JP2006106102A - 画像表示媒体及び画像表示媒体用の電極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 可撓性を有する基板であっても損傷することのない穏和な条件で行われ、且つ、簡便である方法によって形成された電極を備える画像表示媒体、及び、そのような画像表示媒体用の電極の製造方法をを提供すること。
【解決手段】 本発明の画像表示媒体は、一対の電極が、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒などの液体に対して分散可能である又は可溶性である導電性高分子を少なくとも含んで構成されるので、その導電性高分子を分散又は溶解させた液体を用いる方法(例えば、インクジェット法、スピンコート法、スプレー法、コーティング法など)により、スパッタ法や蒸着法に比べて穏和な条件下で電極を基板上に形成できる。
【選択図】 図4
【解決手段】 本発明の画像表示媒体は、一対の電極が、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒などの液体に対して分散可能である又は可溶性である導電性高分子を少なくとも含んで構成されるので、その導電性高分子を分散又は溶解させた液体を用いる方法(例えば、インクジェット法、スピンコート法、スプレー法、コーティング法など)により、スパッタ法や蒸着法に比べて穏和な条件下で電極を基板上に形成できる。
【選択図】 図4
Description
本発明は、画像表示媒体及び画像表示媒体用の電極の製造方法に関し、特に、可撓性を有する基板に損傷を与えることなく形成された電極を備える画像表示媒体、及び、可撓性を有する基板に損傷を与えることなく電極を形成するための画像表示媒体用の電極の製造方法に関する。
従来より、繰り返し書き換え可能な画像表示媒体として、電気泳動方式の画像表示媒体が提案されている。電気泳動方式の画像表示媒体は、透明な表示基板と、その表示基板と微小間隙をもって対向する背面基板と、これら一対の基板間に帯電性を有する着色された電気泳動粒子を含む媒体を封入する構成となっている。このような構成を有する画像表示媒体における一対の基板間に、所定の記録電圧を印加して電界を形成すると、例えば、黒色に着色された電気泳動粒子が表示基板側に移動し、それによって、表示基板に黒色で描画された画像を形成することができる。そのように形成された画像は、電界を消失させた後も、所謂、メモリ効果によって維持される。
そのような電気泳動方式の画像表示媒体の各基板には、一対の電極が電界を形成するために設けられている。この電極の材料としては、高い導電性やパターンニングに優れるという点から、酸化インジウムにスズをドーピングしたITO(Indium Tin Oxide)膜のようなドーパントされた金属酸化物膜や、銅、ニッケル、アルミニウムなどの金属薄膜が多用されている(例えば、特許文献1)。これらのITO膜や金属薄膜は、多くの場合、スパッタリング法や蒸着法が用いられる。
特開2004−12990号公報
しかしながら、最近では、上記ような電気泳動方式の画像表示媒体を記録用紙に代わる電子ペーパとするべく、基板として、薄くて可撓性を有する樹脂フィルムが用いられており、そのような樹脂フィルムに対して、スパッタリング法や蒸着法を用いた場合、その際の温度条件が過酷すぎて基板が損傷するという問題点があった。
また、このようなスパッタリング法や蒸着法を行うための装置コストが高額であるという問題点もあった。特許文献1は、スパッタリング法や蒸着法に比べてコストを抑えた方法により製造された透明電極基材が記載されているが、それでもなお、プラズマ放電処理装置のような高価な装置が必要であるという問題点があり、また、電極を作成する方法が煩雑であるという問題点もあった。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、可撓性を有する基板であっても損傷することのない穏和な条件で行われ、且つ、簡便である方法によって形成された電極を備える画像表示媒体、及び、そのような画像表示媒体用の電極の製造方法を提供することを目的としている。
この目的を達成するために、請求項1記載の画像表示媒体は、帯電された粒子を含み、電界の印加によって該粒子を電気的に移動させることによって書き換え可能な画像を表示できる、可撓性を有するものであり、可撓性を有し、実質的に平行に離間されて配置される一対の基板と、前記電界を印加するために前記一対の基板にそれぞれ設けられ、液体に対して分散可能である又は可溶性である導電性高分子を少なくとも含んで構成される一対の電極と、前記帯電された粒子を含有し、前記一対の基板間に充填される電気泳動媒体とを備えている。
請求項2記載の画像表示媒体は、請求項1記載の画像表示媒体において、前記導電性高分子は、複素環式共役系導電性高分子である。
請求項3記載の画像表示媒体は、請求項2記載の画像表示媒体において、前記導電性高分子は、ポリチオフェン系又はポリピロール系導電性高分子である。
請求項4記載の画像表示媒体は、請求項3記載の画像表示媒体において、前記導電性高分子は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である。
請求項5記載の画像表示媒体は、請求項1から4のいずれかに記載の画像表示媒体において、前記電極は、前記導電性高分子が、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒に分散又は溶解された液体を用いて形成されるものである。
請求項6記載の画像表示媒体は、請求項5記載の画像表示媒体において、前記液体は、ポリスチレンスルホン酸塩を含む。
請求項7記載の画像表示媒体は、請求項5又は6記載の画像表示媒体において、前記電極は、前記液体を含むインクを用いたインクジェット法により形成されるものである。
請求項8記載の画像表示媒体は、請求項7記載の画像表示媒体において、前記インクは、前記液体と、水及び/又はアルコールとを混合することにより、粘度が0より大きく30mPa・s以下に調整されたものである。
請求項9記載の画像表示媒体は、請求項8記載の画像表示媒体において、前記粘度を調整するためのアルコールは、C1−C4の直鎖又は分岐鎖を有する1価アルコールである。
請求項10記載の画像表示媒体は、請求項7から9のいずれかに記載の画像表示媒体において、前記インクは、インク総重量に対する1/10重量%から1/3重量%までの量のエチレングリコールを含む。
請求項11記載の画像表示媒体は、請求項1から10のいずれかに記載の画像表示媒体において、前記電極は、前記一対の基板における互いに対向する側の面上にそれぞれ設けられ、前記電極を覆う、含フッ素化合物を含有する保護膜をさらに備えている。
請求項12記載の画像表示媒体は、請求項11記載の画像表示媒体において、前記保護膜は、前記電極の設けられた前記基板に対し、前記含フッ素化合物を含有する液体を、ディッピング法、ゾルゲル法、又は、スプレー法のいずれかを用いて塗布することによって形成されたものである。
請求項13記載の画像表示媒体用の電極の製造方法は、可撓性を有し、実質的に平行に配置される一対の基板と、電界を印加するために前記一対の基板にそれぞれ設けられた一対の電極と、帯電された粒子を含有し、前記一対の基板間に充填される電気泳動媒体とを備え、前記電界の印加による前記帯電された粒子の移動によって書き換え可能な画像を表示する画像表示媒体用の電極を製造するための方法であり、液体に対して分散可能である又は可溶性である導電性高分子を用いて前記基板上に前記電極を設ける電極形成工程を備えている。
請求項14記載の画像表示媒体用の電極の製造方法は、請求項13記載の画像表示媒体用の電極の製造方法において、前記電極形成工程は、前記導電性高分子が、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒に分散又は溶解された液体を含むインクを用いるインクジェット法によって、前記基板上の所定の位置に塗布する導電性組成物塗布工程を含む。
請求項15記載の画像表示媒体用の電極の製造方法は、請求項14記載の画像表示媒体用の電極の製造方法において、前記液体は、前記導電性高分子としてのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸塩とを少なくとも含む。
請求項16記載の画像表示媒体用の電極の製造方法は、請求項13から15のいずれかに記載の画像表示媒体用の電極の製造方法において、前記電極形成工程の後に、含フッ素化合物を含有する液体を塗布することによって前記一対の電極のそれぞれの表面に保護膜を形成する保護膜形成工程を備えている。
請求項1記載の画像表示媒体によれば、可撓性を有し、実質的に平行に離間されて配置される一対の基板の間に、帯電された粒子を含有する電気泳動媒体が充填されている。一方で、一対の基板におけるそれぞれの基板には電界を印加するための一対の電極が設けられており、その一対の電極により基板間に充填された電気泳動媒体に対して電界が印加されると、電気泳動媒体中に含まれる帯電された粒子が電気的に移動し、それによって、書き換え可能な画像が表示される。そのような画像表示媒体において、一対の電極が、液体に対して分散可能である又は可溶性である導電性高分子を少なくとも含んで構成されるので、その導電性高分子を分散又は溶解させた液体を用いる方法(例えば、インクジェット法、スピンコート法、スプレー法、コーティング法など)により、スパッタ法や蒸着法に比べて穏和な条件下で電極を基板上に形成できるという効果がある。また、基板上への電極の形成が容易であり、特に、可撓性を有する薄い樹脂製基板に対しては、基板を損傷することなく電極を形成できるという効果がある。さらに、電極を形成するための装置に対するコスト及び製造コストが、スパッタ法や蒸着法などに比べて低減できるという効果もある。
請求項2記載の画像表示媒体によれば、請求項1記載の画像表示媒体の奏する効果に加えて、導電性高分子は、複素環式共役系導電性高分子であるので、この導電性高分子を、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒に分散又は溶解させて、導電性を有する液体を調製できる。よって、その液体を用いてインクジェット法などの方法により穏和な条件下で電極を基板上に形成できるという効果がある。また、基板上への電極の形成が容易であり、特に、可撓性を有する薄い樹脂製基板に対しては、基板の損傷することなく電極を形成できるという効果がある。さらに、電極を形成するための装置に対するコスト及び製造コストが、スパッタ法や蒸着法などに比べて低減できるという効果もある。
請求項3記載の画像表示媒体によれば、請求項2記載の画像表示媒体の奏する効果に加えて、導電性高分子は、ポリチオフェン系又はポリピロール系導電性高分子であるので、この導電性高分子を、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒に分散又は溶解することが比較的容易である。よって、導電性を有する液体を比較的容易に調製できるという効果がある。また、ポリチオフェン系又はポリピロール系導電性高分子を、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒に分散又は溶解させた液体を用いて形成された電極は良好な電気的特性を示すという効果もある。さらに、ポリチオフェン系又はポリピロール系導電性高分子を、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒に分散又は溶解させた液体は、化学的に安定であるので、時間経過に伴う液体中の導電性高分子の電気的特性の劣化を防止することができる。よって、時間経過に拘わらず良質な電極を形成できるという効果がある。
請求項4記載の画像表示媒体によれば、請求項3記載の画像表示媒体の奏する効果に加えて、導電性高分子は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であるので、この導電性高分子を、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒に分散又は溶解させることが比較的容易である。よって、導電性を有する液体を比較的容易に調製できるという効果がある。また、この導電性高分子を、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒に分散又は溶解させた液体を用いて形成された電極は良好な電気的特性を示すという効果もある。さらに、この導電性高分子を、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒に分散又は溶解させた液体は、化学的に安定であるので、時間経過に伴う液体中の導電性高分子成分の電気的特性の劣化を抑制できる。よって、そのような化学的に安定な液体を用いた場合、時間経過に拘わらず良質な電極を形成できるという効果がある。
請求項5記載の画像表示媒体によれば、請求項1から4のいずれかに記載の画像表示媒体の奏する効果に加えて、導電性高分子が、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒に分散又は溶解された液体を用いて、電極が形成されるので、可撓性を有する薄い樹脂製基板上であっても穏和な条件下で基板を損傷することなく電極を形成できるという効果がある。
請求項6記載の画像表示媒体によれば、請求項5記載の画像表示媒体の奏する効果に加えて、液体は、ポリスチレンスルホン酸塩を含むので、導電性高分子を水などの媒体中に安定に分散又は溶解させることができるので、時間経過によって液体中の導電性高分子が不均一化することを抑制できる。よって、そのようなポリスチレンスルホン酸塩を含む液体を用いた場合、時間経過に拘わらず良質な電極を形成できるという効果がある。また、特に、導電性高分子を安定に分散又は溶解する液体をインクジェットプリンタ用のインクとすることにより、液体中の導電性高分子が不均一化したことに起因して、インクがヘッドに目詰まりすることを抑制することができる。
請求項7記載の画像表示媒体によれば、請求項5又は6記載の画像表示媒体の奏する効果に加えて、前記液体を含むインクを用いたインクジェット法により、電極が形成されるので、可撓性を有する薄い樹脂製基板に対しては、基板の損傷することなく電極を形成できるという効果がある。さらに、電極を形成するための装置に対するコスト及び製造コストが、スパッタ法や蒸着法などに比べて低減できるという効果もある。また、電極がインクジェット法により形成されることによって、画像データに従った特定のパターン又は形状を有する電極を形成することができる。従って、予め特定のパターンを表示する用途の画像表示媒体を容易に作成できるという効果がある。
請求項8記載の画像表示媒体によれば、請求項7記載の画像表示媒体の奏する効果に加えて、インクは、液体と、水及び/又はアルコールとを混合することにより、粘度が0より大きく30mPa・s以下に調整されるので、インクジェットプリンタのヘッドからインクを安定的に吐出できるという効果がある。
請求項9記載の画像表示媒体によれば、請求項8記載の画像表示媒体の奏する効果に加えて、粘度を調整するためのアルコールは、C1−C4の直鎖又は分岐鎖を有する1価アルコールであるので、安価である上に、安全性が高いため、低粘度のインクの調製が容易であるという効果がある。さらにアルコールは液体の表面張力を下げる効果があるため、基板の上に形成されたインク液滴が基板表面に広がりやすくする効果もある。
請求項10記載の画像表示媒体によれば、請求項7から9のいずれかに記載の画像表示媒体の奏する効果に加えて、インクは、インク総重量に対する1/10重量%から1/3重量%までの量のエチレングリコールを含むので、電気泳動式の画像表示媒体用として優れた表面抵抗値を有する電極を形成できるという効果がある。
請求項11記載の画像表示媒体によれば、請求項1から10のいずれかに記載の画像表示媒体の奏する効果に加えて、電極は、一対の基板における互いに対向する側の面上にそれぞれ設けられ、その電極が保護膜により覆われているので、液体である電気泳動媒体と電極とが直接接触することを防ぎ、それによって、電極が劣化することを防止できるという効果がある。
請求項12記載の画像表示媒体によれば、請求項11記載の画像表示媒体の奏する効果に加えて、保護膜は、電極の設けられた基板に対し、含フッ素化合物を含有する液体を、ディッピング法、ゾルゲル法、又は、スプレー法のいずれかを用いて塗布することによって形成されたものであるので、保護膜を容易に形成できるという効果がある。
請求項13記載の画像表示媒体用の電極の製造方法によれば、可撓性を有し、実質的に平行に離間されて配置される一対の基板の間に、帯電された粒子を含有する電気泳動媒体が充填され、一方で、一対の基板におけるそれぞれの基板には電界を印加するための一対の電極が設けられており、その一対の電極により基板間に充填された電気泳動媒体に対して電界が印加されると、電気泳動媒体中に含まれる帯電された粒子が電気的に移動し、それによって、書き換え可能な画像が表示される画像表示媒体用の電極を製造するために、電極形成工程により、液体に対して分散可能である又は可溶性である導電性高分子を用いて基板上に電極が設けられるので、スパッタ法や蒸着法に比べて穏和な条件で電極を基板上に形成できるという効果がある。また、基板上への電極の形成が容易であり、特に、可撓性を有する薄い樹脂製基板に対しては、基板を損傷することなく電極を形成できるという効果がある。さらに、電極を形成するための装置に対するコスト及び製造コストが、スパッタ法や蒸着法などに比べて低減できるという効果もある。
請求項14記載の画像表示媒体用の電極の製造方法によれば、請求項13記載の画像表示媒体用の電極の製造方法の奏する効果に加えて、電極形成工程は、導電性高分子が、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒に分散又は溶解された液体を含むインクを用いるインクジェット法によって、基板上の所定の位置に塗布する導電性組成物塗布工程を含むので、スパッタ法や蒸着法に比べて穏和な条件で電極を基板上に形成できるという効果がある。また、基板上への電極の形成が容易であり、特に、可撓性を有する薄い樹脂製基板に対しては、基板を損傷することなく電極を形成できるという効果がある。さらに、電極を形成するための装置に対するコスト及び製造コストが、スパッタ法や蒸着法などに比べて低減できるという効果もある。加えて、インクジェット法を用いることによって、画像データに従った特定のパターン又は形状を有する電極を形成することができる。従って、予め特定のパターンを表示する用途の画像表示媒体を容易に作成できるという効果がある。
請求項15記載の画像表示媒体用の電極の製造方法によれば、請求項14記載の画像表示媒体用の電極の製造方法の奏する効果に加えて、液体は、導電性高分子としてのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸塩とを少なくとも含むので、導電性高分子が、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒に安定に分散又は溶解された液体を得ることができ、時間経過によっても液体中の導電性高分子の不均一化を抑制することができる。よって、そのような液体含むインクを用いた場合、液体中の導電性高分子が不均一化したことに起因するインクのヘッドへの目詰まりを抑制することができるという効果がある。また、時間経過に拘わらず良質な電極を形成できるという効果もある。
請求項16記載の画像表示媒体用の電極の製造方法によれば、電極形成工程の後に、保護膜形成工程により、含フッ素化合物を含有する液体が塗布されると、一対の電極のそれぞれの表面に保護膜が形成されるので、電極が保護膜により覆われるために、その電極と液体である電気泳動媒体とが直接接触することを防止することができる。その結果として、電極が劣化することを防止できるという効果がある。
以下、本発明の好ましい態様について、添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の画像表示媒体10を説明する図であり、図1(a)は、画像表示媒体10に画像を表示させる表示装置1全体の斜視図であり、図1(b)は、画像表示媒体10の構造を概略的に示す分解斜視図である。
図1(a)に示すように、表示装置1は、画像表示媒体10と本体20とから構成される装置であり、本体20に画像表示媒体10を配置した上で所定の操作を行うことにより、画像表示媒体10に画像を表示できるものである。
本体20は、画像表示媒体10の大きさより一回り大きい矩形状に形成されたベースプレート25と、そのベースプレート25の周縁に沿って取り付けられた枠体26とを備えている。枠体26は、ベースプレート25の周囲に、その一部(図1(a)ではベースプレート25の左方)が開口されて設けられている。枠体26が一部開口されて設けられていることにより、ユーザは、表示装置1への画像表示媒体10の挿入や、表示装置1からの画像表示媒体10の取り出しを容易に行い得る。この枠体26には、画像表示媒体10に備えられているX電極12a及びY電極13a(いずれも図1(b)参照)に印加する電気信号(電流、電圧、極性)を制御する駆動制御ユニット(非図示)が内包されている。
また、枠体26の表面には、電源スイッチ26aと、コネクタ26bとが設けられている。電源スイッチ26aは、駆動制御ユニット(非図示)に含まれるCPUによって管理されており、電源スイッチ26aがオンされたことがCPUにより検出されると、本体20に電源が供給される。コネクタ26bは、画像表示媒体10に表示する画像に関する画像データを送信する外部装置(パーソナルコンピュータなど)とケーブルを介して接続されるインターフェイスの一部である。
画像表示媒体10が表示装置1に挿入されて、ベースプレート25上の所定位置に配置されると、画像表示媒体10のX電極12a及びY電極13a(いずれも図1(b)参照)が、枠体26に内包された駆動制御ユニット(非図示)に接続される。そして、駆動制御ユニット(非図示)の制御により、コネクタ26bを介して外部装置から入力される画像データに従う画像が画像表示媒体に表示される。
画像表示媒体10は、図1(b)に示すように、第1基板12と、第2基板13と、その第2基板13と第1基板12との間に挟持されるギャップスペーサ17とを主に備えており、これらが積層されて構成されたものである。なお、詳しくは図2を参照しつつ後述するが、ギャップスペーサ17の介在によって離間される第1基板12と第2基板13との間には、帯電粒子31を含む電気泳動媒体30(いずれも図2参照)が充填されている。
第1基板12及び第2基板13は、いずれも、厚さが約20μm程度の可撓性を有するフィルムであり、その材質として、合成樹脂、天然樹脂、紙などが挙げられる。第1基板12及び第2基板13の材質としては、好ましくは、合成樹脂であり、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)やポリフェニレンサルファイド(PPS)などのポリエステル系樹脂、アラミド、ポリイミド、ナイロン、ポリプロピレン、硬質ポリエチレン(高密度ポリエチレン)などが挙げられる。これらの合成樹脂の中でも、透明性、強度、耐熱性の点から、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリフェニレンサルファイドが特に好ましい材質であり、最も好ましい材質は、ポリエチレンテレフタレートである。第1基板12及び第2基板13として、上記のような可撓性を有するフィルムを用いることにより、画像表示媒体10全体が可撓性を示す。
第1基板12及び第2基板13には、画像表示媒体10において互いに対向する側の面上に、それぞれ、X電極12a及びY電極13aが設けられている。X電極12a及びY電極13aは、電気泳動媒体30(図2参照)に電界を与えるための極性を担うものである。X電極12a及びY電極13aは、いずれも、複数本の略平行なライン状に形成されている。また、X電極12aとY電極13aとは、画像表示媒体10において、互いに略直交するように構成されている。即ち、画像表示媒体10は、これらの電極12a,13aのオン又はオフを切り換える単純マトリックス駆動方式によって画像が表示されるものである。
X電極12a及びY電極13aはいずれも、導電性高分子を含有する液体を用いて、例えば、インクジェット法、スピンコート法、スプレー法、コーティング法などの方法によって形成される。なお、電極12a,13aを形成するための材料や、基板12,13上に電極12a,13aを形成する方法については、図4などを参照しつつ後述する。
ギャップスペーサ17は、合成樹脂などから構成される約20μm程度の厚さのフィルムであり、その中央部に開口部17aが開口されている。ギャップスペーサの材質としては、第1基板及び第2基板の材質として上記で列挙した樹脂などが挙げられる。
なお、第1基板12におけるX電極12aの形成面、及び、第2基板13におけるY電極13aの形成面には、それぞれ、耐液性の保護膜18(図2参照)が設けられているが、図面が複雑化されることを防ぐために、図1(b)では保護膜18の図示を省略している。
次に、図2を参照して、画像表示媒体10の構造についてより具体的に説明する。図2は、画像表示媒体10の断面図である。なお、図2の断面図は、第1基板12上に形成されたX電極12aのうちの1本を通り、且つ、第2基板上に形成されたY電極13aのそれぞれに対して略直交する切断線で切断した場合の断面を図示したものである。また、図面による理解を容易にするために、図2では、基板12,13や、電極12a,13aや、スペーサ17や、保護膜18を模式的に図示しており、それぞれの部材の厚さの相対的な比率は、実際のものを無視して図示している。
図2に示すように、画像表示媒体10における第1基板12と第2基板13との間には、正又は負に帯電された帯電粒子31を含む電気泳動媒体30が充填されている。帯電粒子31は、正に帯電されている白色の白色帯電粒子31aと、負に帯電されている黒色の黒色帯電粒子31bとから構成されている。白色帯電粒子31aや黒色帯電粒子31bとしては、白色の酸化チタンや黒色のカーボンブラックなど、あるいは、フタロシアニン系顔料などの有機顔料をポリマ樹脂で被覆したものや、アゾ染料又はキノリン系染料などの公知の染料で着色された微細なポリマビーズなどが使用できる。
これらの白色帯電粒子31a及び黒色帯電粒子31bは、それぞれ、画像表示媒体10における各画素毎に、X電極12aとY電極13aとの間に発生される電界に応じて、第1基板12側又は第2基板13側に泳動される。なお、画像表示媒体10における「画素」は、格子状であるX電極12aとY電極13aとが交差する部分を中心とする領域であり、1つの交差するX電極12aとY電極13aとの間に他の領域とは独立して発生された電界によって、帯電粒子31が他の領域とは独立して移動する領域に相当する。
より具体的には、1の画素において、Y電極13aがX電極12aに対して正となるように電界が形成された場合には、負に帯電されている黒色帯電粒子31bは、第2基板13側(Y電極13a側)に泳動し、一方で、正に帯電されている白色帯電粒子31aは、第1基板12側(X電極12a側)に泳動する。この場合、第2基板13が、ユーザにより視認される側の面(以下、「視認面」と称する。)であれば、ユーザは、この画素が黒色で表示されていることを視認することになる。なお、以下において、ユーザが視認面を視認した場合に、黒色であることが視認される画素の状態を「表示状態」と称する。
一方で、1の画素において、Y電極13aがX電極12aに対して負となるように電界が形成された場合には、正に帯電されている白色帯電粒子31aが、第2基板13側(Y電極13a側)に泳動し、一方で、負に帯電されている黒色帯電粒子31bは、第1基板12側(X電極12a側)に泳動する。この場合、第2基板13が視認面であれば、ユーザは、この画素が白色で表示されていることを視認することになる。なお、以下において、ユーザが視認面を視認した場合に、白色であることが視認される画素の状態を「非表示状態」と称する。
画像表示媒体10が本体20に装着されると、各画素単位でX電極12a及びY電極13aの極性が、駆動制御ユニット(非図示)により制御され、それによって、画像表示媒体10における各画素の表示状態と非表示状態とが電気的に切り換えられる。その結果として、画像表示媒体10は、コネクタ26bを介して外部装置から入力される画像データに従う画像を表示したり、表示されている画像を消去したりすることができる。
電気泳動媒体30は、電気抵抗が高い(絶縁性が高い)溶媒が好ましく、好ましい溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素溶媒(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素溶媒(例えば、ヘキサン、シクロヘキサンなどの直鎖又は環状パラフィン系炭化水素溶媒、イソパラフィン系炭化水素溶媒、ケロシンなど)、ハロゲン化炭化水素溶媒(例えば、クロロホルム、トリクロロエチレン、ジクロロメタン、トリクロロトリフルオロエチレン、臭化エチルなど)、シリコーンオイルのようなオイル状のポリシロキサン、高純度石油などが挙げられる。なお、電気泳動媒体30は、上記のような各溶媒を単独で用いても、2種以上の混合物として用いてもよい。
以下に、本発明の画像表示媒体10における電極(X電極12a及びY電極13a)の製造方法について説明する。
本発明の画像表示媒体10における電極(X電極12a及びY電極13a)は、媒体中に分散可能であるか又は可溶性である導電性高分子を用いて製造される。媒体中に分散可能であるか又は可溶性である導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン系導電性高分子などの脂肪族共役系導電性高分子、ポリパラフェニレン系導電性高分子などの芳香族共役系導電性高分子、ポリピロール系導電性高分子やポリチオフェン系導電性高分子などの複素環式共役系導電性高分子、又は、脂肪族共役系又は芳香族共役系をヘテロ原子で結合したポリアニリン系導電性高分子などの含ヘテロ原子共役系導電性高分子、あるいは、これらの各共役系導電性高分子の構成単位が少なくとも2種以上混合されて構成される導電性高分子であるポリビニレンフェニレン系導電性高分子などの混合型共役系導電性高分子などが挙げられる。
本発明の画像表示媒体10における電極(X電極12a及びY電極13a)を製造するための導電性高分子としては、ポリピロール系導電性高分子やポリチオフェン系導電性高分子などの複素環式共役系導電性高分子が好ましい。特に、ポリピロール系導電性高分子やポリチオフェン系導電性高分子は、分散液や溶液のような液体の調製が比較的容易であり、電気的特性(表面抵抗率で表されるような導電性)や液体中での化学的安定性に優れているので特に好ましい。最も好ましい導電性高分子は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である。
上記のような導電性高分子を分散又は溶解させる溶媒(液体)としては、安全性や環境対応性の点から、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒であることが好ましい。なお、導電性高分子を溶媒に安定に分散又は溶解させるために、ポリスチレンスルホン酸塩などを添加してもよい。このポリスチレンスルホン酸塩は、例えば、アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩など)など、導電性高分子が媒体中に分散されることを阻害しないイオンを対イオンとする塩などが挙げられる。ポリスチレンスルホン酸塩における対イオンは、1種類であっても、2種類以上が混合されていてもよい。なお、本明細書及び特許請求の範囲における「ポリスチレンスルホン酸塩」は、少なくとも一部のスルホン酸基(−SO3H)がスルホン酸塩(−SO3 −X+,Xは対イオン)となっているポリスチレンスルホン酸を意味し、導電性高分子が分散又は溶解された液体中において、一部が電離されずにスルホン酸基(−SO3H)の形態になっているものも含まれる。
導電性高分子が分散又は溶解された液体であって、本発明の画像表示媒体10における電極(X電極12a及びY電極13a)を製造するために用いられるものとして好ましいものとして、例えば、Denatron P−502RG(ナガセケムテックス(株))などが挙げられる。
図3は、導電性高分子が分散又は溶解されている液体の一例を説明する図であり、導電性高分子が分散又は溶解されている液体の一例として、Denatron P−502RGが例示されている。図3(a)は、Denatron P−502RGに含まれる主な成分の化学構造を表した図であり、図3(b)は、Denatron P−502RGの特性値(カタログ値)を表した図であり、図3(c)は、Denatron P−502RGを用いて調製したインクの特性値を表した図である。
Denatron P−502RGは、導電性高分子として、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であるBytron P(図3(a)における上側の構造式)を含む水ベースの分散液である。Denatron P−502RGはまた、ポリスチレンスルホン酸塩(図3(a)における下側の構造式)を含んでおり、それによって、Bytron Pが水中に安定に分散される。
Denatron P−502RGは、図3(b)に示すように、Bytron Pが水に分散された分散液である。実際には、この分散液は、Bytron Pがコロイド粒子(10nm程度の粒子)として安定に分散されたコロイド溶液であり、多くの高分子物質の溶液において観察される非ニュートン型の粘弾性を示さない。よって、例えば、Denatron P−502RGを用いて調製したインクをインクジェットプリンタに使用した場合には、ノズル付近でのインクの粘度が増大せず、インクを安定的にノズルから吐出させることができる。
Denatron P−502RG単体の粘度は、図3(b)に示すようにカタログ値によれば、25℃で100mPa・s未満であるが、エタノールで希釈することによって、Bytron Pの分散安定性や電気的特性を保ちつつ粘度を低下させることができる。図3(c)に示すように、Denatron P−502RGの原液を、その重量の2倍の重量のエタノールで希釈した液体の粘度は、6.03mPa・s(25℃)であった。この粘度は、インクジェットプリンタ用のインクとして利用可能な粘度である。なお、インクジェットプリンタ用のインクとしては、安定的な吐出を可能とするために、その粘度が、0より大きく30mPa・s以下であることが好ましい。また、より好ましいインクの粘度は20mPa・s以下であり、特に好ましいインクの粘度は10mPa・s以下である。
また、Denatron P−502RGなどの導電性高分子の分散液又は溶液に対し、その粘度の調整をするための希釈溶媒としては、150℃以下(好ましくは120℃以下)での乾燥時に揮発し易いアルコールが好ましく、安価であり且つ安全性及び環境対応性の高いC1−C4の直鎖又は分岐鎖を有する1価アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロプルアルコールなど)がより好ましい。なお、これらのアルコールの添加によって、インクの粘度が調整される上に、インクの表面張力が下がる。そのため、アルコールの添加されたインクは、基板へ塗布する際にインク液適が基板表面に広がり易い。
また、図3(c)に示すように、Denatron P−502RGの原液を、その重量の2倍のエタノールで希釈した液体をPETフィルムに塗布した場合の表面抵抗率は、25℃で2.8×104Ω/□であった。なお、「表面抵抗率」は、単位面積あたりの抵抗を表す値である。
図3(c)に示したように、Denatron P−502RGのエタノール希釈液が示したΩ/□単位で104オーダーの表面抵抗率は、液晶パネル用の電極として用いられるITO電極(表面抵抗率が数Ω/□〜300Ω/□程度)や銅などの金属電極(Ω/□単位で10−2オーダーの表面抵抗率)とは異なり、液晶パネル用の電極としては不適当である。しかし、このようなΩ/□単位で104オーダーの表面抵抗率は、本発明の画像表示媒体10のような電流が殆ど流れない電気泳動方式の画像表示媒体用の電極としては優れた値である。なお、Ω/□単位で105オーダー以下の表面抵抗率であれば、電気泳動方式の画像表示媒体用の電極として利用可能である。
また、Denatron P−502RGなどの導電性高分子の分散液又は溶液を希釈することによって調製されたインク(以下、「導電性高分子含有インク」と称する)に、エチレングリコールを添加すると、その導電性高分子含有インクから形成された電極の表面抵抗率を低下させること、即ち、電極の電気的特性をより向上させることができる。エチレングリコールの添加量は、導電性高分子インクの総重量に対する1/20重量%から2/5重量%までの量であり、より好ましくは、1/10重量%から1/3重量%までの量である。
図4は、本発明の画像表示媒体10用の電極を製造する電極製造方法を説明する図である。図4に示すように、本発明における電極製造方法は、まず、第1基板12(又は第2基板13)上に、X電極12a(又はY電極13a)を形成する電極形成工程(S1)を行う。
この電極形成工程(S1)は、導電性材料塗布工程(S1a)と、導電性材料乾燥工程(S1b)とを含む。導電性材料塗布工程(S1a)は、前処理をした第1基板12(又は第2基板13)上におけるX電極12a(又はY電極13a)を形成すべき部分に、導電性高分子含有インクIを塗布する工程である。この導電性材料塗布工程(S1)において、第1基板12(又は第2基板13)上への導電性高分子含有インクIの塗布は、インクジェット法、スピンコート法、スプレー法、コーティング法などの方法を用いることができる。これらの方法は、基板上にITO電極や金属電極を形成するためのスパッタ法や蒸着法に比べて条件的に穏和である上に、コスト的にも安価である。これらの方法の中でも特に、インクジェット法による導電性高分子含有インクIの塗布は、画像データに従った特定のパターン又は形状を有する電極を作成できるので好ましい。
導電性材料乾燥工程(S1b)は、導電性材料塗布工程(S1a)により第1基板12(又は第2基板13)上に塗布された導電性高分子含有インクIを乾燥する工程である。この導電性材料乾燥工程(S1b)では、X電極12a(又はY電極13a)が形成された第1基板12(又は第2基板13)を、自然乾燥又はオーブンなどの乾燥器を用いる加熱乾燥によって乾燥させる。加熱乾燥をする場合には、可撓性を有する第1基板12(又は第2基板13)が損傷されない程度の温度(例えば、150℃以下)で乾燥が行われ、より好ましい乾燥温度は120℃以下である。この導電性材料乾燥工程(S1b)により、導電性インクIの塗布により形成されたX電極12a(又はY電極13a)が、第1基板12(又は第2基板13)上に定着され、電極として使用し得る状態となる。従って、本発明の方法によれば、比較的低い温度での加熱によって電極(X電極12a又はY電極13a)を形成することができ、比較的熱に弱い可撓性の基板(第1基板12又は第2基板13)であっても基板を熱で損傷することなく電極を形成することができる。
電極形成工程(S1)の後、第1基板12(又は第2基板13)におけるX電極12a(又はY電極13a)の設けられた面に、X電極12a(又はY電極13a)の表面に、耐液性の保護膜18を形成する保護膜形成工程(S2)を行う。
この保護膜形成工程(S2)は、コーティング剤塗布工程(S2a)と、コーティング剤乾燥工程(S2b)とを含む。コーティング剤塗布工程(S2a)は、第1基板12(又は第2基板13)における、電極形成工程(S1)によりX電極12a(又はY電極13a)の設けられた側の面に、液体状のコーティング剤Cを塗布する工程である。
コーティング剤Cとしては、含フッ素化合物を含有する液体などが、撥水性、撥油性、耐食性、耐薬品性などに優れた保護膜18を形成できるので好ましい。コーティング剤Cを調製するために用いられる含フッ素化合物としては、所定の温度以上で液体状になる含フッ素化合物が好ましく、例えば、低分子量ポリテトラフルオロエチレン(低分子量PTFE)、低分子量ポリクロロトリフルオロエチレン(低分子量PCTFE)、低分子量テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(低分子量PFA)、低分子量テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(低分子量FEP)などが挙げられる。
コーティング剤塗布工程(S2a)において、第1基板12(又は第2基板13)上にコーティング剤Cを塗布する方法としては、スプレー式、ディッピング法、ゾルゲル法などの種々の塗布方法が挙げられる。特に、スプレー式、ディッピング法、ゾルゲル法は、簡便であり、保護膜18を容易に形成することができるので好ましい。
コーティング剤乾燥工程(S2b)は、コーティング剤塗布工程(S2a)により第1基板12(又は第2基板13)上に塗布されたコーティング剤Cを乾燥する工程である。このコーティング剤乾燥工程(S2b)では、第1基板12(又は第2基板13)に塗布されたコーティング剤Cを、自然乾燥又はオーブンなどの乾燥器を用いる加熱乾燥によって乾燥させる。加熱乾燥をする場合には、可撓性を有する第1基板12(又は第2基板13)が損傷されない程度の温度(例えば、150℃以下)で乾燥が行われる。このコーティング剤乾燥工程(S2b)により、保護膜18が第1基板12(又は第2基板13)上に定着される。保護膜18は、X電極12a(又はY電極13a)の表面を覆っており、それによって、画像表示媒体10の完成後において、X電極12a(又はY電極13a)と電気泳動媒体30とが直接接触することが防止される(図2参照)。従って、X電極12a(又はY電極13a)が液体である電気泳動媒体30と接触することに伴う電極の劣化を防止することができる。
次に、図5及び図6を参照して、本発明の画像表示媒体10の電極を製造する上で好適なインクジェットプリンタ100について説明する。図5は、インクジェットプリンタ100の概観斜視図である。
インクジェットプリンタ100は、パーソナルコンピュータ(以下、「PC」と称する)200に接続されて、PC200から入力された画像データ(ビットマップデータ)に従い、被印刷物である基板(第1基板12又は第2基板13)上における電極形成箇所に導電性高分子含有インクIを塗布(又は印刷)するものである。
このインクジェットプリンタ100は、図5に示すように、導電性高分子含有インクIを吐出するためのインクジェットヘッド111を有するヘッドユニット110と、そのヘッドユニット110に装着されるキャリッジ120と、このキャリッジ120を直線方向(矢印Xの方向)に往復移動させるヘッド駆動ユニット140と、インクジェットヘッド111の裏面側に設けられているインク吐出面(非図示)の下方側に位置し、被印刷物である基板(第1基板12又は第2基板13)を載置するステージ150と、キャリッジ120の移動方向に対して直交する方向(矢印Yの方向)にステージ150を往復移動させるステージ軸駆動ユニット160と、インクジェットヘッド111に導電性高分子含有インクIを供給するインクタンク180とを主に備えている。
ヘッド駆動ユニット140は、キャリッジ120の移動方向(矢印Xの方向:以下、「X軸方向」と称する)に延び、キャリッジ120の下側に配置されたガイド板121,122と、2つのキャリッジ駆動用プーリ(非図示)と、その2つのキャリッジ駆動用プーリ(非図示)の間を掛け渡されるキャリッジ駆動用エンドレスベルト(非図示)とを備えている。
2つのうちの一方のキャリッジ駆動用プーリ(非図示)がX駆動モータ211(図6参照)の駆動によって正逆回転されると、その正逆回転に伴って、キャリッジ駆動用エンドレスベルト(非図示)に接合されているキャリッジ120が、ガイド板121、122に沿ってX軸方向(矢印Xの方向)に往復運動される。
ステージ軸駆動ユニット160は、ステージ150の下側に配置され、X軸方向に直交する方向(矢印Yの方向:以下、「Y軸方向」と称する)に延びる凹形状のガイドレール161と、そのガイドレール161の内側に収納され、Y軸方向に延びる棒状体であるステージ駆動軸(非図示)と、2つのステージ駆動用プーリ(非図示)と、その2つのステージ駆動用プーリ(非図示)の間を掛け渡されるステージ駆動用エンドレスベルト(非図示)とを備えている。
2つのうちの一方のステージ駆動用プーリ(非図示)がY駆動モータ221(図6参照)の駆動によって正逆回転されると、その正逆回転に伴って、ステージ駆動用エンドレスベルト(非図示)に接合されているステージ150が、ステージ駆動軸(非図示)及びガイドレール161に沿ってY軸方向(矢印Yの方向)に往復運動される。
インクジェットヘッド111は、ヘッドユニット110の下方に配設されており、略箱状に形成されている。インクジェットヘッド111の底面には、導電性高分子含有インクIを吐出する複数のノズル(非図示)が穿設されたインク吐出面(非図示)が設けられている。このインクジェットヘッド111における複数のノズル(非図示)は、4列のノズル列を有している。よって、1列のインクジェットプリンタに対応するインクジェットヘッドに比べて高解像度で導電性高分子含有インクIを吐出することができる。インクジェットヘッド111におけるインク吐出面(非図示)は、キャリッジ120の移動方向に略平行であると共に、ステージ150の上面に対して略平行に形成されている。
インクタンク180は、その内部に導電性高分子含有インクIが貯留されるタンクであり、加圧ポンプPに接続されるチューブ181と、ヘッドユニット110に接続されるチューブ182とを備えている。チューブ181におけるインクタンク180に挿入される側の端部は、導電性高分子含有インクIの液面と接触しない位置に配置されている。一方で、チューブ182におけるインクタンク180に挿入される側の端部は、導電性高分子含有インクIの液中に浸積されている。加圧ポンプPにより加圧されると、導電性高分子含有インクIが、インクタンク180からチューブ182を通ってヘッドユニット110へ導出される。そして、後述するヘッド駆動回路208(図6参照)による制御に従って、導電性高分子含有インクIがインクジェットヘッド111から吐出される。
よって、インクジェットプリンタ100は、ステージ150上へ被印刷物である基板(第1基板12又は第2基板13)が載置されると、PC200から電極(X電極12a又はY電極13a)の形状又はパターンに応じた画像データに応じて、ステージ150及びキャリッジ120が、それぞれ、Y軸方向及びX軸方向に往復移動しつつ、インクジェットヘッド111から導電性高分子含有インクIを吐出する。その結果として、導電性高分子含有インクIが、画像データに応じた形状又はパターンで基板(第1基板12又は第2基板13)上に塗布される。
このインクジェットプリンタ100では、被印刷物は、剛性を有するステージ150上に載置されて印刷されるので、高い印刷精度で被印刷物への印刷を行うことができる。なお、さらに印刷精度を向上させるために、キャリッジ120上などにCCDカメラを設置し、そのCCDカメラからの映像に基づいて、被印刷物上の目標点をモニタリングし、被印刷物の原点を合わせるように構成してもよい。この場合、CCDカメラを複数(例えば、2つ)設置することによってより精度よく原点合わせを行うことができる。
また、このインクジェットプリンタ100では、被印刷物は、剛性を有するステージ150上に載置されて印刷されるので、本発明の画像表示媒体10で用いられる可撓性の基板(例えば、樹脂フィルム)だけでなく、ガラス基板のような剛性を有する基板であっても、基板上に導電性高分子含有インクIを塗布できる。
図6は、インクジェットプリンタ100の電気的構成を示すブロック図である。上記の構造を有するインクジェットプリンタ100は、図6に示すように、演算装置であるCPU201と、そのCPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶した書き換え不能な不揮発性のメモリであるROM202と、CPU201により実行される各種処理に必要なデータやプログラム等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、画像データ処理部204と、PC200と接続されて、画像データなどの入出力を行うインターフェイスである入出力インターフェイス205(I/F205)と、データ転送処理部206と、Xドライバ210と、Yドライバ220と、これらの各構成に接続される入出力ポート209(I/O209)と、ヘッド駆動電源207と、ヘッド駆動回路部208と、そのヘッド駆動回路部208により駆動されるインクジェットヘッド111と、Xドライバ210により駆動されるX駆動モータ211と、そのX駆動モータ211により駆動されるヘッド駆動ユニット140と、Yドライバ220により駆動されるY駆動モータ221と、そのY駆動モータ221により駆動されるステージ駆動ユニット160とを主に備えている。
画像データ処理部204は、PC200から印刷指示と共に入力された2次元の画像データ(ビットマップデータ)を、CPU201による制御の下に、一次元のシーケンシャルデータに変換するものである。データ転送制御部206は、画像データ処理部204により変換された一次元のシーケンシャルデータに基づいてインクジェットヘッド111を駆動させるための各種信号を、CPU201による制御の下に生成し、ヘッド駆動回路部208へ出力するものである。ヘッド駆動回路部208は、ヘッド駆動電源207から供給される電圧を、データ転送制御部206から出力された信号に従う駆動パルスに変換してインクジェットヘッド111に出力するものであり、その結果として、PC200からの画像データに従う適量のインクがインクジェットヘッド111から吐出される。
図6に示したようなインクジェットプリンタ100へ入力するための画像データは、PC200から入力される画像データは、描画ソフトなどを用いてユーザの所望する電極の形状又はパターンに自在に作成することができる。よって、特定の画像のみを電気泳動方式によって表示する画像表示媒体用の電極を容易に形成することができる。図7は、そのように特定の画像のみを電気泳動方式によって表示する画像表示媒体300を例示する図である。
画像表示媒体300は、図7に示すように、「other」という文字を表す文字領域301の表示状態と、この文字領域301に対し間隙部分303を介して形成される領域である背景領域302の表示状態とを、それぞれ独立して切り換えることができるものである。
この画像表示媒体300は、視認面に相当する側の基板上に、文字領域301に対応する領域一面に形成された電極L(非図示)と、背景領域302に対応する領域一面に形成された電極M(非図示)とを設け、他方の側の基板上には一面に電極N(非図示)を設けることによって作製できる。
この画像表示媒体300を、表示装置1と同様の表示装置に挿入すると、電極L、電極M、電極Nにおける基板端部に相当する箇所に設けられた端子部(非図示)が、その表示装置が備える駆動制御ユニット(表示装置1に設けられている制御ユニットに相当するもの)に接続される。そして、ユーザの操作に応じた駆動制御ユニットの制御により、文字領域301及び背景領域302の表示が、それぞれ独立して白色又は黒色に切り換えられる。
このような画像表示媒体300を作製するためには、図7に示すような間隙部分303を白抜きとし、文字領域301及び背景領域302をベタ塗りした画に対応する画像データを作製し、その画像データを、導電性高分子含有インクI及びインクジェットプリンタ(インクジェットプリンタ100など)を用いて印刷すればよい。その結果として、基板上に電極L及び電極Mを形成することができる。従って、導電性高分子含有インクIとインクジェット方式とを用いることにより、ユーザの作成した画像データに応じた特定の形状の電極を容易に製造することができる。
以上説明したように、本発明の画像表示媒体10は、一対の電極(X電極12a及びY電極13a)が、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒などの液体に対して分散可能である又は可溶性である導電性高分子を少なくとも含んで構成される。よって、その導電性高分子を分散又は溶解させた液体から調製される導電性高分子含有インクIを用いて基板(第1基板12又は第2基板13)上に電極を形成する場合、インクジェット法、スピンコート法、スプレー法、コーティング法などを用いることにより、スパッタ法や蒸着法に比べて穏和な条件で電極を基板上に形成することができる。そのため、基板上への電極の形成が容易であるだけでなく、特に、基板(第1基板12又は第2基板13)が可撓性を有する薄い樹脂フィルムから構成される場合には、そのような基板を損傷することなく電極を形成できる。さらに、電極を形成するための装置に対するコスト及び製造コストが、スパッタ法や蒸着法に比べて抑えられる。
また、本発明の画像表示媒体10用の電極を形成するために、ポリチオフェン系又はポリピロール系導電性高分子などの複素環式共役系導電性高分子が導電性高分子として用いられるので、導電性高分子を、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒などに分散又は溶解させて、導電性を有する液体を調製することができる。その結果として、導電性高分子含有インクIを調製することができる。特に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)を用いた場合には、電気的特性だけでなく、化学的安定性に優れているので、時間経過に伴う液体中の導電性高分子の電気的特性の劣化を防止することができる。さらに、ポリスルホン酸塩と組み合わせることによって、この導電性高分子が溶媒中に安定に分散した分散液を調製することができる。導電性高分子の分散状態が安定である分散液を得ることによって、その分散液が調製されてからの時間経過に拘わらず良質な電極を形成することができる。
また、本発明の画像表示媒体10をインクジェット法により形成することにより、データに従った特定のパターン又は形状を有する電極を形成することができる。従って、予め特定のパターンを表示する用途の画像表示媒体を容易に作成することができる。
また、本発明の画像表示媒体10では、電極(X電極12a又はY電極13a)が、含フッ素化合物から構成される保護層18により覆われているんで、電極(X電極12a又はY電極13a)が、液体である電気泳動媒体30と直接接触しない。よって、電極(X電極12a又はY電極13a)の電極が劣化することを防止できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に基づいて限定されるものではない。なお、本実施例中における表面抵抗率の測定は、抵抗率計LorestaAP(ダイアインスツルメンツ(株)製)を用い、JIS K 7194に準じた四端子式四探針方式によって行った。
[実施例1]
(導電性高分子含有インク組成)
Denatron P−502RG 10重量部
蒸留水 10重量部
イソプロピルアルコール 10重量部
(導電性高分子含有インク組成)
Denatron P−502RG 10重量部
蒸留水 10重量部
イソプロピルアルコール 10重量部
上記の組成で各物質を混合して調製された導電性高分子含有インクの粘度は、5.4mPa・s(25℃)であった。
上記の組成を有する導電性高分子含有インクを、スピンコート法(100rpm×5sec,1000rpm×30sec)により、厚さ20μmのPETフィルム試験片(80×50mm)上に塗膜した。導電性高分子含有インクの塗膜された試験片を、100℃のオーブン中で5分間加熱して乾燥させた。乾燥後の試験片の表面抵抗率を25℃で測定したところ、2.8×104Ω/□という値を得た。
実施例1の結果から明らかなように、導電性高分子を含有する水ベースの分散液(Denatron P−502RG)にイソプロピルアルコールを添加することによって、その粘度を5.4mPa・s(25℃)とすることができた。このような粘度の値を有するインクは、インクジェット法にも有用な粘度である。また、表面抵抗率の値は、電気泳動方式の画像表示媒体用途の電極としては有用な値である。
[実施例2]
(導電性高分子含有インク組成)
Denatron P−502RG 30重量部
蒸留水 30重量部
イソプロピルアルコール 30重量部
エチレングリコール 10重量部
(導電性高分子含有インク組成)
Denatron P−502RG 30重量部
蒸留水 30重量部
イソプロピルアルコール 30重量部
エチレングリコール 10重量部
上記の組成で各物質を混合して調製された導電性高分子含有インクの粘度は、6.3mPa・s(25℃)であった。
上記の組成を有する導電性高分子含有インクを、スピンコート法(100rpm×5sec,1000rpm×30sec)により、厚さ20μmのPETフィルム試験片(80×50mm)上に塗膜した。インクの塗膜された試験片を、120℃のオーブン中で15分間加熱して乾燥させた。乾燥後の試験片の表面抵抗率を25℃で測定したところ、4.3×102Ω/□という値を得た。
実施例2の結果から明らかなように、エチレングリコールの添加により、表面抵抗率の値が小さくなる。よって、このようなエチレングリコールの添加されたインクを用いることによって、基板上に形成された電極の電気的特性をより向上させることができる。
以上、実施例に基づき本発明を説明したが、本発明は上述した実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記において、導電性高分子含有インクIを用いて形成される電極は、単純マトリックス駆動方式のものであったが、この導電性高分子含有インクIを用いて形成される電極が、各画素ごとに半導体のスイッチを設けて直接電圧をかける方式であるアクティブマトリックス駆動方式のものであってもよい。
また、上記において、第1基板12と第2基板13とにおける対向する側の面にX電極12a及びY電極13aが設けられるように構成したが、一方の電極が基板の非対向面に設けられるように構成されていてもよい。
また、上記において、画像表示媒体10は、表示装置1の本体20とが分離可能であるものとして説明したが、画像表示媒体10が、本体20と一体的に構成されて表示装置1となっているものであってもよい。
また、上記において、画像表示媒体10は、電気泳動媒体30を仕切る隔壁が設けられないように構成されたものであったが、保護層18の上に隔壁が設けられたものであってもよい。
10 画像表示媒体
12 第1基板(基板)
12a X電極(電極)
13 第2基板(基板)
13a Y電極(電極)
18 保護膜
30 電気泳動媒体
31 帯電粒子
31a 白色帯電粒子(帯電粒子)
31b 黒色帯電粒子(帯電粒子)
I 導電性高分子含有インク(インク)
12 第1基板(基板)
12a X電極(電極)
13 第2基板(基板)
13a Y電極(電極)
18 保護膜
30 電気泳動媒体
31 帯電粒子
31a 白色帯電粒子(帯電粒子)
31b 黒色帯電粒子(帯電粒子)
I 導電性高分子含有インク(インク)
Claims (16)
- 帯電された粒子を含み、電界の印加によって該粒子を電気的に移動させることによって書き換え可能な画像を表示できる、可撓性を有する画像表示媒体において、
可撓性を有し、実質的に平行に離間されて配置される一対の基板と、
前記電界を印加するために前記一対の基板にそれぞれ設けられ、液体に対して分散可能である又は可溶性である導電性高分子を少なくとも含んで構成される一対の電極と、
前記帯電された粒子を含有し、前記一対の基板間に充填される電気泳動媒体とを備えていることを特徴とする画像表示媒体。 - 前記導電性高分子は、複素環式共役系導電性高分子であることを特徴とする請求項1記載の画像表示媒体。
- 前記導電性高分子は、ポリチオフェン系又はポリピロール系導電性高分子であることを特徴とする請求項2記載の画像表示媒体。
- 前記導電性高分子は、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)であることを特徴とする請求項3記載の画像表示媒体。
- 前記電極は、前記導電性高分子が、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合媒体に分散又は溶解された液体を用いて形成されるものであることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像表示媒体。
- 前記液体は、ポリスチレンスルホン酸塩を含むことを特徴とする請求項5記載の画像表示媒体。
- 前記電極は、前記液体を含むインクを用いたインクジェット法により形成されるものであることを特徴とする請求項5又は6のいずれかに記載の画像表示媒体。
- 前記インクは、前記液体と、水及び/又はアルコールとを混合することにより、粘度が0より大きく30mPa・s以下に調整されたものであることを特徴とする請求項7記載の画像表示媒体。
- 前記粘度を調整するためのアルコールは、C1−C4の直鎖又は分岐鎖を有する1価アルコールであることを特徴とする請求項8記載の画像表示媒体。
- 前記インクは、インク総重量に対する1/10重量%から1/3重量%までの量のエチレングリコールを含むことを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の画像表示媒体。
- 前記電極は、前記一対の基板における互いに対向する側の面上にそれぞれ設けられ、
前記電極を覆う、含フッ素化合物を含有する保護膜をさらに備えていることを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の画像表示媒体。 - 前記保護膜は、前記電極の設けられた前記基板に対し、前記含フッ素化合物を含有する液体を、ディッピング法、ゾルゲル法、又は、スプレー法のいずれかを用いて塗布することによって形成されたものであることを特徴とする請求項11記載の画像表示媒体。
- 可撓性を有し、実質的に平行に配置される一対の基板と、電界を印加するために前記一対の基板にそれぞれ設けられた一対の電極と、帯電された粒子を含有し、前記一対の基板間に充填される電気泳動媒体とを備え、前記電界の印加による前記帯電された粒子の移動によって書き換え可能な画像を表示する画像表示媒体用の電極の製造方法であって、
液体に対して分散可能である又は可溶性である導電性高分子を用いて前記基板上に前記電極を設ける電極形成工程を備えていることを特徴とする画像表示媒体用の電極の製造方法。 - 前記電極形成工程は、前記導電性高分子が、水、アルコール、又は、水とアルコールとの混合溶媒に分散又は溶解された液体を含むインクを用いるインクジェット法によって、前記基板上の所定の位置に塗布する導電性組成物塗布工程を含むことを特徴とする請求項13記載の画像表示媒体用の電極の製造方法。
- 前記液体は、前記導電性高分子としてのポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸塩とを少なくとも含むことを特徴とする請求項14記載の画像表示媒体用の電極の製造方法。
- 前記電極形成工程の後に、含フッ素化合物を含有する液体を塗布することによって前記一対の電極のそれぞれの表面に保護膜を形成する保護膜形成工程を備えていることを特徴とする請求項13から15のいずれかに記載の画像表示媒体用の電極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004288963A JP2006106102A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 画像表示媒体及び画像表示媒体用の電極の製造方法 |
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JP2004288963A Withdrawn JP2006106102A (ja) | 2004-09-30 | 2004-09-30 | 画像表示媒体及び画像表示媒体用の電極の製造方法 |
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Country | Link |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007183575A (ja) * | 2005-12-08 | 2007-07-19 | Kobayashi Kirokushi Co Ltd | 情報表示媒体 |
KR100990712B1 (ko) * | 2008-04-15 | 2010-10-29 | 한국과학기술원 | 잉크젯 프린터를 이용한 고분자 전극 형성 방법 및 그시스템 |
EP2302104A1 (en) * | 2008-06-19 | 2011-03-30 | Fundacion Cidetec | Method for electrochemically covering an insulating substrate |
-
2004
- 2004-09-30 JP JP2004288963A patent/JP2006106102A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007183575A (ja) * | 2005-12-08 | 2007-07-19 | Kobayashi Kirokushi Co Ltd | 情報表示媒体 |
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