JP2006111919A - 成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 組成が均一で優れた特性の弗化マグネシウム膜を形成でき、耐熱性の低い基板にも弗化マグネシウム膜を形成でき、他の材料との混合膜模も容易に形成すること。
【解決手段】 真空槽10内に配置された基板2上に膜を成膜する成膜方法であって、少なくともマグネシウム或いは弗化マグネシウムからなるターゲット3をスパッタすることで、該ターゲットの材料を基板2上に堆積させる堆積工程と、基板2に弗素系ガスを導入する工程、又は、基板2に対して弗素系イオンを照射する工程のうち少なくともどちらか一方を行うことで、基板2上に堆積したターゲット材料を弗化する弗化工程とを備え、堆積工程と弗化工程とを順次繰り返すことで、少なくとも弗化マグネシウム層を1層形成する成膜方法を提供する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、反射防止膜や反射膜や光学フィルタ等の光学薄膜の成膜方法に関する。
これまで、低屈折率光学材料である弗化マグネシウムは、一般的に蒸着法により成膜されてきた。近年、光学膜がスパッタにより成膜されるようになったが、弗化マグネシウムを一般的なスパッタにより成膜すると、弗素の乖離が発生する。そのため吸収が多い膜が形成されてしまい、光学膜としての利用が困難であった。
これに対して、特許文献1に記載されている金属弗化物膜の形成方法によると、金属ターゲットをDCスパッタした後、基板加熱及び弗素ガス導入を行うことにより、金属弗化物膜を形成している。
特開平7−197251号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されている方法では、まず、ある程度の膜厚の金属膜、或いは金属弗化物膜を基板上に形成(実施例では110nm)する工程と、その後、基板を加熱する工程と弗素ガスを導入して弗化させる工程とを設けている。この方法によると、最表面に近い部分では十分な弗化が生じる。しかしながら、深さ方向において、弗化の割合が低下して、組成が不均一になり易いという懸念がある。そのため、近年要求されている高精度な光学特性では問題となる。
また、加熱する工程を利用しているので、プラスチック等耐熱性の低い基板には適用できないという問題があった。
また、近年、混合膜により任意の屈折率を有する膜を形成して、これまでにない特性を有した光学膜を形成するというニーズがあるが、上記特許文献1に記載されている方法では、まず所望の膜厚の弗化マグネシウム膜を形成してから弗化させているので、その状態からさらに別の材質のものとの混合物を容易に形成することは不可能である。
この発明は、上記課題を考慮してなされたものであり、その目的は、組成が均一で優れた特性の弗化マグネシウム膜を形成でき、耐熱性の低い基板にも弗化マグネシウム膜を形成でき、他の材料との混合膜模も容易に形成できる弗化マグネシウム膜の成膜方法を提供することである。
上記の目的を達成するために、この発明は以下の手段を提供している。
請求項1に係る発明は、真空槽内に配置された基板上に膜を成膜する成膜方法であって、少なくともマグネシウム或いは弗化マグネシウムからなるターゲットをスパッタすることで、該ターゲットの材料を前記基板上に堆積させる堆積工程と、前記基板に弗素系ガスを導入する工程、又は、前記基板に対して弗素系イオンを照射する工程のうち少なくともどちらか一方を行うことで、前記基板上に堆積したターゲット材料を弗化する弗化工程とを備え、前記堆積工程と前記弗化工程とを順次繰り返すことで、少なくとも弗化マグネシウム層を1層形成する成膜方法を提供する。
この発明に係る成膜方法においては、少なくともマグネシウム或いは弗化マグネシウムからなるターゲットと、弗素系ガスを導入する或いは弗素系イオンを照射する工程(機構)とを有している。
まず、マグネシウム或いは弗化マグネシウムからなるターゲットをスパッタして基板上にマグネシウム膜或いは弗化マグネシウム膜を形成する堆積工程を行う。膜厚としては、1nm以下といった極薄い膜である。1nm以上でも不可能ではないが、膜厚が厚くなるにつれて弗化に時間がかかったり、不均質になりやすくなるといった現象が発生する。
続いて、上記弗素系ガスを導入或いは上記弗素系イオンを照射して、基板上に形成したマグネシウム膜或いは弗化マグネシウム膜を弗化する弗化工程を行う。極薄い膜であるので、加熱なしで容易に弗化できる。こうした成膜と弗化の工程とを順次繰り返し行い、所望の膜厚になるまで実施して基板上に弗化マグネシウム膜を成膜する方法である。
本発明では、このようにして形成された弗化マグネシウム膜を少なくとも1層含み、弗化マグネシウム層形成の前後に、他の手法により膜を形成するか、或いは、他の手法による膜と繰り返し成膜する等の多層構成の膜を形成可能とする成膜方法である。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の成膜方法において、前記ターゲットを前記真空槽内と断熱して配置する配置工程を備えている成膜方法を提供する。
この発明に係る成膜方法においては、少なくとも弗化マグネシウムからなるターゲットと、弗素系ガスを導入或いは弗素系イオンを照射する工程(機構)とを有している。そして、弗化マグネシウムのターゲットは、弗化マグネシウムからなるターゲットと、バッキングプレートとの間に断熱部材を有する構造をなす配置工程とを有している。
まず、弗化マグネシウムからなるターゲットを、酸素を含むガスでスパッタして基板上に弗化マグネシウム膜を形成する堆積工程を行う。膜厚としては、1nm以下といった極薄い膜である。1nm以上でも不可能ではないが、膜厚が厚くなるにつれて弗化に時間がかかったり、不均質になりやすくなるといった現象が発生する。
続いて、上記弗素系ガスを導入或いは上記弗素系イオンを照射して、基板上に形成した弗化マグネシウム膜を弗化する弗化工程を行う。極薄い膜であるので、加熱なしで容易に弗化できる。こうした成膜と弗化の工程とを順次繰り返し行い、所望の膜厚になるまで実施して基板上に弗化マグネシウム膜を成膜する方法である。
本発明では、弗化マグネシウムからなるターゲットと、バッキングプレートとの間に断熱部材を有する構成が特徴である。断熱材によってスパッタにおいて弗化マグネシウムターゲット表面を高温に保つことができる。
本発明では、このようにして形成された弗化マグネシウム層を少なくとも1層含み、上記弗化マグネシウム層形成の前後に、他の手法により膜を形成、或いは、他の手法のよる膜と繰り返し成膜する等の多層構成の膜を形成可能とする成膜方法である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の成膜方法において、前記ターゲットとは材料の異なる第2のターゲットをスパッタすることで、該第2のターゲットの材料から形成される膜を前記基板上に堆積させる第2の堆積工程を備えている成膜方法を提供する。
この発明に係る成膜方法においては、少なくともマグネシウム或いは弗化マグネシウムからなるターゲットと、弗素系ガスを導入或いは弗素系イオンを照射する工程(機構)と、他の材料からなる第2のターゲットとを有している。第2のターゲットとしては、TiO、Ta、Nb、ZrO、AL、AL、Si、SiO、LaF、ALF、SmF、CeF等からなるターゲット、或いは、それらの混合物ターゲットがある。
まず、マグネシウム或いは弗化マグネシウムからなるターゲットをスパッタして基板上にマグネシウム膜或いは弗化マグネシウム膜を形成する堆積工程を行う。膜厚としては、1nm以下といった極薄い膜である。1nm以上でも不可能ではないが、膜厚が厚くなるにつれて弗化に時間がかかったり、不均質になりやすくなるといった現象が発生する。
続いて、上記弗素系ガスを導入或いは上記弗素系イオンを照射して、基板上に形成したマグネシウム膜或いは弗化マグネシウム膜を弗化する弗化工程を行う。極薄い膜であるので、加熱なしで容易に弗化できる。こうした成膜と弗化の工程とを順次繰り返し行い、所望の膜厚になるまで実施して基板上に弗化マグネシウム膜を成膜する。
その後、第2のターゲットをスパッタして、基板上に第2のターゲットの材料からなる膜の形成を行う第2の堆積工程を行う。第2のターゲットにおいては、極薄い膜を順次繰り返すことによって成膜しても良いし、連続して成膜しても良い。また、反応性スパッタによりターゲット材料とは組成の異なる膜を形成することも可能である。
なお、他の材料からなる第3のターゲットを配置して、同様にして第3のターゲットをスパッタしてなる層を加えた多層膜の成膜も容易である。また、第2のターゲットと第3のターゲットとの混合膜を形成することも容易である。
本発明では、このようにして形成された弗化マグネシウム層を少なくとも1層含み、上記弗化マグネシウム層形成の前後に、他の手法により膜を形成、或いは、他の手法による膜と繰り返し成膜する等の多層構成の膜を形成する成膜方法である。
請求項4に係る発明は、真空槽内に配置された基板上に膜を成膜する成膜方法であって、少なくともマグネシウム或いは弗化マグネシウムからなるターゲットをスパッタすることで、該ターゲットの材料を前記基板上に堆積させる堆積工程と、前記基板に弗素系ガスを導入する工程、又は、前記基板に対して弗素系イオンを照射する工程のうち少なくともどちらか一方を行うことで、前記基板上に堆積したターゲット材料を弗化する弗化工程と、前記ターゲットとは材料の異なる第2のターゲットをスパッタすることで、該第2のターゲットの材料から形成される膜を前記基板上に堆積させる第2の堆積工程とを備え、前記堆積工程と前記第2の堆積工程と前記弗化工程とを順次繰り返すことで、少なくとも弗化マグネシウムの混合物層を1層形成する成膜方法を提供する。
この発明に係る成膜方法においては、少なくとも弗化マグネシウムからなるターゲットと、弗素系ガスを導入或いは弗素系イオンを照射する工程(機構)と、弗化マグネシウムからなるターゲットと独立に基板に成膜することが可能な第2のターゲットとを有してる。
第2のターゲットとしては、例えば、TiO、Ta、Nb、ZrO等、或いは、それらの混合物といった高屈折率材料からなっている。なお、上記弗化マグネシウムのターゲットは、弗化マグネシウムからなるターゲットと、バッキングプレートとの間に断熱部材を有する構造であっても構わない。
まず、上記弗化マグネシウムからなるターゲットをスパッタして、基板上に弗化マグネシウム膜を形成する堆積工程を行う。膜厚としては、1nm以下といった極薄い膜である。1nm以上でも不可能ではないが、膜厚が厚くなるにつれて弗化に時間がかかったり、不均質になりやすくなるといった現象が発生する。
続いて、弗素系ガスを導入する或いは弗素系イオンを照射して、基板上に形成した弗化マグネシウム膜を弗化する弗化工程を行う。極薄い膜であるので、加熱なしで容易に弗化できる。そして、さらに第2のターゲットをスパッタして基板上に第2のターゲットから膜を形成する第2の堆積工程を行い基板上に成膜する。第2のターゲットをスパッタして形成される膜は、やはり膜厚が1nm以下といった極薄い膜であり、層を形成する前の状態であり、弗化マグネシウムとの混合膜といえる状態である。
このようにして極薄い弗化マグネシウム膜との混合膜を形成する。こうした工程を順次繰り返し行い、所望の膜厚になるまで実施して基板上に弗化マグネシウム膜との混合膜を成膜する方法である。
本発明では、このようにして形成された弗化マグネシウム層の混合物膜を少なくとも1層含み、弗化マグネシウム混合物膜形成の前後に、他の手法により膜を形成、或いは、他の手法による膜と繰り返し成膜する等多層構成の膜を形成可能とする成膜方法である。
本発明に係る成膜方法によれば、弗化マグネシウム膜の成膜と弗化の工程を順次繰り返し行うことにより、光学薄膜として組成が均一な弗化マグネシウム膜をスパッタにより形成することができる。
また、基板の加熱を用いないので、プラスチック等耐熱性の低い基板にも良好な弗化マグネシウム膜をスパッタにより形成することができる。
また、他の高屈折率材料ターゲットによる成膜と弗化マグネシウム膜成膜とを順次成膜を繰り返して、容易混合膜をスパッタで形成することができる。
次に、本発明係る成膜方法の第1実施形態を、図1から図3を参照して説明する。
本実施形態の成膜方法は、薄膜成膜装置1を利用して基板2上に膜を成膜する方法であって、少なくともマグネシウム或いは弗化マグネシウムからなる弗化マグネシウムターゲット(ターゲット)3をスパッタすることで、該弗化マグネシウムターゲット3の材料を基板2上に堆積させる堆積工程と、基板2に弗素系ガスを導入する工程、又は、基板2に対して弗素系イオンを照射する工程のうち少なくともどちらか一方を行うことで、基板2上に堆積したターゲット材料を弗化する弗化工程とを備え、堆積工程と弗化工程とを順次繰り返すことで、少なくとも弗化マグネシウム層を1層形成する方法である。
また、本実施形態の成膜方法は、上記弗化マグネシウムターゲット3とは材料の異なるTiOターゲット(第2のターゲット)4及びALターゲット(第2のターゲット)5をスパッタすることで、これら各ターゲットの材料から形成される膜を基板2上に堆積させる第2の堆積工程を備えている。
また、上記堆積工程と上記第2の堆積工程と上記弗化工程とを順次繰り返すことで、少なくとも弗化マグネシウムの混合物膜を1層形成することも可能である。
上述した各工程は、後に詳細に説明する。
上記薄膜成膜装置1は、図1及び図2に示すように、チャンバー(真空槽)10の内部に上記弗化マグネシウムターゲット3、上記TiOターゲット4及び上記ALターゲット5が、それぞれバッキングプレート11、バッキングプレート12、バッキングプレート(不図示)上に設置され、そしてイオンガン13が設置され、防着板14によってそれぞれ仕切られている。
この防着板14は、図3に示すように、側面防着板14a及び上部防着板14bからなっていて、側面防着板14aは弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13をそれぞれ空間的に仕切っている。具体的には、側面防着板14aがチャンバー10の底面及び側壁に隙間なく接合され、上部防着板14bがチャンバー10の側壁に隙間なく接合されている。
また、上部防着板14bには、弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13の上部に位置する部分に、それぞれ開口部15a、開口部15b、開口部15c、開口部15dの円状の4つの開口部15がある。被成膜対象物である上記基板2は、これを保持するホルダ16に搭載されていて、ホルダ16は回転板17に搭載されている。回転板17は、上部防着板14bの上方にあり、上部より支持されていて、チャンバー10の中心を同軸に矢印Aの方向に回転する機構(不図示)が設けられている。
なお、回転板17と上部防着板14bとの距離は、回転中の衝突防止のために5mm程度あって、弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13の空間は完全に独立していない。しかしながら、後述するように個別のガス導入量を設定することにより、概ね独立した雰囲気をつくりだすことができる。
また、弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13は、チャンバー10の中心と同心円上に位置していて、回転板17の回転動作により基板2が、弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13の略中心部上方を回動する位置関係になっている。
弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13には、それぞれ電力を印加する電源20、電源21、電源(不図示)、電源22がチャンバー10の外に配備され、それぞれ電気的に接続されている。
また、図2に示すように、弗化マグネシウムターゲット3側のチャンバー10の中心側には、アルゴンガス供給管25及び酸素ガス供給管26がある。同様に、TiOターゲット4側のチャンバー10の中心側には、アルゴンガス供給管27及び酸素ガス供給管28がある。また、同様に、ALターゲット5側のチャンバー10の中心側には、アルゴンガス供給管(不図示)及び酸素ガス供給管(不図示)がある。それぞれのガス配管からスパッタの際のスパッタガスや反応ガスを供給することができる。
また、図2に示すように、弗化マグネシウムターゲット3の上方には、シャッター30が配置されている。シャッター30には、開口部と遮蔽部が設けられている。そして、遮蔽部で、弗化マグネシウムターゲット3の上方を覆うようになっている。そして、シャッター30は、弗化マグネシウムターゲット3の上方で回動して、成膜時に、開口部をフッ化マグネシウムターゲット3の上方に位置する。これにより、弗化マグネシウムターゲット3の上面を開放する。
同様に、TiOターゲット4の上方には、シャッター31が配置されている。シャッター31には、開口部と遮蔽部が設けられている。そして、遮蔽部で、TiOターゲット4の上方を覆うようになっている。そして、シャッター31は、TiOターゲット4の上方で回動して、成膜時に、開口部をTiOターゲット4の上方に位置する。これにより、TiOターゲット4の上面を開放する。
また、同様に、ALターゲット5の上方には、シャッター(不図示)が配置されている。このシャッターには、開口部と遮蔽部が設けられている。そして、遮蔽部で、ALターゲット5の上方を覆うようになっている。そして、シャッターは、ALターゲット5の上方で回動して、成膜時に、開口部をALターゲット5の上方に位置する。これにより、ALターゲット5の上面を開放する。
更に、同様に、イオンガン13の上方には、シャッター(不図示)が配置されている。
このシャッターには、開口部と遮蔽部が設けられている。そして、遮蔽部で、イオンガン
13の上方を覆うようになっている。そして、シャッターは、イオンガン13の上方で回
動して、成膜時に、開口部をイオンガン13の上方に位置する。これにより、イオンガン
13の上面を開放する。
弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13が設置されている各領域それぞれのチャンバー10側壁には、真空計35、真空計36、真空計(不図示)、真空計(不図示)が設置されていて、各領域内の真空度を計測することができる。チャンバー10の外部には、チャンバー10内部を真空引きするための粗引きポンプ37と高真空ポンプ38が設けられていて、配管がチャンバー10に接続されている。
このように構成された薄膜成膜装置1により、基板2に成膜を行う場合について以下に説明する。
まず、ガラスからなる基板2をホルダ16に搭載して、ホルダ16を回転板17に取り付ける。粗引きポンプ37及び高真空ポンプ38を動作させて、チャンバー10内部が所定の圧力(例えば、8×10−5Pa)になるまで真空引きする。このとき、各シャッターは、閉じた状態である。次に、回転する機構(不図示)により、回転板17を矢印Aの方向に毎分80回転させる。なお、50回転以上の速さで回転させることにより、複数の材料を利用した場合、複数の材料を混合させた状態で、基板2上にこれらを堆積させることができる。即ち、複数の材料が、それぞれ個別の層として堆積することがない。よって、複数の材料からなる混合膜を、形成することができる。
その後、弗化マグネシウム成膜の準備として、真空計35において、5×10−1Paになるように、アルゴンガス供給管25からアルゴンガスを導入する。続いて、電源20より400Wの高周波電力を印加して、弗化マグネシウムターゲット3上にプラズマを発生させる。シャッター30を閉めたまま、その状態を3分維持して、弗化マグネシウムターゲット3にクリーニングスパッタを実施する。
一方、イオンガン13には、内部に弗素系ガスを導入し、電源22より13.56MHz、350Wの高周波電力を印加して、弗素イオンの照射を開始する。
そして、シャッター30及びイオンガン13の上方に配されたシャッター(不図示)を、不図示の駆動装置で動作させ、同時に開ける。これにより、弗化マグネシウムターゲット3からプラズマによって弾き飛ばされた弗化マグネシウムが開口部15aを通過して、回転中の基板2表面に到達して弗化マグネシウムが堆積し(堆積工程)、その後、イオンガン13から放出された弗素イオンが回転中の基板2表面に到達して、基板2を弗化させる(弗化工程)。
こうして、弗化マグネシウムの堆積と弗化とを繰り返し、基板2上に弗化マグネシウム膜が形成される。所定時間終了後、シャッター30及びイオンガン13の上方に配されたシャッター(不図示)を閉じ、アルゴンガス導入を終了することにより、成膜が終了する。このようにして、弗化マグネシウム層が形成された基板2が得られる。
なお、本実施形態の成膜方法は、上述した単層膜に限らない。例えば、基板2に弗化マグネシウム膜を形成した後、真空計36において8×10−1Paになるように、TiOターゲット4側のアルゴンガス供給管27からアルゴンガスを導入し、さらに、真空計36において9×10−1Paになるように、酸素ガス供給管28から酸素ガスを導入する。続いて、電源21より500WのRF電力を印加して、TiOターゲット4上にプラズマを発生させる。シャッター31を閉めたまま、その状態で2分維持して、TiOターゲット4にクリーニングスパッタを実施する。それからシャッター31を開けて、TiOターゲット4からプラズマによって弾き飛ばされたTiOが開口部15bを通過して、回転中の基板2表面に到達してTiOが堆積する(第2の堆積工程)。
こうして、基板2上にTiO膜が形成される。所定時間終了後、シャッター31を閉じ、アルゴンガス及び酸素ガスの供給を終了することにより、成膜が終了する。そのようにして、基板2上に弗化マグネシウム膜とTiO膜からなる2層膜が得られる。
なお、このような工程を繰り返すことによって、弗化マグネシウムとTiO膜からなる多層膜を容易に形成することができる。
また、ALターゲット5を用いて、真空計(不図示)において5×10−1Paになるように、アルゴンガス供給管(不図示)からアルゴンガスを導入し、真空計(不図示)において8×10−1Paになるように、酸素ガス供給管28から酸素ガスを導入する。そして、電源(不図示)より450WのDC電力を印加して、ALターゲット5上にプラズマを形成する。そして、シャッター(不図示)を閉めたまま3分間維持して、ALターゲット5上にクリーニングスパッタを実施する。
それからシャッター(不図示)を開ける。このとき、プラズマによってALターゲット5から、ALが弾き飛ばされている。この弾き飛ばされたALが、開口部15cを通過して、酸素ガスと反応しながら回転中の基板2表面に到達する。この結果、基板2の表面に、ALが堆積する。こうして、基板2上に低屈折率の弗化マグネシウムや高屈折率のTiOだけでなく、中間屈折率のALからなる多層膜も形成することができる。
さらにいえば、弗化マグネシウムターゲット3をスパッタして、弗素イオンを照射して基板2上に弗化マグネシウム膜を形成する工程(堆積工程)と、TiOターゲット4をスパッタして、基板2上にTiO膜を形成する工程(第2の堆積工程)とを同時に行うことにより、基板2上に弗化マグネシウムとTiOからなる混合膜を形成することができる。この場合、印加する電力や導入するガス量を変化させることにより、弗化マグネシウムとTiOとの混合割合を変化させることができる。これにより、弗化マグネシウムの屈折率1.38からTiOの屈折率2.3までの間の屈折率を有する膜(混合物層)を基板2上に形成することができる。
なお、酸素を含むガスでスパッタを行うと、弗素の乖離を抑えることができる。そのため、吸収の少ない膜を、基板上に形成することができる。即ち、効率が良くなり、成膜速度を速くすることができる。
次に、本発明に係る成膜方法の第2実施形態を、図1及び図3から図5を参照して以下に説明する。
本実施形態の成膜方法は、弗化マグネシウムターゲット3をチャンバー10内と断熱して配置する配置工程を備えている。これについては、後に詳細に説明する。
本実施形態の薄膜成膜装置1は、図1及び図4に示すように、チャンバー10の内部に弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13が設置され、防着板14によってそれぞれ仕切られている。そして、本実施形態では、図4に示すように、弗化マグネシウムターゲット3は断熱板40を介してバッキングプレート11上に設置されている。また、TiOターゲット4及びALターゲット5は、それぞれバッキングプレート12及びバッキングプレート(不図示)上に設置されている。
防着板14は、図3に示すように、側面防着板14a及び上部防着板14bからなっていて、側面防着板14aは弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13をそれぞれ空間的に仕切っている。
具体的には、側面防着板14aは、チャンバー10の底面及び側面に隙間がなく接合され、上部防着板14bは、チャンバー10の側壁に隙間なく接合されている。また、上部防着板14bには、弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13の上部に位置する部分にそれぞれ開口部15a、開口部15b、開口部15c、開口部15dの円状の4つの開口部15がある。
被成膜対象物である基板2は、これを保持するホルダ16に搭載されていて、ホルダ16は回転板17に搭載されている。回転板17は、上部防着板14bの上方にあり、上部より支持されていて、チャンバー10の中心を同軸に矢印Aの方向に回転する機構(不図示)が設けられている。
なお、回転板17と上部防着板14bとの距離は、回転中の衝突防止のために5mm程度あって、弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13の空間は完全に独立していない。しかしながら、後述するように個別のガス導入量を設定することにより、概ね独立した雰囲気をつくりだすことができる。
また、弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13は、チャンバー10の中心と同心円上に位置していて、回転板17の回転動作により基板2が弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13の略中心上方を回動する位置関係になっている。
弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13には、それぞれ電力を印加する電源20、電源21、電源(不図示)、電源22がチャンバー10の外に配備され、それぞれ電気的に接続されている。また、図4に示すように、弗化マグネシウムターゲット3側のチャンバー10の中心側には、アルゴンガス供給管25及び酸素ガス供給管28がある。同様に、TiOターゲット4側のチャンバー10の中心側には、アルゴンガス供給管27及び酸素ガス供給管28がある。また同様に、ALターゲット5側のチャンバー10の中心側には、アルゴンガス供給管(不図示)及び酸素ガス供給管(不図示)がある。それぞれのガス配管からスパッタの際のスパッタガスや反応ガスを供給することができる。
また、図4に示すように、弗化マグネシウムターゲット3の上方には、シャッター30があり、弗化マグネシウムターゲット3の上方を覆うようになっていて、成膜時には弗化マグネシウムターゲット3の上方から回動して弗化マグネシウムターゲット3の上面を開放する機構になっている。同様に、TiOターゲット4の上方には、シャッター31があり、TiOターゲット4の上方を覆うようになっていて、成膜時にはTiOターゲット4の上方から回動してTiOターゲット4の上面を開放する機構になっている。
また、同様に、ALターゲット5の上方には、シャッター(不図示)があり、ALターゲット5の上方を覆うようになっていて、成膜時にはALターゲット5の上方から回動してALターゲット5の上面を開放する機構になっている。
更に同様に、イオンガン13の上方には、シャッター(不図示)があり、イオンガン13の上方を覆うようになっていて、成膜時にはイオンガン13の上方から回動してイオガンの上面を開放する機構になっている。
弗化マグネシウムターゲット3、TiOターゲット4、ALターゲット5及びイオンガン13が設置されている各領域それぞれのチャンバー10側壁には、真空計35、真空計36、真空計(不図示)、真空計(不図示)が設置されていて、各領域内の真空度を計測することができる。チャンバー10の外部には、チャンバー10内部を真空引きするための粗引きポンプ37と高真空ポンプ38とが設けられていて、配管がチャンバー10に接続されている。
また、本実施形態の薄膜成膜装置1には、図4及び図5に示すように、弗化マグネシウムターゲット3及びシャッター30の上方で、開口部15aの下方に開口部調節機構50が設置されていて、スパッタによりターゲット材料が通過可能な開口部51を備える一対の遮蔽板52a、52bと、開口部51の開口面積を可変に設定可能な駆動機構53とを備えている。
また、TiOターゲット4、シャッター31の上方で、開口部15bの下方に開口部調節機構60が設置されていて、スパッタにより各ターゲット材料が通過可能な開口部61を備える一対の遮蔽板62a、62bと開口部61の開口面積を可変に設定可能な駆動機構63とを備えている。
そして、ALターゲット5、シャッター(不図示)の上方で、開口部15cの下方に開口部調節機構(不図示)が設置されていて、スパッタにより各ターゲット材料が通過可能な開口部(不図示)を備える一対の遮蔽板(不図示)と、開口部(不図示)の開口面積を可変に設定可能な駆動機構(不図示)とを備えている。
図5において、2つの矢印Bは成膜時の回転により、それぞれのターゲット及び開口部調節機構50、60上を基板2が通過するときの軌跡を示している。図5に示すように、開口部調節機構50は、一対の遮蔽板52a、52bをお互いに近接又は離間可能に相対移動させる駆動機構53を有している。駆動機構53は、図5に示すように、一対の遮蔽板52a、52bの一端部を取り付けて、それぞれ直線運動可能にするガイド部材54a、54bと、ボールネジ55a、55bを所定の速度で回転駆動させるサーボモータ56a、56bとを備えている。
また、駆動機構53は、一対の遮蔽板52a、52bの閉口位置を確認する位置センサー57を備えている。これら位置センサー57は、一対の遮蔽板52a、52bの一端部に設けられた突起58と閉口状態の際に接触して各遮蔽板52a、52bの当該位置を原点位置として電気的に検出するものである。
同様に、開口部調節機構60においても、一対の遮蔽板62a、62bをお互いに近接又は離間可能に相対移動させる駆動機構63を有している。駆動機構63は、図5に示すように、一対の遮蔽板62a、62bの一端部を取り付けて、それぞれ直線運動可能にするガイド部材64a、64bと、ボールネジ65a、65bを所定の速度で回転駆動させるサーボモータ66a、66bとを備えている。
また、駆動機構63は、一対の遮蔽板62a、62bの閉口位置を確認する位置センサー67を備えている。これら位置センサー67は、一対の遮蔽板62a、62bの一端部に設けられた突起68と閉口状態の際に接触して各遮蔽板62a、62bの当該位置を原点位置として電気的に検出するものである。
さらに同様に、ALターゲット5の上方に配された開口部調節機構(不図示)において、一対の遮蔽板(不図示)をお互いに近接又は離間可能に相対移動させる駆動機構(不図示)を有している。駆動機構(不図示)は、図5に示す駆動機構53と同様に一対の遮蔽板(不図示)の一端部を取り付けて、それぞれ直線運動可能にするガイド部材(不図示)と、ボールネジ(不図示)を所定の速度で回転駆動させるサーボモータ(不図示)とを備えている。
また、駆動機構(不図示)は、一対の遮蔽板(不図示)の閉口位置を確認する位置センサー(不図示)を備えている。これら位置センサー(不図示)は、一対の遮蔽板(不図示)の一端部に設けられた突起(不図示)と閉口状態の際に接触して各遮蔽板(不図示)の当該位置を原点位置として電気的に検出するものである。
このように構成された薄膜成膜装置1により、基板2上に成膜を行う場合について、以下に説明する。
まず、ガラスからなる基板2をホルダ16に搭載して、ホルダ16を回転板17に取り付ける。粗引きポンプ37及び高真空ポンプ38を動作させて、チャンバー10内部が所定の圧力(例えば、6×10−5Pa)になるまで、真空引きをする。このとき、各シャッターは閉じた状態である。
次に、回転する機構(不図示)により、回転板17を矢印Aの方向に毎分100回転させる。なお、50回転以上の速さで回転させることにより、複数の材料を利用した場合、層として堆積させることなく、混合して基板2上に堆積させることができる。
その後、弗化マグネシウム成膜の準備として、酸素ガス供給管26から酸素ガスを真空計35において、6×10−5Paになるように導入する。続いて、電源20より450Wの交流電力を印加して、弗化マグネシウムターゲット3上にプラズマを発生させる。シャッター30を閉めたまま、その状態を3分維持して、弗化マグネシウムターゲット3にクリーニングスパッタを実施する。
一方、イオンガン13には内部より弗素系ガスを導入しながら、電源22より13.56MHz、350Wの高周波電力を印加して、弗素イオンの照射を開始する。
そして、シャッター30及びイオンガン13の上方に配されたシャッター(不図示)を、不図示の駆動装置を動作させて同時に開ける。これにより、弗化マグネシウムターゲット3からプラズマによって弾き飛ばされた弗化マグネシウムが、開口部15aを通過して、回転中の基板2表面に到達して弗化マグネシウムが堆積し(堆積工程)、その後イオンガン13から放出された弗素イオンが回転中の基板2表面に到達して、基板2を弗化させる(弗化工程)。
こうして、弗化マグネシウムの堆積と弗化とを繰り返し、基板2上に弗化マグネシウム膜が形成される。所定時間終了後、シャッター30及びイオンガン13の上方に配されたシャッター(不図示)を閉じ、酸素ガス導入を終了することにより、成膜が終了して、弗化マグネシウム層が形成された基板2が得られる。
本実施形態においては、弗化マグネシウムターゲット3とバッキングプレート11との間に断熱板40が設けられていて(配置工程)、弗化マグネシウムターゲット3の表面温度は高い状態に保たれる。これにより、弗化マグネシウムターゲット3の表面において、熱エネルギーによって蒸着にあたるエネルギーを照射した場合の加熱状態と似た状態となり、それによって、弗化マグネシウムが飛散している。プラズマによるスパッタと合わせて、多くの弗化マグネシウムが飛散することにより成膜速度が向上する。
また、他の効果として、通常のスパッタだけによる飛散よりも弗素の乖離が少なくなるという特徴があり、そのため吸収が少なくなるので、より良質な光学特性が得られる。
なお、本実施形態の成膜方法は、上記の単層膜に限られない。例えば、基板2に弗化マグネシウム膜を形成した後、TiOターゲット4側のアルゴンガス供給管27からアルゴンガスを真空計36において9×10−1Paになるように導入し、さらに酸素ガス供給管28から酸素ガスを導入して真空計36において9.5×10−1Paになるように導入する。
続いて、電源21より500Wの電力を印加して、TiOターゲット4上にプラズマを発生させる。シャッター31を閉めたまま、その状態で2分維持して、TiOターゲット4にクリーニングスパッタを実施する。それからシャッター31を開けて、TiOターゲット4からプラズマによって弾き飛ばされたTiOが開口部15bを通過して、回転中の基板2表面に到達してTiOが堆積する(第2の堆積工程)。
こうして、基板2上にTiO膜が形成される。所定時間終了後、シャッター31を閉じ、アルゴンガス及び酸素ガスの供給を終了することにより、成膜が終了する。そのようにして、基板2上に、弗化マグネシウム膜とTiO膜とからなる2層膜が得られる。
なお、このような工程を繰り返すことによって、弗化マグネシウムとTiOからなる多層膜を容易に形成することができる。また、ALターゲット5を用いて、アルゴンガス供給管(不図示)から真空計(不図示)において6.5×10−1Paになるようにアルゴンガスを導入し、酸素ガス供給管(不図示)から真空計(不図示)において9.5×10−1Paになるように酸素ガスを導入し、電源(不図示)より400WのDC電力を印加して、ALターゲット5上にプラズマを形成して、シャッター(不図示)を閉めたまま3分維持して、ALターゲット5にクリーニングスパッタを実施する。
それから、シャッター(不図示)を開けて、ALターゲット5からプラズマによって弾き飛ばされたALが開口部15cを通過して、酸素ガスと反応しながら回転中の基板2表面に到達してALが堆積する(第2の堆積工程)。こうして、基板2上に弗化マグネシウムやTiOだけでなく、ALからなる膜も形成することができる。
さらにいえば、弗化マグネシウムターゲット3をスパッタして、弗素イオンを照射して基板2上に弗化マグネシウム膜を形成する工程(堆積工程)と、TiOターゲット4をスパッタして、基板2上にTiO膜を形成する工程(第2の堆積工程)とを同時に行うことにより、基板2上に弗化マグネシウムとTiOからなる混合膜を形成することができる。この場合、印加する電力や導入するガス量を変化させることにより、弗化マグネシウムとTiOとの混合割合を変化させることができる。
本実施形態においては、弗化マグネシウムターゲット3上の開口部51及びTiOターゲット4上の開口部61を調整することにより、より簡易に混合割合を調整することができる。開口部51は所定の幅となるようにサーボモータ56a、56bをそれぞれ駆動してボールネジ55a、55bを回転させて、ガイド部材54a、54bに沿って一対の遮蔽板52a、52bをそれぞれ直線運動させる。このとき、開口部51の開口面積の確認は、上記原点位置に対して駆動した各サーボモータ56a、56bの駆動量により図示しないエンコーダで位置確認しながら行う。
本実施形態では、開口幅をかえることにより、成膜速度をリニアに制御することができる。比較として、ガス条件調整して成膜速度を制御する方法の場合、ガス条件と成膜速度とがリニアな関係でなかったり、少なからず隣のターゲットのガス条件を変化させてしまい、隣のターゲットの条件を改めて設定する必要があるといったところがある。
また、印加条件を調整して、成膜速度を制御する場合、印加条件と成膜速度とがリニアな関係にある領域がそれほど広いわけでなく、印加を上げているうちに急に成膜速度が上がったり、また、印加を下げているとプラズマが不安定になったりする。
本実施形態のように、ガス条件も含めて安定したプラズマの状態を維持したまま開口幅を変更することだけで成膜速度を変更することができるので、容易に条件設定ができ、混合膜を成膜する場合、容易に安定した混合割合の成膜を実施することができる。
これにより、弗化マグネシウムの屈折率1.38からTiOの屈折率2.3までの間の任意の屈折率を有する膜を基板2上に容易に安定して形成することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本発明に係る第1実施形態の成膜方法で利用する薄膜成膜装置を、各ターゲットの上方から見た図である。 図1に示す薄膜成膜装置の側方断面図である。 図1及び図2に示す薄膜成膜装置の防着板の斜視図である。 本発明に係る第2実施形態の成膜方法で利用する薄膜成膜装置の側方断面図である。 図4に示す薄膜成膜装置の開口部調節機構を上方から見た図である。
符号の説明
1 薄膜成膜装置
2 基板
3 弗化マグネシウムターゲット(ターゲット)
4 TiOターゲット(第2のターゲット)
5 ALターゲット(第2のターゲット)
10 チャンバー(真空槽)



Claims (4)

  1. 真空槽内に配置された基板上に膜を成膜する成膜方法であって、
    少なくともマグネシウム或いは弗化マグネシウムからなるターゲットをスパッタすることで、該ターゲットの材料を前記基板上に堆積させる堆積工程と、
    前記基板に弗素系ガスを導入する工程、又は、前記基板に対して弗素系イオンを照射する工程のうち少なくともどちらか一方を行うことで、前記基板上に堆積したターゲット材料を弗化する弗化工程とを備え、
    前記堆積工程と前記弗化工程とを順次繰り返すことで、少なくとも弗化マグネシウム層を1層形成することを特徴とする成膜方法。
  2. 請求項1記載の成膜方法において、
    前記ターゲットを前記真空槽内と断熱して配置する配置工程を備えていることを特徴とする成膜方法。
  3. 請求項1又は2記載の成膜方法において、
    前記ターゲットとは材料の異なる第2のターゲットをスパッタすることで、該第2のターゲットの材料から形成される膜を前記基板上に堆積させる第2の堆積工程を備えていることを特徴とする成膜方法。
  4. 真空槽内に配置された基板上に膜を成膜する成膜方法であって、
    少なくともマグネシウム或いは弗化マグネシウムからなるターゲットをスパッタすることで、該ターゲットの材料を前記基板上に堆積させる堆積工程と、
    前記基板に弗素系ガスを導入する工程、又は、前記基板に対して弗素系イオンを照射する工程のうち少なくともどちらか一方を行うことで、前記基板上に堆積したターゲット材料を弗化する弗化工程と、
    前記ターゲットとは材料の異なる第2のターゲットをスパッタすることで、該第2のターゲットの材料から形成される膜を前記基板上に堆積させる第2の堆積工程とを備え、
    前記堆積工程と前記第2の堆積工程と前記弗化工程とを順次繰り返すことで、少なくとも弗化マグネシウムの混合物層を1層形成することを特徴とする成膜方法。


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