JP2006101811A - ココア豆加工物 - Google Patents

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Abstract

【課題】 健康食品として利用し得るカカオ豆加工物を提供すること。
【解決手段】 松樹皮抽出物を含有するカカオ豆加工物を提供する。本発明の松樹皮抽出物を含有するカカオ豆加工物は、例えば、カカオ豆加工物に本来含まれるポリフェノールでは得られない優れた血液流動性改善効果を示し、この効果は松樹皮抽出物単独よりも優れた効果を示す。また、松樹皮抽出物を含有するカカオ豆加工物は、優れた血液流動性改善効果を示すことから、松樹皮抽出物とカカオ豆加工物を有効成分とする血液流動性改善剤としても利用することが可能である。
【選択図】なし

Description

本発明は、松樹皮抽出物を含有するカカオ豆加工物含有組成物に関する。また、本発明の松樹皮抽出物とカカオ加工物を有効成分とする血液流動性改善剤に関する。
カカオ豆は、チョコレートやココアといったお菓子や飲料等の原料として広く利用されており、嗜好性の優れた食品原料である。近年では、カカオ豆にはプロアントシアニジン等のポリフェノールが含まれるため、虫歯予防、肝機能改善、動脈硬化予防等の機能性食品として利用するための試みがなされている(例えば特許文献1参照)。
しかし、例えば、カカオ豆に含まれるポリフェノールの一つであるプロアントシアニジンは、その含有量が低く、また、カカオ豆に含まれるプロアントシアニジンは、その吸収効率が低いといった問題点があった(例えば非特許文献1参照)。従って、ココアやチョコレートといったカカオ豆を加工して得られる食品を健康食品として利用し難いといった問題点があった。
特開平11−346656号 "ポリフェノールの吸収代謝"、FOOD Style21 株式会社食品化学新聞社、2004年2月、Vol.7、No.2、p37−39
そこで、機能性を有するチョコレートやココアといったカカオ豆の加工物が望まれている。
本発明者等は、機能性を有するカカオ豆の加工物をについて鋭意検討を行ったところ、カカオ豆加工物へ松樹皮抽出物を添加することにより、優れた機能性を有する組成物となることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、松樹皮抽出物を含有することを特徴とするカカオ豆加工物に関する。
また本発明は、松樹皮抽出物とカカオ豆加工物を有効成分とする血液流動性改善剤に関する。
本発明によれば、松樹皮抽出物をカカオ豆加工物に添加することにより、カカオ豆加工物では得られなかった効果、例えば、血液流動性改善効果を得ることができる。したがって、松樹皮抽出物とカカオ豆加工物を有効成分とする血液流動性改善剤としても利用することが可能である。
以下、本発明の実施形態について説明する。なお、本発明は、下記の実施形態で制限されない。つまり、特許請求の範囲に記載されている内容の範囲内において、本発明は変更が可能である。
(松樹皮抽出物)
本発明の松樹皮抽出物を得るための原料となる松の樹皮としては、フランス海岸松(Pinus Martima)、カラマツ、クロマツ、アカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイマツ、リュウキュウマツ、ウツクシマツ、ダイオウマツ、シロマツ、カナダのケベック地方のアネダなどのマツ目に属する植物、ラジアータパイン等の樹皮の抽出物が好ましく用いられる。中でも、フランス海岸松(Pinus Martima)の樹皮抽出物が好ましい。
フランス海岸松は、南仏の大西洋沿岸の一部に生育している海洋性松をいう。このフランス海岸松の樹皮は、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2以上の縮合型タンニンであるプロアントシアニジンをはじめとするポリフェノール類や有機酸、糖類などの生理活性成分が含有されている。特に重合度が2〜4の縮合重合体(2〜4量体)のプロアントシアニジンが豊富に含まれている。
本明細書では、プロアントシアニジンの縮重合体のうち、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2〜4の重合体を、OPC(オリゴメリック・プロアントシアニジン;oligomeric proanthocyanidin)という。
本発明のココア加工物に含有される松樹皮抽出物は、上記の松樹皮を水または有機溶媒、特に極性溶媒で抽出して得られる物が好ましい。また、水を用いる場合には、温水または熱水を用いることが好ましい。これらの水には、抽出効率を向上させる点から、塩化ナトリウムなどの塩を添加することが好ましい。抽出に用いる有機溶媒としては、食品あるいは薬剤の製造に許容される有機溶媒が用いられ、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコール、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、および1,1,2−トリクロロエテンが挙げられる。これらの水および有機溶媒は単独で用いてもよいし、組合わせて用いてもよい。特に、水、熱水、および極性溶媒のエタノールやプロピレングリコールまたは含水エタノール、含水プロピレングリコール等の水と極性溶媒の混合液が好ましく用いられる。
松樹皮からプロアントシアニジンを抽出する方法は、特に限定されないが、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法などが用いられる。
超臨界流体抽出法は、物質の気液の臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超えた状態の流体である超臨界流体を用いて抽出を行う方法である。超臨界流体としては、二酸化炭素、エチレン、プロパン、亜酸化窒素(笑気ガス)などが用いられ、二酸化炭素が好ましく用いられる。超臨界流体抽出法は、目的成分を超臨界流体によって抽出する抽出工程および目的成分と超臨界流体とを分離する分離工程からなる。分離工程では、圧力変化による抽出分離、温度変化による抽出分離、または吸着剤・吸収剤を用いた抽出分離のいずれを行ってもよい。
また、エントレーナー添加法による超臨界流体抽出を行ってもよい。この方法は、超臨界流体に、例えば、エタノール、プロパノール、n−ヘキサン、アセトン、トルエン、その他の脂肪族低級アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、またはケトン類を2〜20W/V%程度添加し、得られた抽出流体で超臨界流体抽出を行うことによって、OPC、カテキン類(後述)などの目的とする被抽出物の抽出流体に対する溶解度を飛躍的に上昇させる、あるいは分離の選択性を増強させる方法であり、効率的に松樹皮抽出物を得る方法である。
超臨界流体抽出法は、比較的低い温度で操作できるため、高温で変質・分解する物質にも適用できるという利点;抽出流体が残留しないという利点;および溶媒の循環利用が可能であり、脱溶媒工程などが省略でき、工程がシンプルになるという利点がある。
また、松樹皮からの抽出は、上記の方法以外に、液体二酸化炭素回分法、液体二酸化炭素還流法、超臨界二酸化炭素還流法などにより行ってもよい。
松樹皮からの抽出は、複数の抽出方法を組み合わせてもよい。複数の抽出方法を組み合わせることにより、種々の組成の松樹皮抽出物を得ることが可能となる。
本発明において、プロアントシアニジンを主成分として含む松樹皮抽出物は、具体的には、以下のような方法によりに調製されるが、これは例示であり、この方法に限定されない。
フランス海岸松の樹皮1kgを、塩化ナトリウムの飽和溶液3Lに入れ、100℃にて30分間抽出し、抽出液を得る(抽出工程)。その後、抽出液を濾過し、得られる不溶物を塩化ナトリウムの飽和溶液500mLで洗浄し、洗浄液を得る(洗浄工程)。この抽出液と洗浄液とを合わせて、松樹皮の粗抽出液を得る。
次いで、この粗抽出液に酢酸エチル250mLを添加して分液し、酢酸エチル層を回収する工程を5回行う。回収した酢酸エチル溶液を合わせて、無水硫酸ナトリウム200gに直接添加して脱水する。その後、この酢酸エチル溶液を濾過し、濾液を元の5分の1量になるまで減圧濃縮する。濃縮された酢酸エチル溶液を2Lのクロロホルムに注ぎ、攪拌して得られる沈殿物を濾過により回収する。その後、この沈殿物を酢酸エチル100mLに溶解した後、再度1Lのクロロホルムに添加して沈殿させる操作を2回繰り返す洗浄工程を行う。この方法により、例えば、OPCを20質量%以上含み、かつカテキン類を5質量%以上含有する、約5gの松樹皮抽出物が得られる。
また、食品、医薬品に用いるときの安全性の観点から、エタノールまたは水等を用いて、より好ましくは加温しながら松樹皮からプロアントシアニジンをはじめとする成分を抽出し、ポリフェノールに対して吸着性を示す樹脂(例えば、ダイアイオンHP−20、Sephadex−LH20、またはアンバーライト)などや限外濾過膜を用いて、精製することが好ましい。このようにして、プロアントシアニジン、特にOPCを高含有した松樹皮抽出物を得ることができる。
本発明においては、OPCを15質量%以上含有する松樹皮抽出物が好ましく用いられる。より好ましくは、20質量%以上である。
また、植物(樹皮)抽出物中のプロアントシアニジンの含有量は特に制限されないが、植物(樹皮)抽出物中のプロアントシアニジン含有量が高濃度となると、プロアントシアニジン自身の生理活性が低くなることがあるため、抽出物中のプロアントシアニジン含有量が95質量%未満、好ましくは90質量%未満であることが好ましい。
OPCは、上述のように抗酸化物質であるため、ガン・心臓病などの成人病の危険率を低下する効果、関節炎・アトピー性皮膚炎・花粉症などのアレルギー体質の改善効果、コラーゲンの酸化や分解の阻害効果なども有する。
さらにOPCは、抗酸化作用のほか、血管の強度、弾力性を回復させる効果;血中コレステロールおよびLDLを低下させる効果;高血圧症に対して血圧を低下させる効果;コレステロールが付着することを防止する効果;活性酸素によって分解されたビタミンEを再生させる効果;ビタミンEの増強剤としての効果などを有することが知られている。
上記植物抽出物には、プロアントシアニジン、特にOPCとともにカテキン(catechin)類が含まれている。カテキン類とは、ポリヒドロキシフラバン−3−オールの総称である。カテキン類としては、(+)−カテキン(狭義のカテキンといわれる)、(−)−エピカテキン、(+)−ガロカテキン、(−)−エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート、エピカテキンガレート、アフゼレキンなどが知られている。天然物からは、上記の(+)−カテキンの他、ガロカテキン、アフゼレキン、(+)−カテキンの3−ガロイル誘導体およびガロカテキンの3−ガロイル誘導体が単離されている。カテキン類には、発癌抑制作用、動脈硬化予防作用、脂肪代謝異常の抑制作用、血圧上昇の抑制作用、血小板凝集抑制作用、抗アレルギー作用、抗ウイルス作用、抗菌作用、虫歯予防作用、口臭防止作用、腸内細菌叢正常化作用、活性酸素やフリーラジカルの消去作用、抗酸化作用などがあることが知られている。カテキン類には、血糖の上昇を抑制する抗糖尿病効果があることが知られている。カテキン類は、単独では水溶性が乏しく、その生理活性が低いが、OPCの存在下で水溶性が増すと同時に、活性化する性質があり、OPCとともに摂取することで効果的に作用する。
カテキン類は、上記原料植物抽出物中に、5質量%以上含有されていることが好ましい。より好ましくは、該抽出物中にOPCが15質量%以上、そしてカテキン類が5質量%以上含有される。例えば、抽出物のカテキン類含量が5質量%未満の場合、カテキン類を添加し、最終的な含量が5質量%以上となるように調製してもよい。OPCを15質量%以上含有し、かつカテキン類を5質量%以上含有する松樹皮抽出物を用いることが最も好ましい。
(カカオ豆加工物)
本発明のカカオ豆加工物とは、カカオ豆を原料として加工した物をいい、例えば、チョコレート、ココアやこれらを含有するビスケット、クッキー、クラッカー、グミ、ケーキなどの菓子や飲料などのことをいう。カカオ豆は、カカオポットと呼ばれるラグビーボール状の硬い殻に包まれた果実の中に存在する種子である。カカオ豆は、通常、3〜5日発酵して乾燥した後に、種々の加工が施される。例えば、カカオ豆をばい焼して、皮並びに胚芽を除去した後に、すりつぶしてカカオマスとし、砂糖や粉乳、カカオ脂などを加えてよく練ってチョコレートに加工される。また、カカオマスから脂を大部分除去する等の加工によってココア粉末に加工される。このようカカオ豆加工物は、ポリフェノールを乾燥質量で2.0質量%〜6.0質量%程度含有し、疲労回復や延命効果、気分のリラックスする効果があるといわれている。このようなカカオ豆加工物の中でも油脂類が除去されたココアが好ましく用いられ、その形状は、粉状であっても液状であってもよい。
(松樹皮抽出物を含有するカカオ豆加工物および血液流動性改善剤)
本発明の松樹皮抽出物を含有するカカオ豆加工物は、カカオ豆加工物中に松樹皮抽出物を含有させることで得ることができる。例えば、カカオマスへ松樹皮抽出物を混合した後に加工してチョコレートとしたり、既に加工されて得られたチョコレートを粉末化または加熱して溶解し、液状としたものに松樹皮抽出物を混合したりすることもできる。
また、カカオ豆を加工して得られたココア粉末に松樹皮抽出物を混合したり、ココア粉末へ水または湯を添加して一度ペースト状または液状とした後に松樹皮抽出物を添加したりして、松樹皮抽出物を含有するカカオ豆加工物を得てもよい。
本発明のカカオ豆加工物中の樹皮抽出物の含有量には特に制限はないが、例えば、カカオ豆加工物中における松樹皮抽出物の配合割合の下限値は、乾燥質量換算で0.001質量%以上、好ましくは0.002質量%以上とすることが好ましい。また、例えば、カカオ豆加工物中における松樹皮抽出物の配合割合の上限値は、50質量%以下、好ましくは30質量%以下とすることが好ましい。
また、本発明のカカオ豆加工物を、食品、医薬品として用いる場合は、例えば、賦形剤、増量剤、結合剤、増粘剤、乳化剤、滑沢剤、湿潤剤、懸濁剤、着色料、香料、栄養成分、食品添加物などの通常食品または医薬品に用いられる種々の成分を目的に応じて含んでいてもよい。栄養成分としては、ローヤルゼリー、ビタミン、プロテイン、卵殻カルシウムなどのカルシウム、レシチン、クロレラ末、アシタバ末、モロヘイヤ末、乳原料(脱脂粉乳、粉乳、バターなど)、大豆加工物(豆乳、大豆タンパク質など)などが挙げられる。食品添加物としては、ステビア末、抹茶パウダー、レモンパウダー、はちみつ、高甘度甘味料(甘草、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムKなど)糖アルコール(エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、還元麦芽糖など)、乳糖、トレハロース、麦芽糖などが挙げられる。
本発明のカカオ豆加工物の摂取量には特に制限はないが、例えば、松樹皮抽出物の摂取量として、成人の1日あたりの摂取量は、その下限値が、0.0005g以上、好ましくは0.001g以上となるようにカカオ豆加工物に配合されることが好ましい。また、松樹皮抽出物の1日あたりの摂取量についての上限値は、0.5g以下、好ましくは0.3g以下、さらに好ましくは0.2g以下となるように、カカオ豆下降物に配合されることが好ましい。
なお、上記の松樹皮抽出物を含有するカカオ豆加工物は、松樹皮抽出物とカカオ豆加工物を含有する血液流動性改善剤としても利用し得る。すなわち、松樹皮抽出物とカカオ豆加工物を摂取することにより、カカオ豆加工物では得られにくい効果である血液の流動性改善効果、いわゆる「血液がサラサラになる」効果を得ることができ、この効果は、松樹皮抽出物単独よりもより優れた効果を得ることができる。ここで、血液の流動性の改善効果とは、赤血球変形能等を改善し、末梢における血液自身の液体としての流動性を向上させることであり、これによって、特に末梢血管における血流を改善し得る。
また、本発明の組成物は、松樹皮抽出物中のOPCの効果を、より効率よく発揮させるため、アスコルビン酸またはその誘導体を含有してもよい。アスコルビン酸を上記OPCとともに摂取すると、OPCと相乗的に作用して、双方の安定性が高まり、さらにはアスコルビン酸の吸収率や生理活性の持続性が高くなることが知られている。
本発明の組成物に含有され得るアスコルビン酸またはその誘導体としては、例えば、アスコルビン酸グリコシド、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸マグネシウムなどの食品添加物;ならびにレモン、オレンジ、アセロラなどの果実由来の天然素材およびブロッコリー、メキャベツ、ピーマン、コマツナ、カリフラワーなどの野菜由来の天然素材などのアスコルビン酸を豊富に含む天然素材が挙げられる。
アスコルビン酸またはその誘導体の添加量は、松樹皮抽出物に対して、乾燥質量比で、好ましくは1:0.1〜500、より好ましくは1:0.2〜200、より好ましくは1:0.2〜150となるように配合される。
上記の松樹皮抽出物を含有するココア加工物は、当業者が通常用いる方法によって混合し、各種の形態に調製することもできる。例えば、松樹皮抽出物へ賦形剤などを加えて、錠剤もしくは丸剤などの形状に成形してもよく、あるいは、成形せずに、散剤の形態や、その他の形態としてもよい。その他の形態としては、ハードカプセル、ソフトカプセルなどのカプセル剤、粉末状、顆粒状、飴状、液状、ペースト状などの形態が挙げられる。もちろん、クッキーやビスケット、クラッカー、ケーキなどの菓子類とすることも可能である。中でも、液状(例えば、飲料)の形態が好ましい。
また、本発明の松樹皮抽出物を含有するカカオ豆加工物を摂取する場合、その摂取方法は、特に限定はないが、その形状または好みに応じて、そのまま飲食しても良いし、あるいは水、湯、牛乳などに溶いて飲んでも良いし、成分を浸出させたものを飲んでも良い。
以下、実施例に基づいて本発明を説明する。なおこの実施例は、本発明を制限することを意図しない。
(調整例1)
純ココアパウダー(森永製菓株式会社製)50gとエタノール水溶液によって抽出して得られた松樹皮抽出物(株式会社東洋新薬社製)50mgを混合して、食品1を製造した。この食品1を750mLの熱湯に溶解し、室温になるまで放置して試験飲料1を調整した。
(調整例2)
調整例1の松樹皮抽出物を含有しないこと以外は、調整例1と同様にして食品2を調整した後に、熱湯に溶解して、試験飲料2を調整した。
(調整例3)
調整例1の松樹皮抽出物を含有しないことおよびココアパウダーを10gとしたこと以外は、調整例1と同様にして食品2を調整した後に、熱湯に溶解して、試験飲料3を調整した。
(調整例4)
調整例1の純ココアパウダーを含有しないこと以外は、調整例1と同様にして食品3を調整した後に熱湯に溶解して、試験飲料4を調整した。
(実施例1)
次いで、体内での血流改善効果を確認するために以下のような実験を行った。まず、早朝空腹時に5名の被験者を集め、1時間安静にした後、右手人指し指の血流量を測定した(試験飲料摂取前の血流量とする)。血流量は、血流計(レーザー血流画像化装置PIM II;Sweden Permied社)を用いてを測定した。次いで、調整例1の試験飲料1を150mL摂取させた。飲料摂取1時間後、再度血流量を測定した(試験飲料摂取後の血流量とする)。また、対照として、同一の被験者に、予め水(対照飲料とする)を150mL摂取させたときの摂取前および摂取後の血流量を測定しておき、それぞれ、対照飲料摂取前の血流量および対照飲料摂取後の血流量を測定した。これらの測定値から、以下の数1に示す式により、各試験間の誤差を補正して対照飲料に対する血液増加率を求めた。なお、調整例2の試験飲料2、調整例3の試験飲料3、調整例4の試験飲料4については、それぞれ測定日を変えて試験飲料1と同様にして測定を行い、血液増加率を求めた。
Figure 2006101811
さらに、血流の回復効果を評価するために、被験者の右手を氷水に10秒間浸漬する冷水負荷試験を行い、冷水負荷直後から所定の時間(冷水負荷試験後0.5分および1分)に血流量(試験飲料摂取後の血流量)を測定し、上記と同様の式で血液増加率を求めた。すなわち、試験飲料摂取後の血流量の代わりに冷水負荷後の血流量を用いた。対照飲料についても、対照飲料摂取後に冷水負荷試験を行い、それぞれの所定時間に対応する冷水負荷後の血流量を、対照飲料摂取後の血流量として用いて計算した。結果を表1に示す。なお、表1中の値が大きいほど、対照例の飲料を摂取した場合に比べて血流量が増加していることを示す。
Figure 2006101811
表1の結果から、試験飲料2〜4よりも試験飲料1が優れた末梢における血流改善効果を示すことが分かる。この効果は、試験飲料2〜4において、血流改善効果がほとんど見られなかったことから、特異的な効果が得られていることが分かった。すなわち、本発明の松樹皮抽出物を含有するココア加工物は、松樹皮抽出物単独よりも優れた末梢における血流改善効果を示していることから、より優れた血液流動性改善剤としても利用し得ることが分かった。
(製造例1)
以下のようにして松樹皮抽出物を含有するココア粉末を調整した(値は質量%)。
純ココアパウダー 26.3
松樹皮抽出物 0.2
全粉乳 57.8
砂糖 15.7
このココア粉末20gを90℃の熱湯150mLに溶解して、実施例1と同様に摂取させたところ、砂糖が含有されているにもかかわらず、血液流動制改善効果が得られた。
(製造例2)
松樹皮抽出物を含有するチョコレートを製造するために、市販のチョコレート(森永製菓株式会社)150gを湯煎してペースト状にし、このペーストへ松樹皮抽出物を80mg添加した。次いで、30分間攪拌した後に成形して、1つ当たり75gのチョコレート(松樹皮抽出物を40mg含有)を製造した。
本発明の松樹皮抽出物を含有するカカオ豆加工物は、例えば、カカオ豆加工物に本来含まれるポリフェノールでは得られない優れた血液流動性改善効果を示し、この効果は松樹皮抽出物単独よりも優れた効果を示すため、健康食品として利用することができ、有用である。また、松樹皮抽出物を含有するカカオ豆加工物は、優れた血液流動性改善効果を示すことから、松樹皮抽出物とカカオ豆加工物を有効成分とする血液流動性改善剤としても利用することが可能である。

Claims (2)

  1. 松樹皮抽出物を含有することを特徴とするカカオ豆加工物。
  2. 松樹皮抽出物とカカオ加工物を有効成分とする、血液流動性改善剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011201819A (ja) * 2010-03-26 2011-10-13 Toyo Shinyaku Co Ltd 血漿ホモシステイン濃度上昇抑制用組成物および高ホモシステイン血症予防または改善用組成物

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