JP2006104615A - 高捲縮仮撚糸の製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】織編物に有用であり、捲縮ムラのない良好な品位で、嵩高性、軽量感に優れた高捲縮仮撚糸の製造法を提供する。
【解決手段】セルロースフィラメントを仮撚加工するに際し、予め、鉱物油を主成分とする油剤を3.0〜5.5%omf付与し、続いて供給糸に水分を付与した後に、第1フィード率を−3〜10%にて仮撚加工することにより、沸水処理後の伸縮伸長率が4%以上である高捲縮仮撚糸の製造法。
【選択図】選択図なし

Description

本発明は、セルロース系繊維の高捲縮仮撚糸の製造法に関する。
セルロース系繊維は、発色性に優れて鮮明な色彩を呈する為、婦人のアウター衣料に幅広く供されている。横編セーターなどの嵩高性の要求されるセルロース系繊維の嵩高加工としては、インターレース混繊、仮撚加工、デニット加工等が挙げられる。
しかしながら、セルロース系繊維は水により膨潤して膨潤度が増大するので、嵩高性が消失しやすい。また、横編分野においては、比較的太い繊度のセルロース系繊維を用いた嵩高加工糸が用いられるが、比重がポリアクリル系繊維やポリエステル系繊維より大きく、その上、染色中あるいは製品の洗濯などの湿潤状態での形態保持性に問題がある。即ち、嵩高性が消失したり、膨らみ感がなくなり、「ダラッ」とした重量感のある製品となる。特に洗濯した場合には、セルロース系繊維の嵩高性が消失してしまうことがあった。
その対応策として、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリル系などの合成繊維と複合して使用されることが多く、セルロース系繊維100%で嵩高性があり、かつ、軽量感や保温性のある製品は得られていない。また、嵩高性、軽量感に優れた高捲縮仮撚糸がえられるものの毛羽や糸切れが発生し安定して仮撚糸が得られていないのが現状である。(例えば、特許文献1参照)
特開2004−076235号公報
本発明は、布帛として精練や染色等の熱水処理工程後も捲縮を保持し、毛羽や糸切れが少なく、さらには捲縮を大きく発現するような安定したセルロースフィラメントの高捲縮仮撚糸の製造法を提供することを目的とするものである。さらにまた、該セルロースフィラメントの高捲縮仮撚糸を用いた布帛であって、捲縮ムラがなく品位が良好で、嵩高性があり、軽量感や保温性に優れた織編物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、従来のセルロースに関する技術思想にはなかった、セルロース繊維内部の微細構造空間に着目し、構造変化と物理的歪をコントロールすることにより、精練や染色時における熱水処理後も捲縮が保持され、または捲縮が大きく発現しうる可能性を見出し、その知見に基づき技術開発を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は下記の通りである。
1.セルロースフィラメントを仮撚加工するに際し、予め鉱物油を主成分とする油剤を3.0〜5.5%omf付与し、続いて、供給糸に水分を付与した後に、第1フィード率を−3〜10%にて仮撚加工することにより、沸水処理後の伸縮伸長率が4%以上である高捲縮仮撚糸の製造法。
本発明により得られる高捲縮仮撚糸は、毛羽発生や糸切れの発生がなく加工性が良好であり、かつ捲縮ムラがなく、嵩高性があり、捲縮の形態保持性に優れているので、この仮撚糸を用いることにより、捲縮ムラのない良好な品位で、染色後も仮撚糸の捲縮が十分に生かされ、膨らみ感があり、嵩高性、軽量性富む織編物が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるセルロースフィラメントとしては、例えば、キュプラアンモニウムレーヨン、ビスコースレーヨンなどの再生セルロース繊維等、セルロース繊維のフィラメントであればよい。セルロースフィラメントの繊度は希望に応じて適宜選定すれば良く、例えば、単糸繊度としては0.8〜5.5dtex、フィラメント数20〜120本、トータル繊度は55〜330dtex程度のものが好ましく用いられる。
本発明において、高捲縮仮撚糸は、沸水処理後の伸縮伸長率が4%以上である。このような仮撚糸は、仮撚加工するに際し、予め油剤を付与し、続いて、供給糸に水分を付与した後に、第1フィード率を−3〜10%にて仮撚加工することにより製造することができる。また、仮撚加工における加撚は、ヒーター温度を180℃以上の高温で行うことが好ましい。
本発明により得られる仮撚糸が、従来技術では達成し得なかったほどの熱水処理後における高い捲縮保持性を有すること、また、熱水処理により捲縮の発現が更に増大するという能力を有することに関するメカニズムは完全に解明されているわけではないが、以下のように推定される。
仮撚加工前に、予め油剤を付与した後、続いて、供給糸であるセルロースフィラメントに付与された水分は、非晶領域やそれを取り囲む結晶成分の界面にも存在しており、微細構造的には水分は無数のミクロな系内に閉じ込められた状態にある。このような状態のセルロースフィラメントが、仮撚機の加撚工程で、加撚による張力下において高温度で瞬間的な熱処理を受けると、ヒーターに接触したフィラメント部分のミクロな系内で、水分は高温で高圧蒸気化と高温熱水化され、瞬時にして非晶成分と結晶成分からIV型の結晶が形成され、撚糸の形態変形が構造的に記憶されるものと推定される。
さらにヒーターから離れた位置にあるミクロな系ほどマイルドに処理されるため、繊維全体としては微細構造的には不均一で、極めて歪の大きい状態(ポテンシャルの高い状態)が瞬時に水素結合を介して固定され、解撚工程を通って仮撚糸が形成され、巻き取られることになる。
このようにして得られた仮撚糸は、精練工程や染色工程における湿潤状態で水素結合が切れ、繊維全体として最もポテンシャルの低い構造状態に落ち着こうとするため、トルクが発現し、驚くべきことに、捲縮が保持され、または大きな捲縮が発現するものと推定される。
本発明の製造方法において、セルロースフィラメントを仮撚加工するに際し、予め、油剤を付与することが望ましい。セルロースフィラメント原糸製造段階での付与あるいは仮撚加工前に付与しても良いが、水分を付与する直前に油剤を付与することが望ましい。これによりセルロースフィラメントがガイドなどとの摩擦係数を小さくし、該フィラメントからの毛羽発生や単糸切れを防止するものである。用いる油剤としては鉱物油とポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルフェニルエーテル系活性剤等の非イオン系活性剤を主成分とするもので供給糸に対して3.0〜5.5%omf付与する。3.0%omf以上では毛羽発生や単糸切れがみられず、5.5%omf以下ではガイドなどに付着してスカムの原因となることもなく、仮撚ヒーター内で発煙することも起こらず好ましい。油剤の成分は鉱物油が10〜100%、非イオン系活性剤が90〜0%であるのが好ましく、鉱物油が50〜100%、非イオン系活性剤が50〜0%であるのがさらに好ましい。
本発明の製造方法において、供給糸に付与する水分は、水、または水に浸透剤等の界面活性剤、低級アルコール、及び目的に応じて各種の機能を付与するための加工剤を添加したものでもよい。特に、仮撚糸の捲縮伸長率をより均一にするためには、水に浸透剤等の界面活性剤を添加することが好ましい。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、アルキルフェニルエーテル系活性剤等の非イオン系活性剤やジアルキルサクシネート、ジオクチルスルホサクシネートなどのアニオン系活性剤等を使用することができる。また、低級アルコールとしてはメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどである。使用量としては、0.1〜20g/リットルが好ましく、より好ましくは0.5〜10g/リットルである。使用量がこの範囲であると、浸透効果が十分であり、糸の粘着などが起こらず、毛羽が発生することもない。また、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールなどを使用することにより、仮撚糸の強度低下を防止することができる。
水分の付与は、仮撚加工する前、即ち、クリール仕掛けをする前に別工程で実施しても良く、又、仮撚加工工程での第1ヒーター前でも良いが、経時による水分蒸散による水分率変化を防ぐためには、仮撚加工工程で第1ヒーターの直前で付与するのが好ましい。また、セルロースフィラメントの原糸製造工程における乾燥工程に仮撚機構を組み入れ、一次乾燥時に仮撚工程を組み入れて製造しても良い。
水分を付与する方法としては、供給糸を水中に走行させる浸漬法、水をノズルから噴出させて付与するノズル法、水で濡れたローラー表面に糸を接触させる単純ローラー法、また、ローラーの前で糸を水に浸漬させるデイップローラー法、走行中の糸に水をシャワーする噴霧法、蒸気噴霧する事により水分を付与する方法等、何れの方法でも良く、特に限定されないが、糸長方向及び糸断面方向へ均一に水分を付与するという観点から、浸漬法やデイップローラー法、噴霧法が好ましい。
本発明の製造方法において蒸気噴霧によって水分を付与するとは、走行する供給糸に対して平流方向あるいは向流方向に蒸気噴霧を行うことで水分は高温で高圧蒸気化と高温熱水化が効率的に行われるため、セルロースフィラメントの撚糸の形態変形が安定的、かつ構造的に記憶されると推定される。
本発明の製造方法においては、湿潤した糸を加撚するため、加撚部の延伸の大小による糸の加撚張力やこれに伴って変動する解撚張力は、糸切れ等がなく良好な生産加工性で、糸長方向の捲縮ムラがない品位良好な高捲縮仮撚糸を得る為の重要な要件であり、これを規定する第1フィード率の条件設定は、本発明における大きな技術ポイントである。
本発明者らは、乾燥時の伸度に比べて大きくなる湿潤伸度や乾燥による糸収縮等の糸特性が、捲縮ムラに影響を与えるものと推察して検討した結果、捲縮ムラが第1フィード率の大小に大きく影響されることを見出した。捲縮ムラは、加撚部での糸の伸びや縮みに起因する撚数の変化、あるいは、解撚部での高張力によって捲縮が引き伸ばされて生じると考えられる。捲縮ムラが発生した部分は、正常部に比較して、低捲縮であるか又は捲縮がないものが殆どであるが、一部には未解撚の状態であるものが見られ、糸長としては5mm〜500mmと様々である。
本発明の製造方法において、第1フィード率は、上記捲縮ムラの発生を抑制するために、−3%〜10%にすることが必要である。第1フィード率が−3%以上では、解撚張力が高いために捲縮が引き伸ばされるためにおこる捲縮ムラが発生しにくくなるだけでなく、加撚張力が高いことによる毛羽が抑えられ、糸品質が低下することを防ぎ糸切れも減少する。捲縮ムラの抑制にはフィード率を大きくすること、即ち、オーバーフィード条件が有効であるが、10%以下で加撚張力が適度で未解撚が発生しにくく、また、糸切れが少なくなる。上記範囲において好ましいフィード率は、供給糸の糸種や太さ、又、仮撚時の糸速や第1ヒーター温度等により変動するが、−2%〜3%が好ましい。
本発明において、得られる仮撚糸は、沸水処理後の伸縮伸長率が4%以上であり、好ましくは7〜50%、より好ましくは7〜40%、更に好ましくは10〜30%である。伸縮伸長率が4%以上で、嵩高性があり軽量感が得られる。また、50%以下で大きな嵩高性が得られるとともに、凹凸感のない編地となり良好な外観が得られる。なお、伸縮伸長率はJIS L1090伸縮性試験法(A法)に準じて測定される。
本発明の製造方法において、付与する水分量は、第1ヒーターに入る前の供給糸の絶乾水分率を20〜130%にするのが好ましく、30〜100%にするのがより好ましい。絶乾水分率が20%以上であると、伸縮伸長率が大きく、嵩高性や軽量性が十分な仮撚加工糸が得られ、又、付与される水分量のバラツキが少ないので解撚が十分に行われ、優れた品質の糸が得られる。また、130%以下であると、仮撚加工時の糸切れが無く、強伸度物性や品質の優れた糸が得られる。加撚ゾーンの長さには限界があるため、付与される水分量が多すぎると、処理速度を低下させることが必要となり生産性の面で好ましくない。なお、絶乾水分率は(株)ケット科学研究所製の赤外線水分計(FD−240)を用いて測定される。
付与する水は、常温でも温湯でも良いが、夏期や冬季等における水温差に起因する伸縮伸長率のばらつきを防ぐためには、15〜25℃に設定するのが好ましい。
仮撚加工温度は、仮撚加工速度、即ち、湿潤した糸がヒーターゾーンを通過する加熱時間の影響が大きく、例えば、加工速度60〜100m/分、接触式ヒーターゾーンの通過時間が0.69〜1.15秒の場合、第1ヒーター温度は180〜260℃が好ましく、更に好ましくは220〜250℃である。第1ヒーター温度が上記の範囲であると、大きい伸縮伸長率が得られ、十分に乾燥が行われるので糸切れが少なく、解撚も十分に行われるので、優れた品質の糸が得られ、また、仮撚加工糸が黄変したり強度低下をきたすことがない。
生産量を上げる為に、ヒーターゾーンを長くして加熱時間を増すことにより仮撚加工速度をアップしても良いが、適正な加熱時間は0.5〜1.5秒であり、この場合、第1ヒーター通過直後の糸の絶乾水分率を0〜15%にするのが好ましく、5〜12%が更に好ましい。15%以下であると乾燥が十分で糸切れの発生がない。
仮撚加工速度をアップする為に、ヒーターゾーンに入る前に熱ローラーに接触させたり、熱風等にて予備乾燥をしても良い。
尚、故意に糸の断面方向に水分付与のバラツキを作り、水分の付いた側と付かない側を生じさせて、バイメタル現象により、沸水処理後に70%以上の大きな伸縮伸長率を持った高捲縮仮撚加工糸を作成する事もできる。又、例えば、ローラー法にて故意に断続的にローラーを停止させる等により、糸長方向に水分付与の有無を作り捲縮ムラのある特殊な高捲縮仮撚糸を作ることもできる。
本発明の高捲縮仮撚糸は、ピン、ニップベルト、ディスク等によって撚をかける仮撚方式により加工することが好ましく、なかでも均一な捲縮を得るためにはピン仮撚方式が好ましい。
本発明において、好ましいその他の仮撚条件は、下記の通りである。
即ち、仮撚数は下記式で表される範囲が好ましい。
仮撚数=(23000/D1/2+590)×(0.6〜1.1)
(式中、Dは供給糸の繊度(dtex)を表す。)、また、テイクアップ(TU)フィード率は1〜8%、加撚張力は0.05〜0.29cN/dtex、解撚張力は、(加撚張力)×(3.0〜8.0)倍であることが好ましい。
尚、第2ヒーターを使用した2H(熱処理を2回行う)仮撚糸にしても良い。
供給するセルロースフィラメントの原糸は、無撚糸でも甘撚糸でもインターレース交絡した糸でも良く、また、ポリエステルに代表される合成繊維とのインターレース交絡等による複合糸でも良い。
製編織するに際し、得られた高捲縮仮撚糸を更に追撚しても良く、本発明の目的を損なわない範囲内において、例えば、綿などの天然セルロース繊維やセルロースフィラメントの原糸、有撚糸や紡績糸と混用しても良く、また、合成繊維の原糸、有撚糸等の各種加工糸と混用しても良い。更には、スパンデックス糸を芯にしたカバリング糸などを用いてもよく、目的とする編織物や風合いに応じて適宜選定すれば良い。混用する場合、本発明により得られた高捲縮仮撚糸を30wt%以上用いることが好ましく、さらに好ましくは50wt%以上である。
編組織については、横編地でも経編地でも良く、ゲージも制限されず、例えば12〜36GGの範囲で可能である。
織物の組織については、平織、綾織、朱子織、及びこれらの変化組織の何れでも良い。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに説明するが、本発明は実施例のみに限定されるものではない。
尚、測定法、評価法は次の通りである。
(1)絶乾水分率
(株)ケット科学研究所製の赤外線水分計(FD−240)を用いて測定した。尚、絶乾水分率値は、設定温度90℃で水分率変化が1分間当たり0.1%以内となる時間を恒量時とし、この時の質量を絶乾質量値とし下記の式にて求められる。
絶乾水分率(%)={(湿潤質量−絶乾質量)/絶乾質量}×100<加工糸の評価>
(2)沸水処理後の伸縮伸長率
2.9〜6.9cN/糸の張力でチーズ紙管に巻き取った仮撚加工糸を、20℃×65%RHの恒温恒湿の室内に約1週間放置する。その後、検尺機にて2cN/糸以下の張力で解舒して綛を作り、1昼夜リラックスさせた。
次いで、綛の状態でガーゼに包み、JIS L1013フィラメント収縮率(B法)に準じて、沸騰水中に30分間浸漬させた後、綛を取り出して手で挟んで軽く水を切り、ガーゼを外した後、吊り干しの状態で20℃×65%RHの標準状態の室内にて乾燥及び調湿した。
以上のようにして調製した試料を用い、JIS L1090伸縮性試験法(A法)に準じて測定を行い、5回の平均値を算出した。
(3)捲縮ムラ
各実施例、比較例の条件で仮撚加工した3錘の加工糸を用い、22Gの筒織機でそれぞれ筒編み地1m長を作成した。
評価は、筒編み地中に黒板を入れて捲縮ムラが目立つ状態での精密判定と、黒板なしの通常判定により、編地中での捲縮ムラの有無及びその程度を、下記の5段階で評価した。
◎:捲縮ムラが全くなく品位良好(精密判定でムラなし)
○:非常に軽微な捲縮ムラあり(精密判定でムラが分かる)
△:目立つ捲縮ムラなし(通常判定)
×:目立つ捲縮ムラが1〜5ケ所あり、品位に問題あり
××:目立つ捲縮ムラが6ケ所以上で品位問題大
(4)仮撚加工性(糸切れ)
各実施例、比較例の条件で、それぞれ3錘について10時間の仮撚加工を行い、糸切れの有無を観察して、下記の3段階で評価した。
○:3錘共に糸切れなし
△:1錘のみ糸切れ
×:2錘以上糸切れあり、加工性に問題あり
(5)仮撚加工性(毛羽)
各実施例、比較例の条件で、それぞれ3錘について10時間の仮撚加工を行い、毛羽の有無を観察して、下記の3段階で評価した。
○:3錘共に糸切れなし
△:1錘のみ糸切れ
×:2錘以上糸切れあり、加工性に問題あり
<編地の評価>
(6)嵩高性
仮撚糸を用いて袋天竺組織の横編地を作成し、常法により染色加工して染色前後の厚みを測定し、その厚み変化率の大きさを下記の基準に従いランク付けして表した。
厚みはJIS L1018法に準じて測定し、変化率を下記の式で求めた。
厚み変化率(%)={(染色後の厚み)/(染色前の厚み)}×100
◎:120%以上で非常に嵩高性に優れる
○:100%以上、120%未満で嵩高性良好
×:100%未満で嵩高性不良
(7)軽量性
上記(6)で染色した染色品の軽量感を、繊維の研究に携わる5人の検査員によって官能検査を行い、下記の3段階で評価し、5人の検査員の判定結果を総合してランク付けで表した。
◎:軽量感に優れる
○:軽量感あり
×:軽量感不足
〔実施例1〜3〕、〔比較例1〜3〕
キュプラアンモニウムレーヨンフィラメント110dtex/60f(旭化成せんい製;沸水収縮率4.5%、湿潤伸度27%)を用い、仮撚加工機(石川製作所製:IVF−338、加撚機構はピン方式、接触式ヒーター、ヒーター長115cm)にて、仮撚条件を加工速度100m/分、第1ヒーター温度250℃、加熱時間1.15秒、スピンドル回転数120000rpm,仮撚数Z撚2000T/m、TUフィード率4%に設定して、仮撚加工を行った。
なお、水分を付与する前に鉱物油を主成分とする油剤総付着量が3.0%omf(実施例1)、4.0%omf(実施例2)、5.5%omf(実施例3)、2.5%omf(比較例1)、2.7%omf(比較例2)、6.0%omf(比較例3)となるように付与させた。油剤の付与は、クリールから供給された糸に2.9cN/糸の張力を掛け、第1ヒーター前にて油剤を付与し他後、続いて、水分の付与は流水中を20mm走行させる浸漬法により付与した。水分を付与した後、付着水を鋭角のセラミック板に接触させた後、エアー吸引して除去し、絶乾水分率を60%とした。
尚、絶乾水分率は、第1ヒーター直前にて、水分を付与した供給糸を約5g採取し、経時変化のないよう直ちに(株)ケット科学研究所製の赤外線水分計(FD−240)を用いて測定した。
絶乾水分率60%の供給糸について、第1フィード率を4%にて仮撚加工を行った。
このようにして得られた仮撚糸につき、沸水処理後の伸縮伸長率の測定を行うと共に、22G、240本の筒編み地を作成して捲縮ムラを評価した。また、14GGの袋天竺組織の横編地を作成して、常法にて染色仕上げし、編地の嵩高性、軽量感等を評価した。評価結果を表1に示す。
表1に示す様に、比較例は毛羽発生や糸切れが発生するのに対して、実施例はいずれも毛羽発生がなくや糸切れの発生なく加工性が良好であり、捲縮ムラ共に良好で、又、沸水処理後の伸縮伸長率は20%程度で、これらの仮撚糸を用いた横編地の染色品は、嵩高性に優れ、軽量性に富むものであった。
Figure 2006104615
本発明により得られる高捲縮仮撚糸は、セルロース系繊維で構成されているため、発色性に優れて鮮明な色彩を呈するので、婦人のアウター衣料等として有用である。

Claims (1)

  1. セルロースフィラメントを仮撚加工するに際し、予め鉱物油を主成分とする油剤を3.0〜5.5%omf付与し、続いて供給糸に水分を付与した後に、第1フィード率を−3〜10%にて仮撚加工することにより、沸水処理後の伸縮伸長率が4%以上である高捲縮仮撚糸の製造法。
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