JP2006106413A - 画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】トナーの均一帯電性を向上させ、且つトナーの過剰帯電を防止することにより、ブロッチの発生を抑制し、同時にスリーブ汚染を防ぐことにより、長期に摩擦帯電が安定な画像形成方法を提供する。
【解決手段】トナー担持体はメッキ層を有する円筒状の現像スリーブで有り、結着樹脂はカルボキシル基、グリシジル基、を有するビニル樹脂、及びカルボキシル基とグリシジル基が反応したビニル樹脂から選択される1種以上のビニル樹脂を少なくとも含有し、磁性体は、長周期型の元素周期表の第三周期以降の電気陰性度1.0乃至2.5の元素aを一種類以上含有している磁性酸化鉄であり、該磁性体中に含有される元素aの含有率は、磁性体中のFe基準で、0.1乃至4.0質量%であり、磁性トナー中に遊離した磁性体が該トナー粒子10,000個当たり70乃至500個存在することを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】トナー担持体はメッキ層を有する円筒状の現像スリーブで有り、結着樹脂はカルボキシル基、グリシジル基、を有するビニル樹脂、及びカルボキシル基とグリシジル基が反応したビニル樹脂から選択される1種以上のビニル樹脂を少なくとも含有し、磁性体は、長周期型の元素周期表の第三周期以降の電気陰性度1.0乃至2.5の元素aを一種類以上含有している磁性酸化鉄であり、該磁性体中に含有される元素aの含有率は、磁性体中のFe基準で、0.1乃至4.0質量%であり、磁性トナー中に遊離した磁性体が該トナー粒子10,000個当たり70乃至500個存在することを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法及びトナージェット記録法の如き記録法において形成される静電荷像をトナーをもちいて現像する画像形成方法に関する。
電子写真法としては、特許文献1、特許文献2及び特許文献3等に記載されている如く多数の方法が知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜像(静電潜像)を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧、加熱加圧或いは溶剤蒸気などにより定着し、被写物を得るものであり、感光体上に転写されずに残った現像剤は種々の方法でクリーニングされ、上記工程が繰り返されるものである。
この内、現像方式としては、シンプルな構造の現像器でトラブルが少なく、寿命も長く、メンテナンスも容易なことから、一成分現像方式が好ましく用いられる。
この方法は、磁性トナーをスリーブ上に薄く塗布することによりスリーブとトナーの接触する機会を増し、十分な摩擦帯電を可能にしたこと、磁力によって磁性トナーを支持し、かつ磁石とトナーを相対的に移動させることによりトナー粒子相互の凝集をとくとともにスリーブと十分に摩擦せしめていること、等によって優れた画像が得られるものである。そのため、磁性トナーとスリーブの個々の性能及び相互作用が得られる画像に大きく影響を与える。
また、スリーブにおいては、例えば金属、或いはその合金またはその化合物を円筒状に成形し、その表面を電解、ブラスト、ヤスリ等で所定の表面粗さになるように処理したものが用いられる。スリーブの材質としては、長期使用時にその凸凹が摩耗減少してしまうのを防ぐために、比較的高硬度な材料、例えばステンレス鋼(ビッカース硬度Hv≒200)等が多く用いられていた。例えば特許文献4に開示されているように、ステンレス鋼をスリーブの基本材料とし、アルミナ粒子を用いたアランダムブラストをする方法が提案されている。しかしこの場合、スリーブ表面が鋭い凸凹となり易く、長期の使用においては、このくぼみにトナーが埋め込まれ、トナーとの摩擦が十分に行われなくなり、帯電量不足による画像不良が発生する(以下スリーブ汚染と称す)場合があった。そのため特許文献5〜7に開示されるように、球状粒子(例えばガラスビーズ等)を用いて、ブラストしスリーブ表面を滑らかな凸凹とすることが提案されている。
さらに、スリーブ基材としてステンレス鋼を用いた場合は、その熱伝導率の低さから、本体の機内昇温より局部的に歪みが発生し易く、それにより画像にスリーブピッチのむらが発生することがある。特に画像流れ対策として高湿下での感光ドラム表面への吸湿防止のために、感光体に面状発熱体等を内包し、感光体表面を発熱させる場合においては、感光ドラムに対向している現像スリーブの熱変形が顕著に発生する。
このため、スリーブ材料には、比較的熱伝導率の高く安価なアルミニウムが主流となってきている。しかし、アルミニウムは硬度が低く(Hv≒100)耐久性が乏しく、表面摩耗による画像劣化を発生させやすい。そのため耐摩耗性を持たせるために比較的高硬度な材料の表面被覆層を基板に設けることが提案されている。例えば、特許文献8には、アルミニウム基板の表面にTiN,CrN等の窒化物、TiC,B4C等の炭化物又はNi−Pメッキ層を設けた現像剤担持部材が、また、特許文献9には、アルミニウム,真ちゅう又はステンレス等の基板の表面にCrメッキ層,アルマイト層,Ni−Pメッキ層又は窒化処理層を設けた現像剤担持部材が、また、特許文献10には、アルミニウム又はステンレス等の基板の表面にCr,Cu−Cr,Ni−Cr,Cu−Ni−Cr又はNi−Cu−Ni−Ca等のメッキ層を設けた現像剤担持部材が記載されている。
これらはスリーブ表面の硬度向上により耐久性は良好になるものの、ステンレス鋼と比較して、帯電付与能力が小さいものが多く、例えば、長期に使用において選択現像により濃度低下を引き起こしたり、高温高湿環境下においてトナーの帯電量不足により、十分な画像濃度が得られなかったり、更には、従来には問題にならなかった程度の超微量のトナー材料遊離物によっても現像性が著しく低下するものが多い。
また、一成分現像方法では、磁性トナーの性能により画像形成の品質が大きく左右される。また、磁性トナーは、磁性体を含有させることによりトナーに磁性を持たせており、この磁性体の一部がトナー粒子から遊離、あるいは表面に露出しているため、現像器内の磁性トナーの流動性や帯電部材との摩擦帯電性に影響を与え、現像性及び耐久性に影響を与えている。このため、トナー中の遊離磁性体量をコントロールする必要がある。
従来より磁性体に関して、数々の提案が行われている。例えば、特許文献11には珪素と亜鉛が含有されている磁性体が提案され、特許文献12〜19には珪素が含有されている磁性体が提案されており、特許文献19、20には珪素とアルミニウムが含有されている磁性体が提案されており、特許文献21にはマグネシウムが含有されている磁性体を用いた磁性トナーが提案されている。それぞれ良好な現像性が得られているが、正帯電性磁性トナーに適用した場合や、高速機に適用した場合や、補給を繰り返し長期にわたってコピーボリュウムが非常に多くなる場合には、さらなる現像性の向上や磁性体の遊離を防止する等の耐久性の向上が待望されている。
このように、トナー粒子から磁性体の脱離を防止するためには、磁性体のみの改良だけでは限界があり、用いられる結着樹脂等の改良も求められている。
向上が要求される。
本発明の目的は、上述の如き問題点を解決した画像形成方法を提供することにある。
つまり、本発明の目的は、無電解メッキを施した表面層を有するトナー担持体である現像スリーブと磁性トナーを組み合わせて使用する場合に、現像スリーブ上でのトナーの不均一コートを防止しトナーの均一帯電性を向上させ、且つトナーの過剰帯電を防止することにより、ブロッチの発生を抑制し、同時にスリーブ汚染の影響を防ぐことにより、例えば高速複写或いは高速プリント時においても、長期に渡り適正な摩擦帯電性の維持を実現させることが可能な画像形成方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、SUSスリーブに比べて摩擦帯電付与能の劣る、無電解メッキを施した表面層を有する現像スリーブを用いた場合においても、摩擦帯電能にすぐれ、画像濃度が高くカブリの少ない高品質プリントを長期安定的に配給できる画像形成方法を提供することにある。
更に本発明の目的は、長期に渡り、現像を繰返し行った場合においても、現像器中でのダメージによるトナー粒子の破壊による微細粒子の発生がなく、この結果スリーブ汚染を抑制することができる画像形成方法を提供することにある。
本発明は、静電潜像を担持するための潜像担持体に対向して配置された円筒状のトナー担持体に保持されたトナーを、該トナー担持体から移行させて該静電潜像を現像する画像形成方法において、
該トナー担持体は、少なくとも基体、メッキ層を有する円筒状の現像スリーブであって、
該トナーは、少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性トナーであり、
該結着樹脂として、カルボキシル基を有するビニル樹脂とグリシジル基を有するビニル樹脂、カルボキシル基とグリシジル基を有するビニル樹脂、及びカルボキシル基とグリシジル基が反応したビニル樹脂からなるグループより選択される1種以上のビニル樹脂を少なくとも含有し、
該磁性体は、長周期型の元素周期表の第三周期以降の電気陰性度1.0乃至2.5の元素aを一種類以上含有している磁性酸化鉄であり、
該磁性体中に含有される元素aの含有率は、磁性体中のFe基準で、0.1乃至4.0質量%であり、
該トナー中に遊離した磁性体が該トナー粒子10,000個当たり70乃至500個存在することを特徴とする画像形成方法に関する。
該トナー担持体は、少なくとも基体、メッキ層を有する円筒状の現像スリーブであって、
該トナーは、少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性トナーであり、
該結着樹脂として、カルボキシル基を有するビニル樹脂とグリシジル基を有するビニル樹脂、カルボキシル基とグリシジル基を有するビニル樹脂、及びカルボキシル基とグリシジル基が反応したビニル樹脂からなるグループより選択される1種以上のビニル樹脂を少なくとも含有し、
該磁性体は、長周期型の元素周期表の第三周期以降の電気陰性度1.0乃至2.5の元素aを一種類以上含有している磁性酸化鉄であり、
該磁性体中に含有される元素aの含有率は、磁性体中のFe基準で、0.1乃至4.0質量%であり、
該トナー中に遊離した磁性体が該トナー粒子10,000個当たり70乃至500個存在することを特徴とする画像形成方法に関する。
本発明によれば、現像スリーブ上でのトナーの不均一コートを防止し、トナーの均一帯電を向上させ、且つトナーの過剰帯電を防止することにより、ブロッチの発生を抑制し、同時にスリーブ汚染の影響を防ぐことにより、たとえば高速複写或いは高速プリント時においても、長期にわたり適正な摩擦帯電性の維持を実現することができる。
また、本発明は、SUSスリーブに比べ摩擦帯電付与性能の劣る、メッキ層を有する現像スリーブを用いた場合においても、摩擦帯電能力に優れ、画像濃度が高くカブリの少ない高品位プリントを長期安定的に供給できる。
更に本発明は、長期に渡り、現像を繰り返し行った場合においても、現像器中での機械的ダメージによるトナー粒子の破壊による微細粒子の発生がなく、この結果スリーブ汚染を抑制することができる。
本発明は、静電潜像を担持するための潜像担持体に対向して配置された円筒状のトナー担持体に保持されたトナーを、前記静電潜像を現像する画像形成方法において、
該トナー担持体は、少なくとも表面にメッキを施されておれた円筒状の現像スリーブを用いる系において、
該磁性トナーが、少なくとも結着樹脂と磁性体を有する磁性トナーにおいて、該結着樹脂として、カルボキシル基を有するビニル樹脂とグリシジル基を有するビニル樹脂、カルボキシル基とグリシジル基を有するビニル樹脂、及びカルボキシル基とグリシジル基が反応したビニル樹脂からなるグループより選択される1種以上のビニル樹脂を少なくとも含有し、
該磁性体中に特定の元素aを特定の割合で含有し、該トナー中に遊離した該磁性体が特定量存在することにより、良好な現像性及び耐久性を達成でき、またスリーブ汚染を発生させることがない。
該トナー担持体は、少なくとも表面にメッキを施されておれた円筒状の現像スリーブを用いる系において、
該磁性トナーが、少なくとも結着樹脂と磁性体を有する磁性トナーにおいて、該結着樹脂として、カルボキシル基を有するビニル樹脂とグリシジル基を有するビニル樹脂、カルボキシル基とグリシジル基を有するビニル樹脂、及びカルボキシル基とグリシジル基が反応したビニル樹脂からなるグループより選択される1種以上のビニル樹脂を少なくとも含有し、
該磁性体中に特定の元素aを特定の割合で含有し、該トナー中に遊離した該磁性体が特定量存在することにより、良好な現像性及び耐久性を達成でき、またスリーブ汚染を発生させることがない。
更に、該トナーのTHF可溶分が特定の酸価を有する、または、該トナー中のTHF可溶分のGPCにより測定される分子量分布が特定の分子量分布を有する、または、該トナーの結着樹脂成分中に特定のTHF不溶分を有することにより、更に上記の効果を向上させることができる。
更に、該トナーが正帯電性トナーに適用された場合、更に良好な現像性と耐久性を達成できる。
本発明における効果発現の理由について以下に述べる。
本発明の特徴として、該トナーは、カルボキシル基を有するビニル樹脂とグリシジル基を有するビニル樹脂、カルボキシル基とグリシジル基を有するビニル樹脂、及びカルボキシル基とグリシジル基が反応したビニル樹脂からなるグループより選択される1種以上のビニル樹脂を少なくとも含有し、磁性体は、長周期型の元素周期表の第三周期以降の電気陰性度1.0乃至2.5の元素aを磁性体のFe基準で、0.1乃至4.0質量%含有し、トナー中に遊離した磁性体がトナー粒子10,000個当たり70乃至500個存在することにより、良好な現像性と耐久性を達成することができ、スリーブ表面への遊離磁性体の蓄積が起こらず、それによるスリーブ汚染の発生がない。
本発明のトナーは、トナー製造工程中の混練工程などで熱溶融混練され、結着樹脂が架橋反応を行う。その際、結着樹脂中のカルボキシル基ユニットとグリシジル基ユニットの架橋反応下において、本発明のトナー中に元素aを一種類以上含有する磁性体を含有することにより、結着樹脂と磁性体の親和性が増し、トナー粒子中で良好な分散性が達成できる。更に、結着樹脂からの脱離も抑制でき、結果として、トナーより遊離した磁性体が減少する。
また、トナーより遊離した磁性体が減少することにより、樹脂を含む材料により形成されたスリーブ表面を不均一に磨耗させることなく、それによる画像欠陥の発生を抑制することができる。
更に、本発明のトナーは、上記のように架橋反応を行うことにより、トナー自身を強靭化させることができ、高速機などに適用した場合、コピーボリュームが増加した際においても、安定した耐久性を達成できる。
本発明のトナーのTHF可溶成分の酸価は、0.1乃至50mgKOH/gが好ましく、更に好ましくは0.5乃至50mgKOH/g、特に好ましくは0.5乃至40mgKOH/gである。本発明のトナーが、所望の酸価を有することにより、良好な現像性と耐久性を達成できる。
トナーのTHF可溶成分の酸価が0.1mgKOH/g未満の場合、カルボキシル基と磁性体との相互反応による分散性の向上やそれに伴うトナー粒子からの脱離防止効果が発現しない。50mgKOH/gを超える場合には、正帯電性トナーに適用した場合、トナー粒子中の負帯電性が強くなり、現像性が悪化する。
また、本発明において、トナー中のTHF可溶分のGPCにより測定される分子量分布において、数平均分子量が好ましくは1,000乃至40,000、更に好ましくは2,000乃至20,000であり、特に好ましくは3,000乃至15,000であることがよく、重量平均分子量が好ましくは10,000乃至10,000,000、更に好ましくは20,000乃至5,000,000、特に好ましくは30,000乃至1,000,000であることが良い。
本発明で用いられるトナーのTHF可溶分のGPCのクロマトグラムにおいて、上記の平均分子量を示す場合、トナーが適正な帯電量及び強靭性を保持することが可能となり、良好な現像性と耐久性を達成できる。
数平均分子量が1,000未満の場合または重量平均分子量が10,000未満の場合は、トナーの溶融粘度が低下し、トナー粒子中における磁性体の分散性が悪化し、不均一な帯電分布になり、カブリ抑制等が悪化し、現像性また耐久性が悪化する。数平均分子量が40,000を超える場合または重量平均分子量が10,000,000を超える場合は、結着樹脂中の高分子成分と低分子成分との相溶性が悪化し、結着樹脂自体の分子量分布が不均一になり、磁性体の分散性が悪化し、ドット再現性が悪化する。
更に、本発明において、トナー中のTHF可溶分のGPCにより測定される分子量分布において、好ましくは分子量4,000乃至30,000の領域にメインピークを持つのが良く、更に好ましくは分子量5,000乃至20,000の領域にメインピークを持つものが良い。
メインピークが分子量4,000未満の場合には、トナーの溶融粘度が低下し、トナー粒子中における材料の分散性が悪化し、不均一な帯電分布になり、カブリ等が悪化し、現像性及び耐久性が悪く、分子量が30,000を超える場合には、磁性体の分散性が悪化し、ドット再現性も悪化する。
また、上記分子量分布において、分子量30,000以下のピーク面積が全体のピーク面積に対して、60乃至100%の割合であることが好ましい。分子量30,000以下のピーク面積が、上記範囲内である場合、トナー粒子中において、磁性体の良好な分散性が達成でき、遊離磁性体量を減少できる。上記範囲外の場合、樹脂の溶融粘度が増加し、磁性体の分散性が悪化し、その結果、遊離磁性体量が増加し、現像性、耐久性が悪化する。
更に、本発明のトナーの樹脂成分は、THF不溶分を0.1乃至60質量%含有しても良い。更に好ましくは5乃至60質量%、特に好ましくは10乃至45質量%含有することが好ましい。THF不溶分が上記範囲内である場合、トナー粒子中において、材料の均一な分散性が達成でき、良好な現像性を達成できる。
THF不溶分が60質量%を超える場合、トナー粒子内において、材料の分散状態が悪化し、不均一な帯電を持つようになるため、感光体上においても不均一な帯電分布になり、ドット再現性も悪化する。
本発明のトナーのガラス転移温度(Tg)は、50乃至70℃が好ましい。Tgが50℃未満の場合は保存性が悪化し、70℃を超える場合には定着性が悪化する。
本発明において、トナー及び結着樹脂のTHFを溶媒としたGPCによる分子量分布は次の条件で測定される。
<GPCによる分子量分布の測定>
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。なお、カラムをしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合わせを挙げることができる。
40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHFを毎分1mlの流速で流し、THF試料溶液を約100μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント値との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば東ソー社製あるいは、昭和電工社製の分子量が102〜107程度のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。なお、カラムをしては、市販のポリスチレンジェルカラムを複数本組み合わせるのが良く、例えば昭和電工社製のshodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807、800Pの組み合わせや、東ソー社製のTSKgel G1000H(HXL)、G2000H(HXL)、G3000H(HXL)、G4000H(HXL)、G5000H(HXL)、G6000H(HXL)、G7000H(HXL)、TSKgurd columnの組み合わせを挙げることができる。
また、試料は以下の様にして作製する。
試料をTHF中に入れ、数時間後放置した後、十分振とうしTHFとよく混ぜ(試料の合一体が無くなるまで)、更に12時間以上静置する。その時THF中への放置時間が24時間以上となるようにする。その後、サンプル処理フィルター(ポアサイズ0.2〜0.5μm、例えばマイショリディスクH−25−2(東ソー社製)などが使用できる。)を通過させたものをGPCの試料とする。また、試料濃度は、樹脂成分が0.5〜5mg/mlとなるように調整する。
本発明において、トナー中の結着樹脂成分のTHF不溶分及び原料結着樹脂のTHF不溶分は以下のようにして測定される。
<THF不溶分の測定>
トナー1.0〜2.0gを秤量し(W1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙社製No.86R)を入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF200mlを用いて10時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶成分溶液をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を秤量する(W2g)。トナー中の焼却残灰分の重さを求める(W3g)。
トナー1.0〜2.0gを秤量し(W1g)、円筒濾紙(例えば東洋濾紙社製No.86R)を入れてソックスレー抽出器にかけ、溶媒としてTHF200mlを用いて10時間抽出し、溶媒によって抽出された可溶成分溶液をエバポレートした後、100℃で数時間真空乾燥し、THF可溶樹脂成分量を秤量する(W2g)。トナー中の焼却残灰分の重さを求める(W3g)。
焼却残灰分は以下の手順で求める。あらかじめ精秤した30mlの磁性るつぼに約2.0gの試料を入れ精秤し、試料の質量(Wa)gを精秤する。るつぼを電気炉に入れ約900℃で約3時間加熱し、電気炉中で放冷し、常温下でデシケータ中に1時間以上放冷し、るつぼの質量を精秤する。ここから、焼却残灰分(Wb)gを求める。
(Wb/Wa)×100=焼却残灰分含有率(質量%)
(Wb/Wa)×100=焼却残灰分含有率(質量%)
この含有率から試料中の焼却残灰分の質量(W3g)が求められる。
THF不溶分は下記式から求められる。
THF不溶分=(W1−(W3+W2))/(W1−W3)×100(%)
THF不溶分=(W1−(W3+W2))/(W1−W3)×100(%)
本発明において、トナーのTHF可溶成分及び結着樹脂の酸価(JIS酸価)は、以下の方法により求める。尚、結着樹脂の酸価は、結着樹脂中のTHF可溶成分の酸価を意味する。
<酸価の測定>
基本操作はJIS K−0070に準ずる。
(1)試料は予めトナー及び結着樹脂のTHF不溶成分を除去して使用するか、上記のT HF不溶分の測定で得られるソックスレー抽出器によるTHF溶媒によって抽出さ れた可溶成分を試料として使用する。試料の粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し 、可溶成分の重さをW(g)とする。
(2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合 液150(ml)を加え溶解する。
(3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴 定する。(例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置ATー400(win workstation)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が 利用できる。)
(4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時 のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。
(5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
基本操作はJIS K−0070に準ずる。
(1)試料は予めトナー及び結着樹脂のTHF不溶成分を除去して使用するか、上記のT HF不溶分の測定で得られるソックスレー抽出器によるTHF溶媒によって抽出さ れた可溶成分を試料として使用する。試料の粉砕品0.5〜2.0(g)を精秤し 、可溶成分の重さをW(g)とする。
(2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、トルエン/エタノール(4/1)の混合 液150(ml)を加え溶解する。
(3)0.1mol/lのKOHのエタノール溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴 定する。(例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置ATー400(win workstation)とABP−410電動ビュレットを用いての自動滴定が 利用できる。)
(4)この時のKOH溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時 のKOH溶液の使用量をB(ml)とする。
(5)次式により酸価を計算する。fはKOHのファクターである。
酸価(mgKOH/g)={(S−B)×f×5.61}/W
本発明のトナーのガラス転移温度の測定方法を以下に示す。
<トナーのガラス転移温度の測定>
トナーのガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC測定装置)、DCS−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
トナーのガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量計(DSC測定装置)、DCS−7(パーキンエルマー社製)を用いてASTM D3418−82に準じて測定する。
測定試料は5〜20mg、好ましくは10mgを精密に秤量する。それをアルミパン中に入れ、リファレンスとして空のアルミパンを用い、測定範囲30〜200℃の間で、昇温速度10℃/minで常温常湿下で測定を行う。この昇温過程で、温度40℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。このときの比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点を、本発明のトナーのガラス転移温度Tgとする。
本発明において、トナーは、カルボキシル基を有するビニル樹脂とグリシジル基を有するビニル樹脂、あるいは、カルボキシル基・グリシジル基を有するビニル樹脂、あるいは、これらの官能基を反応させた樹脂を含有する。
カルボキシル基含有ビニル樹脂を構成するカルボキシル基ユニットを有するモノマーとして以下のものが挙げられる。
カルボキシル基ユニットを有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、クロトン酸、ケイヒ酸、ビニル酢酸、イソクロトン酸、チグリン酸及びアンゲリカ酸などのアクリル酸、これらの無水物及びα−あるいはβ−アルキル誘導体、フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、アルケニルコハク酸、イタコン酸、メサコン酸、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸などの不飽和ジカルボン酸、そのモノエステル誘導体、無水物及びα−あるいはβ−アルキル誘導体などが挙げられる。
このようなカルボキシル基ユニットを有するモノマーは単独、あるいは混合して、ビニル系モノマーと公知の重合方法により低分子量成分と高分子量成分をそれぞれ共重合させ、混合させることにより該カルボキシル基含有ビニル樹脂を得ることができる。
カルボキシル基含有ビニル樹脂の酸価は、0.5乃至60mgKOH/gが好ましい。0.5mgKOH/g未満の場合には、カルボキシル基とグリシジル基との架橋反応部位が少なくなるため、架橋構造が少なく、トナーの耐久性が達成されにくくなるが、このような場合には、エポキシ価の高いグリシジル基を有するビニル樹脂を用いることによりある程度補償は行える。60mgKOH/gを超える場合には、正帯電性トナーに適用した場合、トナー粒子中の結着樹脂の負帯電性が強くなり、画像濃度が低下し、カブリが増加する傾向がある。カルボキシル基を有するビニル基のガラス転移温度(Tg)は、40〜70℃が好ましい。Tgが40℃未満の場合、トナーの耐ブロッキング性が悪化し、70℃を超える場合はトナーの定着性が悪化する。
カルボキシル基を有するビニル樹脂において、数平均分子量は、良好な定着性や現像性を達成するために、1,000乃至40,000が好ましく、重量平均分子量は、良好な耐オフセット性、耐ブロッキング性や耐久性を達成するために、10,000乃至10,000,000が好ましい。
カルボキシル基を有するビニル樹脂は、低分子量成分と高分子成分で構成させていることが望ましい。低分子量成分のピーク分子量は良好な定着性を達成するために、4,000乃至30,000が好ましく、高分子量成分のピーク分子量は、良好な耐オフセット性、耐ブロッキング性や耐久性を達成するために、100,000乃至1,000,000が好ましい。
高分子量成分共重合体の合成方法として本発明に用いることのできる重合法として、塊状重合法、溶液重合法、乳化重合法や懸濁重合法が挙げられる。
このうち、乳化重合法は、水にほとんど不溶の単量体(モノマー)を乳化剤で小さい粒子として水相中に分散させ、水溶性の重合開始剤を用いて重合を行う方法である。この方法では反応熱の調節が容易であり、重合の行われる相(重合体と単量体からなる油相)と水相とが別であるから停止反応速度が小さく、その結果重合濃度が大きく、高重合度のものが得られる。更に、重合プロセスが比較的簡単であること、及び重合生成物が微細粒子であるために、トナーの製造において、着色剤及び荷電制御剤その他の添加物との混合が容易であることから、トナー用バインダー樹脂の製造方法として有利な点がある。
しかしながら、添加した乳化剤のために重合体が不純になり易く、重合体を取リ出すには塩析などの操作が必要で、この不便を避けるためには懸濁重合が好都合である。
懸濁重合においては、水系溶媒100質量部に対して、モノマー100質量部以下(好ましくは10〜90質量部)で行うのが良い。使用可能な分散剤としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分ケン化物、リン酸カルシウム等が用いられ、一般に水系溶媒100質量部に対して0.05〜1質量部で用いられる。重合温度は50〜95℃が適当であるが、使用する開始剤、目的とするポリマーによって適宜選択される。
樹脂組成物の調製に使用される樹脂組成物の高分子量重合体は、本発明の目的を達成する為に、以下に例示する様な多官能性重合開始剤単独あるいは単官能性重合開始剤と併用して生成することが好ましい。
多官能構造を有する多官能性重合開始剤の具体例としては、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,3−ビス−(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、2,5−ジメチル−2,5−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、トリス−(t−ブチルパーオキシ)トリアジン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシバレリックアシッド−n−ブチルエステル、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−t−ブチルパーオキシオクタン及び各種ポリマーオキサイド等の1分子内に2つ以上のパーオキサイド基などの重合開始機能を有する官能基を有する多官能性重合開始剤、及びジアリルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート及びt−ブチルパーオキシイソプロピルフマレート等の1分子内に、パーオキサイド基などの重合開始機能を有する官能基と重合性不飽和基の両方を有する多官能性重合開始剤が挙げられる。
これらのうち、より好ましいものは、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート及び2,2−ビス−(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン)プロバン、及びt−ブチルパーオキシアリルカーボネートである。
これらの多官能性重合開始剤は、トナー用バインダーとして要求される種々の性能を満足する為には、単官能性重合開始剤と併用されることが好ましい。特に該多官能性重合開始剤の半減期10時間を得る為の分解温度よりも低い半減期10時間を有する重合開始剤と併用することが好ましい。
具体的には、ベンゾイルパーオキシド、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジクミルパーオキシド、α−α’−ビス(t−ブチルパーオキシジイソプロピル)べンゼン、t−ブチルパーオキシクメン、ジ−t−ブチルパーオキシド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾアミノアゾベンゼン等のアゾおよびジアゾ化合物等が挙げられる。
これらの単官能性重合開始剤は、前記多官能性重合開始剤と同時にモノマー中に添加しても良いが、該多官能性重合開始剤の効率を適正に保つ為には、重合エ程において該多官能性重合開始剤の示す半減期を経過した後に添加するのが好ましい。
これらの開始剤は、効率の点からモノマー100質量部に対し0.01〜10質量部用いるのが好ましい。
低分子量成分の合成方法としては、公知の方法を用いることができる。しかしながら、塊状重合法では、高温で重合させて停止反応速度を速めることで、低分子量の重合体を得ることができるが、反応をコントロールしにくいという問題点がある。その点、溶液重合法では、溶媒によるラジカルの連鎖移動の差を利用して、また、開始剤量や反応温度を調整することで低分子量重合体を温和な条件で容易に得ることができ、カルボキシル基含有ビニル樹脂中の低分子量成分を得るには好ましい。
溶液重合で用いる溶媒として、キシレン、トルエン、クメン、酢酸セロソルブ、イソプロピルアルコールまたはベンゼンが用いられる。スチレンモノマーを使用する場合、キシレン、トルエンまたはクメンが好ましい。重合するポリマーによって溶媒は適宜選択される。反応温度としては、使用する溶媒、重合開始剤、重合するポリマーによって異なるが、通常70〜230℃で行うのが良い。溶液重合においては、溶媒100質量部に対してモノマー30〜400質量部で行うのが好ましい。
更に、重合終了時に溶液中で他の重合体を混合することも好ましく、数種の重合体を混合できる。
グリシジル基含有ビニル樹脂を構成するグリシジル基ユニットを有するモノマーとして以下のものが挙げられる。
アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸β−メチルグリシジル、メタクリル酸β−メチルグリシジル、アリルグリシジルエーテル、アリルβ−メチルグリシジルエーテル等が挙げられる。また、一般式(1)で表されるグリシジルモノマーが好ましく用いられる。
このようなグリシジル基ユニットを有するモノマーは単独、あるいは混合して、ビニル系モノマーと公知の重合方法により共重合させることにより該グリシジル基含有ビニル樹脂を得ることができる。
グリシジル基を有するビニル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が、好ましくは2,000乃至100,000、より好ましくは2,000乃至50,000、更に好ましくは3,000乃至40,000であることが良い。Mwが2,000未満の場合、結着樹脂中の架橋反応によって分子量が増大して混練工程によって分子の切断が多く、耐久性を悪化させる。Mwが100,000を超える場合には、定着性に影響を及ぼす様になる。
また、エポキシ価は、0.05乃至5.0eq/kgものが好ましい。0.05eq/kg未満の場合、架橋反応が進行しにくく、高分子量成分やTHF不溶分の生成量が少なく、トナーの強靭性が小さくなる。5.0eq/kgを超える場合、架橋反応は起こりやすい反面、混練工程において分子切断が多く、磁性体の分散性が悪化する。
本発明のグリシジル基含有ビニル樹脂は、カルボキシル基含有ビニル樹脂中のカルボキシル基1当量に対して、グリシジル基が0.01乃至10.0当量、好ましくは0.03乃至5.0当量の混合比で用いられることが好ましい。
グリシジル基が0.01当量未満の場合、結着樹脂中において、架橋点が少なくなり、耐久性などの架橋反応による効果が発現しにくくなる。また、10当量を超えると、架橋反応は起こりやすくなる反面、過剰のTHF不溶分の生成などにより、分散性の悪化などが生じ、粉砕性の悪化、現像の安定性に問題が出てくる。
グリシジル基含有ビニル樹脂のエポキシ価は、以下の方法により求める。
〈エポキシ当量の測定〉
基本操作はJIS K−7236に準ずる。
(1)試料を0.5〜2.0(g)を精秤し、その重さをW(g)とする。
(2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、クロロホルム10ml及び酢酸20mlに溶解する。
基本操作はJIS K−7236に準ずる。
(1)試料を0.5〜2.0(g)を精秤し、その重さをW(g)とする。
(2)300(ml)のビーカーに試料を入れ、クロロホルム10ml及び酢酸20mlに溶解する。
この溶液に、臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液10mlを加える。0.1mol/lの過塩素酸酢酸溶液を用いて、電位差滴定装置を用いて滴定する。(例えば、京都電子株式会社製の電位差滴定装置ATー400(win workstation)とABP−410電動ビュレットを用い、自動滴定が利用できる。)。この時の過塩素酸酢酸溶液の使用量をS(ml)とし、同時にブランクを測定し、この時の過塩素酸酢酸溶液の使用量をB(ml)とする。
次式によりエポキシ価を計算する。fは過塩素酸酢酸溶液のファクターである。
エポキシ価(eq/kg)=0.1×f×(S−B)/W
エポキシ価(eq/kg)=0.1×f×(S−B)/W
カルボキシル基及びグリシジル基を有するビニル樹脂において、数平均分子量は、良好な現像性と耐久性を達成するため、10,000乃至40,000が好ましい。また、重量平均分子量は、耐オフセット性、耐ブロッキング性及び耐久性を達成するため、10,000乃至10,000,000が好ましい。これらの分子量を持つ樹脂に対して、前述の如く酸価とエポキシ価を導入することにより、目的の樹脂が得られる。
カルボキシル基含有モノマー及びグリシジル基含有モノマーと共重合させるビニルモノマーは以下のものが挙げられる。
例えばスチレン;o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンのようなスチレン誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンのようなエチレン不飽和モノオレフィン類;ブタジエン,イソプレンのような不飽和ポリエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルのようなハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルのようなビニルエステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸(2−エチルヘキシル)、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルのようなα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸−1−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸(2−エチルヘキシル)、アクリル酸ステアリル、アクリル酸(2−クロルエチル)、アクリル酸フェニルのようなアクリル酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルのようなビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンのようなビニルケトン類;N−ビニルピロ一ル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンのようなN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドのようなアクリル酸誘導体もしくはメタクリル酸誘導体が挙げられる。これらのビニルモノマーは単独もしくは2つ以上のモノマーを混合して用いられる。
これらの中でもスチレン系共重合体及びスチレン−アクリル系共重合体となるようなモノマーの組み合わせが好ましく、この場合、少なくともスチレン系共重合体成分またはスチレン−アクリル系共重合体成分を65質量%以上含有することが定着性、混合性の点で好ましい。
本発明のトナーに使用される結着樹脂としては、その他下記の重合体を添加することも可能である。
例えば、ポリスチレン、ポリ−p−クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレンおよびその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ピニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレンーメタクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体などのスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニル、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニル、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂、石油系樹脂などが使用できる。
本発明で用いるトナーに、正帯電性または負帯電性を保持させるためには、荷電制御剤を含有させる制御させることが好ましい。
トナーを正帯電性に制御するものとして下記の物質がある。
例えば、ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変性物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレートの如き四級アンモニウム塩、及びこれらの類似体であるホスホニウム塩の如きオニウム塩及びこれらのレーキ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれらのレーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タングステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステンモリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化物等);高級脂肪酸の金属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサイド、ジシクロヘキシルスズオキサイドの如きジオルガノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチルスズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートの如きジオルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾール化合物がある。これらを単独あるいは2種類以上組み合わせて用いることができる。これらの中でも、トリフェニルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四級アンモニウム塩が好ましく用いられる。
また、トナーを負帯電性に制御するものとして下記の物質がある。
例えば有機金属錯体、キレート化合物が有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸金属錯体、芳香族ジカルボン酸金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族モノカルボン酸及び芳香族ポリカルボン酸及びその金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノールの如きフェノール誘導体類がある。
荷電制御剤をトナーに含有させる方法として、トナー内部に添加する方法と外添する方法がある。これらの荷電制御剤の使用量は結着樹脂の種類、他の添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、一義的に決定されるものではないが、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で用いられる。
本発明においては、トナーに離型性を与えるために次のようなワックス類を含有させることが好ましい。融点が70〜165℃で、160℃における溶融粘度が1000mPa・s以下のワックスであり、その具体例としてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、モンタンワックスや、エチレン、プロピレン、ブテン、ぺンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、デセンのような直鎖のα−オレフィン及び分枝部分が末端にあるような分枝α−オレフィン及びこれらの不飽和基の位置の異なるオレフィンの単独重合体もしくはこれらの共重合体等が挙げられる。その他、アルコールワックス、脂肪酸ワックス、エステルワックス、天然ワックスも用いられる。
更に、ビニル系モノマーによりブロック共重合体としたり、グラフト変性などを施した変性ワックス、また、酸化処理を施した酸化ワックスでも良い。
これらのワックスは、トナー製造に際し、予め重合体成分中に添加・混合しておくこともできる。その場合は、重合体成分の調製時に、ワックスと高分子量重合体とを溶剤に予備溶解した後、低分子重合体溶液と混合する方法が好ましい。これによりミクロな領域での相分離が緩和され、高分子量成分の再凝集が制御され、低分子重合体との良好な分散状態も得られる。
また、上記ワックスの添加量は、結着樹脂100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましく、1〜8質量部であることがより好ましい。尚、2種類以上のワックスを併用して添加しても良い。
本発明のトナーは、磁性体を含有する磁性トナーであり、本発明の結着樹脂に、長周期型の元素周期表の第三周期以降の電気陰性度1.0乃至2.5の元素aを一種類以上、磁性体中にFe基準で、0.1乃至4.0質量%以上含有する場合、トナー粒子からの磁性体の脱離を抑制できることを見出した。
このことは、結着樹脂中のカルボキシル基、グリシジル基または酸無水物基と磁性体中に元素aを含有することにより、上記官能基を持つ樹脂と相互作用により、親和性が増加し、トナー粒子中での良好な分散性が達成できる。その結果、トナー粒子からの欠落が抑制されるようになるからであると推測される。
磁性体中に含有される元素aは、磁性酸化鉄の結晶格子にこの元素aを置き換えた状態で存在させることが好ましく、長周期型の元素周期表の第三周期以降の元素aが好ましく用いられる。
元素aは、好ましくは、第三周期、第四周期または第五周期の元素であり、更に好ましくは、第三周期または第四周期の元素である。元素aは、鉄元素の電気陰性度に近いことが好ましいことから、元素aの電気陰性度は、Paulingの電気陰性度で、1.0乃至2.5であり、好ましくは1.2乃至2.3であり、更に好ましくは1.5乃至2.1であるのが良い。
具体的には、好ましい元素aとしては、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Sn、Pbであり、更に好ましくは、Al、Si、Ti、Mnである。
磁性体中における元素aの含有率は、磁性体中のFe基準で0.1乃至4.0質量%であることが好ましい。この範囲内ある場合、現像性と耐久性を向上でき、トナー粒子からの磁性体の脱離を抑制できる。
元素aの含有量が、0.1質量%未満の場合、帯電が過剰になり、帯電分布が不均一になり、カブリ抑制が悪化する。4.0質量%を超えると、磁性体自体の形状が球形に近づき、物理的形状により、トナー粒子から磁性体が脱離しやすくなる。
本発明のトナーは、トナー中に遊離した磁性体が該トナー粒子10,000個当たり70乃至500個存在することが好ましい。
遊離した磁性体が70個未満の場合、磁性体は実質遊離していないことを示す。このような場合、トナーとしての帯電量が増加することによりトナーがチャージアップを起こしやすく、結果的に画像濃度が低下し、現像性を悪化させてしまう。また、500個を超える場合には、トナーの帯電量が下がり現像性を悪化させるだけでなく、感光体の削れや、それに伴うトナー融着が発生しやすく、また、クリーニング工程にいて磁性体が過剰に蓄積されることによるクリーニング不良が発生し、画像汚れを生ずる。
特に、誘導加熱方式を用いた定着方法においては、未定着転写材上のトナーが飛び散り、定着後画像のドット再現性が悪化する。
次に本発明における遊離した磁性体の個数の測定方法について述べる。
<遊離した磁性体の個数の測定方法>
ここで、「遊離した磁性体の個数」とは、パーティクルアナライザー(PT1000:横河電機(株)製)により測定したものであり、パーティクルアナライザーはJapan Hardcopy 97論文集の65〜68頁に記載の原理で測定を行う。具体的には、該装置はトナー等の微粒子を一個ずつプラズマへ導入し、微粒子の発光スペクトルから発光物の元素、粒子数、粒子の粒径を知ることができる装置である。
ここで、「遊離した磁性体の個数」とは、パーティクルアナライザー(PT1000:横河電機(株)製)により測定したものであり、パーティクルアナライザーはJapan Hardcopy 97論文集の65〜68頁に記載の原理で測定を行う。具体的には、該装置はトナー等の微粒子を一個ずつプラズマへ導入し、微粒子の発光スペクトルから発光物の元素、粒子数、粒子の粒径を知ることができる装置である。
例えば、トナー粒子をプラズマに導入した場合を考えるが、プラズマに導入した際に、トナー1粒子に対して、結着樹脂の構成元素である炭素の発光と磁性体中の鉄原子の発光がそれぞれ観察される。即ち、トナー1粒子につき1個の発光が得られるので、発光の回数からトナー粒子の個数を求めることができる。その時、炭素原子の発光から、2.6msec以内に発光した鉄原子を同時発光した鉄原子とし、それ以降の鉄原子の発光は鉄原子のみの発光とした。本発明中のトナーは磁性体を多く含有しているため、炭素原子と鉄原子が同時に発光するということはトナー中に磁性体が分散していることを意味し、鉄原子のみの発光は、磁性体がトナー粒子から遊離していると言える。具体的な方法としては、温度23℃,湿度60%の環境下で一晩放置することで調湿したトナーサンプルを上記環境下で測定する。即ち、チャンネル1で炭素原子(測定波長247.86nm)、チャンネル2で鉄原子(測定波長239.56nm、Kファクター3.3764)を測定し、1回のスキャンで炭素原子の発光数が1000〜1400個となるようにサンプリングを行い、炭素原子の発光数が総数で10000以上となるまでスキャンを繰り返し、発光数を積算する。
この時、炭素元素の発光個数を縦軸に、元素の三乗根電圧を横軸に取った分布において、該分布が極大を一つ有し、更に、谷が存在しない分布となるようにサンプリングし、測定を行う。そして、このデータを元に、全元素のノイズカットレベルを1.50Vとし、上記計算式を用い、鉄及び鉄化合物の遊離率を算出する。
また、荷電制御剤であるアゾ系鉄錯体等といった、鉄原子を含有する無機化合物以外の材料もトナー中に含まれている場合があるが、こういった化合物が炭素原子を含有する有機金属化合物であれば、鉄原子と同時に有機物中の炭素も同時に発光するため鉄原子のみの発光はありえず、遊離の鉄原子としてはカウントされない。
また、磁性体の平均粒子径としては、0.05〜1.0μmが好ましく、更に好ましくは0.1〜0.6μm、特に好ましくは0.1〜0.4μmである。
本発明においてトナーに含有させる磁性体の量は、結着樹脂100質量部に対して10〜200質量部、好ましくは20〜170質量部、更に好ましくは30〜150質量部である。
本発明のトナーにおいては、帯電安定性、現像性、流動性、耐久性向上のため、シリカ微粉末を添加することが好ましい。
本発明に用いられるシリカ微粉末は、窒素吸着によるBET法による比表面積が30m2/g以上、特に50〜400m2/gの範囲内のものが良好な結果を与える。トナー100質量部に対してシリカ微粉体0.01〜8質量部、好ましくは0.1〜5質量部使用するのが良い。
また、本発明に用いられるシリカ微粉末は、必要に応じ、疎水化、帯電性コントロールなどの目的でシリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカップリング剤、官能基を有するシラン化合物、その他の有機ケイ素化合物等の処理剤で、或いは種々の処理剤を併用して処理されていることも好ましい。
本発明のトナーには、必要に応じて他の外部添加剤を添加しても良い。
例えば、帯電補助剤、導電性付与剤、流動性付与剤、ケーキング防止剤、熱ローラー定着時の離型剤、滑剤、研磨剤等の働きをする樹脂微粒子や無機微粒子などである。
例えば滑剤としては、ポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末等が挙げられ、中でもポリフッ化ビニリデン粉末が好ましい。また研磨剤としては、酸化セリウム粉末、炭化ケイ素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末等が挙げられ、中でもチタン酸ストロンチウム粉末が好ましい。流動性付与剤としては、酸化チタン粉末、酸化アルミニウム粉末等が挙げられ、中でも疎水性のものが好ましい。導電性付与剤としては、カーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化アンチモン粉末、酸化スズ粉末等が挙げられる。またさらに、逆極性の白色微粒子及び黒色微粒子を現像性向上剤として少量用いることもできる。
本発明のトナーを作製するには、結着樹脂、磁性体、その他の添加剤等を、ヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機により十分混合してから加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練し、冷却固化後粉砕及び分級を行い、更に必要に応じて所望の添加剤をヘンシェルミキサー等の混合機により十分混合し、本発明のトナーを得ることができる。
例えば混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられ、混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられ、粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボエ業社製)が挙げられ、分級機としては、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられ、粗粒などをふるい分けるために用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工作所社);バイブラソニックシステム(ダルトン社製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリーナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社製);円形振動篩い等が挙げられる。
次に本発明の現像剤担持体であるスリーブの構成を説明する。
本発明の現像剤担持体である現像スリーブは、円筒状基体と、該基体表面を被膜するメッキ層を有する。その基体材料の硬度はJIS Z2244に記載のビッカース硬度Hvが40〜180の比較的柔らかい材料であることが好ましい。ビッカース硬度Hvが40未満である場合、ブラスト処理時にスリーブに歪みを生じ、また、ビッカース硬度Hvが180を超える場合は、ブラスト処理において表面が不均一な凹凸となり易く、更に凹部に微少なクラックの発生が多くなる。それにより、トナーが局部的に帯電され、ブロッチやカブリの発生原因となりやすい。
現像スリーブの基体材料としては、具体的には、アルミニウム合金であることが好ましい。これらの材料は、低硬度であると共に、比較的安価であり、熱伝導率が高いため熱による歪みが少なく画像ムラが発生しずらい。
更に本発明の現像スリーブは、球状粒子(例えばガラスビーズ等)によりブラスト処理されることが好ましい。球状粒子により処理されることにより、処理後のスリーブ表面が滑らかな凹凸となり、凹部へのトナー詰まりがなく、スリーブ汚染を発生させない。
更に該球状粒子は、その番定がJIS R6001に記載による#100〜800であることが好ましい。#100未満を用いる場合、表面の凹凸が着きづらく、所望の表面粗さを得ることができない。また番定が#800を超えるものを用いる場合、処理後の表面の凹凸が鋭くなりやすく、スリーブ汚染を発生させやすい。
また、ブラスト処理後のスリーブ表面粗さは、JIS B0601に記載の中心線平均粗さ(Ra)で0.1〜3.5μmであることが好ましい。Raが0.1μm未満ではスリーブ近傍のトナーの帯電量が高くなりすぎ、鏡映力によりトナーがスリーブ上に引きつけられ、新たなトナーがスリーブから帯電付与を受けられず、現像性が不十分となる。Raが3.5μmを超えると、スリーブ上のトナー量が増加しすぎてトナーが十分な帯電量を得られず、かつ不均一な帯電となり、画像濃度の低下や濃度ムラの原因となる。
更に本発明の現像スリーブのメッキ層は無電解メッキにより施されることが好ましい。電気メッキの場合、凹凸粗面とした表面に対しては、電解の集中する凸部に優先的に付着するため、凸部のみメッキ層が厚くなってしまい、均一なメッキ層を形成することができない。無電解メッキとすることにより凹凸粗面に関わらず均一に精度よくメッキ層を形成し、メッキ前後で表面粗さの変化量を小さくすることができる。
更に無電解メッキは、その硬度が、ビッカース硬度にてHv300以上であることが耐磨耗性の観点から好ましく、具体的には、Ni−P、Ni−B、Pd−P、Ni−Co−P、Ni−Fe−P、Ni−W−P、Ni−Cu−P、Co−P、Cu、Sn、およびAu等が好ましい。特に磁性トナーと共に用いる場合は、非磁性のNi−P、或いはNi−Bが好ましく、その場合P含有量が5〜15質量%、B含有量が2〜8質量%、Pd−PではP含有量が2〜15質量%で用いることが、トナーへの帯電付与の面から好ましい。ここで、P含有量及びB含有量は、JIS H 8645に記載のメッキ被膜の化学成分含有率試験法に乗っ取り測定する。
また、無電解メッキ厚としては1〜50μmとすることが好ましい。メッキ厚が1μm未満である場合、高耐磨耗性を満足することが難しく、また、メッキ厚が50μmを超える場合、下地の表面性をメッキ後に継承することが難しい。
またメッキ処理後も、表面粗さはRa換算で0.2〜3.5μmの範囲を保持していることが好ましい。
さらに、この無電解メッキ層の外層に耐摩耗性向上のために電気硬質メッキを施してもよい。
この電気硬質メッキは、耐摩耗性の点からHvが300以上、特に500以上が好適であり、材質としては、Cr、Ni、Ptおよびロジウムなどが好適で、特にHvは600以上のCrが好ましい。
また、この電気硬質メッキ層の厚さは、耐久性の点から0.2μm以上が好ましい。また、良好な表面性を保つため、あまり厚すぎない方が良く、5μm以下が好適である。さらに、無電解メッキ層の滑らかな表面形状が硬質メッキ層表面にも現れる点から、電気硬質メッキ層は、無電解メッキ層よりも薄い方が良く、無電解メッキ層の厚さの1/10以下が特に好ましい。
無電解メッキ層と電気硬質メッキ層との密着性を高めるために、必要に応じて、密着層を設けることも有効である。電気メッキ層がNi−Pメッキ層であり、硬質メッキ層がCrメッキ層である場合には、このような密着層としては、Ni−メッキ層が特に有効である。
現像剤担持部材は、長期間使用された後でも、現像剤が付着して、所謂、スリーブ汚染を生じないことが必要である。このスリーブ汚染を防止する点から、現像剤担持部材表面の平均傾斜Δaは0.12以下に、また、現像剤搬送性の点から、Δaは0.01以上に設定するのが好ましい。
ここで、平均傾斜Δaは図1中の式で与えられる。定性的には、図2の粗さ曲線の傾きΔa=tanθを表わす。Rは山の高さである。
スリーブ汚染の汚染レベルは、現像剤担持部材表面の平均傾斜Δaとの間に相関があり、Δaが小さいほど低い。すなわち、現像剤担持部材表面の汚染は、RaやRzで表わされる表面粗さの大きさよりも、むしろ現像スリーブの表面形状に起因するところが大きい。
なお、本発明において、Δa、RaおよびRzの測定には、接触式表面粗さ計((株)小坂研究所製:サーフコーダーSE−3300)を用いた。この測定器は、1回の測定でΔa、RaおよびRzを同時に計測することができる。測定条件は、カットオフ値が0.8mm、測定長さが2.5mm、送りスピードが0.1mm/秒、倍率が5000倍である。
以下、具体的実施例をもって本発明を更に詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されるものではない。
<高分子成分の製造例A−1>
・スチレン 78.4質量部
・アクリル酸n−ブチル 19.6質量部
・メタクリル酸 2.0質量部
・2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン
0.8質量部
上記各成分を、4つ口フラスコ内でキシレン200質量部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し120℃に昇温させた後4時間かけて滴下した。更にキシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去した。このようにして得られた樹脂をA−1とする。
・スチレン 78.4質量部
・アクリル酸n−ブチル 19.6質量部
・メタクリル酸 2.0質量部
・2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン
0.8質量部
上記各成分を、4つ口フラスコ内でキシレン200質量部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し120℃に昇温させた後4時間かけて滴下した。更にキシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去した。このようにして得られた樹脂をA−1とする。
<高分子成分の製造例A−2>
製造例A−1において、スチレン79.7質量部、アクリル酸n−ブチル19.9質量部、アクリル酸0.4質量部、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン0.8質量部に変えた以外は製造例A−1と同様に樹脂A−2を得た。
製造例A−1において、スチレン79.7質量部、アクリル酸n−ブチル19.9質量部、アクリル酸0.4質量部、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン0.8質量部に変えた以外は製造例A−1と同様に樹脂A−2を得た。
<高分子成分の製造例A−3>
製造例A−1において、スチレン79.0質量部、アクリル酸n−ブチル19.8質量部、メタクリル酸1.2質量部、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン0.8質量部に変えた以外は製造例A−1と同様に樹脂A−3を得た。
製造例A−1において、スチレン79.0質量部、アクリル酸n−ブチル19.8質量部、メタクリル酸1.2質量部、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン0.8質量部に変えた以外は製造例A−1と同様に樹脂A−3を得た。
<高分子成分の製造例A−4>
製造例A−1において、スチレン75.2質量部、アクリル酸n−ブチル18.8質量部、メタクリル酸6.0質量部、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン0.8質量部に変えた以外は製造例A−1と同様に樹脂A−4を得た。
製造例A−1において、スチレン75.2質量部、アクリル酸n−ブチル18.8質量部、メタクリル酸6.0質量部、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン0.8質量部に変えた以外は製造例A−1と同様に樹脂A−4を得た。
<高分子成分の製造例A−5>
製造例A−1において、スチレン74.4質量部、アクリル酸n−ブチル18.6質量部、アクリル酸7質量部、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン0.8質量部に変えた以外は製造例A−1と同様に樹脂A−5を得た。
製造例A−1において、スチレン74.4質量部、アクリル酸n−ブチル18.6質量部、アクリル酸7質量部、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン0.8質量部に変えた以外は製造例A−1と同様に樹脂A−5を得た。
<高分子成分の製造例A−6>
製造例A−1において、スチレン80質量部、アクリル酸n−ブチル20質量部2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン1質量部に変えた以外は製造例A−1と同様に樹脂A−6を得た。
製造例A−1において、スチレン80質量部、アクリル酸n−ブチル20質量部2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン1質量部に変えた以外は製造例A−1と同様に樹脂A−6を得た。
<高分子成分の製造例A−7>
製造例A−1において、スチレン72.8質量部、アクリル酸n−ブチル18.2質量部、アクリル酸9質量部、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン0.8質量部に変えた以外は製造例A−1と同様に樹脂A−7を得た。
製造例A−1において、スチレン72.8質量部、アクリル酸n−ブチル18.2質量部、アクリル酸9質量部、2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロへキシル)プロパン0.8質量部に変えた以外は製造例A−1と同様に樹脂A−7を得た。
<カルボキシル基含有ビニル樹脂の製造例B−1>
・高分子成分樹脂A−1 30質量部
・スチレン 55.4質量部
・アクリル酸n−ブチル 13.9質量部
・メタクリル酸 0.7質量部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 1.4質量部
上記原材料をキシレン200質量部中に4時間かけて滴下した。更に、キシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、このようにして得られた樹脂をB−1とする。
・高分子成分樹脂A−1 30質量部
・スチレン 55.4質量部
・アクリル酸n−ブチル 13.9質量部
・メタクリル酸 0.7質量部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 1.4質量部
上記原材料をキシレン200質量部中に4時間かけて滴下した。更に、キシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、このようにして得られた樹脂をB−1とする。
<カルボキシル基含有ビニル樹脂の製造例B−2>
製造例B−1において、高分子成分樹脂A−2を30質量部、スチレン56質量部、アクリル酸n−ブチル14質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.4質量部に変えた以外は製造例B−1と同様に樹脂B−2を得た。
製造例B−1において、高分子成分樹脂A−2を30質量部、スチレン56質量部、アクリル酸n−ブチル14質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.4質量部に変えた以外は製造例B−1と同様に樹脂B−2を得た。
<カルボキシル基含有ビニル樹脂の製造例B−3>
製造例B−1において、高分子成分樹脂A−3を30質量部、スチレン53質量部、アクリル酸n−ブチル13質量部、メタクリル酸0.3質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.4質量部に変えた以外は製造例B−1と同様に樹脂B−3を得た。
製造例B−1において、高分子成分樹脂A−3を30質量部、スチレン53質量部、アクリル酸n−ブチル13質量部、メタクリル酸0.3質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.4質量部に変えた以外は製造例B−1と同様に樹脂B−3を得た。
<カルボキシル基含有ビニル樹脂の製造例B−4>
製造例B−1において、高分子成分樹脂A−3を30質量部、スチレン53.6質量部、アクリル酸n−ブチル13.4質量部、メタクリル酸3.0質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.4質量部に変えた以外は製造例B−1と同様に樹脂B−4を得た。
製造例B−1において、高分子成分樹脂A−3を30質量部、スチレン53.6質量部、アクリル酸n−ブチル13.4質量部、メタクリル酸3.0質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.4質量部に変えた以外は製造例B−1と同様に樹脂B−4を得た。
<カルボキシル基含有ビニル樹脂の製造例B−5>
製造例B−1において、高分子成分樹脂A−3を30質量部、スチレン52.8質量部、アクリル酸n−ブチル13.2質量部、アクリル酸4質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.4質量部に変えた以外は製造例B−1と同様に樹脂B−5を得た。
製造例B−1において、高分子成分樹脂A−3を30質量部、スチレン52.8質量部、アクリル酸n−ブチル13.2質量部、アクリル酸4質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.4質量部に変えた以外は製造例B−1と同様に樹脂B−5を得た。
<カルボキシル基含有しないビニル樹脂の製造例B−6>
製造例B−1において、高分子成分樹脂A−6を30質量部、スチレン56質量部、アクリル酸n−ブチル14質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.4質量部に変えた以外は製造例B−1と同様に樹脂B−4を得た。
製造例B−1において、高分子成分樹脂A−6を30質量部、スチレン56質量部、アクリル酸n−ブチル14質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.4質量部に変えた以外は製造例B−1と同様に樹脂B−4を得た。
<カルボキシル基含有ビニル樹脂の製造例B−7>
製造例B−1において、高分子成分樹脂A−7を30質量部、スチレン52.8質量部、アクリル酸n−ブチル13.2質量部、アクリル酸4.0質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.4質量部に変えた以外は製造例B−1と同様に樹脂B−7を得た。
製造例B−1において、高分子成分樹脂A−7を30質量部、スチレン52.8質量部、アクリル酸n−ブチル13.2質量部、アクリル酸4.0質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド1.4質量部に変えた以外は製造例B−1と同様に樹脂B−7を得た。
<グリシジル基含有ビニル樹脂の製造例C−1>
・スチレン 79.2質量部
・アクリル酸n−ブチル 19.8質量部
・メタクリル酸グリシジル 1質量部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 5質量部
上記各成分を、4つ口フラスコ内でキシレン200質量部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し、120℃に昇温させた後4時間かけて滴下した。更にキシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、このように得られた樹脂をC−1とする。
・スチレン 79.2質量部
・アクリル酸n−ブチル 19.8質量部
・メタクリル酸グリシジル 1質量部
・ジ−t−ブチルパーオキサイド 5質量部
上記各成分を、4つ口フラスコ内でキシレン200質量部を撹拌しながら容器内を十分に窒素で置換し、120℃に昇温させた後4時間かけて滴下した。更にキシレン還流下で重合を完了し、減圧下で溶媒を蒸留除去し、このように得られた樹脂をC−1とする。
<グリシジル基含有ビニル樹脂の製造例C−2>
製造例C−1において、スチレン72質量部、アクリル酸n−ブチル18質量部、メタクリル酸グリシジル10質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド5質量部に変えた以外は製造製C−1と同様に樹脂C−2を得た。
製造例C−1において、スチレン72質量部、アクリル酸n−ブチル18質量部、メタクリル酸グリシジル10質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド5質量部に変えた以外は製造製C−1と同様に樹脂C−2を得た。
<磁性体の合成例D−1>
3.0mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液20リットルを入れた反応容器に、Fe2+が1.5mol/リットルである硫酸第一鉄水溶液20リットルを加え、温度を95℃として、水酸化第一鉄コロイドを含有する第一鉄塩懸濁液を生成した。ここに、毎分100リットルの空気を通気させながら珪素分を28g有するケイ酸ナトリウム水溶液0.2リットルを60分かけて滴下した。その後、30分撹拌してマグネタイトを含む第一鉄懸濁液を得た。ここに、6.0mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを10.0とした。更に、毎分100リットルの空気を通気させながら珪素分を28g有するケイ酸ナトリウム0.1リットルを30分かけて滴下して、その後30分撹拌してマグネタイト粒子を生成させた。ここに、0.5mol/リットルの硫酸アルミニウム水溶液150mlを添加し、十分撹拌した後、マグネタイトを濾別した。このマグネタイトを水洗;乾燥後、解砕して磁性体1を得た。この合成例1で合成した磁性体1は、Fe基準でSiを1.0%、Alを0.2%含有する。
3.0mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液20リットルを入れた反応容器に、Fe2+が1.5mol/リットルである硫酸第一鉄水溶液20リットルを加え、温度を95℃として、水酸化第一鉄コロイドを含有する第一鉄塩懸濁液を生成した。ここに、毎分100リットルの空気を通気させながら珪素分を28g有するケイ酸ナトリウム水溶液0.2リットルを60分かけて滴下した。その後、30分撹拌してマグネタイトを含む第一鉄懸濁液を得た。ここに、6.0mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを10.0とした。更に、毎分100リットルの空気を通気させながら珪素分を28g有するケイ酸ナトリウム0.1リットルを30分かけて滴下して、その後30分撹拌してマグネタイト粒子を生成させた。ここに、0.5mol/リットルの硫酸アルミニウム水溶液150mlを添加し、十分撹拌した後、マグネタイトを濾別した。このマグネタイトを水洗;乾燥後、解砕して磁性体1を得た。この合成例1で合成した磁性体1は、Fe基準でSiを1.0%、Alを0.2%含有する。
<磁性体の合成例D−2>
製造例D−1において、金属塩の種類、添加量を変更し、Fe基準でTiを2.5%含有する磁性体2を得た。
製造例D−1において、金属塩の種類、添加量を変更し、Fe基準でTiを2.5%含有する磁性体2を得た。
<磁性体の合成例D−3>
製造例D−1において、金属塩の種類、添加量を変更し、Fe基準でSiを0.3%、Tiを2.5%含有する磁性体3を得た。
製造例D−1において、金属塩の種類、添加量を変更し、Fe基準でSiを0.3%、Tiを2.5%含有する磁性体3を得た。
<磁性体の合成例D−4>
製造例D−1において、金属塩の種類、添加量を変更し、Fe基準でSiを0.5%、Tiを0.8%含有する磁性体4を得た。
製造例D−1において、金属塩の種類、添加量を変更し、Fe基準でSiを0.5%、Tiを0.8%含有する磁性体4を得た。
<磁性体の合成例D−5>
製造例D−1において、金属塩の種類、添加量を変更し、Fe基準でSiを1.0%含有する磁性体5を得た。
製造例D−1において、金属塩の種類、添加量を変更し、Fe基準でSiを1.0%含有する磁性体5を得た。
(現像スリーブの製造例1)
[ブラスト処理]外径32mm,肉厚0.65mmのAl(アルミニウム)スリーブの表面をブラスト処理した。ブラスト砥粒として、600メッシュの球形ガラスビーズを用い、次のようにしてブラスト処理を行った。
[ブラスト処理]外径32mm,肉厚0.65mmのAl(アルミニウム)スリーブの表面をブラスト処理した。ブラスト砥粒として、600メッシュの球形ガラスビーズを用い、次のようにしてブラスト処理を行った。
ガラスビーズを36rpmで回転しているスリーブに対して、スリーブから距離150mmの位置の7mm径のノズル4本より4方向から、ブラスト圧:各2.45×10-1MPa(2.5kg/cm2)で9sec間(Total36sec間)吹き付けた。ブラスト処理後、洗浄工程でスリーブ表面を洗浄した後乾燥させる。スリーブの表面粗さRaは0.6μm、Rzは4μmである。
[メッキ前処理]Alスリーブ表面をジンケート処理をして、表面に亜鉛を付着させる。ジンケート処理は、AlスリーブとNi−Pメッキとの密着性を向上させる。ジンケート処理には、市販ジンケート処理剤(商品名:シューマ K−102,日本カニゼン株式会社製)を用いた。
[Ni−Pメッキ]AlスリーブをNi−Pメッキ液中に浸して19μm厚の無電解Ni−Pメッキ層を形成する。Ni−Pメッキ層中のP濃度は10.3質量%である。なお、一般に、P濃度は5〜15質量%の範囲で調整することが好ましい。無電解Ni−Pメッキ液としては、市販のメッキ液(商品名:S−754,日本カニゼン株式会社製)を用いた。
Ni−Pメッキ層が形成されたスリーブの硬さHvは501〜524、表面粗さは、Raは0.5μm、Rzが3.5μmである。
[Niメッキ]Ni−Pメッキ処理されたスリーブをNiメッキ液に浸して電気メッキを行い、0.3μm厚のNiメッキ層を形成する。Niメッキ液として、硫酸酸性6水和硫酸ニッケル液を用いた。
[Crメッキ]Niメッキ処理されたスリーブをCrメッキ液に浸して電気メッキを行い、1μm厚のCrメッキ層を形成する。Crメッキ液としては市販品の触媒無水クロル酸液を用いた。
Crメッキされたスリーブの硬度Hvは605〜640であり、表面粗さは、Raが0.53μm、Rzが3.54μmおよびΔaが0.08である。
[磁石の装着]このようにして処理されたスリーブ内に、磁石を装着させて、現像スリーブ1を得た。
〔現像スリーブの製造例2〕
[ブラスト処理]400メッシュの球形ガラスビーズを用いた他は製造例1と同様にしてブラスト処理を行った。スリーブ表面粗さは、Raは0.8μm、Rzは5μmである。
[ブラスト処理]400メッシュの球形ガラスビーズを用いた他は製造例1と同様にしてブラスト処理を行った。スリーブ表面粗さは、Raは0.8μm、Rzは5μmである。
[メッキ前処理]製造例1と同様にして行った。
[Ni−Bメッキ]AlスリーブをNi−Bメッキ液中に浸して17μm厚の無電解Ni−Bメッキ層を形成する。Ni−Bメッキ層中のB濃度は6質量%である。なお、B濃度は5〜7質量%の範囲で調整されることが好ましい。無電解Ni−Bメッキ液として、硫酸ニッケル、ジメチルアミンボランおよびマロン酸ナトリウムの弱酸性溶液を用いた。
Ni−Bメッキ層が形成されたスリーブの硬さHvは550〜700、表面粗さRaは0.6μm、Rzは4μmである。
[Niメッキ]Ni−Bメッキ処理されたスリーブに、製造例1と同様にしてNiメッキを施した。
[Crメッキ]Niメッキ処理されたスリーブに、製造例1と同様にして、Crメッキを施した。
Crメッキされたスリーブの硬度Hvは605〜640であり、表面粗さは、Raが0.7μm、Rzが4.3μmおよびΔaが0.08である。
[磁石の装着]製造例1と同様にして現像スリーブ2を得た。
〔現像スリーブの製造例3〕
製造例1において[Niメッキ]および[Crメッキ]をしないで、Ni−Pメッキ層だけを持つスリーブ内に、同様に磁石を装着させて現像スリーブ3を得た。
製造例1において[Niメッキ]および[Crメッキ]をしないで、Ni−Pメッキ層だけを持つスリーブ内に、同様に磁石を装着させて現像スリーブ3を得た。
〔現像スリーブの比較製造例1〕
外径32mm,肉厚0.65mmのSUS(ステンレス)スリーブの表面を研磨加工して、スリーブのふれが10μm以下、表面粗さがRz表記で4μm以下にしたものを、上下端部にマスキングを施し、ブラスト砥粒として、300メッシュの不定形アルミナ砥粒を用い、製造例1と同様にして、ブラスト圧:各3.92×10-2MPa(4.0kg/cm2)で9sec間(Total36sec間)吹き付けた。ブラスト処理後の表面粗さRaは1.12μm、Rzは8μmであった。
外径32mm,肉厚0.65mmのSUS(ステンレス)スリーブの表面を研磨加工して、スリーブのふれが10μm以下、表面粗さがRz表記で4μm以下にしたものを、上下端部にマスキングを施し、ブラスト砥粒として、300メッシュの不定形アルミナ砥粒を用い、製造例1と同様にして、ブラスト圧:各3.92×10-2MPa(4.0kg/cm2)で9sec間(Total36sec間)吹き付けた。ブラスト処理後の表面粗さRaは1.12μm、Rzは8μmであった。
スリーブ内に同様にして磁石を装着させて現像スリーブ4を得た。
〔実施例1〕
製造例B−1で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂90質量部及び製造例C−1で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂10質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し器にて200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂1を得た。
・上記結着樹脂1 100質量部
・磁性体1 90質量部
・ポリエチレンワックス 4質量部
・トリフェニルメタンレーキ顔料 2質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで十分に前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕物を更に風力分級機で分級し、重量平均径7.5μmの分級微粉体(トナー粒子)を得た。
製造例B−1で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂90質量部及び製造例C−1で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂10質量部をヘンシェルミキサーにて混合後、二軸混練押し出し器にて200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂1を得た。
・上記結着樹脂1 100質量部
・磁性体1 90質量部
・ポリエチレンワックス 4質量部
・トリフェニルメタンレーキ顔料 2質量部
上記材料をヘンシェルミキサーで十分に前混合した後、130℃に設定した二軸混練押し出し機によって、溶融混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルで粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて微粉砕し、得られた微粉砕物を更に風力分級機で分級し、重量平均径7.5μmの分級微粉体(トナー粒子)を得た。
得られた分級微粉体100質量部に、乾式法で製造されたシリカ微粉体(BET比表面積200m2/g)100質量部あたりアミノ変性シリコーンオイル(アミン当量830、25℃における粘度70cSt)17質量部で処理した疎水性シリカ0.8質量部を加え、ヘンシェルミキサーで混合し、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー1を得た。トナー物性を表1にまとめた。
得られたトナー1について、次に示す各評価試験を行った。
<画像評価試験>
市販の複写機GP−605(キヤノン(株)社製;ハロゲンランプ方式定着、プロセススピード300mm/sec)を用い、現像スリーブを本発明の現像スリーブ製造例1に示した現像スリーブ1に交換し、常温/常湿環境下(23℃/60%RH)において、印字比率6%のテストチャートを用いて、100,000枚複写し、常温低湿環境下(23℃/5%RH)及び高温高湿環境下(30℃/80%RH)の各環境下において、印字比率6%のテストチャートを用いて、それぞれ、50,000枚複写を行い、画像濃度、カブリ、スリーブコートむら、スリーブ融着、スリーブ削れに伴う画像よごれなどの画像評価を行った。
市販の複写機GP−605(キヤノン(株)社製;ハロゲンランプ方式定着、プロセススピード300mm/sec)を用い、現像スリーブを本発明の現像スリーブ製造例1に示した現像スリーブ1に交換し、常温/常湿環境下(23℃/60%RH)において、印字比率6%のテストチャートを用いて、100,000枚複写し、常温低湿環境下(23℃/5%RH)及び高温高湿環境下(30℃/80%RH)の各環境下において、印字比率6%のテストチャートを用いて、それぞれ、50,000枚複写を行い、画像濃度、カブリ、スリーブコートむら、スリーブ融着、スリーブ削れに伴う画像よごれなどの画像評価を行った。
<画像濃度>
「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて測定した。
「マクベス反射濃度計」(マクベス社製)を用いて測定した。
<カブリ>
「反射濃度計」(東京電色技術センター社製)を用いて、転写紙の反射濃度とベタ白をコピーした後の転写紙の反射濃度を測定し、その差分をカブリ値とした。
「反射濃度計」(東京電色技術センター社製)を用いて、転写紙の反射濃度とベタ白をコピーした後の転写紙の反射濃度を測定し、その差分をカブリ値とした。
<スリーブコート性試験>
スリーブ上のトナーコートを目視し、ブロッチの発生レベルを以下に示すランクに分類した。
スリーブ上のトナーコートを目視し、ブロッチの発生レベルを以下に示すランクに分類した。
ブロッチランク
◎(優) 全く発生してない
○(良) スリーブ端部にわずか発生している。
△(可) 極わずか発生しているが画像には影響しない。
×(不可) はっきりと発生しており画像に影響する。
◎(優) 全く発生してない
○(良) スリーブ端部にわずか発生している。
△(可) 極わずか発生しているが画像には影響しない。
×(不可) はっきりと発生しており画像に影響する。
<スリーブ汚染試験>
複写した後の現像スリーブ表面の一部をエタノールで洗浄して拭き取り、べた黒画像をプリントし、エタノール拭き清掃前後の画像濃度を測定し、その差を算出することによりスリーブ汚染の評価を行った。その濃度差が小さい程、汚染抑制が良い。
複写した後の現像スリーブ表面の一部をエタノールで洗浄して拭き取り、べた黒画像をプリントし、エタノール拭き清掃前後の画像濃度を測定し、その差を算出することによりスリーブ汚染の評価を行った。その濃度差が小さい程、汚染抑制が良い。
<スリーブ削れ試験>
複写した後のスリーブを乾拭きし、スリーブ表面の削れ具合及びトナーコート性への影響を目視にて評価し、以下に示すランクに分類した。
複写した後のスリーブを乾拭きし、スリーブ表面の削れ具合及びトナーコート性への影響を目視にて評価し、以下に示すランクに分類した。
スリーブ削れランク
◎(優) 全く発生してない
○(良) 極わずか発生しているがスリーブコート性には影響しない。
△(可) わずか発生しておりスリーブコートむらが発生しているが画像には影響しな い。
×(不可) はっきりと発生しており画像に影響する。
◎(優) 全く発生してない
○(良) 極わずか発生しているがスリーブコート性には影響しない。
△(可) わずか発生しておりスリーブコートむらが発生しているが画像には影響しな い。
×(不可) はっきりと発生しており画像に影響する。
これらの画像評価結果を表2にまとめた。
〔実施例2〕
製造例B−2で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂90質量部と、製造例C−2で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂10質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂2を得た。
製造例B−2で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂90質量部と、製造例C−2で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂10質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂2を得た。
実施例1において、結着樹脂2に変更する以外は同様にし、トナー2を得た。このトナー2について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
〔実施例3〕
製造例B−3で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂90質量部と、製造例C−1で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂10質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂3を得た。
製造例B−3で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂90質量部と、製造例C−1で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂10質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂3を得た。
実施例1において、結着樹脂3に変更する以外は同様にし、トナー3を得た。このトナー3について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
〔実施例4〕
製造例B−4で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂95質量部と、製造例C−1で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂5質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂4を得た。
製造例B−4で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂95質量部と、製造例C−1で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂5質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂4を得た。
実施例1において、結着樹脂4に変更する以外は同様にし、トナー4を得た。このトナー4について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
〔実施例5〕
製造例B−5で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂95質量部と、製造例C−1で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂5質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、180℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂5を得た。
製造例B−5で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂95質量部と、製造例C−1で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂5質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、180℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂5を得た。
実施例1において、結着樹脂5に変更する以外は同様にし、トナー5を得た。このトナー5について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
〔比較例1〕
製造例B−6で得られたカルボキシル基を含まないビニル樹脂90質量部と、製造例C−1で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂10質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂6を得た。
製造例B−6で得られたカルボキシル基を含まないビニル樹脂90質量部と、製造例C−1で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂10質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂6を得た。
実施例1において、結着樹脂6に変更する以外は同様にし、トナー6を得た。このトナー6について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
〔比較例2〕
製造例B−7で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂90質量部と、製造例C−1で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂10質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂7を得た。
製造例B−7で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂90質量部と、製造例C−1で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂10質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂7を得た。
実施例1において、結着樹脂7に変更する以外は同様にし、トナー7を得た。このトナー7について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
〔実施例6〕
実施例1において、磁性体2に変更する以外は同様にし、トナー8を得た。このトナー8について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
実施例1において、磁性体2に変更する以外は同様にし、トナー8を得た。このトナー8について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
〔実施例7〕
実施例1において、磁性体3に変更する以外は同様にし、トナー9を得た。このトナー9について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
実施例1において、磁性体3に変更する以外は同様にし、トナー9を得た。このトナー9について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
〔実施例8〕
実施例1において、磁性体4に変更する以外は同様にし、トナー10を得た。このトナー10について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
実施例1において、磁性体4に変更する以外は同様にし、トナー10を得た。このトナー10について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
〔実施例9〕
実施例1において、磁性体5に変更する以外は同様にし、トナー11を得た。このトナー11について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
実施例1において、磁性体5に変更する以外は同様にし、トナー11を得た。このトナー11について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
〔比較例3〕
製造例B−5で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂90質量部と、製造例C−2で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂10質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂8を得た。
製造例B−5で得られたカルボキシル基含有ビニル樹脂90質量部と、製造例C−2で得られたグリシジル基含有ビニル樹脂10質量部をヘンセルミキサーにて混合し、二軸押し出し機にて、200℃で混練し、冷却粉砕し、結着樹脂8を得た。
実施例1において、結着樹脂8に変更する以外は同様にし、トナー12を得た。このトナー12について、同様の評価を行った。トナー物性については表1に、評価結果を表2にまとめた。
〔実施例10〕
実施例1において、現像スリーブ1を現像スリーブ製造例2の現像スリーブ2に変更する以外は同様にして各評価を行った。評価結果を表2にまとめた。
実施例1において、現像スリーブ1を現像スリーブ製造例2の現像スリーブ2に変更する以外は同様にして各評価を行った。評価結果を表2にまとめた。
〔実施例11〕
実施例1において、現像スリーブ1を現像スリーブ製造例3の現像スリーブ3に変更する以外は同様にして各評価を行った。評価結果を表2にまとめた。
実施例1において、現像スリーブ1を現像スリーブ製造例3の現像スリーブ3に変更する以外は同様にして各評価を行った。評価結果を表2にまとめた。
〔比較例4〕
実施例1において、現像スリーブ1を現像スリーブ比較製造例1の現像スリーブ4に変更する以外は同様にして各評価を行った。評価結果を表2に示す。
実施例1において、現像スリーブ1を現像スリーブ比較製造例1の現像スリーブ4に変更する以外は同様にして各評価を行った。評価結果を表2に示す。
Claims (20)
- 静電潜像を担持するための潜像担持体に対向して配置された円筒状のトナー担持体に保持されたトナーを、該トナー担持体から移行させて該静電潜像を現像する画像形成方法において、
該トナー担持体は、少なくとも基体、メッキ層を有する円筒状の現像スリーブであって、
該トナーは、少なくとも結着樹脂及び磁性体を含有する磁性トナーであり、
該結着樹脂として、カルボキシル基を有するビニル樹脂とグリシジル基を有するビニル樹脂、カルボキシル基とグリシジル基を有するビニル樹脂、及びカルボキシル基とグリシジル基が反応したビニル樹脂からなるグループより選択される1種以上のビニル樹脂を少なくとも含有し、
該磁性体は、長周期型の元素周期表の第三周期以降の電気陰性度1.0乃至2.5の元素aを一種類以上含有している磁性酸化鉄であり、
該磁性体中に含有される元素aの含有率は、磁性体中のFe基準で、0.1乃至4.0質量%であり、
該トナー中に遊離した磁性体が該トナー粒子10,000個当たり70乃至500個存在することを特徴とする画像形成方法。 - 該トナー中のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布において、数平均分子量(Mn)が、1000乃至40000であり、重量平均分子量(Mw)が10000乃至10000000であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法
- 該トナー中のテトラヒドロフラン(THF)可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される分子量分布において、分子量4,000乃至30,000の領域に少なくとも一つのメインピークを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
- 該分子量分布において、分子量30,000以下のピーク面積が全体のピーク面積に対して、60乃至100%の割合であることを特徴とする請求項3に記載の画像形成方法。
- 該トナーの結着樹脂成分は、THF不溶分を0.1乃至60質量%含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該トナーのTHF可溶分の酸価が0.1乃至50mgKOH/gであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該磁性体が、結着樹脂100質量部に対して10乃至200質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該元素aは、Al、Si、P、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Sn、Pbからなるグループより選択される元素であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該トナーが正帯電性トナーであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の画像形成方法。
- 該メッキ層が、無電界メッキにより形成されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の画像形成方法。
- 基板が、Rz(十点平均粗さ)1〜8μm又はRa(算術均粗さ)0.1〜1.2μmの表面粗さを有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の画像形成方法。
- 基板がアルミニウム、アルミニウム合金又は銅合金から形成されており、ビッカース硬度Hvが40〜180であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の画像形成方法。
- 無電界メッキ層が3〜30μmの厚さを有することを特徴とする請求項10乃至12のいずれかに記載の画像形成方法。
- 無電界メッキ層がNi−Pメッキ層であることを特徴とする請求項10乃至13に記載の画像形成方法。
- 無電界メッキ層の上層に更に電気硬質メッキを施すことを特徴とする請求項10乃至14のいずれかに記載の画像形成方法。
- 電気硬質メッキ層が0.2〜5μmの厚さを有することを特徴とする請求項15に記載の画像形成方法。
- 電気硬質メッキ層の厚さが無電界メッキ層よりも薄いことを特徴とする請求項15乃至16のいずれかに記載の画像形成方法。
- 電気硬質メッキ層がCrメッキ層であることを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載の画像形成方法。
- 無電界メッキ層と電気硬質メッキ層の間にNiメッキ層を有することを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載の画像形成方法。
- 現像剤担持部材表面の平均傾斜Δaが0.01〜0.12であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載の画像形成方法。
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JP2014209186A (ja) * | 2013-03-25 | 2014-11-06 | 三菱化学株式会社 | 磁性トナー及び電子写真カートリッジ |
JP2018049161A (ja) * | 2016-09-21 | 2018-03-29 | 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 | 現像ローラーおよびそれを備えた現像装置並びに画像形成装置 |
-
2004
- 2004-10-06 JP JP2004293814A patent/JP2006106413A/ja active Pending
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