JP2006108548A - 光素子用サブマウント - Google Patents

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Abstract

【課題】 光素子の光軸に対する反射体の設置角度を向上させることのできる光素子用サブマウントを提供する。
【解決手段】 光素子11が取り付けられるサブマウント12に、この光素子11の光路上に設けられて光を反射する反射面13aを有する反射体13を、この反射体13の反射面13aをサブマウント12への取付面として取り付けた光素子用サブマウント。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光素子用サブマウントに関し、特に、光素子と反射体とを有する光部品における光素子の光軸に対する反射体の設置角度の精度を向上させたものである。
光部品として、フォトダイオード(PD)やレーザダイオード(LD)のような光素子と、この光素子から出射された光、又はこの光素子へ入射する光を反射する反射面を有する反射体(誘電体多層膜、ミラーなど)とを備えた光モジュールが光通信システムなどで用いられている。
従来、このような光モジュールは、表面に反射体を取り付けた光部材と、光素子を搭載したサブマウントとを、それぞれ別個に作製し、次いでこれらの光部材とサブマウントとを直接に又は複数の他の部材を介して、光素子の光軸が反射体に対して所定の位置及び角度になるように組み立てられている。
このような従来の光モジュールについては、例えば特許文献1ないし特許文献3に開示がある。すなわち、特許文献1には、双方向光送受信配置について記載されていて、図6の模式図に示すように、光送信機101を取り付けたサブマウント102と、平坦なレンズ面103a(反射体に相当する)と凸状のレンズ面103bとを有する光伝達手段103とが個別に作製された後、これらのサブマウント102及び光伝達手段103が、複数の取付部材105、106などによって、前記光送信機101の光軸が平坦なレンズ面103aに対して所定の位置及び角度になるように組み立てられている。なお、図6中、符号104は第2の波長の光を受信する光受信機である。
また、特許文献2には、面発光レーザ(VCSEL)を表面実装した光モジュール用の光路変換体について記載されている。図7の模式図に示すように、この光路変換体113は、入射した光を反射する反射面113aを集光レンズ113bと共に備えるものであり、面発光素子111を収容する凹部112aが形成されたサブマウント112に,この光路変換体113が接合されることにより、面発光素子111の光軸が反射面113aに対して所定の位置及び角度になるように配置されている。なお、図7中、符号115は面発光素子111から出射した光が入射される光ファイバである。
さらに、特許文献3には、光半導体素子からの光の反射等を行う光学素子と、集光用レンズとが、基板に設けられた溝によって位置決めされて取り付けられている光半導体モジュールについて記載されている。図8の模式図に示すように、レーザダイオード121からの光を光ファイバ125に結合させるとともに光ファイバ125からの光をフォトダイオード124に結合させる反射体又は誘電多層膜123aが三角プリズム123の斜面に形成されていて、この三角プリズム123が、ガラス基板に形成されたプリズム溝によってガラス基板に取り付けられ、また、光を集光する球レンズ126が、ガラス基板に形成された球レンズ溝によってガラス基板に取り付けられている。このように、三角プリズム123がプリズム溝に取り付けられることにより、レーザダイオード121の光軸が反射体又は誘電多層膜123aに対して所定の位置及び角度になるように配置されている。
米国特許第5416624号明細書 特開平2003−14987号公報 特開平5−60937号公報
上述したように従来は、反射体を取り付けた部材を基板に設けた溝に沿って固定したり、斜面構造をもつ部材で支持したりすることにより、反射体を光素子の光軸に対して所望の角度となるように設置している。しかしながら、これらの手法により反射体と光素子とを位置決めした場合、部材の作製誤差や接合誤差により、反射体の設置位置、角度が所望の値から外れてしまうことがある。
例えば、部材の作製後に反りが生じる場合があり、反りが生じた部材では、所望の取り付け精度が得られない。また、部材の作製後の表面の粗さは反射体の取り付け精度に影響を及ぼす。更に、各部材を接合するには、接合材として接着剤や半田などが用いられるが、これらの接合材の存在により接合面では平面精度が得られ難い場合がある。
このような取り付け精度の問題は、光素子と反射体とを結合する部材の数が多いほど顕著となり、したがって、これらの部材の数が多いほど、光素子の光軸に対する反射体の設置角度の精度が低下するという問題があった。また、用いる部材の数が多いほど、光部品の作製に時間及び労力を要し、部材コストが嵩み、かつ、光部品全体として大型化してしまうという問題があった。
以上の問題は、特許文献1ないし特許文献3に開示の技術では解決されていなかった。例えば、特許文献1では、光素子である光送信機101と反射体となる平坦なレンズ面103aとが、複数の部材を介して間接的に接合されているから、反射面の角度の精度については、部材の作製誤差や接合誤差の影響が大きくなり、光素子の光軸に対する反射体の設置角度について十分な精度が得られなかった。
また、特許文献2では、反射体に相当する反射面113aが、光路変換体113に設けられて、この光路変換体113を、光素子である面発光素子111が取り付けられたサブマウント112に接合することにより、反射面113aを間接的に位置決め固定しているが、かかる反射面113aの角度の精度は、光路変換体113及びサブマウント112の作製精度や接合面における接合精度によって決まるため、光素子に対する反射体の設置角度について高い精度を要求するのは困難であった。
更に、特許文献3では、反射体123aを挟んだ二つのプリズム123をガラス基板に設けたプリズム溝に沿って取り付け固定しているが、このプリズム溝は、プリズムとの嵌め合わせのためにプリズムのサイズよりも大きなサイズに設計する必要があるため、プリズムとプリズム溝との間には、遊びが生じてしまう。したがって、光素子の光軸に対する反射体の設置角度について十分な精度が得られなかった。
本発明は、上記の問題を有利に解決するものであり、光素子の光軸に対する反射体の設置角度を向上させることのできる光素子用サブマウントを提供することを目的とする。
本発明は、光素子が取り付けられるサブマウントに、この光素子の光路上に設けられて光を反射する反射面を有する反射体を、この反射体の反射面をサブマウントへの取付面として取り付けたことを特徴とする光素子用サブマウントである。
また、本発明の光素子用サブマウントは、前記サブマウントに複数の光素子が取り付けられている構成とすることもできる。
また、本発明の光素子用サブマウントを、光モジュールに用いることは有利である。
本発明では、反射体を、平面精度の高い反射面を接合面としてサブマウントに固定する。このことより、従来の構造に比べて、光素子の光軸に対する反射体の設置角度の精度を向上させることができる。
また、反射体と光素子とを同一のサブマウントに固定することにより、部材数を最小限に削減することができる。したがって、部材の作製誤差や接合誤差により生ずる反射体の設置角度のずれを最小限に抑えることができる。また、部材数の削減は光部品の作製時間を短縮することにつながり、また、光部品全体の小型化、低コスト化を可能とする。
なお、本発明の光素子用サブマウントでは、反射体の反射面を取付面として、接着剤などの接合材によりサブマウントに固定するが、接着剤などが反射面の不必要な部分に不用意に付着するおそれは、固定時に部材の取り扱いに注意することにより容易に回避できる。
図1は、本発明の光素子用サブマウントの第1の実施例の模式図である。同図において、光素子11がサブマウント12の表面12aに取り付けられている。この光素子11は、例えば端面から発光するタイプのレーザダイオードであり、出射光の光軸は、光素子11が取り付けられたサブマウント12の表面12aと平行な方向になる。サブマウント12は、表面12aに対して所定の角度をなす反射体取付面12bを有していて、この反射体取付面12bに反射体13が取り付けられる。サブマウント12の表面12aと反射体取付面12bとのなす角度は、表面12aに取り付けられた光素子11から出射される光の光軸と、反射体取付面12bに取り付けられる反射体13の反射面13aとのなす角度により定められる。このようなサブマウント12の反射体取付面12bに対して、反射体13の反射面13aを接合面として反射体13が、光素子11から出射される光を反射可能に接合固定されている。
反射体13の反射面13aは、光を反射する目的のために他の面に比べ平面精度が高い。したがって、この反射面13aを接合面としてサブマウント12に反射体13を取り付け固定することにより、光素子11の光軸に対する反射体13の設置角度の精度を向上させることができる。また、光素子11が取り付けられたサブマウント12に反射体13が取り付けられているので、光素子11と反射体13との間の部品はサブマウント12のみである。したがって、光素子11と反射体13との間に複数の部材が介在する場合の誤差の重畳を回避することができ、この点でも光素子11の光軸に対する反射体13の設置角度の精度を向上させることができる。更に、光部品数が少なくて済むため、光部品の作製に労力や時間を要せず、かつ、光部品全体の小型化も可能になる。
次に、図2を用いて本発明の光素子用サブマウントの第2の実施例を説明する。図2は、本発明の光素子用サブマウントの第2の実施例の模式図である。同図において、光素子21がサブマウント22の端面22aに取り付けられている。この光素子21は、例えば受光素子であるフォトダイオード(PD)や面発光レーザ素子(VCSEL)であり、出射光の光軸は、光素子21が取り付けられたサブマウント12の端面22aと垂直な方向になる。そのため、サブマウント22に取り付けられる反射体13に向かう端面22aに光素子21が取り付けられているのである。
サブマウント22は、その端面22aに対して所定の角度をなす反射体取付面22bを有していて、この反射体取付面22bに反射体13が取り付けられる。サブマウント22の端面22aと反射体取付面22bとのなす角度は、端面22aに取り付けられた光素子21から出射される光の光軸と、反射体取付面22bに取り付けられる反射体13の反射面13aとのなす角度により定められる。このようなサブマウント22の反射体取付面22bに対して、反射体13の反射面13aを接合面として反射体13が、光素子21から出射される光を反射可能に接合固定されている。
反射体13の反射面13aは、光を反射する目的のために他の面に比べ平面精度が高い。したがって、この反射面13aを接合面としてサブマウント22に反射体13を取り付け固定することにより、第1の実施例と同様に、光素子21の光軸に対する反射体13の設置角度の精度を向上させることができる。また、光素子21と反射体13との間に複数の部材が介在する場合の誤差の重畳を回避することができ、この点でも光素子21の光軸に対する反射体13の設置角度の精度を向上させることができる。更に、光部品数が少なくて済むため、光部品の作製に労力や時間を要せず、かつ、光部品全体の小型化も可能になる。
次に、図3を用いて本発明の光素子用サブマウントの第3の実施例を説明する。図3は、本発明の光素子用サブマウントの第3の実施例の模式図である。同図に示す本実施例は、反射体がWDMフィルタ33であり、サブマウント32に2個の光素子を設けた例である。サブマウント32は光素子11を取り付ける第1の表面32aと、この第1の表面32aと所定の角度をなす反射体取付面32bと、第1の表面32aとは別の高さになり光素子14を取り付ける第2の表面32cとを有している。第1の表面32aと反射体取付面32bとの角度は、第1の表面32aに取り付けられた光素子11から出射される光の光軸と、反射体取付面32bに取り付けられるWDMフィルタ33の反射面33aとのなす角度により定められる。このような反射体取付面32bに対して、反射体としてのWDMフィルタ33が、その反射面33aを接合面として、素子11から出射される光を反射可能に接合固定されている。また、サブマウント32の第2の表面32cには、フォトダイオードなどの光素子14が、この光素子14の光軸がWDMフィルタ33を透過可能に取り付けられている。
本実施例に示されるように、本発明の光素子用サブマウントは、反射体としてWDMフィルタを用い、2つの光素子を取り付ける場合にも適用可能であり、平面精度の高い反射面33aを接合面としてサブマウント32にWDMフィルタ33を取り付け固定することにより、第1及び第2の実施例と同様に、光素子11の光軸に対するWDMフィルタ33の設置角度の精度を向上させることができる。また、光素子11及びWDMフィルタ33を同一のサブマウント32に取り付けることにより、光素子11と反射体としてのWDMフィルタ33との間に複数の部材が介在する場合の誤差の重畳を回避することができ、この点でも光素子21の光軸に対する反射体13の設置角度の精度を向上させることができる。更に、光部品数が少なくて済むため、光部品の作製に労力や時間を要せず、かつ、光部品全体の小型化も可能になる。更に、光素子14もまた、光素子11及びWDMフィルタ33と同一のサブマウント32に取り付けられることから、2つの光素子を設けた場合であっても、誤差の重畳による角度精度の低下を抑制することができ、かつ、光部品数が少なくて済むため光部品の作製労力などを低減することができ、部品全体の小型化を図ることができる。
次に、図4を用いて本発明の光素子用サブマウントの第4の実施例を説明する。図4は、本発明の光素子用サブマウントの第4の実施例の模式図である。同図に示す本実施例は、反射体がWDMフィルタ33であり、サブマウント32に2個の光素子を設けた例であって、基本構成は図3に示した第3の実施例と同じである。そして、サブマウント42が、光素子11を取り付ける第1のサブマウント421と、光素子14を取り付ける第2のサブマウント422とにより構成される点で前述した第3の実施例とは相違している。
第1のサブマウント421は、光素子11を取り付ける表面421aと、この表面421aと所定の角度をなす反射体取付面421bとを有している。この表面421aと反射体取付面421bとの角度は、表面421aに取り付けられた光素子11から出射される光の光軸と、反射体取付面421bに取り付けられるWDMフィルタ33の反射面33aとのなす角度により定められる。このような反射体取付面32bに対して、反射体としてWDMフィルタ33が、その反射面33aを接合面として、光素子11から出射される光を反射可能に接合固定されている。
したがって、この反射面33aを接合面としてサブマウント421にWDMフィルタ33を取り付け固定することにより、第1〜3の実施例と同様に、光素子11の光軸に対するWDMフィルタ33の設置角度の精度を向上させることができる。また、光素子11とWDMフィルタ33との間に複数の部材が介在する場合の誤差の重畳を回避することができ、この点でも光素子11の光軸に対するWDMフィルタ33の設置角度の精度を向上させることができる。更に、光部品数が少なくて済むため、光部品の作製に労力や時間を要せず、かつ、光部品全体の小型化も可能になる。
一方、第2のサブマウント422の表面422aには、フォトダイオードなどの光素子14が、この光素子14の光軸がWDMフィルタ33を透過可能に取り付けられている。
本実施例では、サブマウント42について、光素子14が取り付けられる第2のサブマウント422と、前述した光素子11が取り付けられる第1のサブマウント421とが、接合固定される構成になることから、光素子14及び光素子11について位置合わせ(調芯)作業を行うことが容易になる。
次に、図5を用いて本発明の光素子用サブマウントの第5の実施例を説明する。図5は、本発明の光素子用サブマウントの第5の実施例の模式図である。同図においては、面発光素子51から出射される光を反射して光ファイバ55に導くための光路変換体53に、反射面53aが設けられている。また、サブマウント52は、面発光素子51を取り付ける表面52aを有するとともに、光路変換体53の反射面53aを取り付けるための反射体取付面52bを有している。この反射体取付面52bの表面52aに対する角度、位置は、光路変換体53を取り付けたときに、面発光素子51から出射される光の光軸が光路変換体53に入射して反射面53aで反射し光ファイバ55に到達する角度、位置になるような角度、位置とする。そして、このサブマウント52の反射体取付面52bに光路変換体53の反射面53aが接合固定されている。
このように、光路変換体53を有する光モジュールにおいても、本発明に従い、光路変換体53の反射面53aを接合面としてサブマウント53に取り付け固定することにより、光素子51の光軸に対する反射面53aの設置角度の精度を向上させることができる。
以上、図面を用いて本発明の実施例を説明したが、本発明は、既に述べた実施例に限定されるものではない。また、本発明の光素子用サブマウントを光モジュールに用いることにより、光モジュールの結合精度を向上させることができる。
本発明の光素子用サブマウントの第1の実施例の模式図である。 本発明の光素子用サブマウントの第2の実施例の模式図である。 本発明の光素子用サブマウントの第3の実施例の模式図である。 本発明の光素子用サブマウントの第4の実施例の模式図である。 本発明の光素子用サブマウントの第5の実施例の模式図である。 特許文献1に開示の双方向光送受信配置を模式的に示す図である。 特許文献2に開示の光モジュールの要部を示す模式図である。 特許文献3に開示の光モジュールの要部を示す模式図である。
符号の説明
11 光素子
12 サブマウント
13 反射体
13a 反射面


Claims (3)

  1. 光素子が取り付けられるサブマウントに、この光素子の光路上に設けられて光を反射する反射面を有する反射体を、この反射体の反射面をサブマウントへの取付面として取り付けたことを特徴とする光素子用サブマウント。
  2. 前記サブマウントに複数の光素子が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の光素子用サブマウント。
  3. 請求項1又は2に記載の光素子用サブマウントを具備することを特徴とする光モジュール。

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