JP2006107999A - 蛍光ランプ及びバックライト装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光管全体において色度差の小さい蛍光ランプを提供する。
【解決手段】 ガラスバルブ30の内面に金属酸化物の粒子からなる保護膜32が形成されているとともに、当該保護膜32に蛍光体膜34が被着された蛍光ランプであって、保護膜32における蛍光体膜34との被着面には、亀裂が形成されている。保護膜32における金属酸化物の粒子の嵩密度は、80%以上であり、被着面の管軸方向における亀裂の数は、20[/mm]以上200[/mm]以下である。また、金属酸化物の粒子の平均粒径は、0.01μm以上1μm以下であって、保護膜32の厚みは、0.5μm以上5μm以下である。
【選択図】 図3

Description

本発明は、蛍光ランプ及びこれを備えるバックライト装置に関し、特に、蛍光ランプにおける色度差を低減する技術に関する。
近年、種々の蛍光ランプが開発・利用されている。ところで、蛍光ランプの発光管を構成するガラスバルブ内には、電子からのエネルギーを得て紫外線を放射する水銀が封入されているが、この水銀がガラスバルブと反応すること(以下、本明細書において「水銀反応」と表記する。)によってガラスバルブが変色したり、水銀が消耗され短寿命になるといった不具合が生じることがある。
そこで、上記の水銀反応を抑制するために、ガラスバルブと蛍光体膜とのあいだに、保護膜を形成することが提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。図10は、従来の発光管を管軸を通る平面で切断したときの拡大写真であって、ガラスバルブ100に、保護膜102、蛍光体膜104が積層された状態を示している。
ところで、保護膜102は金属酸化物の粒子からなり、当該粒子間には空隙Aが存在する。保護膜102内に空隙Aが存在すると、屈折率が異なる界面において可視光線が乱反射するので、発光管の光束が低下することを本発明者らが見出した。また、水銀反応を抑制する観点からは、保護膜102の厚みを十分に厚くする必要がある。ここで、水銀反応を抑制するために保護膜102を厚くすると、上述の乱反射により光束が低下し、逆に、光束を確保するために保護膜102を薄くすると、水銀反応を十分に抑制することができないという課題があった。
そこで、本発明者らは、保護膜における金属酸化物粒子の嵩密度を高めることを発案した。これにより、保護膜101における粒子間の空隙が減少して乱反射を抑制することが可能となり、従来よりも膜厚を厚くすることができるので、光束の低下を招くことなく、水銀反応を十分に抑えることができると考えられる。
特開平1−112651号公報 特開2003−123691号公報
本発明者らは、保護膜101を形成する粒子の嵩密度を高めた蛍光ランプを試作してみたところ、確かに膜厚を厚くしても従来よりも光束の低下が生じないことが確認された。
しかしながら、当該蛍光ランプでは、各色蛍光体の分布にむらができて、発光管全体において色度差が生じるという新たな問題が発生することが判明した。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、発光管全体において生じる色度差を抑えることができる蛍光ランプ及びバックライト装置を提供することを目的としている。
本発明者らが上記色度差発生の原因を究明したところ、保護膜を形成する金属酸化物の粒子の嵩密度を高めると、保護膜の蛍光体膜との被着面が滑らかになることが原因で、ガラス管を鉛直に立てて蛍光体懸濁液を塗布する際に、各色蛍光体の比重の相違により蛍光体の分布にむらができて、発光管の部位によって色度差が生じることが判明した。これは、保護膜の蛍光体膜との被着面が滑らかであると、蛍光体懸濁液中のバインダーが当該被着面を滑って下方に流れやすくなり、これに伴って蛍光体懸濁液中の各色の蛍光体も下方に流れやすくなるが、その落下速度が比重に応じて異なることに起因するものと考えられる。
そこで、本発明に係る蛍光ランプは、ガラスバルブの内面に保護膜が形成されているとともに、当該保護膜に蛍光体膜が被着された蛍光ランプであって、前記保護膜における前記蛍光体膜との被着面には、亀裂が形成されていることを特徴としている。
上記の構成では、保護膜の蛍光体膜との被着面に亀裂が形成されており、蛍光体懸濁液を塗布する際に当該亀裂に蛍光体懸濁液中のバインダーが入り込む。一般にバインダーは粘度が高いので、その一部が亀裂の中に入り込むことにより下方へ流れにくくなる。その結果、このバインダーに覆われている各色の蛍光体も下方へ流れにくくなり、各色蛍光体の比重の差による落下速度の差も生じにくくなって、蛍光体の分布が不均一になる傾向が低減されると考えられる。
上記構成において、前記被着面の管軸方向における亀裂の数は、20個/mm以上200個/mm以下であることが望ましい。
保護膜の蛍光体膜との被着面の管軸方向における亀裂の数が20[/mm]未満であると、バインダーが亀裂に入り込んだ際の上述の作用が十分でなくなり、蛍光体の分布が均一になりにくく、また、200[個/mm]より多いと、亀裂に入り込む水銀の量が多くなり、水銀反応が生じるおそれがあるからである。
また、前記保護膜は、金属酸化物の粒子を主成分とし、前記保護膜における前記金属酸化物の粒子の嵩密度は、80%以上であることが望ましい。
金属酸化物の粒子の嵩密度が70%未満であると、粒子間に空隙が多くなって乱反射により光束が低下するので、粒子の嵩密度は80%以上であることが好ましい。なお、「粒子の嵩密度」とは、単位体積中における粒子の体積占有率を百分率で表したものである。
ここで、前記金属酸化物の粒子の平均粒径は、0.01μm以上1μm以下であることが望ましい。
金属酸化物の粒子の平均粒径が1μm以上であると、嵩密度を80%以上にすることができず、また、0.01μm未満のものは、製造することが困難だからである。
また、前記保護膜の厚みは、0.5μm以上5μm以下であることが望ましい。保護膜の厚みが0.5μm未満であると、前記被着面に亀裂を形成することが困難であり、保護膜の厚さが5μmより大きいとランプの光束が低下するからである。
また、前記保護膜の前記被着面の表面粗さは、200nm以下であることが望ましい。 表面粗さが200nmより大きいと、可視光の散乱が多くなり輝度が低下するからである。
本発明のバックライト装置は、上記の蛍光ランプを光源として備えることを特徴としている。上記の蛍光ランプを光源として備えているので、色度差の少ないバックライト装置を提供することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る冷陰極蛍光ランプ及びバックライト装置について説明する。
<バックライト装置の構成>
はじめに、本実施の形態に係るバックライト装置の構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るアスペクト比16:9の液晶テレビ用バックライト装置1の構成を示す概略斜視図である。同図において内部の構造を示すために前面パネル16の一部を切り欠いて示している。
バックライト装置1は、図1に示すように、冷陰極蛍光ランプ(以下、「ランプ」と表記する。)20と、開口部を有しこれらのランプ20を収納する筐体10と、この筐体10の開口部を覆う前面パネル16とを備える。
筐体10は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面11に銀などの金属が蒸着されて反射面が形成されている。
ランプ20は直管状をしており、本実施の形態では、14本のランプ20が筐体10内に直下式で配設され、電気的に並列に接続されている。なお、ランプ20の構成については後述する。
筐体10の開口部は、拡散板13、拡散シート14およびレンズシート15を積層してなる透光性の前面パネル16で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。
前面パネル16における拡散板13及び拡散シート14は、ランプ20から放射された光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート15は、当該シート15の法線方向へ光をそろえるものであって、これらによりランプ20から発せられた光が前面パネル16の表面(発光面)の全体に亘り均一に前方を照射するように構成されている。
<第1の実施の形態>
[ランプ20の構成]
つぎに、図2を参照しながら第1の実施の形態に係るランプ20の構造について説明する。図2は、ランプ20の概略構成を示す一部切欠斜視図である。
ランプ20は、円形断面を有するガラス管の両端部がリード線21部分で気密封止されてなる直管状をしたガラスバルブ30を有する。
ガラスバルブ30は、ホウケイ酸ガラスからなる。なお、ガラスバルブ30のサイズは、長さ340mm、外径4.0mm、内径3.0mmである。ガラスバルブ30内面には、水銀反応を防止するための保護膜32が形成されており、保護膜32には蛍光体膜34が被着されている。保護膜32の構成については後述する。
蛍光体膜34は、赤色発光のY23:Eu、緑色発光のLaPO4:Ce,Tbおよび青色発光のBaMg2Al1627:Euといった3種類の希土類蛍光体を含む。また、蛍光体膜34には、結着剤が含有されている。
リード線21は、タングステンからなる内部リード線とニッケルからなる外部リード線との継線であり、ガラスバルブ30は両端部とも、内部リード線部分で気密封止されている。
リード線21のガラスバルブ30内部の端部には、電極22がレーザ溶接等によって接合されている。電極22は、有底筒状をしたいわゆるホロー型電極であり、ニッケル棒又はニオブ棒を加工したものである。電極22として、ホロー型の電極を採用したのは、ランプ点灯時の放電によって生じる電極におけるスパッタリングの抑制に有効だからである。
また、ガラスバルブ30内には、例えば、水銀及びガス圧60Torrの希ガス(Ar5% Ne95%)が所定量封入されている。
[保護膜32の構成]
保護膜32は、イットリア(Y23)の微粒子からなり、粒子の嵩密度が90%程度である。ここで、嵩密度は80%以上であることが好ましい。80%未満であると、粒子間に空隙が多く存在して、乱反射によって保護膜の透光性が低下するからである。
イットリア粒子の平均粒径は、0.01μmから1μmであることが望ましい。 イットリア粒子を0.01μm未満に製造するのは困難であり、また粒子が1μmより大きいと、粒子の嵩密度を80%以上とすることが困難だからである。
保護膜32における蛍光体膜34との被着面には亀裂50が形成されている。図3は、発光管を管軸方向に切断したときの断面を拡大撮影した写真であって、ガラスバルブ30内面に保護膜32が形成され、保護膜32に蛍光体膜34が被着された状態を示している。
管軸方向における亀裂50の数は、写真の例では単位長さ当たり約100[個/mm]である。なお、管軸方向における亀裂50の数は、発光管の縦断面を走査電子顕微鏡(SEM)で撮影して(例えば、図3を参照)、単位長さ当たりに亀裂が幾つあるかをカウントすることにより測定することができる。
図4は、保護膜32における蛍光体膜34を塗布する前の被着面を撮影した写真であって、被着面の表面に亀裂50が形成されている状態を示している。図4に示されているように、亀裂50は、被着面の表面において亀甲状に多数形成されている。
なお、可視光線の散乱による輝度の低下を抑制する点から、保護膜32の被着面は表面粗さが200nm以下であることが好適である。好ましくは100nm以下、さらには50nm以下であることが望ましい。
[保護膜及び蛍光体膜の形成方法]
つぎに、図5及び図6を参照しながら、ガラスバルブ30の内面に保護膜32及び蛍光体膜34を形成する方法について説明する。図5は、保護膜32を形成する工程を示す模式図であり、図6は蛍光体膜34を形成する工程を示す模式図である。
まず、ホウケイ酸ガラスからなるガラス管30、保護膜溶液40、蛍光体懸濁液42を用意する。
保護膜溶液40としては、適当な界面活性剤を含ませた水溶液中にイットリア粒子を分散させたものを用いる。
蛍光体懸濁液42としては、赤、緑、青の各色蛍光体、バインダー、結着剤及び有機溶剤が混合されたものを用いる。
はじめに、図5(a)に示すように、ガラス管30を鉛直に立てて下端開口を保護膜溶液40表面に当てた状態で、上端開口部に接続した不図示の吸引装置により、保護膜溶液40をガラス管30内へ吸引する。液面が所定の高さに達すると吸引を止め、図5(b)のようにガラス管30を保護膜溶液40から引き上げて、保護膜溶液40をガラス管30の下端開口から排出する。これによりガラス管30の内面に保護膜溶液40が膜状に付着する。
つづいて図5(c)に示すように、ガラス管30の上端開口から乾燥エアーを通気させることによって、ガラス管30の内面に付着した保護膜溶液40を乾燥させる。つぎに、図5(d)に示すようにガラス管30を所定の温度で焼成し、保護膜溶液40内に残留している有機成分を分解する。これにより、保護膜32がガラス管の内面に形成される。
ここで、例えば焼成温度630℃、常温から焼成温度に至るまでの昇温速度を1.7〜2.0℃/secに調整することにより、保護膜32表面(蛍光体膜34との被着面)には、図4に示すように全面にわたって亀裂50が形成される。
つぎに図6(a)に示すように、ガラス管30の下端開口を蛍光体懸濁液42の液面に当てて、蛍光体懸濁液42をガラス管30内に吸引する。つぎに吸引を止め、図6(b)のようにガラス管30を蛍光体懸濁液42から引き上げ、蛍光体懸濁液42を排出する。これにより、保護膜32の表面に蛍光体懸濁液42を膜状に付着させる。
つづいて図6(c)に示すように、ガラス管30の上端から乾燥エアーを通気させることによって、保護膜32に付着した蛍光体懸濁液42が乾燥して、蛍光体膜32が保護膜30上に形成される。そして、図6(d)に示すように、下端部側の不要な蛍光体膜34及び保護膜32を除去する。その後、所定の方法により電極22を配設するとともに、希ガス及び水銀を封入することにより、ランプ20が得られる。
[作用]
上記のようにガラス管30を鉛直に立てて蛍光体懸濁液42を塗布しているので、従来は蛍光体懸濁液42を塗布してから乾燥させるまでに、比重の大きい緑や赤の蛍光体が下端に近づくほど多くなり、比重の小さい青の蛍光体が上端に近づくほど多くなる傾向にあり、発光管の各部位において色度差が生じていた。液晶ディスプレイ等のバックライト装置の光源として用いられる冷陰極蛍光ランプでは、色度差が大きいと、例えば画面の片側のみが青みを帯びる等の問題が生じるので、この色度差を特に小さくする必要がある。
本発明者らが発光管における上記色度差発生の原因を究明したところ、保護膜を形成する金属酸化物の粒子の嵩密度を高めたために、保護膜の蛍光体膜との被着面が滑らかになることが原因であると考えられる。これは、保護膜の蛍光体膜との被着面が滑らかであると、蛍光体懸濁液中のバインダーが当該被着面を滑って下方に流れやすくなり、これに伴って蛍光体懸濁液中の各色の蛍光体も下方に流れやすくなるが、その落下速度が比重に応じて異なることに起因するものと考えられる。
本実施の形態では、保護膜32の形成工程において、保護膜32を塗布して乾燥させた後に、所定の条件(焼成温度、昇温速度)で焼成をしているので、保護膜32の表面(蛍光体膜との被着面)に亀裂50が形成されている。この亀裂50により、蛍光体の分布が均一になることの理由について以下述べる。
保護膜32の蛍光体膜34との被着面に亀裂50が形成されていると、蛍光体懸濁液42を塗布する際に亀裂50に蛍光体懸濁液中のバインダーが入り込む。一般にバインダーは粘度が高いので、その一部が亀裂50の中に入り込むことにより下方へ流れにくくなる。その結果、このバインダーに覆われている各色の蛍光体も下方へ流れにくくなり、各色蛍光体の比重の差による落下速度の差も生じにくくなって、蛍光体の分布が不均一になる傾向が低減されると考えられる。
また、本発明者らは、亀裂50がどのくらいの頻度で存在すれば好適であるかについて検討した。ここで、鉛直に立てたガラス管30に蛍光体懸濁液42を塗布するので、管軸方向における亀裂50の数に着目した。
検討の結果、保護膜32の蛍光体膜34との被着面の管軸方向における亀裂50の数が20[/mm]未満であると、バインダーが亀裂50に入り込んだ際の上述の作用が十分ではなく、蛍光体の分布が均一になりにくく、また、亀裂50の数が200[/mm]より多いと、亀裂50から水銀が入り込んで、水銀反応が生じるおそれがあることが分かった。したがって、保護膜32の被着面における管軸方向の亀裂50の数は、20〜200[/mm]であることが好ましい。なお、亀裂の数は、昇温速度及び焼成温度を調節することにより調整することができる。
また、本発明者らは、保護膜32の厚みについても検討を行った。その結果、保護膜32の厚みが1μm未満であると、保護膜を形成する金属酸化物の粒径に対して、保護膜の厚みが薄いため、亀裂を形成することが困難であると推察され、また、5μmより厚いと光の透過率が低下して、光束が低下することが判明した。したがって、保護膜32の厚みは、1μm以上5μm未満であることが好適である。
さらに、亀裂の幅は、0.1μm以上5μm以下であることが望ましい。0.1μm未満であると、上述のバインダーによる作用が十分でなくなるからであり、5μmよりも大きいと、亀裂50に水銀が入りやすくなるからである。
[実施例]
以下、本発明の実施例について、比較例と対比しながら説明する。
実施例として、保護膜32の厚みが1.8μmで、保護膜32における金属酸化物の粒子の嵩密度が90%であり、管軸方向において100個/mmで亀裂50が形成されているものを用いた。
比較例として、保護膜32の厚みが1μmで、保護膜32における金属酸化物の粒子の嵩密度が70%であり、亀裂を形成していないものを用いた。
図7及び図8は、発光管の各位置における色度偏差であって、グラフの縦軸は色度図上のx方向又はy方向の色度偏差であり、横軸は、発光管の一端を原点としたときの管軸方向における各位置を原点からの距離で示したものである。グラフの実線は実施例、破線は比較例のデータである。なお、色度偏差は、ランプの中央部(位置17mm)の色度を基準色度としたときの、各位置における色度の基準色度からの色度図上での偏差で求められる。
図7より、ランプ全体において色度図上におけるx方向の最大色度差は、実施例では約0.0058、比較例では約0.011であり、また図8より色度図上におけるy方向の最大色度差は、実施例では約0.0117、比較例では約0.0138であることがわかる。すなわち、x方向、y方向のいずれについても比較例よりも実施例の方が最大色度差が小さくなっており、実施例の方が発光管全体において色度差が小さくなっている。以上により、保護膜の被着面に亀裂を形成することにより、発光管における色度差を従来構成のランプよりも低減できることが実験により確認された。
<変形例>
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)上記においては、保護膜を一層で形成する構成について説明したが、保護膜を複数層で形成する構成としてもよい。図9は、変形例における発光管を管軸を通る平面で切断したときの模式図であり、ガラスバルブ30内面に第1保護膜62A、第2保護膜62Bが積層され保護膜62が形成されている。
保護膜62は、亀裂がほとんど形成されていない(例えば、管軸方向において10個/mm)第1保護膜62Aと、表面に亀裂が例えば200個/mmで形成されている第2保護膜62Bとの2層で構成されている。したがって、保護膜62Bに形成された亀裂50により各色蛍光体の分布が均一になるとともに、第1保護膜62Aで亀裂50に侵入した水銀がガラスバルブと反応するのを抑制する。これにより、各色蛍光体の分布を均一にするために保護膜62の蛍光体膜34との被着面に亀裂50を形成しても、水銀反応を効果的に抑制することができる。
(2)上記においては、保護膜32、62を形成する金属酸化物として、イットリアを用いた場合について説明したが、イットリアの代わりに、チタニア(TiO2)、セリア(CeO2)、マグネシア(MgO)、ランタニア(La23)、又はアルミナ(Al23)のいずれか、或いはこれらの2種以上の混合物を用いてもよい。中でも、金属酸化物としてチタニアを用いた場合には、水銀反応を抑制するとともに、紫外線を遮断する効果も奏するので、チタニアからなる保護膜を備えるランプは、紫外線劣化の起きやすいプラスチック部材が多く用いられるバックライト装置の光源として好適である。
(3)上記においては、亀裂は亀甲状に形成されていると説明したが、亀裂はその他の形状、例えば縞状等に形成されていてもよい。
(4)上記の実施の形態においては、発光管のサイズは、長さ340mm、外径4.0mm、内径3.0mmであると説明したが、このサイズに限定されないことは勿論であり、例えば、発光管の管軸方向の長さは720mm程度であってもよい。また、発光管の形状も直管状のものに限らず、例えば、屈曲された形状であってもよい。
(5)上記においては、冷陰極蛍光ランプについて説明したが、製造工程においてガラス管を鉛直に立てて蛍光体懸濁液を塗布する蛍光ランプ、例えば一般照明として広く利用されている環状の蛍光ランプ等についても本発明を適用することができる。
本発明は、蛍光ランプにおいて広く適用することができる。特に、液晶ディスプレイのバックライト装置等では、バックライト装置の光源として用いられる蛍光ランプが色度差の大きいものであれば、ディスプレイに画像を表示した際に色むらが生じて問題であるが、本発明は、蛍光ランプの色度差を小さくすることができるので、バックライト装置の光源として最適である。
本実施の形態に係る液晶テレビ用バックライト装置の構成を示す概略斜視図である。 冷陰極蛍光ランプの概略構成を示す一部切欠斜視図である。 発光管を管軸方向に切断したときの断面を拡大撮影した写真である。 保護膜の蛍光体膜との被着面を拡大撮影した平面写真である。 保護膜を形成する工程を示す模式図である。 蛍光体膜を形成する工程を示す模式図である。 実施例及び比較例における色度偏差Δxとランプ位置との関係を示すグラフである。 実施例及び比較例における色度偏差Δyとランプ位置との関係を示すグラフである。 変形例における保護膜の模式図である。 従来の蛍光ランプにおける保護膜の形態を示す写真である。
符号の説明
1 バックライト装置
10 筐体
13 拡散板
20 冷陰極蛍光ランプ
22 電極
30 ガラスバルブ
32、62 保護膜
34 蛍光体膜
40 保護膜溶液
42 蛍光体懸濁液
50 亀裂
62A 第1保護膜
62B 第2保護膜

Claims (7)

  1. ガラスバルブの内面に保護膜が形成されているとともに、当該保護膜に蛍光体膜が被着された蛍光ランプであって、
    前記保護膜における前記蛍光体膜との被着面には、亀裂が形成されていることを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 前記被着面の管軸方向における亀裂の数は、20個/mm以上200個/mm以下であることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
  3. 前記保護膜は、金属酸化物の粒子を主成分とし、前記保護膜における前記金属酸化物の粒子の嵩密度は、80%以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の蛍光ランプ。
  4. 前記金属酸化物の粒子の平均粒径は、0.01μm以上1μm以下であることを特徴とする請求項3に記載の蛍光ランプ。
  5. 前記保護膜の厚みは、0.5μm以上5μm以下であること特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の蛍光ランプ。
  6. 前記保護膜の前記被着面の表面粗さは、200nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の蛍光ランプ。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の蛍光ランプを光源として備えることを特徴とするバックライト装置。


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