JP2006102626A - 難脱水性下水汚泥の脱水処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 消化汚泥のような難脱水性下水汚泥を効率よく脱水することができる難脱水性下水汚泥の脱水処理方法を提供する。
【解決手段】 難脱水性下水汚泥をカチオン系凝集剤により凝集させたうえ、凝集汚泥中に含まれる菌体の細胞壁が破壊されない速度で緩やかに凍結することにより脱水濃縮する。その後に融解して強固な凝集汚泥とし、これをベルトプレスやロータリープレスなどの連続式加圧脱水機により加圧脱水する。なお、菌体の細胞壁が破壊されないようにするために、凍結時の温度降下速度を5℃/分以下とすることが好ましい。また、さらに効率のよい細胞外凍結するためには、凍結時の温度降下速度を1℃/分以下とすることが好ましい。
【選択図】 図1
【解決手段】 難脱水性下水汚泥をカチオン系凝集剤により凝集させたうえ、凝集汚泥中に含まれる菌体の細胞壁が破壊されない速度で緩やかに凍結することにより脱水濃縮する。その後に融解して強固な凝集汚泥とし、これをベルトプレスやロータリープレスなどの連続式加圧脱水機により加圧脱水する。なお、菌体の細胞壁が破壊されないようにするために、凍結時の温度降下速度を5℃/分以下とすることが好ましい。また、さらに効率のよい細胞外凍結するためには、凍結時の温度降下速度を1℃/分以下とすることが好ましい。
【選択図】 図1
Description
本発明は、下水汚泥のうち特に消化汚泥のような難脱水性の下水汚泥を効率よく脱水するための難脱水性下水汚泥の脱水処理方法に関するものである。
下水汚泥の脱水処理方法として、フィルタープレスのようなバッチ式の加圧脱水機のほかに、ベルトプレスやロータリープレスなどの連続式加圧脱水機を用いた連続脱水方法が普及している。しかし消化汚泥のような難脱水性下水汚泥は、そのまま加圧すると汚泥が流出してしまうので、連続式加圧脱水機にかけてもほとんど脱水することができない。
そこで従来は、難脱水性下水汚泥に塩化第一鉄のような無機凝集剤を添加して汚泥の変質とpHの降下とを行なわせてから、更に高分子凝集剤を添加して凝集させる前処理を行なっている。このような無機凝集剤と高分子凝集剤とを用いた前処理方法は、特許文献1に開示されている。ところがこのような前処理を行なっても脱水ケーキの含水率を1%程度降下させることができる程度であり、その効果は不十分であった。
また特許文献2には、厨芥排水中の固形物を凍結し、その後に融解することによって固形分を濃縮させる凍結・融解法が開示されている。この方法は、電気的に凝集させた固形物間に存在する間隙水を凍結時に成長していく氷に吸収させることにより固形物を濃縮し、また厨芥の細胞壁を凍結により破壊して内部水も吸出す方法である。
ところがこの凍結・融解法はほとんど細菌を含まない厨芥や上水汚泥に対しては一定の効果が認められるが、活性汚泥菌などの多量の汚泥細菌を含有する下水汚泥に適用しても、汚泥が変質してしまい、ほとんど効果がない。その理由は、凍結の際に菌体の細胞壁が破壊されてしまい、その後に凝集剤を添加しても脱水性の向上が図れないためである。すなわち、凍結の際に細胞壁が破壊された菌体から抜けた水分が、融解の際に再び菌体内に戻ってしまうようになるためである。また汚泥細菌の細胞壁が破壊されて細菌の内容液が水中に溶出すると、著しい悪臭を発するという別の問題もある。このため、特許文献1に示された無機凝集剤と高分子凝集剤とを用いた前処理方法も、特許文献2に示された凍結・融解法も、難脱水性下水汚泥の脱水処理には不十分な点があった。
特許第2991611号公報
特開2000−24644号公報(段落0055)
本発明は上記した従来の問題点を解決して、消化汚泥のような難脱水性下水汚泥を適切な前処理により強固に凝集させ、効率よく脱水することができる難脱水性下水汚泥の脱水処理方法を提供するためになされたものである。
上記の課題を解決するためになされた本発明は、難脱水性下水汚泥を凝集剤により凝集させたうえ、凝集汚泥中に含まれる菌体の細胞壁が破壊されない速度で緩やかに凍結することにより脱水し、その後に融解して強固な凝集汚泥とし、これを加圧脱水することを特徴とするものである。なお、凝集剤としてカチオン系凝集剤を使用することが好ましく、菌体の細胞壁が破壊されないようにするためには、凍結時の温度降下速度を5℃/分以下、より好ましくは1℃/分以下とすべきである。また凍結時の温度は−10℃以上とすることが好ましい。加圧脱水はベルトプレスやロータリープレスなどの連続式加圧脱水機により行なうことが好ましい。
本発明によれば、難脱水性下水汚泥を凝集剤により凝集させたうえ、凝集汚泥中に含まれる菌体の細胞壁が破壊されない速度で緩やかに細胞外凍結する。これにより菌体の細胞を破壊することなく水分を細胞外に出し、凝集汚泥中の固形物間の間隙水が成長した氷に吸収させることにより濃縮し、強固な凝集汚泥とすることができる。その後に凍結した凝集汚泥を融解することにより強固な凝集フロックと上澄みとに分離できるので、これを連続式加圧脱水機により加圧脱水すれば効率よい脱水が可能である。このため本発明によれば、難脱水性下水汚泥を脱水した脱水ケーキの水分を、従来法による場合よりも数%程度引き下げることができる。なお、凝集剤を添加した後凍結前に重力濃縮やベルト濃縮の工程を入れて自由水を分離しておけば、時間とエネルギーを削減することができるので好ましい。
以下に本発明の実施形態を、図1のフローを参照しつつ説明する。
本発明において脱水対象とされる難脱水性下水汚泥としては、下水処理場の活性汚泥処理槽から発生する消化汚泥や余剰汚泥が代表的なものである。しかし必ずしもこれらに限定されるものではなく、余剰汚泥を初沈汚泥と混合した混合生汚泥などに適用することもできる。
本発明において脱水対象とされる難脱水性下水汚泥としては、下水処理場の活性汚泥処理槽から発生する消化汚泥や余剰汚泥が代表的なものである。しかし必ずしもこれらに限定されるものではなく、余剰汚泥を初沈汚泥と混合した混合生汚泥などに適用することもできる。
このような難脱水性下水汚泥に対して、まず凝集剤を添加して凝集させる。凝集剤としては主としてカチオン系の高分子凝集剤を用いることが好ましく、その添加量は難脱水性下水汚泥の固形分(DS)当たり0.5〜1.5%程度とすればよい。その後に定法により撹拌すれば高分子凝集剤の架橋作用により弱いフロックを含む凝集汚泥が得られる。なお凝集剤の添加量が0.5%未満では凝集効果が得られず、1.5%を越えて添加しても添加量の増加に見合う効果は得られない。
このようにして得られた凝集汚泥はフロックの強度が低いために脱水性に劣り、そのままでは脱水に適さない。そこで本発明ではこの凝集汚泥を冷却して凍結させるのであるが、特許文献2に示されている従来法とは異なり、下水汚泥の主成分である菌体の細胞壁が破壊されない速度で緩やかに細胞外凍結する。具体的には、凍結時の温度降下速度を5℃/分以下とし、マイナス4〜10℃程度まで冷却することが好ましい。温度降下速度が5℃/分よりも大きいと菌体の細胞壁が破壊されてしまい、従来法について述べたと同様に脱水性が低下し、また悪臭が発生するので好ましくない。より好ましい温度降下速度は1℃/分以下である。また凍結温度を−10℃以上とするとやはり菌体の細胞壁が破壊されてしまうので、好ましくない。冷却には通常の冷凍装置や製氷機を用いることができる。
水分の凍結は含有物の濃度の比較的小さい部分から進行する。このとき弱い凝集汚泥中の間隙水は成長して行く氷に吸収され、凝集汚泥は次第に固形分濃度の高い凝集汚泥に濃縮されて行く。そこで凍結物を常温まで加熱して融解すると、氷が融解した水分の多い部分と固形分濃度の高い強固な凝集汚泥とに分離され、脱水性が向上する。このように予め凝集させた汚泥を凍結・融解することが必要であり、難脱水性下水汚泥を凍結・融解したあとで凝集剤を添加してもあまり効果がない。
そこで融解した強固な凝集汚泥をベルトプレスやロータリープレスなどの連続式加圧脱水機により加圧脱水すれば、従来よりも大幅な水分低下が可能となり、82〜83%程度の含水率の難脱水性下水汚泥を脱水した脱水ケーキの水分を、従来法よりも3〜5%低下させることができる。なおベルトプレスは、濾布製のベルト上に汚泥を載せて移動させながら加圧し、脱水を進行させる脱水機である。またロータリープレスは、左右2枚の円盤状スクリーンの間に設けた環状経路内に汚泥を打込み、環状経路の内部を移動させながら脱水を進行させる脱水機である。
上記のように、本発明によれば凝集剤と凍結・融解とを組み合わせることにより、消化汚泥のような難脱水性下水汚泥を効率よく脱水することができる。以下に本発明の実施例を、従来例及び比較例とともに示す。
(従来例)ある下水処理場から排出された難脱水性の消化汚泥(DS:3370mg/L)に高分子凝集剤(タクマT4741)を0.8%/DSの比率で添加し、撹拌して3〜5mmのフロックを形成した。その粘度(CST)は17.1secと低粘度であった。この凝集汚泥を面圧0.14MPa,濾布速度1.0m/分,濾過速度136kgDS/mhrの高効率ベルトプレスにより連続加圧脱水したところ、厚みが5〜6mmの脱水ケーキが得られた。しかしその脱水ケーキは濾布からの剥離性がやや悪く、含水率は74.7%と高かった。
(実施例)従来例と同様に難脱水性の消化汚泥(DS:3370mg/L)に高分子凝集剤(タクマT4741)を0.8%/DSの比率で添加し、撹拌して3〜5mmのフロックを形成した。これを1℃/分以下の温度降下速度でマイナス10℃まで緩速冷凍し、その後常温まで戻して融解した。その粘度(CST)は19.5secと従来例よりも僅かに上昇した程度であった。この融解物を従来例と同一条件の高効率ベルトプレスにより連続加圧脱水したところ、厚みが5〜6mmの脱水ケーキが得られた。脱水ケーキは濾布からの剥離性が良好であり、含水率は69.4%と従来例よりも5.3%も低下した。
(比較例)従来例と同様に難脱水性の消化汚泥(DS:3370mg/L)に高分子凝集剤(タクマT4741)を0.8%/DSの比率で添加し、撹拌して3〜5mmのフロックを形成した。これをマイクロ波加熱により1分間沸騰させたうえ、従来例と同一条件の高効率ベルトプレスにより連続加圧脱水した。この場合には加熱により菌体の細胞壁が破壊されて内容物が流出するため、その粘度(CST)は48.5secと大幅に上昇した。また脱水ケーキの濾布からの剥離性は良好であったが、含水率は72.4%であり、従来例よりも2.3%低下しただけであり、本発明の優位性が確認できた。
なお、凝集剤を添加した後にそのまま凍結させると、凍結に余分な時間とエネルギーがかかるので、その前に重力濃縮やベルト濃縮の工程を入れて自由水を分離しておくことにより、時間とエネルギーを削減することができる。
Claims (5)
- 難脱水性下水汚泥を凝集剤により凝集させたうえ、凝集汚泥中に含まれる菌体の細胞壁が破壊されない速度で緩やかに凍結することにより脱水し、その後に融解して強固な凝集汚泥とし、これを加圧脱水することを特徴とする難脱水性下水汚泥の脱水処理方法。
- 凝集剤としてカチオン系凝集剤を使用することを特徴とする請求項1記載の難脱水性下水汚泥の脱水処理方法。
- 凍結時の温度降下速度を、5℃/分以下としたことを特徴とする請求項1記載の難脱水性下水汚泥の脱水処理方法。
- 凍結時の温度を、−10℃以上としたことを特徴とする請求項1記載の難脱水性下水汚泥の脱水処理方法。
- 加圧脱水を連続式加圧脱水機により行なうことを特徴とする請求項1記載の難脱水性下水汚泥の脱水処理方法。
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---|---|---|---|---|
JP2017154105A (ja) * | 2016-03-03 | 2017-09-07 | 三菱重工業株式会社 | 排水処理能向上剤及びその製造方法並びに排水処理方法及び排水処理装置 |
KR101979904B1 (ko) * | 2018-01-31 | 2019-08-28 | 임병하 | 슬러지 처리 시스템 및 슬러지 처리 방법 |
CN110183072A (zh) * | 2019-06-27 | 2019-08-30 | 上海兴环生态科技有限公司 | 一种实现高效破壁的污水厂污泥压滤脱水处理方法 |
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