JP2006116850A - プリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】 低コストを追求しつつ、落下時等において内部に伝わる衝撃が小さく、さらに熱放熱性に優れたプリンタを提供する。
【解決手段】 内部機構ユニット103の骨格部を構成する底板部103dの両側に2分割された下部ケーシング101aと101bとを固定する。下部ケーシング101aと101bとは、プリンタ100を支える脚部として機能し、その間において底板部103dが露出する。この構造によれば、下部ケーシングが分割されているので、内部機構ユニット103に加わる衝撃が緩和される。また、内部機構ユニット103からの放熱が効果的に行える。
【選択図】 図1
【解決手段】 内部機構ユニット103の骨格部を構成する底板部103dの両側に2分割された下部ケーシング101aと101bとを固定する。下部ケーシング101aと101bとは、プリンタ100を支える脚部として機能し、その間において底板部103dが露出する。この構造によれば、下部ケーシングが分割されているので、内部機構ユニット103に加わる衝撃が緩和される。また、内部機構ユニット103からの放熱が効果的に行える。
【選択図】 図1
Description
本発明は、耐落下衝撃性と放熱性に優れた構造を有するプリンタに関する。
パーソナルコンピュータの普及に伴い、各種の印刷を行う機能を有するプリンタが広く普及している。パーソナルユースのプリンタには、低価格、高機能、高耐久性、軽量といった点が特に強く要求されている。プリンタの構造として、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。
特許文献1には、プリンタの外装構造を、上下のケーシングと、それらと一体化される左右のケーシングとに分離し、上下のケーシングにより筒状構造を構成し、左右のケーシングによりこの筒状構造の開放部を覆う構造とするプリンタについて記載されている。特許文献1には、このような構造とすることで、全体を一体化し、プリンタ筐体の機械的強度が高くできる優位性がある旨が記載されている。
しかしながら、上述のような全体を一体化した外装構造は、耐落下衝撃性が弱く、また全体が外装構造によって覆われるので、内蔵されている機器(特に電源)からの発熱を放熱する機能が不足する問題があった。また、外装構造(通常樹脂材料が用いられる)を構成する材料の寸法が大きくなるので、射出成形装置やプレス加工装置の型として大型のものが必要であり、そのため製造コストの削減に限界があった。
特に、本発明者らの実験によれば、外側全体を覆う一体化された外装構造は、意図的にプリンタを落下させる落下試験において、内部に伝わる衝撃が大きいという欠点が判明している。
パーソナルユースのプリンタは、輸送時や、ユーザが持ち運びをしている際に、意図せず、(1)どこかにぶつける、(2)床等に落下させてしまう、といった強い衝撃が加わる事態が懸念される。また、落下が懸念される場所への配置が行われる場合も考えられる。したがって、落下に対する耐衝撃性が高いことが望まれる。
上述の外側全体を覆う一体化された外装構造において、耐衝撃性を高くするには、外装構造を、強度があり且つ靱性(じんせい)の高い材料により構成する、内部にクッション材を入れる、といった構成の採用が考えられるが、高コストになり好ましくない。
そこで本発明は、低コストを追求しつつ、落下時等において内部に伝わる衝撃が小さく、さらに熱放熱性に優れたプリンタを提供することを目的とする。
本発明のプリンタは、印刷機構を保持する内部機構ユニットの骨格部と、この骨格部の底板部における1つまたは複数の角部を覆い、且つ複数に分割された下部ケーシングとを備えていることを特徴とする。
印刷機構とは、印刷ヘッド、その駆動系、インクカートリッジ、紙の搬送機構、インクの定着機構、クリーニング機構、および制御回路その他を備えている。内部機構ユニットは、この印刷機構と、この印刷機構を支える骨格部を備えている。内部機構ユニットだけで印刷動作を行うことが可能であるが、骨格部が露出する状態となるので、意匠性や持ち運びの容易性、さらには不用意に触った場合における安全性が考慮されていない状態となる。
本発明においては、骨格部の底板部における角部を覆う構造で、分割された複数の下部ケーシングを配置する。例えば、内部機構ユニットの骨格部の底板部が略四角形状である場合、2つの角部をまとめて覆う構造の下部ケーシングを2つ用意し、底板部の対辺を覆うように下部ケーシングを骨格部の底板部に取り付ける。
この下部ケーシングは、プリンタの脚部としての機能、意匠性を与える機能、内部機構ユニットの骨格部の角の部分を覆う構造とすることによる安全性を確保する機能、プリンタを持ち運ぶ際に利用される「取って」の部分を提供する機能等を有する。
ところで、例えばプリンタが床に落下した際、外装構造体であるケーシングのどこかの部分が床にぶつかり、それが契機となりプリンタ全体に衝撃が伝搬する。この場合、面や稜線が均一にぶつかることは考え難く、特に意図しないで落とせば、プリンタの角部が最初にぶつかることになる。
本発明においては、底板部の角部を覆う下部ケーシングが分割されているので、不注意等によりプリンタを床等に落下させても、衝撃が靱性の高い骨格部で吸収され、プリンタ全体に強い衝撃が伝わることが防止される。この結果、精密機械機構を備えた内部機構に伝わる衝撃も緩和される。すなわち、落下等に際する衝撃に強いプリンタを得ることができる。この点に関しては、後述するように、落下衝撃試験の結果から明確に確認できている。
また、下部ケーシングを構成する部材の寸法を小さくすることができるので、例えば下部ケーシング部材として樹脂材料を用い、それを射出成形法により製造する場合、成形型を比較的小型のものとすることができる。このため、生産コストを低減することができる。さらに、プリンタ全体を覆うケーシング構造ではないので、ケーシングを構成する材料の使用量を抑えることができる。
本発明のプリンタにおいて、骨格部は金属材料により構成され、下部ケーシングは樹脂材料により構成され、下部ケーシングは前記骨格部に固定されている態様とすることは好ましい。
この態様によれば、内部機構ユニットの骨格部を、強度と靱性の高い金属材料により構成し、その骨格部に分割された下部ケーシングを固定しているので、プリンタ全体としての靱性(じんせい)が高まり、下部ケーシングに加わった衝撃をプリンタ全体のしなりにより吸収することが可能になる。
また、下部ケーシングを樹脂材料により構成することで、任意の意匠性を与えることの容易性、脚部としての振動遮断能力の向上、プリンタの設置面を傷つけ難い機能、プリンタの移動や持ち運びが容易にできる「取っ手」の配置、内部機構ユニットの底板の角部を不用意に触れた場合の安全性の確保、電源や印刷機構からの発熱により高温になる内部機構ユニットを使用者が直接触れることを防止し、断熱作用を持たせる機能、といった優位性を得ることができる。また、下部ケーシングを樹脂材料で構成することで、これらの優位性を確保しつつ、重量の増加を抑えることができる。
本発明のプリンタにおいて、上部ケーシングをさらに備え、この上部ケーシングは、内部機構ユニットの骨格部に固定され、下部ケーシングに固定されていない構造とすることは好ましい。
この態様によれば、上部ケーシングと下部ケーシングとは、直接結合されず、それぞれ内部機構ユニットの骨格部に固定され、互いに内部機構ユニットの骨格部を介して結合する構造となる。この構造によれば、プリンタが床等に落下した際に、各ケーシングが独立して変形可能であり、衝撃は骨格部のみに伝わり吸収されるので、内部機構に加わる衝撃が緩和される。
例えば、プリンタが床に落下した場合、上記本発明の態様の構造においては、下部ケーシングは分割され、しかもこの下部ケーシングと上部ケーシングとは直接結合されていないので、各ケーシング部材は、衝撃を受けた際に他のケーシング部材に直接衝撃を伝えることがない。
このため、衝撃が内部機構ユニットの骨格部の変形によって吸収され、内部機構に加わる衝撃が緩和される。
これに対して、外装構造を一体構造とした場合、外装構造全体の剛性のために、変形が抑えられ、そのため衝撃の吸収が不十分となって、内部機構ユニットに大きな衝撃が伝わってしまう。
本発明のプリンタにおいて、分割された下部ケーシング間において、底板部は露呈し、下部ケーシングによって、この露呈した底板部とプリンタ設置面との間に隙間が形成されている構造とすることは好ましい。
この態様によれば、プリンタの下面において、内部機構ユニットの底面が露出し、この露出面から、内部機構ユニット内部で発生する熱を効果的に放熱させることができる。
また本発明のプリンタにおいて、底板部上には電源部が配置されている構造とすることは好ましい。
この態様によれば、主要な発熱源である電源部からの発熱を、効果的に底板部から放熱させることができる。また、この態様によれば、プリンタの底面から輻射されるノイズを効果的にシールドすることができる。
通常電源部は、スイッチング電源が利用されるが、スイッチング電源は、その動作原理上、ノイズを発生し易い。上述した構造によれば、放熱に有利である上にプリンタ底面から輻射されるノイズを確実にシールドすることができる。
また、この態様に組み合わせて、プリンタの設置面との間に隙間を設ける構成を採用すすることで、放熱をさらに効果的に行うことができる。この場合、内部機構ユニットの底板部の露出面とプリンタの設置面との間に意図的に隙間が設けられる。この隙間に空気が流通することで、放熱をより効果的に行うことができる。
本発明によれば、低コストを追求しつつ、落下時等において内部に伝わる衝撃が小さく、さらに熱放熱性に優れたプリンタを提供することができる。
1.第1の実施形態
図1は、本発明を利用したプリンタの概要を示す分解斜視図である。図1には、第1の下部ケーシング101a(左側下部ケーシング)、第2の下部ケーシング(右側下部ケーシング)101b、内部機構ユニット103、電源ユニット104、上部ケーシング105を備えたプリンタ100が示されている。
図1は、本発明を利用したプリンタの概要を示す分解斜視図である。図1には、第1の下部ケーシング101a(左側下部ケーシング)、第2の下部ケーシング(右側下部ケーシング)101b、内部機構ユニット103、電源ユニット104、上部ケーシング105を備えたプリンタ100が示されている。
内部機構ユニット103の骨格部は、強度と靱性の高いプレス加工された鋼板(金属材料)によって構成されている。この骨格部は、印字ヘッド等の印刷機構を保持する側板103aおよび103bと、この側板103aおよび103bを連結する連結フレーム103cと、内部機構ユニットの底部を覆う底板部103dとによって構成されている。
ここで、印刷機構とは、印刷ヘッド、その駆動系、インクカートリッジ、紙の搬送機構、インクの定着機構、クリーニング機構、および制御回路その他のことをいう。
第1の下部ケーシング101aおよび第2の下部ケーシング101bは、プリンタ100の下側の一部を覆うケーシングであり、射出成形された樹脂で構成されている。また上部ケーシング105は、プリンタ100の上側を覆うケーシングであり、射出成形された樹脂で構成されている。
下部ケーシング101aには、電源スイッチ108が配置されている。また、第2の下部ケーシング101bの側面には、プリンタ100を持ち上げる際の「取っ手」となる窪み109が形成されている。なお、図示されていないが、第1の下部ケーシング101aにも同様な構造が形成されている。
また、上部ケーシング105は、曲面加工され、開閉動作が可能な半透明アクリル板106を備えている。インクカートリッジ等の部品の取り替えや紙詰まりした紙の除去は、この半透明アクリル板106を開くことで、容易に行うことができる。
図2は、一部組み立てが行われた状態の分解斜視図(図2(A))と、組み立て完了状態を示す斜視図(図2(B))である。図2(A)には、内部機構ユニット103に第1の下部ケーシング101aと第2の下部ケーシング101bとを取り付け、さらに上部ケーシング105をそこに被せて固定しようとする状態が示されている。
すなわち、第1の下部ケーシング101aは、内部機構ユニット103の底板部103dの左側(正面から見て左側)の2ヶ所の角部を包むように覆った状態で、底板部103dに対して固定され、第2の下部ケーシング101bは、内部機構ユニットの底板部103dの右側(正面から見て右側)の2ヶ所の角部を包むように覆った状態で、底板部103dに対して固定されている。
第1の下部ケーシング101aおよび第2の下部ケーシング101bは、底板部103dの左右両辺を下方から包み込む構造を有し、内部機構ユニット103を支える脚部としても機能する。
また、第1の下部ケーシング101aおよび第2の下部ケーシング101bの設置面側(プリンタ100を置く面の側)には、図3に示す突起部203が形成されており、この突起部が設置面に接触し、プリンタを支える構造となっている。
この構造においては、第1の下部ケーシング101aおよび第2の下部ケーシング101bの脚部としての機能により、底板部103dが、プリンタ100の設置面(例えば棚板の表面や机の表面)から少し(例えば1.5cm)持ち上げられる。すなわち、下部ケーシング内側の縁107(図1参照)の高さと、前述の突起部203の長さの合計値の分だけ、底板部103dはプリンタ100の設置面から浮き上がり、その間に隙間が形成される。
ここで、第1の下部ケーシング101aと第2の下部ケーシング101bとの間における底板部103dは、プリンタ100の裏側(底側)において露出している。したがって、プリンタを通常の状態で机の上等に設置した場合に、その露出面と設置面との間に隙間が形成され、そこで効果的な放熱機能を得ることができる。
第1の下部ケーシング101aは、底板部103dと側板103aにビスで固定され、第2の下部ケーシング101bは、底板部103dと側板103bにビスで固定されている。つまり、下部ケーシング101aおよび下部ケーシング101bは、内部機構ユニット103の骨格部に対してビスで固定されている。なお、第1の下部ケーシング101aおよび第2の下部ケーシング101bは、骨格部以外に対しては特に固定されていない。
底板部103dは、内部機構ユニット103の底部分に蓋をする形で、ビスで連結フレーム103cに固定され、内部機構ユニット103の一部となる。また、底板部103d上には、内部機構ユニット103内に格納される電源ユニット104が配置固定されている。
電源ユニット104は、スイッチング電源であり、電源ボード上に整流回路、スイッチング回路、電圧安定化回路および保護回路を備えている。電源ユニット104と内部機構ユニット103内の各種回路や駆動系との間には、図示しない配線コネクタによって配線がなされている。底板部103dが内部機構ユニット103の底部に固定されることで、電源ユニット104は、内部機構ユニット103内に格納された状態となる。
内部機構ユニット103の骨格部には、上部ケーシング105が図示しないビスにより固定される。ここで、図2に示されるように、上部ケーシング105は、内部機構ユニット103の骨格部に固定されるが、下側ケーシング101aおよび101bには、直接固定されない。つまり、上部ケーシング103、下側ケーシング101aおよび101bは、それぞれ独立に分離された状態で内部機構ユニット103の骨格部に固定される。
図3は、図1に示すプリンタを側面方向から見た断面図である。図3には、一方の下部ケーシング101bの設置面側に形成された突起部203が示されている。この突起部203と、下部ケーシング101b内側の縁(図1の符号107に対応する部分)によって、設置面202と底板部103dの露出した表面(プリンタ100の底部分で露出した表面)との間には隙間が形成される。この隙間には、矢印204で示されるように空気が流通し、電源ユニット104の発熱を効果的に放熱することができる。なお、矢印204の空気の流れは逆であってもよい。
図4は、本実施形態におけるプリンタの正面図(A)と背面図(B)である。図4には、ホストコンピュータに接続を行うためのコネクタ401、底板部103dの露出した表面402とプリンタ100の設置面202との間に形成された隙間403が示されている。
図示されているように、プリンタ100の正面側は、上部ケーシング105が下方まで延長しており、設置面202との間の隙間の寸法は小さい(例えば0.5cm)。これは、意匠上の点から、プリンタ100本体の下面の隙間が見えにくいようにしているからである。
他方において、プリンタ100の背面側は、意匠上の制約が少ないので、上部ケーシング105にコの字形状の開口部405が形成され、そこから内部機構ユニット103、および底板部103dの一部が露出している。さらに、底板部103dの露呈した底面402と設置面202との間に隙間403が、それなりの寸法(例えば1.5cm)で形成され、底面402からの放熱が効果的に行われるように放熱経路が確保されている。
(比較例(従来構造))
本発明を利用した構造の優位性を確認するために、従来構造のプリンタを用意した。図5は、比較対象としたプリンタの概要を示す分解斜視図である。図5に示す従来構造のプリンタと、図1に示すプリンタとが異なる点は、下部ケーシングの構造にある。
本発明を利用した構造の優位性を確認するために、従来構造のプリンタを用意した。図5は、比較対象としたプリンタの概要を示す分解斜視図である。図5に示す従来構造のプリンタと、図1に示すプリンタとが異なる点は、下部ケーシングの構造にある。
すなわち、図5に示すプリンタ701において、下部ケーシング702は分割されておらず、プリンタの底面全体を支える土台として機能する構造となっている。つまり、プリンタ底面の全体を構成する外装部材として機能する構造となっている。
そして、下部ケーシング702上にシールド板703が取り付けられ、さらに電源ボード704がこのシールド板703上に取り付けられている。また、電源ボード704とは別に、内部機構ユニット705が下部ケーシング702上に取り付けられている。さらにこの構造においては、上部ケーシング706は、図示しないネジ止め機構により下部ケーシング702に固定されている。
すなわち、図5に示す構造においては、下部ケーシング702が電源ボード、内部機構ユニット705、および上部ケーシング706を支えた構造を有している。また、下部ケーシング702と上部ケーシング706とが、直接結合され、外装部材として一体化された構造となっている。
図5に示す構造において、下部ケーシング702の構造および各部材のネジ止めの部分以外は、図1に示す実施形態の構造と同じものとした。また、外形寸法も両者で同じものになるようにした。
(落下試験の結果)
以下、落下衝撃試験の結果について説明する。ここで説明する落下衝撃試験は、中華人民共和国国家標準規格(GB 2423.8:梱包落下試験規格)を参考にしたものである。
以下、落下衝撃試験の結果について説明する。ここで説明する落下衝撃試験は、中華人民共和国国家標準規格(GB 2423.8:梱包落下試験規格)を参考にしたものである。
ここでは、実施形態1のプリンタを梱包したものを試験体として採用した。試験では、試験体を所定の高さから、自由落下させ、その際の衝撃を内部機構ユニットに固定した加速度センサ(Gメータ)によって計測した。衝突させる部分は、試験体の1角→3稜(3辺)→6面の計10ヶ所である。試験は、各部位に関して1回行い、合計10回の落下試験を行った。落下高さは、1角および3稜が80cm、6面が1mである。
図6は、試験体の衝突させた部位を説明するための概念図である。図6には、プリンタを梱包した状態の直方体の試験体600が示されている。以下、落下時に衝突させる部分の選択方法を説明する。まず、1角(角の一ヶ所)であるが、これは、重量バランスが偏った部分(つまり重心がある付近)から最も離れた角部分を、衝突させる角1(621)として選択する。
そして、この角1(621)を形作る3辺を稜1(601)、稜2(602)、稜3(603)と選択する。ここでは、角1(621)として、プリンタ100の前面(正面)右下の角が選択され、面1(611)として、正面から見てプリンタの右側面に相当する面、面2(612)として、正面から見てプリンタの左側面に相当する面、面3(613)として、プリンタの正面(前面)に相当する面、面4(614)として、プリンタの後面(背面)に相当する面、面5(615)として、プリンタの底面に相当する面、面6(616)として、プリンタの上面に相当する面が選択される。
なお、梱包した試験対象のプリンタは、図1〜図4に示す構造を有し、概略の寸法は、幅34cm、高さ16cm、奥行き19cm重量が4.5kgである。下記表1に上述した条件で行った落下衝撃試験の結果を示す。なお、従来構造に関するデータは、図5に示した構造のプリンタに対して、同様な条件下において落下衝撃試験を行った結果である。
表1から分かるように、落下させ衝突させた部位のほとんどにおいて、顕著な衝撃緩和効果を確認することができた。すなわち、どのような向きで落としても、内部機構ユニットに加わる衝撃を従来構造のものに比較して小さくすることができた。
表1のような結果が得られた理由は、以下のように解析される。すなわち、従来構造においては、図5に示すように下部ケーシング702はプリンタ701の底面全体を構成し、さらに下部ケーシング702に上部ケーシング706が固定されている。したがって、一体に組み立てられた状態において、下部ケーシング702と上部ケーシング706とで構成される外装構造は、それなりの剛性を示す。
このような剛性のある構造においては、落下し衝撃が加わった際、電源という重量物を支える下部ケーシングに大きな衝撃が伝わる。その衝撃は、プリンタ全体として剛性の高い一体構造の外装を有するプリンタにおいては吸収され難い。したがって、内部機構に大きな衝撃が加わってしまう。
これに対して、本実施形態のプリンタは、下部ケーシングが分割され、しかも下部ケーシングと上部ケーシングとが直接結合されておらず、それぞれが個別に内部機構ユニットの骨格部に固定されている。したがって、プリンタの変形による衝撃吸収能力を高く発揮でき、内部機構に伝わる衝撃を低減することができる。
(本実施形態の優位性)
以上説明した実施形態のプリンタは、外装部材である下部ケーシングを分割することで、下部ケーシング自体の寸法を小さくでき、そのため製造コストを低減することができる。すなわち、通常下部ケーシングは、樹脂材料を用いた射出成形品が用いられるのであるが、その寸法が大きい場合、射出成形装置が大型化し、製造コストが増大する。本発明では、下部ケーシングを分割しているので、成型型が小さなもので済み、製造コストを抑えることができる。また、ケーシングを構成する樹脂材料の使用量を低減することができる。
以上説明した実施形態のプリンタは、外装部材である下部ケーシングを分割することで、下部ケーシング自体の寸法を小さくでき、そのため製造コストを低減することができる。すなわち、通常下部ケーシングは、樹脂材料を用いた射出成形品が用いられるのであるが、その寸法が大きい場合、射出成形装置が大型化し、製造コストが増大する。本発明では、下部ケーシングを分割しているので、成型型が小さなもので済み、製造コストを抑えることができる。また、ケーシングを構成する樹脂材料の使用量を低減することができる。
また、下部ケーシングを分割した構造とすることで、プリンタが床等に落下した際に受ける内部の衝撃を緩和することができる。これにより、耐落下衝撃性の高いプリンタを得ることができる。
さらに、2分割された下部ケーシングの間において、内部機構ユニットの骨格部を構成する底板部を露出させた構造にできるので、内部機構ユニットで生じる発熱をプリンタの底面から効果的に放熱することができる。特に、下部ケーシングをプリンタの脚部として機能させ、上記露出部とプリンタの設置面との間に隙間を設けるようにすることで、放熱経路を確保でき、放熱効果を高めることができる。
2.第1の実施形態の変形
下部ケーシングは、2分割でなく、4分割であってもよい。例えば、図1に示す構造において、下部ケーシング101aと101bとを2分割し、底板部103dの4角のそれぞれを4個の下部ケーシングによって保持する構造としてもよい。すなわち、底板部の各角を個別に下部ケーシングによって保持する構造としてもよい。
下部ケーシングは、2分割でなく、4分割であってもよい。例えば、図1に示す構造において、下部ケーシング101aと101bとを2分割し、底板部103dの4角のそれぞれを4個の下部ケーシングによって保持する構造としてもよい。すなわち、底板部の各角を個別に下部ケーシングによって保持する構造としてもよい。
本発明は、低コストで耐落下衝撃性に優れたプリンタの構造に適用することができる。
100…プリンタ、101a…下部ケーシング、101b…下部ケーシング、103…内部機構ユニット、103a…側板、103b…側板、103c…連結フレーム、103d…底板部、104…電源ユニット、105…上部ケーシング、106…開閉動作が可能な半透明アクリル板、107…下部ケーシング内側の縁、108…電源スイッチ、109…「取っ手」となる窪み、202…設置面、203…突起部、204…空気の流通経路を示す矢印、401…コネクタ、402…底板部の露出した表面、403…隙間、600…試験体、601…落下試験時に衝突させる稜1、602…落下試験時に衝突させる稜2、603…落下試験時に衝突させる稜3、611…落下試験時に衝突させるプリンタの右側面に相当する面1、612…落下試験時に衝突させるプリンタの左側面に相当する面2、613…落下試験時に衝突させるプリンタの正面に相当する面3、614…落下試験時に衝突させるプリンタの背面に相当する面4、615…落下試験時に衝突させるプリンタの底面に相当する面5、616…落下試験時に衝突させるプリンタの上面に相当する面6、621…落下試験時に衝突させる角1。
Claims (5)
- 印刷機構を保持する内部機構ユニットの骨格部と、
この骨格部の底板部における1つまたは複数の角部を覆い、且つ複数に分割された下部ケーシングと
を備えたことを特徴とするプリンタ。 - 前記骨格部は金属材料により構成され、
前記下部ケーシングは樹脂材料により構成され、
前記下部ケーシングは前記骨格部に固定され
ていることを特徴とする請求項1に記載のプリンタ。 - 上部ケーシングをさらに備え、
この上部ケーシングは、前記骨格部に固定され、前記下部ケーシングに固定されていないことを特徴とする請求項1または2に記載のプリンタ。 - 前記分割された下部ケーシング間において、前記底板部は露呈し、
前記下部ケーシングによって、この露呈した底板部とプリンタ設置面との間に隙間が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のプリンタ。 - 前記底板部上には電源部が配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のプリンタ。
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2004
- 2004-10-22 JP JP2004308077A patent/JP2006116850A/ja not_active Abandoned
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2005
- 2005-10-21 CN CN 200510114416 patent/CN1762719A/zh active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009271464A (ja) * | 2008-05-12 | 2009-11-19 | Kyocera Mita Corp | 画像形成装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
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