JP2006107926A - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料電池において、カソード電極の劣化を軽減する。
【解決手段】 燃料電池セル100は、拡散層122及び拡散層132に夫々隣接するセパレータ210及びセパレータ220を備える。各セパレータには、水素ガスの供給方向と直交する方向に面的に延在する板状の絶縁部202が複数形成されている。一方、拡散層122及び拡散層132は、水素ガス供給方向に伸延する絶縁性の縦糸部材と導電性の横糸部材が相互に直交するように編み込まれることによって形成されている。従って、これら拡散層及びセパレータは、水素ガス供給方向に沿った導電性が相対的に小さくなっている。燃料電池セル100の動作時には、このように導電性について異方性を有する拡散層及びセパレータによって、カソード電極130の劣化に供される電子の量が減少し、係る劣化が軽減される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、燃料電池の技術分野に関する。
アノード電極に供給される水素と、カソード電極に供給される酸素とを、電解質膜を介して電気化学的に反応させて起電力を得る燃料電池において、カソード電極側の酸素が電解質膜を透過してアノード電極側へ移動することがある。酸素がアノード電極側に存在すると電極が劣化することが知られており、特許文献1には、係る劣化を抑制可能な技術が開示されている。
特許文献1に開示された燃料電池システム(以降「従来の技術」と称する)によれば、燃料電池の起動時に、燃料極側を急速に水素ガスに置換することによって、起動と停止とを繰り返しても空気極が劣化し難いとされている。
尚、これとは別に、セパレータ内に絶縁樹脂領域を設け、燃料ガス及び酸化剤ガス各々の流路方向に直交する方向への電子の移動を制限する技術も提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−206898号公報 特開2002−358982号公報
燃料電池の起動時に急速に水素ガスを導入するためには、例えばポンプ等相応の外部装置が必要となり、設置効率の面で著しく不利である。即ち、従来の技術には、効率的に燃料電池の電極劣化を防止することが困難であるという技術的な問題点がある。
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、カソード電極の劣化を軽減することが可能な燃料電池を提供することを課題とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る燃料電池は、燃料ガスを拡散させるための導電性の第1の拡散層を備えたアノード電極と、酸化剤ガスを拡散させるための導電性の第2の拡散層を備えたカソード電極と、前記アノード電極と前記カソード電極との間に挟持された電解質膜と、前記第1の拡散層と対面して設けられ、前記第1の拡散層と対面する側に、前記第1の拡散層に対して前記燃料ガスを供給するための燃料ガス流路を備えた、導電性を有する第1のセパレータと、前記第2の拡散層と対面して設けられ、前記第2の拡散層と対面する側に、前記第2の拡散層に対して前記酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路を備えた、導電性を有する第2のセパレータとを備え、前記第1及び第2のセパレータのうち少なくとも一方のセパレータは、前記第1及び第2の拡散層に沿った面内における前記燃料ガス流路に沿った方向の導電性が相対的に小さいことを特徴とする。
本発明に係る「燃料電池」とは、電解質膜を挟持するアノード電極及びカソード電極において生じる電気化学反応によって起電力を得る態様を有するものを総称し、例えば、固体高分子型燃料電池の一セル、又は当該セルが積層されたスタックを指す。
アノード電極には、例えば水素を含む燃料ガスを電極内に拡散させるための第1の拡散層が備わっている。また、アノード電極に隣接して、導電性の第1のセパレータが設けられ、この第1のセパレータは、第1の拡散層と対面している。第1のセパレータは、この第1の拡散層と対面する側に、供給側マニホールドと排出側マニホールドとを繋ぎ、当該拡散層に対して燃料ガスを供給するための燃料ガス流路を有している。例えば、この燃料ガス流路は、供給側及び排出側マニホールドとの間で、複数の直線的な流路が並列した構成を採る。ここで、本発明に係る「燃料ガス」とは、燃料電池で生じる電気化学的な反応を生じさせるための燃料を含んだガスであり、例えば、水素ガスである。但し、燃料電池で生じる電気化学的な、又は化学的な反応に対して不活性なガスが混入していてもよい。また、水素ガスは、原材料となるガスから何らかの改質処理を経た結果として得られてもよい。
カソード電極には、例えば、酸素を含む酸化剤ガスを電極内に拡散させるための第2の拡散層が備わっている。また、アノード電極に隣接して、導電性の第2のセパレータが設けられ、この第2のセパレータは、第2の拡散層と対面している。第2のセパレータは、この第2の拡散層と対面する側に、供給側マニホールドと排出側マニホールドとを繋ぎ、当該拡散層に対して酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路を有している。例えば、この酸化剤ガス流路は、供給側及び排出側マニホールドとの間で、複数の直線的な流路が並列した構成を採る。ここで、本発明に係る「酸化剤ガス」とは、燃料ガスに含まれる燃料との間で電気化学的な反応を起こす結果、起電力を生じさせることが可能な、例えば、酸素を含むガスであり、その代表例としては、空気である。この様に酸化剤ガスを空気とした場合には、その供給源を特別に設ける必要が生じないから効率的であるが、酸化剤ガスは空気に限定されない。
また、本発明に係る第1及び第2のセパレータは、燃料電池セルが複数積層され、スタックが構成される場合には、その積層方向において相互に隣接する燃料電池セルを夫々相互に隔離することが可能である。この積層の際、第1のセパレータと第2のセパレータとは相互に隣接するから、この様な意味では、第1のセパレータと第2のセパレータとは一体に形成されていても構わない。更に、これらセパレータの境界面に、スタック内の燃料電池セルを冷却するための冷媒流路が形成されていてもよい。
本発明に係る燃料電池は以上のように構成されているので、例えば、燃料ガスに水素が、また酸化剤ガスに酸素が含まれる場合には、その動作時には、アノード電極側に存在する水素と、カソード電極側に存在する酸素とが、電解質膜を介して電気化学的に反応し、その結果として発電が行われる。
ここで特に、燃料電池が不使用状態であっても、アノード電極に残留していた水素は電解質膜を透過してカソード電極に移動し、酸素と電気化学的に反応する。その結果、不使用の状態が続けば、アノード電極の少なくとも一部は水素欠乏状態になると考察される。また、カソード電極に存在する酸素は、時間経過と共に電解質膜を透過し、アノード電極側に到達すると考察される。従って、結果的に、長時間不使用状態にある燃料電池においては、アノード電極及びカソード電極の両極に酸素が存在することとなる。その後、発電開始の際などに、酸素が存在しているアノード電極に水素が供給されると、この酸素と、アノード電極側で発生する電子と、カソード電極側で生成された水が電気分解して生じるプロトン(水素イオン)とが、電気化学的に反応して起電力が生じる。即ち、内部電池が形成される。このアノード電極側で生じる起電力によって、この酸素が存在しているアノード電極の部位に対面するカソード電極の部位が、所謂「触媒劣化電位」に到達し、カソード電極の触媒は劣化する。係る劣化の例としては、触媒を構成するカーボン担体の腐食、又はカーボンに担持される白金触媒の溶出等が挙げられる。この様なカソード電極の劣化は、アノード電極に酸素が存在する限り、即ち、アノード電極が水素で満たされるまで継続する。
一方で、係るカソード電極における電気分解で生じた電子は、カソード電極内において、アノード電極から電解質膜を透過してきたプロトン、及びカソード電極に予め存在する酸素と供に、起電力の生成に供される。
即ち、係るカソード電極の劣化反応は、アノード電極とカソード電極との間で、電子が相互に補完し合うことに起因して生じると共に、夫々の電極に隣接するセパレータ及び夫々の電極における拡散層は、その導電性の為に、係る劣化を助長する電子の移動経路になっていると考察される。
このような問題に対し、本発明に係る燃料電池は、第1及び第2のセパレータのうち少なくとも一方のセパレータが第1及び第2の拡散層に沿った面内において燃料ガス流路に沿った方向に相対的に小さい導電性を有することによりこの問題を解決している。
ここで、「導電性」とは、電荷の移動度と置換し得る概念である。即ち、導電性が相対的に小さいとは、電荷(ここでは電子とする)が移動し難いことを指す。即ち、この様な導電性が相対的に小さい状況下では、電子は、導電性が相対的に大きい方向に移動し易い。本発明において、少なくとも一方のセパレータは、第1及び第2の拡散層に沿った面内において、燃料ガス流路に沿った方向の導電性が相対的に小さくなっているため、電子は、燃料ガス流路に沿った方向に移動し難くなっている。
アノード電極、主として拡散層(即ち、第1の拡散層)への燃料ガスの供給は、隣接するセパレータ(即ち、第1のセパレータ)を介して行われる。この際、セパレータに形成される燃料ガス流路の形態及び形状は様々であるが、拡散層内では、総じて燃料ガス流路に沿った方向に燃料ガスが拡散する。既に述べた様に、カソード電極の劣化は、アノード電極において、水素が存在しない、又は水素の量が不十分な部位と対面する部位において生じると考えられる。従って、アノード電極において、水素が存在しない、又は水素の量が不十分な部位への電子の流れ(移動)を阻害することによって、カソード電極の劣化を軽減する効果があると考察される。係る電子は、水素がプロトンと電子に分離する際に生じるから、結局、セパレータにおける「燃料ガス流路に沿った方向」への導電性が相対的に小さい場合には、カソード電極の劣化を効果的に軽減することが可能となるのである。尚、これ以降、このように燃料ガス流路に沿った方向への導電性が相対的に小さいことを、適宜「導電性について異方性を有する」と表現することとする。
また、本発明に係る「軽減」とは、導電性について異方性を有さない場合と比較して、燃料電池の劣化が多少なりとも改善される趣旨として規定される。
尚、アノード電極及びカソード電極は相補し合う関係であるから、何れか一方の電極に隣接するセパレータに係る電子の移動が制限されることによって、十分にカソード電極の劣化を軽減させる効果を得ることが可能である。但し、第1のセパレータ及び第2のセパレータの両方が、共に上述した異方性を有していてもよい。
また、「第1及び第2の拡散層に沿った面」とは、拡散層と直接接触又は対面している面に限らず、拡散層に沿っている限りにおいてセパレータ内部の面であってもよい。
尚、導電性について異方性を有するセパレータにおいて、電子はその移動が完全に禁止されていてもよい。また、このように電子の移動をある方向について禁止する場合には、一定の距離以上電子が移動できないようになっていてもよい。更に、係る異方性は、セパレータの物理的、化学的又は電気的な性質によって与えられるものであっても、例えば、予め絶縁性の部材をセパレータ内部に埋め込む等、外的な要因によって与えられるものであってもよい。即ち、本発明に係る異方性は、燃料電池の機能を阻害しない範囲で如何なる態様の下で与えられてもよい。
尚、仮に、この様な対策を何ら講じなければ、セパレータ内部を自由に移動する電子によって、カソード電極の劣化反応に供される電子がカソード電極の劣化部位に対応するアノード電極部分に潤沢に供給され、カソード電極の劣化は著しく進行してしまうのである。
また、カソード電極の劣化は、上述した様な長時間の放置時(即ち、起動時)の他に、水素デッドエンド運転時、又は負荷切替時等にも生じることがある。更に、燃料電池が例えば車に搭載される場合には、ガス欠時にも生じる場合がある。何れの場合であっても、本発明に係る燃料電池によれば、カソード電極の劣化を軽減することが可能である。
本発明に係る燃料電池の一の態様では、前記少なくとも一方のセパレータは、絶縁特性を有する材料を含む板状の絶縁部を有し、前記相対的に小さい導電性は、前記絶縁部の絶縁特性に基づいて与えられる。
例えば、この板状の絶縁部を導電性の材料で構成された導電部分(通常のセパレータ材料でもよい)と交互に積層させることによってセパレータが形成された場合、この板状の絶縁部に挟持された導電部分のみが電子の移動可能な領域となる。この導電部分に存在する電子は、板状の絶縁部との衝突、更にそれに伴う散乱を繰り返す結果、巨視的には、この導電部分が延在する方向に選択的に移動する。従って、セパレータによって電子の移動を制限し、導電性について異方性を持たせることが簡便にして可能となり、カソード電極の劣化を軽減することが簡便にして可能となるのである。
尚、係る「板状」とは完全な板でなくともよく、表面が湾曲していても、テーパ形状を有していてもよい。更には表面に突起や溝が形成されていてもよい。即ち、巨視的に板状であって、セパレータ内部の電子の移動方向を制限することが可能である限りにおいて、係る絶縁部の形状は何らの限定も受けるものではない。
板状の絶縁部を有する燃料電池の一の態様では、前記板状の絶縁部は、前記少なくとも一方のセパレータを、その内部において電子の移動経路を相互に共有しない複数のブロックに分割する。
この態様では、導電性について異方性を有するセパレータは、板状の絶縁部によって、電子の移動経路を共有しない複数のブロックに分割されるから、セパレータ内部においてある方向に向かう電子の流れを完全に遮断することが可能となる。従って、カソード電極の劣化に供される電子の絶対量を減らし、カソード電極の劣化を軽減することが可能である。但し、係る燃料電池を一セルとした燃料電池スタックが形成される場合には、隣接するセル間でセパレータの導通が保たれる必要があるため、セパレータは、セルの積層方向へ向かう電子の流れを阻害しない程度に異方性を有することが好ましい。
板状の絶縁部を有する燃料電池の他の態様では、前記板状の絶縁部の少なくとも一部は、前記少なくとも一方のセパレータの内部において、前記燃料ガス流路と直交する方向に延在する。
この態様では、燃料ガス流路と直交する方向に板状の絶縁部が延在することによって、燃料ガス流路に沿った方向への電子の流れを遮断することが可能となるので、カソード電極の劣化を効果的に軽減することが可能となる。
絶縁部を有する燃料電池の他の態様では、前記第1のセパレータは、前記燃料ガス流路から前記燃料ガスを排出させるための排出口を備え、前記板状の絶縁部は、前記排出口と対応する領域に形成される
燃料ガス流路における排出口付近は、燃料ガス流路において最も燃料ガスの供給が遅れる箇所であるから、当然ながら、対面する拡散層の部位においても燃料ガスの拡散が最も遅くなり、カソード電極の劣化が最も激しく生じると考えられる。
本態様によれば、板状の絶縁部が排出口と対応する領域に形成される。ここで、「排出口と対応する領域」とは、上述した様に、劣化が顕著な部分又は部分的な水素欠乏が生じ易い部分と置換し得る概念であり、排出口に対して厳密に距離概念で規定されるものではない。また、アノード電極とカソード電極の別に依らず適用可能である。このように比較的に劣化が激しいと考えられる部分に対して板状の絶縁部を形成することによって、効率的且つ効果的にカソード電極の劣化を軽減することが可能である。
上述した課題を解決するため、本発明に係る燃料電池は、燃料ガスを拡散させるための導電性の第1の拡散層を備えたアノード電極と、酸化剤ガスを拡散させるための導電性の第2の拡散層を備えたカソード電極と、前記アノード電極と前記カソード電極との間に挟持された電解質膜と、前記第1の拡散層と対面して設けられ、前記第1の拡散層と対面する側に、前記第1の拡散層に対して前記燃料ガスを供給するための燃料ガス流路を備えた、導電性を有する第1のセパレータと、前記第2の拡散層と対面して設けられ、前記第2の拡散層と対面する側に、前記第2の拡散層に対して前記酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路を備えた、導電性を有する第2のセパレータとを備え、前記第1及び第2の拡散層のうち少なくとも一方の拡散層は、前記燃料ガス流路に沿った方向の導電性が相対的に小さいことを特徴とする。
燃料電池において、電荷(電子)の移動経路は主としてセパレータであるが、一部の電荷は電極内の拡散層を移動する。従って、セパレータの場合と同様に、燃料ガス流路に沿った方向の導電性を相対的に小さくすることにより、カソード電極の劣化を低減することが可能である。
少なくとも一方の拡散層がガス流路に沿った方向の導電性について異方性を有する本発明に係る燃料電池の一の態様では、前記少なくとも一方の拡散層は、前記燃料ガス流路に沿った方向に延在する絶縁性の糸状材料と、前記絶縁性の糸状材料と交差する方向に延在する導電性の糸状材料とを有する。
この態様によれば、導電性についての異方性は、ガス流路に沿った方向に延在する絶縁性の糸状材料と、この絶縁性の糸状材料に交差する導電性の糸状材料とによって与えられる。即ち、この場合、拡散層は絶縁性材料の延在方向には導電性を有さないため、この方向への電子の移動が制限される。また、これらの材料を交差させる態様は、拡散層を形成可能な限りにおいて何らの限定を受けるものではなく、例えば、相互に編み込まれていてもよいし、一方の材料に他方の材料を突き刺してあってもよい。
尚、導電性の糸状材料としては、例えば、カーボン繊維、プラチナ、金、又は耐腐食性が良好なステンレス鋼等を使用することが可能であるが、ここに例示したものに限らず導電性の材料を広く使用可能である。また、絶縁性の糸状材料としては、例えば、樹脂材料、又は導電性の材料を樹脂材料等でコーティングしたもの等が挙げられるが、こちらも、係る拡散層を形成可能な絶縁性の材料である限り何ら限定されない。
本発明のこのような作用及び他の利得は次に説明する実施形態により明らかにされる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
<燃料電池セル100の構成>
始めに、図1を参照して、本発明の第1実施形態に係る燃料電池セルの構成について説明する。ここに、図1は、燃料電池スタック10の部分斜視図である。
図1において、燃料電池スタック10は、本実施形態に係る複数の燃料電池セル100が積層されてなる。尚、以降、この積層される方向を適宜「積層方向」と称することとする。個々の燃料電池セル100は、本発明に係る「燃料電池」の一例を構成し、電解質膜110、電解質膜110を挟持するアノード電極120及びカソード電極130、並びにアノード電極120及びカソード電極130の両側に夫々配設されたセパレータ200を備える。また、隣接する燃料電池セル100間において、セパレータ200は共有されている。
尚、燃料電池スタック10は、積層方向両端部に、燃料電池セル10を保持するための保持部材等を有するが、図1では省略されている。
セパレータ200は、一部に導電性を有する部材であり、その積層方向両端面には、複数の直線的な水素ガス流路230及び複数の直線的な空気流路240が相互に直交する方向に形成されている。この水素ガス流路230には、本発明に係る「燃料ガス」の一例たる水素ガスが図示略の水素ガス供給部より矢線aの方向に向かって供給される。また、空気流路240には、本発明に係る「酸化剤ガス」の一例たる空気が、図示略の空気供給部より矢線bの方向に向かって供給される。水素ガス流路230は、燃料電池セル100におけるアノード電極120に、また、空気流路220は、燃料電池セル100におけるカソード電極130に、夫々隣接する様に形成されている。
尚、水素ガス流路230と空気流路240とは、相互に平行な方向に向かって延在するように形成されていてもよい。
<燃料電池セル100の詳細構成>
次に、図2を参照し、燃料電池セル100の詳細構成について説明する。ここに、図2は、図1におけるA−A’線視断面図である。
図2において、燃料電池セル100は、紙面に垂直な方向に面的に広がるイオン交換膜からなる電解質膜110を有する。電解質膜110の一方面には、カーボンに担持された白金触媒を有する触媒層121、及び後述する拡散層122を備えるアノード電極120が形成されており、他方面には、アノード電極120と同様の触媒層131及び拡散層132からなるカソード電極130が形成されている。このアノード電極120、カソード電極130及びこれら両極に挟持される電解質膜110とは、膜−電極アセンブリ(Membrane-Electrode Assembly)と称される。
ここで、拡散層122(132)の詳細について、図3を参照して説明する。ここに、図3は、拡散層122の模式構造図である。尚、拡散層122と拡散層132とは等しい構成を有する。
拡散層122は、絶縁性材料で構成された縦糸部材122a(拡散層132の場合には132a)、及び導電性材料で構成された横糸部材122b(拡散層132の場合には132b)が相互に編み込まれるようにして形成されている。縦糸部材122aは、セパレータ200における水素ガスの供給方向(即ち、水素ガス流路230の方向)に平行な方向に延在しており、横糸部材122bは、縦糸部材122aと相互に直交する方向に延在している。また、横糸部材122bは、紙面と垂直な方向にも延在しており(図示略)、従って、拡散層122は、水素ガスの供給方向と直交する平面内にのみ導電性を有し、水素ガスの供給方向には絶縁性である。
尚、縦糸材料122a(132a)は、例えば、樹脂材料、又は導電性の材料を樹脂材料等でコーティングしたもの等が挙げられるが、糸状に形成可能な絶縁性の材料である限りにおいて材質は何ら限定されない。また、横糸材料122b(132b)は、例えば、カーボン繊維、プラチナ、金、又は耐腐食性が良好なステンレス鋼等を使用することが可能であるが、こちらも導電性の材料を広く使用可能である。即ち、拡散層122及び拡散層132各々における導電性について異方性を与えることが可能である限りにおいて、これらの構成材料は何らの限定を受けるものではない。
図2に戻り、相互に隣接する膜―電極アセンブリは、セパレータ200によって相互に隔離されている。セパレータ200は、アノード電極120に隣接するセパレータ210、及びカソード電極130に隣接するセパレータ220から構成されている。
セパレータ210は、水素ガス流路230を有し、この水素ガス流路230がアノード電極側の拡散層である拡散層122と対面するように配設されており、本発明に係る「第1のセパレータ」の一例として機能する。また、セパレータ220は、空気流路240を有し、この空気流路240がカソード電極側の拡散層である拡散層132と対面するように配設されており、本発明に係る「第2のセパレータ」の一例として機能する。
尚、セパレータ210とセパレータ220とは、予め一体に形成された一つのセパレータであってもよいし、夫々個別に形成された後に接合されたものであってもよい。即ち、本発明に係る「第1のセパレータ」及び「第2のセパレータ」とは、夫々燃料ガス(本実施形態では水素ガス)流路及び酸化剤ガス(本実施形態では空気)流路が形成されたセパレータである限りにおいて、概観上何らの制約を受けるものではない。例えば、セパレータ210とセパレータ220との接合面に、燃料電池セル100を冷却するための冷媒流路が形成されていてもよい。この場合、係る冷媒流路が、複数の部分流路を含んで形成されても、直列に蛇行して伸びる一本の流路として形成されていてもよい。
ここで、図4及び図5を参照して、セパレータ200の更なる詳細構造について説明する。ここに、図4はセパレータ200の斜視断面図であり、図5は図4を矢線B方向から見た断面模式図である。尚、同図において、図1と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。また、説明の簡略化のため、同図では、水素ガス流路230及び空気流路240が省略されている。
図4において、セパレータ210及びセパレータ220は、何れにおいても、導電性が良好なカーボン材料で構成される導電部201及び絶縁性を有する樹脂材料で形成された絶縁部202によって構成されている。
導電部201及び絶縁部202は、夫々平板形状を有しており、水素ガスの供給方向(矢線a)と直交するように、相互に積み重ねられるようにして配置されている。従って、導電部201及び絶縁部202は、空気流路240とは平行な方向に向かって延在している。尚、水素ガスの供給方向とは、即ち水素ガス流路の方向と等価であるから、係る絶縁部202は、本発明に係る「燃料ガス流路と直交する方向に延在する」板状の絶縁部の一例である。また、セパレータ210及びセパレータ220は、係る絶縁部の絶縁特性に基づいて、これらセパレータ内の導電性について異方性を有している。
尚、導電部201を構成する材料は、カーボン材料に限定されない。例えば、カーボンと樹脂の複合材料、アルミニウム、又はステンレス鋼等であってもよい。また、絶縁部202を構成する材料は、絶縁特性を有すると共に、係る形状に加工可能である限りにおいて自由に決定されてよい。
図5において、セパレータ210に形成された複数の水素ガス流路230は、夫々一端が供給側マニホールド231と接続されており、他端が排出側マニホールド232と接続されている。燃料電池セル100の動作時には、供給側マニホールド231から供給される燃料ガスが水素ガス流路230の各々を通過した後、排出側マニホールド232より排出される。
<実施形態の動作>
<燃料電池セル100の基本動作>
ここで、上記構成を有する燃料電池セル100の動作について説明する。
始めに、水素ガス流路230に供給される水素ガスは、係る流路内を進行する過程で、拡散層122内を拡散し、触媒121に到達する。また、空気流路240に供給される空気は、係る流路内を進行する過程で、拡散層132内を拡散し、触媒131に到達する。
拡散層122に水素ガスが供給されると、係る水素ガスを構成する水素分子が触媒層121によって、下記化学式(1)に示す如き反応により電子とプロトンに分離される。係る電子は、アノード電極120から図示略の外部回路を通ってカソード電極130に到達すると共に、係るプロトンは、電解質膜110を介してカソード電極130に移動する。
→ 2H+2e ・・・・・化学式(1)
一方、カソード電極130では、下記化学式(2)に示す如き反応が生じる。即ち、拡散層132に供給される空気内の酸素分子が、外部回路を通ってきた電子を受け取って酸素イオンとなると共に、更に水素イオンと結合して水となって排出される。
2H+2e+(1/2)O→HO ・・・・・化学式(2)
燃料電池セル100内では、この様な電気化学反応によって起電力が生じる。この起電力は、所定の負荷を介して、最終的に燃料電池スタック10の出力として取り出される。
<実施形態の効果>
ここで、本実施形態に係る燃料電池100が有するカソード電極の劣化軽減効果について、図6から図9を参照して説明する。ここに、図6は、本発明の比較例に係る燃料電池セル300において生じるカソード電極劣化の模式図であり、図7は、本実施形態に係る燃料電池セル100において生じるカソード電極劣化の模式図である。また、図8は、図6に係るカソード電極の劣化度を示すグラフであり、図9は、図7に係るカソード電極の劣化度を示すグラフである。尚、これらの図において、図2と重複する箇所については同一の符号を付してその説明を省略する。
<燃料電池300におけるカソード電極劣化>
図6において、燃料電池セル300は、電解質膜110の両端に、触媒層121及び拡散層301からなるアノード電極302、並びに、触媒層131及び拡散層303からなるカソード電極304を有する。拡散層301及び拡散層303は、導電性のカーボンで形成されており、拡散層301及び拡散層303内において等方的な導電性を有する。
拡散層301及び拡散層303の両側には、セパレータ305及びセパレータ306が夫々の拡散層に隣接して設けられている。セパレータ305及びセパレータ306は、導電性を有するカーボン材料で構成されており、これらのセパレータ内において等方的な導電性を有している。
以上の構成を有する、本発明の比較例に係る燃料電池セル300において、何らかの原因、例えば、不使用な状態が続いたこと等によって、アノード電極302には、カソード電極304から、その量の大小を問わず酸素が透過してきており、アノード電極302及びカソード電極304の何れにも酸素が存在しているとする。
ここで、水素ガスが、アノード電極302の、図6における上端部から供給されると、時間経過と共に水素ガスは図6における下端方向に向かって拡散するが、完全に下端部分に水素ガスが拡散するまでには時間差がある。
この、水素ガスが供給されてからアノード電極302全体に水素ガスが拡散するまで、又はアノード電極302から酸素が無くなるまでの時間内において、燃料電池セル300内では、以下に示す化学反応が生じるとされている。即ち、カソード電極304内において、化学式(3)及び(4)の示す如き反応が、また、アノード電極302内において、化学式(5)に示す如き反応が生じるとされている。
1/2C+HO → 1/2CO+2H+2e・・・・化学式(3)
Pt → Pt2++2e・・・・・・化学式(4)
2H+2e+(1/2)O→HO ・・・・・化学式(5)
従って、アノード電極302内では起電力が発生し(セル内部電池が形成され)、カソード電極304が触媒劣化電位に達することにより、触媒131の構成要素の一つである白金の溶出又はカーボン担体の腐食等が生じてカソード電極304が劣化する。この劣化は、アノード電極302において酸素が存在する位置に対向するカソード電極304の部位において生じるため、アノード電極302に一様に酸素が分布している場合には、結局、最も水素ガスの拡散が遅い領域、例えば、図6においてアノード電極302の下端付近に対応するカソード電極304の部位が最も激しく劣化することとなる。図8には、この様子が示される。即ち、図6において、燃料電池セル300のカソード電極304の上端部から下端部にかけての任意の位置P、P、P、Pにおいて、劣化の度合いは、上端部から下端部へ向かう程、即ち、P、P、P、Pの順に徐々に大きくなる。尚、図6に示す反応は、カソード電極300の劣化に係る反応の一例である。
一方、図7において、本実施形態に係る燃料電池セル100にも、図6と同様、アノード電極120内に酸素が存在しているとする。この状態で、アノード電極120に対し水素ガスが供給されると上述の化学式で示される劣化反応によって、カソード電極130は劣化する。
しかしながら、燃料電池セル100は、セパレータ210及びセパレータ220に夫々板状の絶縁部202が形成されることによって、夫々のセパレータ内が、電子の移動経路を相互に共有しない複数のブロックに分割されている。更に、この板状の絶縁部202は、セパレータ内において、水素ガスの供給方向と垂直な方向に面的に延在している。このため、これらセパレータは、水素ガス流路に沿った方向の導電性が相対的に小さくなっている。また、これらセパレータと隣接する、拡散層122及び拡散層132は、夫々絶縁性の縦糸材料122a及び132aによって、水素ガス流路に沿った方向の導電性が相対的に小さくなっている。即ち、燃料電池セル100内において、水素ガスの供給方向(拡散方向)に向かう電子の移動経路は閉じられており、電子は、係る方向と垂直な面方向に圧倒的に高い自由度で移動する。
従って、アノード電極120における上述した式(5)に示される反応に供される電子の量は、上述の比較例と較べて遥かに少なくなり、係る反応に起因するカソード電極130の劣化が著しく軽減される。図9にはこの様子が示される。即ち、比較例と同等の位置P、P、P、Pにおいて、カソード電極130の劣化は、アノード電極120内に酸素が一様に存在しているとすれば、ほぼ同じレベルでしか生じない。とりわけ、カソード電極130の図7における下端部付近における劣化の度合いは、比較例に較べて著しく小さい。
この様に、本実施形態によれば、セパレータ210及びセパレータ220が、夫々拡散層122及び拡散層132に沿った面内において、水素ガス流路230に沿った方向に相対的に小さい導電性を有すると共に、拡散層122及び拡散層132も、同方向に相対的に小さい導電性を有するため、カソード電極130の劣化を好適に軽減することが可能となるのである。
尚、アノード電極120における、係る反応に係る電子の量が少ないことに相関して、カソード電極130側で生じる、上述の式(3)に示される反応も生じにくくなる。即ち、アノード電極120及びカソード電極130において、カソード電極130の劣化に供される電子は相互に補完しあっているので、セパレータ210及びセパレータ220のうち少なくとも一方が、その導電性について異方性を有していれば、他方のセパレータにおける電子の流れも阻害され、カソード電極130の劣化を軽減することが可能である。
また、燃料電池セル100が積層され、燃料電池スタック10が形成される場合には、例えば、セパレータ210のみが係る異方性を有する燃料電池セル100を単純に積層させたのでは、係るセパレータ210に隣接するセパレータ220を介して、比較的自由に電子が移動してしまう可能性もある。この様な場合には、セパレータ210が導電性について異方性を有しているセルと、セパレータ220が導電性について異方性を有しているセルとが交互に積層されていてもよい。このような意味では、任意の膜−電極接合体を挟持するセパレータ200の何れか一方が導電性について異方性を有するセパレータであってもよい。
また、燃料電池スタック10の積層方向両端部に位置する燃料電池セル100は、夫々外側(隣接する燃料電池セル100と異なる側)が集電体と接触している。この一方面が集電体を接する燃料電池セル100では、集電体と接する側のセパレータが本発明に係る異方性を有していたとしても、この集電体を介して電子の移動は容易となる場合があるから、この際には、係る燃料電池セル100における、集電体と接しない方のセパレータが異方性を有するのが好適である。
尚、セパレータ210及びセパレータ220において、板状の絶縁部202は、水素ガス流路230と直交する方向に延在するように形成されているが、絶縁部202の形状及び延在する方向は、本実施形態のものに限定されない。即ち、水素ガス流路230に沿った方向の導電性が相対的に小さくすることによりカソード電極130の劣化を軽減可能な限りにおいて自由である。また、板状の絶縁部202の厚み、及びセパレータ内部における配設位置も、上述した概念を担保可能な限りにおいて自由である。同様に、拡散層122及び拡散層132において、絶縁性の縦糸材料122a及び132aの延在方向も上述のものに限定されない。
尚、本実施形態に係る燃料電池セル100は、セパレータ及び拡散層各々の導電性について異方性を持たせることによって、カソード電極の劣化反応に供される電子の量を減らしている。通常、各電極における触媒層は極めて低い導電性しか有さないので問題はないが、例えば、何らかの理由により、触媒層を介して電子の移動が生じると考えられる場合には、触媒層に対しても本発明に係る概念を適用し、導電性について異方性を有する触媒層とすることも無論可能である。この際には、セパレータ及び拡散層における、相対的に高い導電性を有する方向に高い導電性を持つように異方性を与えることによって、効果的にカソード電極の劣化を軽減することが可能である。
<第2実施形態>
上述の第1形態では、セパレータ210及びセパレータ220における全面に同様な異方性が与えられているが、本発明に係る異方性は、必ずしもセパレータの全面に対して与えられていなくてもよい。以下、図10を参照して、本発明の第2実施形態に係るセパレータについて説明する。ここに、図10は、セパレータ200の斜視断面図である。尚、本実施形態に係るセパレータ200は、板状の絶縁部が形成される位置においてのみ上述の第1実施形態と異なっており、同図において、図4と重複する箇所には同一の符号を付してその説明を省略する。
図10において、板状の絶縁部202は、セパレータ200における、水素ガス供給方向最後端部にのみ形成されている。この絶縁部202により、セパレータ200内部の導電部201は、導電部201aと導電部201bとに分割されている。この際、導電部201bは、水素ガス供給方向の最後端、即ち水素ガス流路の最後端部に対応する部分であるから、導電部201aと比較して明らかに水素欠乏が生じ易く、つまり最もカソード電極130の劣化が激しい部位である。この様に効果的に絶縁部202を配置することによって、カソード電極130の劣化を簡便にして軽減可能である。尚、この分割の際、明らかに水素欠乏が生じ易い箇所と、水素欠乏が生じる可能性が少ない箇所とが予め判明しているならば、更に効果的にカソード電極130の劣化を軽減することが可能である。
<変形例>
上述した実施形態において、拡散層122及び拡散層132は、絶縁性の縦糸部材122a(132a)と、導電性の横糸部材122b(132b)とを相互に編み込むことによって形成されているが、拡散層の構造はこれに限定されない。例えば、図11に示す構造を採ることも可能である。ここに、図11は、本発明の変形例に係る拡散層400の模式構造図である。
図11において、拡散層400は、導電性を有するカーボン束401に対し、カーボン束401と直交するように絶縁性材料402を突き刺すことによって形成されている。このように拡散層400が形成された場合には、絶縁性材料402の位置決めが容易となるので、拡散層400の精度を高めることが可能である。
本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨或いは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う燃料電池もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る燃料電池スタックの部分斜視図である。 図1におけるA−A’線視断面図である。 図1の燃料電池スタックを構成する燃料電池セルにおける、拡散層の模式構造図である。 図1の燃料電池スタックを構成する燃料電池セルにおけるセパレータの斜視断面図である。 図4を矢線B方向からみた断面模式図である。 本発明の比較例に係る燃料電池セルにおいて生じるカソード電極劣化の模式図である。 図1の燃料電池スタックを構成する燃料電池セルにおいて生じるカソード電極劣化の模式図である 図6に係るカソード電極の劣化度を示すグラフである。 図7に係るカソード電極の劣化度を示すグラフである。 本発明の第2実施形態に係るセパレータの斜視断面図である。 本発明の変形例に係る拡散層の模式構造図である。
符号の説明
10…燃料電池スタック、100…燃料電池セル、110…電解質膜、120…アノード電極、121…触媒層、122…拡散層、122a…縦糸材料、122b…横糸材料、130…カソード電極、131…触媒層、132…拡散層、200…セパレータ、201…導電部、202…絶縁部、210…セパレータ、220…セパレータ、230…水素ガス流路、231…供給側マニホールド、232…排出側マニホールド、240…空気流路、300…燃料電池セル、400…拡散層。

Claims (7)

  1. 燃料ガスを拡散させるための導電性の第1の拡散層を備えたアノード電極と、
    酸化剤ガスを拡散させるための導電性の第2の拡散層を備えたカソード電極と、
    前記アノード電極と前記カソード電極との間に挟持された電解質膜と、
    前記第1の拡散層と対面して設けられ、前記第1の拡散層と対面する側に、前記第1の拡散層に対して前記燃料ガスを供給するための燃料ガス流路を備えた、導電性を有する第1のセパレータと、
    前記第2の拡散層と対面して設けられ、前記第2の拡散層と対面する側に、前記第2の拡散層に対して前記酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路を備えた、導電性を有する第2のセパレータとを備え、
    前記第1及び第2のセパレータのうち少なくとも一方のセパレータは、前記第1及び第2の拡散層に沿った面内における前記燃料ガス流路に沿った方向の導電性が相対的に小さい
    ことを特徴とする燃料電池。
  2. 前記少なくとも一方のセパレータは、絶縁特性を有する材料を含む板状の絶縁部を有し、
    前記相対的に小さい導電性は、前記絶縁部の絶縁特性に基づいて与えられる
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記板状の絶縁部は、前記少なくとも一方のセパレータを、その内部において電子の移動経路を相互に共有しない複数のブロックに分割する
    ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。
  4. 前記板状の絶縁部の少なくとも一部は、前記少なくとも一方のセパレータの内部において、前記燃料ガス流路と直交する方向に延在する
    ことを特徴とする請求項2又は3に記載の燃料電池。
  5. 前記第1のセパレータは、前記燃料ガス流路から前記燃料ガスを排出させるための排出口を備え、
    前記板状の絶縁部は、前記排出口と対応する領域に形成される
    ことを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の燃料電池。
  6. 燃料ガスを拡散させるための導電性の第1の拡散層を備えたアノード電極と、
    酸化剤ガスを拡散させるための導電性の第2の拡散層を備えたカソード電極と、
    前記アノード電極と前記カソード電極との間に挟持された電解質膜と、
    前記第1の拡散層と対面して設けられ、前記第1の拡散層と対面する側に、前記第1の拡散層に対して前記燃料ガスを供給するための燃料ガス流路を備えた、導電性を有する第1のセパレータと、
    前記第2の拡散層と対面して設けられ、前記第2の拡散層と対面する側に、前記第2の拡散層に対して前記酸化剤ガスを供給するための酸化剤ガス流路を備えた、導電性を有する第2のセパレータと
    を備え、
    前記第1及び第2の拡散層のうち少なくとも一方の拡散層は、前記燃料ガス流路に沿った方向の導電性が相対的に小さい
    ことを特徴とする燃料電池。
  7. 前記少なくとも一方の拡散層は、前記燃料ガス流路に沿った方向に延在する絶縁性の糸状材料と、前記絶縁性の糸状材料と交差する方向に延在する導電性の糸状材料とを有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の燃料電池。
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