JP2006114552A - 電子部品製造方法 - Google Patents

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JP2006114552A JP2004297781A JP2004297781A JP2006114552A JP 2006114552 A JP2006114552 A JP 2006114552A JP 2004297781 A JP2004297781 A JP 2004297781A JP 2004297781 A JP2004297781 A JP 2004297781A JP 2006114552 A JP2006114552 A JP 2006114552A
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Keiichi Yoshinaka
圭一 葭中
Yuji Sugiyama
雄二 杉山
Kazuhiko Yamano
和彦 山野
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Abstract

【課題】 高インダクタンス且つ低背のインダクタ等の電子部品を製造することができ、しかも、作業時の取り扱いが容易で且つ積層体形成過程で支持板とシートの間に剥がれが生じない電子部品製造方法を提供する。
【解決手段】 接着工程S1で、熱剥離性の接着剤又は光剥離性の接着剤を用いて、可撓性の高い軟質のシートを可撓性の低い硬質の支持板上に接着し、積層工程S2で、フォトリソグラフィ法により、シート上に絶縁層と導体層とを交互に積層してコイル体を内包した積層体を形成する。第1の剥離工程S3で、接着剤を加熱又は光照射することで、支持板をシートから剥離し、第2の剥離工程S4で、シートを積層体から剥離する。しかる後、ダイシング工程S5、焼成工程S6、端子電極形成工程S7を実行して、インダクタを完成させる。好ましくは、シート4及び支持板7をポリエチレンテレフタラートで形成する。
【選択図】図1

Description

この発明は、移動体通信機器等に使用されるインダクタ等の電子部品製造方法に関するものである。
従来、この種の電子部品製造方法には、インダクタ等の電子部品の高インダクタンス化を維持しつつその低背化を図るため、導体層と絶縁層とを、薄い軟質のシートの上に積層して積層体を形成した後、シートを積層体から剥離して、積層数が多く且つ低背な積層体を得るようにした技術がある(例えば、特許文献1)。
しかし、この技術では、積層体が薄い軟質のシートの上に形成されているため、作業時における運搬時や移動時の取り扱い際に、積層体とシートが容易に撓んで、積層体にひび割れやズレが生じるおそれがある。このため、かかる取り扱いには相当の注意と熟練とを要し、作業効率が非常に悪い。しかも、シートが薄いために、乾燥時にシートと積層体との間に熱膨張係数差による大きな歪みが発生して、アライメントマークが所期の位置からずれてしまうという問題も生じるおそれがある。
これに対して、厚い硬質のシートの上に導体層と絶縁層とを積層して、積層体を形成した後、シートを積層体から剥離して、所望の積層体を得るようにした技術がある(例えば、特許文献2)。
この技術では、厚い硬質のシートを使用するので、積層体とシートが容易に撓まない。このため、積層体にひび割れやズレを生じさせることなく、容易に取り扱うことができる。
しかし、この技術では、シートが厚くて硬質のため、シートを積層体から剥離する際に、大きな力をシートだけでなく積層体にも加えなければならず、積層体を剥離するときの外力で、積層体を破壊させたり変形させたりするおそれがある。
ところで、厚めで硬質の支持板の上に薄くて軟質のシートを仮接着し、この薄いシート上に、導体層と絶縁層とを積層した後、支持板をシートから剥離すると共に、シートを積層体から剥離して、所望の積層体を得るようにした技術がある(例えば、特許文献3)。
この技術では、厚めで硬質の支持板を使用するので、作業時における取り扱いが容易であり、しかも、支持板がシートに仮接着されているので、積層体が形成されたシートを小さな力で支持板から剥離することができる。そして、薄いシートを積層体から剥がすことで、所望のチップを得ることができる。すなわち、この技術は、厚い支持板の利点と薄いシートの利点の双方を利用したもので、上記2つの従来技術に比べて非常に優れているといえる。
特開2001−093731号公報 特開2003−234231号公報 特開平05−234808号公報
しかしながら、上記した従来の技術では、次のような問題がある。
インダクタ等の電子部品製造方法では、支持板に仮接着されたシート上にフォトリソグラフィ法により積層体を形成していく段階で、熱を加えて乾燥する過程等、支持板の熱収縮を発生させる過程が含まれる。
したがって、支持板が剛体のように熱収縮がほとんどない場合には、シートとシート上の積層体が大きく反るように収縮する。この収縮量は積層数が多いほど大きくなる。このとき、支持板とシートとの接着が強い場合には、シートや積層体の収縮による反りが接着力で抑えられる。しかしながら、この従来技術では、支持板をシートから容易に剥離することができるようにするため、支持板をシートに仮接着しており、支持板とシートとの接着は非常に弱い。このため、シートや積層体の収縮による反りを接着力で抑えることができず、シート上に積層体を形成していく過程で、シートが積層体と共に反り、薄いシートが支持板の端部から剥がれていく事態が生じるおそれがある。
また、支持板に熱収縮が発生する場合には、支持板自体がシートに対して反るように収縮するので、この場合にも、仮接着では、支持板がシートから剥がれる事態を抑えることができず、支持板がシートに対してカールするように反る。この結果、支持板がシートの端部から剥がれる事態が生じることがある。
この発明は、上述した課題を解決するためになされたもので、高インダクタンス且つ低背のインダクタ等の電子部品を製造することができ、しかも、作業時の取り扱いが容易で且つ積層過程で支持板とシートの間に剥がれが生じない電子部品製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の発明に係る電子部品製造方法は、可撓性の高い軟質のシートを、熱剥離性の接着剤又は光剥離性の接着剤を用いて、シートと熱膨張率がほぼ等しい材質で且つ可撓性の低い硬質の支持板の上に接着する第1工程と、シート上に絶縁層と導体層とを交互に複数積層して、電子回路を内包した積層体を形成する第2工程と、接着剤を加熱又は光照射することで、支持板をシートから剥離する第3工程と、シートを積層体から剥離する第4工程とを具備する構成とした。
かかる構成により、第1工程において、可撓性の高い軟質のシートが、熱剥離性の接着剤又は光剥離性の接着剤により、低い硬質の支持板の上に接着され、第2工程において、シート上に絶縁層と導体層とが交互に複数積層され、電子回路を内包した積層体が形成される。そして、第3工程において、支持板がシートから剥離され、第4工程において、シートが積層体から剥離される。
請求項2の発明は、請求項1に記載の電子部品製造方法において、ポリエステルにより、可撓性の高い軟質のシートを形成し、シートの倍以上の厚さを有するポリエステルにより、可撓性の低い硬質の支持板を形成した構成とする。
かかる構成により、シートと支持板の熱膨張率を完全に等しくすることができる。
請求項3の発明は、請求項2に記載の電子部品製造方法において、シートの厚さを、略50μm以下に設定し 支持板の厚さを、100以上に設定した構成とする。
請求項4の発明は、請求項1に記載の電子部品製造方法において、ポリエステルにより、可撓性の高い軟質のシートを形成し、アルミナ基板又はガラス基板のいずれかにより、可撓性の低い硬質の支持板を形成する構成とした。
かかる構成により、支持板の強度と熱伝導性が向上する。
請求項5の発明は、請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の電子部品製造方法において、ポリエステルは、ポリエチレンテレフタラートである構成とした。
請求項6の発明は、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電子部品製造方法において、第2工程は、シート上に感光性絶縁ペーストを塗布して、最下層の絶縁層を形成するための第1過程と、下に位置する絶縁層の上に感光性導体ペーストを塗布し、フォトリソグラフィ法により露光及び現像することで導体層としての配線パターンを形成するための第2過程と、感光性絶縁ペーストを下に位置する配線パターン上に塗布し、フォトリソグラフィ法により露光及び現像することで、当該配線パターンの一方端部を覗くビアホールを有した絶縁層を形成するための第3過程と、第2及び第3過程の繰り返し後における最上位に位置する配線パターン上に感光性絶縁ペーストを塗布して最上位の絶縁層を形成するための第4過程と を具備し、ビアホールを通じて、配線パターン同士をその積層方向に直列接続して電子回路である一のコイルを形成する構成とした。
以上詳しく説明したように、この発明の電子部品製造方法によれば、支持板が可撓性の低い硬質の材料で形成されているので、この支持板を持つことで、積層体にひび割れやズレを生じさせることなく、運搬及び移動させることができる。したがって、作業時の取り扱いが非常に容易であり、熟練者でなくとも容易に加工作業を行うことができる。
また、支持板とシートとの接着が仮接着でなく、熱剥離性の接着剤又は光剥離性の接着剤によって強固に接着されているので、第2工程における加熱等によって、シート及び積層体又は支持板が熱収縮で反った場合においても、シートと支持板とが剥がれることはない。
しかも、シートと支持板の熱膨張率がほぼ等しいので、熱収縮による反りもほとんど生じない。また、乾燥時の熱歪がほとんど生じないので、アライメントマークの位置ズレといった不具合がなくなる。特に、高精度な相対位置や位置合わせが要求されるフォトリソグラフィ法を用いる請求項6の発明において有効である。
ところで、第3工程に入った時点においては、支持板がシートに強固に接着されているので、可撓性の低い硬質の支持板を外力によってシートから剥がそうとすると、外力が積層体に加わって積層体を破壊したり変形させるおそれがある。しかし、接着剤として熱剥離性の接着剤又は光剥離性の接着剤を用いているので、支持板にこのような外力を加える必要がない。すなわち、接着剤を加熱又は光照射することで、支持板をシートから剥離することができるため、支持板剥離時における積層体の破壊や変形を確実に防止することができる。
また、熱剥離性の接着剤又は光剥離性の接着剤のいずれかを用いることで支持板をシートに接着することができるので、第3工程でシートや積層体に温度を加えることができない場合には、接着剤として光剥離性の接着剤を採用し、光照射することで、支持板を剥離することができ、適応性に優れ、非常に便利である。
また、積層体の耐熱温度(変形温度)に合った剥離温度を持つ熱剥離性接着剤を選定することで、第3工程を確実且つ短時間で終了させることができる。
特に、請求項2の発明によれば、シートと支持板の熱膨張率を完全に等しくすることができるので、支持板やシートの熱収縮による歪みや反りを確実に防止することができる。
また、請求項4の発明によれば、支持板の強度と熱伝導性を向上させることができるので、加熱温度時間が短縮し、その結果、加工時間の短縮化を図ることができる。また、各工程時において加熱温度上の制約を受ける場合においても、この支持板を用いることで、加工が可能となる。
さらに、請求項5の発明によれば、シートや支持板に、ポリエチレンテレフタラートという廉価な素材を使用するので、製造コストの低減化を図ることができる。
以下、この発明の最良の形態について図面を参照して説明する。
図1は、この発明の第1実施例に係る電子部品製造方法の工程を示すブロック図である。
この実施例の電子部品製造方法は、図1に示すように、第1工程としての接着工程S1と、第2工程としての積層工程S2と、第3工程としての第1の剥離工程S3と、第4工程としての第2の剥離工程S4と、ダイシング工程S5と、焼成工程S6と、端子電極形成工程S7とで構成される。
図2は、この第1実施例の電子部品製造方法で製造される電子部品の分解斜視図であり、図3は、コイル体を示すための電子部品の斜視図であり、図4は、図3の矢視A−A断面図である。
これらの図に示すように、この電子部品は、インダクタであり、電子回路としてのコイル体5を内包した積層体2と1対の端子電極3−1,3−2とを具備している。
積層体2は、図2に示すように、最下位の絶縁層40の上に、導体層としての配線パターン50〜53と他の絶縁層41〜43とを交互に積層し、最上位の配線パターン53を絶縁層44で保護した構造になっている。具体的には、絶縁層40〜44はガラス等の絶縁性材料で形成され、配線パターン50〜53は、銀等の導電性材料で形成されている。これらの絶縁層40〜44,配線パターン50〜53は、後述するフォトリソグラフィ法で形成されており、配線パターン50〜53がビアホール41a〜43a介して直列に接続されて、スパイラル状のコイル体5が絶縁層40〜44内に形成されている。かかる状態において、積層体2の外部に露出している部分は、配線パターン50の内部電極部50aと配線パターン53の内部電極53bのみである。
端子電極3−1,3−2は、図4に示すように、積層体2の両側面部にそれぞれ設けられ、配線パターン50,53の内部電極部50a,53bにそれぞれ接続されている。
インダクタ1がかかる構造をとることにより、その端子電極3−1,3−2を図示しない基板に実装することで、端子電極3−1,3−2を通じて、基板からの電流をコイル体5に通電させることができる。
この実施例の電子部品製造方法は、以上のような構造のインダクタ1を製造するためのもので、図1に示したように、接着工程S1と積層工程S2と第1の剥離工程S3と第2の剥離工程S4とダイシング工程S5と焼成工程S6と端子電極形成工程S7とを具備している。
接着工程S1は、シートを支持板上に接着する工程である。
図5は、接着工程S1を示す断面図である。
図5において、符号4がシートであり、符号6が、接着剤であり、符号7が支持板である。
シート4は、可撓性の高い軟質のシートであり、この実施例ではポリエステル系のポリエチレンテレフタラート(polyethyleneterephthalate)で形成されている。また、シート4は、4インチ角の大きさに設定され、その厚さは、50μmであり、非常に薄く設定されている。
一方、支持板7は、可撓性の低い硬質のシートである。この支持板7も、シート4と同じくポリエステル系のポリエチレンテレフタラートで形成され、シート4と同じ大きさに設定されている。したがって、支持板7はシート4と同一素材で形成されているので、その熱膨張率はシート4の熱膨張率と完全に等しい。ただし、支持板7の厚さが、シート4の倍の厚さである100μmに設定され、これにより、支持板7の可撓性が低められ、且つ、支持板7が硬質のものにされている。
接着剤6は、熱剥離性の接着剤であり、所定温度に加熱することで、その接着力が弱まる周知の接着剤である。
接着工程S1では、図5(a)に示すように、上記接着剤6が予め塗布されたシート4を支持板7上に載置し、シート4を支持板7に対して押圧することで、図5(b)に示すように、シート4を接着剤6を介して支持板7に接着する。
次に、積層工程S2を実行する。
積層工程S2は、シート4上に絶縁層と導体層とを交互に積層して、コイル体5を内包した積層体2を形成する工程である。
図6は積層工程S2の第1過程及び第2過程を示す断面図であり、図7は、積層工程S2の第3過程を示す断面図であり、図8は、積層工程S2の第4過程を示す断面図である。
積層工程S2においては、図6の(a)に示すように、まず、第1過程を実行する。
すなわち、ガラスを主成分とするネガ型の感光性絶縁ペースト40′を支持板7に接着されたシート4の上に印刷にて塗布する。そして、図6(b)に示すように、この感光性絶縁ペースト40′を紫外線Vで全面露光することにより、最下層の絶縁層40を形成する。
そして、第2過程を実行する。
すなわち、図6(c)に示すように、最下位の絶縁層40の上に、銀を主成分とするネガ型の感光性導体ペースト50′を印刷にて塗布する。そして、図6(d)に示すように、配線パターン50と同形の窓210aを有したマスク210を感光性導体ペースト50′の上方に配し、紫外線Vをマスク210を介して感光性導体ペースト50′上に照射する。しかる後、アルカリ溶液等で現像することで、図6(e)に示すように、所定形状の配線パターン50を得る。そして、乾燥させることで、現像液等を除去する。
次に、第3過程を実行する。
すなわち、図7(a)に示すように、配線パターン50上にネガ型の感光性絶縁ペースト41′を印刷にて塗布し、図7(b)に示すように、ビアホール41aに対応した部位のみを隠すマスク210を感光性絶縁ペースト41′の上方に配する。そして、紫外線Vをマスク210を介して感光性絶縁ペースト41′上に照射する。しかる後、アルカリ溶液等で現像することで、図7(c)に示すように、配線パターン50の端部50bに対応した部位にビアホール41aを有した絶縁層41を得る。そして、乾燥させることで、現像液等を除去する。
最後に、第4過程を実行する。
すなわち、図8(a)に示すように、第2過程と同様にして、下位の絶縁層41(42,43)の上にネガ型の感光性導体ペースト51′(52′,53′)を印刷にて塗布し、図8(b)に示すように、配線パターン51(52,53)と同形の窓210aを有したマスク210を介して、紫外線Vを感光性導体ペースト51′(52′,53′)上に照射する。そして、アルカリ溶液等で現像することで、図8(c)に示すように、一方端部51a(52a,53a)がビアホール41a(42a,43a)を通じて下位の配線パターン50(51,52)と接続したスパイラル状の配線パターン51(52,53)を得る。そして、各配線パターン51(52,53)を得た時点で乾燥させる。これと交互して、第3過程と同様に、下位の配線パターン51(52)上にネガ型の感光性絶縁ペースト42′(43′)を印刷にて塗布し、ビアホール42a(43a)に対応した部位のみを隠すマスクを介して、紫外線を感光性絶縁ペースト42′(43′)上に照射する。そして、アルカリ溶液等で現像することで、配線パターン51(52)の端部51b(52b)に対応した部位にビアホール42a(43a)を有した絶縁層42(43)を得る。そして、絶縁層42(43)を得た時点で乾燥させる。かかる第2過程と第3過程との繰り返しにより、図8(d)に示すように、最上位に配線パターン53を得るので、ネガ型の感光性絶縁ペーストをこの配線パターン53上に印刷にて塗布し、露光して、最上位の絶縁層44を形成する。これにより、複数の積層体2の集合体であるウエハ2′′がシート4上に形成され、積層工程S2が完了する。
そして、第1の剥離工程S3に移行する。
第1の剥離工程S3は、接着剤6を加熱することで、支持板7をシート4から剥離する工程である。
図9は、第1の剥離工程S3を示す斜視図である。
図9(a)に示すように、上記接着工程S1及び積層工程S2を経た状態では、シート4がウエハ2′′の下側に付き、支持板7がシート4の下側に接着剤6を介して接着されている。この第1の剥離工程S3では、かかる状態で、接着剤6に周囲から熱を加えて、所定温度まで加熱する。すると、接着剤6が発泡し、接着剤6の支持板7に対する接着力が弱まる。そこで、接着剤6の接着力がほぼ完全に弱まった時点で、図9(b)に示すように、支持板7をシート4から剥離する。
第1の剥離工程S3において、支持板7をシート4から剥離した後、第2の剥離工程S4を実行する。
第2の剥離工程S4は、シート4を積層体の集合体であるウエハ2′′から剥離する過程である。
図10は、第2の剥離工程S4を示す斜視図である。
シート4は、上記したように可撓性の高い軟質のシートであるので、図10に示すように、シート4をめくるだけで、ウエハ2′′から容易に剥離することができる。
そして、ダイシング工程S5、焼成工程S6、端子電極形成工程S7を順次実行して、チップ状のインダクタ1を完成させることができる。
図11は、ダイシング工程S5と焼成工程S6と端子電極形成工程S7とを示す概略図である。
まず、シート4と支持板7とが剥離されたウエハ2′′に対して、ダイシング工程S5を実行する。
すなわち、ウエハ2′′を、図11(a)に示すように、ダイシングソウ220でダイシングして、図11(b)に示すように、0.6×0.6×0.3mmあるいは0.4×0.4×0.2mm等のチップ状の未焼成積層体2′に分割する。
次に、そして、図11(c)に示すように、焼成工程S6を実行して、未焼成積層体2′を焼成して、積層体2を作成する。
続いて、図11(d)に示すように、積層体2の両端部を銀ペーストにディップした後、焼き付けを行って、端子電極3−1,3−2を形成する。
しかる後、図11の(e)に示すように、Ni,Cu,Sn等をこれらの端子電極3−1,3−2にメッキして、インダクタ1の製造を完了する。
次に、この実施例の電子部品製造方法が示す作用及び効果について説明する。
図5ないし図8に示した積層工程S2においては、フォトリソグラフィ法により、支持板7に接着されたシート4上に絶縁層40〜44と配線パターン50〜53とを交互に積層する作業が行われるが、この際、ウエハ2′′の運搬や移動が行われることがある。かかる場合に、可撓性の高い軟質なシート4がウエハ2′′に付いているだけである場合には、ウエハ2′′とシート4が容易に撓んで、ウエハ2′′にひび割れやズレが生じるおそれがある。しかし、この実施例では、シート4を可撓性の低い硬質の支持板7に接着してあるので、運搬等の際には、この硬質の支持板7を持つことができる。このため、支持板7が運搬等の際に撓むことはなく、ウエハ2′′にひび割れやズレが生じることはない。したがって、作業時の取り扱いが非常に容易であり、熟練者でなくとも容易に作業を行うことができる。
また、シート4と支持板7に、ポリエチレンテレフタラートという廉価な素材を使用しているので、原料コストの低減化を図ることができる。
また、この積層工程S2においては、絶縁層40〜44や配線パターン50〜53等の各層を形成した後、乾燥により現像液等を除去する作業を行う必要ある。このため、乾燥時の加熱や乾燥後の冷却によって、絶縁層40〜44,配線パターン50〜53及びシート4が熱収縮すると共に、支持板7も熱収縮する。この結果、これらの熱膨張率に差があると、シート4が反って支持板7から剥がれようとしたり、支持板7がカールして、シート4から剥がれるおそれがある。したがって、熱剥離性の接着剤の中から、乾燥時等の加熱温度よりも高い剥離温度を持つ接着剤を接着剤6として選択しておくことで、積層工程S2における加熱時においても、接着剤6が支持板7とシート4とを強固に接着し続ける。この結果、支持板7とシート4との接着状態が維持され、シート4や支持板7が剥がれることはない。
特に、この実施例では、支持板7をシート4と同一素材のポリエチレンテレフタラートで形成してあるので、支持板7の膨張率はシート4の膨張率と完全に等しい。したがって、熱膨張率の差によるシート4や支持板7の熱歪がほとんど生じないので、シート4や支持板7の反り等は発生せず、この面からもシート4や支持板7の剥離防止の完全化が図られている。この結果、積層工程S2の作業中におけるアライメントマークの位置ズレといった不具合もなくなる。
また、図9に示した第1の剥離工程S3において、接着剤6に周囲から熱を加え、所定温度まで加熱して、接着剤6の支持板7に対する接着力をほぼ完全に弱めた時点で、支持板7をシート4から剥離するので、この剥離時におけるウエハ2′′の破壊や変形を確実に防止することができる。
さらに、ウエハ2′′の耐熱温度(変形温度)に合った剥離温度を持つ熱剥離接着剤を接着剤6として選定することで、第1の剥離工程S3を確実且つ短時間で終了させることもできる。例えば、180°Cの熱剥離温度で変形してしまう配線パターン50〜53や絶縁層40〜44を用いる場合には、180°C剥離タイプの接着剤6の代わりに、150°C剥離タイプ等、熱剥離温度の異なる接着剤6を用いることができる。
発明者等は、かかる効果を実証すべく、次のような実験を行った。
まず、上記実施例と同素材のシート4と支持板7とを用いて、上記実施例と同条件かで、接着工程S1〜第2の剥離工程S4を実行し、100枚のウエハ2′′を作成したところ、不良率は0%であった。これに対して、従来方法のごとく、支持板7を用いずにシート4上にウエハ2′′を形成した場合の不良率は、60%にも達した。
また、配線パターン50〜53の線幅/線厚を100μm/100μmに設定し、積層工程S2時等における熱歪みによる変化量を測定したところ、この実施例の方法では、101μm/101μmであったのに対し、単一のシート4上にウエハ2′′を形成する従来の方法では、110μm/110μmであり、変形量が非常に大きかった。なお、積層工程S2における乾燥温度は60°Cに設定した。
さらに、接着剤6として熱剥離シート「リバアルファ」(商品名)の180°Cタイプを用い、上記実施例と同条件において、接着工程S1〜第2の剥離工程S4を実行し、第1の剥離工程S3において、接着剤6を180°Cで加熱したところ、接着剤6が発泡して接着力が弱まり、支持板7をシート4から簡単に剥離することができ、支持板7の剥離によるウエハ2′′のひび割れ等は発生しなかった。なお、この場合においても、積層工程S2における乾燥温度は60°Cに設定した。
次に、この発明の第2実施例について説明する。
この実施例の電子部品製造方法では、シート4として、ポリエステル系のポリエチレンテレフタラートで形成したシートを用いるが、支持板7として、ガラス基板を用いた点が上記第1実施例と異なる。
具体的には、厚さの300μmのガラス基板を採用し、積層工程S2における乾燥温度を60°Cから100°Cに上げて加工するようにした。
かかる構成により、加工時間の短縮化を図ることができる。
すなわち、上記第1実施例のごとく、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂製シートを支持板7として用い、乾燥温度を60°C以上にすると、支持板7が大きくカールしてシート4から剥がれるおそれがある。しかし、ガラス基板の場合には、耐熱強度と熱伝導性が良いので、60°以上の温度を加えても、変形しない。したがって、かかるガラス基板を支持板7として採用することで、乾燥温度を高めることができ、この結果、積層工程S2の加工時間を短縮することができる。
例えば、ポリエチレンテレフタラート等の樹脂製シートを支持板7として用いた場合には、最高温度60°Cに制限され、現像液等を除去するための乾燥時間を30分も要する。これに対して、この実施例のごとく、ガラス基板を支持板7として採用し、乾燥温度を100°Cに高めることで、その乾燥時間を10分に短縮することができる。すなわち、乾燥時間を66%も短縮することができる。
その他の構成,作用及び効果は上記第1実施例と同様であるので、その記載は省略する。
次に、この発明の第3実施例について説明する。
この実施例の電子部品製造方法では、接着剤6として、光剥離性の接着剤を用いる点が上記第1及び第2実施例と異なる。
すなわち、接着工程S1において、光照射で接着力が弱まる光剥離性の接着剤6を用いて、支持板7をシート4に接着し、第1の剥離工程S3において、この接着剤6に光照射することで、支持板7をシート4から剥離する。
ウエハ2′′やシート4の耐熱温度との関係で、第1の剥離工程S3において、当該耐熱温度以上の温度を加えることができない場合がある。かかる場合には、熱剥離性の接着剤を接着剤6として採用することができないので、この実施例のごとく、光剥離性の接着剤を接着剤6として採用することで、支持板7のシート4への接着とシート4からの剥離とが可能となる。
その他の構成,作用及び効果は上記第1及び第2実施例と同様であるので、その記載は省略する。
なお、この発明は、上記実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
例えば、上記実施例では、 シート4や支持板7をポリエステル系のポリエチレンテレフタラートを用いて形成したが、ポリエステル系に含まれる各種の樹脂を用いて、シート4や支持板7を形成しても良いことは勿論である。
また、上記第2実施例では、支持板7として耐熱性に優れたガラス基板を採用して、加工時間の短縮化を図ったが、支持板7として、アルミナ基板を用いても同様の効果を得ることができる。
この発明の第1実施例に係る電子部品製造方法の工程を示すブロック図である。 この第1実施例の電子部品製造方法で製造される電子部品の分解斜視図である。 コイル体を示すための電子部品の斜視図である。 図3の矢視A−A断面図である。 接着工程を示す断面図である。 積層工程の第1過程及び第2過程を示す断面図である。 積層工程の第3過程を示す断面図である。 積層工程の第4過程を示す断面図である。 第1の剥離工程を示す斜視図である。 第2の剥離工程を示す斜視図である。 ダイシング工程と焼成工程と端子電極形成工程とを示す概略図である。
符号の説明
1…インダクタ、 2…積層体、 3−1,3−2…端子電極、 4…シート、 5…コイル体、 6…接着剤、 7…支持板、 40〜44…絶縁層、 50〜53…配線パターン、 S1…接着工程、 S2…積層工程、 S3…第1の剥離工程、 S4…第2の剥離工程、 S5…ダイシング工程、 S6…焼成工程、 S7…端子電極形成工程。

Claims (6)

  1. 可撓性の高い軟質のシートを、熱剥離性の接着剤又は光剥離性の接着剤を用いて、上記シートと熱膨張率がほぼ等しい材質で且つ可撓性の低い硬質の支持板の上に接着する第1工程と、
    上記シート上に絶縁層と導体層とを交互に複数積層して、電子回路を内包した積層体を形成する第2工程と、
    上記接着剤を加熱又は光照射することで、上記支持板を上記シートから剥離する第3工程と、
    上記シートを上記積層体から剥離する第4工程と
    を具備することを特徴とする電子部品製造方法。
  2. 請求項1に記載の電子部品製造方法において、
    ポリエステルにより、上記可撓性の高い軟質のシートを形成し、
    上記シートの倍以上の厚さを有するポリエステルにより、上記可撓性の低い硬質の支持板を形成した、
    ことを特徴とする電子部品製造方法。
  3. 請求項2に記載の電子部品製造方法において、
    上記シートの厚さを、50μm以下に設定し上記支持板の厚さを、100μm以上に設定した、
    ことを特徴とする電子部品製造方法。
  4. 請求項1に記載の電子部品製造方法において、
    ポリエステルにより、上記可撓性の高い軟質のシートを形成し、
    上記アルミナ基板又はガラス基板のいずれかにより、上記可撓性の低い硬質の支持板を形成する、
    ことを特徴とする電子部品製造方法。
  5. 請求項2ないし請求項4のいずれかに記載の電子部品製造方法において、
    上記ポリエステルは、ポリエチレンテレフタラートである、
    ことを特徴とする電子部品製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電子部品製造方法において、
    上記第2工程は、
    上記シート上に感光性絶縁ペーストを塗布して、最下層の上記絶縁層を形成するための第1過程と、
    下に位置する絶縁層の上に感光性導体ペーストを塗布し、フォトリソグラフィ法により露光及び現像することで上記導体層としての配線パターンを形成するための第2過程と、
    感光性絶縁ペーストを下に位置する配線パターン上に塗布し、フォトリソグラフィ法により露光及び現像することで、当該配線パターンの一方端部を覗くビアホールを有した絶縁層を形成するための第3過程と、
    上記第2及び第3過程の繰り返し後における最上位に位置する配線パターン上に感光性絶縁ペーストを塗布して最上位の絶縁層を形成するための第4過程と
    を具備し、
    上記ビアホールを通じて、上記配線パターン同士をその積層方向に直列接続して上記電子回路である一のコイルを形成する、
    ことを特徴とする電子部品製造方法。
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