JP2006116857A - 2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工方法及びその設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】 2軸延伸ポリエステルフィルムを樹脂原料としてリサイクルする2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工方法及びその設備を提供する。
【解決手段】 2軸延伸ポリエステルフィルムAを200℃以下で平均粒径5mm以下に破砕して粉砕物Cを得る第1工程と、粉砕物Cを乾燥して水分が0.1質量%以下の乾燥物Dを得る第2工程と、乾燥物Dを射出成形して成形品Eを得る第3工程とを有する。これによって、従来のサーマルリサイクル法によって燃料として処理されていた2軸延伸ポリエステルフィルムを、樹脂原料としてリサイクルすることが可能になり、資源の節約と炭酸ガスの削減に寄与することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】 2軸延伸ポリエステルフィルムAを200℃以下で平均粒径5mm以下に破砕して粉砕物Cを得る第1工程と、粉砕物Cを乾燥して水分が0.1質量%以下の乾燥物Dを得る第2工程と、乾燥物Dを射出成形して成形品Eを得る第3工程とを有する。これによって、従来のサーマルリサイクル法によって燃料として処理されていた2軸延伸ポリエステルフィルムを、樹脂原料としてリサイクルすることが可能になり、資源の節約と炭酸ガスの削減に寄与することができる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、磁気テープ、電気絶縁材料、各種製品の包装材料、写真フィルム、又は、その他の工業用材料等として多用されている2軸延伸ポリエステルフィルムの廃材を再利用するための再生加工方法及びその設備に関する。
ポリエステルは、多価アルコールと多価カルボン酸の縮合重合により生ずる高分子化合物の総称であって、ポリエチレンや塩化ビニル等と比較して、強靭性、電気絶縁性、透明性、耐熱性、寸法安定性、及び耐薬品性等に優れた性質を有し、容器、フィルム、及び繊維等に形成されている。特に、エチレングリコールと、テレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルからなるポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate)製のボトル(ペットボトル)が大量に製造されている。
ここで、大量に廃棄されるペットボトルの再生加工(リサイクル)方法としては、集められたペットボトルから金属や他樹脂を選別して除去した後、ペットボトルをフレーク状に破砕して洗浄して溶融押出機でペレットを作成し、ペレットから種々の製品を製造するマテリアルリサイクル法が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、ペットボトルを解重合して、ジメチルテレフタレート、ビス−β−ヒドロキシエチルテレフタレート、又はテレフタル酸等の中間原料を作成し、得られた中間原料を再度重合して種々の製品を製造するケミカルリサイクル法も知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、磁気テープ、電気絶縁材料、各種製品の包装材料、写真フィルム、又はその他工業用材料等として多用されている2軸延伸ポリエステルフィルムの一例であるポリエチレンテレフタレート製のフィルム(以下、ペットフィルムという)の再生加工において、前記したマテリアルリサイクル法を適用した場合、溶融押出機でペットフィルムを加熱した際に、溶融したペットフィルムの粘度が低くなり、ペレットに作成し難かった。
これは、ペット樹脂の分子量分布の尺度であるIV値(固有粘度)が、ペットボトル用では0.68〜1.40であるのに対し、ペットフィルム用では0.60〜0.63であり、すなわち、ペットフィルムはペットボトルよりも低分子量のポリエチレンテレフタレート樹脂から形成されていると共に、溶融押出機による加熱によってポリエチレンテレフタレートが分解して、更に分子量が低下するため、ペットボトルよりも溶融粘度が低下すると解される(非特許文献1参照)。
また、ケミカルリサイクル法では、ペットフィルムを中間原料まで解重合し、これを重合して製品を形成するので、十分な品質を得ることができるが、コストが高くなるという問題がある。
従って、現在、ペットフィルムは燃料として燃やす、いわゆるサーマルリサイクル法が行われているが、資源の無駄であると共に、炭酸ガス増加にもつながり地球環境保全の面でも大きな問題がある。
従って、現在、ペットフィルムは燃料として燃やす、いわゆるサーマルリサイクル法が行われているが、資源の無駄であると共に、炭酸ガス増加にもつながり地球環境保全の面でも大きな問題がある。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、2軸延伸ポリエステルフィルムを樹脂原料としてリサイクルする2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工方法及びその設備を提供することを目的とする。
前記目的に沿う本発明に係る2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工方法は、2軸延伸ポリエステルフィルムを200℃以下で平均粒径5mm以下に破砕して粉砕物を得る第1工程と、
前記粉砕物を乾燥して水分が0.1質量%以下の乾燥物を得る第2工程と、
前記乾燥物を射出成形して成形品を得る第3工程とを有する。
前記粉砕物を乾燥して水分が0.1質量%以下の乾燥物を得る第2工程と、
前記乾燥物を射出成形して成形品を得る第3工程とを有する。
前記目的に沿う本発明に係る2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備は、2軸延伸ポリエステルフィルムを200℃以下で平均粒径5mm以下に破砕する破砕機と、該破砕機で得られた破砕物の水分を0.1質量%以下にする乾燥機と、該乾燥機で得られた乾燥物を所要形状の成形品にする射出成形機とを備えた2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備であって、
前記破砕機が多段に設けられている。
前記破砕機が多段に設けられている。
本発明で使用される2軸延伸ポリエステルフィルムは、通常、原料樹脂を溶融後、溶液流延法(キャスティング法)によって冷却固化した未延伸シートを、樹脂のTg (ガラス転移温度)以上の温度で予熱し、縦方向に2.5〜4.0倍程度、次いで横方向に3.0〜4.5倍程度延伸して、更に、180〜230℃で1〜30秒熱処理して製造される。なお、未延伸シートは、既知の溶融押出法、又はカレンダー法で製造してもよい。2軸延伸ポリエステルフィルムは、鎖状の長い高分子の一部が一定方向に規則正しく配列した部分が多い。すなわち、結晶化度(延伸配向性)が高く、強度、寸法安定性、及び熱特性等が優れている。従って、2軸延伸ポリエステルフィルムを再生加工する場合、結晶化度を低下させずに加工することによって高い品質の成形品を得ることができる。
本発明に係る2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工方法及びその設備においては、従来のサーマルリサイクル法によって燃料として処理されていた2軸延伸ポリエステルフィルムを、樹脂原料としてリサイクル可能になり、資源の節約と炭酸ガスの削減に寄与することができる。2軸延伸ポリエステルフィルムの原料、例えば、テレフタル酸及びエチレングリコールは、石油資源であり、ペットフィルムを繰り返し使用するリサイクル技術によって、石油資源の削減にも有用であり、社会的な意義も大きいといえる。
2軸延伸ポリエステルフィルムを200度以下の温度で破砕するので、分子量の低下を防止し、2軸延伸ポリエステルフィルムの高度の延伸配向性、すなわち、結晶性の高い構造を保持したまま加工できる。2軸延伸ポリエステルフィルムを平均粒径が5mm以下となるように破砕するので、溶融時の粉砕物の流動性を向上させることができる。粉砕物の水分を0.1質量%以下にするので、ポリエステルの加水分解を抑制することができ、射出成形に必要な粘度を維持できる。
また、乾燥物に、着色剤、帯電防止剤、及び助剤のいずれか1又は2以上を混合した場合には、物性を改良して得られる成形品に高度な特性を持たせることができる。
特に、本発明に係る2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備において、破砕機が多段に設けられているので、粉砕物の粒径が制御しやすくなると共に、破砕時に発生する熱を抑えることができる。
特に、本発明に係る2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備において、破砕機が多段に設けられているので、粉砕物の粒径が制御しやすくなると共に、破砕時に発生する熱を抑えることができる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備の説明図、図2は本発明の第2の実施の形態に係る2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備の説明図である。
ここで、図1は本発明の第1の実施の形態に係る2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備の説明図、図2は本発明の第2の実施の形態に係る2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備の説明図である。
図1に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備(以下、単に「再生加工設備」ともいう)10は、2軸延伸ポリエステルフィルムの一例であるポリエチレンテレフタレート製のフィルム(以下、ペットフィルムともいう)Aを貯留するタンク11、タンク11から供給されるペットフィルムAを粗粉砕して粗粉砕物Bを得る一次破砕機12、粗粉砕物Bを粉砕して平均粒径が5mm以下の粉砕物Cを作成する二次破砕機13、粉砕物Cを乾燥して水分量が0.1質量%以下の乾燥物Dを得る乾燥機14、及び乾燥物Dを加熱して溶融し、金型内に射出注入して成形品Eを得る射出成形機15を備えている。以下、それぞれについて詳しく説明する。
通常、原料となるペットフィルムAは、厚みが12μm〜60μm程度のものが主体となって、大きさは極めてランダムであり、幅は10cm〜100cmで、シート状や長尺のコイル状のものが使用される。ペットフィルムAは、2軸延伸によって結晶化度が高く、強度、寸法安定性、及び熱特性等に優れており、結晶化度を維持したまま再生加工することによって、成形品の品質を確保することができる。
一次破砕機12は、機械的剪断方式であり、ペットフィルムAを200℃以下の温度で、例えば、10〜15mm程度に粗粉砕して粗粉砕物Bとする。また、二次破砕機13は、機械的剪断方式であり、粗粉砕物Bを、200℃以下の温度で、平均粒径が5mm以下、例えば、平均粒径が2.0〜3.0mmの粉砕物Cを作成する。更に、粉砕物Cを所定の粒径に篩い分けしてもよい。一次破砕機12及び二次破砕機13において、粉砕時の温度を200℃以下とするので、ペットフィルムAを構成するポリエチレンテレフタレートが分解しない。従って、粗粉砕物B及び粉砕物Cの延伸配向性、すなわち、結晶化度が低下しない。
粉砕物の平均粒径が5mmを超えると、射出成形時に流動性(定量供給性)が低下し、成形品の品質が低下する。また、粉砕物の平均粒径が0.1mmよりも小さいと、破砕段数及び粉砕時間が多くなると共に、搬送が困難になる。粉砕物の平均粒径は、破砕段数(破砕機の数)、粉砕時間、及び搬送の容易さを考慮すると、2.0〜3.0mmが好ましい。なお、再生加工設備10は、破砕機を2機組み合わせたが、破砕機を1機、又は3機以上組み合わせてもよい。しかしながら、破砕機が1機の場合には、粉砕物の平均粒径を5mm以下に制御することが難しくなる。また、破砕機は、摩擦力による剪断方式であってもよい。
乾燥機14は、粉砕物Cを十分に乾燥、すなわち、水分量として0.1質量%以下、好ましくは0.03質量%以下の乾燥物Dとする。乾燥物Dの水分量が0.1質量%を超えると、ポリエチレンテレフタレートが加水分解を起して分子量が低くなり、射出成形時に粘性が低下して成形品が製造し難くなる。
また、射出成形機15では、乾燥物Dをポリエチレンテレフタレートの融点(249℃)よりも少し高い温度(例えば、5〜20℃程度高い)で加熱しながら射出成形して所定形状の成形品Eを得る。
また、射出成形機15では、乾燥物Dをポリエチレンテレフタレートの融点(249℃)よりも少し高い温度(例えば、5〜20℃程度高い)で加熱しながら射出成形して所定形状の成形品Eを得る。
タンク11、一次破砕機12、二次破砕機13、乾燥機14、及び射出成形機15は、それぞれ機械式の搬送手段であるベルトコンベア16〜19によって接続され、ペットフィルムAを連続的に加工することができる。なお、ベルトコンベア16〜19の代わりに、リフトカー又はフレコンパックを使用して逐次搬送してもよく、また、空気の流れを利用して連続的に搬送してもよい。更に、粉砕物Cを一時的に貯蔵する貯蔵タンク、成形品Eを溶着加工する溶着加工機、及び、成形品E等の製品を自動的に梱包する梱包機等を設けてもよい。
次に、再生加工設備10を使用したペットフィルムAの再生加工方法について説明する。まず、タンク11に貯留された使用済みのペットフィルムAをベルトコンベア16で一次破砕機12に供給して200℃以下で粉砕し、例えば、平均粒径が10〜15mm程度の粗破砕物Bを作成する。次に、一次破砕機12で生成した粗破砕物Bをベルトコンベア17で二次破砕機13に供給して200℃以下で粉砕し、平均粒径が5mm以下の粉砕物Cを作成する(第1工程)。なお、射出成形時の流動性を均一にするために、粉砕物Cを篩い分けして粒径を所定の範囲内に揃えてもよい。
二次破砕機13で生成した破砕物Cをベルトコンベア18で乾燥機14に供給して乾燥し、水分が0.1質量%以下の乾燥物Dを作成する(第2工程)。更に、乾燥機14で生成した乾燥物Dをベルトコンベア19で射出成形機15に供給して、ポリエチレンテレフタレートの融点(249℃)よりも少し高い温度、例えば、5〜20℃程度高く加熱しながら射出成形して所定形状の成形品Eを製造する(第3工程)。
図2を参照して、本発明の第2の実施の形態に係る2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備20について説明する。なお、再生加工設備10と同一の構成要素については同一の番号を付してその詳しい説明を省略する。
再生加工設備20は、乾燥機14及び射出成形機15の間に、乾燥物Dと、着色剤、帯電防止剤、及び助剤のいずれか1又は2以上を含む物性改良剤Fとを混合して混合物Gを作成するミキシングタンク21を備えている点が再生加工設備10と異なり、混合物Gを射出成形機15で形成した成形品Hは、物性改良剤Fによって高度な特性が付与される。
再生加工設備20は、乾燥機14及び射出成形機15の間に、乾燥物Dと、着色剤、帯電防止剤、及び助剤のいずれか1又は2以上を含む物性改良剤Fとを混合して混合物Gを作成するミキシングタンク21を備えている点が再生加工設備10と異なり、混合物Gを射出成形機15で形成した成形品Hは、物性改良剤Fによって高度な特性が付与される。
着色剤としては、顔料及び染料がある。また、帯電防止剤としては、界面活性剤、無機塩、多価アルコール、金属化合物、及びカーボン等がある。助剤としては、可塑剤、滑剤、耐候性改質剤、難燃剤、及び離型剤等がある。再生加工設備20では、物性改良剤Fとして、助剤の一例であるペットフィルムAよりも高分子量のポリスチレンテレフタレート樹脂を使用して、射出成形機15内での混合物Gの粘度の低下を防止している。なお、物性改良剤として、ゴム成分を有する可塑剤を使用して靭性を向上させてもよい。
再生加工設備20は、タンク11、一次破砕機12、二次破砕機13、乾燥機14、ミキシングタンク21、及び射出成形機15が、それぞれベルトコンベア16〜18、22、23で接続され、ペットフィルムAを連続的に加工している。
再生加工設備20は、タンク11、一次破砕機12、二次破砕機13、乾燥機14、ミキシングタンク21、及び射出成形機15が、それぞれベルトコンベア16〜18、22、23で接続され、ペットフィルムAを連続的に加工している。
次に、再生加工設備20を使用したペットフィルムAの再生加工方法について説明する。タンク11内のペットフィルムAをベルトコンベア16で一次破砕機12に供給して、200℃以下で、例えば、平均粒径が10〜15mm程度に破砕して粗破砕物Bを作成し、粗破砕物Bをベルトコンベア17で二次破砕機13に供給して、200℃以下で、平均粒径が5mm以下に粉砕して粉砕物Cを作成する(第1工程)。破砕物Cをベルトコンベア18で乾燥機14に供給して、水分量が0.1質量%以下に乾燥して乾燥物Dを作成する(第2工程)。
乾燥物Dをベルトコンベア22でミキシングタンク21に供給すると共に、物性改良剤Fをミキシングタンク21に供給し、乾燥物D及び物性改良剤Fを混合して混合物Gを作成する。更に、混合物Gをベルトコンベア23で射出成形機15に供給して、ポリエチレンテレフタレートの融点(249℃)よりも少し高い温度(例えば、5〜20℃程度高い)で加熱しながら射出成形して所定形状の成形品Hを製造する(第3工程)。
(実施例1)
電子部品製造工程により排出された長さが15cm、幅が30cm、及び厚みが38μmのシート状フィルムと、厚みが38μm、幅が15mm、及び長さが3000m程度のコイル状フィルムを一次破砕機に投入し、200℃以下で、10〜15mm程度の大きさに切断して粗粉砕物とした。この粗粉砕物を二次破砕機にて、200℃以下で、更に細かく破砕し、平均粒径が5mm以下、フィルター径2mmを通過した公称2mmアンダーの粉砕物を作成した。
電子部品製造工程により排出された長さが15cm、幅が30cm、及び厚みが38μmのシート状フィルムと、厚みが38μm、幅が15mm、及び長さが3000m程度のコイル状フィルムを一次破砕機に投入し、200℃以下で、10〜15mm程度の大きさに切断して粗粉砕物とした。この粗粉砕物を二次破砕機にて、200℃以下で、更に細かく破砕し、平均粒径が5mm以下、フィルター径2mmを通過した公称2mmアンダーの粉砕物を作成した。
ここで、粉砕物の粒度分布は、粒径1.0mm未満のもの(1.0mm升目を通り抜けたもの)が30%、粒径1.0mm以上かつ2.4mm未満のもの(1.0mm升目は通らず、2.4mm升目を通り抜けたもの)が60%、2.4mm以上かつ4.7mm未満のもの(2.4mm升目は通らず、4.7mm升目を通り抜けたもの)が10%であった。なお、ペットフィルムは、部分的に印刷インキ及びコーティング被膜が残留していたが、前処理は行っていない。
粉砕物をホッパドライヤ(乾燥機)に投入し、粉砕物を120℃で4時間乾燥して、水分量が0.1質量%以下となるまで水分除去を行って乾燥物を得た。
乾燥物を型締力850tonの射出成形機(スクリュー径110mm)で射出成形し、厚み2.0mm、寸法600×900mmの平板を製造した。射出成形機の加熱筒の温度は、乾燥物を投入するホッパー下を50℃とし、加熱筒のホッパー側から下流側をヒータによって210〜270℃に加熱して乾燥物を溶融した。
乾燥物を型締力850tonの射出成形機(スクリュー径110mm)で射出成形し、厚み2.0mm、寸法600×900mmの平板を製造した。射出成形機の加熱筒の温度は、乾燥物を投入するホッパー下を50℃とし、加熱筒のホッパー側から下流側をヒータによって210〜270℃に加熱して乾燥物を溶融した。
この溶融物を加熱筒の先部に設けられたノズルから金型に射出する。ノズルの温度は260℃とした。また、ノズルから金型に射出された溶融物は、スプールから3つに分岐したホットランナの先部のゲートを介して、成形品の形状、すなわち、厚み2.0mm、寸法600×900mmの空洞が形成されたキャビティに送られて成形品が製造される。なお、3つのゲートは、空洞の上部、中央部、及び下部に設けた。射出成形機内において、乾燥物は、極めて良好な流動性を示し、計量の安定性、及び射出制御等、実用的に全く問題なく成形ができた。
(実施例2)
実施例2では、実施例1で形成した乾燥物95質量%と、物性改良材として顔料及び帯電防止剤であるカーボンを有するマスターバッチ5質量%とをミキシングタンク内で混合して混合物を作成した。更に、混合物を実施例1で使用した射出成形機にかけて、厚み2.0mm、寸法380mm径の円板状リム、及び円中心にコア部を有する外形380mmのリール部材を成形した。射出成形機の成形型は、組み立て後には2個のリールとなる4個の部材を1ショットで成形可能な4個取り金型を使用した。射出成形は、順調に行うことができ、取り出し機で成形機外に置かれた成形品は、室内に5分以上放置冷却し、室温近くまで冷却後、円盤状リムとコア部を有する円盤状リムを1対として超音波溶着を行いリール形状の製品を製造した。製品は、ベルトコンベアで連続的に搬送され、梱包した後、検査作業場に集荷された。
実施例2では、実施例1で形成した乾燥物95質量%と、物性改良材として顔料及び帯電防止剤であるカーボンを有するマスターバッチ5質量%とをミキシングタンク内で混合して混合物を作成した。更に、混合物を実施例1で使用した射出成形機にかけて、厚み2.0mm、寸法380mm径の円板状リム、及び円中心にコア部を有する外形380mmのリール部材を成形した。射出成形機の成形型は、組み立て後には2個のリールとなる4個の部材を1ショットで成形可能な4個取り金型を使用した。射出成形は、順調に行うことができ、取り出し機で成形機外に置かれた成形品は、室内に5分以上放置冷却し、室温近くまで冷却後、円盤状リムとコア部を有する円盤状リムを1対として超音波溶着を行いリール形状の製品を製造した。製品は、ベルトコンベアで連続的に搬送され、梱包した後、検査作業場に集荷された。
(比較例1)
実施例1と同じペットフィルムを、破砕機で10〜15mm程度の大きさに切断して粗粉砕物とした後、2軸の溶融押出機で溶融成形した。溶融押出機において8個のノズル(径1.5mm)より押出後、即座に水冷し、棒状の押出物(連続体)の作成を試みたが、溶融物の粘性が小さく押し出し作業は困難であった。ほとんどのノズルから押し出された押出物は、連続性がなく断続的な押し出し状態となり、作業者がノズルの手入れや押出物の仕末を行うために常時監視する必要があった。
実施例1と同じペットフィルムを、破砕機で10〜15mm程度の大きさに切断して粗粉砕物とした後、2軸の溶融押出機で溶融成形した。溶融押出機において8個のノズル(径1.5mm)より押出後、即座に水冷し、棒状の押出物(連続体)の作成を試みたが、溶融物の粘性が小さく押し出し作業は困難であった。ほとんどのノズルから押し出された押出物は、連続性がなく断続的な押し出し状態となり、作業者がノズルの手入れや押出物の仕末を行うために常時監視する必要があった。
作成された棒状の連続体を切断してペレットを作成した。このペレットをポリエチレンテレフタレート樹脂の結晶化を避けるため低温で長時間(例えば、80℃にて10時間)乾燥して、水分量が0.1質量%以下となるまで水分除去を行って乾燥物を得た。この乾燥物を、実施例1で使用した射出成形機で射出成形したが、成形に必要な溶融粘度を得ることができず、成形不能であった。
(比較例2)
比較例1において、溶融押出後のペレットでは射出成形不能であったため、ペレットを130℃で3時間乾燥(結晶化処理)を行った。更に、乾燥したペレットを射出成形機で成形した。この際には、射出成形に必要な溶融粘度を確保できたが、成形品の表面に溶融状態の不均一に起因すると思われる細かい凹凸状態が認められ、実用品質上の問題があった。射出成形機の加熱筒の温度を実施例1と比較して約10〜30℃上げることで外観の問題は解消されたが、成形品が成形後の材質劣化(脆く割れやすくなる)を起こし、品質を確保するのが困難であった。
比較例1において、溶融押出後のペレットでは射出成形不能であったため、ペレットを130℃で3時間乾燥(結晶化処理)を行った。更に、乾燥したペレットを射出成形機で成形した。この際には、射出成形に必要な溶融粘度を確保できたが、成形品の表面に溶融状態の不均一に起因すると思われる細かい凹凸状態が認められ、実用品質上の問題があった。射出成形機の加熱筒の温度を実施例1と比較して約10〜30℃上げることで外観の問題は解消されたが、成形品が成形後の材質劣化(脆く割れやすくなる)を起こし、品質を確保するのが困難であった。
本発明は、前記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工方法及びその設備を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、前記実施の形態では、2軸延伸ポリエステルフィルムとして、エチレングリコールと、テレフタル酸又はテレフタル酸ジメチルから形成されるポリエチレンテレフタレートを用いたが、(1)一部が他のジカルボン酸に置き換えられたテレフタル酸と、メチレングリコールとの混合エステル、(2)テレフタル酸とイソフタル酸とエチレングリコールから形成される共重合ポリエステル、及び(3)テレフタル酸及びシクロヘキサン−1,4−ジメタノールのいずれか1又は2以上から形成されるポリエステル等を使用してもよい。
10:2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備、11:タンク、12:一次破砕機、13:二次破砕機、14:乾燥機、15:射出成形機、16〜19:ベルトコンベア、20:2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備、21:ミキシングタンク、22、23:ベルトコンベア
Claims (4)
- 2軸延伸ポリエステルフィルムを200℃以下で平均粒径5mm以下に破砕して粉砕物を得る第1工程と、
前記粉砕物を乾燥して水分が0.1質量%以下の乾燥物を得る第2工程と、
前記乾燥物を射出成形して成形品を得る第3工程とを有することを特徴とする2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工方法。 - 請求項1記載の2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工方法において、前記乾燥物に、着色剤、帯電防止剤、及び助剤のいずれか1又は2以上を混合することを特徴とする2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工方法。
- 2軸延伸ポリエステルフィルムを200℃以下で平均粒径5mm以下に破砕する破砕機と、該破砕機で得られた破砕物の水分を0.1質量%以下にする乾燥機と、該乾燥機で得られた乾燥物を所要形状の成形品にする射出成形機とを備えた2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備であって、
前記破砕機が多段に設けられていることを特徴とする2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備。 - 請求項3記載の2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備において、前記乾燥物と、着色剤、帯電防止剤、及び助剤のいずれか1又は2以上とを混合するミキシングタンクが設けられていることを特徴とする2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工設備。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004308254A JP2006116857A (ja) | 2004-10-22 | 2004-10-22 | 2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工方法及びその設備 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004308254A JP2006116857A (ja) | 2004-10-22 | 2004-10-22 | 2軸延伸ポリエステルフィルムの再生加工方法及びその設備 |
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2004
- 2004-10-22 JP JP2004308254A patent/JP2006116857A/ja active Pending
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JP2021098350A (ja) * | 2019-12-23 | 2021-07-01 | 大日本印刷株式会社 | 樹脂製品の製造方法、樹脂製品製造システムおよび搬送装置 |
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