JP2006104060A - 黒色AlN系セラミックス - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、AlN系セラミックスの色ムラを解消し、耐食性と機械的特性を改善させた、黒色を呈する高純度AlN系セラミックスを提供するものである。
【解決手段】本発明の黒色AlN系セラミックスは、1〜30重量%の酸化アルミニウムと残部が実質的に窒化アルミニウムより成る混合粉体を成形・焼結し、焼結中に酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとの反応により生じる格子欠陥を有するAlON相を含有し、実質AlNとAlONの2相とから成り、密度が理論値の90%以上で黒色を呈する。
【選択図】なし

Description

本発明は、半導体製造装置用部材、産業機械用部材、耐熱耐食性部材、等に用いられる高純度でかつ黒色を呈するAlN系セラミックスに関するものである。
AlN系セラミックスはその優れた熱伝導特性、適度な機械的特性のため、LSIの放熱基板、各種耐摩耗・機械構造部材として用いられ、近年、LSI製造装置用部材への適用が検討されている。
AlNは難焼結性のため、その焼結時においては通常、焼結助剤としてYに代表されるイットリウム化合物かあるいはCaO、CaCに代表されるカルシウム化合物を1〜5重量%添加して製造するのが普通である。
焼結後のAlN系セラミックスの色調は、使用する原料粉末中の不純物、添加する焼結助剤の種類・量によって変化するが、特に遷移金属不純物が少ない高純度AlN原料を使用した場合、白色あるいはアイボリー色(灰色)を呈し、かつ透光性を有することが多い。
また、AlN系セラミックスの製造時にはイットリウム化合物、カルシウム化合物、等を用いるが、これらの化合物は焼結中にAlNと反応し、生成物が第2相として焼結後のAlNセラミックスの粒界や三重点に残存する。例えば、イットリウム化合物を使用した場合、YAG(Al12)等がAlNセラミックスの粒界や三重点に生成することが知られている。
これらの第2相は焼結体中で必ずしも均一・微細に分散しているわけではなく、また、AlNが白色、透光性なため、特にセラミックスの形状が大きい場合、色ムラ、斑点、等の欠陥として検出される。
色ムラ、斑点、等の欠陥発生を抑制する一つの手法として、イットリウム化合物あるいはカルシウム化合物、等の焼結助剤を使用しない方法が考えられるが、焼結助剤を添加せずにAlNの高密度の焼結体を得るのは困難である。そこで、AlN系セラミックスを黒色に発色させ、色ムラ、斑点、等の欠陥発生を抑制することが望まれている。また、AlN系セラミックスを赤外線加熱、等による受光発熱媒体として用いる場合も、赤外線吸収効率の点より、黒色化が望まれるものである。
AlNを含め、一般にセラミックスの着色方法としては、チタニウム、コバルト、亜鉛、鉄、ニッケル、等の遷移金属あるいはこれらの化合物を添加する方法が知られており、遷移金属元素を100ppm程度以上添加することによって、AlNセラミックスは黒色化する。しかしながら、遷移金属元素はLSI製造プロセス上、最もデバイスに悪影響を与えるものであり、遷移金属元素添加による黒色化は、AlNセラミックスの半導体製造装置用部材への適用を阻害するものである。
特許文献1では、窒化アルミニウムに対してEr(エルビウム)を金属換算で5重量%以上添加し、シミや色ムラの発生を抑制したAlNセラミックス焼結体について開示しているが、Er(エルビウム)等のランタノイド元素、あるいはアクチノイド元素、その他、周期律表シリコン元素(原子番号14)より上の重金属及びアルカリ金属、アルカリ土類金属は基本的に遷移金属元素と同様にLSIデバイスにとって有害であり、AlNセラミックスの半導体製造装置用部材への適用を阻害するものである。
一方、Al、AlN、AlON等のアルミニウム化合物系のセラミックスは、塩素ガス、フッ素ガス、等のハロゲンガスに対して、表面に安定なハロゲン化アルミニウムを形成することによって耐食性に優れることが知られている。しかしながら、通常の、イットリウム化合物あるいはカルシウム化合物を含有するAlN系セラミックスでは、AlNが耐食性に優れても第2相として存在する反応生成物が耐食性に劣るため、セラミックスとしては良好な耐食性を維持できない問題がある。
また、AlNセラミックスは、セラミックスの中でも炭化ケイ素(SiC)並に破壊靭性値が低く、極めて脆い。このため、AlNセラミックス焼結体の研削加工時には、チッピング等の欠損が入りやすく加工条件に注意が必要であり、さらに、AlNセラミックスを部材として使用するときにも機械的衝撃、熱的衝撃を低減するよう注意を払わねばならない。AlNセラミックスの信頼性の向上、製造効率の改善のためには、AlNの機械的特性、特に破壊靭性の向上が強く望まれている。
また、特許文献2では、平均粒径が8μm以下のAlNを80〜98重量%、平均粒径が5μm以下のAlONを2〜20重量%含有してなる耐摩耗材料について開示しているが、本公開明細書ではAlN原料粉に対して平均粒径0.5〜1μmのAlON原料粉を添加し、1650〜2000℃で焼結することによって耐摩耗材料を製造している。しかしながら、AlON原料粉は極めて高価でありかつ不純物の少ない高純度原料を入手するのが困難であるばかりか、AlONそれ自体も難焼結性であるため、焼結助剤を添加しない本公報の場合、緻密な焼結体を得るのは困難で、従ってAlNセラミックスの機械的特性、特に破壊靭性を改善するのは困難である。また、本公報には焼結体の色調に関する記載はないが、AlNに白色のAlONを添加しても焼結体が黒色に発色することはなく、従って、色ムラ、等の欠陥発生を抑制することはできない。
特開平6−116039号公報 特開昭61−117162号公報
以上述べたように、従来のAlN系セラミックスは焼結助剤としてイットリウム化合物あるいはカルシウム化合物を用いるため、アルミニウム以外の元素を含有し純度が低下するばかりでなく、白色あるいは灰色透光性で色ムラ等の欠陥が発生しやすく、耐食性も低下しやすい。また機械的特性、特に破壊靭性に劣るという問題点があった。
本発明は、これらの課題を解決し、高純度でかつ耐食性、機械的特性に優れた黒色のAlN系セラミックスを提供することを目的とするものである。
本発明者らは、難焼結性のAlNに酸化アルミニウムを添加することにより緻密な焼結体が得られ、その焼結時に格子欠陥を有するAlON相が生成することによって、焼結体が黒色に発色しAlNの色ムラの問題が解決され、かつ、AlN粒子とAlON粒子との分散強化によって焼結体の機械的特性が向上することを新たに発見したものである。
本発明の要件は、1〜30重量%の酸化アルミニウムを添加し、残部が実質的に窒化アルミニウムより成る混合粉体を成形・焼結し、焼結中に酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとの反応により生じる格子欠陥を有するAlON相を含有することを特徴とする密度が理論値の90%以上であり、実質AlNとAlONの2相とからなる黒色AlN系セラミックスである。
本発明の黒色AlN系セラミックスは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、元素周期律表第19番以降の金属元素、及びこれら金属元素の化合物の含有量が全て30ppm以下で、実質AlNとAlONの2相とからなる高純度な焼結体である。周期律表シリコン元素(原子番号14)より上の重金属元素及びアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素はLSIデバイスにとって有害でありAlNセラミックスの半導体製造装置用部材の適用を阻害するものであるため、その含有量は可能な限り低レベルでなければならない。また、これら不純物としての非アルミニウム元素は、塩素ガス、フッ素ガス等のハロゲン含有ガスに対する耐食性に劣るため、AlNセラミックスの耐食性の観点からもその含有量は可能な限り低レベルでなければならない。これら不純物金属元素の含有量としては、各々が30ppm以下であり、かつ、総量として100ppm以下であることが望ましい。本発明のAlN系セラミックスは、これら不純物金属元素の含有量が全て30ppm以下で総量も100ppm以下と高純度なため、半導体製造装置用部材への適用性に優れ、また、耐食性にも優れるものである。
また、本発明の黒色AlN系セラミックスでは、従来AlNセラミックスの製造時に焼結助剤として用いられているイットリウム化合物、カルシウム化合物、等を添加しない。これらイットリウム化合物、カルシウム化合物は、焼結中にAlNと反応し生成物が第2相として焼結後のAlNセラミックスに残存し、色ムラ、斑点、等の欠陥の原因となるばかりでなく、アルカリ土類金属、元素周期律表第19番以降の重金属元素であるため、半導体製造装置用部材への適用性を阻害し、また耐食性を劣化させるものである。
本発明の黒色AlN系セラミックスでは、従来のイットリウム化合物、カルシウム化合物に替わって、添加する酸化アルミニウム(アルミナ)が焼結助剤の働きをする。AlNは非酸化物系セラミックスで難焼結性を示すものの、アルミナは易焼結性なため、AlNに酸化アルミニウムを添加することによって容易に高密度の焼結体が得られるものである。
また、AlNに酸化アルミニウムを添加することによって、焼結中に酸化アルミニウムとAlNとの反応によりAlON(酸窒化アルミニウム)が生成するが、AlONは非定比化合物なためその結晶中に格子欠陥を生成し易い。AlON結晶中に生成した格子欠陥は色中心となり、セラミックスを黒色に発色させ、かつ、この格子欠陥は高温まで比較的安定である。一方、AlNに直接AlONを添加した場合は、このような格子欠陥が生成することはなく、従って、AlNセラミックスが黒色に発色する事もない。このようにして本発明のAlN系セラミックスは黒色を呈するが、イットリウム化合物、カルシウム化合物、等の焼結助剤を含有しないので、色ムラ、斑点、等の欠陥発生は完全に抑制され、かつアルミニウウム元素以外の不純物金属元素が極めて低レベルなため、半導体製造装置用部材への適用性に優れ、かつ極めて良好な耐食性を示すものである。さらに、AlNセラミックスを赤外線加熱、等による受光発熱媒体として用いる場合も、本発明の黒色AlN系セラミックスは、赤外線吸収率が高く、優れた特性を示すものである。
本発明において、焼結体の黒色度を定量的に表現するのは困難であるが、例えば、JIS Z8729にて規定されるL表示(CIELAB表示系)において、明度指数:L値が0〜50の範囲であり、かつ彩度:C(=(a+(b1/2)が0〜10の範囲であること、さらに望ましくは、明度指数:L値が0〜40の範囲であることが好ましい。あるいは、可視光領域である400〜800nmの波長領域における焼結体表面の光の反射率が20%以下、さらに望ましくは、15%以下であることが好ましい。
本発明の黒色AlN系セラミックス焼結体は、酸化アルミニウムとAlNとの反応により生じるAlON相と、残部がAlNの2相から成る組織を呈し、各々の粒子は互いに分散した微構造となっており、このため、いわゆる粒子分散効果により破壊源からのクラック進展が偏向し、機械的特性、特に、破壊靭性及び破壊強度が向上している。
本発明のように、1〜30重量%の酸化アルミニウムを添加し、残部が実質的に窒化アルミニウムより成る混合粉体を成形・焼結し、焼結中に酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとの反応により生じる格子欠陥を有するAlON相を含有させることにより、高純度で黒色を呈するAlN系セラミックスが得られる。本高純度黒色AlN系セラミックスは、従来のAlN系セラミックスが有していた、色ムラ、低耐食性、低機械的特性、等の課題を解決するものである。
以下、本発明の内容について詳細に説明する。
使用するAlN粉体としては、平均粒径10μm以下、望ましくは平均粒径1μm以下(サブミクロン)の微粒子であり、アルカリ金属、アルカリ土類金属、元素周期律表第19番以降の金属元素、及びこれら金属元素の化合物の含有量が全て30ppm以下で、アルミニウム以外の不純物金属元素の総量が100ppm以下の化学的に高純度なものである。
AlN粉体に添加する酸化アルミニウム粉体は、通常はα型アルミナ(Al)であるが、その他β型、γ型、θ型、κ型等の結晶でも構わず、あるいは加熱中にα型アルミナを生成する水酸化アルミニウム(Al(OH))、AlOOH等でも良い。酸化アルミニウム粉体の粒径として、通常は焼結性の優れる10μm以下のものが好ましく、1μm以下(サブミクロン)の微細なものはさらに望ましい。また、酸化アルミニウム粉体は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、元素周期律表第19番以降の金属元素、及びこれら金属元素の化合物の含有量が全て30ppm以下で、アルミニウム以外の不純物金属元素の総量が100ppm以下の高純度なものである。
AlNに添加する酸化アルミニウムの量は、1〜30重量%である。AlN原料はその粉体表層部に通常、0.2重量%程度の酸化層を有するが、この酸化層は不均一に存在するため、焼結体を均質に黒色化させるためには酸化アルミニウムの添加が必要である。添加する酸化アルミニウムの量が1重量%未満では、粉体混合時にAlNと酸化アルミニウムとがあまり均一には分散せず、格子欠陥生成による黒色化がやや不十分で、部分的に色ムラが発生しやすくなる場合があり、かつ、AlNとAlONとの粒子分散の効果が見られにくく、破壊靭性の向上はあまり期待できない。酸化アルミニウムの量が30重量%超では、生成するAlON相が過剰となり、焼結阻害が発生し不都合である。
AlNに酸化アルミニウムを添加し、焼結中に両者の反応で生じる格子欠陥を有するAlON相を含有することにより、黒色を呈し、機械的特性に優れるAlN系セラミックスが作製可能となる。焼結体中の格子欠陥の定量的測定は、通常極めて困難であるが、例えば、ESR(Electron Spin Resonance)を用いた解析により格子欠陥発生の有無、大小が確認される。
本発明の黒色AlN系セラミックスの焼結方法としては常圧焼結法、ホットプレス焼結法、ガス圧焼結法、熱間静水圧加圧(HIP)焼結法等、公知の焼結法のいずれも用いることができるが、機械的特性に優れた緻密質の焼結体を得るには、加圧焼結法を用いるのが有利である。加圧焼結の温度としては、1600〜1900℃が好ましい。1600℃未満では黒色AlN系セラミックスは十分には緻密化せず、従って得られる焼結体の特性も劣ってしまう。1900℃超の焼成温度では、AlNあるいはAlON粒子の粒成長が顕著になり、やはり特性が劣化するため、1900℃を上限とするのが望ましい。また、焼成中の雰囲気としては、不活性ガス雰囲気、特に窒化物の焼成に有利な窒素ガス含有不活性雰囲気が望ましい。また、加圧焼結の圧力としては、通常、10MPa以上、望ましくは20MPa以上が好ましく、焼成時間としては、焼結が充分完了するように、1時間以上が望ましい。
AlNと酸化アルミニウムとの反応により生成するAlONは不定比化合物であるため本発明の様な複合セラミックスの理論密度を正確に求めることは容易ではないが、例えば、Al・AlN(比重:3.837)結晶相が主たる生成物の場合、複合則により理論値を算出可能である。焼結体の相対密度としては、少なくとも理論値の90%以上でなければ前述の好ましい特性は損なわれ、望ましいものではない。
以下、実施例を用いてより具体的に説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されるものではない。
(実施例1〜6)
平均粒径0.2μm、アルカリ金属、アルカリ土類金属、元素周期律表第19番以降の金属元素、及びこれら金属元素の化合物の含有量が全て20ppm以下で、かつこれら不純物の総量が50ppm以下の高純度AlN粉末に、表1中実施例1〜7に示す重量比で平均粒径0.2μm、アルカリ金属、アルカリ土類金属、元素周期律表第19番以降の金属元素、及びこれら金属元素の化合物の含有量が全て20ppm以下で、かつこれら不純物の総量が100ppm以下の高純度アルミナ粉末を添加し、ボールミルを用いて充分混合した後、混合粉体をφ100mmのグラファイト製ダイスに充填し、1750℃の温度で2時間、窒素ガス気流中で40MPaの圧力でホットプレス焼結を行った。
焼結体は#140、#400、#1000のダイヤモンド砥石にて順次平面研削した後、片面をラップ仕上げして、焼結体の色調及び色ムラ・斑点の有無を検査した。尚、色調については、色差色度計を用いて、L表示(CIELAB表示系)にて定量的測定も行った。また、焼結体をJIS R1601に準拠し、3×4×38mmの試験片に加工し、アルキメデス法により密度を測定した後、常温にて3点曲げ試験を行った。尚、焼結体の相対密度は、生成したAlONをAl・AlN(比重:3.837)として算出した。また、焼結体の靭性についてはJIS R1608に準拠しSEPB法にて破壊磁性値KICを測定した。
X線回析による分析の結果、実施例1〜6の全てのサンプルからはAlNとAlON(Al・AlN)のピークのみが検出され、焼結体は実質、AlNとAlONの2相から構成されることが判明した。表1に実施例1〜6の各々の組成に対する焼結体の相対密度(理論値に対して百分率で示す)、3点曲げ強さ、破壊靭性値、色調(色及びL値)、色ムラ・斑点の有無、及びX線回折でのAlNの(100)ピークとAlONの(400)ピークとから算出したAlON相の含有量を示す。
また、表1中には比較例1、2として、アルミナを添加しないAlN単体の焼結体、及びアルミナを40重量%と過剰に添加した焼結体について、実施例1〜6と同様に特性を比較している。
実施例1〜6と比較例1より、AlNにアルミナを添加しAlON相を生成させることにより、焼結体は黒色化し、かつ色ムラ・斑点の発生を抑制できることが明らかである。また、AlN中にAlON相を分散させることにより、破壊靭性、曲げ強さ、等の機械的特性を向上させることが可能である。
また、実施例1〜6と比較例2より、アルミナを過剰に添加すると焼結体の密度が低下し、従って機械的特性が劣化することが明らかである。
Figure 2006104060
(実施例7〜11)
実施例1〜6で用いたと同様の高純度AlN粉体と高純度アルミナ粉体を、AlN−1重量%アルミナ組成に秤量し、ボールミルを用いて充分混合した後、混合粉体をφ100mmのグラファイト製ダイスに充填し、1600〜1900℃の温度で2時間、窒素ガス気流中で40MPaの圧力でホットプレス焼結を行った。得られた焼結体について、実施例1〜6と同様に各種特性を評価した。表2に実施例7〜11の各々の焼結体の相対密度、3点曲げ強さ、破壊靭性値を示す。
実施例7〜11から、1600〜1900℃が適正焼成温度であることが明白である。
Figure 2006104060
(実施例12)
実施例2の焼結体(AlN−2重量%アルミナ組成、1750℃焼成)と、比較としてアルミナの代わりに焼結助剤として2重量%のイットリアを添加し1750℃でホットプレス焼成した焼結体(比較例3)との耐食性評価を行った。
ESR(Electron Spin Resonance)を用いた解析により、実施例2の焼結体からは格子欠陥発生に対応するピークが極めて強く検出されたのに対し、比較例3の焼結体からは極めて弱いピークのみが観察され、本発明の焼結体中には多数の格子欠陥が存在することが確認された。
次に、実施例2と比較例3の焼結体を30×30×10mmに切断し片面をラップ仕上げしたものをサンプルとし、10%HF水溶液に50時間浸漬する実験と、5%フッ素を含むアルゴンガス中で500℃に加熱し50時間放置する実験とを行った。
実施例2の焼結体では、耐食性評価実験後、重量減少もなく、サンプル表面にも変化がなかったのに対し、比較例3の焼結体では、どちらの腐食条件においても2〜3%の重量減少が測定され、サンプル表面は白色の粉を吹いていた。

Claims (4)

  1. 1〜30重量%の酸化アルミニウムを添加し、残部が実質的に窒化アルミニウムより成る混合粉体を成形・焼結し、焼結中に酸化アルミニウムと窒化アルミニウムとの反応により生じる格子欠陥を有するAlON相を含有し、実質AlNとAlONの2相とから成り、密度が理論値の90%以上で黒色を呈することを特徴とする黒色AlN系セラミックス。
  2. アルカリ金属、アルカリ土類金属、元素周期律表第19番以降の金属元素、及びこれら金属元素の化合物の含有量が全て30ppm以下で、実質AlNとAlONの2相とからなる請求項1記載の高純度な黒色AlN系セラミックス。
  3. 焼結体の黒色度が、L表示(CIELAB表示系)において、明度指数:L値が0〜50、かつ彩度:C値が0〜10の範囲であることを特徴とする請求項1又は2記載の黒色AlN系セラミックス。
  4. 400〜800nmの波長領域における焼結体表面の光の反射率が20%以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の黒色AlN系セラミックス。
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