JP2006105580A - 冷凍装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低外気温時にも円滑に圧縮機を起動することのできる冷凍装置を提供する。
【解決手段】可変容量圧縮機(141)のガードタイマが終了すると、室外ユニットの制御部(140)からのR2信号がオンされる(動作I)。冷凍ユニットの制御部(120)では、R2信号がオンされており、温度センサ(124)で検知された庫内温度に基づき冷凍サーモオン要求が生じていると判断されれば(動作II)、冷凍冷凍電磁弁(121)が開口される(動作III)。通常、この冷凍電磁弁(121)を開口した際に、吸入冷媒圧力の上昇が圧力センサ(146)により検知されて可変容量圧縮機(141)が起動されることとなるが、外気温が低いときには、吸入冷媒圧力は所定値より低いままである。そこで、制御部(120)は、ブースタ圧縮機(131)を起動し(動作IV)、可変容量圧縮機(141)の吸入冷媒圧力を上昇させる。
【選択図】図3
【解決手段】可変容量圧縮機(141)のガードタイマが終了すると、室外ユニットの制御部(140)からのR2信号がオンされる(動作I)。冷凍ユニットの制御部(120)では、R2信号がオンされており、温度センサ(124)で検知された庫内温度に基づき冷凍サーモオン要求が生じていると判断されれば(動作II)、冷凍冷凍電磁弁(121)が開口される(動作III)。通常、この冷凍電磁弁(121)を開口した際に、吸入冷媒圧力の上昇が圧力センサ(146)により検知されて可変容量圧縮機(141)が起動されることとなるが、外気温が低いときには、吸入冷媒圧力は所定値より低いままである。そこで、制御部(120)は、ブースタ圧縮機(131)を起動し(動作IV)、可変容量圧縮機(141)の吸入冷媒圧力を上昇させる。
【選択図】図3
Description
本発明は、冷凍装置に関し、特に、外気温が低い際の圧縮機の起動動作を改良する技術に関するものである。
従来より、コンビニエンスストアなどの商店では、冷蔵ショーケース内で商品を陳列しつつ冷蔵する冷蔵ユニット及び冷凍ショーケース内で商品を陳列しつつ冷凍する冷凍ユニットが、1つの冷媒回路に接続されて構成された冷凍装置が用いられている。
図15は従来用いられている冷凍装置(5)での動作の概略を説明するための冷媒回路図である。
冷凍装置(5)では、室外に設置される室外ユニット(54)内の圧縮機(541)で圧縮された冷媒が凝縮器(542)で放熱しつつ凝縮する。この凝縮した液冷媒は、冷蔵ユニット(51)に流入するものと、冷凍ユニット(52)に流入するものとに分岐する。冷蔵ユニット(51)に流入した冷媒は、膨張弁(512)で減圧されて、冷蔵蒸発器(513)で庫内空気から吸熱しつつ蒸発する。また、冷凍ユニット(52)に流入した冷媒は、膨張弁(522)で減圧されて、冷凍蒸発器(523)で庫内空気から吸熱しつつ蒸発する。
冷凍蒸発器(523)での冷媒の飽和圧力は、ブースタユニット(53)内のブースタ圧縮機(531)によって冷蔵蒸発器(513)よりも低く保たれている。また、冷凍蒸発器(523)の蒸発温度(−5℃前後)は、冷蔵蒸発器(513)の蒸発温度(5℃前後)よりも低く維持されている。
これらの冷却が継続されて、冷蔵ユニット(51)又は冷凍ユニット(52)で、庫内空気の温度が、それぞれ、あらかじめ設定された目標温度に達すると、電磁弁(511)、電磁弁(521)が閉じられる。これにより、蒸発器(513)、蒸発器(523)への冷媒の供給が遮断されることとなる(それぞれ冷蔵サーモオフ状態、冷凍サーモオフ状態という)。
一方、制御部(540)(マイクロプロセッサ、ROM、RAM等を含み所定のプログラムを実行する)では、圧縮機(541)の吸入側の冷媒圧力が圧力センサ(546)で検知されており、その値が所定値(例えば0.10MPa)以下になると、圧縮機(541)を一時停止させる(室外サーモオフ状態)よう制御される。
逆に、室外サーモオフ状態のとき、冷蔵ユニット(51)又は冷凍ユニット(52)で、庫内空気温度とその目標温度との間で所定の大きさの温度差が生ずると、電磁弁(511)、電磁弁(521)がそれぞれ開口され、蒸発器(513)、蒸発器(523)への冷媒の供給が要求される(それぞれ冷蔵サーモオン状態、冷凍サーモオン状態)。一方、制御部(540)では、吸入冷媒圧力が所定値(例えば0.25MPa)以上に上昇したことが圧力センサ(546)によって検知され、圧縮機(541)を起動させるよう制御される(室外サーモオン状態)こととなる。
このように、冷凍装置(5)では、蒸発器(513,523)のいずれかに冷媒を循環させて圧縮機(541)の運転を継続する必要があるか否かを、圧力センサ(546)によって検知することができる。そのため、冷蔵ユニット(51)又は冷凍ユニット(52)で冷却の必要があるか否かを示す信号を制御部(540)に伝送することなく、簡素な構成で簡便に、圧縮機(541)の運転及び運転休止を切り替えるよう制御されている。
また、例えば特許文献1に記載の冷凍装置は、これに類似するものとして、湿り運転を避けるために、吸入冷媒圧力が所定値以下のときに、圧縮機を停止させる制御を行うものである。
特開2002−228297号公報
上記冷凍装置(5)では、上述のように、室外サーモオフ状態から室外サーモオン状態に移行する際、吸入冷媒圧力が所定値より低いとき、圧縮機を起動させないように制御される。ところが、例えば外気温が−5℃以下と著しく低い場合、冷媒の飽和圧力が低下して回路中の冷媒圧力が低下してしまう。この結果、冷凍ユニット(52)等が冷却を要求して電磁弁(513,523)が開かれたとしても、吸入側の冷媒圧力が低下したまま、圧縮機(541)が起動しないことがある。
本発明は、これらを考慮してなされたものであり、その目的は、低外気温時にも円滑に圧縮機を起動することのできる冷凍装置を提供することである。
第1の発明に係る冷凍装置(1)は、高温側圧縮機(141)を有する熱源回路と、上記熱源回路に接続され、蒸発器(123)及び低温側圧縮機(131)を有する利用回路とを備え、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置を前提としている。そして、本発明は、上記高温側圧縮機(141)の運転及び運転休止を、吸入冷媒圧力に基づいて切り替える運転制御手段と、上記高温側圧縮機(141)の運転休止時に、上記蒸発器(123)での冷却要求に関する条件を含む所定条件が満たされた際、上記高温側圧縮機(141)の吸入冷媒圧力が上昇するように低温側圧縮機(131)を起動させる起動制御手段とを備えたことを特徴としている。
本冷凍装置では、高温側圧縮機(141)の運転及び運転休止が吸入冷媒圧力に基づいて切り替えられる。ここで、上記高温側圧縮機(141)の運転休止時から運転が再開される際、上記蒸発器(123)での冷却要求に関する条件を含む所定の条件が満たされると、上記高温側圧縮機(141)の吸入冷媒圧力が上昇するように低温側圧縮機(131)が起動される。
第2の発明に係る冷凍装置(2)は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置を前提としている。そして、本発明は、圧縮機(241)の運転及び運転休止を、吸入冷媒圧力に基づいて切り替える運転制御手段と、上記圧縮機(241)の運転休止時に、外気温が所定温度より低下していた際、上記圧縮機(241)の運転を開始するか否かを判定するための吸入冷媒圧力の基準値を低下させる基準値変更手段とを備えたことを特徴としている。また、第3の発明に係る冷凍装置(2)は、この第2の発明に係る冷凍装置(2)において、上記基準値変更手段が、所定温度に対する外気温の低下量の大きさに従って、上記基準値を複数段階で低下させるように構成されている。
第2の発明に係る冷凍装置(2)では、圧縮機(241)の運転及び運転休止が吸入冷媒圧力に基づいて切り替えられる。ここで、上記圧縮機(241)の運転休止時から運転が再開される際、外気温が所定温度より低下していると、この圧縮機(241)の運転を開始するか否かを判定するための吸入冷媒圧力の基準値が低下される。また、この基準値は、第3の発明に係る冷凍装置(2)では、外気温の低下量の大きさに従って複数段階で低下される。
第4の発明に係る冷凍装置(3)は、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置を前提としている。そして、本発明は、圧縮機(341)の運転及び運転休止を吸入冷媒圧力に基づいて切り替える運転制御手段と、上記圧縮機(341)の運転休止時に、外気温が所定温度より低下しており、かつ、蒸発器(313)での冷却要求に関する条件が満たされた際、上記吸入冷媒圧力が上昇するように圧縮機(341)のモータに欠相通電を行う通電制御手段とを備えたことを特徴としている。
本冷凍装置(3)では、圧縮機(341)の運転及び運転休止が吸入冷媒圧力に基づいて切り替えられる。ここで、上記圧縮機(341)の運転休止時から運転が再開される際、外気温が所定温度より低下し、かつ、蒸発器(313)での冷却要求に関する条件が満たされると、上記吸入冷媒圧力が上昇するように圧縮機(341)を駆動するモータが欠相通電される。
上記第1の発明に係る冷凍装置(1)によれば、高温側圧縮機(141)の運転が再開される際、蒸発器(123)での冷却要求に関する条件を含む所定の条件が満たされると、高温側圧縮機(141)の吸入冷媒圧力が上昇するように該高温側圧縮機(141)に先立って低温側圧縮機(131)を起動させるようにした。これにより、外気温が著しく低い場合であっても、高温側圧縮機(141)の吸入冷媒圧力が確実に上昇するので、円滑に円滑に高温側圧縮機(141)を起動させることができる。
上記第2の発明に係る冷凍装置(2)よれば、圧縮機(241)の運転が再開される際、外気温が所定温度より低下していると、圧縮機(241)の運転を開始するか否かの基準となる吸入冷媒圧力の値を低下させるようにした。これにより、低外気温時に回路中の冷媒の圧力が低下していても円滑に圧縮機(241)を起動させることができる。
また、上記第3の発明に係る冷凍装置(2)によれば、吸入冷媒圧力の基準値を外気温の低さに応じて適切な分だけ低下させるようにしたため、外気温の低下に伴なう吸入冷媒圧力の低下を的確に検知してそれに応じた圧縮機の起動を円滑に行うことができる。
上記第4の発明に係る冷凍装置(3)によれば、圧縮機(341)の運転が再開される際、蒸発器(313)での冷却要求に関する条件が満たされると、圧縮機(341)のモータを欠相通電するようにした。これにより、外気温が著しく低下しても、吸入冷媒が加温されてその圧力が上昇するため、円滑に圧縮機(341)を起動させることができる。
以下、本発明の実施の形態である冷凍装置(1,2,3)につき、図面を用いて詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施形態である冷凍装置(1)の概略構成を示す図である。
コンビニエンスストアなどに設置される冷凍装置(1)は、図1に示すように、冷蔵ユニット(11)と、冷凍ユニット(12)と、ブースタユニット(13)と、室外ユニット(14)とを備えている。
冷蔵ユニット(11)は、商品が冷蔵されつつ陳列される冷蔵ショーケースを有し、冷凍ユニット(12)は、商品が冷凍されつつ陳列される冷凍ショーケースを有している。ブースタユニット(13)は、冷凍のため冷媒の圧力を低く保っている。室外ユニット(14)は、屋外に設置されて冷媒から外気への放熱が行われる。そして、室外ユニット(14)に対し、冷蔵ユニット(11)と、冷凍ユニット(12)及びブースタユニット(13)とが並列に接続されて、二段蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う1つの冷媒回路を構成している。
冷蔵ユニット(11)は、冷媒を減圧させる感温式膨張弁(112)と、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する冷蔵蒸発器(113)とが配管接続されている。また、冷蔵ユニット(11)は、冷蔵蒸発器(113)で吸熱されて冷却された庫内空気を冷蔵ショーケース内の陳列棚に向けて送り出すファン(115)を備えている。さらに、冷蔵ユニット(11)には、開口時に冷蔵蒸発器(113)へ向かう冷媒を通過させ、閉口時に冷蔵蒸発器(113)へ向かう冷媒の流れを遮断する冷蔵電磁弁(111)と、庫内空気の温度を検知する温度センサ(114)とが設けられている。
冷蔵電磁弁(111)、感温式膨張弁(112)及び冷蔵蒸発器(113)は、冷蔵ユニット(11)の流入側配管(201)から流出側配管(202)に向けて順に直列に接続されている。
冷凍ユニット(12)は、同様に、冷媒を減圧させる感温式膨張弁(122)と、冷媒が庫内空気から吸熱して蒸発する冷凍蒸発器(123)とが配管接続されている。また、冷凍ユニット(12)は、冷凍蒸発器(123)で吸熱されて冷却された庫内空気を冷凍ショーケース内の陳列棚に向けて送り出すファン(125)を備えている。さらに、冷凍ユニット(12)には、開口時に冷凍蒸発器(123)へ向かう冷媒を通過させ、閉口時に冷凍蒸発器(123)へ向かう冷媒の流れを遮断する冷凍電磁弁(121)と、庫内空気の温度を検知する温度センサ(124)とが設けられている。
冷凍電磁弁(121)、感温式膨張弁(122)及び冷凍蒸発器(123)は、冷凍ユニット(12)の流入側配管(203)から流出側配管(204)に向けて順に直列に接続されている。
ブースタユニット(13)は、ブースタ圧縮機(131)を備えている。このブースタ圧縮機(131)は、冷凍蒸発器(123)を通る冷媒の圧力を冷蔵蒸発器(113)を通る冷媒の圧力よりも低く保っている。
また、ブースタユニット(13)は、途中に逆止弁(133)を有するブースタ圧縮機(131)のバイパス通路(132)を備えている。このバイパス通路(132)は、ブースタ圧縮機(131)の故障時又は停止時に、冷媒がブースタ圧縮機(131)をバイパスして室外ユニット(14)側へ向かって流通可能に構成されている。つまり、ブースタ圧縮機(131)の駆動時には、冷媒はバイパス通路(132)を流れない。逆止弁(133)は、ブースタユニット(13)の流入側配管(205)側から流出側配管(206)側へ向かう冷媒流れのみを許容する。
室外ユニット(14)は、可変容量圧縮機(141)と、凝縮器(142)と、受液器(143)とを備えている。可変容量圧縮機(141)は、冷蔵ユニット(11)等の冷却負荷に応じて容量が調整可能に構成されている。凝縮器(142)は、冷媒が外気へ放熱して凝縮するように構成されている。受液器(143)は、凝縮器(142)で凝縮した液冷媒を一時的に蓄えるためのものである。つまり、この冷凍装置(1)では、可変容量圧縮機(141)が高温側圧縮機を、ブースタ圧縮機(131)が低温側圧縮機をそれぞれ構成している。
また、室外ユニット(14)には、外気を凝縮器(142)へ取り込むためのファン(144)が設けられている。さらに、室外ユニット(14)には、外気温を検知するための温度センサ(145)と、可変容量圧縮機(141)に吸入される冷媒の圧力を検知するための圧力センサ(146)とが設けられている。
可変容量圧縮機(141)、凝縮器(142)及び受液器(143)は、室外ユニット(14)の流入側配管(207)から流出側配管(208)に向けて順に直列に接続されている。
室外ユニット(14)の流入側配管(207)には、ブースタユニット(13)の流出側配管(206)と冷蔵ユニット(11)の流出側配管(202)とが接続されている。室外ユニット(14)の流出側配管(208)には、冷蔵ユニット(11)の流入側配管(201)と冷凍ユニット(12)の流入側配管(203)とが接続されている。冷凍ユニット(12)の流出側配管(204)は、ブースタユニット(13)の流入側配管(205)に接続されている。
また、室外ユニット(14)には、制御部(140)が設けられている。この制御部(140)は、各蒸発器(113,123)内の冷媒の圧力が一定に保たれるように可変容量圧縮機(141)を容量制御する。特に本発明に関わる制御部(140)による制御については、後に図4〜図8を用いて詳述する。
この冷凍装置(1)は図2、図3に示すように動作する。図2は冷凍装置(1)の通常時の動作を示す図であり、図3は本発明の特徴とする冷凍装置(1)の低外気温時の冷凍サーモオンに関わる動作を示す図である。
図2に示すように、可変容量圧縮機(141)が駆動する室外サーモオン状態では、各電磁弁(111,121)が開口されて、冷蔵ユニット(11)が冷蔵サーモオン状態となり、冷凍ユニット(12)が冷凍サーモオン状態となる。具体的に、可変容量圧縮機(141)が駆動すると、圧縮された冷媒が凝縮器(142)で放熱しつつ凝縮する。凝縮した液冷媒は、受液器(143)を通って、冷蔵ユニット(11)に流入するものと、冷凍ユニット(12)に流入するものとに分岐する。
冷蔵ユニット(11)では、膨張弁(112)で減圧された冷媒が冷蔵蒸発器(113)で吸熱しつつ蒸発し、冷蔵ショーケースの庫内空気が冷却される。冷凍ユニット(12)では、膨張弁(122)で減圧された冷媒が冷凍蒸発器(123)で吸熱しつつ蒸発し、冷凍ショーケースの庫内空気が冷却される。冷凍ユニット(12)から流出した冷媒は、ブースタ圧縮機(131)で圧縮される。圧縮後の冷媒は、冷蔵ユニット(11)から流出した冷媒と合流して室外ユニット(14)の可変容量圧縮機(141)に吸入され、これらの冷媒の循環が繰り返される。
冷蔵ショーケース内の庫内空気の温度が予め設定された目標温度になると、冷蔵電磁弁(111)が閉じられ、冷蔵蒸発器(113)への冷媒流れが遮断される(冷蔵サーモオフ状態)。同様に、冷凍ショーケース内の庫内空気の温度が予め設定された目標温度になると、冷凍電磁弁(121)が閉じられると共にブースタ圧縮機(131)が停止され、冷凍蒸発器(123)への冷媒流れが遮断される(冷凍サーモオフ状態)。冷蔵サーモオフ状態でかつ冷凍サーモオフ状態になると、可変容量圧縮機(141)の吸入冷媒圧力が低下する。この吸入冷媒圧力の低下が検知されると、可変容量圧縮機(141)が停止されて室外サーモオフ状態となる。
外気温が−5℃より高い通常の場合、冷蔵サーモオン/オフが冷蔵ユニット(11)の制御部(110)によって、冷凍サーモオン/オフが冷凍ユニット(12)の制御部(120)によってそれぞれ自動的に切り替えられる。そして、これらの冷蔵サーモオン/オフ、冷凍サーモオン/オフの状態に基づいて、室外サーモオン/オフが室外ユニット(14)の制御部(140)によって自動的に切り替えられる。なお、制御部(110)及び制御部(120)についは、図4等に基づいて後述する。
外気温が−5℃以下と著しく低い場合、冷凍ユニット(12)の庫内温度と目標温度との差が所定値より大きくなって冷凍サーモオン要求が生じ、冷凍電磁弁(121)が開口しても、可変容量圧縮機(141)の吸入冷媒圧力は殆ど上昇しない。ところが、本発明に係る冷凍装置(1)は、図3に示すように、特有の制御として、可変容量圧縮機(141)の吸入冷媒圧力が上昇するように可変容量圧縮機(141)に先立って強制的にブースタ圧縮機(131)を起動させるものである。
すなわち、可変容量圧縮機(141)のガードタイマが終了すると、室外ユニット(14)の制御部(140)から冷凍ユニット(12)の制御部(120)へ伝送されるR2信号がオンされる(動作I)。そして、冷凍ユニット(12)の制御部(120)では、温度センサ(124)で検知された庫内温度の値に基づき冷凍サーモオン要求が生じていると判断されれば(動作II)、冷凍電磁弁(121)が開口される(動作III)。
なお、可変容量圧縮機(141)のガードタイマとは、短時間内の発停の繰り返しにより圧縮機が損傷することを防止するため、圧縮機の停止時から1,2分程度で終了するタイマである。
通常の場合、この冷凍電磁弁(121)が開口されると、可変容量圧縮機(141)の吐出側の冷媒がブースタ圧縮機(131)のバイパス通路(132)を通じて可変容量圧縮機(141)の吸入側へ流通可能になるため、吸入冷媒圧力が上昇する。そして、この吸入冷媒圧力の上昇が圧力センサ(146)によって検知されると、可変容量圧縮機(141)が起動される。ところが、外気温が著しく低いと、可変容量圧縮機(141)の吸入冷媒圧力は所定値より低いままである。そこで、冷凍ユニット(12)の制御部(120)は、ブースタ圧縮機(131)を強制的に起動し(動作IV)、可変容量圧縮機(141)の吸入冷媒圧力を上昇させる。
この吸入冷媒圧力の上昇が圧力センサ(146)により検知されると(動作V)、これに基づいて可変容量圧縮機(141)が起動されることとなる(動作VI)。
これらの冷凍装置(1)での制御につき、以下、図4〜図8を用いてその詳細を説明する。
図4は、室外ユニット(14)の制御部(140)で実行される室外サーモオン制御プログラムの主要部の構成、並びに、その制御部(140)と冷蔵ユニット(11)の制御部(110)及び冷凍ユニット(12)の制御部(120)との入出力関係を模式的に示すブロック図である。
室外ユニット(14)の制御部(140)では、図5に示すサーモオン制御プログラムが実行される。冷蔵ユニット(11)の制御部(110)では、図6に示す冷蔵電磁弁開閉制御プログラムが実行される。冷凍ユニット(12)の制御部(120)では、図7及び図8にそれぞれ示す、冷凍電磁弁開閉制御プログラム及びブースタ圧縮機発停制御プログラムが実行される。各制御部(110,120,140)での処理は並行して実行される。
室外ユニット(14)の制御部(140)は、図4に示すように、電磁弁開閉許可部(1401)と、圧縮機起動条件判定部(1402)と、圧縮機起動部(1403)と有している。
電磁弁開閉許可部(1401)は、可変容量圧縮機(141)のガードタイマが終了すると、各電磁弁(111,121)の開口とブースタ圧縮機(131)の起動とを許可するためのR1信号及びR2信号をオンするように構成されている。圧縮機起動条件判定部(1402)は、圧力センサ(146)で検知される吸入冷媒圧力LPや、温度センサ(145)で検知される外気温Taなどがそれぞれ所定範囲の値であるか否かを判定するように構成されている。圧縮機起動部(1403)は、吸入冷媒圧力LPや外気温Taなどがそれぞれ所定範囲の値である場合、可変容量圧縮機(141)を起動させるように構成されている。
冷蔵ユニット(11)の制御部(110)は、冷却要求判定部(1102)及び電磁弁開閉部(1102)を有している。
冷却要求判定部(1102)は、温度センサ(114)で検知された庫内温度と予め設定された目標温度との差が所定値以上か否か(冷蔵サーモオン要求があったか否か)を判定する。さらに、冷却要求判定部(1102)は、R1信号がオンされているか否かを判定する。電磁弁開閉部(1102)は、冷蔵サーモオン要求があり且つR1信号がオンされていると、冷蔵電磁弁(111)を開口するように構成されている。
冷凍ユニット(12)の制御部(120)は、冷却要求判定部(1201)と、電磁弁開閉部(1202)と、ブースタ圧縮機発停部(1203)とを有している。
冷却要求判定部(1201)は、温度センサ(124)で検知された庫内温度と目標温度との差が所定値以上か否か(冷凍サーモオン要求があったか否か)を判定する。さらに、冷却要求判定部(1201)は、R2信号がオンされているか否かを判定する。電磁弁開閉部(1202)は、冷凍サーモオン要求があり且つR2信号がオンされていると、冷凍電磁弁(121)を開口するように構成されている。ブースタ圧縮機発停部(1203)は、冷凍サーモオン要求があり且つR2信号がオンされると、ブースタ圧縮機(131)を起動するように構成されている。
ここでは、主として、圧縮機起動条件判定部(1402)及び圧縮機起動部(1403)が可変容量圧縮機(141)の運転(サーモオン)と一時停止(サーモオフ)とを切り替える運転制御手段を構成している。また、冷却要求判定部(1201)、電磁弁開閉部(1202)及びブースタ圧縮機発停部(1203)は、可変容量圧縮機(141)の停止時に、冷凍ユニット(12)の冷却要求があり、且つ、可変容量圧縮機(141)のガードタイマの終了などの所定の条件が満たされると、ブースタ圧縮機(131)を起動させる起動制御手段を構成している。
したがって、各制御部(110,120,140)で実行されるプログラムによれば、外気温が低いために可変容量圧縮機(141)の吸入冷媒圧力が(局所的に)低下している状況においても、ブースタ圧縮機(131)の起動によって可変容量圧縮機(141)の吸入冷媒圧力を強制的に上昇させることができる。具体的には、次に示す処理手順が実行される。
図5に示すように、室外ユニット(14)の制御部(140)によるサーモオン制御では、まず、可変容量圧縮機(141)のガードタイマが終了したか否かが判定される(ステップ111、以下ステップをSTとする)。ガードタイマが終了していなければ(ST111にてNO)、本処理はそのまま終了する。また、ガードタイマが終了していれば(ST111にてYES)、冷蔵電磁弁(111)の開口を許可するR1信号、冷凍電磁弁(121)の開口とブースタ圧縮機(131)の起動とを許可するR2信号がオンされる(ST112)。
続いて、可変容量圧縮機(141)の吸入冷媒圧力LPが0.25MPaより大きいか否かが判断され(ST113)、吸入冷媒圧力LPが0.25MPaより大きければ(ST113にてYES)、可変容量圧縮機(141)が起動されて(ST114)、本処理は終了する。
吸入冷媒圧力LPが0.25MPa以下であれば(ST113にてNO)、温度センサ(145)で検知された外気温Taが−5℃より低くかつ可変容量圧縮機(141)の停止時間が10分以上であるか否かが判断される(ST115)。この条件が満たされれば(ST115にてYES)、ST114にて可変容量圧縮機(141)が強制的に起動されることとなる。外気温Taが−5℃以上であるか、又は、可変容量圧縮機(141)の停止時間が10分未満であれば(ST115にてNO)、本処理は終了する。
これらの処理によって、吸入冷媒圧力LPが低く可変容量圧縮機(141)を起動することができないときでも、ガードタイマが終了すると、R1信号及びR2信号がオンされて、各制御部(110,120)に対して電磁弁(111,121)の開口及びブースタ圧縮機(131)の起動が許可されることとなる。
図6に示すように、冷蔵ユニット(11)の制御部(110)による冷蔵電磁弁開閉制御では、まず、温度センサ(114)で検知された庫内温度と予め設定された目標温度との差が所定値以上となって冷蔵サーモオン要求が生じているか否かが判断される(ST121)。冷蔵サーモオン要求が生じなければ(ST121にてNO)、冷蔵電磁弁(111)が閉じられたままとなり(ST122)、本処理は終了する。
冷蔵サーモオン要求が生じれば(ST121にてYES)、R1信号がオンされているか否かが判断される(ST123)。R1信号がオンされていなければ(ST123にてNO)、ST122で冷蔵電磁弁(111)が閉じられたままとなり、本処理は終了する。また、R1信号がオンされていれば(ST123にてYES)、冷蔵電磁弁(111)が開かれ(ST124)、本処理は終了することとなる。
図7に示すように、冷凍ユニット(12)の制御部(120)による冷凍電磁弁開閉制御では、上記の冷蔵電磁弁開閉制御と同じ処理が行われる。つまり、温度センサ(124)での庫内温度の検知に基づき冷凍サーモオン要求が生じていないか(ST131にてNO)、又はR2信号がオフ状態であれば(ST133にてNO)、冷凍電磁弁(121)は閉じられたままとなり(ST132)、本処理は終了する。また、冷凍サーモオン要求が生じており且つR2信号がオンされていれば(ST131にてYESかつST133にてYES)、冷凍電磁弁(121)が開口され(ST134)、本処理は終了することとなる。
図8に示すように、冷凍ユニット(12)の制御部(120)によるブースタ圧縮機発停制御では、冷凍サーモオン要求が生じていないか(ST141にてNO)、又はR2信号がオフ状態であれば(ST143にてNO)、ブースタ圧縮機(131)は停止され(ST142)、本処理は終了する。また、冷凍サーモオン要求が生じており且つR2信号がオンされていれば(ST141にてYESかつST143にてYES)、ブースタ圧縮機(131)が起動され(ST144)、本処理は終了することとなる。
通常の場合、冷凍電磁弁開閉制御によって冷凍電磁弁(121)が開口され、冷媒が冷媒回路中を循環しうる状態になると、可変容量圧縮機(141)の吸入冷媒圧力が上昇し、サーモオン制御のST113での判断に基づいて可変容量圧縮機(141)が起動される。ところが、外気温が低いと吸入冷媒圧力が殆ど上昇しないため、このままでは可変容量圧縮機(141)を起動させることができない。
そこで、本冷凍装置(1)では、ブースタ圧縮機発停制御によってブースタ圧縮機(131)を起動させるので、可変容量圧縮機(141)の吸入冷媒圧力を上昇させることができる。したがって、サーモオン制御のST113での判断に基づき可変容量圧縮機(141)を確実に起動させることができる。すなわち、これらの制御により、外気温が低い場合であっても円滑に可変容量圧縮機(141)を起動させることができる。
次に、本発明の第2の実施形態である冷凍装置(2)及び第3の実施形態である冷凍装置(3)について説明する。これら冷凍装置(2,3)は、第1の実施形態における冷凍ユニット及びブースタユニットが省略されている。また、これら冷凍装置(2,3)の説明に際しては、第1の実施形態の冷凍装置(1)と同様の機能を有する構成要素については、同様の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9は冷凍装置(2)の低外気温時の冷蔵サーモオンに関わる動作を示す図である。
冷凍装置(2)では、圧縮機(241)のガードタイマが終了すると、室外ユニット(24)の制御部(240)から冷蔵ユニット(21)の制御部(210)に伝送されるR1信号がオンされる(動作I)。そして、冷蔵ユニット(21)の制御部(210)では、温度センサ(214)で検知された庫内温度の値に基づき冷蔵サーモオン要求が生じていると判断されると(動作II)、電磁弁(211)が開口される(動作III)。
ここで、外気温が低い場合、その外気温が温度センサ(245)によって検知されて、圧縮機(241)を起動させるか否かの判定基準である吸入冷媒圧力のしきい値を低下させる(動作IV)。そして、圧力センサ(246)によって検知された吸入冷媒圧力が変更後のしきい値を充足すれば(動作V)、圧縮機(241)が起動される(動作VI)。
このような制御について、図10及び図11を用いて詳細に説明する。
図10は、室外ユニット(24)の制御部(240)で実行されるサーモオン制御プログラムの主要部の構成を模式的に示すブロック図である。具体的には、制御部(240)では図11に示すようなサーモオン制御プログラムが実行され、冷蔵ユニット(21)の制御部(210)では図6と同様の冷蔵電磁弁開閉制御プログラムが実行される。
室外ユニット(24)の制御部(240)は、電磁弁開閉許可部(2401)と、圧縮機起動条件変更部(2402)と、圧縮機起動条件判定部(2403)と、圧縮機起動部(2404)とを有している。
電磁弁開閉許可部(2401)は、圧縮機(241)のガードタイマが終了すると、電磁弁(211)の開口を許可するためのR1信号をオンする。圧縮機起動条件変更部(2402)は、温度センサ(245)で検知された外気温Taに基いて、圧縮機(241)を起動するための吸入冷媒圧力のしきい値を低下させる。圧縮機起動条件判定部(2403)は、圧力センサ(246)で検知された吸入冷媒圧力LPが所定の範囲の値であるか否かを判定する。圧縮機起動部(2404)は、吸入冷媒圧力LPが所定範囲の値であるとき圧縮機(241)を起動させる。
冷蔵ユニット(21)の制御部(210)は、第1の実施形態の冷凍装置(1)と同様、冷蔵サーモオン要求があったか否かを判定すると共に、R1信号がオンされているか否かを判定する冷却要求判定部(2101)と、冷蔵サーモオン要求があり且つR1信号がオンされていると冷蔵電磁弁(211)を開口する電磁弁開閉部(2102)とを有している。
ここでは、主に、圧縮機起動条件判定部(2403)及び圧縮機起動部(2404)が、圧縮機(241)の運転及び運転休止を切り替える運転制御手段を構成している。また、圧縮機起動条件変更部(2402)は、外気温が所定温度より低下すると、圧縮機(241)の運転を開始するか否かの判定基準である吸入冷媒圧力のしきい値を低下させる基準値変更手段を構成している。
したがって、各制御部(210,240)で実行されるプログラムによれば、外気温が低いために圧縮機(241)の吸入冷媒圧力が低下している状況においても、吸入冷媒圧力のしきい値を低下させて圧縮機(241)を確実に起動することができる。具体的には、次に示す処理手順が実行される。なお、冷蔵ユニット(21)の制御部(210)にて実行される冷蔵電磁弁開閉制御については図6と同様であるもとして説明を省略する。
図11に示すように、室外ユニット(24)の制御部(240)によるサーモオン制御では、まず、圧縮機(241)のガードタイマが終了しているか否かが判定される(ST201)。ガードタイマが終了していなければ(ST201にてNO)、本処理はそのまま終了し、またガードタイマが終了していれば(ST201にてYES)、冷蔵電磁弁(211)の開口を許可するR1信号がオンされる(ST202)。
続いて、圧縮機(241)の吸入冷媒圧力LPが0.4MPaより大きいか否かが判断され(ST203)、吸入冷媒圧力LPが0.4MPaより大きいと(ST203にてYES)、圧縮機(241)が起動されて(ST204)、本処理は終了する。
吸入冷媒圧力LPが0.4MPa以下であれば(ST204にてNO)、外気温Taが0℃より低くかつ吸入冷媒圧力LPが0.25MPaより大きいか否かが判断される(ST205)。この条件を満たすと(ST205にてYES)、ST204で圧縮機(241)が起動されて本処理は終了する。
ST205の条件が満たされないと、すなわち、外気温Taが0℃以上か又は吸入冷媒圧力LPが0.25MPa以下であれば(ST205にてNO)、外気温Taが−5℃より低くかつ吸入冷媒圧力LPが0.2MPaより大きいか否かが判断される(ST206)。この条件を満たすと(ST206にてYES)、ST204で圧縮機(241)が起動されて本処理は終了する。また、外気温Taが−5℃以上か又は吸入冷媒圧力LPが0.2MPa以下であれば(ST206にてNO)、圧縮機(241)は起動されることなく、本処理は終了することとなる。
これらの処理手順において、ST202でR1信号がオンされ、且つ、冷蔵ユニット(21)側で冷蔵サーモオン要求が生じると、冷蔵電磁弁(211)が開口される。ところが、外気温が低い場合、冷蔵電磁弁(211)が開口されても圧縮機(241)の吸入冷媒圧力は殆ど低下したままである。そこで、外気温が所定の基準温度から0℃、−5℃と低下する量に応じて、圧縮機(241)を起動させる吸入冷媒圧力のしきい値を0.4MPaから0.25MPa、0.2MPaへと段階的に低下させることにより、圧縮機(241)の起動を促す。すなわち、これらの制御によって、外気温が低いときにも円滑に圧縮機(241)を起動させることができる。
図12は第3の実施形態である冷凍装置(3)の低外気温時の冷蔵サーモオンに関わる動作を示す図である。
この冷凍装置(3)では、圧縮機(341)のガードタイマが終了すると、室外ユニット(34)の制御部(340)から冷蔵ユニット(31)の制御部(310)へ伝送されるR1信号がオンされる(動作I)。そして、冷蔵ユニット(31)の制御部(310)では、温度センサ(314)で検知された庫内温度に基いて冷蔵サーモオン要求が生じていると判断されると(動作II)、冷蔵電磁弁(311)が開口される(動作III)。
ここで、外気温が低いときには冷媒の飽和圧力が低下しているため、冷蔵電磁弁(311)が開口されても、圧縮機(341)の吸入冷媒圧力は殆ど低下したままである。そこで、本冷凍装置(3)では、外気温が低いことを検知すると(動作IV)、圧縮機(341)のモータへの欠相通電を開始する(動作V)。なお、欠相通電とは、モータを回転させることなくそのコイルを発熱させてヒータとして用いるために、3相交流のうちの1相を欠相させてモータに電流を流すことである。
この欠相通電により、停止している圧縮機(341)内の冷媒の温度が上昇して圧縮機(341)の吸入口近傍の冷媒の飽和圧力が上昇する。したがって、圧力センサ(346)で検知される吸入冷媒圧力が上昇し、所定の圧力条件が充足されると(動作VI)、圧縮機(341)が起動されることとなる(動作VII)。
この冷凍装置(3)での制御について、図13及び図14を用いて説明する。
図13は、室外ユニット(34)の制御部(340)で実行されるサーモオン制御プログラムの主要部の構成を模式的に示すブロック図である。室外ユニット(34)の制御部(340)では図14に示すようなサーモオン制御プログラムが実行され、冷蔵ユニット(31)の制御部(310)では図6と同様の冷蔵電磁弁開閉制御プログラムが実行される。
室外ユニット(34)の制御部(340)は、電磁弁開閉許可部(3401)と、欠相通電指示部(3402)と、圧縮機起動条件判定部(3403)と、圧縮機起動部(3404)とを有している。
電磁弁開閉許可部(3401)は、圧縮機(341)のガードタイマが終了すると、冷蔵電磁弁(311)の開口を許可するためのR1信号をオンする。欠相通電指示部(3402)は、温度センサ(345)で検知された外気温Taに基づき欠相通電を指示する。圧縮機起動条件判定部(3403)は、圧力センサ(346)で検知された吸入冷媒圧力LPが所定範囲の値であるか否かを判定する。圧縮機起動部(3404)は、吸入冷媒圧力LPが所定範囲の値であるときに圧縮機(341)を起動させる。
冷蔵ユニット(31)の制御部(310)は、第1の実施形態の冷凍装置(1)と同様、冷蔵サーモオン要求があったか否かを判定すると共にR1信号がオンされているか否かを判定する冷却要求判定部(3101)と、冷蔵サーモオン要求があり且つR1信号がオンされていると冷蔵電磁弁(311)を開口する電磁弁開閉部(3102)とを有している。
ここでは、主に、圧縮機起動条件判定部(3403)及び圧縮機起動部(3404)が圧縮機(341)の運転及び運転休止を切り替える運転制御手段を構成している。また、欠相通電指示部(3404)は、圧縮機(341)の運転休止時に、外気温が所定の温度より低くかつ冷蔵サーモオン要求があると、吸入冷媒圧力が上昇するように圧縮機(341)のモータに欠相通電を行う通電制御手段を構成している。
したがって、各制御部(310,340)で実行されるプログラムによれば、冷蔵電磁弁(311)が開口されても外気温が低いために圧縮機(341)の吸入冷媒圧力が低下している状況においても、圧縮機(341)のモータに欠相通電させて圧縮機(341)吸入冷媒圧力を強制的に上昇させることができる。具体的には、次に示す処理手順が実行される。なお、冷蔵ユニット(31)の制御部(310)にて実行される冷蔵電磁弁開閉制御については図6と同様であるものとして説明を省略する。
図14に示すように、室外ユニット(34)の制御部(340)によるサーモオン制御では、まず、圧縮機(341)のガードタイマが終了しているか否かが判断される(ST301)。ガードタイマが終了していなければ(ST301にてNO)、本処理はそのまま終了し、またガードタイマが終了していれば(ST301にてYES)、冷蔵電磁弁(311)の開口を許可するR1信号がオンされる(ST302)。
続いて、圧縮機(341)の吸入冷媒圧力LPが0.25MPaより大きいか否かが判断される(ST303)。吸入冷媒圧力LPが0.25MPaより大きければ(ST303にてYES)、欠相通電が禁止されて通常の通電が行われるように設定された後(ST304)、圧縮機(341)が起動されて(ST305)、本処理は終了する。
吸入冷媒圧力LPが0.25MPa以下であれば(ST303にてNO)、外気温Taが−5℃より低くかつ欠相通電時間が5分以上であるか否かが判断される(ST306)。ここで、外気温Taが−5℃以上であるか又は欠相通電時間が5分未満であれば(ST306にてNO)、外気温Taが−5℃より低くかつ圧縮機(341)の停止時間が5分以上であるか否かが判断される(ST307)。
ST307において、外気温Taが−5℃より低くかつ圧縮機(341)の停止時間が5分以上であれば(ST307にてYES)、欠相通電が許可され(ST308)、再びST301(制御スタート)へリターンする。その後、ST301からST303まで移り、再び圧縮機(341)の吸入冷媒圧力LPが0.25MPaより大きいか否かが判断される。ここで、欠相通電により吸入冷媒圧力LPが0.25MPaより大きくなっていれば(ST303にてYES)、上述したように、欠相通電が禁止された後(ST304)、圧縮機(341)が起動されて(ST305)、本処理は終了する。
つまり、ST307では、外気温Taが−5℃より低いことに加え、圧縮機(341)がサーモオフで停止してから5分経過していれば、該圧縮機(341)内の冷媒温度が著しく低下しているとみなし、欠相通電を行うようにしている。
一方、ST303において、欠相通電を行っているにも拘わらず吸入冷媒圧力LPが0.25MPa以下である場合(ST303にてNO)、ST306にて再び外気温Taが−5℃より低くかつ欠相通電時間が5分以上であるか否かが判断される。ここで、この条件を満たすと(ST306にてYES)、ST304及びST305と移行して圧縮機(341)が起動されて本処理が終了する。逆に、条件を満たさないと(ST306にてNO)、再びST307以降へ移る。つまり、ST306では、外気温が低いために吸入冷媒圧力LPが所定の圧力に達していないが、欠相通電が所定時間行われていれば吸入冷媒圧力LPは多少上昇したとみなして圧縮機(341)を起動させるようにしている。
また、ST307において、外気温が−5℃以上であるか又は圧縮機(341)の停止時間が5分未満であれば(ST307にてNO)、欠相通電は許可されることなく、再びST301(制御スタート)へリターンする。その後は、上述と同様に移行する。
これらの処理手順では、ST302でR1信号がオンされ、且つ、冷蔵サーモオン要求が生じた場合、冷蔵電磁弁(311)が開口される。ここで、外気温が低いと圧縮機(341)の吸入冷媒圧力が低下したままとなるが、圧縮機(341)のモータに対して欠相通電を行うことにより、圧縮機(341)の吸入冷媒圧力を強制的に上昇させることができ、圧縮機(341)を確実に起動することができる。
なお、上記の実施の形態の冷凍装置では、温度センサ(145,245,345)を用いて直接外気温のみを検知することにより、その低下を検知するようにしている。ところが、本発明は、これに加えて、例えば高圧ドーム型の圧縮機(141,241,341)の吐出口近傍の冷媒温度を検知するようにしてもよい。その場合、例えば吐出口近傍の冷媒温度が20℃以下のとき外気温が低いと判断すれば、2つの温度センサのうちの一方が破損したとしても、外気温の低下を確実に検知することができる。
また、上記の各実施形態の冷凍装置(1,2,3)では、冷媒の流量などを冷蔵ユニット(11,21,31)側や冷凍ユニット(12)側で制御するために、電磁弁と膨張弁とを用いるようにしている。ところが、これに代えて、電子膨張弁などの他の弁を用い、サーモオン時これらの弁を開口するように制御するようにしてもよい。この場合、上述の電磁弁の開口と同様、電子膨張弁の開口によっても圧縮機を起動するのみて回路内で冷媒を循環させることができる状態にすることができる。
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、本発明は、吸入冷媒圧力の高低に基づき、その運転及び運転停止が切り替えられる圧縮機を含む冷凍装置について有用である。
1,2,3 冷凍装置
113,213,313 冷蔵蒸発器
123 冷凍蒸発器
131 ブースタ圧縮機
141,241,341 可変容量圧縮機
113,213,313 冷蔵蒸発器
123 冷凍蒸発器
131 ブースタ圧縮機
141,241,341 可変容量圧縮機
Claims (4)
- 高温側圧縮機(141)を有する熱源回路と、上記熱源回路に接続され、蒸発器(123)及び低温側圧縮機(131)を有する利用回路とを備え、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置(1)であって、
上記高温側圧縮機(141)の運転及び運転休止を、吸入冷媒圧力に基づいて切り替える運転制御手段と、
上記高温側圧縮機(141)の運転休止時に、上記蒸発器(123)での冷却要求に関する条件を含む所定条件が満たされた際、上記高温側圧縮機(141)の吸入冷媒圧力が上昇するように低温側圧縮機(131)を起動させる起動制御手段とを備えた
ことを特徴とする冷凍装置。 - 蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置(2)であって、
圧縮機(241)の運転及び運転休止を、吸入冷媒圧力に基づいて切り替える運転制御手段と、
上記圧縮機(241)の運転休止時に、外気温が所定温度より低下していた際、上記圧縮機(241)の運転を開始するか否かを判定するための吸入冷媒圧力の基準値を低下させる基準値変更手段とを備えた
ことを特徴とする冷凍装置。 - 請求項2に記載の冷凍装置(2)において、
上記基準値変更手段は、所定温度に対する外気温の低下量の大きさに従って、上記基準値を複数段階で低下させるように構成されている
ことを特徴とする冷凍装置。 - 蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う冷凍装置(3)であって、
圧縮機(341)の運転及び運転休止を、吸入冷媒圧力に基づいて切り替える運転制御手段と、
上記圧縮機(341)の運転休止時に、外気温が所定温度より低下しており、かつ、蒸発器(313)での冷却要求に関する条件が満たされた際、上記吸入冷媒圧力が上昇するように圧縮機(341)のモータに欠相通電を行う通電制御手段とを備えた
ことを特徴とする冷凍装置。
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