JP2006111094A - 車両用ステアリングシステム - Google Patents

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昌彦 大川
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謙二 今村
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Abstract

【課題】 車両用ステアリングシステムの実用性を向上させる。
【解決手段】 ステアリングコラム10の車体の一部からの離脱に要する荷重を変更する離脱荷重低減機構260と、衝撃エネルギ吸収装置110が発生させる衝撃エネルギ吸収荷重(EA荷重)を変更するEA荷重変更機構280との両者を備えるステアリングシステムにおいて、それら両者の機構を共用のアクチュエータであるシリンダ装置240によって駆動させる。シリンダ装置240においては、内部に固体薬剤である火薬を備えさせ、着火により発生する高圧気体の圧力によって、ピストン244を移動させる。上記2つの機構を含んで構成することから、効果的な衝撃緩和が可能である。また、それら2つの機構を共通の駆動源によって駆動させることから、システムの構造が比較的単純であり、その点において実用性の高いステアリングシステムとなる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、車両用ステアリングシステムに関し、詳しくは、車両衝突時における運転者のステアリング操作部材への二次衝突に対処するための機構に特徴を有するステアリングシステムに関する。
一般的な車両用ステアリングシステムは、車両衝突に依拠するステアリング操作部材(例えば、ステアリングホイール等)への運転者の二次衝突に対処するための各種機構を備えている。多くのステアリングシステムでは、それらの機構の1つとして、車体の一部(例えば、インストゥルメントパネルのリインフォースメント)に固定支持されたステアリングコラム(以下、単に「コラム」という場合がある)が、その車体の一部から離脱することを許容する機構を備え、また、別の機構として、離脱したコラムの移動に伴う衝撃エネルギ吸収荷重を発生させて衝撃エネルギを吸収する衝撃エネルギ吸収装置を備える。この衝撃エネルギ吸収装置に関して、下記特許文献に記載された技術が存在する。効果的な衝撃緩和の観点からすれば、衝撃エネルギ吸収装置による衝撃エネルギの吸収量は二次衝突の衝撃の大きさに対応するものであることが望ましく、そのことを考慮して、下記特許文献に記載された技術では、衝撃エネルギ吸収荷重を変更可能とされている。
特開2002−79944号公報 特開2003−276544号公報
衝撃エネルギ吸収装置による衝撃エネルギの吸収は、車体の一部からコラムが離脱した後に行われるが、車体の一部からのコラムの離脱に関する機能も効果的な衝撃緩和に対して大きく影響する。例えば、コラムが離脱するために要する荷重は、衝撃エネルギ吸収荷重として機能し得ることから、離脱に要する荷重も二次衝突の衝撃の大きさに対応するものであることが望ましい。また、離脱のタイミングも重要であり、例えば、特許文献1に記載された技術のように、エアバッグの展開に必要な空間を確保するために、強制的にコラムを離脱させて車両前方へ退避移動させること(以下、「引込」という場合がある)も望ましい技術の1つである。つまり、衝撃エネルギ吸収装置の衝撃エネルギ吸収荷重を変更することと、コラムの離脱に関する機能を調節することとの両者を行うことにより、より効果的な衝撃緩和が可能となるのである。上記特許文献1に記載の技術ではその両者が行われており、効果的な衝撃緩和という点で、一歩進んだステアリングシステムが実現されている。
ところが、上記特許文献1に記載の技術では、衝撃エネルギ吸収荷重を変更させる機構と、コラムを引き込ませる機構との両者が、互いに異なる駆動源によって駆動されるものとされており、それら2つの機構を作動させる際に、2つの駆動源を個々に作動させなければならない。つまり、2つの駆動源を有することにより、上記特許文献1に記載の技術は、ステアリングシステムの構造が複雑なものとなっており、実用性という観点において、改善の余地を残すものとなっている。本発明は、そのような実情に鑑みてなされたものであり、実用性の高いステアリングシステムを提供することを課題とする。
本発明のステアリングシステムは、上記課題を解決するために、コラムの車体の一部からの離脱に要する荷重を変更する機構とコラムを強制離脱させる機構との少なくとも一方の機構と、衝撃エネルギ吸収装置が発生させる衝撃エネルギ吸収荷重を変更する機構との両者を備えるステアリングシステムにおいて、それら両者の機構を共用のアクチュエータによって駆動させることを特徴とする。
本発明のステアリングシステムは、コラムの車体の一部からの離脱に関する機能を調節可能な機構と、衝撃エネルギ吸収荷重を変更する機構との2つの機構を含んで構成されることから、効果的な衝撃緩和が可能なシステムであり、また、それら2つの機構が共通の駆動源によって駆動されることから、システムの構造が比較的単純であり、その点において実用性の高いステアリングシステムとなる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。本願発明を含む概念である。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、それらの発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(1)が請求項1に相当し、(2)項と(3)項とを合わせたものが請求項2に、(5)項と(6)項とを合わせたものが請求項3に、(8)項が請求項4に、(10)項と(11)項とを合わせたものが請求項5に、(12)項と(14)項とを合わせたものが請求項6に、それぞれ相当する。
(1)ステアリング操作部材を一端部において操作可能に保持するステアリングコラムと、
前記ステアリング操作部材に加わる衝撃に対する前記ステアリングコラムの車体の一部からの設定された離脱方向への離脱を許容する離脱許容機構を備えて、そのステアリングコラムを車体の一部に固定支持させるコラム支持装置と、
車体の一部から離脱した前記ステアリングコラムの移動に伴う衝撃エネルギ吸収荷重を発生させて、前記ステアリング操作部材に加わる衝撃のエネルギを吸収する衝撃エネルギ吸収装置と、
(a)前記離脱許容機構の離脱荷重を低減させる離脱荷重低減機構と(b)前記ステアリングコラムを車体の一部から強制的に離脱させる強制離脱機構との少なくとも一方の機構と、
前記衝撃エネルギ吸収装置によって発生させられる前記衝撃エネルギ吸収荷重を変更する衝撃エネルギ吸収荷重変更機構と、
前記少なくとも一方の機構と前記エネルギ吸収荷重変更機構との両者を駆動する共用のアクチュエータと
を含んで構成された車両用ステアリングシステム。
本項の態様のステアリングシステムは、簡単に言えば、離脱荷重許容機構と強制離脱機構との少なくとも一方の機構と、衝撃エネルギ吸収装置による衝撃エネルギ吸収荷重(以下、「EA荷重」という場合がある)を変更する機構との両者を、共用のアクチュエータによって駆動するように構成されたステアリングシステムである。本項の態様のシステムは、コラムの車体の一部からの離脱に関する機能を調節可能な機構と、EA荷重を変更するエネルギ吸収荷重変更機構(以下、「EA荷重変更機構」という場合がある)との2つの機構を含んで構成されることから、効果的な衝撃緩和が可能となり、また、それら2つの機構が共通の駆動源によって駆動されることから、システムの構造を比較的単純化することが可能となる。それら利点を有することから、本項の態様のステアリングステムは実用性の高いステアリングシステムとなる。
本項の態様における「ステアリング操作部材(以下、単に「操作部材」という場合がある)」は、ステアリングホイールがその代表的なものであるが、ステアリングホイールに限定されるものではなく、いわゆるハンドルと呼ばれるような種々の形状のものが含まれる。本項における「ステアリングコラム」も、操作部材を操作可能に保持するとともに車体の一部に支持されるものであればよく、その形状,構造が限定されるものではない。具体的には、一端部に操作部材が固定して取り付けられたステアリングシャフト(以下、単に「シャフト」という場合がある)と、そのシャフトを回転可能に保持するステアリングチューブ(以下、単に「チューブ」という場合がある)とを含んで構成されるものを採用することが可能である。
本項にいう「コラム支持装置」は、通常のステアリング操作に支障をきたさないようにコラムを車体の一部に支持させるものとされることが望ましい。先に述べたシャフトとチューブとを含んで構成されるコラムの場合、具体的には、コラムに設けられたブラケットと、インストゥルメントパネル(以下、「インパネ」という場合がある)のリインフォースメント(以下、「インパネR/F」という場合がある)に設けられた支持部と、それらブラケットと支持部とを連結,締結等する部材を含む構成のものとすることが可能である。
本項にいう「離脱許容機構」は、コラムの車体の一部からの離脱を許容するものであるが、コラムの全体の離脱を許容するものに限定されない。例えば、後に説明するように、コラムが伸縮等可能なものとされており、コラムの一部のみの車体の一部からの離脱を許容するような構成のものであってもよい。つまり、本項の記載における「コラムの車体の一部からの離脱」とは、コラムの一部の離脱をも含む概念であり、同様に、本明細書におけるコラムの移動とは、コラムの一部分の移動をも含む概念である。また、「離脱許容機構」は、操作部材に加わる衝撃によってコラムを離脱可能とする機構である。「離脱方向」は特に限定されるものではなく、例えば、一般的な離脱方向であるコラムの自身の軸線方向への離脱を許容するような構造のものであってもよい。
上記「離脱許容機構」は、コラムにある程度の荷重が作用した場合に、コラムの車体の一部からの離脱が許容される機構であり、言い方を換えれば、衝撃によってコラムに作用する荷重が設定された離脱荷重を超えた場合に、コラムの離脱を許容する機構である。ここでいう「離脱荷重」とは、離脱許容機構において離脱に要する荷重であるが、本項においては、離脱方向にある大きさの荷重が作用してコラムが離脱する場合におけるその大きさの荷重をもって定義される荷重である。例えば、衝撃の加わる方向によりコラムの離脱が阻害される場合もあり、その場合においては、衝撃力の離脱方向の成分が離脱荷重を超える場合であってもコラムが離脱しない場合もあり得るのである。
本項にいう「離脱荷重低減機構」は、上記定義される離脱荷重の大きさを小さくするような機構であり、その離脱荷重が0となるように低減させるものも含まれる。なお、本項における離脱荷重低減機構は、後に説明する強制離脱機構と異なり、実質的にコラムを移動させることなく離脱荷重を低減させる機構を意味する。
本項にいう「強制離脱機構」は、上記離脱荷重低減機構とは異なり、コラムの実質的な移動を伴うように離脱させる機構を意味する。コラムの離脱のための移動の方向は、特に限定されるものではなく、上記離脱許容機構によって許容される離脱方向と一致するものであってもよく、その方向とは異なる方向であってもよい。強制離脱機構は、その具体的な構成が特に限定されるものではない。強制離脱における移動は、実質的に離脱する最小限の距離の移動であってもよく、また、いわゆるコラムの引込のように、比較的長い距離の移動であってもよい。
本項の態様は、離脱荷重低減機構と強制離脱機構との少なくとも一方を含んで構成される態様であり、いずれか一方のみを含む態様であってもよく、また、それらの両者を含む態様であってもよい。なお、以下、離脱荷重低減機構および強制離脱機構は、いずれもコラムの離脱を担保することを目的とするものであることから、本明細書では、以下、それらを総称して、「離脱担保機構」と呼ぶことにする。
本項にいう「衝撃エネルギ吸収装置」は、具体的な構成が特に限定されるものではない。例えば、後に説明する変形部材の変形に要する力をEA荷重として発生させるような構成のものでもよく、また、コラムが伸縮可能なものとされている場合、その伸縮部において摩擦力が発生するように構成し、その摩擦力がEA荷重とされる構造のものとすることもできる。同様に、本項にいう「エネルギ吸収荷重変更機構」も、その構成が特に限定されるものではなく、衝撃エネルギ吸収装置の構成に応じて適切な機構を採用すればよい。EA荷重変更機構は、上記離脱担保機構とともに作動させられるものであることから、作動によってEA荷重を低減させるものであることが望ましい。その場合、EA荷重を0に低減するものであってもよく、0ではない荷重値に低減するものであってもよい。なお、本項に記載の態様は、衝撃エネルギ吸収装置を2以上備える態様を排除するものではない。例えば、複数の衝撃エネルギ吸収装置を備え、そのうちの1以上のもののEA荷重を変更するようなEA荷重変更機構を備える態様も、本項の態様に含まれるのである。
本項にいう「アクチュエータ」は、上記離脱担保機構とEA荷重変更機構との両者を駆動する駆動源として機能するものである。本アクチュエータによって両機構が作動させられるタイミングは、必ずしも同時である必要はなく、一方の機構を作動させた後に、他方の機構を作動させるものであってもよい。アクチュエータは、その構成が特に限定されるものではなく、離脱担保機構,EA荷重変更機構の構成に応じて、種々の構成のものを採用することが可能である。具体的には、電動モータを含んで構成されたもの、電磁式ソレノイドを含んで構成されたもの、流体圧によって作動するように構成されたもの等、種々の構成のものの中から適切なものを選択して採用することができる。なお、本項に記載の態様は、複数のアクチュエータを備えた態様を排除するものではない。両機構に共用されるアクチュエータを1以上含んで構成される態様であれば、本項に記載の態様に含まれるのである。
(2)前記アクチュエータが、設定された作動条件を充足する場合に作動するものとされ、当該ステアリングシステムが、作動条件を充足する状態を検知するための作動条件充足状態検知器を含んで構成された(1)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、上記離脱担保機構およびEA荷重変更機構の作動の有無が決定される際に利用可能な検知器を含んで構成されたステアリングシステムである。本項に記載の態様によれば、作動条件の充足によるアクチュエータの作動、つまり、両機構の機構の作動を効率的に行うことができる。なお、本項における「作動条件充足状態検知器」は、後に説明するような制御装置を含んで構成されるシステムにおいてのみ有効に機能するというものではない。つまり、上記検知器は、電気的な信号を発するものに限定されるものではなく、機械的なトリガとして機能するようなものも含まれる。例えば、トリガとしての検知器の動作に連動してアクチュエータが作動するように構成された態様も、具体的に言えば、検知器の検知動作が機械的に伝達されてアクチュエータが作動するように構成された態様も、本項に記載の態様に含まれるのである。
(3)前記作動条件充足状態検知器が、
前記作動条件が充足されるために必要な状態として、運転者がシートベルトを着用している状態を検知するシートベルト着用検知器を備えた(2)項に記載の車両用ステアリングシステム。
車両衝突時に運転者が操作部材に二次衝突する際の衝撃の大きさは、運転車のシートベルトの着用の有無によって異なる。運転者がシートベルトを着用している場合は、シートベルトによって運転者の有する運動エネルギがある程度吸収されるため、二次衝突の際の衝撃、つまり操作部材に加わる衝撃は比較的小さいものとなる。逆に、シートベルトを着用していない場合は、その衝撃は比較的大きいものとなる。二次衝突の衝撃エネルギを効果的に吸収する場合、その衝撃の大きさに応じて離脱荷重,EA荷重を変更することが望ましい。詳しく言えば、離脱荷重も二次衝突の衝撃エネルギを吸収するための荷重となり得ることから、運転者に与える衝撃を比較的小さいものとするためには、操作部材に加わる衝撃が小さい場合は、大きい場合に比較して、離脱荷重,EA荷重ともに低減させることが望ましいのである。
本項に記載の態様は、シートベルト着用検知器を備える態様であり、本項の態様によれば、車両の衝突時に、その検知器によってシートベルトを着用していることを検知した場合に、アクチュエータを作動させて上記離脱担保機構,EA荷重変更機構をともに作動させ、離脱荷重,EA荷重をともに低減させることが可能となる。したがって、本項の態様は、シートベルトの着用の有無に応じて、効果的な衝撃吸収が可能な態様となる。
本項に記載の「シートベルト着用検知器」は、その構造が特に限定されるものではないが、例えば、シーベルトのバックルの部分に着用・非着用に応じて作動するスイッチを含んで構成されるもの、シートベルトが引き出されている量により着用・非着用を判断するもの等、種々の態様のものを採用することが可能である。なお、シートベルト着用検知器と車両衝突検知器とを含んで作動条件充足状態検知器を構成し、車両が衝突したことと、シートベルトを着用していることとの両方の条件が充足した場合に作動条件が充足されたものとして、離脱担保機構を作動させるような態様で実施することも可能である。
(4)当該ステアリングシステムが、前記作動条件充足状態検知器からの情報に基づいて前記アクチュエータの作動を制御する制御装置を含んで構成された(2)項または(3)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様には、簡単に言えば、電気的,電子的な制御によって、アクチュエータを作動させて上記離脱担保機構,EA荷重変更機構をともに作動させるような態様が含まれる。本項に記載の「制御装置」は、リレー等によって構成されるものであってもよく、また、コンピュータを主体として構成されるものであってもよい。
(5)当該ステアリングシステムが、前記少なくとも一方の機構として少なくとも前記離脱荷重低減機構を含んで構成された(1)項ないし(4)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、離脱担保機構として上記離脱荷重低減機構を備えた態様である。本項に記載のステアリングシステムでは、離脱荷重低減機構により、離脱荷重を低減させることで、例えば、シートベルトを着用している等によって操作部材に加わる衝撃が小さい場合等において、運転者に与える衝撃を効果的に抑制することが可能である。
(6)前記コラム支持装置が、それぞれが前記ステアリングコラムと車体の一部との各々に設けられて互いに締結される2つの被締結部材と、それら2つの被締結部材が設定された締結力によって締結される状態でそれら2つの被締結部材を締結する締結手段とを備え、少なくともその締結力によって生じる摩擦力に依拠して離脱荷重が決定されるとともにその離脱荷重を上回る荷重が作用する場合に2つの被締結部材の相対移動が許容される構造によって前記離脱許容機構が構成されており、
前記離脱荷重低減機構が、前記締結力を減少させることで離脱荷重を低減させる構造とされた(5)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、簡単に言えば、コラム支持装置が、摩擦力によってコラムを固定保持するものとされ、その摩擦力によって定まる離脱荷重を超える荷重が作用した場合にコラムの離脱を許容する構造とされており、離脱許容機構がその摩擦力を減少させて離脱荷重を低減する構造とされた態様である。本項の態様は、コラム支持装置および離脱荷重低減機構の構造が簡便であるという利点を有する。本項に記載のコラム支持装置には、例えば、2つの被締結部材の各々に、互いに向かい合う面を設け、それらの面が接する状態であるいはそれらの間に何らかの介装部材を介装させた状態で、それら2つの被締結部材を、ボルト・ナット等の締結手段によって締結させる態様が含まれる。
(7)前記コラム支持装置が、前記2つの被締結部材の間あるいは前記2つの被締結部材の一方と前記締結手段との間に介装させられた介装部材を備え、前記離脱荷重低減機構が、前記介装部材の少なくとも一部を前記2つの被締結部材の間から抜き出すことによって前記締結力を減少させるものである(6)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、締結手段の状態を変化させることなく締結力を減少可能な態様の一態様である。具体的には、例えば、ボルト・ナット等の締結手段によって締結される2つの被締結部材の間にスペーサを介在させ、そのスペーサを抜き出すように構成された態様が含まれる。本項に記載の態様は、介装部材を抜き出すことにより離脱荷重を0に低減することも可能であり、また、0ではない大きさの離脱荷重に低減することも可能である。後者は、例えば、コラム支持装置を、第1介装部材である前記介装部材の他に、その第1介装部材の少なくとも一部を抜き出した状態において2つの被締結部材に対して弾性変形させられた状態となる介装部材である第2介装部材(例えば、樹脂製のもの等)を備えるように構成することによって実現可能である。
なお、本項に記載の態様ではないが、採用し得る離脱荷重低減機構の態様として、A)締結手段による締結を緩めることによって締結力を減少させる態様、B)コラム支持装置が、コラムと車体の一部との両者と係合する状態においてコラムの車体の一部からの離脱時に破断する破断部材を備え、少なくともその破断部材の破断に要する破断力に依拠して離脱荷重が決定されるとともにその離脱荷重を上回る荷重が作用する場合に前記ステアリングコラムの離脱が許容されるように構成された場合において、コラムと車体の一部との少なくとも一方と破断部材との係合を解除することで離脱荷重を低減させるような態様等の、種々の態様を挙げることができる。
(8)当該ステアリングシステムが、前記少なくとも一方の機構として少なくとも前記強制離脱機構を含んで構成され、その強制離脱機構が、前記ステアリングコラムを前記離脱方向に設定距離移動させる機構とされた(1)項ないし(7)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、離脱担保機構として上記強制離脱機構を備えた態様である。本項に記載のステアリングシステムによれば、強制離脱機構によってコラムが移動させられて離脱が実現されるため、離脱荷重の低減をより確実に行えることになる。
(9)前記設定距離が、50mm以下とされた(8)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、強制離脱機構によるコラムの移動距離が比較的小さくされた態様である。衝撃エネルギ吸収装置は、一般的に所定距離の移動ストローク内において衝撃エネルギが吸収されるような構造となっている。本項に記載の態様では、コラム移動距離が比較的小さいことから、上記移動ストロークを比較的長い状態に維持することが可能であり、上記衝撃エネルギ吸収装置による衝撃エネルギの吸収を効率よく行うことができる。そのような利点から、本項の態様は、衝撃エネルギ吸収装置を備えたシステムに好適な態様である。なお、上記移動ストロークを長くすることに重点を置く場合、上記設定距離は、可及的に短くすることが望ましく、例えば、40mm以下、さらには30mm,20mm,10mm以下とすることが望ましい。
(10)前記衝撃エネルギ吸収装置が、
前記ステアリングコラムと車体の一部との一方と係合する状態における前記ステアリングコラムの移動に伴って、設定された一部分が、前記ステアリングコラムと前記車体の一部との他方の一部分によって変形が強いられる変形部材を備え、その変形部材の変形抵抗に依拠する前記衝撃エネルギ吸収荷重を発生させる構造とされたものである(1)項ないし(9)項の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、衝撃エネルギ吸収装置を、それの構造が具体的な一構造とされたものに限定した態様であり、いわゆる衝撃エネルギ吸収プレート(以下、「EAプレート」という場合がある)を変形部材として採用するような構造のものが含まれる。本項の態様は、簡便な構造の衝撃エネルギ吸収装置が実現するという利点を有する。
(11)前記衝撃エネルギ吸収荷重変更機構が、前記ステアリングコラムと車体の一部との一方と前記変形部材との係合の有無を切り換えることによって前記衝撃エネルギ吸収荷重を変更する構造とされた(10)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項の態様によれば、例えば、コラムあるいは車体の一部と、変形部材とが係合しない状態では、低いEA荷重しか発生しない状態となる。詳しく言えば、EA荷重が0に近い状態とすることが可能である。本項の態様によれば、簡便な構成によってEA荷重を変更できるという利点を享受できる。
(12)前記アクチュエータが、高圧気体の圧力によって作動するものである(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様は、アクチュエータの構造が限定された態様である。高圧気体を利用すれば、油圧等を利用するものと比較して圧力源を比較的小さなものとすることが可能である。
(13)前記アクチュエータが、シリンダと、そのシリンダの内部に充満させられる前記高圧気体の圧力によってそのシリンダと相対移動させられるピストンとを備えた(12)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載のアクチュエータは、シリンダ装置型のアクチュエータであり、本項に記載の態様によれば、高圧気体の圧力を効果的に利用可能となる。
(14)前記アクチュエータが、前記高圧気体の発生源として、着火によって高圧気体を発生させる固体薬剤を備えた(13)項に記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様には、例えば、いわゆる火薬を燃焼させることにより高圧気体を発生させるような態様が含まれる。固体薬剤を高圧気体発生源とすれば、アクチュエータを小型化することが可能である。上記シリンダの内部に固体薬剤を収容すれば、アクチュエータのさらなる小型化が可能となる。
(15)当該ステアリングシステムが、前記ステアリング操作部材に設けられてエアバッグを展開させるエアバッグ装置を含んで構成された(1)項ないし(14)項のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
本項に記載の態様によれば、エアバッグ装置による衝撃エネルギの吸収も行われることから、より効果的な衝撃吸収が可能なステアリングシステムが実現する。
以下、離脱荷重低減および衝撃エネルギ吸収荷重(EA荷重)変更の概念を説明した後、本発明のいくつかの実施例およびその変形例を、図を参照しつつ詳しく説明する。なお、本発明は、下記実施例の他、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した種々の態様で実施することができる。
<離脱荷重低減および衝撃吸収エネルギ吸収荷重変更の概念>
図1に、一般的な車両において運転者が操作部材に二次衝突した場合の離脱荷重およびEA荷重発生の様子を、概念的に示す。なお、図における横軸は、運転者の車両前方への移動距離(二次衝突後はコラムの移動距離と同じとなる)であり、縦軸は荷重の大きさを表している。運転者が二次衝突した場合、その直後において、車体の一部に支持されたコラムが離脱許容機構によって離脱を許容されるが、その際に要する荷重として、離脱荷重が発生する(図に示す離脱荷重域A)。その離脱荷重の発生に続き、離脱したコラムが車両前方に移動するのに伴って、衝撃エネルギ吸収装置によるEA荷重が発生させられる(図に示すEA荷重域B)。この2つの荷重に抗ってコラムが車両前方へ移動して衝撃エネルギが吸収されるため、斜線で示す面積は、衝撃エネルギ吸収量となる。
例えば、同じ衝撃の車両衝突においても、運転者がシートベルトを着用している場合と着用していない場合とでは、二次衝突の衝撃の大きさは異なるものとなる。そのため、効果的な衝撃吸収の観点からすれば、コラムの離脱・移動に伴う衝撃エネルギの吸収量も、その衝撃の大きさに応じて変更されるものであることが望ましい。なお、通常時の操舵操作の安定性に鑑みてコラムは支持装置によって車体の一部にしっかりと支持されることが望ましいため、離脱荷重は、EA荷重より高く設定されており、効果的な衝撃吸収を行うためには、二次衝突の離脱荷重を低減させることが有効である。
以上のことに鑑みて具体的に言えば、離脱荷重とEA荷重の発生状態を、図における実線で示す通常状態、つまり、二次衝突の衝撃が大きい場合に対応可能な状態から、図における二点鎖線で示す二次衝突の衝撃が小さい状態に変更することが望ましいのである。離脱荷重とEA荷重とをともに小さいものとするためには、離脱担保機構とEA荷重変更機構とをともに作動させるのであるが、以下の実施例では、それら2つの機構を共用のアクチュエータで駆動するように構成されている。
なお、図に示す二点鎖線の状態は、離脱荷重を0にまで低減した状態ではないが、破線で示すように、離脱荷重を0にまで低減した状態とすることも有効であり、また、一点鎖線で示すように、コラムを強制的に離脱させて、離脱荷重を0とするとともにEA荷重域Bを減少させることも有効である。
<第1実施例>
図2に、本実施例のステアリングシステムの全体構成を示す。本ステアリングシステムは、ステアリングコラム10を主体として構成されるものであり、そのコラム10は、インパネR/F12に設けられた1対のコラム取付ブラケット(以下、「取付ブラケット」と略す場合がある)14において、車体の一部に固定支持される。コラム10は、支持された状態では、図に示すように、車両前方側が下方に位置するように傾斜した姿勢で配置されることになる。コラム10は、主として、コラム本体20と、コラム本体20の軸線方向における中間部に設けられたブレークアウェイブラケット(以下、「B.A.BKT」と略す場合がある)22と、前方部に設けられた前方ブラケット24とを含んで構成されており、後に詳しく説明するが、B.A.BKT22と前方ブラケット24との各々が、取付ブラケット14に取付られることで、コラム10は、2箇所において支持されるのである。
コラム10は、後方に位置する部分がインパネ30から車両後方に突出する状態で支持されており、その突出する後端部には、ステアリング操作部材であるステアリングホイール32が取り付けられており、コラム10はステアリングホイール32を操作可能に保持するものとなっている。ちなみに、ステアリングホイール32にはエアバッグ装置34が設けられている。コラム10のインパネ30から突出する部分は、コラムカバー36によって覆われ、また、下部は、インパネロアカバー38によってカバーされている。コラム10の前端部は、図示を省略するインタミディエイトシャフトを介し、車室外に存在する転舵装置に接続される。
図3に、コラム10の側面図を、図4に平面図を、図5に側面断面図を、図6に、B.A.BKT22の部分の斜視図を、それぞれ示す。図3から図5において、右側の端部が車両後方側(ステアリングホイール32側)、左側が車両前方側である。図2に示したように、コラム10は、傾斜した状態で車両に取付けられるため、実際は、図3〜図5における右側の端部は車両後方斜め上方に位置し、左側の端部は車両前方斜め下方に位置する。本実施例では、説明を簡略化するため、特に断りのない限り、それら図における右側を「車両後方側」あるいは単に「後方側」と、左側を「車両前方側」あるいは単に「前方側」と呼び、右側に向かう方向を「車両後方」あるいは単に「後方」、左側に向かう方向を「車両前方」あるいは「前方」と呼んで、説明を行う。
コラム本体20は、シャフト部と、そのシャフト部を挿通させた状態で支持するチューブ部とを含んで構成されている。シャフト部は、車両後方側に位置させられる後部シャフト50と車両前方側に位置させられる前部シャフト52とを含んで構成されている。後部シャフト50はパイプ状に、前部シャフト52はロッド状に形成され、後部シャフト50の前方部に前部シャフト52の後方部が挿入されている。後部シャフト50の前部内周面,前部シャフト52の後部外周面には、それぞれ互いに噛合するスプラインが形成され、後部シャフト50と前部シャフト52は、軸方向に相対移動が可能かつ相対回転が不能な状態で接続されている。また、チューブ部は、車両後方側に位置させられる後部チューブ54と、車両前方側に位置させられる前部チューブ56とを含んで構成されている。後部チューブ54および前部チューブ56は、ともにパイプ状のものであり、後部チューブ54の前方部に前部チューブ56の後方部が挿入されている。後部チューブ54の前方部内面には、パイプ状をなすライナ58が設けられており、このライナ58を介することによって、前部チューブ56は後部チューブ54にがたつきなく挿入される。前部チューブ56の外周面と接触するライナ58の内周面は減摩処理が施されており、後部チューブ54と前部チューブ56との軸方向の相対移動を容易ならしめている。また、後部チューブ54の後端部および前部チューブ56の前端部には、それぞれラジアルベアリング60,62が設けられ、後部チューブ54および前部チューブ56は、それぞれ、ラジアルベアリング60,62を介して、後部シャフト50および前部シャフト52の各々を、それらの中間部において回転可能に支持している。このような構造とされていることで、コラム本体20は、伸縮可能とされているのである。
コラム本体20は、後部チューブ54,前部チューブ56のそれぞれにおいて、車体の一部に取り付けられる。前部チューブ56の前方端部には、先に説明した前方ブラケット24が固定的に設けられており、この前方ブラケット24には、軸挿通穴66が設けられている。インパネR/F12に設けられた1対の取付ブラケット14の各々には、軸穴68が穿設された軸受部材70がそれぞれ固定されており、前方ブラケット24の軸挿通穴66とそれら軸受部材70の軸穴68とに、支持軸72が挿通されることで、コラム本体20は、その支持軸を中心に揺動可能に支持される(図2参照)。一方、後部チューブ54は、B.A.BKT22に保持され、そのB.A.BKT22が1対の取付ブラケット14に取り付けられることで、車体の一部に支持される。詳しく言えば、後部チューブ54には、被保持部材80が固定的に設けられており、この被保持部材80が、B.A.BKT22の構成部分であるチャンネル形状(コの字形状)をなす保持部材82によって保持されるとともに、B.A.BKT22のもう1つの構成部材である被支持プレート84が1対の取付ブラケット14に組み付けられることで、後部チューブ54が車体の一部に支持される。B.A.BKT22の取付ブラケット14に対する取付構造は、後に詳しく説明するため、ここでの説明はひとまず留保する。ちなみに、B.A.BKT22は、取り付けられた状態において、運転者のステアリングホイール32への二次衝突の衝撃の作用により、その取付状態が解除されて、車両前方方向、詳しくは、コラム10の軸線方向に離脱するような構造となっている。
コラム10は、チルト機構90およびテレスコピック機構92を有しており、詳しくは、B.A.BKT22によるコラム本体20を保持する構造が、チルト機構90,テレスコピック機構92を構成するものとされている。B.A.BKT22の保持部材82およびコラム本体20に固定された被保持部材80は、ぞれぞれが、互いに交差する長穴94,96を有しており、それらの長穴94,96に軸部材98が挿入されている。それにより、コラム本体20は、保持部材82に設けられた長穴94の分だけ前記支持軸を中心として揺動可能とされ、また、被保持部材80に設けられた長穴96の分だけ、伸縮可能とされているのである。図3および図4には、チルト機構90およびテレスコピック機構92のロックレバー100が示されており、このロックレバー100を押し上げることにより(図3における実線の位置)、被保持部材80が保持部材82によって強く挟持され、コラム本体20の揺動位置,伸縮位置が固定されるようになっている。位置の調整は、ロックレバー100を押し下げる(図3における2点鎖線の位置)ことによって、固定を解除して行われる。なお、図2〜図5には、チルト機構90によってコラム本体20の車両後方端部が最も上方に位置させられ、テレスコピック機構92により、コラム本体20の車両後方側の部分が最も前方に位置させられた状態が示されている。
運転者が二次衝突する等によって、ステアリングホイール32に衝撃が加わった場合、B.A.BKT22がインパネR/F12に設けられた取付ブラケット14から離脱し、それによって、コラム10の車両後方部分、詳しくは、後部シャフト50,後方チューブ54を含んで構成されるコラム本体20の後方部分およびB.A.BKT22(以下、「コラム移動部」という場合がある)が、車体の一部から、コラム10の軸線方向である離脱方向(図2の白抜矢印の方向)に離脱する。コラム10の離脱する部分は、コラム本体20の収縮を伴って、離脱方向と略同じ方向である移動方向(図2〜図5の太い矢印の方向)に移動する。なお、コラム移動部の移動範囲の終点は、前部シャフト52の上端が後部シャフト50の内径が小さくなっている内面の部分に当接することによって規定される。
本ステアリングシステムは、取付ブラケット14から離脱したコラム移動部の移動に伴って、二次衝突の衝撃のエネルギを吸収する2つの衝撃エネルギ吸収装置を備えている。2つの衝撃エネルギ吸収装置は、いずれも、コラム移動部の移動に伴って、その移動を阻止する方向の抗力、すなわち衝撃エネルギ吸収荷重(EA荷重)を発生させる構造とされており、そのEA荷重の存在下でのコラム移動部の移動を許容することで、衝撃エネルギを吸収するものとされている。図6には、2つの衝撃エネルギ吸収装置の1つである第1EA装置110の要部の斜視が示されている。この図を補足するものとして、図7に、図6における第1EA装置110の要部が示されている部分を拡大して示す。
第1EA装置は、変形部材としての、衝撃エネルギ吸収プレート(EAプレート)112と、そのEAプレート112の変形を強要する変形強要部材としての押付ローラ114とを含んで構成されている。EAプレート112は、衝撃エネルギ吸収荷重を発生させる衝撃エネルギ吸収部材として機能するものであり、B.A.BKT22の車幅方向の略中央の部位に装着されている。押付ローラ114は、肉厚管状の樹脂製のものであり、B.A.BKT22の前端部に設けられた1対の軸支持部材116によって支持されたローラ軸118によって、回転可能に支持されている。
EAプレート112は、帯状の金属材料からなり、概ねU字状に曲げらて形成されている。EAプレート112は、湾曲部120の内側に押付ローラ114の外周面が接する状態とされ、湾曲部120に繋がる上側プレート部122は、B.A.BKT22を構成する被支持プレート84の上面に支持される状態で、車両の前後方向に延在しており、また、湾曲部120に繋がる下側プレート部124は、B.A.BKT22を構成する保持部材82の上板部の下方において、それに略平行な状態で車両の前後方向に延在している。B.A.BKT22には、角穴126が設けられ、この角穴126の両側の各々には、コの字状に屈曲して形成された1対の保持片128が、EAプレート112を挟んで互いに向かい合うように立設されており、この保持片128によって、EAプレート112が位置決めされるとともに、EAプレート112の適正な変形が担保される。
また、上側プレート部122の後端部は、上方に略直角に曲げ起こされるとともに概してT字状に形成された係合部130とされている。コラム10がインパネR/F12に設けられた1対の取付ブラケット14に支持された状態において、係合部130は、取付ブラケット14の各々に両端部が固定された係止バー132の凹所134と係合し、コラム移動部が離脱した際に、係止バー132によって係止されることになる(図8参照)。なお、被支持プレート84の上面には、上側プレート部122の後端部を係止する2つのストッパ136が設けられており、それらストッパ136によって、EAプレートの車両後方側への移動が禁止されている。
運転者の二次衝突によって、離脱したコラム移動部がコラム軸線方向前方(図7の太い矢印の方向)に移動する場合、EAプレート112は、係止バー132によって係合部130が係止された状態で、湾曲部120が押付ローラ114によって前方に押されることになる。それに伴って、湾曲部120の形状を概ね維持したまま、湾曲部120のEAプレート112における位置が遷り動くように変形する。この変形に要する力つまり変形抵抗がEA荷重とされ、コラム移動部がこのEA荷重の存在下で移動することにより、二次衝突の衝撃エネルギが吸収されるのである。
もう1つの衝撃エネルギ吸収装置である第2EA装置150は、チューブ部の伸縮部に設けられている。詳しく言えば、前部チューブ56の外周面には、後部チューブ54の前方端部より前方に、軸線方向に延びる3つの凸条152が形成されている。3つの凸条152は、周方向において3等配の位置に形成されており、それぞれが、後部チューブ54の内周面より僅かに突出する高さに形成されている。そのため、離脱したコラム移動部が移動する際、後部チューブ54の前方端部がそれら3つの凸条152を押し潰しながら、コラム本体20が収縮することになる。この3つの凸条152の変形に要する力が、EA荷重として機能し、コラム移動部は、そのEA荷重の存在下で移動し、衝撃エネルギが吸収されるのである。
次に、先の説明において留保しているところのB.A.BKT22の取付ブラケット14に対する取付構造について、図8〜図10をも参照しつつ説明する。図8は、コラム10が取付ブラケット14に取り付けられた状態を示す車両前方側からの斜視を、図9は、その状態における断面を、図10は、取付構造を分解した斜視を、それぞれ示している。
B.A.BKT22の被支持プレート84には、車幅方向の両端部の各々に、孔とスリットが複合したスリット孔160が設けられている。また、1対の取付ブラケット14の各々には、下面壁を構成する下鍔部162に、取付孔164が設けられている。被支持プレート84と取付ブラケット14の下鍔部162とが、それぞれ被締結部材として機能し、それらが、スリット孔160(詳しくは、それの前端部に形成された孔部161),取付孔164を利用して、締結手段としてのボルト166およびナット168によって締結されることにより、B.A.BKT22が取付ブラケット14に取付られている。
被支持プレート84の上面と、取付ブラケット14の下鍔部162の下面との間には、第1介装部材としての比較的薄い金属製の板を概してL字状に曲げられて形成された薄板スペーサ170と、第2介装部材としての樹脂によって形成された樹脂スペーサ172とが介装される。薄板スペーサ170には、ボルト166の外径より幅の広いスリット174が設けられ、このスリット174にボルト166が挿通している。樹脂スペーサ172は、上面側の四隅の各々に突起176が設けられており、また、下面側にはボルト挿通孔178の周囲から下方に延びだすような円環状のボス180が設けられている。また、被支持プレート84の下面側からフランジ付のカラー182が嵌められており、ボルト166およびナット168は、取付ブラケット14の下鍔部162,薄板スペーサ170,樹脂スペーサ172,被支持プレート84,フランジ付のカラー182を挟持して締結している。なお、樹脂スペーサ172のボス180の外径は、被支持プレート84のスリット孔160の孔部161の内径より僅かに小さく、内径は、フランジ付カラー182の外径より僅かに大きくされている。また、フランジ付のカラー182の先端部は下鍔部162の下面に当接し、締め代が制限されている。
ボルト166およびナット168によって締結された状態において、樹脂スペーサ172の各突起176は押し潰されて弾性変形させられており、被支持プレート84と取付ブラケット14の下鍔部162は、その弾性力に依拠する締結力によって締結された状態となっており、その締結力によって生じる摩擦力によって、被支持プレート84と取付ブラケット14の下鍔部162との相対移動が制限されているのである。ちなみに、被支持プレート84に設けられたスリット孔160のスリット部184は、車両前後方向に延びて車両後方側に開口しており、その幅は、フランジ付のカラー182の外径より大きくされ、かつ、樹脂スペーサ172のボス180の外径よりも小さくされている。そのため、車両前方方向であって、かつ、被支持プレート84の上面および取付ブラケット14の下鍔部162の下面に平行な方向(コラムの軸線方向である)に、上記摩擦力を超える荷重が、被支持プレート84に作用した場合に、被支持プレート84の取付ブラケット14に対する移動が許容されることになる。なお、その移動の際に樹脂スペーサ172のボス180の破断を伴うが、その破断に要する力は無視できるほど小さいものとされている。
このような構造から、本実施例のステアリングシステムでは、上記取付構造を構成する構成要素である取付ブラケット14の下鍔部162,被支持プレート84,薄板スペーサ170,樹脂スペーサ172,フランジ付のカラー182,ボルト166およびナット168等を含んで、コラム10を車体の一部に固定保持するコラム支持装置200が構成されている。なお、本実施例では、上記取付構造は、2箇所において設けられており、その2箇所の取付構造により、コラム支持装置200が構成されているのである。また、そのコラム支持装置200においては、上記摩擦力に依拠して離脱荷重が決定される構造となっており、そのコラム支持装置200は、その離脱荷重を上回る荷重が作用する場合、設定された離脱方向であるコラム軸線方向へのコラム10(詳しくはコラム移動部)の離脱が許容される機構、つまり、離脱許容機構202を備えるものとされているのである。
上記コラム支持装置200を構成する取付構造においては、上記離脱荷重を低減することが可能とされている。各取付構造を構成する第1介装部材である薄板スペーサ170には、上述したようなスリット174が設けられており、そのスリット174は、車両前方側に開口するものとされている。そのため、薄板スペーサ170は、車両後方に向かって抜き出すことが可能とされている。薄板スペーサ170が抜き出された場合には、樹脂スペーサ172の突起176の変形量が小さくなり、その分だけ上記弾性力が減少し、被締結部材である取付ブラケット14の下鍔部162,被支持プレート84を締結する力も減少し、両者の相対移動を制限する摩擦力も減少することになる。その摩擦力の減少により、離脱荷重が低減されるのである。本実施例のステアリングシステムでは、後に詳しく説明するように、薄板スペーサ170は、それの全体が抜き出されるようになっているが、抜き出された状態においても、樹脂スペーサ172の突起176は弾性変形させられた状態にあるため、ある程度の摩擦力が残存し、離脱荷重は0とはならない。したがって、本実施例では、離脱荷重は、薄板スペーサ170が抜き出されていない状態での比較的大きな離脱荷重である第1離脱荷重から、薄板スペーサ170が抜き出された状態での比較的小さな離脱荷重である第2離脱荷重に低減させられることになる。なお、そのような態様に代えて、薄板スペーサ170が抜き出された状態において、樹脂スペーサ172の突起176が弾性変形していない状態とすることで、離脱荷重を0とすることも可能である。また、薄板スペーサ170の全体を抜き出すのではなく、一部分だけを抜き出して離脱荷重を上記第2荷重より高くかつ第1荷重より低い荷重とすることも可能である。具体的には、樹脂スペーサ172の四隅に設けられた突起176のうち、車両後方側の2つの突起176とだけによって挟まれる状態とする態様である。
薄板スペーサ170は、1対の取付ブラケット14に設けられたスペーサ抜出機構によって抜き出される。薄板スペーサ170は、L字状に曲げられたものであり、上下方向に立設する部分が、取付ブラケット14の下鍔部162に設けられた切欠230から上方に延び出すようにされている。2つの薄板スペーサ170の各々の立設する部分は、その各々を両端部において固着する連結バー232によって連結されている。一方、取付ブラケット14の各々の下鍔部162の車両後方側の端部の上面には、その各々に両端部が固定された状態で支持バー234が渡されている。この支持バー234の上面には、固定部材236によって、シリンダ装置240が、車両前後方向に延びる姿勢で固定されている。シリンダ装置240は、シリンダ242と、シリンダ242内に移動可能に設けられたピストン244と、一端部がピストン244に連結されて他端部がシリンダ242から車両前方側に向かって延びるピストンロッド246とを含んで構成されるものであり、ピストンロッド246の車両前方側の端部が上記連結バー232に連結されている。
シリンダ242の内部、詳しくは、ピストン244の車両前方側の空間には、固体薬剤である火薬248が充填されている。この火薬248は、図示を省略するスパーク電極によって着火させられ、高圧気体を発生する。高圧気体は、火薬248が充填されているシリンダ242の空間内に充満させられ、その圧力によって、ピストン244が車両後方側に移動させられる。それに伴って、上記連結バー232が車両後方に向かって移動させられ、上記2つの薄板スペーサ170の各々は、取付ブラケット14の下鍔部162と被支持プレート84との間から抜き出される。ピストン244は、連結バー232がシリンダ242の車両前方側端部に当接するまで移動させられ、薄板スペーサ170の各々は、全体が抜き出されることになる。なお、その状態において、ピストン244はシリンダ242から抜け出て、ピストン244がシリンダ242の車両後方側の端部に引っ掛かるようにされており、ピストン244の車両前方側への移動は阻止される構造となっている。また、シリンダ242の内部に充満させられている高圧気体は、シリンダ242に設けられたガス抜きスリット250から、シリンダ242の外部へ放出される。
以上のような構造から、スペーサ抜出機構は、シリンダ装置240,連結バー232を含んで構成され、そのスペーサ抜出機構、および、薄板スペーサ170とそれが抜出可能とされた構造等を含んで、離脱荷重を低減させる離脱荷重低減機構260(離脱担保機構の一種である)が構成されているのである。なお、シリンダ装置240は、その離脱荷重低減機構260を駆動するアクチュエータ、すなわち、離脱荷重低減機構260の駆動源として機能するものとなっている。
また、連結バー232の上部には、ロの字状に形成された環状部材270が付設されている。環状部材270は、係止バー132の上方において、前記EAプレート112の係合部130を取り囲む状態で配置されている。環状部材270は、連結バー232の移動に伴って車両後方側に移動させられ、その移動途中、EAプレート112の係合部130の上端部と係合する。EAプレート112は、ストッパ136により後方への移動が禁止されているため、環状部材270の移動に伴って、上端部が後方側に引き倒される状態で傾斜させられることになる。係合部130が後方側に傾けられた状態においては、コラム移動部が離脱して車両前方側に移動しても、係合部130は、係止バー132によって係止されず、係止バー132の下を通過することになる。そのため、その状態では、EAプレート112はコラム移動部の移動に伴うEA荷重を発生させず、第1EA装置110による衝撃エネルギの吸収が行われないことになる。
以上のような構造から、シリンダ装置240,連結バー232,環状部材270と、EAプレート112の係合部130と車体の一部に支持された係止バー132との係合の有無を切り換える構造等を含んで、衝撃エネルギ吸収荷重を変更する衝撃エネルギ吸収荷重変更機構(EA荷重変更機構)280が構成されているのである。なお、シリンダ装置240は、EA荷重変更機構280を駆動するアクチュエータとしても機能するものであることから、離脱荷重低減機構260とEA荷重変更機構280との両者に共用の駆動源として機能するものとなっているのである。
本実施例のステアリングシステムでは、離脱荷重低減機構260およびEA荷重変更機構280は、制御装置であるステアリング電子制御ユニット(ECU)300によって作動させられる(図2参照)。車両には、各種のセンサが設けられており、ECU300は、それらのセンサからの信号に基づいて設定された作動条件を充足しているか否かを判断し、作動条件を充足する場合に離脱荷重低減機構260およびEA荷重変更機構280を作動させる。センサは、具体的にいえば、車両の衝突を検知する車両衝突検知器としての車両衝突センサ(C.S)302、運転者がシートベルトを着用している状態を検知するシートベルト着用検知器としてのシートベルトセンサ(S.S)304等である(図2参照)。ちなみに、上記各センサ302,304は、いずれも作動条件充足状態検知器として機能する。
車両衝突時に運転者がステアリングホイール32に二次衝突する際の衝撃の大きさは、運転者のシートベルトの着用の有無によって異なる。運転者がシートベルトを着用している場合は、シートベルトによって運転者の有する運動エネルギがある程度吸収されるため、二次衝突の際の衝撃、つまりステアリングホイール32に加わる衝撃は比較的小さいものとなる。逆に、シートベルトを着用していない場合は、その衝撃は比較的大きいものとなる。運転者に与える衝撃を比較的小さいものとするためには、ステアリングホイール32に加わる衝撃が小さい場合に、大きい場合に比較して、離脱荷重,EA荷重ともに低減させることが望ましい。そのような理由から、本実施例のステアリングシステムでは、ECU300は、車両衝突センサ302が衝突を検知しかつシートベルトセンサ304がシートベルトの着用を検知した場合に、シリンダ装置240に充填された火薬248に着火電流を供給し、離脱荷重低減機構260およびEA荷重変更機構280を作動させるような制御を行うものとされている。
<第2実施例>
図11に、第2実施例のステアリングシステムにおけるステアリングコラムの取付ブラケットへの取付状態を示す。図11は、ステアリングコラムの軸線を含む鉛直な面での断面図である。なお、本実施例のステアリングシステムは、コラム支持装置,離脱許容機構,離脱荷重低減機構,EA荷重変更機構を除き、第1実施例のシステムと略同様の構成であるため、本実施例の説明においては、第1実施例のシステムと同じ機能の構成要素については、同じ符号を用いて対応するものであることを示し、それらの説明は省略するあるいは簡略に行うものとする。
本実施例のステアリングシステムにおいては、コラム支持装置400および離脱許容機構402については、第1実施例のものと同様であるが、1対の薄板スペーサ170は、第1実施例の場合より幅広の連結バー406によって連結されており、その連結バー406の上端部に、シリンダ装置408のプランジャロッド410の先端部が固着されている。なお、シリンダ装置408は、1対の取付ブラケット14に渡された2つの支持バー412,414に固定支持され、EAプレート112の係合部130が係止される係止バー132の上方に配置されている。
シリンダ装置408は、ハウジングとして機能するシリンダ416と、シリンダ416の内部に挿入されたピストン418と、ピストン418によって車両後方側に押し出される上述のプランジャロッド410を含んで構成されている。ピストン418は、シリンダ416内部の車両前方側の端部に位置させられ、自身が有する凹所420には、固体薬剤である火薬422が充填されている。プランジャロッド410は外周面がシリンダ416の内周面によってガイドされるガイド部426と、ガイド部426と一体化されて車両前方側に延びる前方ロッド部428と、ガイド部426と一体化されて車両後方側に延びる後方ロッド部430とを含んで構成されている。前方ロッド部428の前端部がピストン418に当接しており、後方ロッド部430の後端部が、上述したように、連結バー406に固着されている。また、シリンダ装置408は、プランジャロッド410と交差して上下に延びる下進ピン432が、シリンダ416を貫通して配設されている。下進ピン432には、テーパ穴434が穿設されており、そのテーパ穴434にプランジャロッド414の前方ロッド部428が挿通させられている。シリンダ416の上部には、スプリングケースが440が取付られており、下進ピン432の上端部が収容されている。スプリングケース440の内部には、圧縮コイルばね442が配設されており、そのばね442は、下進ピン432を下方に押圧している。
一方、本実施例では、係止バー132の凹所134をカバーするカバープレート450が、係止バー132の上面に設けられている。図12を参照しつつ説明すれば、カバープレート450は、断面形状がハット形状をなして係止バー132に固着された保持プレート452によって保持され、EAプレート112の係合部130の車両前方側への移動に伴って、車両の前方に移動可能とされている。カバープレート450が車両前方に移動することにより、係止バー132の凹所134は開口し、係合部130が係止バー132によって係止されることになる(図12の2点鎖線参照)。
保持プレート452には、ピン穴454とそれに同軸的に付設されたボス456とを有しており、上述した下進ピン432の下端部が、ボス456を挿通してピン穴454に臨み出る状態とされている。また、カバープレート450にも係止穴458が穿設されており、カバープレート450は、この係止穴458が保持プレート452のピン穴454と同軸的な状態となるように、位置させられている。下進ピン432が下方に向かって進み出る場合には、下進ピン432の先端部が係止穴456に挿入する状態となる。
上記シリンダ装置408は、図示を省略するスパーク電極によって火薬422が着火させられることによって作動する。着火によって火薬422は高圧気体を発生させ、その圧力によってピストン418が車両後方側に向かって移動し、ピストン418は、プランジャロッド410を車両後方側に向かって押すことになる。プランジャロッド410の車両後方側への移動により、薄板スペーサ170は、それの一部分が取付ブラケット14の下鍔部162と被支持プレート84との間から抜き出される。この薄板プレート170の抜き出しにより、コラム支持装置400の離脱許容機構402における離脱荷重が、比較的大きな第1荷重から、比較的小さな第2荷重へと低減させられることになる。つまり、シリンダ装置408,連結バー406等を含んでスペーサ抜出機構が構成され、本実施例では、そのスペーサ抜出機構、および、薄板スペーサ170とそれが抜出可能とされた構造等を含んで、離脱荷重を低減させる離脱荷重低減機構470(離脱担保機構の一種である)が構成されているのである。なお、シリンダ装置408は、その離脱荷重低減機構470を駆動するアクチュエータ、すなわち、離脱荷重低減機構470の駆動源として機能するものとなっている。
また、プランジャロッド410が車両後方側に向かって移動すれば、前方ロッド部428が下進ピン432のテーパ穴434から抜け出ることになり、下進ピン432は圧縮コイルばね442の力により下方に向かって進み出る。この下進ピン432の動作により、先に説明したように、下進ピン432の先端部がカバープレート450の係止穴458に挿入し、カバープレート450は下進ピン432によって係止され、カバープレート450の車両前方側への移動が禁止される。この状態においては、係止バー132の凹所134は開口せず、EAプレート112の係合部130は、係止バー132によって係止されない状態とされる。つまり、シリンダ装置408が作動する場合は、EAプレート112はコラム移動部の移動に伴うEA荷重を発生させず、第1EA装置110による衝撃エネルギの吸収が行われないことになる。
以上のような構造から、本実施例においては、自身の作動によって下進する下進ピン432を有するシリンダ装置408,カバープレート450を有してEAプレート112の係合部130と車体の一部に支持された係止バー132との係合の有無を切り換える構造等を含んで、衝撃エネルギ吸収荷重を変更する衝撃エネルギ吸収荷重変更機構(EA荷重変更機構)472が構成されているのである。なお、シリンダ装置408は、EA荷重変更機構472を駆動するアクチュエータとしても機能するものであることから、本実施例においても、離脱荷重低減機構470とEA荷重変更機構472との両者に共用の駆動源として機能するものとなっているのである。
また、本実施例のステアリングシステムでも、離脱荷重低減機構470およびEA荷重変更機構472は、制御装置であるECU300によって作動させられる。具体的には、作動条件充足状態検知器として機能する車両衝突センサ302,シートベルトセンサ304の信号に基づき、第1実施例のシステムと同様に、運転者がシートベルトを着用している状態において車両が衝突した場合に、シリンダ装置408を作動させて、離脱荷重低減機構470およびEA荷重変更機構472を作動させるような制御を行うものとされている。
<第3実施例>
図13に、第3実施例のステアリングシステムにおけるステアリングコラムの取付ブラケットへの取付状態を示す。図13は、ステアリングコラムを車両左側から見た側面図であり、一部が断面図とされている。なお、本実施例のステアリングシステムは、コラム支持装置,離脱許容機構,離脱荷重低減機構,EA荷重変更機構を除き、第1実施例のシステムと略同様の構成であるため、本実施例の説明においては、第1実施例のシステムと同じ機能の構成要素については、同じ符号を用いて対応するものであることを示し、それらの説明は省略するあるいは簡略に行うものとする。
本実施例のステアリングシステムにおいては、コラム支持装置500および離脱許容機構502については、第1実施例のものと略同様であるが、1対の薄板スペーサ170は、第1実施例の場合と異なって、下方に折り曲げられており、その折り曲げられた部分が、連結バー506によって連結されている。第1実施例と同様、シリンダ装置508のピストンロッド510の先端部が連結バー506に固着されているが、本実施例では、シリンダ装置508は、B.A.BKT22の保持部材82の車両後端側に付設されたシリンダ支持部材512に固定的に支持され、ステアリングコラム10の一部を構成するものとされている。
シリンダ装置508は、ハウジングとして機能するシリンダ516と、シリンダ516の内部に挿入されたピストン518と、ピストン518と一体化された上述のピストンロッド510とを含んで構成されている。ピストン518は、シリンダ516内部の車両前方側の端部との間に比較的狭い空間を挟んで位置させられ、その空間には、固体薬剤である火薬522が充填されている。
一方、連結バー506には、車幅方向における中央部に、車両前後方向に延びる牽引ロッド530が、それの車両前方側の端部が固着される状態で付設されている。牽引ロッド530の車両後方側の端部には、掛止環532が付設されている。また、本実施例では、EAプレート112の係合部130にも掛止環534が付設されており、それら掛止環532,534の間に、フレキシブルな牽引ワイヤ536が掛け渡されている。
上記シリンダ装置408は、図示を省略するスパーク電極によって火薬522が着火させられることによって作動する。着火によって火薬522は高圧気体を発生させ、その圧力によってピストン518が車両後方側に向かって移動する。ピストン518の移動により、ピストンロッド510に固着されている連結バー506も車両後方に移動し、薄板スペーサ170は、それの一部分が取付ブラケット14の下鍔部162と被支持プレート84との間から抜き出される。この薄板プレート170の抜き出しにより、コラム支持装置500の離脱許容機構502における離脱荷重が、比較的大きな第1荷重から、比較的小さな第2荷重へと低減させられることになる。つまり、シリンダ装置508,連結バー506等を含んでスペーサ抜出機構が構成され、本実施例では、そのスペーサ抜出機構、および、薄板スペーサ170とそれが抜出可能とされた構造等を含んで、離脱荷重を低減させる離脱荷重低減機構540(離脱担保機構の一種である)が構成されているのである。なお、シリンダ装置508は、その離脱荷重低減機構540を駆動するアクチュエータ、すなわち、離脱荷重低減機構540の駆動源として機能するものとなっている。
また、シリンダ装置508が作動すれば、牽引ロッド530も車両後方側に移動し、牽引ワイヤ536によって、EAプレート112の係合部130が、車両後方側に倒れるように変形させられる。この変形により、係合部130は、係止バー132によって係止されない状態とされる。つまり、シリンダ装置508が作動する場合は、EAプレート112はコラム移動部の移動に伴うEA荷重を発生させず、第1EA装置110による衝撃エネルギの吸収が行われないことになる。
以上のような構造から、本実施例においては、シリンダ装置508,牽引ロッド530,牽引ワイヤ536等を含んで、衝撃エネルギ吸収荷重を変更する衝撃エネルギ吸収荷重変更機構(EA荷重変更機構)542が構成されているのである。なお、シリンダ装置508は、EA荷重変更機構542を駆動するアクチュエータとしても機能するものであることから、本実施例においても、離脱荷重低減機構540とEA荷重変更機構542との両者に共用の駆動源として機能するものとなっているのである。なお、本実施例では、シリンダ装置508がコラム10に付設されており、離脱荷重低減機構540とEA荷重変更機構542との両者とも、コラム10の構成要素とされている。そのため、コラム10の車体の一部である取付ブラケット14への取付作業が、先の実施例に比較して、容易なものとなっている。
また、本実施例のステアリングシステムでも、離脱荷重低減機構540およびEA荷重変更機構542は、制御装置であるECU300によって作動させられる。具体的には、作動条件充足状態検知器として機能する車両衝突センサ302,シートベルトセンサ304の信号に基づき、第1実施例のシステムと同様に、運転者がシートベルトを着用している状態において車両が衝突した場合に、シリンダ装置508を作動させて、離脱荷重低減機構540およびEA荷重変更機構542を作動させるような制御を行うものとされている。
<第4実施例>
図14に、第4実施例のステアリングシステムにおけるステアリングコラムの取付ブラケットへの取付状態を示す。図14は、ステアリングコラムを車両左側から見た側面図であり、一部が断面図とされている。本実施例のステアリングシステムでは、離脱担保機構として、離脱荷重低減機構ではなく強制離脱機構を備えている。なお、本実施例のステアリングシステムは、コラム支持装置,離脱許容機構,離脱担保機構,EA荷重変更機構を除き、第1実施例のシステムと略同様の構成であるため、本実施例の説明においては、第1実施例のシステムと同じ機能の構成要素については、同じ符号を用いて対応するものであることを示し、それらの説明は省略するあるいは簡略に行うものとする。
本実施例のステアリングシステムにおいては、コラム支持装置600および離脱許容機構602については、第1実施例のものと類似しているが、離脱担保機構として強制離脱機構を備えることから、第1実施例において採用されていた薄板スペーサ170は採用されていない。また、シリンダ装置608は、1対の取付ブラケット14に渡された支持バー610の下面に固定されて支持されている、
シリンダ装置608は、ハウジングとして機能するシリンダ616と、シリンダ616の内部に挿入されたピストン618と、一端部がピストン618に固定されて他端部がシリンダ616より車両前方側に突出するピストンロッド620と、ピストンロッド620の他端部に固定的に取り付けられたプランジャヘッド622とを含んで構成されている。ピストン618は、シリンダ616内部の車両後方側の端部との間に比較的狭い空間を挟んで位置させられ、その空間には、固体薬剤である火薬624が充填されている。プランジャヘッド622の車両前方側の端部である先端部は、B.A.BKT22の保持部材82および被支持プレート84の車幅方向の中央であって車両後方側の端部に当接させられている。
一方、1対の取付ブラケット14の各々には、第1ラック630,第2ラック632が、それぞれ、保持ガイド634,636によって、車両前後方向に移動可能に設けられている。それら2つのラック630,632には、取付ブラケット14に回転可能に保持されたピニオンギヤ638が噛合している。そのような構造によって、第1ラック630が車両前方に向かって移動する場合、その移動距離と同じ距離だけ第2ラック632が車両後方に向かって移動する。2つの第1ラック630は、それぞれの車両前方側の端部において、連結バー640によって連結され、この連結バー640は、車幅方向の中央部において、上記プランジャヘッド622に嵌められて固定されている。また、2つの第2ラックは、それぞれの車両前方側の端部において、断面がL字形状をなす連結アングル642によって連結されている。連結アングル642は、EAプレート112が係止される係止バー132の上方であって、EAプレート112の係合部130の上端部と同じ程度のの高さ位置に位置させられている。
上記シリンダ装置608は、図示を省略するスパーク電極によって火薬624が着火させられることによって作動する。着火によって火薬624は高圧気体を発生させ、その圧力によってピストン618が車両前方側に向かって移動する。ピストン618の移動により、プランジャヘッド622は、離脱許容機構602による離脱荷重を超える力でB.A.BKT22を押し、B.A.BKT22、つまり、コラム移動部を車両前方に向かって取付ブラケット14から強制的に離脱させる。つまり、本実施例では、シリンダ装置608を含んで、強制離脱機構650が構成されているのである。なお、本実施例では、シリンダ装置608はアクチュエータであり、強制離脱機構650は駆動源としてのアクチュエータそのものによって構成されている。
また、シリンダ装置608が作動すれば、連結バー640,第1ラック630が車両前方に向かって移動させられ、それに応じて、第2ラック632,連結アングル642が車両後方に向かって移動させられる。本実施例では、コラムの移動部の強制離脱に伴って、EAプレート112も車両前方に向かって移動するが、連結アングル642の車両後方側への移動により、EAプレート112の係合部130の上方が車両後方側に倒される状態となるため、その後のコラム移動部の移動によっても、係合部130は係止バー132によって係止されない状態となる。つまり、シリンダ装置608が作動する場合は、EAプレート112はコラム移動部の移動に伴うEA荷重を発生させず、第1EA装置110による衝撃エネルギの吸収が行われないことになる。
以上のような構造から、本実施例においては、シリンダ装置608,連結バー640,2つのラック630,632、ピニオンギヤ638,連結アングル642等を含んで、衝撃エネルギ吸収荷重を変更する衝撃エネルギ吸収荷重変更機構(EA荷重変更機構)652が構成されているのである。なお、シリンダ装置608は、EA荷重変更機構652を駆動するアクチュエータとしても機能するものであることから、本実施例は、強制離脱機構650とEA荷重変更機構652との両者に共用の駆動源として機能するものとなっているのである。
また、本実施例のステアリングシステムでも、強制離脱機構650およびEA荷重変更機構652は、制御装置であるECU300によって作動させられる。具体的には、作動条件充足状態検知器として機能する車両衝突センサ302,シートベルトセンサ304の信号に基づき、第1実施例のシステムと同様に、運転者がシートベルトを着用している状態において車両が衝突した場合に、シリンダ装置608を作動させて、離脱荷重低減機構650およびEA荷重変更機構652を作動させるような制御を行うものとされている。
運転者が操作部材に二次衝突した場合の運転者の受ける荷重の大きさを示す図である。 第1実施例のステアリングシステムの全体構成を示す図である。 第1実施例のステアリングシステムを構成するステアリングコラムの側面図である。 図3に示すステアリングコラムの平面図である。 図3に示すステアリングコラムも側面断面図である。 図3に示すステアリングコラムのブレークアウェイブラケットの部分を示す斜視図である。 図6における第1EA装置の要部を拡大して示す図である。 ステアリングコラムが取付ブラケットに取り付けられた状態を車両前方側から示す斜視図である。 ステアリングコラムが取付ブラケットに取り付けられた状態を示す断面図である。 ステアリングコラムの取付構造を分解した状態を示す斜視図である。 第2実施例のステアリングシステムにおけるステアリングコラムの取付ブラケットへの取付状態を示す断面図である。 第2実施例のステアリングシステムにおいて、衝撃エネルギ吸収プレートが係止される係止バーに設けられてそれの凹所をカバーするカバープレートを示す斜視図である。 第3実施例のステアリングシステムにおけるステアリングコラムの取付ブラケットへの取付状態を示す側面一部断面図である。 第4実施例のステアリングシステムにおけるステアリングコラムの取付ブラケットへの取付状態を示す側面一部断面図である。
符号の説明
10:ステアリングコラム 12:インパネリインフォースメント 14:コラム取付ブラケット(車体の一部) 20:コラム本体 22:ブレイクアウェイブラケット 32:ステアリングホイール(ステアリング操作部材) 34:エアバッグ装置 84:被支持プレート(被締結部材)90:チルト機構 92:テレスコピック機構 110:第1EA装置(衝撃エネルギ吸収装置) 112:衝撃エネルギ吸収プレート(変形部材) 130:係合部 132:係止バー 150:第2EA装置(衝撃エネルギ吸収装置) 162:下鍔部(被締結部材) 166:ボルト(締結手段) 168:ナット(締結手段) 170:薄板スペーサ(介装部材,第1介装部材) 172:樹脂スペーサ(第2介装部材) 200:コラム支持装置 202:離脱許容機構 240:シリンダ装置(アクチュエータ) 242:シリンダ 244:ピストン 248:火薬(固体薬剤) 260:離脱荷重低減機構 280:衝撃エネルギ吸収荷重変更機構 300:ステアリング電子制御ユニット(制御装置) 302:車両衝突センサ(作動条件充足状態検知器) 304:シートベルトセンサ(シートベルト着用検知器,作動条件充足状態検知器) 400:コラム支持装置 402:離脱許容機構 408:シリンダ装置(アクチュエータ) 416:シリンダ 418:ピストン 422:火薬(固体薬剤) 470:離脱荷重低減機構 472:衝撃エネルギ吸収荷重変更機構 500:コラム支持装置 502:コラム離脱許容機構 508:シリンダ装置(アクチュエータ) 516:シリンダ 518:ピストン 522:火薬(固体薬剤) 540:離脱荷重低減機構 542:衝撃エネルギ吸収荷重変更機構 600:コラム支持装置 602:離脱許容機構 608:シリンダ装置(アクチュエータ) 616:シリンダ 618:ピストン 624:火薬(固体薬剤) 650:強制離脱機構 652:衝撃エネルギ吸収荷重変更機構

Claims (6)

  1. ステアリング操作部材を一端部において操作可能に保持するステアリングコラムと、
    前記ステアリング操作部材に加わる衝撃に対する前記ステアリングコラムの車体の一部からの設定された離脱方向への離脱を許容する離脱許容機構を備えて、そのステアリングコラムを車体の一部に固定支持させるコラム支持装置と、
    車体の一部から離脱した前記ステアリングコラムの移動に伴う衝撃エネルギ吸収荷重を発生させて、前記ステアリング操作部材に加わる衝撃のエネルギを吸収する衝撃エネルギ吸収装置と、
    (a)前記離脱許容機構の離脱荷重を低減させる離脱荷重低減機構と(b)前記ステアリングコラムを車体の一部から強制的に離脱させる強制離脱機構との少なくとも一方の機構と、
    前記衝撃エネルギ吸収装置によって発生させられる前記衝撃エネルギ吸収荷重を変更する衝撃エネルギ吸収荷重変更機構と、
    前記少なくとも一方の機構と前記エネルギ吸収荷重変更機構との両者を駆動する共用のアクチュエータと
    を含んで構成された車両用ステアリングシステム。
  2. 前記アクチュエータが、設定された作動条件を充足する場合に作動するものとされ、当該ステアリングシステムが、その作動条件が充足されるために必要な状態として、運転者がシートベルトを着用している状態を検知するシートベルト着用検知器を備えた請求項1に記載の車両用ステアリングシステム。
  3. 当該ステアリングシステムが、前記少なくとも一方の機構として少なくとも前記離脱荷重低減機構を含んで構成され、
    前記コラム支持装置が、それぞれが前記ステアリングコラムと車体の一部との各々に設けられて互いに締結される2つの被締結部材と、それら2つの被締結部材が設定された締結力によって締結される状態でそれら2つの被締結部材を締結する締結手段とを備え、少なくともその締結力によって生じる摩擦力に依拠して離脱荷重が決定されるとともにその離脱荷重を上回る荷重が作用する場合に2つの被締結部材の相対移動が許容される構造によって前記離脱許容機構が構成されており、
    前記離脱荷重低減機構が、前記締結力を減少させることで離脱荷重を低減させる構造とされた請求項1または請求項2に記載の車両用ステアリングシステム。
  4. 当該ステアリングシステムが、前記少なくとも一方の機構として少なくとも前記強制離脱機構を含んで構成され、その強制離脱機構が、前記ステアリングコラムを前記離脱方向に設定距離移動させる機構とされた請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
  5. 前記衝撃エネルギ吸収装置が、
    前記ステアリングコラムと車体の一部との一方と係合する状態における前記ステアリングコラムの移動に伴って、設定された一部分が、前記ステアリングコラムと前記車体の一部との他方の一部分によって変形が強いられる変形部材を備え、その変形部材の変形抵抗に依拠する前記衝撃エネルギ吸収荷重を発生させる構造とされたものであり、
    前記衝撃エネルギ吸収荷重変更機構が、前記ステアリングコラムと車体の一部との一方と前記変形部材との係合の有無を切り換えることによって前記衝撃エネルギ吸収荷重を変更する構造とされた請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
  6. 前記アクチュエータが、着火によって高圧気体を発生させる固体薬剤と、その発生した高圧気体を内部に充満させるシリンダと、その充満させられた高圧気体の圧力によってシリンダと相対移動させられるピストンとを備えた請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の車両用ステアリングシステム。
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