JP2006110421A - ジョークラッシャの歯先隙間調整装置及び歯先隙間調整方法 - Google Patents

ジョークラッシャの歯先隙間調整装置及び歯先隙間調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】歯先隙間の調整精度を向上することができるジョークラッシャの歯先隙間調整装置及び歯先隙間調整方法を提供する。
【解決手段】破砕装置フレーム70に固設された固定歯71と、この固定歯71に対向配置され、偏心軸76により揺動可能に支持された動歯72との歯先隙間を調整するジョークラッシャの歯先隙間調整装置において、動歯72の下端部を固定歯71に対して進退方向に移動させるロックシリンダ96と、動歯72の傾斜角度を検出する傾斜センサ74と、この傾斜センサ74で検出した動歯72の傾斜角度に応じてロックシリンダ96を制御する制御装置118とを備える。
【選択図】 図10

Description

本発明は、固定歯に対して動歯を揺動させ、これらの間に被破砕物を導入して破砕を行うジョークラッシャの歯先隙間調整装置及び調整方法に関する。
一般に、破砕機は、例えば建設現場で発生する大小さまざまな岩石・建設廃材等の被破砕物を破砕装置で所定の大きさに破砕することにより、廃材の再利用、工事の円滑化、コスト削減等を図るために用いられる。
上記破砕装置には、固定歯に対して動歯を揺動させ、これらの間に被破砕物を導入して破砕を行ういわゆるジョークラッシャと呼ばれるものがある。このジョークラッシャにおいては、固定歯と動歯との間に形成される破砕室に導入された被破砕物を、固定歯と動歯との歯先隙間により規定される所定の大きさに噛み砕くようにして破砕する。したがって、歯先隙間は破砕物の粒度、すなわち製品品質に大きく影響するものであり、その調整は非常に重要である。
ジョークラッシャの歯先隙間を調整する装置としては、固定歯と動歯の接触を検出する接触検出手段と、トグルプレートの円弧運動の動作支点の位置を検出する位置検出手段と、接触検出手段で固定歯と動歯との接触を検出したときの動作支点の位置を基準とし、固定歯と動歯、トグルプレート、及び動作支点の幾何学的位置関係(以下、歯先隙間特性)から位置検出手段で検出した動作支点の位置に応じて歯先隙間を算出する制御手段(制御装置)と、この制御手段で算出された歯先隙間を表示する表示手段(歯先隙間表示装置)とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照。)。この従来技術では、作業者が表示手段により表示された制御手段の算出結果を見つつ油圧シリンダを用いて動歯下端部を移動させ、所望の歯先隙間となった時に動歯の移動を停止することによって、歯先隙間を調整する。なお、歯先隙間特性は固定歯と動歯が摩耗すると変化する。このため、この従来技術では、固定歯と動歯とが接触したときの位置検出手段の検出結果に基づいて歯先隙間特性を改めて算出し、歯先隙間の算出に用いるようになっている。これにより、固定歯と動歯の摩耗量を考慮した歯先隙間の調整を可能としている。
特開2001−70810号公報
一般に、ジョークラッシャにおいては、トグルプレート及びこのトグルプレートの両端を狭持するトグルシートについても、使用するにつれて固定歯や動歯と同様に摩耗する消耗品である。そして、上記従来技術では、歯先隙間を算出するために位置検出手段で位置を検出する箇所がトグルプレートの円弧運動の動作支点(具体的には油圧シリンダのストローク)であるため、検出位置と算出される歯先隙間との間にはトグルプレート及びトグルシートが介在しており、これらトグルプレート及びトグルシートの摩耗が歯先隙間の算出誤差として影響する。
上述したように、上記従来技術による歯先隙間の算出方法は固定歯及び動歯の摩耗量については考慮されているものの、トグルプレートやトグルシートの摩耗については何ら考慮されていないため、歯先隙間の算出に誤差が生じる恐れがある。また、一般にトグルプレートはその座屈荷重を超える破砕反力が動歯から作用した場合には屈曲して反力を吸収するが、上記従来技術ではこのトグルプレートの変形についても考慮されていないため、座屈により変形した場合には大きな算出誤差が生じてしまう。このように、上記従来技術では、位置検出手段で位置を検出する箇所と算出される歯先隙間との間にトグルプレート及びトグルシートが介在するため、上記したようなトグルプレートやトグルシートの摩耗及びトグルプレートの変形が生じた場合には、歯先隙間の算出に誤差が生じ、調整精度が低下する恐れがあった。
本発明は、上記従来技術の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、歯先隙間の調整精度を向上することができるジョークラッシャの歯先隙間調整装置及び歯先隙間調整方法を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、破砕装置フレームに固設された固定歯と、この固定歯に対向配置され、偏心軸により揺動可能に支持された動歯との歯先隙間を調整するジョークラッシャの歯先隙間調整装置において、前記動歯の下端部を前記固定歯に対して進退方向に移動させる移動手段と、前記動歯の傾斜角度を検出する角度検出手段と、この角度検出手段で検出した前記動歯の傾斜角度に応じて前記移動手段を制御する制御手段とを備えるものとする。
本発明においては、ジョークラッシャの歯先隙間を調整する際には、例えば、まず移動手段で動歯の下端部を固定歯方向に移動させ、動歯と固定歯とが接触したときの動歯の傾斜角度を角度検出手段で検出して基準角度とし、その後、移動手段で動歯の下端部を固定歯から離間する方向に移動させ、そのときに角度検出手段で検出した動歯の基準角度に対する相対角度に基づいて歯先隙間を算出し、この歯先隙間が所望の値となった時点で動歯の移動を停止するように制御手段で移動手段を制御することが可能である。
ここで、前述した従来技術によれば、歯先隙間を算出するために位置検出手段で位置を検出する箇所がトグルプレートの動作支点であるため、検出箇所と算出される歯先隙間との間にトグルプレート及びトグルシートが介在する。しかしながら、上記従来技術による歯先隙間の算出は固定歯及び動歯の摩耗量については考慮されているものの、トグルプレートやトグルシートの摩耗については何ら考慮されていないため、トグルプレートやトグルシートの摩耗及びトグルプレートの変形が生じた場合には、歯先隙間の算出に誤差が生じて調整精度が低下する恐れがあった。
これに対し、本発明では、歯先隙間を算出するために検出するものは動歯の傾斜角度のみである。この検出される動歯の傾斜角度には、トグルプレートやトグルシートの摩耗量及びトグルプレートの変形量等が反映されるため、トグルプレートやトグルシートの摩耗及びトグルプレートの変形が生じた場合であっても、上記従来技術と異なり歯先隙間の算出に誤差を生じる恐れがない。したがって、歯先隙間の調整精度を向上することができる。
(2)上記目的を達成するために、また本発明は、破砕装置フレームに固設された固定歯と、この固定歯に対向配置され、偏心軸により揺動可能に支持された動歯との歯先隙間を調整するジョークラッシャの歯先隙間調整装置において、前記動歯の下端部を前記固定歯に対して進退方向に移動させる移動手段と、前記動歯が前記固定歯に接触したことを検出する接触検出手段と、前記動歯の傾斜角度を検出する角度検出手段と、前記接触検出手段で接触を検出した際に前記角度検出手段で検出した前記動歯の傾斜角度を基準角度とし、前記角度検出手段で検出した前記動歯の前記基準角度に対する相対角度に応じて前記移動手段を制御する制御手段とを備えるものとする。
(3)上記(2)において、好ましくは、前記固定歯と前記動歯の歯先隙間の設定値を入力する入力手段と、前記相対角度に基づき歯先隙間を算出する算出手段とを備え、前記制御手段は、前記算出手段で算出した歯先隙間が前記入力手段で入力した歯先隙間設定値となった場合に前記動歯の移動を停止するように前記移動手段を制御するものとする。
(4)上記(2)において、また好ましくは、前記固定歯と前記動歯の歯先隙間の設定値を入力する入力手段と、この入力手段で入力した歯先隙間設定値に基づき前記相対角度の設定値を算出する算出手段とを備え、前記制御手段は、前記角度検出手段で検出した前記動歯の前記基準角度に対する相対角度が前記算出手段で算出した相対角度設定値となった場合に前記動歯の移動を停止するように前記移動手段を制御するものとする。
(5)上記(3)又は(4)において、また好ましくは、前記偏心軸を回転駆動させる駆動手段と、前記角度検出手段で検出した前記動歯の傾斜角度が最大又は最小となったときに前記偏心軸の回転駆動を停止させるように前記駆動手段を制御する第2制御手段とを備えるものとする。
一般に、ジョークラッシャの歯先隙間を調整する際には、調整を行う前に、予め動歯の位置をCSS(動歯が最も固定歯に接近した際の位置)又はOSS(動歯が最も固定歯から遠ざかった際の位置)に設定する必要がある。
ここで、前述した従来技術においては、動歯がCSSなのかOSSなのかを検出する手段がないため、自動で動歯位置を設定することができなかった。すなわち、前述の従来技術等においては、特許文献1には特に明確には記載されていないが、例えば偏心軸の端部に固定されたフライホイール等にCSS位置(又はOSS位置)の目印を付けておき、作業者が駆動手段を駆動して偏心軸を回転させてフライホイールの目印を基準点(例えば本体側に設けた目印)に合わせることによって、動歯の位置をCSS又はOSSに設定していた。
これに対し、本発明においては、第2制御手段により、角度検出手段で検出した動歯の傾斜角度が最大又は最小となったときに偏心軸の回転駆動を停止させるように駆動手段を制御する。すなわち、例えば動歯の傾斜角度が最大となったときに駆動を停止することにより動歯位置をCSSに設定することができ、傾斜角度が最小となったときに駆動を停止することにより動歯位置をOSSに設定できる。このようにして、本発明によれば歯先調整前に行う動歯位置のCSS又はOSSへの設定を自動的に行うことができるので、動歯位置の設定を作業者が手動で行う必要があった上記の従来技術に比べて歯先隙間調整作業の手間を大幅に軽減することができる。
(6)上記(5)において、さらに好ましくは、予め定められた所定の状態において、前記角度検出手段で検出した前記動歯の複数の傾斜角度を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された複数の傾斜角度のうちの少なくとも2つを比較し、所定の許容範囲を超えた差異がある場合に異常と判定する異常判定手段とを備えるものとする。
本発明においては、例えばジョークラッシャが水平に設置されており且つ動歯位置をOSSに設定した状態(以下、標準状態)において、トグルプレート及びトグルシートが新品であるときの動歯の傾斜角度を角度検出手段で検出して記憶手段に記憶しておき、所定の時間経過後に、同様に標準状態において動歯の傾斜角度を角度検出手段で検出し、このときの傾斜角度と記憶手段に記憶されている傾斜角度とを比較して異常判定手段で異常があるかどうかを判定することが可能である。このようにすることで、例えばトグルプレート及びトグルシートの摩耗やトグルプレートの変形等を検出することが可能となる。
(7)上記(5)において、また好ましくは、予め定められた所定の状態において、前記角度検出手段で検出した前記動歯の複数の傾斜角度と前記接触検出手段で接触を検出した際に前記角度検出手段で検出した前記動歯の傾斜角度との角度差を複数記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された複数の角度差のうちの少なくとも2つを比較し、所定の許容範囲を超えた差異がある場合に異常と判定する異常判定手段とを備えるものとする。
本発明においては、上記(3)と同様に例えば標準状態において、固定歯及び動歯が新品であるときの角度検出手段で検出した動歯の傾斜角度と接触検出手段で接触を検出したときに角度検出手段で検出した動歯の傾斜角度との角度差を記憶手段に記憶しておき、所定の時間経過後の角度差と記憶手段に記憶されている角度差とを比較して異常判定手段で異常があるかどうかを判定することが可能である。このようにすることで、例えば固定歯及び動歯の異常な摩耗や摩耗限界等を検出することが可能となる。
(8)上記(6)又は(7)において、また好ましくは、前記異常判定手段で異常と判定した場合に警報を発報する警報手段を備えるものとする。
(9)上記(1)乃至(8)のいずれかにおいて、また好ましくは、前記移動手段は、油圧で伸縮駆動することによって前記動歯を移動させ、移動後には軸方向の摩擦力により前記動歯の移動を制動することができるロックシリンダを備えるものとする。
(10)上記目的を達成するために、本発明は、破砕装置フレームに固設された固定歯と、この固定歯に対向配置され、偏心軸により揺動可能に支持された動歯とを有するジョークラッシャの歯先隙間調整方法において、前記動歯の下端部を前記固定歯方向に移動させ、前記動歯が前記固定歯に接触した際に検出した前記動歯の傾斜角度を基準角度とし、前記動歯の下端部を前記固定歯から離間する方向に移動させつつ、検出した前記動歯の前記基準角度に対する相対角度を算出し、この算出した相対角度に基づいて歯先隙間を算出し、この算出した歯先隙間が所望の設定値となった場合に前記動歯の下端部の移動を停止させる方法とする。
(11)上記目的を達成するために、また本発明は、破砕装置フレームに固設された固定歯と、この固定歯に対向配置され、偏心軸により揺動可能に支持された動歯とを有するジョークラッシャの歯先隙間調整方法において、前記偏心軸を回転駆動して前記動歯の傾斜角度を最大又は最小とし、前記動歯の下端部を前記固定歯方向に移動させ、前記動歯が前記固定歯に接触した際に検出した前記動歯の傾斜角度を基準角度とし、前記動歯の下端部を前記固定歯から離間する方向に移動させつつ、検出した前記動歯の前記基準角度に対する相対角度を算出し、この算出した相対角度に基づいて歯先隙間を算出し、この算出した歯先隙間が所望の設定値となった場合に前記動歯の下端部の移動を停止させる方法とする。
本発明によれば、角度検出手段で検出した動歯の傾斜角度に基づいて歯先隙間を調整するので、歯先隙間の調整精度を向上することができる。
以下、本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
まず、本発明の一実施形態について、図1乃至図11を用いて説明する。
図1は本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の一実施形態を備えた破砕機の全体構造を表す側面図、図2はその上面図、図3は図1中左側から見た正面図である。以下の説明において、図1中の左・右を、それぞれ本破砕機における後・前又は本体フレーム長手方向の一方側・他方側とする。
本実施形態における破砕機は、例えばビル解体時に搬出されるコンクリート塊や道路補修時に排出されるアスファルト塊等の建設現場で発生する大小様々な建設廃材、産業廃棄物、若しくは岩石採掘現場や切羽で採掘される岩石・自然石等を処理対象とし、これらを上記被破砕物として受け入れ破砕処理するものである。
図1乃至図3において、1は走行体で、この走行体1は、走行装置2と、この走行装置2の上部にほぼ水平に延設した本体フレーム3とで構成されている。4は走行装置2のトラックフレームで、このトラックフレーム4は、本体フレーム3の下部に連設されている。5,6はそれぞれトラックフレーム4の両端に設けた従動輪及び駆動輪、7は従動輪5及び駆動輪6に掛け回した履帯、8は駆動輪6に直結した走行用油圧モータである。
9,10は本体フレーム3の長手方向一方側に立設した支持ポスト、11はこれら支持ポスト9,10上に設けた支持バーである。12は破砕対象となる被破砕物を受け入れるホッパで、このホッパ12は、上方に向かって拡開するように形成されており、上記支持バー11上に複数の支持部材13を介して支持されている。
15はホッパ12の下方に位置するグリズリフィーダで、このグリズリフィーダ15は、ホッパ12とは別個にスプリング18を介して支持バー11に支持されており、ホッパ12に受け入れた被破砕物をその粒度に応じて選別しつつ後述の破砕装置(ジョークラッシャ)20に搬送するものである。15Aはグリズリフィーダ15の本体で、このグリズリフィーダ本体15A内には、本体フレーム3の幅方向(図2中上下方向)に並設した櫛歯16を有する複数(本実施形態では2つ)のグリズリバー17が前方に向かって下る階段状に固定されている。19はグリズリフィーダ本体15Aに振動を与えるフィーダ用油圧モータで、グリズリフィーダ本体15Aは、このフィーダ用油圧モータ19により加振され、投入されたグリズリバー17上の被破砕物が前方に搬送される。
14はグリズリバー17の櫛歯16の下方に設けたシュートで、このシュート14は、グリズリバー17の各櫛歯16間の隙間から落下する被破砕物中に含まれた細粒(いわゆるズリ)等を、後述する排出コンベア40上に導く。なお、23はオプション装備されるサイドコンベア(図示せず)の設置用スペースである(図1参照)。
20は被破砕物を破砕する破砕装置(ジョークラッシャ)で、この破砕装置20は、ホッパ12及びグリズリフィーダ15よりも前方側に位置し、図1に示すように、本体フレーム3の長手方向中央付近に搭載されている。詳細は後の図4等に図示するが、この破砕装置20には、互いの間隙空間が下方に向かって縮径するよう対向配置した一対の固定歯71及び動歯72が設けられている。21は破砕装置用油圧モータ(駆動手段、図2参照)で、この破砕装置用油圧モータ21はフライホイール22(後述の図4等参照)を回転駆動させる。後でも述べるが、このフライホイール22の回転運動は、動歯72の揺動運動に変換され、これにより固定歯71に対して概ね前後方向に動歯72が揺動するようになっている。なお、本実施形態では、破砕装置用油圧モータ21からフライホイール22への駆動伝達構造はベルト(図示せず)を介した構成となっているが、これに限るものではなく、例えばチェーンを介する構成等、他の構成であっても構わない。
25は各油圧アクチュエータの動力源を内蔵した動力装置(パワーユニット)で、この動力装置25は、破砕装置20より更に前方側に位置し、支持部材26を介し本体フレーム3の長手方向他方側端部に支持されている。特に図示していないが、動力装置25内には、本破砕機の動力源となるエンジンやこのエンジンによって駆動される油圧ポンプ105,106(後述の図9参照)等が備えられている。なお、30,31はそれぞれ動力装置25に内蔵した燃料タンク及び作動油タンク(共に図示せず)の給油口、32はプレクリーナ、35は動力装置25の後方側の区画に設けた運転席、36は走行用油圧モータ8を操作するための走行用操作レバーである。
40は破砕装置20で破砕した破砕物等を搬送し機外に排出する排出コンベアで、この排出コンベア40は、破砕装置20の下方位置から搬送方向下流側(前方側)に向かって斜めに立ち上がるよう、支持部材41,42等を介し、動力装置25に取り付けたアーム部材43や本体フレーム3から吊り下げ支持されている。45は排出コンベア40のコンベアフレーム、46,47はコンベアフレーム45の両端に設けた従動輪(アイドラ)及び駆動輪、48は駆動輪47に直結した排出コンベア用油圧モータ(図2参照)である。50は従動輪46及び駆動輪47に巻回した搬送ベルトで、この搬送ベルト50は、排出コンベア用油圧モータ48によって駆動輪47が回転駆動されることで循環駆動される。
55は排出する破砕物中の鉄筋等といった異物(磁性物)を除去する磁選機で、この磁選機55は、支持部材56を介し上記アーム部材43に吊り下げ支持されている。磁選機55は、その駆動輪57及び従動輪58に巻回した磁選機ベルト59が排出コンベア40に対しほぼ直交するよう配置されている。60は駆動輪57に直結した磁選機用油圧モータである。磁選機ベルト59の循環軌跡の内側には、図示しない磁力発生手段が設けられており、搬送ベルト50上の鉄筋等の異物は、磁選機ベルト59越しに作用する磁力発生手段からの磁力により磁選機ベルト59に吸着され、排出コンベア40の側方に搬送され落下する。
図4は破砕装置20の詳細構造を表す側面図、図5は後方側から見たその正面図、図6は側断面図、図7は図6中VII−VII断面による断面図である。
図4乃至図7において、70は破砕装置20の破砕装置フレームで、この破砕装置フレーム70は、本体フレーム3上に固定又は搭載されている。71は破砕装置フレーム70内に固設された固定歯、72は同様に破砕装置フレーム70内において固定歯71に対向配置された動歯(スイングジョー)で、これら固定歯71と動歯72との間に破砕室73が形成される。また、動歯72の上端部は、破砕装置フレーム70に対して回転自在に取り付けられたフライホイール22の偏心軸(エキセントリックシャフト)76に偏心して連結し支持されている。上記構成により、フライホイール22が回転駆動すると、動歯72が固定歯71に対して揺動し、被破砕室73内に導入された被破砕物が圧縮され破砕される。
74は動歯72の上端部に設けられ、動歯72の傾斜角度(例えば対地角度。但し、対地角度でなくとも基準となるものに対する角度であればよい)を検出する傾斜センサ(角度検出手段)である。本実施形態で用いる傾斜センサ74は、特に図示はしないが、例えばケーシングの中に互いに線対称に配置された2個のコンデンサと液体が封入されており、液体の傾斜によって生ずる静電容量の変化により傾斜角度を検出する液封入容量式センサである。この傾斜センサ74で検出された動歯72の傾斜角度は後述する制御装置118(図10等参照)に信号線75を介して出力される。なお、77は傾斜センサ74のカバーである。
125は破砕装置フレーム70内において後述する回動軸78に固設された反力受部材であり、動歯72の下端部及びこの反力受部材125には、曲面状の摺動面が形成されたトグルシート80,81がボルト82(図7参照)によりそれぞれ固定されており、これらトグルシート80,81の摺動面に両端部が着座した状態でトグルプレート83が狭持されている。すなわち、動歯72に作用する破砕反力はトグルプレート83を介してまずこの反力受部材125に伝達される。また、78はその両端が破砕装置フレーム70の外側に突出するように、動歯72の前方側において軸支された回転軸であり、79はその一端側(図4乃至図6中上端側)が上記回動軸78の突出部78aに固定され、他端側(図4乃至図6中下端側)が後述するロックシリンダ96の先端に設けたブラケット98にピン100を介して回動可能に連結されているアーム部材である。
84はトグルプレート83の外れ防止のため、アーム部材79を動歯72に押し付ける押し付け装置であり、動歯72における破砕室73とは反対側(前方側)にボルトで固定したブラケット85と、このブラケット85に対し一端がピン86で回動可能に連結されアーム部材79に固定されたブラケット87に挿通されたテンションロッド88と、このテンションロッド88の他端側に設けたリング89と、テンションロッド88の他端に螺合されリング89がテンションロッド88から抜け落ちることを防止するナット90と、テンションロッド88に挿通されリング89とブラケット87との間に押付力を作用させることでアーム部材79をトグルプレート83を介して動歯72に押し付けるテンションスプリング91とを備えている。
95は破砕装置フレーム70の外部(ここでは側方)2箇所に設けられたシリンダ支持部材であり、これら2つのシリンダ支持部材95内にはロックシリンダ(移動手段)96がそれぞれシリンダ部92に設けられたピン97を介して回動可能に設置されている。ロックシリンダ96のロッド部93の先端に設けられたブラケット98には、前述したようにアーム部材79の他端側(図4乃至図6中下端側)がピン100を介して回動可能に連結されている。このような構成により、動歯72からトグルプレート83を介して受ける破砕反力によって発生する反力受部材125、回動軸78及びアーム部材79の反時計回り方向のトルクによりロックシリンダ96に与えられる引張力が、その軸方向にのみ作用するようになっている。これにより、ロックシリンダ96に曲げ力等が作用するのを防止し、ロックシリンダ96の周辺部材の破損等を防止できる。
上記のロックシリンダ96のシリンダ部92内には、特に図示していないが、ロッド部93に対し固定された内筒が嵌入されている。この内筒は、その外筒であるシリンダ部92に対して軸方向に摺動するように駆動可能であるとともに、ロック時にはシリンダ部92との間の摩擦力(静止摩擦力)によって静止状態を保持するようになっている。つまり、アーム部材79を介しロックシリンダ96のブラケット98に作用する引張力がシリンダ部92と図示しない内筒との間に作用する最大静止摩擦力を超えない限り、ロック時には内筒及びロッド部93がシリンダ部92に対して摺動せず、ロックシリンダ96が伸長しない構成である。なお、ロックシリンダ96における上記最大静止摩擦力は、トグルプレート83の強度(座屈荷重)より小さな値に予め調整しておく。これにより、動歯72に過大な破砕反力が作用した場合に、トグルプレート83が曲がる前にロックシリンダ96を伸長させて他の部材の破損を防止できるようになっている。
したがって、ロックシリンダ96は、ロック時には、動歯72に過大な破砕反力が作用しない限り、シリンダの軸方向に作用する摩擦力によってアーム部材79を制動する(言い換えれば破砕装置フレーム70に対して静止状態に保持する)役割を果たす。そして、動歯72に過大な破砕反力が作用した場合には、図8に示すように、アーム部材79による引張力にロックシリンダ79の静止摩擦力が打ち負け、ロックシリンダ96が伸長してアーム部材79が回動軸78を中心に反時計回り方向に回動し、動歯72を固定歯71から退避させる役割も果たす。
一方で、ロックシリンダ96は、アンロック時には、油圧駆動により伸長又は縮短することでアーム部材79を反時計回り又は時計回り方向に回動させ、反力受部材125及びトグルプレート83を介して動歯72の下端部の位置を前後方向に移動させ、これにより固定歯71の下端部と動歯72の下端部との間隙、すなわち歯先隙間を調整する歯先隙間調整機能(詳細は後述)をも有する。このロックシリンダ96のロック・アンロックの切り替えについて、図9を用いて詳細に説明する。
図9は本実施形態の破砕機が有する油圧駆動装置のうち、破砕装置用油圧モータ及びロックシリンダに関わる部分について抽出した油圧回路図である。
この図9において、105,106は図示しないエンジンによって駆動される第1及び第2油圧ポンプ、107は第1油圧ポンプ105から前記の破砕装置用油圧モータ21に供給される圧油の流れ(方向及び流量)を制御する破砕装置用コントロールバルブ(3位置切替弁)、108は第1油圧ポンプ105から前記のロックシリンダ96に供給される圧油の流れを制御するロックシリンダ用コントロールバルブ(3位置切替弁)、109はロックシリンダ96の摩擦力を調整する摩擦力調整装置、110は第2油圧ポンプ106から摩擦力調整装置109に供給される圧油の流れを制御する摩擦力調整用コントロールバルブ(2位置切替弁)、111は回路保護等の観点から第1油圧ポンプ105の吐出管路112とタンクライン113との間に設けられたリリーフ弁、114は第2油圧ポンプ106の吐出管路115とタンクライン116との間に設けられたリリーフ弁、117はタンク、118は例えば前記の運転席35に設けられ、破砕装置20、フィーダ15、排出コンベア40、及び磁選機55等の始動・停止等を操作者が指示入力して操作するための操作盤内に設けられた制御装置(制御手段、算出手段、第2制御手段)である。なお、上記摩擦力調整装置109はロックシリンダ96のシリンダ部92と内筒との間に作用する摩擦力を理解を容易にするために模式的に図示したものである。
破砕装置用コントロールバルブ107は、両端にソレノイド駆動部107a,107bを備えたセンタークローズド型の電磁比例弁である。ソレノイド駆動部107a,107bには、制御装置118からの駆動信号Scrで駆動されるソレノイドがそれぞれ設けられており、破砕装置用コントロールバルブ107はその駆動信号Scrの入力に応じて切り換えられるようになっている。
すなわち、例えば操作者が図示しない操作盤の破砕装置正転/逆転切替スイッチを正転(又は逆転、以下、対応関係同じ)に切り替えて破砕装置起動スイッチを押し、駆動信号Scrが破砕装置20の正転(又は逆転)に対応する信号、例えばソレノイド駆動部107a及び107bへの駆動信号ScrがそれぞれON及びOFF(又はソレノイド駆動部107a及び107bへの駆動信号ScrがそれぞれOFF及びON)になると、破砕装置用コントロールバルブ107が図9中左側の切換位置107A(又は右側の切換位置107B)に切り換えられる。これにより、第1油圧ポンプ105からの圧油が吐出管路112、破砕装置用コントロールバルブ107の切換位置107A(又は切換位置107B)、及び供給管路120a(又は供給管路120b)を介して破砕装置用油圧モータ21に供給され、破砕装置用油圧モータ21が順方向(又は逆方向)に駆動される。
一方、操作者が図示しない操作盤の破砕装置停止スイッチを押し、駆動信号Scrが破砕装置20の停止に対応する信号、例えばソレノイド駆動部107a及び107bへの駆動信号ScrがともにOFFになると、破砕装置用コントロールバルブ107が図示しないばねの付勢力により図9に示す中立位置に復帰し、破砕装置用油圧モータ21は停止する。
摩擦力調整用コントロールバルブ110は、ソレノイド駆動部110aを備えた電磁切換弁である。ソレノイド駆動部110aには、制御装置118からの駆動信号Sfrで駆動されるソレノイドが設けられており、摩擦力調整用コントロールバルブ110はその駆動信号Sfrの入力に応じて切り換えられるようになっている。すなわち、例えば操作者が図示しない操作盤のロック/アンロック切替スイッチをアンロックに切り替え、駆動信号Sfrがロックシリンダ96を駆動させるためのON信号になると、摩擦力調整用コントロールバルブ110が図9中右側の切換位置110Aに切り換えられる。
これにより、第2油圧ポンプ106からの圧油は、吐出管路115、摩擦力調整用コントロールバルブ110の切換位置110A、及び管路121を経て、摩擦力調整装置109に供給される。これにより、摩擦力調整装置109が有するばね109aの付勢力に抗してピストン109bが図9中左側に移動し、押し付けロッド109cによるロックシリンダ96のロッド部93への押し付け力が低減する。その結果、ロックシリンダ96における摩擦力が低減し、ロックシリンダ96が駆動可能、すなわちアンロック状態となる。
一方、例えば操作者が図示しないロック/アンロック切替スイッチをロックに切り替え、駆動信号Sfrがロックシリンダ96を非駆動とするためのOFF信号になると、摩擦力調整用コントロールバルブ110はばね110bの付勢力で図9に示す切換位置110Bに復帰する。これにより、管路121内の圧力はタンク圧となり、摩擦力調整装置109の押し付けロッド109cはばね109aの付勢力によりロックシリンダ96のロッド部93に押し付けられる。その結果、ロックシリンダ96における摩擦力が増大し、ロックシリンダ96は駆動不可能、すなわちロック状態となる。
ロックシリンダ用コントロールバルブ108は、両端にソレノイド駆動部108a,108bを備えた電磁比例弁である。ソレノイド駆動部108a,108bには、制御装置118からの駆動信号Sroで駆動されるソレノイドがそれぞれ設けられており、ロックシリンダ用コントロールバルブ108はその駆動信号Sroの入力に応じて切り換えられるようになっている。
すなわち、例えば操作者が図示しない操作盤に設けられた隙間入力装置126(後述の図10参照)により固定歯71と動歯72との歯先隙間の目標セット値を入力することにより、その値に対応したロックシリンダ96の駆動信号Sroが制御装置118からロックシリンダ用コントロールバルブ108に出力される。例えば、駆動信号Sroがロックシリンダ96の伸長(又は縮短、以下、対応関係同じ)に対応する信号、例えばソレノイド駆動部108a及び108bへの駆動信号SroがそれぞれON及びOFF(又はソレノイド駆動部108a及び108bへの駆動信号SroがそれぞれOFF及びON)になると、ロックシリンダ用コントロールバルブ108が図9中左側の切換位置108A(又は右側の切換位置108B)に切り換えられる。これにより、第1油圧ポンプ105からの圧油が吐出管路112、ロックシリンダ用コントロールバルブ108の切換位置108A(又は切換位置108B)、及び供給管路122a(又は供給管路122b)を介してロックシリンダ96のボトム側室96a(又はロッド側室96b)に供給され、ロックシリンダ96が伸長(又は縮短)する。なお、このときのロックシリンダ96の伸長量(又は縮短量)については供給される圧油の流量を見ることで制御してもよいし、ロックシリンダ96に公知のストロークセンサ等を設けて制御するようにしてもよい。
一方、ロックシリンダ96が伸長(又は縮短)して固定歯71と動歯72との隙間の調整が完了した場合等、ソレノイド駆動部108a及び108bへの駆動信号Sroが共にOFFとなると、ロックシリンダ用コントロールバルブ108が図示しないばねの付勢力により図9に示す中立位置に復帰する。このとき、図9に示すように管路122aと管路122bとは連通される。これにより、ロックシリンダ96に摩擦力調整装置109による押し付け力を上回る引張力又は圧縮力が作用した場合には、ロックシリンダ96が伸長又は縮短することが可能になっている。
なお、上記のロックシリンダ96の駆動は、前述したロック/アンロック切替スイッチがアンロックに切り替えられており、摩擦力調整用コントロールバルブ110が切換位置110Aとなっていることが前提である。
また、123は供給管路122bに設けた圧力センサ(接触検出手段)であり、この圧力センサ123で検出したロックシリンダ96のロッド側室96b及び供給管路122b内の圧力は制御装置118に出力される。制御装置118は、圧力センサ123から入力された検出圧が所定のしきい値を超えた場合、ロックシリンダ96が縮短して動歯72が固定歯71に向かって移動し接触したことを検出できるようになっている。
ここで、本実施形態の最大の特徴は、傾斜センサ74で検出した動歯72の傾斜角度に基づいて歯先隙間を自動調整することにある。以下、この破砕隙間調整機能について、図10及び図11を用いて説明する。図10は本実施形態の歯先隙間調整装置における信号の流れを示す図、図11は本実施形態における歯先隙間調整手順の流れを示すフローチャートである。
これら図10及び図11において、まずステップ10では、操作者が隙間入力装置(入力手段)126を用いて目標セット値Sを入力する。この目標セット値Sは隙間入力装置126から制御装置118へ送信される。
次のステップ20では、制御装置118から破砕装置用コントロールバルブ107のソレノイド駆動部107a,107bに対し微速正転回転に対応する駆動信号Scrをそれぞれ出力する。その結果、破砕装置用コントロールバルブ107が図9中左側の切換位置107Aに切り換えられ、第1油圧ポンプ105からの圧油が破砕装置用油圧モータ21に供給されて、破砕装置用油圧モータ21が正転方向に微速回転される。これにより、フライホイール22及び偏心軸76が正転方向に微速回転し、動歯72がゆっくりと揺動する。
次のステップ30では、動歯72の位置がCSS(動歯が最も固定歯に接近した際の位置)となったかどうかを判定する。具体的には、傾斜センサ74で検出される動歯72の傾斜角度が最小となったかどうかを判定する。動歯72の傾斜角度が最小となった場合には判定が満たされ、次のステップ40に移る。
ステップ40では、制御装置118から破砕装置用コントロールバルブ107のソレノイド駆動部107a,107bに出力される駆動信号ScrがともにOFFとなり、破砕装置用コントロールバルブ107が図示しないばねの付勢力により図9に示す中立位置に復帰する。その結果、破砕装置用コントロールバルブ107はセンタークローズド型の電磁比例弁であるので、供給管路120a,120b内の圧油の流れが停滞し、破砕装置用油圧モータ21は停止状態に固定される。これにより、動歯72はCSSの位置に固定される。
次のステップ50では、制御装置118からロックシリンダ用コントロールバルブ108のソレノイド駆動部108a及び108bへロックシリンダの縮短に対応する駆動信号Sroをそれぞれ出力する。その結果、ロックシリンダ用コントロールバルブ108が図9中右側の切換位置108Bに切り換えられ、第1油圧ポンプ105からの圧油がロックシリンダ96のロッド側室96bに供給されてロックシリンダ96が縮短する。これにより、動歯72は固定歯71に向かって移動する。なお、ここでは前述したロック/アンロック切替スイッチはアンロックに切り替えられているものとする。
次のステップ60では、固定歯71と動歯72とが接触したかどうかを判定する。具体的には、供給管路122bに設けた圧力センサ123で検出した圧力が所定のしきい値を超えたかどうかを判定する。所定のしきい値を超えている場合には固定歯71と動歯72とが接触したとみなされ、判定が満たされて次のステップ70に移る。
ステップ70では、制御装置118からロックシリンダ用コントロールバルブ108のソレノイド駆動部108a,108bに出力される駆動信号SroがともにOFFとなり、ロックシリンダ用コントロールバルブ108が図示しないばねの付勢力により図9に示す中立位置に復帰する。その結果、ロックシリンダ用コントロールバルブ108はセンタークローズド型の電磁比例弁であるので、供給管路122a,122b内の圧油の流れが停滞し、ロックシリンダ96は停止して固定される。これにより、動歯72は固定歯71と接触した状態で固定される。
次のステップ80では、この接触状態における動歯72の傾斜角度(基準角度)θminを傾斜センサ74から入力し、メモリ(記憶手段)128(図10参照)に記憶させる。なお、メモリ128は制御装置118の外部に設置してもよいし、制御装置118が内部に有するようにしてもよい。
次のステップ90では、先のステップ10で操作者により隙間入力装置126を介して入力された目標セット値Sから、歯先隙間がその目標セット値Sになったときの動歯72の傾斜角度θxを算出する。θxは次式(1)で表される。
θx(rad)=S/r+θmin(rad)・・・(1)
但し、rは偏心軸76の回転中心から固定歯71先端までの距離であって、例えばメモリ128等に予め記憶された値である。本実施形態では、rを偏心軸76の回転中心から固定歯71先端までの距離とすることによって、例えばrを偏心軸76の回転中心から動歯72先端までの距離とするよりも、固定歯71や動歯72の摩耗による接触位置の変化を小さくすることができ、算出誤差を小さくできるようになっている。なお、算出されたθxは表示装置127(図10参照)によって表示される。
次のステップ100では、制御装置118からロックシリンダ用コントロールバルブ108のソレノイド駆動部108a及び108bへロックシリンダの伸長に対応する駆動信号Sroをそれぞれ出力する。その結果、ロックシリンダ用コントロールバルブ108が図9中左側の切換位置108Aに切り換えられ、第1油圧ポンプ105からの圧油がロックシリンダ96のボトム側室96aに供給されてロックシリンダ96が伸長する。これにより、動歯72は固定歯71から離間する方向に移動する。
次のステップ110では、傾斜センサ74から入力される移動中の動歯72の傾斜角度θが上記ステップ90で算出したθxとなったかどうかを判定する。θ=θxとなった場合には、固定歯71と動歯72との歯先隙間が目標セット値Sになったとみなされ、判定が満たされて次のステップ120に移る。
ステップ120では、先のステップ70と同様に、制御装置118からロックシリンダ用コントロールバルブ108のソレノイド駆動部108a,108bに出力される駆動信号SroがともにOFFとなり、ロックシリンダ用コントロールバルブ108が中立位置に復帰する。その結果、ロックシリンダ96は停止して固定される。これにより、動歯72は、固定歯71と動歯72との歯先隙間が目標セット値Sとなった状態で固定される。以上で本フローチャートは終了する。
なお、上記では動歯72の位置をCSS(動歯が最も固定歯に接近した際の位置)に設定して歯先隙間調整を行うようにしたが、これに限らず、OSS(動歯が最も固定歯から遠ざかった際の位置)に設定して調整を行ってもよい。この切り替えは、例えば、隙間入力装置126で入力される目標セット値Sが「CSS〜mm」と入力された場合にはCSSに設定され、「OSS〜mm」と入力された場合にはOSSに設定されるようにすれば足りる。
また、上記では目標セット値Sから動歯72の傾斜角度θxを算出しておき、この傾斜角度θxと移動中の動歯72の傾斜角度θとを比較することによって歯先隙間調整を行うようにしたが、これに限らず、移動中の動歯72の傾斜角度θの傾斜角度(基準角度)θminに対する相対角度(θ−θmin)に応じて固定歯71と動歯72との歯先隙間Sxを次式(2)に基づいて算出し、この歯先隙間Sxと目標セット値Sとを比較することによって歯先隙間調整を行うようにしてもよい。
Sx={θ(rad)−θmin(rad)}×r・・・(2)
以上のような手順により、ロックシリンダ96をアンロック状態として固定歯71と動歯72との歯先隙間調整を行った後、ロックシリンダ96をロック状態とし、破砕作業を行う。このとき、破砕装置20は、破砕装置用油圧モータ21で発生した駆動力をベルト(図示せず)及びフライホイール22を介して偏心軸76に伝達して回転させ、この偏心軸76の回転によって動歯72の上端部を偏心回転運動させる一方、動歯72の下端側を、半径がトグルプレート83の長さでトグルシート81を中心とする円弧軌跡上を往復運動させるようになっている。これにより、動歯72を固定歯71に対し概ね前後方向に揺動運動させ、グリズリフィーダ15から破砕室73に導入された被破砕物を上記セット調整により調整した破砕室73の出口幅により規定される所定の大きさに噛み砕くようにして破砕するようになっている。
次に、上記構成の本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の一実施形態の動作を説明する。
破砕作業を行う前に、まず固定歯71と動歯72の歯先隙間を調整する。操作者が隙間入力装置126により固定歯71と動歯72との歯先隙間の目標セット値Sを入力すると、制御装置118により破砕装置用油圧モータ21が正転方向に微速回転され、動歯72がゆっくりと揺動して傾斜角度が最小(又は最大)となるCSS(又はOSS)に位置が設定される。そして、第1油圧ポンプ105からの圧油がロックシリンダ96のロッド側室96bに供給されてロックシリンダ96が縮短し、動歯72が固定歯71に向かって移動する。動歯72が固定歯71に接触すると、そのときの動歯72の傾斜角度θminを傾斜センサ74で検出し、メモリ128に記憶する。制御装置118は、この記憶されたθminと操作者により入力された目標セット値Sに基づき、歯先隙間がその目標セット値Sになったときの動歯72の傾斜角度θxを算出する。その後、第1油圧ポンプ105からの圧油がロックシリンダ96のボトム側室96aに供給されてロックシリンダ96が伸長し、動歯72が固定歯71から離間する方向に移動する。傾斜センサ74から入力される移動中の動歯72の傾斜角度θが算出されたθxとなったら、ロックシリンダ96の伸長が停止してロックされ、歯先隙間の調整が完了する。
このようにして歯先隙間の調整が完了した後、油圧ショベル等によりホッパ12に被破砕物を投入すると、投入された被破砕物はグリズリフィーダ15に導入され、振動により破砕装置20に向かって搬送される。その際、グリズリバー17の各櫛歯16間の隙間よりも小さな細粒(ズリ等)は、その隙間から排出コンベア用シュート14を介して排出コンベア40上に導かれ、それより大きな被破砕物(大塊)が破砕装置20へと搬送される。破砕装置20に導入された被破砕物は、固定歯71及び動歯72によって調整された歯先隙間に応じた所定の粒度に破砕処理され下方の排出コンベア40上に導入される。排出コンベア40上に導かれた破砕物は、グリズリフィーダ15で選別され排出コンベア用シュート14を介して導かれた細粒と合流して前方(図1中右側)に搬送され、その途中で磁選機55により鉄筋等の異物を吸着除去された上で機外に排出される。
以上のようにして破砕作業が行われる本発明の一実施形態によれば、以下の効果が得られる。
例えば前述した従来技術によれば、歯先隙間を算出するために位置検出手段で位置を検出する箇所がトグルプレートの動作支点であるため、検出箇所と算出される歯先隙間との間にトグルプレート及びトグルシートが介在する。しかしながら、上記従来技術による歯先隙間の算出方法は固定歯及び動歯の摩耗量については考慮されているものの、トグルプレートやトグルシートの摩耗については何ら考慮されていないため、トグルプレートやトグルシートの摩耗及びトグルプレートの変形が生じた場合には、歯先隙間の算出に誤差が生じて調整精度が低下する恐れがあった。
これに対し、本実施形態では、上述したように歯先隙間を算出するために検出するものは動歯72の傾斜角度のみである。この検出される動歯72の傾斜角度には、トグルプレート83やトグルシート80,81の摩耗量及びトグルプレート83の変形量等が反映されるため、トグルプレート83やトグルシート80,81の摩耗及びトグルプレート83の変形が生じた場合であっても、上記従来技術と異なり歯先隙間の算出に誤差を生じる恐れがない。したがって、本実施形態によれば、歯先隙間の調整精度を向上することができる。
また、本実施形態では、破砕装置用コントロールバルブ107としてセンタークローズド型の電磁比例弁を用いている。ここで、例えば破砕装置用コントロールバルブとしてセンターオープン型の電磁弁を用いた構造の場合には、動歯72を固定歯71に接触させるために固定歯71方向に移動させる過程、又は接触後歯先隙間が目標セット値Sとなるまで動歯72を固定歯71から離間する方向に移動させる過程において、フライホイール22(破砕装置用油圧モータ21)がその外力のために微小回転し、動歯72の角度が微小に変化して歯先隙間の調整精度が低下する恐れがある。これに対し、本実施形態によれば、上記したようにセンタークローズド型の電磁比例弁を用いることにより動歯72の移動中におけるフライホイール22(破砕装置用油圧モータ21)の微小回転を防止することができるので、この点においても歯先隙間の調整精度を向上することができる。
さらに本実施形態によれば、歯先隙間の調整作業の手間を大幅に軽減することができる。この効果について以下に説明する。
一般に、ジョークラッシャの歯先隙間を調整する際には、調整を行う前に、予め動歯の位置をCSS(動歯が最も固定歯に接近した際の位置)又はOSS(動歯が最も固定歯から遠ざかった際の位置)に設定する必要がある。ここで、前述した従来技術においては、動歯がCSSなのかOSSなのかを検出する手段がないため、自動で動歯位置を設定することができなかった。すなわち、前述の従来技術等においては、特許文献1には特に明確には記載されていないが、例えば偏心軸の端部に固定されたフライホイール等にCSS位置(又はOSS位置)の目印を付けておき、作業者が駆動手段を駆動して偏心軸を回転させてフライホイールの目印を基準点(例えば本体側に設けた目印)に合わせることによって、動歯の位置をCSS又はOSSに設定していた。
これに対し、本実施形態によれば、上述したように、操作者が隙間入力装置126により歯先隙間の目標セット値Sを入力するのみで、動歯72の位置がCSS(又はOSS)に自動的に設定され、その後全自動で歯先隙間の調整が行われる。これにより、作業者が動歯72の位置設定を手動で行う必要があった上記の従来技術に比べ、歯先隙間調整作業の手間を大幅に軽減することができる。
なお、上記実施形態においては傾斜センサ74として液封入容量式センサを用いたが、これに限らず、例えばケーシングの中に複数の固定電極とこれら複数の固定電極に挟まれて配置されスプリングによって支持された可動電極とが設けられ、傾斜による可動電極の移動によって生ずる静電容量の変化により傾斜角度を検出する膜スプリング容量式のセンサを用いてもよいし、例えば素子上に傾斜方向に回動可能なフロートとこのフロートに固定され素子と対向する位置に配置されたマグネットとを設け、フロートが傾斜することによって素子が位置変化して生じる磁界の変化により傾斜角度を検出するフロート方式のセンサを用いてもよい。また、例えばサーボ加速度計を用いて傾斜角度を検出するようにしてもよい。すなわち、傾斜センサ74は破砕作業時には激しく振動する動歯72に設けられることから、振動、衝撃に強い機械接点を持たない無接触型のセンサであることが好ましい。
次に、本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の他の実施形態について図12及び図13を参照しつつ説明する。本実施形態は、固定歯71及び動歯72の異常な摩耗や、トグルプレート83及びトグルシート80,81の摩耗、変形等の異常を判定する機能を設けたものである。
図12において、118’は固定歯71及び動歯72の摩耗や、トグルプレート83及びトグルシート80,81の摩耗、変形等の異常を判定する機能を有する制御装置(制御手段、算出手段、第2制御手段、異常判定手段)、130はこの制御装置118’で摩耗、変形等の異常と判定した場合に警報を発する警報装置(警報手段、例えばブザー等)である。その他の構成は前述の一実施の形態と同様であるので説明を省略する。
図13は上記制御装置118’による摩耗、変形等の異常の判定手順を示すフローチャートである。
まず、ステップ200では、破砕装置20が標準状態であるかどうかを判定する。ここで標準状態とは、異常を判定するためにその状態において所定の時間を隔てて検出した動歯72の傾斜角度を比較するための予め定めた所定の状態のことであり、例えば本実施形態では、破砕装置20が水平に設置されており且つ動歯72の位置をOSSに設定した状態とする。破砕装置20の水平度については、例えば予め定めた水平の取れた計測箇所に破砕機を移動させるようにしてもよいし、例えば操作者が水平器を用いて手作業にて水平を確認するようにしてもよい。また、動歯72のOSS設定については、前述した図11のステップ20〜ステップ40と同様にして、フライホイール22を微速回転させて動歯72の傾斜角度が最大となるところで停止する。以上のようにして、破砕装置20が標準状態となったら判定が満たされて、次のステップ210に移る。
ステップ210では、この標準状態における動歯72の傾斜角度θAを傾斜センサ74で検出し、メモリ128に記憶させる。
次のステップ220では、上記ステップ210で検出した傾斜角度θAとメモリ128に記憶されている傾斜角度θA0とを比較し、その差異が許容範囲内であるかどうかを判定する。なお、傾斜角度θA0は、トグルプレート83及びトグルシート80,81が新品の状態であるときに破砕装置20を標準状態にして傾斜センサ74で検出した動歯72の傾斜角度であり、予め計測されてメモリ128に記憶されている。傾斜角度θAと傾斜角度θA0との差異が許容範囲内であれば、トグルプレート83及びトグルシート80,81に異常な摩耗や変形がないとみなされ、判定が満たされて次のステップ230に移る。
一方、傾斜角度θAと傾斜角度θA0との差異が許容範囲外であれば、トグルプレート83及びトグルシート80,81に異常な摩耗や変形があるとみなされ、判定が満たされずにステップ240に移る。ステップ240では、制御装置118’から警報装置130に警報信号が送信され、これにより警報装置180は例えばブザー音等の警報を発報する。その後、ステップ230に移る。
ステップ230では、制御装置118’から表示装置127に上記ステップ220における判定結果が送信され、これにより表示装置127はその判定結果を表示する。例えば、傾斜角度θAと傾斜角度θA0との差異が許容範囲内である場合には「異常なし」と表示し、傾斜角度θAと傾斜角度θA0との差異が許容範囲外である場合には「異常あり」と表示する。なお、傾斜角度θAと傾斜角度θA0との差異を具体的数値で表示するようにしてもよい。
次のステップ250では、前述した図11のステップ50と同様に、制御装置118’からロックシリンダ用コントロールバルブ108へロックシリンダの縮短に対応する駆動信号Sroを出力する。これにより、ロックシリンダ96が縮短し、動歯72は固定歯71に向かって移動する。
次のステップ260では、前述した図11のステップ60と同様に、供給管路122bに設けた圧力センサ123で検出した圧力が所定のしきい値を超えたかどうかにより、固定歯71と動歯72とが接触したかどうかを判定する。所定のしきい値を超えている場合には固定歯71と動歯72とが接触したとみなされ、判定が満たされて次のステップ270に移る。
ステップ270では、前述した図11のステップ70と同様に、制御装置118’からロックシリンダ用コントロールバルブ108に出力される駆動信号SroがOFFとなる。これにより、ロックシリンダ96は停止して固定される。その結果、動歯72は固定歯71と接触した状態で固定される。
次のステップ280では、この接触状態における動歯72の傾斜角度θBを傾斜センサ74から入力し、メモリ128に記憶させる。
次のステップ290では、先のステップ210で検出されメモリ128に記憶された傾斜角度θAを読み出し、上記ステップ270で算出した傾斜角度θBからこの読み出した傾斜角度θAを減じた角度差θB−θAを算出する。
次のステップ300では、上記ステップ280で算出したθB−θAとメモリ128に記憶されている角度差θB0−θA0とを比較し、その差異が許容範囲内であるかどうかを判定する。なお、角度差θB0−θA0は、固定歯71及び動歯72が新品の状態であるときに破砕装置20を標準状態にして上記ステップ210〜ステップ280と同様にして算出した、動歯72が固定歯71と接触までの角度差であり、予め算出されてメモリ128に記憶されている。角度差θB−θAと角度差θB0−θA0との差異が許容範囲内であれば、固定歯71及び動歯72に異常な摩耗がない、又は固定歯71及び動歯72は摩耗限界に達していないとみなされ、判定が満たされて次のステップ310に移る。
一方、角度差θB−θAと角度差θB0−θA0との差異が許容範囲外であれば、固定歯71及び動歯72が異常に摩耗している、又は固定歯71及び動歯72は摩耗限界に達しているとみなされ、判定が満たされずにステップ320に移る。ステップ320では、制御装置118’から警報装置130に警報信号が送信され、これにより警報装置180は例えばブザー音等の警報を発報する。その後、ステップ310に移る。
ステップ310では、制御装置118’から表示装置127に上記ステップ300における判定結果が送信され、これにより表示装置127はその判定結果を表示する。例えば、角度差θB−θAと角度差θB0−θA0との差異が許容範囲内である場合には「異常なし」と表示し、角度差θB−θAと角度差θB0−θA0との差異が許容範囲外である場合には「異常あり」と表示する。なお、角度差θB−θAと角度差θB0−θA0との差異を具体的数値で表示するようにしてもよい。
以上で本フローチャートは終了する。
以上のような構成の本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の他の実施形態によれば、前述した本発明の一実施の形態と同様に歯先隙間の調整精度を向上することができる上に、さらに固定歯71及び動歯72の異常な摩耗や摩耗限界到達、トグルプレート83及びトグルシート80,81の摩耗、変形等の異常を判定・検出していち早く操作者に知らせることができる。
なお、上記本発明の他の実施の形態では、トグルプレート83及びトグルシート80,81が新品の状態であるときの動歯72の傾斜角度θA0や、固定歯71及び動歯72が新品の状態であるときの角度差θB0−θA0を予めメモリ128に記憶しておき、異常判定するための比較対象としたが、これに限らず、例えば歯先隙間の調整を行う度に毎回標準状態における動歯72の傾斜角度や角度差をメモリ128に記憶させておき、次に歯先隙間調整を行うときに一回前に検出した傾斜角度や角度差と比較して、その都度異常判定するようにしてもよい。これにより、よりきめ細かに摩耗の進行度や変形等のチェックをすることができる。
また、上記本発明の他の実施の形態では、傾斜センサ74で検出した動歯72の傾斜角度を用いて異常判定するようにしたが、これに限らず、例えばロックシリンダ96のストロークに応じて異常判定するようにしてもよい。すなわち、例えばロックシリンダ96にリミットスイッチを設けて所定のストロークを超えた場合等に異常を検出したり、ストロークセンサを設けて検出したストロークが所定のしきい値を超えた場合等に異常を検出するようにしてもよい。この場合にも上記他の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の一実施形態を備えた破砕機の全体構造を表す側面図である。 本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の一実施形態を備えた破砕機の全体構造を表す上面図である。 本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の一実施形態を備えた破砕機の全体構造を表す正面図である。 本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の一実施形態を備えた破砕機の破砕装置の詳細構造を表す側面図である。 本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の一実施形態を備えた破砕機の破砕装置の詳細構造を表す正面図である。 本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の一実施形態を備えた破砕機の破砕装置の詳細構造を表す側断面図である。 図6中VII−VII断面による断面図である。 ロックシリンダが伸長した状態を示す破砕装置の側面図である。 本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の一実施形態を備えた破砕機が有する油圧駆動装置のうち、破砕装置用油圧モータ及びロックシリンダに関わる部分について抽出した油圧回路図である。 本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の一実施形態における信号の流れを示す図である。 本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の一実施形態における歯先隙間調整手順の流れを示すフローチャートである。 本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の他の実施形態における信号の流れを示す図である。 本発明のジョークラッシャの歯先隙間調整装置の他の実施形態における歯先隙間調整手順の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
21 破砕装置用油圧モータ
70 破砕装置フレーム
71 固定歯
72 動歯
74 傾斜センサ(角度検出手段)
76 偏心軸
96 ロックシリンダ(移動手段)
118 制御装置(制御手段、算出手段、第2制御手段)
118’ 制御装置(制御手段、算出手段、第2制御手段、異常判定手段)
123 圧力センサ(接触検出手段)
126 隙間入力装置(入力手段)
128 メモリ(記憶手段)
130 警報装置(警報手段)

Claims (11)

  1. 破砕装置フレームに固設された固定歯と、この固定歯に対向配置され、偏心軸により揺動可能に支持された動歯との歯先隙間を調整するジョークラッシャの歯先隙間調整装置において、
    前記動歯の下端部を前記固定歯に対して進退方向に移動させる移動手段と、
    前記動歯の傾斜角度を検出する角度検出手段と、
    この角度検出手段で検出した前記動歯の傾斜角度に応じて前記移動手段を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とするジョークラッシャの歯先隙間調整装置。
  2. 破砕装置フレームに固設された固定歯と、この固定歯に対向配置され、偏心軸により揺動可能に支持された動歯との歯先隙間を調整するジョークラッシャの歯先隙間調整装置において、
    前記動歯の下端部を前記固定歯に対して進退方向に移動させる移動手段と、
    前記動歯が前記固定歯に接触したことを検出する接触検出手段と、
    前記動歯の傾斜角度を検出する角度検出手段と、
    前記接触検出手段で接触を検出した際に前記角度検出手段で検出した前記動歯の傾斜角度を基準角度とし、前記角度検出手段で検出した前記動歯の前記基準角度に対する相対角度に応じて前記移動手段を制御する制御手段と
    を備えたことを特徴とするジョークラッシャの歯先隙間調整装置。
  3. 前記固定歯と前記動歯の歯先隙間の設定値を入力する入力手段と、前記相対角度に基づき歯先隙間を算出する算出手段とを備え、前記制御手段は、前記算出手段で算出した歯先隙間が前記入力手段で入力した歯先隙間設定値となった場合に前記動歯の移動を停止するように前記移動手段を制御することを特徴とする請求項2記載のジョークラッシャの歯先隙間調整装置。
  4. 前記固定歯と前記動歯の歯先隙間の設定値を入力する入力手段と、この入力手段で入力した歯先隙間設定値に基づき前記相対角度の設定値を算出する算出手段とを備え、前記制御手段は、前記角度検出手段で検出した前記動歯の前記基準角度に対する相対角度が前記算出手段で算出した相対角度設定値となった場合に前記動歯の移動を停止するように前記移動手段を制御することを特徴とする請求項2記載のジョークラッシャの歯先隙間調整装置。
  5. 前記偏心軸を回転駆動させる駆動手段と、前記角度検出手段で検出した前記動歯の傾斜角度が最大又は最小となったときに前記偏心軸の回転駆動を停止させるように前記駆動手段を制御する第2制御手段とを備えたことを特徴とする請求項3又は請求項4記載のジョークラッシャの歯先隙間調整装置。
  6. 予め定められた所定の状態において、前記角度検出手段で検出した前記動歯の複数の傾斜角度を記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された複数の傾斜角度のうちの少なくとも2つを比較し、所定の許容範囲を超えた差異がある場合に異常と判定する異常判定手段とを備えたことを特徴とする請求項5記載のジョークラッシャの歯先隙間調整装置。
  7. 予め定められた所定の状態において、前記角度検出手段で検出した前記動歯の複数の傾斜角度と前記接触検出手段で接触を検出した際に前記角度検出手段で検出した前記動歯の傾斜角度との角度差を複数記憶する記憶手段と、この記憶手段に記憶された複数の角度差のうちの少なくとも2つを比較し、所定の許容範囲を超えた差異がある場合に異常と判定する異常判定手段とを備えたことを特徴とする請求項5記載のジョークラッシャの歯先隙間調整装置。
  8. 前記異常判定手段で異常を判定した場合に警報を発報する警報手段を備えたことを特徴とする請求項6又は請求項7記載のジョークラッシャの歯先隙間調整装置。
  9. 前記移動手段は、油圧で伸縮駆動することによって前記動歯を移動させ、移動後には軸方向の摩擦力により前記動歯の移動を制動することができるロックシリンダを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のジョークラッシャの歯先隙間調整装置。
  10. 破砕装置フレームに固設された固定歯と、この固定歯に対向配置され、偏心軸により揺動可能に支持された動歯とを有するジョークラッシャの歯先隙間調整方法において、
    前記動歯の下端部を前記固定歯方向に移動させ、
    前記動歯が前記固定歯に接触した際に検出した前記動歯の傾斜角度を基準角度とし、
    前記動歯の下端部を前記固定歯から離間する方向に移動させつつ、検出した前記動歯の前記基準角度に対する相対角度を算出し、この算出した相対角度に基づいて歯先隙間を算出し、
    この算出した歯先隙間が所望の設定値となった場合に前記動歯の下端部の移動を停止させる
    ことを特徴とするジョークラッシャの歯先隙間調整方法。
  11. 破砕装置フレームに固設された固定歯と、この固定歯に対向配置され、偏心軸により揺動可能に支持された動歯とを有するジョークラッシャの歯先隙間調整方法において、
    前記偏心軸を回転駆動して前記動歯の傾斜角度を最大又は最小とし、
    前記動歯の下端部を前記固定歯方向に移動させ、
    前記動歯が前記固定歯に接触した際に検出した前記動歯の傾斜角度を基準角度とし、
    前記動歯の下端部を前記固定歯から離間する方向に移動させつつ、検出した前記動歯の前記基準角度に対する相対角度を算出し、この算出した相対角度に基づいて歯先隙間を算出し、
    この算出した歯先隙間が所望の設定値となった場合に前記動歯の下端部の移動を停止させる
    ことを特徴とするジョークラッシャの歯先隙間調整方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103191799A (zh) * 2012-01-06 2013-07-10 范公奇 改良式颚式破碎机
WO2023139801A1 (ja) * 2022-01-21 2023-07-27 株式会社アーステクニカ ジョークラッシャ及びその隙間幅の調整方法

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