JP2006108189A - 積層セラミックコンデンサの製造方法 - Google Patents

積層セラミックコンデンサの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 積層セラミックコンデンサの特性を損なうことなく外部電極を形成することを目的としている。
【解決手段】 ニッケルを主成分とする金属からなる内部電極とセラミックとからなる積層セラミックコンデンサ素子の端面に、銅を主体とする外部電極を形成してなる積層セラミックコンデンサの製造方法するにあたり、積層セラミックコンデンサ素子の端面に、銅粉末と樹脂成分からなるバインダーとガラスフリットを含む銅ペースト層を塗布して、乾燥した後に、700℃以下では30〜500ppmの酸素濃度下で、かつ800℃以上では15ppm以下の酸素濃度下で焼結した。また、銅ペースト塗布から焼結までの工程を二回以上繰り返して外部電極を形成した。
【選択図】 図1

Description

この発明は、積層セラミックコンデンサの製造方法に関するもので、特に、積層セラミックコンデンサの外部電極の製造方法に関するものである。
従来、積層セラミックコンデンサは、次のように製造されている。まず、チタン酸バリウムを主成分とする誘電体磁器組成物粉末と有機樹脂等のバインダーとを、有機溶剤中に分散混合させてスラリーを得、このスラリーをドクターブレード法等で一定の厚みに成膜し、グリーンシートを作製する。次に、銅(Cu)、ニッケル(Ni)等の低抵抗金属と有機ビヒクルからなる内部電極ペーストをスクリーン印刷法によりグリーンシート上へ印刷して内部電極を形成する。内部電極が交互に対向する電極としたこのグリーンシートを打ち抜き、金型内へ積層し、熱プレス等で圧着して積層体を得る。この積層体を一個一個のコンデンサ素子に切断し、脱バインダー、焼成を行い、積層セラミックコンデンサ素子を得る。こうして得られた積層セラミックコンデンサ素子の対向する内部電極の各々の電極引き出し部が露出する両端面に、外部電極を形成し、積層セラミックコンデンサが完成する。
内部電極層にニッケルのような卑金属を用いる理由としては、銀−パラジウム合金のような貴金属を内部電極に用いた積層セラミックコンデンサよりも安価に製造できるというメリットがあるためである。しかし卑金属は貴金属とは異なり酸化されやすいため、外部電極形成工程においては内部電極層の酸化を防止し、良好な電気的接続性と強固な密着性を得ることが重要となる。すなわち、ニッケルが酸化して酸化ニッケルとなると、導電性が悪化するということが知られており、ニッケルを内部電極に用いた積層セラミックコンデンサは、ニッケルの酸化を防止するために非酸化雰囲気中で焼結するのが一般的である。
その一例としては、卑金属材料を用いた内部電極層を有する積層セラミックコンデンサの外部電極組成物として、特公昭63−14856号公報や特公平8−4055号公報には、銅粉末が50〜80重量%、ガラスフリット5〜20重量%及び有機ビヒクル10〜30重量%とからなる銅ペーストを塗布し、還元雰囲気中で焼き付け形成することが開示されている。この還元雰囲気での焼き付けは、600〜900℃の温度でN雰囲気中で行われ、チップ部品を炉に挿入してから炉出し時間は60分前後で行われている。ここでは、ペースト中の有機ビヒクル成分を効率良く分解するために、特開平5−243083号公報や特開平11−195553号公報等で開示されているように、300〜600℃温度ゾーンにおいて、N雰囲気中に100ppm以下の微量な酸素をドープして焼き付けを行っている。
このような積層セラミックコンデンサの外部電極の形成に関する技術としては前述したように次にような特許文献がある。
特公昭63−14856号公報 特開平5−243083号公報 特開平11−195553号公報
上述にような積層セラミックコンデンサの製造過程において、積層セラミックコンデンサ素子を形成した後に、その端面に金属ペースト層を塗布して、その後に焼結することにより外部電極層を形成しているが、金属ペーストにはバインダーとしての樹脂が含まれている。金属ペースト中に樹脂成分が残留すると、外部電極の焼結時に積層セラミックコンデンサ素子を構成する誘電体磁器組成物中に含まれる酸素と反応するようになり、誘電体磁器組成物の誘電体特性が変化してしまう場合があるため、金属ペーストには樹脂成分が残留しないことが望ましい。
そのため、積層セラミックコンデンサ素子に金属ペースト層を形成し、焼結して外部電極を形成する場合には、金属ペーストに含まれる樹脂成分を除去するために、脱バインダー処理を行うとともに、外部電極を焼結する雰囲気に若干の酸素を含ませて焼結を行っている。すなわち、酸素を含む雰囲気下では、焼結の際に樹脂が燃焼して、樹脂成分を除去することができるようになる。
ところで、外部電極の最外層には、ハンダ塗れ性を向上させるために、ハンダメッキやスズメッキを施すことが一般的である。このようなメッキを施すためには、積層セラミックコンデンサをメッキ液に浸漬して電解メッキや無電解メッキを行うが、外部電極の厚さが薄いと、メッキ液が積層セラミックコンデンサの内部にまで浸透してしまう場合がある。そのため、外部電極の厚さはメッキ液が浸透しないような厚さに形成する必要がある。
しかしながら、外部電極の厚さを厚く形成しようとすると、金属ペースト層の内部側(積層セラミックコンデンサ素子との接触部側)では、外部雰囲気より酸素が供給されず、金属ペーストの内部に樹脂成分が残留することがあり、やはりセラミックの誘電体特性が変化してしまう場合がある。
このような不都合を防止するには、外部電極を焼結する際の雰囲気の酸素濃度を高濃度とすることで解決することができるが、外部電極を焼結する際の雰囲気の酸素濃度を高濃度とすると、内部電極のニッケルを酸化してしまう場合があるという問題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためのものであり、外部電極に樹脂成分を残留することなく、外部電極を厚く形成することを目的とする。
そこで、この出願の請求項1にかかる発明では、外部電極を形成するに際し、積層セラミックコンデンサ素子の端面に、金属粉末と樹脂成分からなるバインダーとガラスフリットを含む金属ペースト層を形成して、乾燥し、非酸化性の雰囲気中で焼結する工程を2回以上繰り返すことにより、外部電極層を形成した。
すなわち、外部電極の形成の際、外部電極となる金属ペースト層を比較的厚さの薄い層とし、酸素濃度の低い雰囲気で焼結するという工程を繰り返すことにより、内部電極を酸化することなく、厚さの厚い外部電極層を形成することができるようになる。
この出願の請求項2にかかる発明では、請求項1にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法において、内部電極を構成する金属として、ニッケル又はニッケル合金を用い、外部電極を形成する金属ペーストの金属粉末が、銅または銅合金を主体とする金属粉末であると好ましい。
ニッケルは銀−パラジウム合金等に比べ安価であり、積層セラミックコンデンサの製造コストの低減を図ることができる。また、外部電極を銅または銅合金を主体とする金属粉末を用いて形成すると、銅とニッケルとの接合性が良いことと、積層セラミックコンデンサ素子を焼結した温度よりも、銅ペーストを焼結するための温度を低温とすることが可能であるため、積層セラミックコンデンサ素子の誘電体特性等の特性に悪影響を及ぼすことがない。
この出願の請求項3にかかる発明では、請求項1にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法において、銅を主体とする外部電極を形成する場合には、金属ペースト層の塗布厚さを焼結後の銅膜の厚さが積層セラミックコンデンサ素子の平坦部で30μm以下となるように塗布することが好ましい。
銅を主体とする外部電極を形成する場合に、外部電極となる銅ペーストは焼結により50から60%収縮する。従って、予め収縮率を考慮して銅ペーストを塗布することにより、焼結後の銅膜を所望の厚さとすることができる。そして、この厚さは1回目の銅ペーストを塗布し、その後焼結して得た銅膜の厚さが30μmを超えるような厚さとすると、銅膜の内部側では外部雰囲気から酸素が十分に供給されず、誘電体磁器組成物から酸素を奪ってしまう。この結果、積層セラミックコンデンサの加速寿命特性が悪化する。なお、この出願では銅膜とは、銅ペーストが塗布・焼結されて形成された後の状態を指しており、この銅膜が積層されていくことにより外部電極となるものである。
この出願の請求項4にかかる発明では、請求項1にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法において、銅を主体とする外部電極を形成する場合には、外部電極の厚さは積層セラミックコンデンサ素子の平坦部で60μm以上あることを特徴としている。
銅を主体とする外部電極の厚さが60μm以下であると、外部電極層にメッキを施す際に、メッキ液が積層セラミックコンデンサの内部にまで浸透することがあり、好ましくない。
この出願の請求項5にかかる発明では、請求項1にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法において、金属ペースト層を焼結する際、700℃以下では30ppm以上500ppm以下の酸素濃度下で、800℃以上では15ppm以下の酸素濃度で焼結すると好ましい。
700℃以下では、樹脂の燃焼は起こるが、内部電極であるニッケルの酸化は起こりづらい。しかし、800℃以上になると内部電極のニッケル、さらには外部電極の銅の酸化反応が進行しやすくなる。そこで、700℃以下では、酸素濃度を比較的高くしておき、樹脂の燃焼を進行させる。そして、ニッケルや銅の酸化が進行しやすい800℃以上では、酸素を殆ど含まない雰囲気として焼結することにより、内部電極の酸化を引き起こすことなく外部電極の焼結をすることができる。このような作用を達成することのできる酸素濃度としては、700℃以下では30ppm以上500ppm以下、800℃以上では15ppm以下の酸素濃度の範囲である。なお、酸素濃度が500ppmを超えると、700℃以下の温度であっても内部電極であるニッケルの酸化が起きやすくなってしまう。
この出願の請求項6にかかる発明では、請求項1にかかる積層セラミックコンデンサの製造方法において、積層セラミックコンデンサ素子に塗布する金属ペースト層の少なくとも内部側の金属ペースト層をスクリーン印刷法または転写法にて塗布すると好ましい。
積層セラミックコンデンサ素子に金属ペースト層を形成する方法としては、金属ペースト浴への積層セラミックコンデンサ素子のディップによる方法があるが、ディップ法によると、積層セラミックコンデンサ素子を引き上げた際に、金属ペーストが垂れ下がってしまう。しかし、スクリーン印刷法または転写法によって金属ペースト層を塗布すると、外部電極層の厚さを一定のものとすることができ、必要以上に厚さが厚くなることがなく、積層セラミックコンデンサの大型化を抑制することができる。
この発明では、外部電極を形成する工程で、外部電極に樹脂成分を残留することなく、かつ外部電極を厚く形成することにより、積層セラミックコンデンサの特性の向上を図ることができる。
次にこの発明を実施するための最良の形態について説明する。
この実施の形態は、積層セラミックコンデンサの静電容量が2.2μFを目的としたものであり、図1に示すような構造の積層セラミックコンデンサの製造方法に適用したものである。
図1に示す積層セラミックコンデンサでは、積層セラミックコンデンサ素子2の内部に複数の内部電極4がセラミック層3を介して重なり合うように配置されている。積層セラミックコンデンサ素子2の端面2A、2Bには外部電極5、5が形成されている。
このような積層セラミックコンデンサの製造プロセスについて説明する。
まず、積層セラミックコンデンサ素子2を得た。この工程としては、セラミックグリーンシート上にニッケル含有導電ペーストをスクリーン印刷し、このような導電ペーストの印刷されたセラミックグリーンシートを複数枚積層し、上下に導電ペーストの印刷されていないセラミックグリーンシートを積層して積層体を得た。得られた積層体を厚み方向に加圧した後、個々に切断し焼結することにより、導電ペーストを焼き付けて内部電極を完成させるとともに、内部電極4がセラミック層3を介して積層されている積層セラミックコンデンサ素子2を得た。
そして、積層セラミックコンデンサの商品としての特性規格値及び信頼性を確保する上においては、内部電極4,4と外部電極5,5の確実な電気的接続を実現することが非常に重要となる。そこで、積層セラミックコンデンサ素子2をメディア、水と共にバレル中に投入し湿式バレル加工することにより、内部電極を両端面に露出させる。このバレル加工によって積層セラミックコンデンサ素子2の角部も研磨され、端面2A、2Bは平坦部と研磨された角部によって構成されるようになる。
以上のようにして作成した積層セラミックコンデンサ素子2の外形寸法は、3.2×1.6×1.6mmであった。
次に、積層セラミックコンデンサ素子2の両端面2A、2Bの上に銅ペーストをスクリーン印刷法によって、端面の平坦部上に印刷し、乾燥することにより試料を容易した。その印刷の厚さは焼付け後の銅膜の厚さが30μmとなるように印刷した。なお、この時の銅ペーストの厚さは62μmであった。
使用した銅ペーストは、ガラスフリット(ホウケイ酸亜鉛系ガラスおよびホウケイ酸バリウム系ガラスの混合物)を5重量%含む銅粉末(平均粒径2μm)からなる固形分を、アクリル樹脂等の樹脂成分を含む有機ビヒクルを用いて混練し、ペースト中の固形分を70重量%としたものである。
また、本願発明の効果を確認するために、銅ペーストの印刷条件を変更して試料を作成した。その変更した条件は積層セラミックコンデンサ素子の平坦部での焼結後の銅膜の厚みが30μm、60μmとなるように、銅ペーストを塗布して焼結することを行った。さらに、焼結後の銅膜の厚みが30μmとなるようにスクリーン印刷をして、その後に焼結する工程を1〜3回行い、最終的に得られる外部電極層の厚さが30μmから90μmの厚さとなるような試料の作成も行った。
次に、塗布した銅ペーストの焼結を行った。本願発明の実施形態に係る焼結条件は、焼結の際の雰囲気温度が700℃以下では30〜500ppmの酸素濃度とし、その後徐々に酸素濃度を低下させて(窒素を注入することにより相対的に酸素濃度を低下)、周囲温度が800℃以上では15ppm以下の酸素濃度となるようにして銅ペーストの焼結を行った。
また、本発明に係る外部電極の焼結条件の効果を確認するために、比較例として、本発明の外部電極の焼結条件(酸素濃度)の範囲外でも焼結を行った。この際、焼結に用いるセラミックコンデンサ素子は、実施例と同じものを用いた。
本発明の実施例および比較例とした外部電極の焼結条件を下記表に示す。

◎は本発明の実施例
以上の条件で作成したセラミックコンデンサの特性の評価を行った。特性の評価項目は次の3つとした。
(静電容量)
各製造条件で作成した積層セラミックコンデンサ各500個の静電容量を測定した。
(加速寿命試験)
その後、各条件について、100個を150℃、100Vの直流電圧により寿命の加速試験を行った。その評価は、絶縁抵抗が100kΩ以下となったときを製品の加速寿命時間とし、その半数が加速寿命(故障)となる時間を測定した。
(ハンダ耐熱試験)
次に、上記のようにして得られた積層セラミックコンデンサの外部電極上に、湿式メッキ法により、ニッケルメッキ層及びスズメッキ層を形成し、しかる後に、400個についてハンダ耐熱試験を実施した。ハンダ耐熱試験は、溶融ハンダ温度290℃、浸漬時間5秒とした。
各サンプルとも、上記の評価項目について評価を行った結果を次の表2に示す。

◎は本発明の実施例
表2中の評価基準は次の通り
静電容量:静電容量(定格値に対する達成容量)により判定
○ 1.98μF以上(定格値より−10%以上)
△ 1.76μF以上1.98μF未満(同−20〜−10%)
× 1.76μF未満(定格値より−20%未満)

加速寿命
○ 200時間以上
△ 50時間以上200時間未満
× 50時間未満

耐熱試験 ハンダ浸漬後の製品の絶縁抵抗の最小値により判定
○ 227MΩ以上
× 227MΩ未満
表2の評価結果より、1回の塗布により、焼結後の厚さが60μmとなるように金属ペーストを塗布して、外部電極を形成した場合、この際の焼結条件が、700℃以下で500ppmの酸素濃度、かつ800℃以上で15ppmの酸素濃度での焼結条件であったとしても、加速寿命試験においても劣化が見られる(サンプル9)。また、700℃以下での焼結の際、酸素濃度を700ppmと高濃度にした場合(サンプル10、サンプル11)には、静電容量が低下する。
これは、金属ペースト中の樹脂成分が燃焼する際に、金属ペーストの内部側では、外部雰囲気より酸素が供給されず、セラミックより酸素を奪うことにより樹脂成分の燃焼が発生したために、加速寿命性能が悪化したためと考えられる。
外部電極層の厚さが30μmのとき(サンプル1)では、耐熱試験での劣化が著しい。これは外部電極層の厚さが薄いため、メッキ工程でのメッキ液のセラミックコンデンサ素子への浸透を防止できないためである。一方、外部電極層の厚さを60μm以上(サンプル3、サンプル4、サンプル6)とすると、ハンダ耐熱試験での劣化は見られない。従って、最終的に必要な外部電極層の厚さは60μm以上であることが判る。
外部電極層の厚さを2回以上の塗布により、60μm以上の厚さに形成した場合においても、銅ペーストの焼結条件が、700℃以下の酸素濃度が30ppm未満であると(サンプル2)、銅ペーストに含まれる樹脂成分が燃焼する際に、雰囲気より酸素が供給されず、積層セラミックコンデンサ素子の誘電体が還元され(誘電体組成物より酸素が奪われる)、積層セラミックコンデンサの寿命特性が悪化する。
一方、800℃以上での酸素濃度が15ppmを超えると(サンプル5)、銅が酸化され、積層セラミックコンデンサの静電容量が低下する。これと同様に800℃以上での酸素濃度が15ppm以下であっても、700℃以下での酸素濃度が700ppmを超えた場合(サンプル5、サンプル7,サンプル8)には静電容量が低下する。
上記の結果より、外部電極の厚さは60μm以上必要であることがわかる。また、外部電極の厚さを60μm以上とする場合には、焼結後の銅膜の厚さが30μm以下となるように、金属ペーストを塗布することが良いことがわかる。さらに、内部電極であるニッケルを酸化することなく、金属ペースト中に含まれる樹脂成分を燃焼させるためには、焼結温度が700℃以下では、酸素濃度が30ppm以上500ppm以下、800℃以上では酸素濃度が15ppm以下であれば良いことが判る。
以上、この発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、金属ペーストの塗布方法については、スクリーン印刷法に限らず、転写法によって塗布してもよい。転写法とは、金属ペースト層を他の部材に塗布または印刷しておいて、金属ペースト層の厚さをほぼ一定のものとしておいてから、その金属ペーストをセラミックコンデンサ素子に転写して端面に金属ペーストを塗布する方法である。このような転写法による金属ペーストの塗布方法であっても、セラミックコンデンサ素子の端面に形成される金属ペースト層は厚さがほぼ均一なものとなり、外部電極層が必要以上に厚くなることがない。
積層セラミックコンデンサの内部構造を示す断面図である。
符号の説明
1 積層セラミックコンデンサ
2 積層セラミックコンデンサ素子
2A (セラミックコンデンサ素子の)端面
2B (セラミックコンデンサ素子の)端面
3 セラミック層
4 内部電極
5 外部電極

Claims (6)

  1. 卑金属を主成分とする金属からなる内部電極とセラミックとからなる積層セラミックコンデンサ素子の端面に、外部電極を形成してなる積層セラミックコンデンサの製造方法において、
    積層セラミックコンデンサ素子の端面に、金属粉末と樹脂成分からなるバインダーとガラスフリットを含む金属ペースト層を塗布して、乾燥した後に非酸化性の雰囲気中で焼結する工程を2回以上繰り返して、外部電極層を形成したことを特徴とする積層セラミックコンデンサの製造方法。
  2. 内部電極を形成する金属がニッケル又はニッケルを主体とする合金であり、外部電極を形成する金属ペーストの金属粉末が、銅または銅合金を主体とする金属粉末であることを特徴とする請求項1に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  3. 前記積層セラミックコンデンサ素子の端面の平坦部に塗布される金属ペーストは、一回目に塗布し焼結した後の銅膜の厚さが30μm以下としたことを特徴とする請求項2に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  4. 前記積層セラミックコンデンサ素子の端面の平坦部に形成される外部電極層の厚さが最終的に60μm以上であることを特徴とする請求項3に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  5. 金属ペースト層を焼結する際、700℃以下では30〜500ppmの酸素濃度下で、かつ800℃以上では15ppm以下の酸素濃度下で焼結することを特徴とする請求項3に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
  6. 積層セラミックコンデンサ素子に形成する金属ペースト層の少なくとも内部側の金属ペースト層は、スクリーン印刷法または転写法にて形成することを特徴とする請求項3に記載の積層セラミックコンデンサの製造方法。
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