JP2006019100A - 蛍光ランプ及びバックライトユニット - Google Patents

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Hirobumi Yamashita
博文 山下
Masanobu Murakami
昌伸 村上
Toshihiro Terada
年宏 寺田
Hideki Wada
英樹 和田
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Abstract

【課題】ランプ点灯時の光束の低下を招くことなく暗黒始動特性が改善された外部電極型の蛍光ランプを提供する。
【解決手段】管状のガラスバルブ21の端部外周に外部電極31を備える外部電極型の蛍光ランプにおいて、ガラスバルブ21の内面に2次電子放出係数の高いセシウム化合物を含むセシウム含浸膜24を形成する。セシウム含浸膜24は、外部電極31の管中央側の端の位置(図中の位置A)から管端部側に、外部電極31の管軸方向長さL2の3分の1以上の間隔L1をあけて形成されている。セシウム含浸膜24は、上記箇所に塗布された蛍光体膜にセシウム化合物を含浸させることにより形成される。
【選択図】図2

Description

本発明は、管状のガラスバルブ両端外周に外部電極を備える蛍光ランプ及び当該蛍光ランプを光源として備えるバックライトユニットに関し、特に、蛍光ランプの暗黒始動特性を改善する技術に関する。
近年、液晶ディスプレイ画面の大型化が進み、大型画面用のバックライトユニットの需要が増大している。このバックライトユニットに用いるランプとして、ガラスバルブの外部に電極を有する蛍光ランプの開発が進められている。この外部電極型の蛍光ランプは、複数灯でも1つの高周波電子安定器により点灯できるという利点を有しており、多数本の蛍光ランプが用いられる大型画面用のバックライトユニットに適した光源であるといえる。
ところで、外部電極型の蛍光ランプは高い出力を得ることができるが、暗黒状態下においては、放電が遅れて始動開始に時間を要し、電圧が印加されても一定時間点灯しないといった暗黒始動特性上の問題点を有する。
そこで暗黒始動特性を改善するために、通常2次電子放出係数の高い電子放射性物質、例えばセシウム化合物を電極近傍のガラスバルブ内に配置している。これにより、セシウム化合物から放出される2次電子によって放電が起こりやすくなるので、暗黒始動特性を改善することができる(例えば、特許文献1)。
特開2003−36815号公報 段落[0009]
しかしながら、本発明者らの検討により、セシウム化合物を用いるとランプ点灯時の光束が低下するという問題が明らかになった。すなわち、ランプの点灯にともなう放電により、電極近傍のガラスバルブ内にあるセシウム化合物からはセシウムが遊離する。遊離したセシウムは飛散して、可視光がガラスバルブ外部に出ていく出光領域の蛍光体膜に付着する。セシウムは黄色をしており透光性が低いので、セシウム付着部の蛍光体膜の透光性も低下し、延いてはランプ点灯時の光束が低下するのである。また、出光領域のうち電極に近い位置にセシウム化合物を付着した場合にも、セシウム化合物は透光性が低いのでランプの光束が低下する。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、ランプ点灯時の光束の低下を招くことなく暗黒始動特性が改善された蛍光ランプを提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る蛍光ランプは、管状のガラスバルブの端部外周に外部電極を備える蛍光ランプであって、前記ガラスバルブの内面において、前記外部電極の管中央側の端の位置から管端部側に、間隔をあけて電子放射性物質が付着されていることを特徴としている。
なお、本明細書において「付着」とは、種類の異なる二物質が接触して互いにくっつき合うという一般的な意味の他に、種類の異なるものに含浸されている概念をも含む。
本発明に係る蛍光ランプによれば、2次電子放出係数の高い電子放射性物質が外部電極近傍に配設されているので、暗黒始動特性を改善することができる。また、放電により電子放射性物質から原子が遊離してガラスバルブ内に飛散しても、出光領域から間隔をおいた位置に電子放射性物質が存在するので、遊離原子は出光領域の蛍光体膜に付着しにくい。よって、ランプ点灯中において遊離原子によって光束が低下するのを抑制することができる。
また、前記電子放射性物質は、前記ガラスバルブの内面において、前記位置から管端部側に、2mm以上の間隔をあけて付着されていることが望ましい。
これにより、出光領域から十分な距離をおいた位置に電子放射性物質が存在するので、放電により電子放射性物質から原子が遊離してガラスバルブ内に飛散しても、遊離原子は出光領域の蛍光体膜に付着しないので、ランプ寿命中において光束が低下するのを防止することができる。
また、前記電子放射性物質は、前記ガラスバルブの内面において、前記位置から管端部側に、前記外部電極の管軸方向長さの3分の1以上の間隔をあけて付着されていることが望ましい。
放電の弱い領域に、電子放射性物質を配置することによって、放電により電子放射性物質から遊離する原子の量を低減することができる。また、外部電極の管軸方向の長さは、通常10mmから30mm程度であり、外部電極の管中央側の端の位置から3分の1の間隔をあけると、遊離原子が飛散しても出光領域の蛍光体膜に付着しない十分な距離が保たれていることが多い。これらの作用により、ランプ点灯中において遊離原子によって光束が低下するのを防止することができる。
また、前記ガラスバルブは、管端部側へ近づくほど内径が小さくなる形状をしており、当該径小領域の内面に前記電子放射性物質が付着されていることが望ましい。
ガラスバルブの径小領域には、放電が侵入しにくいという特性があり、当該径小領域に電子放射性物質を付着することによって、放電により遊離する原子の量を低減することができるので、ランプ点灯中において、光束が低下するのを抑制することができる。
また、前記電子放射性物質は、前記ガラスバルブ内面に形成された蛍光体膜に付着されていることが望ましい。
電子放射性物質をガラスバルブに直接付着させることは困難であるので、ガラスバルブに付着しやすい蛍光体膜を形成して、当該蛍光体膜に電子放射性物質を付着させることによって、容易に電子放射性物質をガラスバルブ内に配設することができる。
また、前記電子放射性物質は、前記ガラスバルブ内面に形成された保護膜に付着されていることが望ましい。
電子放射性物質をガラスバルブに直接付着させることは困難であるので、ガラスバルブと付着しやすい保護膜を形成して、当該保護膜に電子放射性物質を付着させることによって、容易に電子放射性物質をガラスバルブ内に配設することができる。
前記電子放射性物質は、セシウム化合物、リチウム化合物又はバリウム化合物のうちのいずれか一つであることが望ましい。
セシウム化合物、リチウム化合物及びバリウム化合物は、2次電子放出係数が高いので、電子放射性物質として適しており、これらから放出される2次電子によって放電が起こりやすくなるので、暗黒始動特性を改善することができる。
本発明に係るバックライトユニットは、上述した蛍光ランプを光源として備えることを特徴としている。
上述したような理由により、光束の低下を招くことなく暗黒始動特性が改善されたバックライトユニットを得ることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る外部電極型の蛍光ランプ(以下、「ランプ」という。)及びバックライトユニットについて説明する。
<バックライトユニットの構成>
はじめに、バックライトユニットの構成について説明する。図1は、本実施の形態に係るアスペクト比16:9の液晶テレビ用バックライトユニット1の構成を示す概略斜視図である。同図において内部の構造を示すために拡散板13、拡散シート14、レンズシート15の一部を切り欠いて示している。なお、図1及び後出する図2から図6は、バックライトユニット及びランプの構成の把握を容易にするための模式図であって、その寸法及び比率は実際のものとは相違する。
バックライトユニット1は、図1に示すように、所定方向(図中のY方向)に間隔をおいて16列に配された直管状のランプ20と、開口部を有しこれらのランプ20を収納する筐体10と、この筐体10の開口部を覆う前面パネル16とを備える。
筐体10は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂製であって、その内面に銀などの金属が蒸着されて反射面が形成されている。
また、筐体10の開口部は、拡散板13、拡散シート14およびレンズシート15を積層してなる透光性の前面パネル16で覆われており、内部にちりや埃などの異物が入り込まないように密閉されている。
前面パネル16における拡散板13、拡散シート14は、ランプ20から放射された光を散乱・拡散させるものであり、レンズシート15は、当該シート15の法線方向へ光をそろえるものであって、これらによりランプ20から発せられた光が前面パネル16の表面(発光面)の全体に亘り均一に前方を照射するように構成されている。
ランプ20は、誘電体バリア放電を利用したものであって、本実施の形態では、16本のランプ20が、電気的に並列接続されている。なお、図1においては、ランプ20は、その軸心が筐体10の長辺に沿う方向(図中のX方向)を向くように配列されているが、その軸心が筐体10の短辺に沿う方向(Y方向)を向くように配列してもよい。
<ランプの構成>
つぎに、ランプ20の構成について説明する。図2は、本実施の形態に係るランプ20の構成を示す図であって、図2(a)はランプ20の平面図であり、図2(b)は、ランプ20の端部を、管軸を含む平面で切断したときの拡大断面図である。
図2(a)に示すように、ランプ20は、直管円筒状のガラス管の両端が封止されてなるガラスバルブ21と、このガラスバルブ21の両端外周に設けられた外部電極31、32とを備える。
ガラスバルブ21は、例えばホウ珪酸ガラスからなり、管軸に垂直な平面で切断したときの断面は略円状をしている。図2(b)に示すように、ガラスバルブ21内面には、赤(Y23:Eu)、緑(LaPO4:Ce,Tb)及び青(BaMg2Al1627:Eu,Mn)の蛍光体を混合した希土類蛍光体が塗布されて蛍光体膜23が形成されている。なお、本実施の形態では、蛍光体膜23は、外部電極31、32間の可視光線が出光する出光領域のみに形成されており、外部電極31、32によって覆われているガラスバルブ21内面には形成されていない。これは、ランプ点灯中に、蛍光体膜と封入した水銀とが反応することによって、水銀が消耗してランプ寿命が短くなることを抑制するためである。
また、ガラスバルブ21の内面には、ランプ20の暗黒始動特性を向上させるために、2次電子放出係数の高い電子放射性物質、例えばセシウム化合物が含浸されたセシウム含浸膜24が形成されている。セシウム含浸膜24は、セシウム化合物を蛍光体膜に含浸させることにより形成されている。これは、セシウム化合物は、ガラスとの接着性が低いので直接ガラスに付着させることが困難であるため、ガラスとの接着性の高い蛍光体膜を介して、セシウム化合物をガラスバルブ21内に配設するためである。なお、このために外部電極31、32によって覆われているガラスバルブ21内に蛍光体膜が存することになるが、その量が微量であるため、上記の水銀消耗はほとんど生じない。
なお、セシウム化合物としては、融点が800℃以上のもの、例えば、アルミン酸セシウム、ニオブ酸セシウム等を用いることが好適である。これは、ガラスバルブ21の製造工程において、セシウム化合物はガラスバルブ21を封止するときにバーナー等によって加熱されるが、融点が800℃未満であると、セシウム化合物が溶融して蛍光体膜23に付着することがあり、セシウム化合物が蛍光体膜23に付着すると、当該付着箇所の蛍光体膜23の透光性が低下して、ランプ点灯時の光束が低下するからである。
また、電子放射性物質としては、セシウム化合物の他に、リチウム化合物又はバリウム化合物等を用いてもよい。これらの化合物は2次電子放出係数が高いので、これらの化合物をガラスバルブ21内の外部電極31、32の近傍に配設すると、これらの化合物から放出さられる2次電子により放電が起こりやすくなるので、暗黒始動特性を改善することができる。なお、リチウム化合物としては酸化リチウムを、バリウム化合物としては酸化バリウムを用いることが好適である。
外部電極31、32は、アルミニウムの金属箔からなり、シリコン樹脂に金属粉体を混合した導電性粘着剤によって、ガラスバルブ21の外周を覆うように貼着されている。導電性粘着剤としては、シリコン樹脂の代わりにフッ素樹脂、ポリイミド樹脂又はエポキシ樹脂等を用いてもよい。
また、金属箔を導電性粘着剤でガラスバルブ21に貼着する代わりに、銀ペーストをガラスバルブ21の電極形成部分の全周に塗布することによって外部電極31、32を形成してもよい。
さらに、外部電極31、32の形状は、円筒状をしていてもよいし、また、ガラスバルブ21の端部を覆ったキャップ状をしていてもよい。
つぎに、図2(b)を参照しながら、セシウム含浸膜24の形成位置について説明する。本実施の形態のランプ20においては、セシウム含浸膜24が外部電極31の管中央側の端の位置(図中の位置A)から当該外部電極が設けられている管端部側に、距離L1の間隔をあけて形成されている。距離L1の間隔をあけるのは、放電の影響によりセシウム含浸膜24に含まれているセシウム化合物からセシウムが遊離し、当該遊離セシウムがガラスバルブ内に飛散して出光領域の蛍光体膜23に付着するのを防止するためである。セシウムは黄色をしており透光性が低く、遊離セシウムが付着した箇所の蛍光体膜23の透光性が低下するので、距離L1の間隔をあけることによって、ランプ点灯中に光束が低下するのを防止する。
なお、外部電極31の端部の形状が、例えば特開2003−36815号公報で開示されているように凹凸状をしている場合には、上述した位置Aは、外部電極端部の凹部の端面の位置に定めることが好適である。
距離L1の具体的な大きさは、2mm以上、好ましくは5mm以上である。この距離を確保すると、放電の影響によって、セシウム化合物からセシウムが遊離してガラスバルブ21内に飛散しても、出光領域から十分に間隔をおいた位置にセシウム化合物が存在するので、遊離セシウムは出光領域の蛍光体膜23に付着しない。これにより、ランプ寿命中において、遊離セシウムによって光束が低下するのを防止することができる。
また、外部電極31には高電圧が印加されるが、このとき外部電極31の管中央側の方が放電が入り易く、管端部側の方が放電が入りにくいため、イオンスパッタリングは開口部に向けて漸次上昇する。特に、外部電極において、管中央部側の3分の1の領域では電界が強くなり、一方、管端部側の3分の2の領域には比較的電界が弱くなる。したがって、外部電極の管端部側の3分の2の領域では比較的放電が弱くなる。その放電の弱い領域にセシウム含浸膜24を形成することによって、放電によりセシウム化合物から遊離するセシウムの量を低減することができ、延いては、ランプ点灯中において遊離セシウムによって光束が低下するのを防止することができる。
具体的な外部電極31の管軸方向の長さL2は、10mmから30mm程度あり、例えばL2が21mmの場合には、位置Aから長さL2の3分の1、すなわち7mm以上をあけてセシウム含浸膜24を形成すると、放電が弱い領域にセシウム化合物が配設されているので、遊離するセシウムの量を低減することができ、また、出光領域から十分に間隔をおいた位置にセシウム化合物が配設されるので、遊離セシウムは出光領域の蛍光体膜23に付着しない。これにより、ランプ点灯中において遊離セシウムによって光束が低下するのを防止することができる。
<ランプの製造方法>
つぎに、図3を参照しながら、ランプ20の製造方法、特に、ガラスバルブ21の製造方法について説明する。図3は、ガラスバルブ21の製造工程の概略を示す図であって、図3(a)は、蛍光体膜42が形成されたガラス管41を示す図であり、図3(b)は、蛍光体膜43の所定箇所を削り取った後のガラス管41の状態を表す図であり、図3(c)は、ガラス管41を水溶液60に浸している状態を示す図であり、図3(d)は、完成したガラスバルブ21を示す図である。
はじめに、直管円筒状のガラス管41を用意して、蛍光体粉末を含有する塗布液をガラス管41内部に注入した後、ガラス管41の開口部を下方に向けて、ガラス管41内から余分な塗布液を流し出す。そして、ガラス管41内に温風を送り込み、ガラス管41内面に付着した塗布液(塗布膜)を強制乾燥させる。強制乾燥によって塗布液(塗布膜)を固めることにより、図3(a)に示すように、ガラス管41の内面に蛍光体膜42が形成される。
つぎに、蛍光体膜42のうち、外部電極が配される部分に相当する箇所及びガラス管41の端部の蛍光体膜を削り取り、図3(b)に示すように、所定距離の間隔をおいて、出光領域の蛍光体膜43と、蛍光体からなる含浸予定膜44とを形成する。
つづいて、図3(c)に示すように、アルミン酸セシウム等のセシウム化合物が入った水分散型の水溶液60に、含浸予定膜44が溶液60につかるようにガラス管41を浸す。
これにより、水溶液60中のセシウム化合物が含浸予定膜44に含浸して、セシウム含浸膜が形成される。ここで含浸されるセシウム化合物の量は20μg程度である。なお、含浸予定膜44を水溶液60に浸す際には、出光領域の蛍光体膜43にセシウム化合物が付着すると出光領域の光束が低下するので、蛍光体膜43に溶液60が付着しないように十分注意をする必要がある。
つぎに、溶液60からガラス管41を取り出し、余分な水溶液60をきった後、ガラス管41の内部を乾燥させるとセシウム含浸膜24が形成される。つづいて、ガラス管41の一端をバーナーで封止して、他端の開口部から水銀及び希ガスを封入した後、バーナーで加熱してガラス管41の開口部を封止する。
以上により、図3(d)に示すような、内面に蛍光体膜23とセシウム含浸膜24とが所定の間隔をおいて形成されているガラスバルブ21を製造することができる。
<セシウム含浸膜の形成位置>
つぎに、図4を参照しながらセシウム含浸膜24の形成位置の他の例について述べる。図4はセシウム含浸膜24の形成位置について説明するための図である。
図4(a)に示す形態は、ガラスバルブ21の端部側へ近づくにしたがって、内径が漸次に小さくなるようにガラスバルブ21を形成したものである。このようにガラスバルブ21の形状を整えると、内径が漸次に小さくなっている径小領域には放電が侵入しにくくなり、当該領域では放電が弱くなる。この径小領域にセシウム含浸膜24を形成することにより、セシウム含浸膜24からセシウムが遊離する量を低減することができる。これにより、遊離セシウムが飛散して蛍光体膜24に付着することによって、ランプ点灯時に光束が低下することを抑制することができる。
図4(b)は、ガラスバルブ21の端部内面が凹状になっている場合を示すものである。このとき、セシウム含浸膜24を凹部の内面に形成してもよい。この場合、ガラス肉厚が他の部分に比べて厚いため、凹部のキャパシタンスは小さくなり、その結果、当該凹部の領域では放電が弱くなる。したがって、当該領域にセシウム含浸膜24を形成することにより、遊離セシウムの量を低減することができる。
なお、この凹部は、ガラスバルブ21の材料となるガラス管と、図中破線で示す円筒状のビードガラス50とを用いることによって形成することができる。ビードガラス50としては、ガラス管と同じホウ珪酸ガラスからなり、その外径がガラス管の内径とほぼ等しいものを用いる。この凹部は、ビードガラス50をガラス管に内挿し、バーナーで加熱して封止すると、溶融したガラスがビードガラスの貫通孔に吸引されることによって形成される。
ところで、外部電極31とガラスバルブ21とは、電気的な等価回路ではコンデンサの役割を果たす。ここで、ビードガラス50を用いてガラスバルブ21の端部内面の形状を調整することによって、そのコンデンサの静電容量を調節することができる。なお、ガラスバルブ21の両端部におけるコンデンサの静電容量をほぼ等しくすると、輝度むらを低減できるという効果がある。
以上に説明したように、本実施の形態に係るランプ20は、外部電極31の近傍にセシウム化合物が配設されているので、暗黒始動特性が改善されている。また、従来、暗黒始動特性を改善するためにガラスバルブ21内にセシウム化合物を配設した場合には、遊離セシウムの蛍光体膜23への付着により出光領域の透光性が低下して、ランプ点灯時の光束が低下するという問題があったが、本実施の形態に係るランプ20では、遊離セシウムが飛散しても、出光領域の蛍光体膜23に付着しない十分な間隔L1をあけてセシウム化合物が配設されており、また、電極近傍のうち、放電の弱い領域にセシウム化合物が配設されて遊離するセシウムの量を低減しているので、出光領域の蛍光体膜23に遊離セシウムが付着するのを防止することができる。したがって、本実施の形態に係るランプ20は、ランプ点灯時の光束の低下を招くことなく暗黒始動特性が改善されているといえる。
<変形例>
以上、本発明を種々の実施の形態に基づいて説明してきたが、本発明の内容が、上記実施の形態に示された具体例に限定されないことは勿論であり、例えば、以下のような変形例を考えることができる。
(1)上記実施の形態においては、セシウム化合物を蛍光体膜に含浸させてセシウム含浸膜24を形成することにより、セシウム化合物をガラスバルブ21内面に配設する構成について説明したが、図5に示すように、ガラスバルブ21を保護する保護膜26にセシウム化合物を付着させてセシウム化合物膜25を形成することにより、セシウム化合物をガラスバルブ21内面に配設する構成としてもよい。保護膜26を形成することにより、セシウム化合物を容易にガラスバルブ21内に配設することができる。なお、保護膜26にセシウム化合物を付着させる方法としては、一般的に知られているディッピングを行うことが好適である。
保護膜26は、ガラスバルブ21内に封入された水銀と、ガラスバルブ21中のナトリウムとが反応することにより、水銀が消耗するのを抑制するためのものであり、また、UV放射を抑制するためのものである。なお、保護膜26は、金属酸化物、具体的には、外部電極31と接する部材の誘電率を高めるために、比誘電率の高いイットリアやチタニア等の薄膜で形成することが好適である。
また、ガラスバルブ21、蛍光体膜、保護膜の順に膜を積層させて当該保護膜にセシウム化合物を付着させる構成としてもよい。
(2)また、セシウム含浸膜24は、ガラスバルブ21の内面において、どのような形態で形成されていてもよい。図6は、ガラスバルブ21を管軸に垂直な面で切断したときの断面図である。例えば、図6(a)に示すように、ガラスバルブ21の内面全周にセシウム含浸膜24を形成してもよいし、図6(b)に示すように、ガラスバルブ21内面の円周方向の複数又は一箇所にセシウム含浸膜24を形成してもよい。また、図5において、保護膜26にセシウム化合物を塗布する場合も、図6(a)又は図6(b)と同様に、内面全周に塗布してもよいし、円周方向の複数又は一箇所に塗布してもよい。
(3)また、上記実施の形態では、外部電極31側のガラスバルブ21内の構成について説明したが、外部電極32側のガラスバルブ21内も、図2(b)等に示したものと同様な構成としてもよいし、また、相違する構成としてもよい。また、外部電極31側と外部電極32側とにおいて、少なくとも高圧が印加される電極側のガラスバルブ21内面にセシウム化合物を配設する必要がある。
(4)さらに、上記の実施の形態では、ガラスバルブ21が直管状のものについて説明したが、ガラスバルブ21は、例えばU字状等、他の形状をしていてもよい。
(5)また、上記の実施の形態では、図1に示すようにバックライトユニットは直下型のものついて説明したが、エッジ型のバックライトユニットの光源としてランプ20を用いてもよい。
(6)上記の実施の形態では、ランプ20をバックライトユニットの光源に用いる場合について説明したが、ランプ20を一般照明等、バックライトユニット以外の光源として用いてもよい。
本発明は、液晶ディスプレイのバックライト、その他一般照明等に広く適用することができる。また、本発明は、ランプ点灯時の光束を低下させることなく暗黒始動特性が改善されているので、その産業的利用価値は極めて高い。
本発明の実施の形態に係るバックライトユニットの外観斜視図であって、内部の構造を示すために、前面パネルの一部を切り欠いた図である。 図2は、本発明の実施の形態に係る蛍光ランプ20の構成を示す図であって、図2(a)は、蛍光ランプ20の平面図であり、図2(b)は、蛍光ランプ20の端部を、管軸を含む平面で切断したときの拡大断面図である。 図3は、ガラスバルブ21の製造工程の概略を示す図であって、図3(a)は、蛍光体膜43が形成されたガラス管41を示す図であり、図3(b)は、蛍光体膜43の所定箇所を削り取った後のガラス管41の状態を表す図であり、図3(c)は、ガラス管41を溶液60に浸している状態を示す図であり、図3(d)は、完成したガラスバルブ21を示す図である。 図4は、ランプ20の端部を、管軸を含む平面で切断したときの断面図であって、ガラスバルブ21の形状と、セシウム含浸膜24の形成位置について説明するための図である。 図5は、ランプ20の端部を、管軸を含む平面で切断したときの断面図であって、セシウム化合物を保護膜に付着したときの状態を示す図である。 図6は、ガラスバルブ21を管軸と垂直な平面で切断したときの断面図であって、図6(a)は、ガラスバルブ21の内面全周にセシウム含浸膜24を形成したときの図であり、図6(b)は、ガラスバルブ21内面の円周方向の複数箇所にセシウム含浸膜24を形成したときの図である。
符号の説明
1 バックライトユニット
10 筐体
16 前面パネル
20 蛍光ランプ
21 ガラスバルブ
23 蛍光体膜
24 セシウム含浸膜
26 保護膜
31、32 外部電極

Claims (8)

  1. 管状のガラスバルブの端部外周に外部電極を備える蛍光ランプであって、
    前記ガラスバルブの内面において、前記外部電極の管中央側の端の位置から管端部側に、間隔をあけて電子放射性物質が付着されていることを特徴とする蛍光ランプ。
  2. 前記電子放射性物質は、前記ガラスバルブの内面において、前記位置から管端部側に、2mm以上の間隔をあけて付着されていることを特徴とする請求項1に記載の蛍光ランプ。
  3. 前記電子放射性物質は、前記ガラスバルブの内面において、前記位置から管端部側に、前記外部電極の管軸方向長さの3分の1以上の間隔をあけて付着されていることを特徴する請求項1に記載の蛍光ランプ。
  4. 前記ガラスバルブは、管端部側へ近づくほど内径が小さくなる形状をしており、当該径小領域の内面に前記電子放射性物質が付着されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の蛍光ランプ。
  5. 前記電子放射性物質は、前記ガラスバルブ内面に形成された蛍光体膜に付着されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の蛍光ランプ。
  6. 前記電子放射性物質は、前記ガラスバルブ内面に形成された保護膜に付着されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の蛍光ランプ。
  7. 前記電子放射性物質は、セシウム化合物、リチウム化合物又はバリウム化合物のうちのいずれか一つであることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の蛍光ランプ、
  8. 請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の蛍光ランプを光源として備えることを特徴とするバックライトユニット。
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