JP2006105775A - タイヤユニフォーミティの測定方法およびそれに用いられるタイヤユニフォーミティ測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤを装着するリムや、タイヤを押し付ける負荷ドラムに起因するRFV成分を排除することができ、しかも、ユニフォーミティ測定の効率を犠牲にすることなく、タイヤのRFVを同定することのできるタイヤユニフォーミティの測定方法および測定装置を提供する。
【解決手段】このタイヤユニフォーミティの測定方法は、タイヤにだけ起因するRFV波形(X)を、タイヤを1回転以上回転して得られたRFV波形(F)から、前記リムに起因するRFV誤差成分(リム成分波形)と、負荷ドラムに起因するRFV誤差成分(ドラム成分波形)とを差し引くことによって求め、求められたタイヤ成分波形の振幅を前記タイヤのRFVと同定し、
前記リム成分波形を同定するに際し、前記リムに対して予め同定された、リムの周方向角度位置に対するタイヤ装着半径の変化を表すリム半径変動波形(g(j0))に、測定するタイヤと同じタイヤ種のタイヤに対して予め測定された、タイヤの半径方向剛性を表すタイヤ縦バネ定数(S(i0))を乗じてリム成分波形とする。
【選択図】図3
【解決手段】このタイヤユニフォーミティの測定方法は、タイヤにだけ起因するRFV波形(X)を、タイヤを1回転以上回転して得られたRFV波形(F)から、前記リムに起因するRFV誤差成分(リム成分波形)と、負荷ドラムに起因するRFV誤差成分(ドラム成分波形)とを差し引くことによって求め、求められたタイヤ成分波形の振幅を前記タイヤのRFVと同定し、
前記リム成分波形を同定するに際し、前記リムに対して予め同定された、リムの周方向角度位置に対するタイヤ装着半径の変化を表すリム半径変動波形(g(j0))に、測定するタイヤと同じタイヤ種のタイヤに対して予め測定された、タイヤの半径方向剛性を表すタイヤ縦バネ定数(S(i0))を乗じてリム成分波形とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、タイヤのRFVを同定するタイヤユニフォーミティの測定方法に関し、特に、タイヤを装着するリムや、タイヤを押し付ける負荷ドラムに起因する変動誤差を排除することができ、しかも、ユニフォーミティ測定の効率を犠牲にすることのないものに関する。
従来、タイヤ回転軸線の周りに回転可能なリムにタイヤを装着し、回転可能な負荷ドラムの周面に所定の荷重条件でタイヤを押し付けながら、タイヤを回転して得られたRFV(ラジアルフォースバリエーション)波形に基づいてタイヤのRFVを同定することが行われている。そして、得られたRFV波形をそのままタイヤのRFV波形とする方法はもっとも簡単であり、この方法が一般的に行われている。
しかしながら、この場合、測定によって得られたRFV波形には、タイヤだけに起因する、タイヤ固有のRFV成分に、リムの周方向特性のばらつきに起因するRFV成分や、負荷ドラムの周方向特性のばらつきに起因するRFV成分が重畳されていて、誤差となるこれらのRFV成分を差し引いてタイヤ固有のRFV成分だけを抽出することが望まれている。
この問題に対処する方法として、リムのばらつきに起因するRFV成分を差し引く方法(例えば、特許文献1参照。)や、負荷ドラムに起因するRFV成分を差し引く方法(例えば、特許文献2参照。)が提案されている。これらの提案における、第一の対処方法は、一つのタイヤのRFV波形を求めるのに、RFV波形の測定の都度、タイヤの、リムに対する装着位置や、負荷ドラムに対する位相を変えて、それぞれの装着位置や位相に対してRFV波形の測定を行った後、これらの測定結果に基づいてリムや負荷ドラムのばらつきに起因するRFV成分を差し引く処理を行うものであり、この場合、一つのタイヤのRFV波形を求めるのに多大の時間を要し、所定量のタイヤを検査するためのユニフォーミティマシーンの数が膨大なものとなってしまうという問題があった。
また、前記提案における第二の方法は、一つのタイヤを基準タイヤとして、この基準タイヤの、リムに対する装着位置や、負荷ドラムに対する位相を変えて、それぞれの装着位置や位相に対してそれぞれRFV波形の測定を行い、これらの測定に基づいて、リムや負荷ドラムに起因するRFV成分を同定し、以降のRFVの測定に際し、このようにして求められたRFV成分を誤差として差し引く処理を行うものであり、この方法は、第一の方法に対比して、RFVの測定の都度、何度も測定を行わなく済む分、測定効率の低下を抑えることができるが、予め同定したそれらの誤差RFV成分は同じタイヤ種のタイヤのRFV測定に対してのみ有効であり、そのため、タイヤ種ごとに、リムに起因するRFV成分や、負荷ドラムに起因するRFV成分を同定する必要があり、その同定には、多大の工数と時間を要し、その点が、この方法を実用化する上での問題であった。
例えば、タイヤ種が新設された場合、このタイヤ種のタイヤの測定に用いられるすべてのリムと負荷ドラムについてこれらに起因するRFV成分を、都度同定しなければならず、また、リムを増設した場合、その都度、このリムに装着されうるすべてのタイヤ種に対して、そのタイヤ種のタイヤを装着したときのリムに起因するRFV成分を同定しておかねばならず、これには、多大の工数と費用とを要するものであった。
特開2000−234980号公報
特開平2−259445号公報
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、タイヤを装着するリムや、タイヤを押し付ける負荷ドラムに起因するRFV成分を排除することができ、しかも、ユニフォーミティ測定の効率を犠牲にすることなく、タイヤのRFV波形を同定することのできるタイヤユニフォーミティの測定方法および測定装置を提供することを目的とする。
<1>は、リムに装着されたタイヤを、所定の荷重条件で、その回転軸線と平行な軸の回りに回転可能に設けられた負荷ドラムの周面に押し付けながら回転して得られたRFV(ラジアルフォースバリエーション)波形に基づいてタイヤのRFV波形を同定するユニフォーミティの測定方法において、
前記、タイヤを1回転以上回転して得られたRFV波形(計測RFV波形)から、前記リムに起因するRFV誤差成分(リム成分波形)と、前記負荷ドラムに起因するRFV誤差成分(ドラム成分波形)とを差し引き、差し引いた差の波形を、前記タイヤにだけ起因するものとして、タイヤのRFV波形(タイヤ成分波形)と同定し、
前記リム成分波形を同定するに際し、前記リムに対して予め同定された、リムの周方向角度位置に対するタイヤ装着半径の変化を表すリム半径変動波形に、前記タイヤと同じタイヤ種のタイヤに対して予め測定された、タイヤの半径方向剛性を表すタイヤ縦バネ定数を乗じてリム成分波形とするタイヤユニフォーミティの測定方法である。
前記、タイヤを1回転以上回転して得られたRFV波形(計測RFV波形)から、前記リムに起因するRFV誤差成分(リム成分波形)と、前記負荷ドラムに起因するRFV誤差成分(ドラム成分波形)とを差し引き、差し引いた差の波形を、前記タイヤにだけ起因するものとして、タイヤのRFV波形(タイヤ成分波形)と同定し、
前記リム成分波形を同定するに際し、前記リムに対して予め同定された、リムの周方向角度位置に対するタイヤ装着半径の変化を表すリム半径変動波形に、前記タイヤと同じタイヤ種のタイヤに対して予め測定された、タイヤの半径方向剛性を表すタイヤ縦バネ定数を乗じてリム成分波形とするタイヤユニフォーミティの測定方法である。
<2>は、<1>において、前記ドラム成分波形を同定するに際し、前記負荷ドラムに対して予め同定された、周方向角度位置に対する負荷ドラム半径の変化を表すドラム半径変動波形に、前記タイヤのタイヤ種に対応する前記タイヤ縦バネ定数を乗じてドラム成分波形とするタイヤユニフォーミティの測定方法である。
<3>は、<2>において、前記ドラム半径変動波形を求めるに際し、nを2以上の整数として、タイヤを(2π/n)ラジアンずつ自転させ、もしくは、無作為に選ばれた角度ずつn回自転させ、負荷ドラムに当接させたときに得られるn個の、負荷ドラムとタイヤとの当接位置関係のそれぞれに対し、タイヤを、所定荷重条件で負荷ドラムに押し付けながら、負荷ドラム1回転分以上回転し、このとき得られた前記計測RFV波形を前記縦バネ定数で除し、それらの当接位置関係について得られたn個の波形を、負荷ドラムの位相を合わせて平均化し、平均化した波形をドラム半径変動波形とするタイヤユニフォーミティの測定方法である。
<4>は、<3>において、前記リム半径変動波形を求めるに際し、前記リムに、タイヤ成分波形が既知の基準タイヤを装着し、タイヤを1回転以上回転して得られた前記計測RFV波形から基準タイヤのタイヤRFV波形を差し引いた波形を縦バネ定数で除したあと、前記ドラム半径変動波形を差し引いてリム半径変動波形とするタイヤユニフォーミティの測定方法である。
<5>は、リムに、リムとの位相が相互に異なる複数の装着位置で、タイヤを装着し、それぞれの装着位置に対して、<4>のユニフォーミティの測定方法に基づいてリム半径変動波形を求め、各装着位置に対応して求められたリム半径変動波形を平均化して、前記リムのリム半径変動波形と同定するタイヤユニフォーミティの測定方法である。
<6>は、<4>もしくは<5>において、前記基準タイヤのタイヤ成分波形を求めるに際し、mを2以上の整数として、リムに、リムとの位相が互いに(2π/m)ラジアンずつ異なる複数の装着位置、もしくは、無作為に選ばれた角度ずつ位置の異なるm個の装着位置で、前記基準タイヤを装着し、それぞれの装着位置に対して、タイヤを1回転以上回転して得られた前記計測RFV波形から前記ドラム成分波形を差し引いたあと、これらのm個の波形を、タイヤの位相を合わせて平均化して、前記基準タイヤのタイヤ成分波形とするタイヤユニフォーミティの測定方法である。
<7>は、<1>〜<6>のいずれかのタイヤユニフォーミティの測定方法に用いられるタイヤユニフォーミティ測定装置であって、
タイヤを装着したリムを回転するタイヤ回転装置と、前記負荷ドラムと、タイヤ回転軸もしくは負荷ドラムの回転軸に作用するタイヤ半径方向の力を検出する力センサと、力センサからの信号に基づいてタイヤのRFVを算出するRFV制御装置とを具え、
RFV制御装置は、測定するタイヤのタイヤ種を外部から入力するタイヤ種入力部と、測定に使用するリムの識別符号を外部から入力するリムID入力部と、タイヤのRFVの算出に用いるパラメータを格納するパラメータ格納部と、タイヤのRFVを算出する中央制御部とを具え、
前記パラメータ格納部は、ドラム半径変動波形と、タイヤ種ごとの縦バネ定数と、リムIDごとのリム半径変動波形とを少なくとも格納し、
前記中央制御部は、ドラム半径変動波形と、タイヤ種入力部に入力されたタイヤ種に対応したタイヤの縦バネ定数と、リムID入力部に入力されたリムIDに対応したリム半径変動波形とを、パラメータ格納部から読み出すとともに、力センサからの信号にも基づいて前記計測RFV波形を作成し、計測RFV波形と、パラメータ格納部から読み出した、タイヤの縦バネ定数と、リムのリム半径変動波形と、ドラム半径変動波形とに基づいて、タイヤのRFVを同定する処理を行うよう構成されてなるタイヤユニフォーミティ測定装置である。
タイヤを装着したリムを回転するタイヤ回転装置と、前記負荷ドラムと、タイヤ回転軸もしくは負荷ドラムの回転軸に作用するタイヤ半径方向の力を検出する力センサと、力センサからの信号に基づいてタイヤのRFVを算出するRFV制御装置とを具え、
RFV制御装置は、測定するタイヤのタイヤ種を外部から入力するタイヤ種入力部と、測定に使用するリムの識別符号を外部から入力するリムID入力部と、タイヤのRFVの算出に用いるパラメータを格納するパラメータ格納部と、タイヤのRFVを算出する中央制御部とを具え、
前記パラメータ格納部は、ドラム半径変動波形と、タイヤ種ごとの縦バネ定数と、リムIDごとのリム半径変動波形とを少なくとも格納し、
前記中央制御部は、ドラム半径変動波形と、タイヤ種入力部に入力されたタイヤ種に対応したタイヤの縦バネ定数と、リムID入力部に入力されたリムIDに対応したリム半径変動波形とを、パラメータ格納部から読み出すとともに、力センサからの信号にも基づいて前記計測RFV波形を作成し、計測RFV波形と、パラメータ格納部から読み出した、タイヤの縦バネ定数と、リムのリム半径変動波形と、ドラム半径変動波形とに基づいて、タイヤのRFVを同定する処理を行うよう構成されてなるタイヤユニフォーミティ測定装置である。
<1>の発明によれば、計測RFV波形から、リム成分波形と、ドラム成分波形とを差し引くことによって、タイヤ成分波形を同定するが、このとき用いるリム成分波形を、このリムに対して予め同定された、リムの周方向角度位置に対するタイヤ装着半径の変化を表すリム半径変動波形に、前記タイヤと同じタイヤ種のタイヤに対して予め測定された、タイヤの半径方向剛性を表すタイヤ縦バネ定数を乗じたものとするので、リム半径変動波形と、タイヤ種ごとのタイヤ縦バネ定数を準備しておくだけで、リム成分波形を求めることができ、ユニフォーミティの測定を効率化することができる。
例えば、リムを増設した場合、従来はこのリムが装着できるすべてのタイヤ種(同じリム径のタイヤであっても、タイヤの剛性が異なれば、このタイヤを装着したリムのリム成分波形は異なるので、タイヤの扁平率やパターンが違うだけでも異なるタイヤ種として扱う必要がある)のそれぞれに対してリム成分波形を準備しておく必要があったが、この発明においては、増設したリムのリム半径変動波形だけをデータとして新たに測定し準備すればよく、測定の大幅な効率向上を達成することができる。
<2>の発明によれば、ドラム成分波形を同定するに際し、前記負荷ドラムに対して予め同定された、周方向角度位置に対する負荷ドラム半径の変化を表すドラム半径変動波形に、前記タイヤのタイヤ種に対応する前記タイヤ縦バネ定数を乗じてドラム成分波形とするので、ドラム半径変動波形と、タイヤ種ごとのタイヤ縦バネ定数を準備しておくだけで、ドラム成分波形を求めることができ、ユニフォーミティの測定を効率化することができる。
例えば、負荷ドラムを取り替えたり、タイヤユニフォーミティ測定装置を増設したりした場合、従来はすべてのタイヤ種のそれぞれに対してドラム成分波形を準備しておく必要があったが、この発明においては、タイヤ種とは無関係なドラム半径変動波形だけを新たに準備すればよく、測定の大幅な効率向上を達成することができる。
<3>の発明によれば、前記ドラム半径変動波形を求めるに際し、nを2以上の整数として、リムにタイヤを装着したままタイヤを(2π/n)ラジアンずつ自転させて、もしくは、無作為に選ばれた角度ずつn回自転させ、固定された負荷ドラムに当接させたときに得られるn個の、負荷ドラムとタイヤとの当接位置関係のそれぞれに対し、タイヤを、所定荷重条件で負荷ドラムに押し付けながら、負荷ドラム1回転分以上回転し、このとき得られた前記計測RFV波形を前記縦バネ定数で除し、それらの当接位置関係について得られたn個の波形を、負荷ドラムの位相を合わせて平均化し、平均化した波形をドラム半径変動波形とするので、この平均化操作により、リムとリムに装着されたタイヤリム組立体のRFV成分波形を、異なる位相同士で相殺させて消去することができ、残余のドラム成分波形だけを抽出することができる。
さらに、ドラム成分波形は、タイヤの縦バネ係数に比例し、言い換えれば、一つのタイヤ種に対するドラム成分波形がわかったならば、このドラム成分波形に、縦バネ定数比を乗ずることで、他のタイヤ種に対するドラム成分波形を求めることができることがわかっており、したがって、RFV波形を縦バネ定数で除し、前記平均化処理を施すことにより、ドラム成分波形をタイヤ種に依存しない、ドラム固有の特性、すなわち、ドラム半径変動波形を得ることができる。
<4>の発明によれば、リム半径変動波形を求めるに際し、前記リムに、タイヤ成分波形が既知の基準タイヤを装着し、タイヤを1回転以上回転して得られた前記計測RFV波形から基準タイヤのタイヤRFV波形を差し引いた波形を縦バネ定数で除したあと、前記ドラム半径変動波形を差し引いてリム半径変動波形とするので、正確に求められた基準タイヤのタイヤ成分波形と前述のように正確に求められたドラム半径変動波形とをもとにリム半径変動波形を求めることとなり、リム半径変動波形を高精度に同定することができる。
<5>の発明によれば、リムに、リムとの位相が相互に異なる複数の装着位置で、タイヤを装着し、それぞれの装着位置に対して、<4>のユニフォーミティの測定方法に基づいて求められたものを平均化してリム半径変動波形とするので、装着位置によるわずかな影響をも取り除いてリム半径変動波形を高精度に同定することができる。
<6>の発明によれば、前記基準タイヤのタイヤ成分波形を求めるに際し、mを2以上の整数として、リムに、リムとの位相が互いに(2π/m)ラジアンずつ異なる複数の装着位置、もしくは、無作為に選ばれた角度ずつ位置の異なるm個の装着位置で、前記基準タイヤを装着し、それぞれの装着位置に対して、タイヤを1回転以上回転して得られた前記計測RFV波形から前記ドラム成分波形を差し引いたあと、これらのm個の波形を、タイヤの位相を合わせて平均化して、前記基準タイヤのタイヤ成分波形とするので、この平均化操作により、リムのRFVに起因するリム成分波形を、異なる位相同士で相殺させて消去することができ、残余の波形として、基準タイヤのタイヤ成分波形だけを抽出することができる。なお、平均化処理に先立って計測RFV波形から予め差し引いておくドラム成分波形は、先に説明した方法によって同定されたものを用いるので、ドラム成分波形の影響をほぼ完全に取り除くことができ、基準タイヤのタイヤ成分波形の同定を高精度なものとすることができる。
<7>の発明によれば、先に述べた構成により、予め定められた範囲のタイヤ種のどのタイヤに対しも、また、予め準備されたIDの範囲の中から選ばれたどのリムを用いてタイヤを装着していても、これらのタイヤ種やIDを自動的に識別し、それらの情報を参照して、計測RFV波形から、リム成分波形と、ドラム成分波形とを差し引く処理を自動的にしかも高精度に行うことができる。
本発明の実施形態について、図に基づいて説明する。図1は、タイヤのRFVを測定するユニフォーミティ測定装置の基本構成を示す概略斜視図である。ユニフォーミティ測定装置1は、タイヤ2を装着したリム3を回転するタイヤ回転装置4と、タイヤ2の回転軸6と平行な軸7の回りに回転可能に設けられた負荷ドラム5と、タイヤ回転軸6もしくは負荷ドラム回転軸7(図示の場合は、タイヤ回転軸6)に作用するタイヤ半径方向の力を検出する力センサ8と、力センサ8からの信号に基づいてタイヤのRFVを算出するRFV制御装置10とを具え、タイヤ2を、所定の荷重条件で、負荷ドラム5の周面5aに押し付けながら回転させ、そのときにタイヤ回転軸6に作用するタイヤ半径方向の力を力センサ8で測定することにより、タイヤ2のRFV波形を同定することができるよう構成されている。
ユニフォーミティ測定結果は、現場に設置された表示装置14に表示されるとともに、工場中央管理装置15に伝送され、工場中央管理装置15によって、測定結果に対する処理が決定される。
図中、11は、タイヤに施された刻印からタイヤ種を識別するタイヤ種読取センサ、12は、それぞれのリムを個別に識別するためにリム3に付された識別符号を読み取るリムID読取センサであり、読取センサ11は、これらをまとめて搭載した装置である。後述するように、タイヤ種およびリムIDに関する情報は、タイヤのRFV波形を同定するのに必要なものであるが、これらのセンサ12、13によらずに他の手段、例えば、コンピュータ上で、加硫されたタイヤや、使用するリムを、初期段階からトレースしてゆくことによってこれらの情報を取得することもできる。
図2は、RFV制御装置10の構成を示すブロック線図であり、RFV制御装置10は、測定するタイヤのタイヤ種を外部の読取センサ11から入力するタイヤ種入力部21と、測定に使用するリムの識別符号を、同様に読取センサ11から入力するリムID入力部21と、タイヤのRFV波形の算出に用いるパラメータを格納するパラメータ格納部23と、タイヤのRFVを算出する中央制御部24とを具える。
パラメータ格納部23は、タイヤ種ごとの縦バネ定数と、予め測定によって同定された、リムIDごとのリム半径変動波形と、同定済みのドラム半径変動波形とを少なくとも格納し、一方、中央制御部24は、パラメータ格納部23から、ドラム半径変動波形と、タイヤ種入力部21に入力されたタイヤ種に対応したタイヤの縦バネ定数と、リムID入力部22に入力されたリムIDに対応したリム半径変動波形とを読み出すとともに、力センサ8からの信号に基づいて前記計測RFV波形を作成し、この計測RFV波形と、パラメータ格納部23から読み出した、タイヤの縦バネ定数と、リム半径変動波形と、ドラム半径変動波形とに基づいて、タイヤのRFV波形を同定する処理を行うよう構成されている。
このような装置1を用いて、タイヤのRFV波形を求める方法について説明する。図3は、タイヤのRFV波形を求めるのに必要な工程を示す工程図であり、これらの工程は、準備工程P1〜P3と、測定工程Mとの4つの工程に大別することができる。準備工程P1では、負荷ドラム5の半径の周方向変動を表すドラム半径変動波形(H)を同定し(工程P1a)、これをパラメータ格納部23に格納し(工程P1a)、準備工程P2では、ユニフォーミティの測定に用いられるすべてのリム3について、それらを識別するためのリムID(j)(j=1,…,J)に対応させて、リム3のタイヤ装着半径の周方向変動を表すリム半径変動波形(G(j))を同定し(工程P2a)、これらをパラメータ格納部23に格納し(工程P2b)、そして、準備工程P3では、測定対象となるすべてのタイヤ種について、各タイヤ種(i)(i=1,…,I)に対応させて、タイヤの半径方向剛性を表すタイヤ縦バネ定数(S(i))を測定し(工程P3a)、これらをパラメータ格納部23に格納する(工程P3b)。
また、測定工程Mにおいては、工程M1で、測定に用いるリムのリムID(j=j0)を、そして、工程M2で、測定するタイヤのタイヤ種(i=i0)をそれぞれ外部から入力するとともに、タイヤ2をリム3に装着して、ユニフォーミティ測定装置1を用いて計測RFV波形(F)を取得し(工程M3)、工程M4で、パラメータ格納部23から、ドラム半径変動波形(H)と、測定に用いたリムのリムID(j=j0)に対応するリム半径変動波形(G(j0))と、測定するタイヤのタイヤ種(i=i0)に対応するタイヤ縦バネ定数(S(i0))とを読み出し、これらのパラメータおよび取得した計測RFV波形(F)をもとに、最終的に求めたい、タイヤのRFV波形となる、タイヤ成分波形(X)を同定する。
以下に、タイヤ成分波形(X)を同定する工程M4、ドラム半径変動波形(H)を同定する工程P1a、および、リム半径変動波形(G(j))を同定する工程P2aについて、この順に詳述する。以下の説明に用いる波形は、説明をわかりやすくするため、実際の波形の一次調和成分だけ取り出したものを用い、また、負荷ドラムの周長は、押し付けた状態におけるタイヤの周長の3倍とした。また、以下の説明において、θ、φ、ψは、それぞれ、この順に対応して、タイヤ2、リム3、および負荷ドラム5についての、予め定められた基準位置からの周方向角度を示す。
まず、タイヤ成分波形(X)を同定する工程M4について、図4、および図5に基づいて詳細を説明する。図4は、以下の説明を理解するのを助けるために示すものであり、リム3に装着されたタイヤ2と、負荷ドラム5とか当接した状態において、相互に対応する、タイヤ上の点P、リム上の点Q、および負荷ドラム5上の点Rの角度位置をそれぞれの角度座標で表した図であり、図示の状態において、タイヤ2上の点Pの角度位置はθ=0ラジアン、リム3上の点Qの角度位置はφ=φ0ラジアン、負荷ドラム5上の点Rの角度位置はψ=ψ0ラジアンである。
図5(a)は、図1に示したユニフォーミティ測定装置1を用いて、タイヤ2を、所定荷重条件で負荷ドラム5に押し付けながら回転させて得られたタイヤ3周分(θ=0〜6π)の計測RFV波形(F)を、計測された力を縦軸にとり、横軸にタイヤ上の周方向角度位置をとって示したものであり、横軸の原点は、θ=0ラジアンと定めたタイヤ上の所定角度位置に対応させた。
図5(b)は、測定に用いるリム3のリムID(j=j0)に対応するリム半径変動波形(G(j0))と、測定するタイヤ2に対応するタイヤ種(i=i0)の縦バネ定数(S(i0))とを、パラメータ格納部23から読み出し、これらを掛け合わせたリム成分波形(g(i0,j0))を、装着したタイヤ2の周方向位置θ=0と対応するリムの周方向位置φ=φ0を原点にして示した波形である。
図5(c)は、パラメータ格納部23から読み出した、負荷ドラム5のドラム半径変動波形(H)に、当該タイヤ2の縦バネ定数(S(i0))を乗じたドラム成分波形(h(i0))を、装着したタイヤ2の周方向位置θ=0に対応する負荷ドラム5の周方向位置y=y0を原点にして示した波形である。そして、負荷ドラム5の周長は、この場合、タイヤ2の周長のちょうど3倍であるとしたから、ψ=(ψ0+2π/3)、ψ= (ψ0+4π/3)の周方向位置もタイヤ2の周方向位置θ=0と対応したものとなる。
計測RFV波形(F)には、タイヤ2によるRFV波形(タイヤ成分波形)(X)だけではなく、リムの周方向不均一に起因するリム誤差要因波形(リム成分波形)(g(i0,j0))、および、負荷ドラムの周方向不均一に起因するドラム誤差要因波形(ドラム成分波形)(h(i0))がタイヤ成分波形(X)に重畳されており、したがって、タイヤにだけ依存するRFVを正確に同定するには、計測RFV波形(F)から、リム3や負荷ドラム5の影響を含まないタイヤ成分波形(X)だけを抽出する必要があるが、そのためには、式(1)で示すように、計測RFV波形(F)から、リム成分波形(g(i0,j0))、および、ドラム成分波形(h(i0))を差し引いてタイヤ成分波形(X)を求める。
なお、この演算において、当然ながら、それらの波形をタイヤに位相を合わせて差し引く必要があるが、このことは、実際の、タイヤ2、リム3、負荷ドラム5上で互いに対応関係にあるそれぞれの点の位相が、波形(F)、(g(i0,j0))、(h(i0))の上でも対応関係を保つようにして処理を行うことを意味する。
図5(d)は、図5(a)の波形(F)のタイヤ第1周目だけについて、上記の演算を行って求められた波形(X)を示す図であり、同様に、図5(e)は、波形(F)のタイヤ第2周目だけ、図5(f)は、波形(F)のタイヤ第3周目だけについて、式(1)の演算を行って波形(X)を求めたものであり、図5(g)は、このようにして求めた第1〜3周目に対応する波形(X)を平均化し、これをタイヤ成分波形として同定する。
上記の例の場合は、波形(X)の3周期分を平均化してタイヤ成分波形としたが、平均化せずに、一つの波形(X)をそのままタイヤ成分波形としてもよく、平均化処理は、この場合必須のものではない。また、これより多くの周期分を平均化してもよく、この場合多くの周期を平均化することにより、測定誤差を小さくすることができる。
このように、本発明においては、ドラム成分波形(h(i))を、互いに独立なドラム半径変動波形(H)と、タイヤ縦バネ定数(S(i))とに分解し、リム成分波形(g(i,j))を、互いに独立なリム半径変動波形(G(j))と、タイヤ縦バネ定数(S(i))とに分解することにより、(I+J+1)個のパラメータを準備するだけで、すべてのリムIDとすべてのタイヤ種との組み合わせに対応することができ、一方、もし、ドラム成分波形(h(i))と、リム成分波形(g(i,j))とを、このような独立したパラメータの積よりなるものとせず、(h(i))や(g(i,j))をそのままの形で用いようとすれば、(Ix(J+1))個のパラメータを準備する必要があり、そのための工数は膨大なものとなってしまう。
なお、ドラム半径変動波形(H)と、タイヤ縦バネ定数(S(i))とが独立であること、また、リム半径変動波形(G(j))と、タイヤ縦バネ定数(S(i))とが独立であることについては、ここではその根拠に特には示さないが、実験により確認済みである。
次に、工程P1aにおける処理、すなわち、式(1)〜(3)において、タイヤ成分波形(X)を求めるのに用いたドラム半径変動波形(H)を同定する方法について以下に説明する。図6(a)〜図6(h)は、リム3にタイヤ2を装着し、リム3とタイヤ2との位相を固定したまま、タイヤ2を(2π/N)ラジアン(図示の場合はN=8、すなわち45°)ずつ自転させて、固定された負荷ドラム5に当接させたときに得られるN個の、負荷ドラムとタイヤとの当接位置関係のそれぞれに対し、図1に示したユニフォーミティ測定装置1を用いて、タイヤ2を、所定荷重条件で負荷ドラム5に押し付けながら、負荷ドラム1回転分以上回転し、このとき得られた計測RFV波形(F(δ))を、測定するタイヤ2に対応するタイヤ種(i=i0)の縦バネ定数S(i0)で除したものである。
ここで、計測RFV波形F(δ)の変数δは、負荷ドラム5とタイヤ2との当接位置関係において、基準として定めた当接位置関係におけるタイヤの位相をゼロとして、それぞれの当接位置関係に対するタイヤの位相を表したものである。図7(a)〜図7(c)は、この当接位置関係の例を示す図であり、図7(a)は、図6(a)に対応する、基準の当接位置関係を、タイヤ2と負荷ドラム5の相対位置で示す概念図であり、図7(b)は、これから(2π/8)ラジアンだけずれた、図6(b)に対応する当接位置関係を、図7(c)は、これからさらに(2π/4)ラジアンすなわち90°だけずれた、図6(d)に対応する当接位置関係をそれぞれ示す概念図である。
そして、本発明においては、計測RFV波形F(δ)を縦バネ定数Sで除した波形を平均化し、ドラム半径変動波形(H)として同定する。図6(i)はこのように平均化して得られたドラム半径変動波形(H)を示し、以上のドラム半径変動波形(H)の求め方を、式(4)によって表すことができる。
このようにしてドラム半径変動波形(H)を同定する方法の原理は、元の波形を、所定角度ずつ位相をずらし波形同士を平均化すれば互いにキャンセルし合い、同じ位相で足しあわされた成分だけ、この場合はドラム成分波形(h(i0))だけ、が残ることに基づくものである。ここで、高次の調和成分もキャンセルさせてドラム成分波形(h(i0))だけを高精度に抽出するためには、Nを大きくすればいいが、精度に反比例して処理に要する時間が増加するので、これらの点を考慮してNを決定するとよい。
なお、平均化するN個の波形は、タイヤと負荷ドラムとの位相を所定角度ずつずらしたものの集まりとしたが、これを、ランダムに選ばれた角度ずつずらした波形の集まりとしてもよく、同様な効果をえることができる。
また、この説明においては、負荷ドラム一周分について平均化したが、複数周について平均化してもよく、この場合、測定のばらつきによる精度低下に対処することができる。
次に、工程P2aにおける処理、すなわち、式(1)〜(3)において、タイヤ成分波形(X)を求めるのに用いたリム半径変動波形(G(j0))を同定する方法について以下に説明する。図8(a)は、図1に示したユニフォーミティ測定装置1を用いて、タイヤ成分波形が既知で、タイヤ種がi=i1である基準タイヤ2Aを、所定荷重条件で負荷ドラム5に押し付けながら回転させて得られたタイヤ3周分の計測RFV波形(F)を、計測された力を縦軸に、横軸に、タイヤ上のθ=0ラジアンの位置原点に対応させて表したタイヤの周方向位置をとって示したものである。
図8(b)は、基準タイヤ2Aの、既知であるタイヤ成分波形(X1)を、角度範囲θ=0〜6π、すなわちタイヤ3周分連続させて示したものであり、これを同定する方法については別途後述する。
図8(c)は、上記の測定において、タイヤのθ=0〜6πの範囲に対応した角度範囲(ψ=ψ0〜ψ0+6π)(図4を参照)における負荷ドラム5のドラム半径変動波形(H)に基準タイヤ2Aの縦バネ定数S(i1)を乗じたドラム成分波形(h(i1))を示す。このときのドラム半径変動波形(H)は、先に示した工程P1aにおいて同定されたものを使う。
リムに装着したタイヤに依存しないリムの特性として、リム半径変動波形(G(j1))は、リム成分波形(g(i1,j1))を、基準タイヤの縦バネ定数S(i1)で除すことによって求めることができ、リム成分波形(g(i1,j1))は、既に説明したことから明らかなように、図8(a)に示した計測RFV波形(F)から、図8(b)に示したタイヤ成分波形(X1)と、図8(c)に示したドラム成分波形(h(i1))との合計を、リムに位相を合わせて差し引くことによって求めることができ、このことを以下の式(5)にて表すことができる。
図8(d)は、式(5)を用いて、タイヤの第1周目のθ=0〜2πに対応するリム2の角度範囲φ=φ0〜(φ0+2π)について、リム半径変動波形(G(j1))を求めたものであり、また、図8(e)は、タイヤの第2周目のθ=2π〜4πに対応するリム2の角度範囲φ=(φ0+2π)〜(φ0+4π)について、そして、図8(f)は、タイヤの第3周目のθ=4π〜6πに対応するリム2の角度範囲φ=(φ0+4π)〜(φ0+6π)について、それぞれ、リム半径変動波形(G(j1))を求めたものである。さらに、図8(g)は、図8(d)〜(f)の波形を平均化したものである。上記の例はリム3の3周分を平均化してリム半径変動波形(G(j1))を同定したが、リム3の1周分だけについて平均化してもよく、また、3以外の複数周分についてリム半径変動波形(G(j1))を計算し、それらを平均化してもよく、何周分を平均化するかは、求められる精度によって適宜決定することができる。
さらに、リム3に位相を変えて基準タイヤを装着し、異なる位相の装着位置のそれぞれに対して、式(5)に基づいてリム半径変動波形(G(j1))を求め、これらの装着位置に対して求められたものを平均化してリム半径変動波形(G(j1))とすることもでき、この場合、装着位置に対する依存性を排除して、リム半径変動波形(G(j1))をより高精度に同定することができる。
次に、式(5)において用いた、基準タイヤ2Aの(RFVの)タイヤ成分波形(X1)を同定する方法について説明する。図9(a)〜図9(h)は、タイヤ2に対して、リム3を(2π/M)ラジアン(図示の場合はM=8、すなわち45°)ずつ、自転させて得られる装着位置のそれぞれに対し、図1に示したユニフォーミティ測定装置1を用いて、タイヤ2を、所定荷重条件で負荷ドラム5に押し付けながら、タイヤ1回転分以上回転し、このとき得られた計測RFV波形(F(δ1))から、タイヤの周方向角度位置θ=0〜2πに対応する負荷ドラムの角度位置に対応するドラム半径変動波形(H)に基準タイヤの縦バネ定数(S(i1))乗じた値を差し引いた波形である。
ここで、計測RFV波形F(δ1)の変数δ1は、リム3とタイヤ2との相対的な装着位置において、基準として定めた装着位置におけるリムの位相をゼロとして、それぞれの装着位置に対するリムの位相を表したものである。図10(a)〜図10(b)は、この装着位置の例を示す図であり、図10(a)は、図9(a)に対応する、基準の装着位置を、タイヤ2とリム3の相対位置で示す概念図であり、図10(b)は、これから(2π/8)ラジアンだけずれた、図9(b)に対応する装着位置を示す概念図である。
そして、本発明においては、図9(a)〜図9(h)に示した波形を平均化することによって、基準タイヤ2Aのタイヤ成分波形(X1)として同定する。図9(i)はこのように平均化して得られた基準タイヤ2Aのタイヤ成分波形(X1)を示し、以上のタイヤ成分波形(X1)の求め方を、式(6)によって表すことができる。
このようにしてタイヤ成分波形(X1)を同定する方法の原理は、元の波形を、所定角度ずつ位相をずらし波形同士を平均化すれば互いにキャンセルし合い、同じ位相で足しあわされた成分だけ、この場合タイヤ成分波形(X1)だけが残ることに基づくものである。ここで、高次の調和成分もキャンセルさせてタイヤ成分波形(X1)だけを高精度に抽出するためには、Mを大きくすればいいが、精度に反比例して処理に要する時間が増加するので、これらの点を考慮してMを決定するとよい。
なお、平均化するM個の波形は、タイヤとリムとの位相を所定角度ずつずらしたものの集まりとしたが、これを、ランダムに選ばれた角度ずつずらした波形の集まりとしてもよく、同様な効果をえることができる。
また、この説明においては、タイヤ一周分について平均化したが、複数周について平均化してもよく、この場合、測定のばらつきによる精度低下に対処することができる。
以上のようにして行われるRFVの同定は、RFV制御装置10によって行われるが、RFV制御装置10の処理について、測定工程Mでの処理を例にとって、図11に示したフローチャートを参照して説明する。タイヤ2がリム3に装着された状態でユニフォーミティ測定装置1に投入されると、RFV制御装置10の中央制御部24は、この装置1に設けられた読取センサ11に対して、タイヤのタイヤ種とリムIDとを読み取り、読み取ったデータを、タイヤ入力部21およびリムID入力22にそれぞれ出力するよう命令し(ステップS1)、次に、ステップS2で、タイヤ種入力部21からタイヤ種のデータを読み出し、次にステップS3で、リムID入力部22からリムIDのデータを読み出す。
そして、中央制御部24は、ステップS4で、読み取ったタイヤ種に対応する(ア)タイヤ縦バネ定数、読み取ったリムIDに対応する(イ)リム半径変動波形、および、使用する負荷ドラム5の(ウ)ドラム半径変動波形を、パラメータ格納部23よりダウンロードする処理を行う。
一方、中央制御部24は、ステップS1のあと、ステップS2〜S4の処理と並行して、タイヤ回転装置4に、タイヤ2を、所定荷重条件で負荷ドラムに押し付けながら回転し力センサ8にそのときタイヤ回転軸6に作用する半径方向の力を検出して計測RFV波形を取得するよう測定の開始命令を出力し(ステップS5)、測定中は力センサ8から、(エ)計測RFV波形データを入力し(ステップS6)、このデータの入力が完了した時点で、タイヤ回転装置4に、測定の終了命令を出力する(ステップS7)。
ついで、中央制御部24は、ステップS8で、すでにダウンロード済みの(ア)タイヤ縦バネ定数、(イ)リム半径変動波形、(ウ)ドラム半径変動波形、および、(エ)計測RFV波形をもとに、先に述べた方法で、タイヤ固有のRFV波形を同定する。そして、同定したRFVおよび関連する情報を、表示装置14に表示する(ステップS9)とともに、工場管理システム15に送信して(ステップS10)、一連の処理を終了する。
本発明は、乗用車用タイヤ、重荷重車両用タイヤを含む種々のタイヤのユニフォーミティ測定の適用することができる。
1 ユニフォーミティ測定装置
2 タイヤ
3 リム
4 タイヤ回転装置
5 負荷ドラム
6 タイヤ回転軸
7 負荷ドラム回転軸
8 力センサ
10 RFV制御装置
11 読取センサ
12 タイヤ種読取センサ
13 リムID読取センサ
14 表示装置
15 工場中央管理装置
21 タイヤ種入力部
22 リムID入力部
23 パラメータ格納部
24 中央制御部
2 タイヤ
3 リム
4 タイヤ回転装置
5 負荷ドラム
6 タイヤ回転軸
7 負荷ドラム回転軸
8 力センサ
10 RFV制御装置
11 読取センサ
12 タイヤ種読取センサ
13 リムID読取センサ
14 表示装置
15 工場中央管理装置
21 タイヤ種入力部
22 リムID入力部
23 パラメータ格納部
24 中央制御部
Claims (7)
- リムに装着されたタイヤを、所定の荷重条件で、その回転軸線と平行な軸の回りに回転可能に設けられた負荷ドラムの周面に押し付けながら回転して得られたRFV(ラジアルフォースバリエーション)波形に基づいてタイヤのRFV波形を同定するユニフォーミティの測定方法において、
前記、タイヤを1回転以上回転して得られたRFV波形(計測RFV波形)から、前記リムに起因するRFV誤差成分(リム成分波形)と、前記負荷ドラムに起因するRFV誤差成分(ドラム成分波形)とを差し引き、差し引いた差の波形を、前記タイヤにだけ起因するものとして、タイヤのRFV波形(タイヤ成分波形)と同定し、
前記リム成分波形を同定するに際し、前記リムに対して予め同定された、リムの周方向角度位置に対するタイヤ装着半径の変化を表すリム半径変動波形に、前記タイヤと同じタイヤ種のタイヤに対して予め測定された、タイヤの半径方向剛性を表すタイヤ縦バネ定数を乗じてリム成分波形とするタイヤユニフォーミティの測定方法。 - 前記ドラム成分波形を同定するに際し、前記負荷ドラムに対して予め同定された、周方向角度位置に対する負荷ドラム半径の変化を表すドラム半径変動波形に、前記タイヤのタイヤ種に対応する前記タイヤ縦バネ定数を乗じてドラム成分波形とする請求項1に記載のタイヤユニフォーミティの測定方法。
- 前記ドラム半径変動波形を求めるに際し、nを2以上の整数として、タイヤを(2π/n)ラジアンずつ自転させ、もしくは、無作為に選ばれた角度ずつn回自転させ、負荷ドラムに当接させたときに得られるn個の、負荷ドラムとタイヤとの当接位置関係のそれぞれに対し、タイヤを、所定荷重条件で負荷ドラムに押し付けながら、負荷ドラム1回転分以上回転し、このとき得られた前記計測RFV波形を前記縦バネ定数で除し、それらの当接位置関係について得られたn個の波形を、負荷ドラムの位相を合わせて平均化し、平均化した波形をドラム半径変動波形とする請求項2に記載のタイヤユニフォーミティの測定方法。
- 前記リム半径変動波形を求めるに際し、前記リムに、タイヤ成分波形が既知の基準タイヤを装着し、タイヤを1回転以上回転して得られた前記計測RFV波形から基準タイヤのタイヤRFV波形を差し引いた波形を縦バネ定数で除したあと、前記ドラム半径変動波形を差し引いてリム半径変動波形とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤユニフォーミティの測定方法。
- リムに、リムとの位相が相互に異なる複数の装着位置で、タイヤを装着し、それぞれの装着位置に対して、請求項4に記載のユニフォーミティの測定方法に基づいてリム半径変動波形を求め、各装着位置に対応して求められたリム半径変動波形を平均化して、前記リムのリム半径変動波形と同定するタイヤユニフォーミティの測定方法。
- 前記基準タイヤのタイヤ成分波形を求めるに際し、mを2以上の整数として、リムに、リムとの位相が互いに(2π/m)ラジアンずつ異なる複数の装着位置、もしくは、無作為に選ばれた角度ずつ位置の異なるm個の装着位置で、前記基準タイヤを装着し、それぞれの装着位置に対して、タイヤを1回転以上回転して得られた前記計測RFV波形から前記ドラム成分波形を差し引いたあと、これらのm個の波形を、タイヤの位相を合わせて平均化して、前記基準タイヤのタイヤ成分波形とする請求項4もしくは5に記載のタイヤユニフォーミティの測定方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のタイヤユニフォーミティの測定方法に用いられるタイヤユニフォーミティ測定装置であって、
タイヤを装着したリムを回転するタイヤ回転装置と、前記負荷ドラムと、タイヤ回転軸もしくは負荷ドラムの回転軸に作用するタイヤ半径方向の力を検出する力センサと、力センサからの信号に基づいてタイヤのRFVを算出するRFV制御装置とを具え、
RFV制御装置は、測定するタイヤのタイヤ種を外部から入力するタイヤ種入力部と、測定に使用するリムの識別符号を外部から入力するリムID入力部と、タイヤのRFVの算出に用いるパラメータを格納するパラメータ格納部と、タイヤのRFVを算出する中央制御部とを具え、
前記パラメータ格納部は、ドラム半径変動波形と、タイヤ種ごとの縦バネ定数と、リムIDごとのリム半径変動波形とを少なくとも格納し、
前記中央制御部は、ドラム半径変動波形と、タイヤ種入力部に入力されたタイヤ種に対応したタイヤの縦バネ定数と、リムID入力部に入力されたリムIDに対応したリム半径変動波形とを、パラメータ格納部から読み出すとともに、力センサからの信号にも基づいて前記計測RFV波形を作成し、計測RFV波形と、パラメータ格納部から読み出した、タイヤの縦バネ定数と、リムのリム半径変動波形と、ドラム半径変動波形とに基づいて、タイヤのRFVを同定する処理を行うよう構成されてなるタイヤユニフォーミティ測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004292589A JP2006105775A (ja) | 2004-10-05 | 2004-10-05 | タイヤユニフォーミティの測定方法およびそれに用いられるタイヤユニフォーミティ測定装置 |
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2004
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