JP2006109166A - 表面実装用の温度補償水晶発振器 - Google Patents
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Abstract
【目的】温度補償機構にローパスフィルタ7を有する温度補償発振器の小型化を促進して、しかも組立て後に時定数を変更できる温度補償発振器を提供する。
【構成】補償電圧発生回路に接続して補償電圧中の雑音成分を抑止するローパスフィルタを有した温度補償機構を備え、前記ローパスフィルタのコンデンサを除いて前記温度補償機構及び発振回路を集積化したICチップと、前記発振回路に接続した水晶片とを容器本体に収容してなる表面実装用の水晶発振器において、前記ローパスフィルタのコンデンサは前記容器本体外のセット基板に搭載するものとし、前記コンデンサの両端子と電気的に接続する実装端子を前記容器本体の裏面に設けた構成とする。
【選択図】図1
【構成】補償電圧発生回路に接続して補償電圧中の雑音成分を抑止するローパスフィルタを有した温度補償機構を備え、前記ローパスフィルタのコンデンサを除いて前記温度補償機構及び発振回路を集積化したICチップと、前記発振回路に接続した水晶片とを容器本体に収容してなる表面実装用の水晶発振器において、前記ローパスフィルタのコンデンサは前記容器本体外のセット基板に搭載するものとし、前記コンデンサの両端子と電気的に接続する実装端子を前記容器本体の裏面に設けた構成とする。
【選択図】図1
Description
本発明は表面実装用の温度補償水晶発振器(以下、温度補償発振器とする)を技術分野とし、特に小型化に対応した温度補償発振器に関する。
(発明の背景)温度補償発振器は水晶発振器の周波数温度特性を補償して温度に対する周波数安定度が高いことから、携帯電話等の動的環境化で使用される携帯型の電子機器に周波数の基準源として採用される。このようなものの一つに本出願人による雑音を小さく抑止した温度補償発振器がある(特許文献1)。
(従来技術の一例)第4図及び第5図は一従来例を説明する温度補償発振器の図で、第4図は概略回路図、第5図(a)は断面図、同図(b)は平面図、同図(c)は裏面図である。
温度補償発振器は水晶発振器1に温度補償機構2を設けてなる。水晶発振器1は水晶振動子3及び発振回路4を有し、発振閉ループ内に電圧可変容量素子5を設けてなる。温度補償機構2は補償電圧発生回路6及びローパスフィルタ7を有する。補償電圧発生回路6は周囲温度を検出してこれに応答した補償電圧を発生する。ローパスフィルタ7は抵抗R及びコンデンサCからなり、補償電圧発生回路6に接続して補償電圧中の雑音成分となる高周波成分(交流成分)を小さく抑止する。
温度補償発振器は水晶発振器1に温度補償機構2を設けてなる。水晶発振器1は水晶振動子3及び発振回路4を有し、発振閉ループ内に電圧可変容量素子5を設けてなる。温度補償機構2は補償電圧発生回路6及びローパスフィルタ7を有する。補償電圧発生回路6は周囲温度を検出してこれに応答した補償電圧を発生する。ローパスフィルタ7は抵抗R及びコンデンサCからなり、補償電圧発生回路6に接続して補償電圧中の雑音成分となる高周波成分(交流成分)を小さく抑止する。
なお、符号8は起動時にONして瞬時にOFFするスイッチング素子で、ローパスフィルタ7による起動特性の悪化を防止する。同9は高周波阻止抵抗である。そして、ローパスフィルタ7のコンデンサCを除いた温度補償機構2、及び電圧可変容量素子5を含む発振回路4は、ICチップ11に集積化される。コンデンサCは抵抗(約2MΩ)との時定数の関係から例えば10000pF程度になって、その値が大きいいことからICチップ11内に集積化を困難にするため、ディスクリート部品となる。
このようなものでは、例えば凹状とした容器本体10にICチップ11、コンデンサC及び水晶片12を一体的に収容し、カバー13を被せて密閉封入される。容器本体10は積層セラミックからなり、内壁に段部を有する。ICチップ11は図示しないバンプを用いた超音波熱圧着によって内底面に固着される。また、コンデンサCはICチップ11に隣接して、例えば内壁に設けた切り欠き内に半田等によって固着される。水晶片12は図示しない励振電極から引出電極の延出した一端部両側が導電性接着剤14によって、段部に固着される。
なお、容器本体10の裏面には、ICチップ11とスルーホール等によって電気的に接続する出力、電源、アース等の実装端子15が形成される。また、水晶片12はカバー13によって密閉封入されて水晶振動子3となる。
特開2000−196356号公報
特開2001−44758号公報
(従来技術の問題点)しかしながら、上記構成の温度補償発振器では小型化の進行に伴い(例えば平面外形が2.5×2.0mm)、容器本体10における凹部内底面の面積も小さくなる。また、容器本体10の枠壁幅も小さくなって内壁に切り欠きを設けることも困難になる。このため、ローパスフィルタ7のディスクリート部品としたコンデンサCを収容できなくなる問題があった。
また、第6図に示したようにローパスフィルタ7の高周波が減衰し始めるカットオフ周波数fαはCRの時定数によって決定されるが、この場合には、抵抗RはICチップ11に集積化され、コンデンサCは凹部内底面に固着されて密閉封入されるので、温度補償発振器の組立て後は時定数を変更できない問題があった。
例えばカットオフ周波数fαを低くして雑音成分である高周波成分(交流成分)を極力小さくする場合には時定数を大きくすればよいが、この場合には、温度補償電圧が温度に応答して変化するため、抵抗RとコンデンサCの中点(接続点)の電位が安定するまでに時間が掛かり、温度補償の追従性を悪化させる。これにより、例えば急激な温度変化時の温度補償特性を規格外にする。
また、これとは逆に、時定数を小さくして温度補償の追従性を良好にすると、カットオフ周波数fαが高くなり、雑音成分が多くなって位相雑音特性を悪化させる。これらのことから、例えば温度変化の少ない主に室内のみで使用する場合は、時定数を大きくして高周波成分を小さくする。また、温度変化の大きい室外で使用する場合は、時定数を小さくして追従性を確保する。
ちなみに、上記の抵抗Rを2MΩ、コンデンサCを10000pFとした場合のカットオフ周波数fαは8Hzになり、これにより例えばMHz帯の高周波数は減衰量を大きくして雑音成分が抑止される。カットオフ周波数fαは低いほど、高周波数の減衰が大きくなる。
これらのことから、温度補償発振器の組立て後においても、使用環境等に応じて時定数を任意に変更できれば有用になる。なお、時定数を大きくするには抵抗R及びコンデンサCの容量を大きくすればよいが、抵抗RはICチップ11内に集積化して形成するので限度がある。このため、抵抗Rは一定値として外付けのコンデンサCの容量を大きくすればよいが、容量を大きくすると外形も大きくなり、容器本体10内には収容しきれなくなる問題もある。
(発明の目的)本発明は、温度補償機構にローパスフィルタ7を有する温度補償発振器の小型化を促進して、しかも組立て後に時定数を変更できる温度補償発振器を提供することを目的とする。
本発明は、特許請求の範囲(請求項1)に示したように、補償電圧発生回路に接続して補償電圧中の雑音成分を抑止するローパスフィルタを有した温度補償機構を備え、前記ローパスフィルタのコンデンサを除いて前記温度補償機構及び発振回路を集積化したICチップと、前記発振回路に接続した水晶片とを容器本体に収容してなる表面実装用の水晶発振器において、前記ローパスフィルタのコンデンサは前記容器本体外のセット基板に搭載するものとし、前記コンデンサの両端子と電気的に接続する実装端子を前記容器本体の裏面に設けた構成とする。
このような構成であれば、ローパスフィルタのコンデンサをセット基板に外付けできるので、温度補償発振器自体の小型化を促進できる。また、コンデンサを外付けとするので、温度補償発振器の組立て後にも使用環境等に応じた時定数を任意に変更できる。そして、コンデンサの容量を大きくできるので、時定数をも大きくできて高周波成分(雑音成分)を抑止できる。
本発明の請求項2に示したように、請求項1の前記コンデンサの両端子と電気的に接続する実装端子は、前記ローパスフィルタの抵抗から延出した実装端子と、前記コンデンサは前記容器本体の底面に設けられたアース用の実装端子とする。これにより、ローパスフィルタのコンデンサを表面実装発振器の搭載されるセット基板に固着できる。
同請求項3では、前記コンデンサの両端子と電気的に接続する実装端子は、前記ローパスフィルタ7の抵抗から延出した実装端子と、前記コンデンサの両端を同電位とする前記温度補償機構2内に設けられた電位設定回路から延出した実装端子とする。これにより、ローパスフィルタのコンデンサを表面実装発振器の搭載されるセット基板に固着できて、コンデンサの両端子間を同電位にしてコンデンサ自体の時定数による追従性の低下を防止する。
第1図は本発明の一実施例を説明する表面実装発振器の図である。なお、前従来例と同一部分の説明は簡略又は省略する。
温度補償発振器は前述したように水晶振動子3、発振回路4、電圧可変容量素子5を有する水晶発振器と、補償電圧発生回路6、ローパスフィルタ7を有する温度補償機構2とを備えてなる。但し、前述同様に、ローパスフィルタ7のコンデンサCを除く温度補償機構、及び電圧可変容量素子5を含む発振回路がICチップ11に集積化される。
温度補償発振器は前述したように水晶振動子3、発振回路4、電圧可変容量素子5を有する水晶発振器と、補償電圧発生回路6、ローパスフィルタ7を有する温度補償機構2とを備えてなる。但し、前述同様に、ローパスフィルタ7のコンデンサCを除く温度補償機構、及び電圧可変容量素子5を含む発振回路がICチップ11に集積化される。
そして、容器本体10の凹部内底面にICチップを固着し、内壁段部に水晶片12の一端部両側を固着し、コンデンサCは温度補償発振器が搭載されるセット基板に固着するものとする。容器本体10の裏面には、前述した出力、電源、アース等の実装端子15を4角部に有する。そして、コンデンサCの両端子と電気的に接続する実装端子15(C1、C2)を容器本体10の裏面に設けて構成される。
ここでは、コンデンサCの両端子と電気的に接続する実装端子15(C1、C2)中の一方の実装端子15C1は、ICチップ11に集積化されたローパスフィルタ7の抵抗Rから延出して、例えば容器本体10の一長辺の中央領域に設けられる。また、他方の実装端子15C2は、従来から設けられている実装端子15中のアース用15Eとする。そして、第2図に示したように、各実装端子15に応答した回路端子が形成されたセット基板16に温度補償発振器17を搭載し、コンデンサC用の実装端子15(C1、C2)に電気的に接続した導電路18の端子間にコンデンサCを半田等によって固着する。
このような構成であれば、発明の効果の欄でも述べたように、ローパスフィルタ7のコンデンサCをセット基板16に外付けして温度補償発振器の容器本体10には収容しないので、温度補償発振器自体の小型化を促進できる。
また、コンデンサCを外付けとするので、例えばユーザーの必要に応じてコンデンサCの容量をローパスフィルタ7の時定数に応じて選択できる。したがって、温度補償発振器の組立て後にも使用環境等に応じた時定数を任意に変更できる。特に、コンデンサCをデスクリィート部品として容量の大きいものを選択できることから、ローパスフィルタ7の時定数を大きくして遮断周波数fαを小さくし、高周波成分(雑音成分)を抑止できる。
(他の事項)上記実施例では、ローパスフィルタ7のコンデンサCの他端はアース電位に接続したが、例えば第3図(a)に示したように、コンデンサの両端を基準温度時に同電位とする電位設定回路19に接続してもよい(特許文献2参照)。電位設定回路19はICチップ11内の温度補償機構内に設けられる。
この場合は、同図(b)に示したように、容器本体10の裏面には両長辺の中央部にコンデンサCの両端子と接続する実装端子15(C1、C2)設けられる。一方の実装端子15C1は前述同様にローパスフィルタ7の抵抗Aから延出し、他方の実装端子15C2は電位設定回路19から延出する。
1 水晶発振器、2 温度補償機構、3 水晶振動子、4 発振回路、5 電圧可変容量素子、6 補償電圧発生回路、7 ローパスフィルタ、8 スイッチング回路、9 高周波阻止抵抗、10 容器本体、11 ICチップ、12 水晶片、13 カバー、14 導電性接着剤、15 実装端子、16 セット基板、17 温度補償発振器、18 導電路、19 電位設定回路。
Claims (3)
- 補償電圧発生回路に接続して補償電圧中の雑音成分を抑止するローパスフィルタを有した温度補償機構を備え、前記ローパスフィルタのコンデンサを除いて前記温度補償機構及び発振回路を集積化したICチップと、前記発振回路に接続した水晶片とを容器本体に収容してなる表面実装用の水晶発振器において、前記ローパスフィルタのコンデンサは前記容器本体外のセット基板に搭載するものとし、前記コンデンサの両端子と電気的に接続する実装端子を前記容器本体の裏面に設けたことを特徴とする表面実装用の温度補償水晶発振器。
- 前記コンデンサの両端子と電気的に接続する実装端子は、前記ローパスフィルタの抵抗から延出した実装端子と、前記コンデンサは前記容器本体の裏面に設けられたアース用の実装端子とである請求項1の温度補償水晶発振器。
- 前記コンデンサの両端子と電気的に接続する実装端子は、前記ローパスフィルタの抵抗から延出した実装端子と、前記コンデンサの両端を同電位とする前記温度補償機構内に設けられた電位設定回路から延出した実装端子である請求項1の温度補償水晶発振器。
Priority Applications (1)
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JP2004294127A JP2006109166A (ja) | 2004-10-06 | 2004-10-06 | 表面実装用の温度補償水晶発振器 |
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