の種類などは特に限定されるものではない。
<作用>
一般に、インクジェット記録媒体に用いられるベーマイト粒子は、記録媒体のインク及びインク溶媒の吸収に寄与する粒子間隙間がある程度大きく、しかも、記録媒体の透明性に寄与する粒子の大きさが小さいことが必要である。
従来のベーマイト粒子では、透明性確保のために粒子を小さくすると、粒子間隙間も小さくなり、記録媒体の透明性とインク吸収性とを高い次元で同時に満足することが不可能であった。
また、インクジェット記録媒体として、塗工紙表面の細孔分布を制御することによってインクヘッドから吐出されたインクの印刷ドットを小さく保持でき、透明性の高いインク受容層にすることでインク本来の鮮明な発色が得られ、しかも、印刷面を平滑にして高光沢化して高級感及びリアリティさを上げる、これらの3つが高品位の印刷特性を得るための必須条件であり、これらの特性を高い次元で同時に満たさない限り、近年注目されている高光沢写真用紙に用いることは困難である。
そこで本発明は、アルミニウム水和物粒子を用いてインク吸収性、透明性及び表面平滑性(光沢度)の全てを高いレベルで満足することを目的に誠意検討した結果、粒子の形状を針状にし、短軸径を小さくすることによって透明性を確保するとともに、嵩高く配向性が高いベーマイト粒子を得ることが出来たものである。
本発明に係る針状ベーマイト粒子粉末が上記特性を満たす理由は未だ明らかではないが、粒子の短軸方向のアスペクト比が大きいことにより配向してX線回折のd(020)/d(021)強度比が高くなり、低い軸比の場合でも、配向し易い形状に起因して異方性を有し、高い光沢度を有することができたものと推測される。
本発明においては、ベーマイト粒子の異方性が強く配向しやすいことより、塗工した場合に表面平滑性に優れた、即ち、高い光沢度を有する記録媒体を得ることができる。透明性を左右する粒子の大きさについても針状形状で短軸径の大きさ部分の寄与が大きな短軸径が小さいため透明性が高く、形状によるところの粒子隙間が空きやすく塗工紙表面に細孔が多数存在することでインク吸収性も高い、いわゆる、インク吸収速度が大きく、高解像印刷で重要視されている特性を全て満たした記録媒体を得ることができる。
光沢紙において高光沢にするには塗工紙表面の平滑性を上げることが重要であり、そのためには粒子が小さいか配向性が高いことが必要であり、また、インクの吸収性を考えると配向性が高い方が有利である。
これら両インクに適した粒子を得るには一次粒子の軸比及び短軸の大きさの制御が非常に重要である。また、水系分散体における凝集粒子径の制御及び低粘度化が高品位なインクジェット記録媒体を得る為の非常に重要なポイントであると推察される。
一次粒子の短軸及び軸比を自由に制御できる針状ベーマイト粒子を用い、低粘度、高濃度、高分散な水系分散体により、顔料インク、染料インクどちらにおいても光沢性、インク吸収性、耐候性、解像度、耐水性に優れたインクジェットプリンタ用記録媒体が提供できるものである。
本発明の代表的な実施の形態は次の通りである。
針状ベーマイト粒子の平均長軸径及び平均短軸径、軸比は電子顕微鏡写真から測定した数値の平均値で示したものである。
針状ベーマイト粒子の特定面の強度比は、「X線回折装置RINT−2500(理学電機(株)製)」(管球:Cu、管電圧:40kV、管電流:300mA、ゴニオメーター:広角ゴニオメーター、サンプリング幅:0.020°、走査速度:2°/min、発散スリット:1°、散乱スリット:1°、受光スリット:0.50mm)を使用し、ベーマイト粒子の(020)結晶面と(021)結晶面の回折ピークの強度を強度比として示したものである。
針状ベーマイト粒子粉末の同定はX線回折測定で行った。X線回折測定は、前記X線回折装置を使用し、回折角2θが3〜80°で測定した。
比表面積値は、窒素ガスを用いたB.E.T.法により測定して求めた。
水系分散体の凝集粒子径及び粒度分布は、「粒度分布測定装置 FPAR−1000(大塚電子(株))」で測定して求めた。
水系分散体の粘度は、「流体粘度測定装置 VISCOMETER TV−30(TOKI SANGO.CO.LTD)」を用いて25℃で測定して求めた。
<実施例1:針状ベーマイト粒子の合成法>
硫酸アルミニウム溶液 7.70L(Al:2.08mol/L濃度)にイオン交換水を加え35Lとした金属塩溶液に、NaOH 2.49L(18.55mol/L濃度)をイオン交換水で薄めた15Lを加えて全量40Lの中性懸濁溶液を95℃で10時間熟成を行い、ベーマイト種晶粒子を得た。このときの反応溶液のpHは7.5であった。
このベーマイト種晶粒子懸濁液にアルミニウム対比のモル数で2.0モル%の硫酸マグネシウムを添加後、NaOHを用いてpH=10.5に調整し、オートクレーブ中に入れて135℃で6時間成長反応を行った。
得られた針状ベーマイト粒子の一次粒子の長軸径は36nm、短軸は12nm、軸比は3であり、粉末X線回折のd(020)/d(021)の強度比は2.6、BET比表面積値は143m/gであった。
実施例2〜7、比較例1〜3
前記実施例1における針状ベーマイト粒子の合成法の製造条件を種々変化させることにより、軸比の異なる針状ベーマイト粒子を得た。
得られた針状ベーマイト粒子の製造条件を表1に、得られたベーマイト粒子粉末の諸特性を表2に示す。
Figure 2006116864
Figure 2006116864
<実施例8:水系分散体の作成>
実施例8
針状ベーマイト粒子を含有する反応懸濁液からプレスフィルターを用いて、反応で副生した塩を除いた後の水洗ペーストを得た。全量2Lのボールミル(BM)容器に10mmφのジルコニアボール1.0Kgと固形分20%濃度になるように水洗ペーストの固形分量から求められる水洗ペーストと水と固形分対比2.5%の1N酢酸とを合せた全量1.5Kgを添加し、200rpmの速度で容器を2時間回転させた後、ボールと懸濁液を分別して水系分散体を得た。
得られた水系分散体のpHは3.9であり、平均2次粒子径は150nm、2次粒子径が500nm以上の成分は0%であり、粘度は26mPaSであった。
実施例9〜14、比較例4〜6
実施例8と同じ水系分散体作成手順に従い、実施例1〜7、比較例1〜3で得られた各針状ベーマイト粒子を用いて水系分散処理スラリーを得た。
得られた水系分散体の諸特性を表3に示す。
Figure 2006116864
<使用例1:塗工紙組成>
針状ベーマイト粒子含有水系分散体に対して、重合度1500〜3000のポリビニルアルコール溶液(クラレ社製:PVA−224を用いた)をポリビニルアルコール/水系分散体の固形分で10%添加した混合懸濁液を20g/mの塗工量になるようにPETフィルム及び坪量180g/m2の厚手紙に塗布、乾燥させて塗工紙を作成した。
塗工紙の光沢度は「デジタル変角光沢計UGV−5D(スガ試験機(株))」を用いて入反射角60°条件下で塗工紙を7回測定、最大値及び最小値を除いた5回平均値として求めた。
塗工紙の透明性はベースフィルムと塗工フィルムのヘイズをJIS K 7105に従って「分光光度計 JASCO V−560(日本分光製)」で測定し、以下の基準に従い評価した。
◎:塗工フィルムからベースフィルムを引いたヘイズ値が10以下
○:塗工フィルムからベースフィルムを引いたヘイズ値が20以下
△:塗工フィルムからベースフィルムを引いたヘイズ値が30以上
印字特性評価は染料インクではEPSON社製PM−780Cを、顔料インクではEPSON社製PM−4000PXをそれぞれ用いてテストパターン画像を形成し、インク吸収性、画像濃度の各特性について評価した。
インク吸収性は塗工紙に印字パターンとして入れた基準線の滲み度合いを目視により観察し、以下の基準に従い評価した。
○:基準線の太さ、長さ及び滲みが無い。
△:やや太さ、長さが大きくなっているが殆ど滲みが少なく実用使用上では問題ないレベル。
×:インクが浸透せず、吸収がほとんど無いレベル。(印字面に紙などを着けたら色写りがある)
画像特性は塗工紙に印字パターンとして入れた人物画像や基準線の色合いや鮮明さより、以下の基準に従い、各プリンター推奨最高級紙を基準紙として目視により観察し、評価した。
○:基準紙と差が見当たらないか、それ以上の鮮明さがある。
△:各色の階調性がやや悪く感じられ、やや色合いが悪く感じる程度。
×:各色の階調性が悪く、画像の色合いが非常に悪い。
使用例2〜7、比較使用例1〜3
実施例8〜14及び比較例4〜6の水系分散体を用いて塗工紙を作成し、その塗工紙の評価を行った。
得られた印字特性の評価結果を表4に示す。
Figure 2006116864
本発明に係る針状ベーマイト粒子粉末を用いて得られた塗工紙は、いずれも透明性に優れており、インク吸収性及び画像特性に優れたものであった。
本発明に係る針状ベーマイト粒子をインクジェット記録媒体のインク受容層に用いた場合、染料インク、顔料インクどちらにおいても優れた印刷特性を得ることが可能である。
本発明に係る水系分散体を用いてインクジェット記録媒体のインク受容層を形成した場合、染料インク、顔料インクどちらにおいても優れた印刷特性を得ることが可能である。

Claims (4)

  1. 一次粒子の平均短軸径が50nm以下であり、且つ、軸比(長軸/短軸)が2以上15以下であることを特徴とするインクジェット記録媒体のインク受容層に用いる針状ベーマイト粒子粉末。
  2. 請求項1記載の針状ベーマイト粒子において、BET比表面積が250m/g以下であることを特徴とするインクジェット記録媒体のインク受容層に用いる針状ベーマイト粒子粉末。
  3. 請求項1又は2記載の針状ベーマイト粒子の粉末X線回折によるd(020)/d(021)強度比が2.0以上であることを特徴する請求項1又は2記載のインクジェット記録媒体のインク受容層に用いる針状ベーマイト粒子粉末。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の針状ベーマイト粒子粉末を用いたインクジェット記録媒体の受容層に用いる水系分散体。
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