JP3716746B2 - 積層セラミック電子部品及びその製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本願発明は、電子部品及びその製造方法に関し、詳しくは、セラミック素子中に、内部電極が埋設された構造を有する積層セラミック電子部品及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
代表的な積層セラミック電子部品の1つに、例えば、図3に示すような積層セラミックコンデンサがある。この積層セラミックコンデンサは、複数の内部電極52がセラミック層51を介して互いに対向するように配設され、かつ、その一端側が交互に異なる側の端面に引き出されたセラミック素子60の両端面に、内部電極52と導通するように一対の外部電極53,53が配設された構造を有している。
【0003】
このような積層セラミックコンデンサは、従来、導電ペースト(内部電極ペースト)が塗布された複数枚のセラミックグリーンシートを積層し、これを厚み方向に圧着して積層体(マザー積層体)を形成し、この積層体をカットして個々のセラミック素子に分割し、所定の条件で脱脂及び焼成を行った後、セラミック素子(焼結体)の、内部電極が引き出されている端面に外部電極を付与することにより製造されている。
【0004】
ところで、上記のような積層セラミックコンデンサには、内部電極がニッケル又は銅などの卑金属材料で構成されたものがあり、このような卑金属材料からなる内部電極を備えた積層セラミックコンデンサにおいては、内部電極52とセラミック層51の間に特に接合層が形成されていないため、積層セラミックコンデンサに機械的、電気的、あるいは熱的な衝撃が加わった場合に、内部電極52とセラミック層51の間にクラックや剥離などの構造欠陥が発生して、積層セラミックコンデンサの絶縁抵抗が低下する場合があり、信頼性が低いという問題点がある。
【0005】
本願発明は、上記問題点を解決するものであり、機械的な衝撃や電気的な衝撃、あるいは熱的な衝撃に対する耐性に優れた信頼性の高い積層セラミック電子部品及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明(請求項1)の積層セラミック電子部品は、
内部電極とセラミック層とが積層された構造を有する積層セラミック素子に、前記内部電極と電気的に導通するように外部電極を配設してなる積層セラミック電子部品であって、
内部電極が卑金属からなり、かつ、
少なくとも、内部電極の、外部電極に接続される引出部の、セラミック層との界面に、内部電極を構成する卑金属の酸化物層が形成されており、
前記内部電極の引出部の両主面とセラミック層の界面に形成された酸化物層の厚みの合計値が、内部電極の厚みの20〜50%であり、
前記内部電極の引出部の両主面の前記酸化物層の厚みの合計値が、前記引出部以外の部分よりも大きく、かつ、
前記積層セラミック素子の端面には、前記酸化物層と、前記酸化物層に挟まれた、内部電極の酸化されていない部分が露出し、該酸化されていない部分において内部電極が外部電極と導通していること
を特徴としている。
【0007】
少なくとも、内部電極の、外部電極に接続される引出部の、セラミック層との界面に、内部電極を構成する卑金属の酸化物層を設けることにより、内部電極とセラミック層の間に強い接合力を持たせることが可能になり、積層セラミック電子部品の、機械的、電気的、あるいは熱的な衝撃に対する耐性を向上させて、信頼性の高い積層セラミック電子部品を得ることが可能になる。
なお、少なくとも、内部電極の引出部の、セラミック層との界面に、内部電極を構成する卑金属の酸化物層を形成することにより構造欠陥の発生を防止することができるようになるのは、セラミック層と内部電極膜が酸素を介して共有結合することによる。
【0008】
また、内部電極の引出部の両主面とセラミック層の界面に形成された酸化物層の厚みの合計値を、内部電極の厚みの20〜50%とし、内部電極の引出部の両主面の酸化物層の厚みの合計値を、引出部以外の部分よりも大きくするとともに、積層セラミック素子の端面に露出した、内部電極の酸化されていない部分において内部電極を外部電極と導通させるようにしているので、内部電極の導電性を確保して、内部電極の機能を損なうことなく、内部電極とセラミック層との接合性を向上させることが可能になり、本願発明を実効あらしめることができる。
【0009】
また、本願発明においては、酸化物層が、内部電極とセラミック層の界面全体に形成されていることが望ましいが、実質的に内部電極の引出部とセラミック層との界面に形成されている場合にも、内部電極の機能を確保しつつ、内部電極とセラミック層との接合性を実用上問題のない程度にまで向上させることが可能になる。
【0010】
また、請求項2の積層セラミック電子部品は、前記内部電極を構成する卑金属が、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴としている。
【0011】
内部電極を構成する卑金属として、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金のいずれかを用いることにより、貴金属を用いて内部電極を構成する場合に比べてコストを抑えつつ、内部電極とセラミック層との接合性に優れた信頼性の高い積層セラミック電子部品を得ることが可能になる。
【0012】
また、本願発明(請求項3)の積層セラミック電子部品の製造方法は、
請求項1または2の積層セラミック電子部品を製造する方法であって、
内部電極パターンが配設された複数枚のマザーセラミックグリーンシートを積層することにより形成される積層体を焼成して、内部電極がセラミック層を介して積層された構造を有する積層セラミック素子を形成する焼成工程と、
前記積層セラミック素子に外部電極を形成する外部電極形成工程と
を具備するとともに、
(a)前記焼成工程において、還元性雰囲気で焼成を行った後に酸化処理を施す工程、
(b)前記外部電極形成工程において、導電ペーストを塗布して焼き付ける際の酸素濃度を高くして焼き付けを行う工程
の少なくとも一方の工程を備えていること
を特徴としている。
【0013】
(a)焼成工程において、還元性雰囲気で焼成を行った後に酸化処理を施す工程、(b)外部電極形成工程において、導電ペーストを塗布して焼き付ける際の酸素濃度を高くする工程の少なくとも一方の工程を実施することにより、効率よく、内部電極の、外部電極に接続される引出部の、セラミック層との界面に、内部電極を構成する卑金属の酸化物層(酸化物層の厚みの合計値が、内部電極の厚みの20〜50%の酸化物層)を形成することが可能になり、本願発明の積層セラミック電子部品を効率よく製造することが可能になる。
なお、上記(a)の還元性雰囲気で焼成を行った後に酸化処理を施す工程とは、例えば、所定の条件で焼成を行った後、最高温度から常温に降下させる過程で、酸素分圧を上げて酸化を行わせる工程などを意味する概念であり、具体的な条件は、内部電極を構成する卑金属の種類や厚み、積層枚数などを考慮して設定されることになる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態を示して、その特徴とするところをさらに詳しく説明する。
【0015】
この実施形態では、図1及び図2に示すような構造の積層セラミックコンデンサを例にとって説明する。
【0016】
この積層セラミックコンデンサは、複数の内部電極2がセラミック層(誘電体セラミック層)1を介して互いに対向するように配設され、かつ、その一端側が交互に異なる側の端面に引き出されたセラミック素子10の両端面に、内部電極2の引出部2aと導通するように一対の外部電極3,3が配設された構造を有している。なお、外部電極3は、銅焼付電極層(下地電極層)3a、ニッケルめっき膜層3b及びスズめっき膜層3cを備えた三層構造を有している。
【0017】
この積層セラミックコンデンサにおいて、セラミック層1は、チタン酸バリウム系セラミックを主成分とする誘電体セラミックから形成されており、また、内部電極2はニッケルからなる卑金属電極である。
【0018】
そして、この実施形態の積層セラミックコンデンサにおいては、図1及び図2に示すように、内部電極2の、外部電極3に接続される引出部2aの、セラミック層1との界面に、内部電極2を構成するニッケルの酸化物層(ニッケル酸化物層)12が配設されている。
【0019】
以下、この積層セラミックコンデンサの製造方法について説明する。
(1)まず、チタン酸バリウムを主成分とするセラミック誘電体粉末と有機バインダー、有機溶剤、可塑剤、分散剤を所定の割合で混合し、セラミックスラリーを調製する。
【0020】
(2)それから、このセラミックスラリーを樹脂フィルム上に、乾燥後の厚みが9.0μmになるように成形して、セラミックグリーンシートを作製する。
【0021】
(3)次に、このセラミックグリーンシートに、焼成後のセラミック素子の大きさ(3.2mm(幅)×1.6mm(厚み))に対応するようなパターンで、導電ペースト(内部電極ペースト)を、乾燥後の厚みが2.0μmになるようにスクリーン印刷する。
なお、導電ペーストとしては、平均粒径0.5μmのニッケル粉末50重量部と、ブチルカルビトールにエチルセルロース10重量部を溶解した樹脂溶液45重量部と、残部の分散剤及び増粘剤とを配合してなる内部電極ペーストを用いた。
【0022】
(4)それから、導電ペーストをスクリーン印刷したセラミックグリーンシートを樹脂フィルムから剥離後、200枚重ねて、圧着することにより積層体を形成し、この積層体を所定の大きさにカットして個々の未焼成のセラミック素子に分割する。
【0023】
(5)そして、個々のセラミック素子(チップ)を、窒素気流中、350℃、10hr条件で脱脂処理した後、窒素−水素−水蒸気混合雰囲気中、温度1200℃、酸素分圧10-7〜10-8MPaの条件で焼成する。
なお、この実施形態では、温度を1200℃から常温に降下させる過程で、酸素分圧(降温部800℃の酸素分圧)を表1に示すような範囲で異ならせて酸化(再酸化)を行い、再酸化処理条件(降温部800℃の酸素分圧)による、内部電極のセラミック層との界面におけるニッケル酸化物層の生成状態を調べるようにした。
【0024】
【表1】
【0025】
(6)次に、得られた焼成後のセラミック素子に、銅粉末70重量部、硼珪酸亜鉛系ガラスフリット3重量部、ブチルカルビトールにエチルセルロース20重量部を溶かした樹脂溶液27重量部を含有する導電ペースト(Cu外部電極ペースト)を、乾燥後の厚みで100μmになるようにディップ法により塗布し、乾燥した後、800℃の温度で焼き付けて銅焼付電極層を形成する。その後、銅焼付電極層の上にニッケルめっき、スズめっきを施すことにより、3層構造の外部電極を形成する。
【0026】
また、この外部電極を形成する工程においても、外部電極の焼付け条件(焼き付けの際の酸素濃度)を表1に示す範囲で異ならせて外部電極を形成し、外部電極の焼付け条件による、内部電極2のセラミック層1との界面におけるニッケル酸化物層12の生成状態を調べるようにした。
上記(1)〜(6)の工程を経ることにより、図1及び図2に示すような構造を有する積層セラミックコンデンサが作製される。
【0027】
それから、上記のようにして作製した試料(積層セラミックコンデンサ)を、350℃のはんだ槽に3秒間浸漬した後、クラック発生の有無を調べる熱衝撃試験を行った。
【0028】
また、125℃、50V、100hrの条件で電圧を印加した後、クラック発生の有無を調べる信頼性試験を行った。
【0029】
さらに、各試料(積層セラミックコンデンサ)について、内部電極2の引出部2a(図1,図2)とセラミック層1との界面近傍の状態(すなわち、内部電極2の引出部2a(図1,図2)の、セラミック層1との界面におけるニッケル酸化物層12の生成状態)を調べるため、当該部分をFIB(Focuced Ion Beam)を用いて研磨した後、SIM(Secondary Ion Microscopy)を用いて観察した。
【0030】
また、SIM像から、内部電極2の厚みとニッケル酸化物層12の厚みを読みとり、ニッケル酸化物層12の厚みの合計値と内部電極2の厚みの比を算出した。
【0031】
上記の熱衝撃試験並びに信頼性試験の結果、ニッケル酸化物層(酸化ニッケル層)12の生成状態についての観察結果、及びニッケル酸化物層12の厚みの合計値と内部電極2の厚みの比を表1に併せて示す。
【0032】
表1のNo.1のように、内部電極2にニッケル酸化物層(酸化ニッケル層)12を設けるための再酸化処理条件として、降温部800℃の酸素分圧を10-5MPaとし、外部電極の焼付け工程における酸素濃度を5ppmとした場合、内部電極2の引出部2aの、セラミック層1との界面には酸化ニッケル層が生成せず(酸化ニッケル層/ニッケル層=0%)、衝撃性試験、信頼性試験において、クラックの発生が認められた。
【0033】
また、表1のNo.4のように、内部電極2にニッケル酸化物層(酸化ニッケル層)12を設けるための再酸化処理条件として、降温部800℃の酸素分圧を10-1MPaとし、外部電極の焼付け工程における酸素濃度を5ppmとした場合、内部電極2の引出部2aの全体が酸化されて、ニッケル酸化物層12の厚みの合計値と内部電極2の厚みの比(酸化ニッケル層/ニッケル層)が100%となり、外部電極と内部電極2とが導通しなくなり、積層セラミックコンデンサとしての機能を果さなくなることが確認された。
【0034】
一方、表1のNo.2のように、内部電極2にニッケル酸化物層(酸化ニッケル層)12を設けるための再酸化処理条件として、降温部800℃の酸素分圧を10-3MPaとし、外部電極の焼付け工程における酸素濃度を5ppmとした場合には、内部電極2の引出部2aの、セラミック層1との界面に酸化ニッケル層12が、酸化ニッケル層/ニッケル層=50%の割合で生成し、また、表1のNo.3のように、降温部800℃の酸素分圧を10-5MPaとし、外部電極の焼付け工程における酸素濃度を100ppmとした場合には、内部電極2の引出部2aの、セラミック層1との界面に酸化ニッケル層12が、酸化ニッケル層/ニッケル層=20%の割合で生成した。そして、No.2及びNo.3のいずれにおいても、衝撃性試験、信頼性試験において、クラックの発生が全く認められなかった。
【0035】
以上の結果より、内部電極2の引出部2aの、セラミック層1との界面にニッケル酸化物層(酸化ニッケル層)12を、ニッケル酸化物層12の厚みの合計値が内部電極2の厚みの20〜50%の割合で存在させることにより、内部電極2とセラミック層1の接合力を向上させることが可能になり、機械的、電気的、あるいは熱的な衝撃に対する耐性に優れた、信頼性の高い積層セラミックコンデンサが得られることがわかる。
【0036】
また、ニッケル酸化物層12は、内部電極2の、セラミック層1との界面の全体に形成されていることが最も望ましいが、上記実施形態より、内部電極2の引出部2aの、セラミック層1との界面に、ニッケル酸化物層12が形成されていれば、構造欠陥の発生を防止して、高い信頼性を備えた積層セラミックコンデンサが得られることがわかる。
【0037】
なお、上記実施形態では、積層セラミックコンデンサを例にとって説明したが、本願発明は、積層セラミックコンデンサに限られるものではなく、積層LC複合部品、多層基板などの積層セラミック電子部品に広く適用することが可能である。
【0038】
また、上記実施形態では、内部電極を構成する卑金属がニッケルである場合を例にとって説明したが、本願発明において、内部電極を構成する卑金属の種類はこれに限られるものではなく、ニッケル合金、銅、銅合金などを用いることも可能である。
【0039】
本願発明は、さらにその他の点においても、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内において、種々の応用、変形を加えることが可能である。
【0040】
【発明の効果】
上述のように、本願発明(請求項1)の積層セラミック電子部品は、内部電極とセラミック層とが積層された構造を有する積層セラミック素子に、内部電極と電気的に導通するように外部電極を配設してなる積層セラミック電子部品において、少なくとも、内部電極の、外部電極に接続される引出部の、セラミック層との界面に、内部電極を構成する卑金属の酸化物層を設けるようにしているので、少なくとも内部電極の引出部とセラミック層の間に強い接合力を持たせることが可能になり、積層セラミック電子部品の、機械的な衝撃や電気的な衝撃、あるいは熱的な衝撃に対する耐性を向上させることが可能になり、信頼性の高い積層セラミック電子部品を得ることが可能になる。
【0041】
また、内部電極の引出部の両主面とセラミック層の界面に形成された酸化物層の厚みの合計値を、内部電極の厚みの20〜50%とし、内部電極の引出部の両主面側の酸化物層の厚みの合計値を、引出部以外の部分よりも大きくするとともに、積層セラミック素子の端面に露出した、内部電極の酸化されていない部分において内部電極を外部電極と導通させるようにしているので、内部電極の導電性を確保して、内部電極の機能を損なうことなく、内部電極とセラミック層との接合性を向上させることが可能になり、本願発明を実効あらしめることができる。
【0042】
また、本願発明においては、酸化物層が、内部電極とセラミック層の界面全体に形成されていることが望ましいが、本願発明(請求項1)の積層セラミック電子部品のように、内部電極の引出部とセラミック層との界面に形成した場合にも、内部電極の機能を確保しつつ、内部電極とセラミック層との接合性を実用上問題のない程度にまで向上させることができる。
【0043】
また、請求項2の積層セラミック電子部品のように、内部電極を構成する卑金属として、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金のいずれかを用いた場合、貴金属を用いて内部電極を構成する場合に比べてコストを抑えつつ、内部電極とセラミック層との接合性に優れた信頼性の高い積層セラミック電子部品を得ることが可能になり、本願発明をより実効あらしめることが可能になる。
【0044】
また、本願発明(請求項3)の積層セラミック電子部品の製造方法は、(a)焼成工程において、還元性雰囲気で焼成を行った後に酸化処理を施す工程、(b)外部電極形成工程において、導電ペーストを塗布して焼き付ける際の酸素濃度を高くする工程の少なくとも一方の工程を実施するようにしているので、効率よく、内部電極の、外部電極に接続される引出部の、セラミック層との界面に、内部電極を構成する卑金属の酸化物層(酸化物層の厚みの合計値が、内部電極の厚みの20〜50%の酸化物層)を形成することが可能になり、本願発明の積層セラミック電子部品を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の一実施形態にかかる積層セラミックコンデンサを示す断面図である。
【図2】 本願発明の一実施形態にかかる積層セラミックコンデンサの要部を拡大して示す断面図である。
【図3】 従来の積層セラミックコンデンサを示す断面図である。
【符号の説明】
1 セラミック層(誘電体セラミック層)
2 内部電極
2a 内部電極の引出部
3 外部電極
3a 銅焼付電極層(下地電極層)
3b ニッケルめっき膜層
3c スズめっき膜層
10 セラミック素子
12 ニッケル酸化物層(酸化ニッケル層)
Claims (3)
- 内部電極とセラミック層とが積層された構造を有する積層セラミック素子に、前記内部電極と電気的に導通するように外部電極を配設してなる積層セラミック電子部品であって、
内部電極が卑金属からなり、かつ、
少なくとも、内部電極の、外部電極に接続される引出部の、セラミック層との界面に、内部電極を構成する卑金属の酸化物層が形成されており、
前記内部電極の引出部の両主面とセラミック層の界面に形成された酸化物層の厚みの合計値が、内部電極の厚みの20〜50%であり、
前記内部電極の引出部の両主面の前記酸化物層の厚みの合計値が、前記引出部以外の部分よりも大きく、かつ、
前記積層セラミック素子の端面には、前記酸化物層と、前記酸化物層に挟まれた、内部電極の酸化されていない部分が露出し、該酸化されていない部分において内部電極が外部電極と導通していること
を特徴とする積層セラミック電子部品。 - 前記内部電極を構成する卑金属が、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1記載の積層セラミック電子部品。
- 請求項1または2の積層セラミック電子部品を製造する方法であって、
内部電極パターンが配設された複数枚のマザーセラミックグリーンシートを積層することにより形成される積層体を焼成して、内部電極がセラミック層を介して積層された構造を有する積層セラミック素子を形成する焼成工程と、
前記積層セラミック素子に外部電極を形成する外部電極形成工程と
を具備するとともに、
(a)前記焼成工程において、還元性雰囲気で焼成を行った後に酸化処理を施す工程、
(b)前記外部電極形成工程において、導電ペーストを塗布して焼き付ける際の酸素濃度を高くして焼き付けを行う工程
の少なくとも一方の工程を備えていること
を特徴とする積層セラミック電子部品の製造方法。
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