JP2006107900A - 平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータとして、複数の貫通孔を有する単位導電性基板が空隙部を介して平面的にn個(nは2以上の整数)配列された集電部と、単位導電性基板の配列位置に対応したn個の開口を有し上記集電部を挟持するように一体化された一対の絶縁性枠体と、を備えた燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータとし、一方のセパレータのn個の単位導電性基板のうち、配列方向の端部から連続(n−1)個の各単位導電性基板と、他方のセパレータのn個の単位導電性基板のうち、配列方向の端部の2番目からn番目までの各単位導電性基板とが、(n−1)個の接続用ヒンジ部を介して順次連結されたものとする。
【選択図】 図3
Description
これらの燃料電池は、メタン等から生成された水素ガスを燃料とするものであるが、最近では、燃料としてメタノール水溶液をダイレクトに用いるダイレクトメタノール型燃料電池(以下、DMFCとも言う)も知られている。
なかでも、固体高分子膜を2種類の電極で挟み込み、更に、これらの部材をセパレータで挟んだ構成の固体高分子型燃料電池(以下、PEFCとも言う)が注目されている。
PEFCのセパレータとしては、グラファイト板を削り出して溝加工を施したセパレータ、樹脂にカーボンを練り込んだカーボンコンパウンドのモールド製セパレータ、エッチングなどで溝加工を施した金属製セパレータ、金属材料の表面部を耐食性の樹脂で覆ったセパレータ等が知られている。これらのセパレータは、いずれも必要に応じて、燃料ガス供給用溝、及び/または、酸化剤ガス供給用溝が形成されている。
そこで、この燃料供給の不均一性を改善するために、膜電極複合体(MEA)に接しているセパレータの面に対して、垂直方向に多数の貫通孔を形成し、この貫通孔から燃料及び酸素を供給する構造のセパレータが考えられている(特許文献1)。
尚、本発明においては、燃料電池の燃料供給側セパレータと酸素供給側のセパレータとの間に位置する電極部を含む複合体、例えば、順に、集電体層、燃料電極、高分子電解質、酸素極、集電体層が積層されてなる膜等のような複合体を、膜電極複合体(MEA)と言う。
本発明は、上記のような実情に鑑みてなされたものであり、軽量であり、接触抵抗により電池の内部抵抗を高めることなく単位セル間を電気的に直列に接続することが容易なセパレータを提供することを目的とする。
図1は本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータの一実施形態を示す斜視図であり、図2は図1に示されるセパレータのA−A線矢視断面図であり、図3は図1に示されるセパレータを構成する各部材を離間させた状態を示す斜視図である。図1〜図3において、本発明の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ1は、燃料供給側セパレータ11と酸素供給側セパレータ21からなる。尚、本発明では、便宜的に燃料供給側セパレータ11と酸素供給側セパレータ21として説明するが、何れが燃料供給側セパレータ、酸素供給側セパレータであってもよい。また、図1〜図3では、矢印aで示される方向を、後述する単位導電性基板の配列方向とする。
さらに、上記の燃料供給側セパレータ11を構成する集電部12の単位導電性基板12A,12Bは、単位導電性基板12A,12B,12Cの配列方向(矢印a方向)と略直交する方向に突出する接続用ヒンジ部31を各張出部材13に備えている。そして、この2個の接続用ヒンジ部31を介して、酸素供給側セパレータ21の集電部22を構成する3個の単位導電性基板22A,22B,22Cのうち、配列方向(矢印a方向)の端部の2番目から3番目までの単位導電性基板22B,22Cが、上記の単位導電性基板12A,12Bの張出部材13にそれぞれ連結されている。
集電部12を構成する単位導電性基板12A,12B,12C、および、集電部22を構成する単位導電性基板22A,22B,22Cに使用する導電性の材料としては、電気導電性が良く、所定の強度が得られ、加工性の良いものが好ましく、ステンレス、冷間圧延鋼板、アルミニウム、銅、チタン等が挙げられる。
また、単位導電性基板12A,12B,12Cの表面に金めっき等のめっき処理を施して、導電性を損なうことなく、耐食性金属層を設けてもよい。さらに、このような耐食性金属層上に、耐酸性かつ電気導電性を有する保護層を配設してもよい。
尚、接続用ヒンジ部31は、絶縁性の樹脂で覆って絶縁性の被覆を施してもよい。
燃料供給側セパレータ11を構成する一対の絶縁性枠体15,16、および、酸素供給側セパレータ21を構成する一対の絶縁性枠体25,26の材質としては、絶縁性で、加工性が良く、軽く、機械的強度が大きいものが好ましい。このような材料としては、プリント配線基板用の基板材料等が用いられ、例えば、ガラスエポキシ、ポリイミド等が挙げられる。所望の形状を有する絶縁性枠体15,16,25,26の形成は、機械加工、レーザ加工等により行なうことができる。
上記の各部材の固着は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等の接着剤を塗布もしくはラミネートし、各部材を重ね合わせた状態で、接着剤を硬化させ固定する方法等がある。この場合に用いられる接着剤は、その製造のプロセスにおいて他の部材に影響を及ぼさず、かつ、燃料電池に使用された際、その動作条件に対する耐性が優れたものであれば、特に限定はされない。
また、絶縁性枠体15,16,25,26の一部あるいは全部を半硬化状態であるプリプレグにて形成し、集電部12,22に圧着して、固定する方法もある。
また、図5に示すように、単位導電性基板12A,12Bと、単位導電性基板22B,22Cとを、2個の接続用ヒンジ部31で順次連結して接続してもよい。この場合、単位導電性基板12A,12Bは張出部材13を備えておらず、また、単位導電性基板12B,12Cは切欠き部位14を備えていない。
また、絶縁性枠体15,25の開口部15A,15B,15Cと開口部25A,25B,25Cは、それぞれ複数の開口の集合として構成してもよい。
さらに、例えば、本発明のセパレータは、平面型の高分子電解質型燃料電池に供される場合に、膜電極複合体(MEA)側に位置する絶縁性枠体16,26の開口部16A,16B,16C,26A,26B,26C内に、集電部12,22の単位導電性基板12A,12B,12C,22A,22B,22Cを被覆するようにガス拡散層や触媒層を備えるものであってもよい。
また、触媒層は、セパレータが燃料供給側セパレータとして使用される場合には燃料極となり、酸素供給側セパレータとして使用される場合には酸素極となる。このような触媒層の材質としては、白金、金、パラジウム、ルテニウム、銅、白金酸化物、タングステン酸化物、鉄、ニッケル、ロジウム等を挙げることができ、これらを単独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用することができる。また、触媒層の厚みは、例えば、10〜300μm程度の範囲で適宜設定することができる。
図6は、上述のような燃料供給側セパレータ11および酸素供給側セパレータ21からなる本発明のセパレータ1を組み込んだ平面型の高分子電解質型燃料電池の例を示す構成図である。また、図7は、図6に示される平面型の高分子電解質型燃料電池の各部材を離間させた状態を示す図である。
図6および図7において、高分子電解質型燃料電池51は、膜電極複合体(MEA)64が1組の本発明のセパレータ1を構成する燃料供給側セパレータ11および酸素供給側セパレータ21で挟持された電池本体61と、ケース体62を備えている。
ここで、接続用ヒンジ部31は、絶縁性の樹脂で覆って絶縁性の被覆を施してもよい。
また、上述の電池本体61は、膜電極複合体(MEA)64の両端部が1組のセパレータ外周枠部材71A,71Bにシール部材75を介して挟持されている。そして、電池本体61は、固定用ボルト77を用いてケース体62にシール部材75を介して固定されている。
電極端子29 → *
*→ 単位セル61A[セパレータ21の単位導電性基板22A → 膜電極複合体
(MEA)64 → セパレータ11の単位導電性基板12A → 張出部材13]
→ 接続用ヒンジ部31 → *
*→ 単位セル61B[セパレータ21の単位導電性基板22B → 膜電極複合体
(MEA)64 → セパレータ11の単位導電性基板12B → 張出部材13]
→ 接続用ヒンジ部31 → *
*→ 単位セル61C[セパレータ21の単位導電性基板22C → 膜電極複合体
(MEA)64 → セパレータ11の単位導電性基板12C] → *
*→ 電極端子19
11…燃料供給側セパレータ
12…集電部
12A,12B,12C…単位導電性基板
13…張出部材
14…切欠き部位
15,16…絶縁性枠体
17.18…空隙部
21…酸素供給側セパレータ
22…集電部
22A,22B,22C…単位導電性基板
25,26…絶縁性枠体
27…空隙部
31…接続用ヒンジ部
51…高分子電解質型燃料電池
61A,61B,61C…単位セル
64…膜電極複合体(MEA)
Claims (3)
- 単位セルを平面的に配列した平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータにおいて、
燃料もしくは酸素を通過させるための複数の貫通孔を有する単位導電性基板が空隙部を介して平面的にn個(nは2以上の整数)配列された集電部と、前記単位導電性基板の配列位置に対応したn個の開口部を有し前記集電部を挟持するように一体化された一対の絶縁性枠体と、を備えた燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータからなり、
燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータの一方の前記集電部を構成するn個の単位導電性基板のうち、配列方向の一方の端部の1番目から(n−1)番目までの各単位導電性基板と、燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータの他方の前記集電部を構成するn個の単位導電性基板のうち、配列方向の一方の端部の2番目からn番目までの各単位導電性基板とが、(n−1)個の接続用ヒンジ部を介して順次連結されていることを特徴とする平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。 - 燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータの一方は、前記集電部を構成するn個の単位導電性基板のうち、配列方向の一方の端部の1番目から(n−1)番目までの単位導電性基板が、隣接する単位導電性基板方向に張り出している張出部材を隅部に有し、前記配列方向の前記端部の2番目からn番目までの単位導電性基板が、配列方向上流側に隣接する単位導電性基板の前記張出部材に対応し、かつ、前記張出部材との間に空隙部が形成される形状の切欠き部位を隅部に有し、
前記張出部材を有する(n−1)個の単位導電性基板は、単位導電性基板の配列方向と略直交する方向に突出した前記接続用ヒンジ部を各張出部材に備え、(n−1)個の該接続用ヒンジ部を介して、燃料供給側セパレータおよび酸素供給側セパレータの他方の前記集電部を構成するn個の単位導電性基板のうち、配列方向の一方の端部の2番目からn番目までの単位導電性基板が、前記張出部材に連結されていることを特徴とする請求項1に記載の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。 - 燃料供給側セパレータの集電部を構成するn個の単位導電性基板と、酸素供給側セパレータの集電部を構成するn個の単位導電性基板とにおいて、それぞれ配列方向の端部に位置し、かつ、前記接続ヒンジ部が接続されていない単位導電性基板に電極端子を備えていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の平面型の高分子電解質型燃料電池用のセパレータ。
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