JP5885804B1 - タイヤユニフォミティ試験機における荷重推定モデルの作成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】タイヤユニフォミティの計測に必要なタイヤ荷重が正確且つ短時間に得られる荷重推定モデルを作成することができる方法を提供すること。【解決手段】回転する回転ドラム2に押しつけられたタイヤ8に加わる荷重を計測することでタイヤ8のユニフォミティを測定するタイヤ試験装置1において、回転ドラム2に対するタイヤ8の押付位置とタイヤ8に加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する際に、タイヤ試験装置1で既にユニフォミティが測定されたタイヤについて、当該測定で得られた情報を当該タイヤの特性値ごとに保持する保持ステップと、荷重推定モデルを作成するために用いる公称モデルを、タイヤ8の特性値に応じて、保持ステップで保持した情報から取得する取得ステップと、取得した公称モデルに基づいて、タイヤ8に対する押付位置とタイヤ8に加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する作成ステップとを有する。【選択図】図2
Description
本発明は、タイヤユニフォミティ試験機において、タイヤに対する回転ドラムの押し付け位置とタイヤに発生するタイヤ荷重との関係を表現する荷重推定モデルの作成方法に関する。
従来より、製品上がりのタイヤに対してはタイヤユニフォミティ(タイヤの均一性)などを計測して良否を判定するタイヤ試験が行われている。例えば、乗用車用のタイヤについてタイヤ試験を行う場合であれば、特許文献1などに示されるような試験装置を用いて以下のような手順でタイヤユニフォミティの計測が行われる。
すなわち、特許文献1のタイヤ試験装置は、検査ラインの上流から流れてきたタイヤを上下に分割されたリムで挟み込み、タイヤを短時間で膨らまして上下リム間に固定する。その後、タイヤの内圧をテスト圧にし、テスト圧に保持されたタイヤに回転ドラムを押し付けて正転乃至は逆転させ、タイヤユニフォミティを計測する。
すなわち、特許文献1のタイヤ試験装置は、検査ラインの上流から流れてきたタイヤを上下に分割されたリムで挟み込み、タイヤを短時間で膨らまして上下リム間に固定する。その後、タイヤの内圧をテスト圧にし、テスト圧に保持されたタイヤに回転ドラムを押し付けて正転乃至は逆転させ、タイヤユニフォミティを計測する。
このようにしてタイヤユニフォミティを測定する際には、回転ドラムの押付位置と当該押付位置で発生するタイヤ荷重(押付荷重)の間の関係を正確に把握し、タイヤに対して目標の押付荷重(つまり、目標のタイヤ荷重)を正確に発生させることが必要となる。そのために、回転ドラムの押付位置と発生するタイヤ荷重との間に存在する関係を用いてタイヤ試験装置を制御し、タイヤユニフォミティの計測を実施するようにしている。
例えば、特許文献2では、回転ドラムの押付位置と当該押付位置で発生するタイヤ荷重とが線形的に変化すると仮定したときのバネ定数を用いてタイヤ試験装置を制御している。つまり、特許文献2では、押付位置と発生するタイヤ荷重との関係を予め測定し、測定された値からバネ定数を算出し、算出されたバネ定数が一定であるものとしてタイヤ荷重(押付荷重)を制御する方法が記載されている。
ところで、タイヤユニフォミティを正確に測定するためには、タイヤの種類別に所定の目標押付荷重となるように回転ドラムを押圧する必要がある。そこで、特許文献2に開示の押圧荷重設定方法は、バネ定数が一定であるとしてタイヤに対する回転ドラムの押付位置からタイヤ荷重を算出する構成となっている。つまり、特許文献2では、目標押付荷重を得るための方法として、目標押付荷重に到達するまでに測った押付位置の変位と押付荷重のフィードバック値の変化量から算出したバネ定数に基づいて計測中のタイヤ荷重を求め、タイヤの押付位置を制御している。
しかし、計測中のタイヤのバネ定数(真のバネ定数という)は外乱成分による影響を受けて変動しやすいので、計算で得られたバネ定数は、真のバネ定数と必ずしも一致せず、真のバネ定数に対して誤差を含む可能性がある。そのため、特許文献2の方法では、このような誤差を含みうる不正確なバネ定数を用いるため、タイヤユニフォミティの計測に必要なタイヤ荷重を正確にタイヤに加えることが困難である。
また、特許文献2は、バネ定数に影響を及ぼす因子として、回転ドラムの押付位置しか考慮していない。しかし実際には、バネ定数に影響を及ぼす因子として、回転ドラムの押付位置だけではなくタイヤに流入する空気の圧力なども考慮しなくてはならない。従って、仮にタイヤ内の空気圧が所定の圧力(テスト圧)からずれている場合も、バネ定数を正確に求めることが困難であり、タイヤユニフォミティの計測に必要なタイヤ荷重を正確にタイヤに加えることが困難である。
さらに、上記の理由により計算で得られたバネ定数が真のバネ定数と一致しない場合は
、必要なタイヤ荷重を実現するための押付位置を得るために、バネ定数の再計算を繰り返す必要がある。この再計算の繰り返しは、タイヤユニフォミティの計測時間を延長するので、結果として、タイヤ試験を含む検査ラインの生産性を低下させてしまう。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、タイヤユニフォミティの計測に必要なタイヤ荷重が正確且つ短時間に得られる荷重モデルを作成することができるタイヤユニフォミティ試験機における荷重モデルの作成方法を提供することを目的とする。
、必要なタイヤ荷重を実現するための押付位置を得るために、バネ定数の再計算を繰り返す必要がある。この再計算の繰り返しは、タイヤユニフォミティの計測時間を延長するので、結果として、タイヤ試験を含む検査ラインの生産性を低下させてしまう。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、タイヤユニフォミティの計測に必要なタイヤ荷重が正確且つ短時間に得られる荷重モデルを作成することができるタイヤユニフォミティ試験機における荷重モデルの作成方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明のタイヤユニフォミティ試験機における荷重推定モデルの作成方法は以下に示す技術的手段を講じている。
即ち、本発明のタイヤユニフォミティ試験機における荷重推定モデルの作成方法は、回転する回転ドラムに押しつけられたタイヤに加わる荷重を計測することで前記タイヤのユニフォミティを測定するタイヤユニフォミティ試験機において、前記回転ドラムに対するタイヤの押し付け位置と前記タイヤに加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する荷重推定モデルの作成方法であって、前記タイヤユニフォミティ試験機で既にユニフォミティが測定された試験済みのタイヤについて、当該測定で得られた情報を前記試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」ごとに保持する保持ステップと、前記荷重推定モデルを作成するために用いる公称モデルを、前記試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」に応じて、前記保持ステップで保持した情報から取得する取得ステップと、前記取得した公称モデルに基づいて、未試験の試験対象たるタイヤの押し付け位置と前記未試験の試験対象たるタイヤに加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する作成ステップと、を有することを特徴とする。
即ち、本発明のタイヤユニフォミティ試験機における荷重推定モデルの作成方法は、回転する回転ドラムに押しつけられたタイヤに加わる荷重を計測することで前記タイヤのユニフォミティを測定するタイヤユニフォミティ試験機において、前記回転ドラムに対するタイヤの押し付け位置と前記タイヤに加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する荷重推定モデルの作成方法であって、前記タイヤユニフォミティ試験機で既にユニフォミティが測定された試験済みのタイヤについて、当該測定で得られた情報を前記試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」ごとに保持する保持ステップと、前記荷重推定モデルを作成するために用いる公称モデルを、前記試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」に応じて、前記保持ステップで保持した情報から取得する取得ステップと、前記取得した公称モデルに基づいて、未試験の試験対象たるタイヤの押し付け位置と前記未試験の試験対象たるタイヤに加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する作成ステップと、を有することを特徴とする。
ここで、前記取得ステップが、前記公称モデルを、未試験の試験対象たるタイヤと最も類似度が高い別の一つの試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」に応じて取得するとよい。
また、本発明のタイヤユニフォミティ試験機におけるもう一つの荷重推定モデルの作成方法は、回転する回転ドラムに押しつけられたタイヤに加わる荷重を計測することで前記タイヤのユニフォミティを測定するタイヤユニフォミティ試験機において、前記回転ドラムに対するタイヤの押し付け位置と前記タイヤに加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する荷重推定モデルの作成方法であって、前記タイヤユニフォミティ試験機で既にユニフォミティが測定された試験済みのタイヤについて、当該測定で得られた情報を前記試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」ごとに保持する保持ステップと、前記荷重推定モデルを作成するために用いる公称モデルを、前記試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」に基づいて、前記保持ステップで保持した情報から推定される「種類ないしは径と幅」に応じて取得する取得ステップと、前記取得した公称モデルに基づいて、前記未試験の試験対象たるタイヤの押し付け位置と前記未試験の試験対象たるタイヤに加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する作成ステップと、を有することを特徴とする。
また、本発明のタイヤユニフォミティ試験機におけるもう一つの荷重推定モデルの作成方法は、回転する回転ドラムに押しつけられたタイヤに加わる荷重を計測することで前記タイヤのユニフォミティを測定するタイヤユニフォミティ試験機において、前記回転ドラムに対するタイヤの押し付け位置と前記タイヤに加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する荷重推定モデルの作成方法であって、前記タイヤユニフォミティ試験機で既にユニフォミティが測定された試験済みのタイヤについて、当該測定で得られた情報を前記試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」ごとに保持する保持ステップと、前記荷重推定モデルを作成するために用いる公称モデルを、前記試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」に基づいて、前記保持ステップで保持した情報から推定される「種類ないしは径と幅」に応じて取得する取得ステップと、前記取得した公称モデルに基づいて、前記未試験の試験対象たるタイヤの押し付け位置と前記未試験の試験対象たるタイヤに加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する作成ステップと、を有することを特徴とする。
本発明のタイヤユニフォミティ試験機における荷重推定モデルの作成方法によれば、タイヤユニフォミティの計測に必要なタイヤ荷重が正確且つ短時間に得られる荷重推定モデルを作成することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態に共通する同一の構成部材には、同一の符号及び同一の名称を付すこととする。従って、同一の符号及び同一の名称が付された構成部材については、同じ説明を繰り返さない。
[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態について説明する。
[第1実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第1実施形態について説明する。
本実施形態では、図1及び図2に例示するタイヤユニフォミティ試験機1で用いる「荷重推定モデル」を作成する方法について説明する。
まず、荷重推定モデルの作成方法に説明に先立って、この作成方法により作成される荷重推定モデルを用いて回転ドラムの押付位置の制御を行うタイヤユニフォミティ試験機1の構成について説明する。
まず、荷重推定モデルの作成方法に説明に先立って、この作成方法により作成される荷重推定モデルを用いて回転ドラムの押付位置の制御を行うタイヤユニフォミティ試験機1の構成について説明する。
図1は、タイヤユニフォミティ試験機1の概略構成を示す平面図である。図2は、タイヤユニフォミティ試験機の概略構成を示す正面図である。図1及び図2を参照して、本実施形態によるタイヤユニフォミティ試験機1は、製品上がりのタイヤ8の均質性や均一性であるタイヤユニフォミティ(又は、単にユニフォミティという)、例えば、タイヤ8に発生する半径方向の力の変動(Radial Force Variation:RFV)などを製品検査として評価するものである。
具体的に、タイヤユニフォミティ試験機1(以下、タイヤ試験装置1という)は、軸心が上下を向くように設けられた円筒状の回転体である回転ドラム2と、この回転ドラム2の軸心に対して平行に設けられた軸であって、自身の軸心を中心に回転自在であるタイヤ軸3と、を有している。
回転ドラム2は、外周面にタイヤ試験用の模擬路面が形成された円筒形状のドラム部材4と、この円筒状のドラム部材4を軸心位置で回転自在に支持する回転軸5と、回転軸5を支持するフレーム部材6とを有している。ドラム部材4は、上下方向(径方向に垂直な方向)の寸法が径方向の長さ(例えば、直径)より短い形状を有しており、円筒形状の軸心方向に沿った長さを尺と呼ぶなら、短尺広径の円筒形状に形成されているといえる。ドラム部材4の中央(軸心又は中心)には、このドラム部材4を回転自在に支持する回転軸5が設けられている。フレーム部材6は、ドラム部材4の径方向に沿った水平方向に張り出すように設けられた上下一対の支持フレームを有しており、回転軸5を、この上下一対の支持フレーム間に、上下方向に架け渡すように支持可能となっている。
回転ドラム2は、外周面にタイヤ試験用の模擬路面が形成された円筒形状のドラム部材4と、この円筒状のドラム部材4を軸心位置で回転自在に支持する回転軸5と、回転軸5を支持するフレーム部材6とを有している。ドラム部材4は、上下方向(径方向に垂直な方向)の寸法が径方向の長さ(例えば、直径)より短い形状を有しており、円筒形状の軸心方向に沿った長さを尺と呼ぶなら、短尺広径の円筒形状に形成されているといえる。ドラム部材4の中央(軸心又は中心)には、このドラム部材4を回転自在に支持する回転軸5が設けられている。フレーム部材6は、ドラム部材4の径方向に沿った水平方向に張り出すように設けられた上下一対の支持フレームを有しており、回転軸5を、この上下一対の支持フレーム間に、上下方向に架け渡すように支持可能となっている。
この回転軸5とフレーム部材6との間には、回転ドラム2をタイヤ8に押し付けた際に、回転軸5に発生する荷重やモーメントを計測可能な荷重計測手段(図示略)が設けられており、フレーム部材6(支持フレーム)はこの荷重計測手段を介して回転軸5を支持している。なお、本実施形態による荷重計測手段は、回転ドラム2の回転軸5側に取り付けられているが、この荷重計測手段を、後述するタイヤ軸3側に取り付けてタイヤ軸3に発生する荷重を計測することもできる。
さらに、フレーム部材6の下側には、タイヤ試験装置1が据え付けられる基礎に対して回転ドラム2を水平方向に移動可能なドラム移動手段7が設けられている。回転ドラム2は、このドラム移動手段7を用いることで、タイヤ軸3に対して近接及び離反が可能である。このようにドラム移動手段7の水平移動によって回転ドラム2をタイヤ軸3に対して近接させることで、テスト圧に保持されたタイヤ8に回転ドラム2が押し付けられる。
このとき、タイヤ8への回転ドラム2の押付けは、タイヤ8に対する回転ドラム2の位
置を調整することで行われる。回転ドラム2は、タイヤ8へ近づけば近づくほどタイヤ8に強く押付けられる。このとき、回転ドラム2の押付けによってタイヤ8に加わる(発生する)荷重を押付荷重という。
回転ドラム2は、タイヤ8に目標の押付荷重(目標押付荷重)が加わるように、タイヤ8に対する位置(押付位置)が調整される。つまり、種類、サイズ及び空気圧などタイヤ8についての条件が一定であれば、タイヤ8に加わる押付荷重とその押付荷重を実現する回転ドラム2の押付位置とは一対一に対応するので、目標押付荷重に対しては、一つの目標となる押付位置(目標押付位置)が決まる。
置を調整することで行われる。回転ドラム2は、タイヤ8へ近づけば近づくほどタイヤ8に強く押付けられる。このとき、回転ドラム2の押付けによってタイヤ8に加わる(発生する)荷重を押付荷重という。
回転ドラム2は、タイヤ8に目標の押付荷重(目標押付荷重)が加わるように、タイヤ8に対する位置(押付位置)が調整される。つまり、種類、サイズ及び空気圧などタイヤ8についての条件が一定であれば、タイヤ8に加わる押付荷重とその押付荷重を実現する回転ドラム2の押付位置とは一対一に対応するので、目標押付荷重に対しては、一つの目標となる押付位置(目標押付位置)が決まる。
タイヤ軸3は、上下方向に沿って設けられた棒状の部材である。タイヤ軸3の下端側には、このタイヤ軸3を、上下方向を向くタイヤ軸3の軸心を中心に回転させる回転手段(図示略)が設けられている。また、タイヤ軸3の上端側には、タイヤユニフォミティの測定対象であるタイヤ8を固定可能なリム部材(図示略)が設けられており、タイヤ8は、このリム部材を介してタイヤ軸3に固定可能である。
ところで、タイヤ試験装置1を用いてタイヤユニフォミティを測定する際には、タイヤ軸3に取り付けられたタイヤ8に対して、工場空気源から供給された圧縮空気が圧力調整された後に供給される。この圧縮空気によってタイヤ8を膨らますことで、タイヤ8を上下リム間に固定してタイヤ8の内部をテスト圧に保持する。その後、回転ドラム2を目標押付位置へ移動することで、テスト圧に保持されたタイヤ8に回転ドラム2が押付けられ目標押付荷重を加える。この押付けの後又は押付けと同時に、タイヤ8を正転させて正転方向のタイヤユニフォミティを測定する。正転方向での測定が終われば、タイヤ8を逆転させて、逆転方向でのタイヤユニフォミティも測定する。
このようにすれば、回転ドラム2をタイヤ8に押し付けて回転させた際にタイヤ8に加わる押付荷重を、回転ドラム2の回転軸5に取り付けられた荷重計測手段で計測することができ、この荷重計測手段で計測された押付荷重の変動からタイヤ8のタイヤユニフォミティを評価することができる。
ところで、上述したタイヤユニフォミティは、回転ドラム2をタイヤ8に目標押付荷重で正確に押圧させることを前提として測定されるものであるため、タイヤユニフォミティ試験時にタイヤ8に正確に目標押付荷重を付与することは、タイヤユニフォミティを精度良く測定する上で極めて重要である。
ところで、上述したタイヤユニフォミティは、回転ドラム2をタイヤ8に目標押付荷重で正確に押圧させることを前提として測定されるものであるため、タイヤユニフォミティ試験時にタイヤ8に正確に目標押付荷重を付与することは、タイヤユニフォミティを精度良く測定する上で極めて重要である。
そこで、図3に示すように、タイヤ試験装置1には、目標押付荷重を正確に実現するために、回転ドラム2の押付位置を制御するための制御装置100が設けられている。
図3は、本実施形態によるタイヤ試験装置1に接続されて荷重モデルを作成する制御装置100の構成を示すブロック図である。
制御装置100は、タイヤ試験装置1の運転によって得られたタイヤ8についての情報を運転データとして格納するデータベースである運転DB110、後述する荷重推定モデル及び運転DB110に格納されたタイヤ8の情報の両方を用いてタイヤ8に付加される押付荷重を推定する逐次推定モデル部120、及び逐次推定モデル部120で用いる荷重モデルの公称モデルとして荷重推定モデルを作成する荷重推定モデル(公称モデル)作成部130を有する。
図3は、本実施形態によるタイヤ試験装置1に接続されて荷重モデルを作成する制御装置100の構成を示すブロック図である。
制御装置100は、タイヤ試験装置1の運転によって得られたタイヤ8についての情報を運転データとして格納するデータベースである運転DB110、後述する荷重推定モデル及び運転DB110に格納されたタイヤ8の情報の両方を用いてタイヤ8に付加される押付荷重を推定する逐次推定モデル部120、及び逐次推定モデル部120で用いる荷重モデルの公称モデルとして荷重推定モデルを作成する荷重推定モデル(公称モデル)作成部130を有する。
運転DB110が格納する運転データは、タイヤ試験装置1に取り付けられてタイヤユニフォミティが測定される(又は測定された)タイヤ8についての情報であり、タイヤ試験装置1から出力される。運転データは、タイヤ8の種類(特性値)を表す情報と、タイヤユニフォミティの測定中に得られた情報を含んでいる。例えば、タイヤ8の特性値である種類を表す情報としては、タイヤ8の銘柄、用途、及びタイヤ径、タイヤ幅などのパラメータ(以下、タイヤパラメータという)等であり、タイヤユニフォミティの測定中に得られた情報としては、押付位置、及びその押付位置での押付荷重(回転ドラム2の荷重計測手段によって計測された押付荷重)等である。
以下に、図3を参照して、制御装置100の特徴的な構成である荷重推定モデル作成部130について説明する。
荷重推定モデル作成部130は、公称モデルである荷重推定モデルを作成するための情
報をタイヤ8の種類別に公称モデルデータとして格納するデータベースである公称モデルDB131と、タイヤ試験装置1によってタイヤユニフォミティが測定されるタイヤ8の種類に応じて、公称モデルDB131に格納された公称モデルデータを切替えて選択するモデル選択部132と、モデル選択部132が選択した公称モデルデータを用いて、公称モデルである荷重推定モデルを作成する公称モデル部133と、を備えている。
荷重推定モデル作成部130は、公称モデルである荷重推定モデルを作成するための情
報をタイヤ8の種類別に公称モデルデータとして格納するデータベースである公称モデルDB131と、タイヤ試験装置1によってタイヤユニフォミティが測定されるタイヤ8の種類に応じて、公称モデルDB131に格納された公称モデルデータを切替えて選択するモデル選択部132と、モデル選択部132が選択した公称モデルデータを用いて、公称モデルである荷重推定モデルを作成する公称モデル部133と、を備えている。
公称モデルDB131は、タイヤ試験装置1の過去の運転実績をタイヤ8の種類別に公称モデルデータとして格納及び蓄積するデータベースである。例えば、公称モデルDB131は、タイヤユニフォミティの測定中に得られて運転DB110が格納する運転データ(押付位置、及びその押付位置での押付荷重等)を、タイヤ8の種類別に格納及び蓄積する。
タイヤ8の種類について、例えば、タイヤパラメータ(例えば、タイヤ径やタイヤ幅)の値が同一のタイヤ8を同一種類として種類分け(分類)することができる。このタイヤパラメータの値と、タイヤ8の銘柄及び用途との組み合わせが同一のタイヤ8を同一種類として認識してもよい。
具体的に、図3を参照して、公称モデルDB131は、タイヤ8の種類としてタイヤA〜タイヤXについてのデータベースを格納している。例えば、図3において、タイヤA〜タイヤXは、タイヤ径のみに基づいて分類されていてもよいし、タイヤ幅のみに基づいて分類されていてもよい。また、タイヤA〜タイヤXを、タイヤ径とタイヤ幅の組み合わせに基づいて分類してもよく、さらに、タイヤ径、タイヤ幅及び銘柄の組み合わせに基づいて分類してもよい。本実施形態では、タイヤ8の種類(タイヤA〜タイヤX)は、タイヤ径とタイヤ幅の組み合わせに基づいて分類されていることを前提とする。
具体的に、図3を参照して、公称モデルDB131は、タイヤ8の種類としてタイヤA〜タイヤXについてのデータベースを格納している。例えば、図3において、タイヤA〜タイヤXは、タイヤ径のみに基づいて分類されていてもよいし、タイヤ幅のみに基づいて分類されていてもよい。また、タイヤA〜タイヤXを、タイヤ径とタイヤ幅の組み合わせに基づいて分類してもよく、さらに、タイヤ径、タイヤ幅及び銘柄の組み合わせに基づいて分類してもよい。本実施形態では、タイヤ8の種類(タイヤA〜タイヤX)は、タイヤ径とタイヤ幅の組み合わせに基づいて分類されていることを前提とする。
モデル選択部132は、運転DB110が格納する情報のうちタイヤ8の種類を表す情報を運転DB110から取得してタイヤ8の種類を特定すると共に、特定したタイヤ8の種類に対応する種類の公称モデルデータを選択する。例えば、モデル選択部132は、運転DB110から、タイヤ8のタイヤ径とタイヤ幅を取得し、この取得したタイヤ径及びタイヤ幅の組み合わせに対応する種類(タイヤA〜タイヤX)の公称モデルデータを選択して、後述する公称モデル部133へ出力する。
公称モデル部133は、モデル選択部132から出力された公称モデルデータを取得し、取得した公称モデルデータに基づいてタイヤ8についての荷重推定モデルを公称モデルとして作成する。本実施形態では、荷重推定モデルとして荷重推定式を例示する。
上述の通り、モデル選択部132から取得した公称モデルデータは、タイヤユニフォミティの測定中に得られた運転データ(押付位置、及びその押付位置での押付荷重等)を含んでいる。公称モデル部133は、例えば、この運転データを用いて押付位置に対する押付荷重の分布を作成し、この作成した分布において、次の式(1)に示す回帰式の係数パラメータaij及びa0jを求める。
上述の通り、モデル選択部132から取得した公称モデルデータは、タイヤユニフォミティの測定中に得られた運転データ(押付位置、及びその押付位置での押付荷重等)を含んでいる。公称モデル部133は、例えば、この運転データを用いて押付位置に対する押付荷重の分布を作成し、この作成した分布において、次の式(1)に示す回帰式の係数パラメータaij及びa0jを求める。
このように、公称モデルデータに基づいて係数パラメータaij及びa0jが定まった
式(1)が公称モデルである。この公称モデルによって、タイヤ試験装置1でタイヤユニフォミティの測定がおこなわれるタイヤ8について、回転ドラム2の押付位置(式(1)の変数xに相当)によってタイヤ8に生じる押付荷重(式(1)の左辺に相当)を荷重推定値として推定することができる。
式(1)が公称モデルである。この公称モデルによって、タイヤ試験装置1でタイヤユニフォミティの測定がおこなわれるタイヤ8について、回転ドラム2の押付位置(式(1)の変数xに相当)によってタイヤ8に生じる押付荷重(式(1)の左辺に相当)を荷重推定値として推定することができる。
このタイヤ8についての荷重推定式である公称モデルを用いて、目標押付荷重に対応する回転ドラム2の押付位置を目標押付位置として算出し、算出した目標押付位置を後述する逐次推定モデル部120へ出力する。
以上が、荷重推定モデル作成部130についての説明である。
逐次推定モデル部120は、荷重推定モデル作成部130の公称モデル部133が出力した目標押付位置を取得する。その上で逐次推定モデル部120は、取得した目標押付位置で回転ドラム2をタイヤ8に押し付けるように指示した後に、タイヤ試験装置1から出力されて運転DB110が格納する運転データから、押付位置と回転ドラム2の荷重計測手段によって計測された押付荷重とを取得し、取得した押付荷重が目標押付荷重となるように回転ドラム2の押付位置を逐次算出し、タイヤ試験装置1へ出力する。
以上が、荷重推定モデル作成部130についての説明である。
逐次推定モデル部120は、荷重推定モデル作成部130の公称モデル部133が出力した目標押付位置を取得する。その上で逐次推定モデル部120は、取得した目標押付位置で回転ドラム2をタイヤ8に押し付けるように指示した後に、タイヤ試験装置1から出力されて運転DB110が格納する運転データから、押付位置と回転ドラム2の荷重計測手段によって計測された押付荷重とを取得し、取得した押付荷重が目標押付荷重となるように回転ドラム2の押付位置を逐次算出し、タイヤ試験装置1へ出力する。
以上の説明から、荷重推定モデル作成部130は、逐次推定モデル部120が回転ドラム2の押付位置を逐次算出する前に、公称モデルを用いてタイヤ8において目標押付荷重を実現する押付位置(目標押付位置)を算出し、算出した目標押付位置を、逐次推定モデル部120へ提供するものである。これによって、逐次推定モデル部120は、高い確率で目標押付荷重を実現することが可能な押付位置から、押付位置の逐次算出を開始することができる。
従って、タイヤ試験装置1は、荷重推定モデル作成部130を備える制御装置100によって制御されることで、タイヤ8のタイヤユニフォミティの測定開始から非常に短時間でタイヤ8に目標押付荷重を付加することができる。このように、短時間でタイヤ8に目標押付荷重を付加することができれば、タイヤユニフォミティの測定開始を短縮することができ、タイヤ試験装置1の稼働効率及び生産性を向上させることができる。
ここで、逐次推定モデル部120による押付位置の逐次算出の方法を、以下に例示する。
逐次推定モデル部120は、タイヤTに対する回転ドラム2の押付位置を変化させつつタイヤ荷重を逐次計測し、逐次計測されたタイヤ荷重の計測値に対して、タイヤ荷重の目標値に近づくにつれて重みを増すような重み付けをし、重み付けされた計測値に基づいて、バネ定数を用いて押付位置と押付荷重の関係を表わす荷重モデルを推定する。荷重モデルとしては、回転ドラム2の押付位置とタイヤ8に付加される押付荷重とが線形的に変化する線形式を採用し、重み付けされた計測値に対して線形式をフィッティングさせ、フィッティング後の線形式の傾きからバネ定数を求めることで、荷重モデルを推定する。
逐次推定モデル部120は、タイヤTに対する回転ドラム2の押付位置を変化させつつタイヤ荷重を逐次計測し、逐次計測されたタイヤ荷重の計測値に対して、タイヤ荷重の目標値に近づくにつれて重みを増すような重み付けをし、重み付けされた計測値に基づいて、バネ定数を用いて押付位置と押付荷重の関係を表わす荷重モデルを推定する。荷重モデルとしては、回転ドラム2の押付位置とタイヤ8に付加される押付荷重とが線形的に変化する線形式を採用し、重み付けされた計測値に対して線形式をフィッティングさせ、フィッティング後の線形式の傾きからバネ定数を求めることで、荷重モデルを推定する。
つまり、逐次推定モデル部120で採用する荷重モデルは、広い範囲に亘る押付位置のすべてのデータに対して線形性が成立すると考えるものではなく、タイヤ8への目標押付荷重近傍の値を実現する一部の押付位置における線形性を重点的に考慮するものである。
このように、逐次推定モデル部120は、タイヤ荷重との間に線形関係が成立するような「目標押付荷重」の近傍の計測値を優先的に用いてタイヤ8に付加される押付荷重を正確に実現することが可能なものとなっている。
このように、逐次推定モデル部120は、タイヤ荷重との間に線形関係が成立するような「目標押付荷重」の近傍の計測値を優先的に用いてタイヤ8に付加される押付荷重を正確に実現することが可能なものとなっている。
具体的に、逐次推定モデル部120は、上述した荷重計測手段で計測された押付荷重の計測値を、所定の重み特性関数で処理して「重み付け」をし、回転ドラム2の押付位置とタイヤ8に付加される押付荷重との間に線形関係が成立するような範囲の計測データを優先的に用いてバネ定数を求める(上述の線形式を求める)。
ここで、重み特性関数は、荷重計測手段で計測されたタイヤ荷重が「目標押付荷重」であるときに、最大重みwmaxが得られるような関数であり、タイヤ荷重が「目標押付荷重」から外れると「重み付け」が急激に小さくなってゼロとなるような関数である。そのため、荷重計測手段で計測された押付荷重の計測値を、上述の重み特性関数で処理すれば、「目標押付荷重」の近傍に位置する計測値を優先的に用いて線形式を求めることが可能となる。
ここで、重み特性関数は、荷重計測手段で計測されたタイヤ荷重が「目標押付荷重」であるときに、最大重みwmaxが得られるような関数であり、タイヤ荷重が「目標押付荷重」から外れると「重み付け」が急激に小さくなってゼロとなるような関数である。そのため、荷重計測手段で計測された押付荷重の計測値を、上述の重み特性関数で処理すれば、「目標押付荷重」の近傍に位置する計測値を優先的に用いて線形式を求めることが可能となる。
次に、図3及び図4を参照して、制御装置100の動作、及びタイヤ試験装置1の制御方法について説明することで、本実施形態による荷重推定モデルの作成方法を説明する。
図4は、本実施形態による荷重モデルの作成方法の処理手順であるフローチャートを示す図である。
まず、タイヤ試験装置1において、タイヤ8のタイヤユニフォミティの測定が開始されると、タイヤ試験装置1及び制御装置100において過去に(前回の測定で)計算された各種パラメータを初期化する(STEP1000)。
図4は、本実施形態による荷重モデルの作成方法の処理手順であるフローチャートを示す図である。
まず、タイヤ試験装置1において、タイヤ8のタイヤユニフォミティの測定が開始されると、タイヤ試験装置1及び制御装置100において過去に(前回の測定で)計算された各種パラメータを初期化する(STEP1000)。
制御装置100は、タイヤ試験装置1から、タイヤユニフォミティの測定対象であるタイヤ8の種類を取得して運転DB110に格納する。
モデル選択部132は、タイヤ8の種類として、運転DB110からタイヤ8のタイヤ径とタイヤ幅を取得し、この取得したタイヤ径及びタイヤ幅の組み合わせに対応する種類(タイヤA〜タイヤX)の公称モデルデータを検索する(STEP1100)。
モデル選択部132は、タイヤ8の種類として、運転DB110からタイヤ8のタイヤ径とタイヤ幅を取得し、この取得したタイヤ径及びタイヤ幅の組み合わせに対応する種類(タイヤA〜タイヤX)の公称モデルデータを検索する(STEP1100)。
ここで、STEP1000でのパラメータの初期化に先立って、タイヤ試験装置1で既にタイヤユニフォミティが測定されたタイヤについて、当該測定で得られた情報が当該タイヤの種類(特性値)ごとに公称モデルデータとして保持されている(保持ステップ)。
モデル選択部132は、タイヤ8の種類に対応する公称モデルデータが存在すれば、当該公称モデルデータを公称モデル部133へ出力し、公称モデル部133は、この出力された公称モデルデータを、公称モデルを作成(構築)するためのデータとして取得する。つまり、荷重推定モデル(荷重推定式)を作成するために用いる公称モデルを、タイヤ8の種類(特性値)に応じて、保持ステップで保持した情報(公称モデルデータ)から取得する(取得ステップ、STEP1200)。
モデル選択部132は、タイヤ8の種類に対応する公称モデルデータが存在すれば、当該公称モデルデータを公称モデル部133へ出力し、公称モデル部133は、この出力された公称モデルデータを、公称モデルを作成(構築)するためのデータとして取得する。つまり、荷重推定モデル(荷重推定式)を作成するために用いる公称モデルを、タイヤ8の種類(特性値)に応じて、保持ステップで保持した情報(公称モデルデータ)から取得する(取得ステップ、STEP1200)。
公称モデル部133は、モデル選択部132から取得した公称モデルデータに基づいて、上述の式(1)に示す回帰式の係数パラメータaij及びa0jを求め、公称モデル(荷重推定式)を作成(構築)する。つまり、取得した公称モデルデータに基づいて、タイヤ8への押付位置とタイヤ8に加わる押付荷重との関係を表現する荷重推定式を公称モデルとして作成する(作成ステップ、STEP1300)。
公称モデル部133は、構築した公称モデルを用いて、タイヤ8の目標押付荷重に対応する回転ドラム2の押付位置を、公称モデルによる目標押付位置(公称目標押付位置)として計算し、この計算によって得られた押付位置を逐次推定モデル部120へ出力する(STEP1400)。
逐次推定モデル部120は、荷重推定モデル作成部130の公称モデル部133から出力された押付位置を取得して、取得した押付位置から回転ドラム2の押付位置の制御を開始する(STEP1500)。
逐次推定モデル部120は、荷重推定モデル作成部130の公称モデル部133から出力された押付位置を取得して、取得した押付位置から回転ドラム2の押付位置の制御を開始する(STEP1500)。
回転ドラム2が公称モデル部133から出力された押付位置に移動してタイヤ8に付加される押付荷重が計測されると、押付荷重や回転ドラム2の押付位置の計測値(押付荷重及び押付位置)は制御装置100の運転DB110に出力されて、タイヤ8についての計測値として運転DB110に格納される。
運転DB110に格納された計測値(押付荷重及び押付位置)のデータは、逐次推定モデル部120へ出力される。
運転DB110に格納された計測値(押付荷重及び押付位置)のデータは、逐次推定モデル部120へ出力される。
逐次推定モデル部120は、必要に応じて「時刻カウンタの初期化」、「時刻カウンタの更新」、「測定データの保存」などを適宜行う(STEP1510〜1530)。
続いて、逐次推定モデル部120は、運転DB110から出力された回転ドラム2の押付位置に基づいて、押付荷重の計測値に対して上述した重み付けが行われる。
具体的には、制御装置に予め記憶された重み関数を運転DB110から出力された計測値である押付荷重に適用する。この重み関数によって、回転ドラム2の押付位置が「目標押付荷重」の近傍に位置するかどうかに基づく重みが押付荷重に付与される。押付位置が「目標押付荷重」に近い値である場合は大きな重みが付与され、押付位置が「目標押付荷重」から遠い値である場合はゼロに近い重みが付与される。
続いて、逐次推定モデル部120は、運転DB110から出力された回転ドラム2の押付位置に基づいて、押付荷重の計測値に対して上述した重み付けが行われる。
具体的には、制御装置に予め記憶された重み関数を運転DB110から出力された計測値である押付荷重に適用する。この重み関数によって、回転ドラム2の押付位置が「目標押付荷重」の近傍に位置するかどうかに基づく重みが押付荷重に付与される。押付位置が「目標押付荷重」に近い値である場合は大きな重みが付与され、押付位置が「目標押付荷重」から遠い値である場合はゼロに近い重みが付与される。
逐次推定モデル部120は、このように重み付けされたタイヤ荷重の計測値(押付荷重)を用いて荷重モデルを推定する。逐次推定モデル部120は、この推定した荷重モデル
に基づいて、STEP1400で公称モデル部133から出力された押付位置に対する補正値(目標押付位置補正値)を推定する(STEP1540)。
具体的に、逐次推定モデル部120は、重み付けされた押付荷重の計測値と、回転ドラム2の押付位置との間に線形性が成立するものとして、その比例定数としての「バネ定数」を計算し、荷重モデルを推定する。このように計算された「バネ定数」は、「目標押付荷重」の近傍の計測値を重点的に用いて計算されたものとなり、この推定された荷重モデルによって押付荷重を正確に推定可能なものとなっている。
に基づいて、STEP1400で公称モデル部133から出力された押付位置に対する補正値(目標押付位置補正値)を推定する(STEP1540)。
具体的に、逐次推定モデル部120は、重み付けされた押付荷重の計測値と、回転ドラム2の押付位置との間に線形性が成立するものとして、その比例定数としての「バネ定数」を計算し、荷重モデルを推定する。このように計算された「バネ定数」は、「目標押付荷重」の近傍の計測値を重点的に用いて計算されたものとなり、この推定された荷重モデルによって押付荷重を正確に推定可能なものとなっている。
逐次推定モデル部120は、STEP1400で公称モデル部133から出力された押付位置に、STEP1900で推定された補正値(目標押付位置補正値)を加算して、回転ドラム2の目標押付位置を補正(計算)する(STEP1550)。
逐次推定モデル部120で計算され補正された回転ドラム2の目標押付位置は、タイヤ試験装置1へ出力され、タイヤ試験装置1は、出力された目標押付位置に従って回転ドラム2の押付位置を制御する(STEP1560)。
逐次推定モデル部120で計算され補正された回転ドラム2の目標押付位置は、タイヤ試験装置1へ出力され、タイヤ試験装置1は、出力された目標押付位置に従って回転ドラム2の押付位置を制御する(STEP1560)。
逐次推定モデル部120は、上述した一連のSTEP1500〜STEP1560の処理を、時刻カウンタが予め定められた時刻になるまで繰り返す(STEP1570)。
このように、STEP1400で計算された目標押付位置(公称目標押付位置)を用いて始まったSTEP1500〜STEP1560までの処理を繰り返すことで、回転ドラム2の押付位置を正確に逐次制御することが可能となる。
このように、STEP1400で計算された目標押付位置(公称目標押付位置)を用いて始まったSTEP1500〜STEP1560までの処理を繰り返すことで、回転ドラム2の押付位置を正確に逐次制御することが可能となる。
つまり、回転ドラム2がタイヤ8に向かって押し付けられる動作に合わせて、上述のSTEP1500〜STEP1570の一連の計算を行えば、予め、STEP1100〜STEP1400でタイヤユニフォミティの測定対象であるタイヤ8の公称モデルを構築し、目標押付荷重に対する目標押付位置を取得することができる。この目標押付位置を用いれば、回転ドラム2の押付位置の制御を、ほぼ目標押付荷重を実現する押付位置から開始することができるので、複数の計測データを利用して回転ドラム2の位置が正確に制御されると共に、タイヤ8のタイヤユニフォミティを短時間で精度よく測定することが可能となる。
[第2実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第2実施形態について説明する。
[第2実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、図1及び図2に例示するタイヤユニフォミティ試験機1で用いる「荷重推定モデル」を作成する方法について説明するが、特に、図5に示す制御装置200の構成について説明する。
本実施形態による制御装置200は、タイヤ試験装置1によってタイヤユニフォミティが測定されるタイヤ8の種類に対応する公称モデルデータが、公称モデルDB131に格納されていないときでも、第1実施形態で説明した「荷重推定モデル」を作成することができる。
本実施形態による制御装置200は、タイヤ試験装置1によってタイヤユニフォミティが測定されるタイヤ8の種類に対応する公称モデルデータが、公称モデルDB131に格納されていないときでも、第1実施形態で説明した「荷重推定モデル」を作成することができる。
図5は、本実施形態によるタイヤ試験装置1に接続されて荷重モデルを作成する制御装置200の構成を示すブロック図である。制御装置200は、目標押付荷重を正確に実現するためにタイヤ試験装置1に設けられており、回転ドラム2の押付位置を制御する。
制御装置200は、運転DB110、逐次推定モデル部120及び荷重推定モデル作成部230を備えており、運転DB110及び逐次推定モデル部120は、第1実施形態で説明した運転DB110及び逐次推定モデル部120と同様の構成を有している。
制御装置200は、運転DB110、逐次推定モデル部120及び荷重推定モデル作成部230を備えており、運転DB110及び逐次推定モデル部120は、第1実施形態で説明した運転DB110及び逐次推定モデル部120と同様の構成を有している。
荷重推定モデル作成部230は、公称モデルDB131、モデル選択部132、公称モデル部133及びタイヤ類似度計算部231を備えており、公称モデルDB131、モデル選択部132及び公称モデル部133は、第1実施形態で説明した公称モデルDB131、モデル選択部132及び公称モデル部133と同様の構成を有している。
つまり、制御装置200はタイヤ類似度計算部231を備えることに特徴を有するものであるため、タイヤ類似度計算部231の構成を以下に説明する。
つまり、制御装置200はタイヤ類似度計算部231を備えることに特徴を有するものであるため、タイヤ類似度計算部231の構成を以下に説明する。
タイヤ類似度計算部231は、運転DB110が格納する情報のうちタイヤ8の種類を表す情報を運転DB110から取得して測定対象であるタイヤ8の種類を特定すると共に、特定したタイヤ8の種類に対応する種類の公称モデルデータを公称モデルDB131内
で検索し、目的の公称モデルデータが存在しないときに、タイヤ8の種類に最も類似度の高い種類を取得するものである。具体的に、タイヤ類似度計算部231は、公称モデルDB131に公称モデルデータが格納されているタイヤの種類(特性値)の中から、測定対象であるタイヤ8の種類(特性値)に最も類似性が高い種類を計算し取得する。
で検索し、目的の公称モデルデータが存在しないときに、タイヤ8の種類に最も類似度の高い種類を取得するものである。具体的に、タイヤ類似度計算部231は、公称モデルDB131に公称モデルデータが格納されているタイヤの種類(特性値)の中から、測定対象であるタイヤ8の種類(特性値)に最も類似性が高い種類を計算し取得する。
この類似性は、例えば、タイヤの種類(特性値)を決めるタイヤパラメータ(タイヤ径及びタイヤ幅)のパラメータ空間において、次の式(2)を用いて得られるパラメータ空間での距離に基づいて評価される。
タイヤ類似度計算部231は、測定対象であるタイヤ8の種類(特性値)と公称モデルDB131に格納されている全てのタイヤの種類(特性値)とのパラメータ空間における距離を、上記式(2)に基づいて計算する。
式(2)における、測定対象であるタイヤ8のタイヤ種類nについての標準化値は、次の式(3)によって得られ、公称モデルDB131におけるタイヤ種類jについての標準化値は、次の式(4)によって得られる。
式(2)における、測定対象であるタイヤ8のタイヤ種類nについての標準化値は、次の式(3)によって得られ、公称モデルDB131におけるタイヤ種類jについての標準化値は、次の式(4)によって得られる。
式(3)及び式(4)における平均ρ及び標準偏差σは、次の式(5)及び式(6)によって得られる。
タイヤ類似度計算部231が、このような式(3)〜式(6)に基づく式(2)によって、測定対象であるタイヤ8の種類(特性値)と公称モデルDB131の全てのタイヤの種類(特性値)との距離を求めると、例えば、図6に示す結果が得られる。図6は、測定対象であるタイヤ8の種類について、パラメータ空間における公称モデルDBのタイヤの種類からの距離を模式的に示す図である。
図6では、2つのタイヤパラメータであるタイヤ径(外径)とタイヤ幅によるパラメータ空間に、測定対象であるタイヤ8(測定タイヤ)の位置と、公称モデルデータの10個のタイヤ(タイヤA〜タイヤJ)の位置とが示されている。この図6において、タイヤ類似度計算部231は、タイヤ8からタイヤA〜タイヤJまでの距離を上記式(2)を用いて計算し、この計算で得られた距離のうち、タイヤ8から最短距離にある公称モデルデータのタイヤの種類を、次の式(7)に基づいて決定し取得する。
図6では、タイヤ8から最短距離にある公称モデルデータは、タイヤBのデータであることが示されており、タイヤ類似度計算部231は、この最短距離にあるタイヤBの種類が、タイヤ8の種類に最も類似度が高いと判断し、この判断の結果をモデル選択部132へ出力する。
次に、図5及び図7を参照して、上述のタイヤ類似度計算部231を備える制御装置200の動作、及びタイヤ試験装置1の制御方法について説明することで、本実施形態による荷重推定モデルの作成方法を説明する。
次に、図5及び図7を参照して、上述のタイヤ類似度計算部231を備える制御装置200の動作、及びタイヤ試験装置1の制御方法について説明することで、本実施形態による荷重推定モデルの作成方法を説明する。
図7は、本実施形態による荷重モデルの作成方法の処理手順であるフローチャートを示
す図である。図7に示すフローチャートにおいて、第1実施形態で説明した図4のフローチャートと同様の処理については、同じステップ(STEP)番号を付した。つまり、STEP1000、及びSTEP1200〜STEP1600は、第1実施形態と同様の処理であり、本実施形態では、タイヤ類似度計算部231が行うSTEP2000〜STEP2200の処理に特徴がある。従って、以下の説明では、STEP2000〜STEP2200の処理についてのみ説明する。
す図である。図7に示すフローチャートにおいて、第1実施形態で説明した図4のフローチャートと同様の処理については、同じステップ(STEP)番号を付した。つまり、STEP1000、及びSTEP1200〜STEP1600は、第1実施形態と同様の処理であり、本実施形態では、タイヤ類似度計算部231が行うSTEP2000〜STEP2200の処理に特徴がある。従って、以下の説明では、STEP2000〜STEP2200の処理についてのみ説明する。
STEP1000でのパラメータの初期化が終了すると、タイヤ類似度計算部231は、上述の式(2)を用いて、測定対象であるタイヤ8の種類(特性値)と公称モデルDB131に格納されている全てのタイヤの種類(特性値)とのパラメータ空間における距離を計算する(STEP2000)。
タイヤ類似度計算部231は、STEP2000で計算した距離に基づいて、式(7)を用いて、タイヤ8から最短距離にある公称モデルデータのタイヤの種類を決定し取得する(STEP2100)。
タイヤ類似度計算部231は、STEP2000で計算した距離に基づいて、式(7)を用いて、タイヤ8から最短距離にある公称モデルデータのタイヤの種類を決定し取得する(STEP2100)。
タイヤ類似度計算部231は、最短距離にある公称モデルデータのタイヤの種類が、測定対象であるタイヤ8の種類から所定距離以下であるか否かを判断し、つまり、測定対象であるタイヤ8の種類から最短距離にあるタイヤの種類までの距離が閾値以下であるか否かを判定し、閾値以下であれば、最短距離にあるタイヤの種類をモデル選択部132へ出力する(STEP2200)。
モデル選択部132は、タイヤ類似度計算部231から出力された最短距離にあるタイヤの種類を取得する。モデル選択部132は、この取得したタイヤの種類の公称モデルデータを公称モデル部133へ出力し、公称モデル部133は、この出力された公称モデルデータを、公称モデルを作成(構築)するためのデータとして取得する。つまり、保持ステップで保持された情報を用いて、荷重推定式(荷重推定モデル)である公称モデルを作成するために用いる公称モデルデータを、タイヤ8に対して最も類似度が高い別の一つのタイヤの特性値に応じて取得する(取得ステップ、STEP1200)。
以下、第1実施形態で説明したSTEP1300〜STEP1600が行われる。
このような制御装置200によってタイヤ試験装置1を動作させれば、測定対象であるタイヤ8の種類に対応する種類の公称モデルデータが存在しない場合でも、タイヤ8の公称モデルを構築し、目標押付荷重に対する目標押付位置を取得することができる。この目標押付位置を用いれば、第1実施形態と同様に、回転ドラム2の押付位置の制御を、ほぼ目標押付荷重を実現する押付位置から開始することができるので、複数の計測データを利用して回転ドラム2の位置が正確に制御されると共に、タイヤ8のタイヤユニフォミティを短時間で精度よく測定することが可能となる。
[第3実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第3実施形態について説明する。
このような制御装置200によってタイヤ試験装置1を動作させれば、測定対象であるタイヤ8の種類に対応する種類の公称モデルデータが存在しない場合でも、タイヤ8の公称モデルを構築し、目標押付荷重に対する目標押付位置を取得することができる。この目標押付位置を用いれば、第1実施形態と同様に、回転ドラム2の押付位置の制御を、ほぼ目標押付荷重を実現する押付位置から開始することができるので、複数の計測データを利用して回転ドラム2の位置が正確に制御されると共に、タイヤ8のタイヤユニフォミティを短時間で精度よく測定することが可能となる。
[第3実施形態]
以下、図面を参照しながら、本発明の第3実施形態について説明する。
本実施形態では、第1実施形態と同様に、図1及び図2に例示するタイヤユニフォミティ試験機1で用いる「荷重推定モデル」を作成する方法について説明するが、特に、図8に示す制御装置300の構成について説明する。
本実施形態による制御装置300は、タイヤ試験装置1によってタイヤユニフォミティが測定されるタイヤ8の種類に対応する公称モデルデータが、公称モデルDB131に格納されていないときでも、第1実施形態で説明した「荷重推定モデル」を作成することができる。
本実施形態による制御装置300は、タイヤ試験装置1によってタイヤユニフォミティが測定されるタイヤ8の種類に対応する公称モデルデータが、公称モデルDB131に格納されていないときでも、第1実施形態で説明した「荷重推定モデル」を作成することができる。
図8は、本実施形態によるタイヤ試験装置1に接続されて荷重モデルを作成する制御装置300の構成を示すブロック図である。制御装置300は、目標押付荷重を正確に実現するためにタイヤ試験装置1に設けられており、回転ドラム2の押付位置を制御する。
制御装置300は、運転DB110、逐次推定モデル部120及び荷重推定モデル作成部330を備えており、運転DB110及び逐次推定モデル部120は、第1実施形態で説明した運転DB110及び逐次推定モデル部120と同様の構成を有している。
制御装置300は、運転DB110、逐次推定モデル部120及び荷重推定モデル作成部330を備えており、運転DB110及び逐次推定モデル部120は、第1実施形態で説明した運転DB110及び逐次推定モデル部120と同様の構成を有している。
荷重推定モデル作成部330は、公称モデルDB131、係数パラメータ計算部332、係数パラメータデータベース(DB)333、係数パラメータ推定部334及び公称モ
デル部335を備えており、公称モデルDB131は、第1実施形態で説明した公称モデルDB131と同様の構成を有している。
以下に、制御装置300の特徴的構成である係数パラメータ計算部332、係数パラメータデータベース(DB)333、係数パラメータ推定部334及び公称モデル部335について説明する。これから説明する係数パラメータ計算部332、係数パラメータデータベース(DB)333、係数パラメータ推定部334及び公称モデル部335は、後に説明する次式(8)を、荷重推定モデル(公称モデル)である荷重推定式として求めるものである。
デル部335を備えており、公称モデルDB131は、第1実施形態で説明した公称モデルDB131と同様の構成を有している。
以下に、制御装置300の特徴的構成である係数パラメータ計算部332、係数パラメータデータベース(DB)333、係数パラメータ推定部334及び公称モデル部335について説明する。これから説明する係数パラメータ計算部332、係数パラメータデータベース(DB)333、係数パラメータ推定部334及び公称モデル部335は、後に説明する次式(8)を、荷重推定モデル(公称モデル)である荷重推定式として求めるものである。
この式(8)として示す公称モデルは、最終的に公称モデル部335によって求められるが、公称モデル部335は、この公称モデルを、係数パラメータ推定部334において次式(9)によって求められる係数パラメータ推定値を用いて作成する。
次に説明する係数パラメータ計算部332は、この係数パラメータ推定値を求めるための式(9)において係数として用いられる重回帰係数ベクトルを求めるものである。
係数パラメータ計算部332は、公称モデルDB131に格納される公称モデルデータ別に、当該公称モデルデータを用いて、次式(10)及び式(11)による重回帰係数ベクトルbiを求める。本実施形態では、公称モデルデータ別で且つタイヤパラメータの種別(つまり、タイヤ径やタイヤ幅)ごとに、重回帰係数ベクトルbiを求める。
係数パラメータ計算部332は、公称モデルDB131に格納される公称モデルデータ別に、当該公称モデルデータを用いて、次式(10)及び式(11)による重回帰係数ベクトルbiを求める。本実施形態では、公称モデルデータ別で且つタイヤパラメータの種別(つまり、タイヤ径やタイヤ幅)ごとに、重回帰係数ベクトルbiを求める。
その上で、係数パラメータ計算部332は、式(10)及び式(11)による重回帰係数ベクトルbiを用いて、式(9)に示す係数パラメータ推定式を決定し、タイヤパラメータに対応する係数パラメータを、タイヤ8又は公称モデルデータの特性値として計算する。これによって、例えば、タイヤパラメータがタイヤ径である場合、公称モデルデータごとに、タイヤ径に対応する係数パラメータが、公称モデルデータの特性値として計算される。タイヤパラメータがタイヤ幅である場合も同様に、公称モデルデータ別に、タイヤ幅に対応する係数パラメータが公称モデルデータの特性値として計算される。
係数パラメータDB333は、係数パラメータ計算部332が求めた係数パラメータを、公称モデルデータ別に格納する。この係数パラメータDB333が格納する係数パラメータを用いれば、公称モデルDB131に格納される公称モデルデータの全てについて、タイヤ径についての係数パラメータの分布や、タイヤ幅についての係数パラメータの分布など、あるタイヤパラメータについての係数パラメータの分布を得ることができる。
係数パラメータ推定部334は、測定対象であるタイヤ8についての係数パラメータを推定し、推定した係数パラメータを公称モデル部335へ出力するものである。
具体的に、図9を参照しながら説明する。図9は、本実施形態における係数パラメータの推定方法を示す図である。図9に示す複数の黒丸「●」一つ一つは、係数パラメータDB333から取得した係数パラメータを表しており、これら複数の黒丸「●」によって係数パラメータの分布が示されている。
具体的に、図9を参照しながら説明する。図9は、本実施形態における係数パラメータの推定方法を示す図である。図9に示す複数の黒丸「●」一つ一つは、係数パラメータDB333から取得した係数パラメータを表しており、これら複数の黒丸「●」によって係数パラメータの分布が示されている。
係数パラメータ推定部334は、測定対象であるタイヤ8の種類を表す情報を運転DB110から取得すると共に、係数パラメータDB333からタイヤパラメータについての係数パラメータの分布を取得する。その上で、図9に示すように、係数パラメータ推定部334は、取得した係数パラメータの分布に対して、式(10)及び式(11)によって最小二乗法などを用いて式(9)をフィッティングすることで、係数パラメータ推定式を求める。さらに、求めた係数パラメータ推定式に、運転DB110から取得したタイヤパラメータの値(測定タイヤのタイヤパラメータ条件)を適用することで、測定対象であるタイヤ8についての係数パラメータ値を推定する。
公称モデル部335は、係数パラメータ推定部334から出力された係数パラメータを上記式(8)に適用して荷重推定モデル(公称モデル)である荷重推定式を作成する。このタイヤ8についての荷重推定式である公称モデルを用いて、目標押付荷重に対応する回転ドラム2の押付位置を目標押付位置として算出し、算出した目標押付位置を後述する逐次推定モデル部120へ出力する。
次に、図8及び図10を参照して、上述の制御装置300の動作、及びタイヤ試験装置1の制御方法について説明することで、本実施形態による荷重推定モデルの作成方法を説明する。
図10は、本実施形態による荷重モデルの作成方法の処理手順であるフローチャートを示す図である。図10に示すフローチャートにおいて、第1実施形態で説明した図4のフローチャートと同様の処理については、同じステップ(STEP)番号を付した。つまり、STEP1000、及びSTEP1400〜STEP1600は、第1実施形態と同様の処理であり、本実施形態では、係数パラメータ計算部332、係数パラメータデータベース(DB)333及び係数パラメータ推定部334が行うSTEP3000〜STEP3300の処理に特徴がある。従って、以下の説明では、STEP3000〜STEP3300の処理についてのみ説明する。
図10は、本実施形態による荷重モデルの作成方法の処理手順であるフローチャートを示す図である。図10に示すフローチャートにおいて、第1実施形態で説明した図4のフローチャートと同様の処理については、同じステップ(STEP)番号を付した。つまり、STEP1000、及びSTEP1400〜STEP1600は、第1実施形態と同様の処理であり、本実施形態では、係数パラメータ計算部332、係数パラメータデータベース(DB)333及び係数パラメータ推定部334が行うSTEP3000〜STEP3300の処理に特徴がある。従って、以下の説明では、STEP3000〜STEP3300の処理についてのみ説明する。
STEP1000でのパラメータの初期化が終了すると、係数パラメータ計算部332は、上記式(10)及び式(11)による重回帰係数ベクトルbiを用いて、上記式(9)に示す係数パラメータ推定式を決定し、全ての公称モデルデータについて、タイヤパラメータに対応する係数パラメータを計算する(STEP3000)。
係数パラメータDB333は、STEP1000に先立つ保持ステップで保持した情報を用いてSTEP3000で計算された係数パラメータを、公称モデルデータ別に格納する(STEP3100)。
係数パラメータDB333は、STEP1000に先立つ保持ステップで保持した情報を用いてSTEP3000で計算された係数パラメータを、公称モデルデータ別に格納する(STEP3100)。
係数パラメータ推定部334は、係数パラメータDB333から取得した図9に示す係数パラメータの分布に対して、式(9)をフィッティングすることで係数パラメータ推定式を求める。さらに、係数パラメータ推定部334は、求めた係数パラメータ推定式に、測定対象であるタイヤ8のタイヤパラメータの値を適用することで、当該タイヤ8についての係数パラメータ値を推定する。係数パラメータ推定部334は、推定した係数パラメータ値を公称モデル部335へ出力する(STEP3200)。
公称モデル部335は、係数パラメータ推定部334から出力された係数パラメータを上記式(8)に適用して荷重推定式(公称モデル)を作成(構築)する。これによって公称モデル部335は、STEP3200で推定されたタイヤ(つまり、公称モデルデータ)の既存の特性値(係数パラメータ)に基づいて推定されるタイヤ8の特性値(係数パラメータ)に応じて、荷重推定式を作成するために用いる公称モデルを取得する(STEP3300)。
つまり、STEP3200とSTEP3300を合わせれば、荷重推定モデル(荷重推定式)を作成するために用いる公称モデルを、測定対象であるタイヤ8の特性値(タイヤパラメータ)に基づいて、STEP1000でのパラメータの初期化に先立つ保持ステップで保持した情報(公称モデルデータ)から推定される特性値(係数パラメータ)に応じて取得する取得ステップとなる。
以下、第1実施形態で説明したSTEP1400〜STEP1600が行われる。
このような制御装置300によってタイヤ試験装置1を動作させれば、測定対象であるタイヤ8の種類に対応する種類の公称モデルデータが存在しない場合でも、タイヤ径やタイヤ幅などのタイヤパラメータに基づいてタイヤ8の公称モデルを構築し、目標押付荷重に対する目標押付位置を取得することができる。
このような制御装置300によってタイヤ試験装置1を動作させれば、測定対象であるタイヤ8の種類に対応する種類の公称モデルデータが存在しない場合でも、タイヤ径やタイヤ幅などのタイヤパラメータに基づいてタイヤ8の公称モデルを構築し、目標押付荷重に対する目標押付位置を取得することができる。
例えば、タイヤ径が15インチ以下と17インチ以上の公称モデルデータしか無い場合において測定対象であるタイヤ8のタイヤ径が16インチである場合でも、15インチ以下と17インチ以上の公称モデルデータについての係数パラメータの分布に基づいて係数パラメータ推定式を求めて、16インチに対応する係数パラメータを推定することができる。この係数パラメータの推定によって、16インチのタイヤ8についての公称モデルを構築することができる。
従って、本実施形態による荷重推定モデルの作成方法も、第1実施形態と同様に、回転ドラム2の押付位置の制御を、ほぼ目標押付荷重を実現する押付位置から開始することができるので、複数の計測データを利用して回転ドラム2の位置が正確に制御されると共に、タイヤ8のタイヤユニフォミティを短時間で精度よく測定することが可能となる。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 タイヤ試験装置(タイヤユニフォミティ試験機)
2 回転ドラム
3 タイヤ軸
4 ドラム部材
5 回転軸
6 フレーム部材
7 ドラム移動手段
8 タイヤ
100,200,300 制御装置
110 運転データベース(DB)
120 逐次推定モデル部
130,230,330 荷重推定モデル(公称モデル)作成部
131 公称モデルデータベース(DB)
132 モデル選択部
133,335 公称モデル部
231 タイヤ類似度計算部
332 係数パラメータ計算部
333 係数パラメータデータベース(DB)
334 係数パラメータ推定部
2 回転ドラム
3 タイヤ軸
4 ドラム部材
5 回転軸
6 フレーム部材
7 ドラム移動手段
8 タイヤ
100,200,300 制御装置
110 運転データベース(DB)
120 逐次推定モデル部
130,230,330 荷重推定モデル(公称モデル)作成部
131 公称モデルデータベース(DB)
132 モデル選択部
133,335 公称モデル部
231 タイヤ類似度計算部
332 係数パラメータ計算部
333 係数パラメータデータベース(DB)
334 係数パラメータ推定部
Claims (3)
- 回転する回転ドラムに押しつけられたタイヤに加わる荷重を計測することで前記タイヤのユニフォミティを測定するタイヤユニフォミティ試験機において、前記回転ドラムに対するタイヤの押し付け位置と前記タイヤに加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する荷重推定モデルの作成方法であって、
前記タイヤユニフォミティ試験機で既にユニフォミティが測定された試験済みのタイヤについて、当該測定で得られた情報を前記試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」ごとに保持する保持ステップと、
前記荷重推定モデルを作成するために用いる公称モデルを、前記試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」に応じて、前記保持ステップで保持した情報から取得する取得ステップと、
前記取得した公称モデルに基づいて、未試験の試験対象たるタイヤの押し付け位置と前記未試験の試験対象たるタイヤに加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する作成ステップと、を有することを特徴とするタイヤユニフォミティ試験機における荷重推定モデルの作成方法。 - 前記取得ステップが、前記公称モデルを、未試験の試験対象たるタイヤと最も類似度が高い別の一つの試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」に応じて取得することを特徴とする請求項1に記載のタイヤユニフォミティ試験機における荷重推定モデルの作成方法。
- 回転する回転ドラムに押しつけられたタイヤに加わる荷重を計測することで前記タイヤのユニフォミティを測定するタイヤユニフォミティ試験機において、前記回転ドラムに対するタイヤの押し付け位置と前記タイヤに加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する荷重推定モデルの作成方法であって、
前記タイヤユニフォミティ試験機で既にユニフォミティが測定された試験済みのタイヤについて、当該測定で得られた情報を前記試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」ごとに保持する保持ステップと、
前記荷重推定モデルを作成するために用いる公称モデルを、前記試験済みのタイヤの「種類ないしは径と幅」に基づいて、前記保持ステップで保持した情報から推定される「種類ないしは径と幅」に応じて取得する取得ステップと、
前記取得した公称モデルに基づいて、前記未試験の試験対象たるタイヤの押し付け位置と前記未試験の試験対象たるタイヤに加わる荷重との関係を表現する荷重推定モデルを作成する作成ステップと、を有することを特徴とするタイヤユニフォミティ試験機における荷重推定モデルの作成方法。
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