JP2006104110A - エポキシ化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 アリル位に電子吸引性基を有するアリル化合物を効率よくエポキシ化する方法を提供する。
【解決手段】
アリル位に電子吸引性基を有するアリル化合物を、ヘテロポリ酸又はその塩、及び過酸化物で酸化してエポキシ化合物を製造する方法において
(1)ヘテロポリ酸若しくはその塩、及び/又は、過酸化物を複数回に分割して添加し、又は
(2) ヘテロポリ酸又はその塩を反応系中で調整する場合においては、ヘテロポリ酸を形成する2種以上の酸素酸若しくはその塩、及び/又は、過酸化物を複数回に分割して添加することを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エポキシ化合物の製造方法、詳しくはアリル位に電子吸引性基を有するアリル化合物を酸化してエポキシ化合物を製造する方法に関する。エポキシ化合物はエポキシ樹脂の原料、医薬品、農薬、硬化剤などの用途として、または各種有機合成品の反応前駆体として工業上極めて重要な化合物である。
アリル位に電子吸引性基が結合したアリル化合物は二重結合の反応性が低下しており、エポキシ化が困難とされている。このようなアリル化合物をエポキシ化する報告例として、70%過酸化水素水を酸化剤とした例(例えば特許文献1)や、有機過酸を酸化剤とした例(例えば非特許文献1)などがあるが、これらの方法では試薬自体が取り扱い困難であったり、高い収率を得るために試薬を大過剰に使用するなど、工業化に適していない。一方、電子吸引性基を有するアリル化合物を、アルキルハイドロパーオキサイドを用いてエポキシ化する例(例えば特許文献2)、ヘテロポリ酸又はその塩と過酸化水素を用いてエポキシ化する例(例えば非特許文献2)などがあるが、収率が十分でなく、いまだ工業化には適していない。
特開昭59−231078号公報 特開2003−155280号公報 Agric.Biol.Chem.;EN;52,11,1988,2911−2918 Bull.Chem.Soc.Jpn.,70,No4,(1997),905−915
従って本発明の目的は、アリル位に電子吸引性基を有するアリル化合物を、効率的にエポキシ化する方法を提供することにある。
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、ヘテロポリ酸又はその塩、及び/又は、過酸化物を特定の条件下で用いると、アリル位に電子吸引性基を有するアリル化合物が効率的に酸化され、エポキシ化合物が効率的に製造されることを見出し、本発明を完成したものである。
即ち、本発明は、アリル位に電子吸引性基を有するアリル化合物を、ヘテロポリ酸又はその塩、及び過酸化物で酸化してエポキシ化合物を製造する方法において
(1)ヘテロポリ酸若しくはその塩、及び/又は、過酸化物を複数回に分割して添加し、又は
(2) ヘテロポリ酸又はその塩を反応系中で調整する場合においては、ヘテロポリ酸を形成する2種以上の酸素酸若しくはその塩、及び/又は、過酸化物を複数回に分割して添加することを特徴とするエポキシ化合物の製造方法を提供する。
本発明によれば、エポキシ化が困難である、アリル位に電子吸引性基が結合したアリル化合物を効率的にエポキシ化することができる。
(1)ヘテロポリ酸若しくはその塩、及び/又は、過酸化物を複数回に分割して添加し、又は
(2) ヘテロポリ酸又はその塩を反応系中で調整する場合においては、ヘテロポリ酸を形成する2種以上の酸素酸若しくはその塩、及び/又は、過酸化物を複数回に分割して添加することで、一括で添加する場合に比してエポキシ化合物の収率が著しく向上し、経済性などの面で工業化に適している。
〔アリル化合物〕
本発明において基質として用いるアリル化合物は、アリル位に電子吸引性基を有するものであれば特に限定されないが、例えばアリルハライド類、アリルエステル類及びアリルエーテル類などが挙げられる。特にアリルエステル類やアリルエーテル類などが本発明の使用に好適であり、具体的には、アリルアセテート、アリルブチラート、アリルヘキサノエート、アリルカプロエート、アリルメタクリレート、ジアリルマレート、ジアリルスクシネート、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、1,3,5−トリアリルベンゼンカルボン酸などのカルボン酸のアリルエステル;トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートなどのシアヌル酸又はイソシアヌル酸のアリルエステル;アリルメチルカーボネート、ジアリルカーボネートなどのアリルカーボネート;アリルスルホネート、アリルハロスルホネート、アリルトリハロアルキルスルホネートなどの硫黄酸エステル;アリルメチルエーテル、アリルプロピルエーテル、アリルブチルエーテル、アリルオクチルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ジアリルエーテル、ジエチレングリコールビスアリルエーテルなどのアリルエーテルが挙げられる。これら化合物は炭化水素基や複素環式基などの種々の置換基を有していても良く、特にハロゲン原子、パーハロゲン化された炭化水素基(例えばトリハロメチル基など)、スルホニル基(ハロスルホニル、トリハロメタンスルホニル、アルコキシスルホニルなどの置換スルホニル基を含む)などの電子吸引性基を置換基として有する場合には、電子吸引性基を置換基として有さない化合物に比べてエポキシ化が困難となる場合が多く、本発明の使用に適している。電子吸引性基を置換基として有するアリル化合物としては、アリルモノクロロアセテート、アリルトリフルオロアセテート、アリルジフルオロフルオロスルホニルアセテート、3−クロロメトキシプロペン、3−(1−クロロエトキシ)−プロペン、3−(1−フルオロ−2,2,2,−トリクロロエトキシ)−プロペン、3−(2−クロロ−1,1,2−トリフルオロエトキシ)−プロペン、3−(1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−2−トリフルオロメチルプロポキシ)プロペン、2−(2−プロペニロキシ)−3,3,3−トリフルオロプロパノール、2−アリロキシエタンスルホニルフロリド、2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリド、1−アリロキシ−1,1,3,3,3,−ペンタフルオロ−プロパン−2−スルホニルフロリドなどが挙げられる。
本発明において使用されるアリル化合物は、アリル位に電子吸引性基を有する骨格を複数個有するアリル化合物であってもよく、アリル性の二重結合を環状骨格内に有するアリル化合物であってもよい。
〔ヘテロポリ酸又はその塩〕
本反応で使用するヘテロポリ酸又はその塩は、酸化触媒として使用されるヘテロポリ酸又はその塩であれば特に限定されず、構成元素として、P又はSiの元素と、V、Mo及びWから選択された少なくとも1つの元素とを含むヘテロポリ酸が好適に用いられる。好ましいヘテロポリ酸アニオンの組成は、XM1240で表すことができる。この組成式において、Xは、Si、Pなどの元素であり、Mは、Mo、W、Vなどの元素である。このような組成を有するヘテロポリ酸アニオンとして、例えば、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンバナドモリブデン酸のアニオンなどが例示できる。特に好ましいヘテロポリ酸アニオンは、リンモリブデン酸、リンタングステン酸のアニオンである。また、ヘテロポリ酸が塩である場合のカウンターカチオンとしては、特に限定されないが、一価又は二価の金属イオン及び/又は4級アンモニウムイオンが挙げられる。具体的には、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr等のアルカリ金属のイオン;Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Ra等のアルカリ土類金属のイオン;テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラノルマルプロピルアンモニウム、テトライソプロピルアンモニウム、テトラノルマルブチルアンモニウム、テトラノルマルヘキシルアンモニウム、テトラシクロヘキシルアンモニウム、トリオクチルメチルアンモニウム、メチルトリオクチルアンモニウム、テトラデシルアンモニウム、セチルピリジニウム、エチルピコリニウム、アルキルキノリウム、ベンジルメチルステアリルアンモニウムなどの4級アンモニウムイオンなどが例示される。特に4級アンモニウムイオンを用いた場合には相関移動の働きをするため、反応系が水−有機溶媒の2相系である場合に適している。なお、ヘテロポリ酸の塩を反応系内で調製する場合には、上記金属イオンやアンモニウムイオンを有する塩基又は塩を系内に添加すればよい。
ヘテロポリ酸又はその塩を反応系中にて調整する場合には、異なる2種以上の酸素酸又はその塩を反応系内に添加すればよく、例えば、P、Siなどの元素の酸素酸イオン(例えばリン酸、ケイ酸など)と、V、Mo、Wなどの元素の酸素酸イオン(例えば、バナジン酸、モリブデン酸、タングステン酸など)との組み合わせから選択された2種以上の酸素酸又はその塩を添加すればよい。なお、Bull.Chem.Soc.Jpn.,70,No4,(1997),905−915に記載されているように、リン酸としてアミノメチルリン酸などのアミノアルキルリン酸を使用した場合に収率が向上する場合がある。
ヘテロポリ酸又はその塩の使用量は、特に限定されないが、原料として用いるオレフィン類1モルに対して、例えば、0.00001から0.5モル、好ましくは0.0001〜0.1モル、さらに好ましくは0.001〜0.05モル程度である。
なお、本明細書中において、ヘテロポリ酸又はその塩とは、ポリ酸の多面体構造が崩れた下記式(1)
Figure 2006104110
(式中MはV、Mo、Wなどの金属原子を示す)
で表される構造を有する高活性なヘテロポリ酸又はその塩の意味にも使用され、前記高活性なヘテロポリ酸の調整は、例えば、J.Org.Chem.Vol.53、3587-3593(1988)、J.Mol.Catal. Vol.32、p107-110(1985)J.Org.Chem.Vol.51、p1599-1602(1986)に記載されている方法により調整される。J.Org.Chem.Vol.53、3587-3593(1988)記載の方法によれば、リンタングステン酸の31%過酸化水素水溶液に、セチルピリジニウムアンモニウムクロリドの水溶液を添加し、析出した触媒をろ取することで調整できる。これら高活性なヘテロポリ酸は、予め調整して使用してもよく反応系中で調整して使用してもよい。
〔過酸化物〕
本反応で使用される過酸化物は、アルキル又はアラルキルハイドロパーオキサイド等の有機ハイドロパーオキサイド又は過酸化水素が使用される。特に過酸化水素を酸化剤として用いるのが好ましい。過酸化水素の濃度は特に限定されないが、3〜70重量%の水溶液のものを使用することができる。特に本反応においては35%以下の、取り扱いが比較的容易な過酸化水素水溶液を用いても、エポキシ化合物が高収率で得られる。過酸化物の使用量は、特に限定されないが、目的とする転化率に応じて選択することができ、特に高い転化率を求める時には、原料として用いるアリル化合物1モルに対して、通常0.5モル以上(例えば1モル以上)、好ましくは1から10モル、さらに好ましくは1から5モル程度である。本発明においては酸素を酸化剤として過酸化物と併用して用いてもよい。過酸化物と併用する酸素としては特に限定されず、純粋な酸素を用いても良く、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガスで希釈した酸素や空気を使用してもよい。
〔反応〕
本発明では、ヘテロポリ酸又はその塩(ヘテロポリ酸を反応系内で調整する場合にあっては、ヘテロポリ酸を形成する2種以上の酸素酸又はその塩)及び/又は過酸化物を複数回に分割して添加することで、一括で添加した場合に比して、目的物であるエポキシ化合物の収率が著しく向上する。複数回に分割して添加する方法としては、例えば、エポキシ化に必要な量のヘテロポリ酸又はその塩を添加した後に必要な量の過酸化物を複数回に分割して添加する方法、エポキシ化に必要な量の過酸化物を添加した後に必要な量のヘテロポリ酸又はその塩(ヘテロポリ酸を反応系内で調整する場合にあっては、ヘテロポリ酸を形成する2種以上の酸素酸又はその塩)を複数回に分割して添加する方法、適当量のヘテロポリ酸又はその塩、及び、適当量の過酸化物を予め反応系内に存在させた後に、必要な量のヘテロポリ酸又はその塩(ヘテロポリ酸を反応系内で調整する場合にあっては、ヘテロポリ酸を形成する2種以上の酸素酸又はその塩)及び/又は、過酸化物を複数回に分割して添加する方法、前記高活性なヘテロポリ酸又はその塩を用いる場合には、高活性なヘテロポリ酸又はその塩を予め調整し、エポキシ化に必要な量を添加する方法、高活性なヘテロポリ酸を系内で調整する場合には、高活性なヘテロポリ酸を形成し得るヘテロポリ酸又はその塩(ヘテロポリ酸を反応系内で調整する場合にあっては、ヘテロポリ酸を形成する2種以上の酸素酸又はその塩)、過酸化物、必要に応じて4級アンモニウム塩及び溶媒を単独で又は予め組み合わせた状態で、反応系内に複数回に分割して添加する方法などがある。
反応は溶媒の存在下又は非存在下で行われる。溶媒としては、例えば、有機酸類(酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸等)、アルコール類(メタノール、エタノール、ノルマル又はイソプロパノール、第3級ブタノール、アミルアルコール、シクロヘキサノール等)、多価アルコール類(エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、鎖状又は環状エーテル類(エチルエーテル、イソプロピルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン、オクタン等)、脂環式炭化水素類(シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等)、ニトロメタン、ニトロエタンなどのニトロ化合物、リン化合物(リン酸エステル等)、ハロゲン化炭化水素(クロロホルム、ジクロロメタン、二塩化エチレン等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン等)、水、及びこれらの混合溶媒などが挙げられる。溶媒の使用量は特に限定されないが、基質としてのアリル化合物に対し、例えば、0.1〜100重量倍、好ましくは、1〜50重量倍、さらに好ましくは、2〜20重量倍である。
本発明においては、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒドなどの脂肪族又は芳香族アルデヒドを反応促進剤として添加することもできる。
本発明の方法では、比較的温和な条件であっても円滑に反応が進行する。反応温度は、使用するアリル化合物、ヘテロポリ酸又はその塩、過酸化物の種類などに応じて適宜選択でき、例えば、0〜200℃、好ましくは20〜150℃、さらに好ましくは40〜100℃程度である。反応時間は目的とする転化率等に併せて適宜選択することができる。反応は常圧で行ってもよく、減圧下又は加圧下で行ってもよい。反応の雰囲気は反応を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素雰囲気、空気雰囲気、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気などの何れであってもよい。また、反応はバッチ式、セミバッチ式、連続式などの何れの方法で行うこともできる。反応終了後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶析、再結晶、吸着、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段やこれらを組み合わせることにより分離精製できる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、各化合物の定量はガスクロマトグラフィーによる内部標準法により定量した。また、12タングストリン酸n水和物は関東化学社製を使用した。
調整例1
(PCWP触媒の調整)
J.Org.Chem.,Vol.53, No.15,1988記載の方法により、セチルピリジニウムアンモニウムクロリド(CPC)と12タングストリン酸n水和物を、35%過酸化水素水中で反応させることにより、〔C55+(CH215CH33{PO4[W(O)(O22]4}3− (PCWP触媒Mw.2064)を調整した。
実施例1
アリルブチルエーテル1.14g(10mmol)、PCWP触媒0.21g(0.1mmol)、クロロホルム11.4g、31%過酸化水素水1.10g(10mmol)を混合し、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。3時間攪拌後にPCWP触媒0.21g(0.1mmol)、31%過酸化水素水1.10g(10mmol)を追加し、更に3時間反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をガスクロマトグラフィー(GC)により分析したところ、アリルブチルエーテルの転化率98.3%で、3−ブトキシ−1,2−エポキシプロパンが収率96.3%得られた。GC上、副生成物として0.4%の3−ブトキシ−1,2−プロパンジオールが観測された。
実施例2
アリルブチルエーテル 1.14g(10mmol)、PCWP触媒 0.42g(0.2mmol)、クロロホルム11.4g、31%過酸化水素水1.10g(10mmol)を混合し、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。3時間攪拌後に 31%過酸化水素水1.10g(10mmol)を追加し、更に3時間反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、アリルブチルエーテルの転化率96.7%で、3−ブトキシ−1,2−エポキシプロパンが収率94.0%得られた。GC上、副生成物として、0.5%の3−ブトキシ−1,2−プロパンジオールが観測された。
比較例1
アリルブチルエーテル1.14g(10mmol)、PCWP触媒0.42g(0.2mmol)、クロロホルム11.4g、31%過酸化水素水2.20g(20mmol)を混合し、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。6時間反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、アリルブチルエーテルの転化率67.3%で、3−ブトキシ−1,2−エポキシプロパンが収率66.4%で得られた。この液をさらに窒素雰囲気下、60℃に加熱し、6時間攪拌した。その後室温に冷却しクロロホルム層をGCにより分析したところ、アリルブチルエーテル転化率78.6%、3−ブトキシ−1,2−エポキシプロパン収率73.9%であり、3−ブトキシ−1,2−プロパンジオールおよび複数種の副生成物ビークが観測された。
実施例3
2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリド5.65g(23.5mmol)、PCWP触媒 0.49g(0.24mmol)、クロロホルム 56.5g、31%過酸化水素水 2.58g(23.5mmol)を混合し、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。3時間後に更にPCWP触媒 0.49g(0.24mmol), 31%過酸化水素水 2.58g(23.5mmol)を追加し、更に3時間反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリドの転化率93.6%で、対応するエポキシ化合物が収率91.9%で得られた。GC上、副生成物として、エポキシが水和したジオール体が1.1%観測された。
実施例4
2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリド5.65g(23.5mmol)、PCWP触媒0.99g(0.49mmol)、クロロホルム56.5g、31%過酸化水素水 2.58g(23.5mmol)を混合し、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。3時間攪拌後31%過酸化水素水 2.58g(23.5mmol)を追加し、更に3時間反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリドの転化率91.8%で、対応するエポキシ化合物が収率89.3%で得られた。GC上、副生成物として、エポキシが水和したジオール体が1.0 %観測された。
比較例2
2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリド5.65g(23.5mmol)、PCWP触媒0.99g(0.49mmol)、クロロホルム56.5g、31%過酸化水素水 5.16g(47.0mmol)を混合し、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。6時間反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリドの転化率47.2%で、対応するエポキシ化合物の収率44.5%であった。この液をさらに窒素雰囲気下、60℃に加熱し、6時間攪拌した。その後室温に冷却しクロロホルム層をGCにより分析したところ、2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリドの転化率54.8%で、対応するエポキシ化合物が収率48.0%で得られた。GC上エポキシが水和したジオール体および複数種の副生成物ビークが観測された。
実施例5
12タングストリン酸n水和物1391mg(0.47mmol)を31%過酸化水素水 2.60g(23.7mmol)に溶解させた(液A)。一方で、CPC508mg(1.42mmol)をクロロホルム 56.8gに溶解させた(液B)。窒素雰囲気下、液Aと液Bを混合し、室温で1時間攪拌した。この二層分離液に、2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリド5.68g(23.6mmol)を加えた後、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。3時間攪拌後31%過酸化水素水 2.60g(23.7mmol)を追加し、更に3時間反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリドの転化率88.6%で、対応するエポキシ化合物が収率87.0%で得られた。GC上、副生成物として、エポキシが水和したジオール体が0.9 %観測された。
実施例6
2−アリロキシエタンスルホニルフロリド1.08g(6.42mmol)、PCWP触媒0.13g(0.06mmol)、クロロホルム 10.8g、31%過酸化水素水0.71g(6.42mmol)を混合し、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。3時間攪拌後PCWP触媒 0.13g(0.06mmol)、31%過酸化水素水 0.71g(6.42mmol)を追加し、更に3時間(計6時間)反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、2−アリロキシエタンスルホニルフロリドの転化率95.1%で、対応するエポキシ化合物が収率92.8%で得られた。GC上、副生成物として、エポキシが水和したジオール体が1.6%観測された。
実施例7
2−アリロキシエタンスルホニルフロリド1.08g(6.42mmol)、PCWP触媒0.26g(0.12mmol)、クロロホルム 10.8g、31%過酸化水素水0.71g(6.42mmol)を混合し、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。3時間攪拌後31%過酸化水素水0.71g(6.42mmol)を追加し、更に3時間反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、2−アリロキシエタンスルホニルフロリドの転化率93.0%で、対応するエポキシ化合物が収率91.3%で得られた。GC上、副生成物として、エポキシが水和したジオール体が1.1%観測された。
比較例3
2−アリロキシエタンスルホニルフロリド1.08g(6.42mmol), PCWP触媒0.26g(0.12mmol)、クロロホルム 10.8g、31%過酸化水素水1.42g(12.8mmol)を混合し、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。6時間反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、2−アリロキシエタンスルホニルフロリドの転化率56.6%、対応するエポキシ化合物の収率53.5%であった。この液をさらに窒素雰囲気下、60℃に加熱し、6時間攪拌した。その後室温に冷却しクロロホルム層をGCにより分析したところ、2−アリロキシエタンスルホニルフロリドの転化率62.2%で、対応するエポキシ化合物が収率57.2%で得られた。GC上エポキシが水和したジオール体および複数種の副生成物ビークが観測された。
実施例8
アリルオクチルエーテル1.44g(8.5mmol)、PCWP触媒0.17g(0.08mmol)、クロロホルム14.4g,31%過酸化水素水 0.93g(8.5mmol)を混合し、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。3時間攪拌後PCWP触媒0.17g(0.08mmol)、31%過酸化水素水0.93g(8.5mmol)を追加し、更に3時間反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、アリルオクチルエーテルの転化率97.1%で、3−オクチルオキシ−1,2−エポキシプロパンが収率94.9%で得られた。GC上、副生成物として、0.6%の3−オクチルオキシ−1,2−プロパンジオールが観測された。
実施例9
アリルオクチルエーテル1.44g(8.5mmol)、PCWP触媒0.34g(0.17mmol)、クロロホルム14.4g,31%過酸化水素水0.93g(8.5mmol)を混合し、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。3時間攪拌後31%過酸化水素水0.93g(8.5mmol)を追加し、更に3時間反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、アリルオクチルエーテルの転化率94.3%で、3−ブトキシ−1,2−エポキシプロパンが収率92.1%で得られた。GC上、副生成物として、0.5%の3−オクチルオキシ−1,2−プロパンジオールが観測された。
比較例4
アリルオクチルエーテル 1.44g(8.5mmol)、PCWP触媒 0.34g(0.17mmol), クロロホルム14.4g,31%過酸化水素水1.85g(17mmol)を混合し、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。6時間反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、アリルブチルエーテルの転化率64.9%で、3−ブトキシ−1,2−エポキシプロパンの収率63.4%であった。この液をさらに窒素雰囲気下、60℃に加熱し、6時間攪拌した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、アリルブチルエーテルの転化率71.3%で、3−ブトキシ−1,2−エポキシプロパン収率が67.9%で得られた。GC上3−オクチルオキシ−1,2−プロパンジオールおよび複数種の副生成物ビークが観測された。
実施例10
12タングストリン酸n水和物1425mg(0.48mmol)を31%過酸化水素水2.66g(24.2mmol)に溶解させた(液A)。一方で、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド588mg(1.45mmol)をトルエン 34.9gに溶解させた(液B)。窒素雰囲気下、液Aと液Bを混合し、室温で1時間攪拌した。この二層分離液に、2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリド5.82g(23.6mmol)を加えた後、窒素雰囲気下、100℃にて攪拌した。2時間攪拌後31%過酸化水素水2.66g(24.2mmol)を追加し、更に2時間反応を行い、その後室温に冷却した。トルエン層をGCにより分析したところ、2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリドの転化率86.9%で、対応するエポキシ化合物が収率85.0%で得られた。GC上、副生成物として、エポキシが水和したジオール体が0.7%観測された。
比較例5
12タングストリン酸n水和物1425mg(0.48mmol)を31%過酸化水素水2.66g(24.2mmol)に溶解させた(液A)。一方で、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド588mg(1.45mmol)をトルエン 34.9gに溶解させた(液B)。窒素雰囲気下、液Aと液Bを混合し、室温で1時間攪拌した。この二層分離液に、2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリド5.82g(23.6mmol) 、31%過酸化水素水2.66g(24.2mmol)を加え、窒素雰囲気下、100℃にて攪拌した。4時間反応を行い、トルエン層をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリドの転化率46.0%で、対応するエポキシ化合物の収率44.6%であった。さらに4時間反応を行ったところ、2−アリロキシ−1,1,2,2,−テトラフルオロエタンスルホニルフロリドの転化率50.4%で、対応するエポキシ化合物が収率47.6%で得られた。GC上、エポキシが水和したジオール体および複数種の副生成物ビークが観測された。
実施例11
12タングストリン酸n水和物713mg(0.24mmol)を31%過酸化水素水1.32g(12.0mmol)に溶解させた(液A)。一方で、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド294mg(0.73mmol)をトルエン 32.0gに溶解させた(液B)。窒素雰囲気下、液Aと液Bを混合し、室温で1時間攪拌した。この二層分離液に、アリルトリフルオロアセテート1.82g(11.8mmol)を加えた後、窒素雰囲気下、80℃にて攪拌した。2時間攪拌後31%過酸化水素水1.33g(12.1mmol)を追加し、更に2時間反応を行い、その後室温に冷却した。トルエン層をGCにより分析したところ、アリルトリフルオロアセテートの転化率83.2%で、対応するエポキシ化合物が収率81.8%で得られた。GC上、副生成物として、エポキシが水和したジオール体が0.8%観測された。
実施例12
タングステン酸ナトリウム2水和物247mg(0.75mmol)、40%リン酸水溶液367mg(1.5mmol)を31%過酸化水素水1.10g(10.0mmol)に溶解させた。その後、30%硫酸水溶液をpH=2になるまで加えた(液A)。一方で、CPC107mg(0.30mmol)をクロロホルム 11.4gに溶解させた(液B)。窒素雰囲気下、液Aと液Bを混合し、室温で1時間攪拌した。この二層分離液に、アリルブチルエーテル1.14g(10.0mmol)を加えた後、窒素雰囲気下、60℃にて攪拌した。3時間攪拌後31%過酸化水素水1.10g(10.0mmol)を追加し、更に3時間反応を行い、その後室温に冷却した。クロロホルム層をGCにより分析したところ、アリルブチルエーテルの転化率91.5%で、3−ブトキシ−1,2−エポキシプロパンが収率88.3%得られた。GC上、副生成物として0.9%の3−ブトキシ−1,2−プロパンジオールが観測された。

Claims (5)

  1. アリル位に電子吸引性基を有するアリル化合物を、ヘテロポリ酸又はその塩、及び過酸化物で酸化してエポキシ化合物を製造する方法において
    (1)ヘテロポリ酸若しくはその塩、及び/又は、過酸化物を複数回に分割して添加し、又は
    (2) ヘテロポリ酸又はその塩を反応系中で調整する場合においては、ヘテロポリ酸を形成する2種以上の酸素酸若しくはその塩、及び/又は、過酸化物を複数回に分割して添加することを特徴とするエポキシ化合物の製造方法。
  2. アリル化合物がアリルエステル又はアリルエーテルである請求項1記載の方法。
  3. ヘテロポリ酸又はその塩が、構成元素としてP又はSiの元素と、V、Mo及びWから選択された少なくとも1つの元素とを含む請求項1又は2記載の方法。
  4. 4級アンモニウムの塩の存在下で反応を行う請求項1から3いずれかに記載の方法。
  5. 過酸化物が過酸化水素である請求項1から4いずれかに記載の方法。
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JP2016094353A (ja) * 2014-11-12 2016-05-26 昭和電工株式会社 多価グリシジル化合物の製造方法

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