JP2006100179A - 円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極及び該電極を用いた円筒形アルカリ蓄電池 - Google Patents

円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極及び該電極を用いた円筒形アルカリ蓄電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 高容量化に好適であって、内部短絡の発生を防止できると同時に正極リードの確実且つ容易な取り付けを可能にした円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極及び該電極を用いた円筒形アルカリ蓄電池の提供。
【解決手段】 円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極は、2つの帯状の電極部材40,42を具備し、これら電極部材40,42は、夫々が3次元的な網目構造を有する金属体と該金属体内に分布された水酸化ニッケルを主成分とする活物質粉末とを含む。また、電極部材40,42は、互いに長手方向に沿って重ね合わされた状態で接合され、前記長手方向でみて互いに位置がずれた両端を有する。
【選択図】 図3

Description

本発明は高容量化に好適した円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極及び該電極を用いた円筒形アルカリ蓄電池に関する。
ニッケル水素蓄電池を始めとした円筒形アルカリ蓄電池は、市場拡大を続けるデジタルカメラ等の電気機器の電源として広く普及し、この結果、電気機器の駆動時間の増大を図るべく、高容量化・高性能化が強く望まれている。アルカリ蓄電池を高容量化するための手段としては、電池容量を規定する正極、即ち非焼結式ニッケル電極の容量を増大すればよい。
より詳しくは、この種の非焼結式ニッケル電極は、例えば特許文献1に開示されており、3次元網目構造を有した金属体からなる基板と、当該基板内に充填された活物質としての水酸化ニッケル粉末とからなる。従って、この電極の容量を高めるには、電極厚みや活物質の充填密度を増大するか、又は金属体の目付量を低減すればよい。
特開2001-167768号公報
しかしながら、非焼結式ニッケル電極の厚みが増大すると、電池で内部短絡等が発生し、電池の品質低下が引き起こされる。より詳しくは、このような内部短絡は、正極の厚みが増大するにつれ、正極を奇麗な渦巻き状に巻回するのが困難になり、応力集中により折曲された正極の部位がセパレータを突き破ることにより生じる。また、内部短絡は、正極の両端に重ね合わされた負極の部位が応力集中により折曲され、セパレータを突き破ることによっても生じる。
一方、電極厚みや活物質の充填密度の増大、金属体の目付量の低減は、いずれも正極に対する正極リードの溶接を困難にする。
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、高容量化に好適であって、内部短絡の発生を防止できると同時に正極リードの確実且つ容易な取り付けを可能にした円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極及び該電極を用いた円筒形アルカリ蓄電池の提供を目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明によれば、2つの帯状の電極部材からなり、各電極部材が3次元的網目構造を有する金属体と、該金属体内に分布され、水酸化ニッケルを主成分とする活物質粉末とを含む、円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極であって、前記2つの電極部材は、互いに長手方向に沿って重ね合わされた状態で接合され、前記長手方向でみて互いに位置がずれた両端を有することを特徴とする円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極が提供される(請求項1)。
また、本発明によれば、一端に正極端子が配置され、他端が負極端子を兼ねる円筒状の外装缶と、前記外装缶内にアルカリ電解液とともに収容され、上記円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極、負極及びセパレータを含む渦巻き状電極群と、前記ニッケル電極に接続された一端部を有し、前記ニッケル電極と前記正極端子との間を電気的に接続するための正極リードとを具備したことを特徴とする円筒形アルカリ蓄電池が提供される(請求項5)。
本発明の円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極は、電極群の巻始め及び巻終わりに対応する電極の両端は1枚の電極部材からなり、2枚の電極部材が重ね合わされている中央部分よりも薄い。このため、このニッケル電極が渦巻き状電極群を形成すべく正極として巻回されたとき、電極群の渦巻き形態は奇麗になり、正極の一部に応力集中により折曲や亀裂が生じることはない。
また、正極の両端はその中央部分に比べて薄いので、セパレータを介して正極の両端に重ね合わされた負極の部位に折曲や亀裂が生じることもない。
好適な態様として、前記2つの電極部材は互いに異なる長さを有し、一方の電極部材の両端は、他方の電極部材の両端から延出している(請求項2)。この場合、渦巻き状電極群が形成されるとき、ニッケル電極はその一方の電極部材が径方向外側に位置するように巻回される。2つの電極部材の両端が、径方向外側に段付き形状をなすことで、電極群の渦巻き形態は更に奇麗になり、ニッケル電極の一部に応力集中により折曲や亀裂が生じるのが一層防止される。
好適な態様として、一方の電極部材における金属体の目付量は、他方の電極部材での目付量よりも少ない(請求項3)。この場合、渦巻き状電極群が形成されるとき、電極はその一方の電極部材が径方向外側に位置するように巻回される。一方の電極部材は金属体の目付量が少ないので、他方の電極部材よりも伸張し易く、その巻回時、一方の電極部材の金属体に亀裂が生じることはなく、この金属体によるセパレータの突き破りが防止される。
好適な態様として、一方の電極部材における活物質粉末の充填密度は、他方の電極部材での充填密度よりも低い(請求項4)。この場合、渦巻き状電極群が形成されるとき、電極はその一方の電極部材が径方向外側に位置するように巻回される。一方の電極部材は活物質の充填密度が低いことで、他方の電極部材よりも伸張し易く、その巻回時、一方の電極部材の金属体に亀裂が生じ、金属体がセパレータを突き破ることはない。
好適な態様として、前記正極リードの前記一端部は前記2つの電極部材間に挟持され、前記正極リードは、前記一端部に形成され、前記電極部材の少なくとも一方に突き刺さった突起を含む(請求項6)。この場合、正極リードの一端部が電極部材間に挟まれ、且つ、正極リードの一端部に形成された突起が電極部材に突き刺さった状態で、非焼結式ニッケル電極に正極リードが取り付けられている。このため、電極厚みや活物質の充填密度の増大、金属体の目付量の低減にかかわらず、確実且つ容易に正極リードが非焼結式ニッケル電極に固定される。
請求項1〜4の円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極によれば、その厚みが増大していても、渦巻き状電極群の巻回形成時、正極及び負極の一部に折曲や亀裂を生じさせることはない。このため、これらの非焼結式ニッケル電極を用いた請求項5及び6の円筒形アルカリ蓄電池では、セパレータの突き破りが防止され、この結果、内部短絡が防止され、電池の品質が向上する。
また、請求項6の円筒形アルカリ蓄電池によれば、請求項1〜4の非焼結式ニッケル電極が適用されているので、ニッケル電極の厚みが増大していても、ニッケル電極に正極リードを確実且つ容易に取り付けることができ、この結果、電池の品質が向上する。
図1は、本発明の一実施形態に係る円筒形アルカリ蓄電池を示している。
電池は、一端が開口した有底円筒形状をなす外装缶10を備え、外装缶10の底壁は導電性を有した負極端子として機能する。外装缶10の開口内には、リング状の絶縁パッキン12を介して導電性の蓋板14が配置され、開口縁をかしめ加工することにより絶縁パッキン12及び蓋板14は開口内に固定されている。
蓋板14は中央にガス抜き孔16を有し、蓋板14の外面上にはガス抜き孔16を塞いでゴム製の弁体18が配置されている。更に蓋板14の外面上には、弁体18を覆うフランジ付き円筒形状の正極端子20が固定され、正極端子20は弁体18を蓋板14に押圧している。従って、通常時、外装缶10は絶縁パッキン12及び弁体18とともに蓋板14により気密に閉塞されている。一方、外装缶10内でガスが発生してその内圧が高まった場合には弁体18が圧縮され、ガス抜き孔16を通して外装缶10からガスが放出される。つまり、蓋板14、弁体18及び正極端子20は、所定の内圧で作動する安全弁を形成している。
外装缶10内には、アルカリ電解液が注液されており、アルカリ電解液としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化リチウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、及びこれらのうち2つ以上を混合した水溶液等を用いることができる。また、アルカリ電解液の濃度についても特には限定されず、例えば8Nのものを用いることができる。
また、外装缶10内には、略円柱状の電極群22が収容されている。電極群22は、それぞれ帯状の正極24、負極26及びセパレータ28からなり、セパレータ28を介して正極24及び負極26を渦巻状に巻回して形成される。つまり、正極24と負極26とはセパレータ28を介して電極群22の径方向に交互に重ね合わされている。電極群22の最外周には、その巻回方向でみて負極26の外端側の部位が巻回され、電極群22の最外周部において、負極26と外装缶10の内周壁とは互いに電気的に接続されている(図2参照)。
更に外装缶10内には、電極群22の一端と蓋板14との間に、正極リード30が配置され、正極リード30の両端は正極24及び蓋板14に接続されている。従って、正極端子20と正極24との間は、正極リード30及び蓋板14を介して電気的に接続されている。なお、正極リード30は帯状をなし、蓋板14を外装缶10の開口内に配置する時に、電極群22と蓋板14との間にて折り曲げられて収容されるが、蓋板14と電極群22との間にはスリット付きの円形の絶縁部材32が配置され、絶縁部材32のスリットを通して延びている。また、電極群22と外装缶10の底部との間にも円形の絶縁部材34が配置されている。
セパレータ28の材料としては、例えば、ポリアミド繊維製不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン繊維製不織布に親水性官能基を付与したものを用いることができる。この電池の場合、図2に示したように、セパレータ28は、正極24の径方向外面と負極26の径方向内面との間に介挿された第1セパレータ36と、正極24の径方向内面と負極26の径方向外面との間に介挿された第2セパレータ38とからなるが、セパレータ28としては、正極24の径方向外面と負極26の径方向内面との間に介挿された部分と、正極24の径方向内面と負極26の径方向外面との間に介挿された部分とが、電極群22の中心軸側で繋がった1枚のセパレータを用いてもよい。なお、図2中、作図の都合により、第1及び第2のセパレータ36,38のハッチングを省略した。
負極26は、例えば、帯状をなす導電性の負極基板を有し、この負極基板には負極合剤が保持されている。負極合剤は、電池がニッケル水素蓄電池であることから、負極活物質としての水素を吸蔵及び放出可能な水素吸蔵合金粉末、結着剤及び必要に応じて導電剤からなるが、水素吸蔵合金に代えて、例えばカドミウム化合物を用いて電池をニッケルカドミウム蓄電池としてもよい。ただし、電池の高容量化には、ニッケル水素蓄電池が好適する。
負極基板としては、例えば、パンチングメタル、金属粉末焼結体基板、エキスパンデッドメタル及びニッケルネット等を用いることができる。また、結着剤としては親水性若しくは疎水性のポリマー等を用いることができる。
以下、正極24として用いられた非焼結式ニッケル電極について説明する。
このニッケル電極は、図3に示したように、それぞれが帯状をなし且つ互いに長さの異なる2枚の電極部材40,42からなる。これら電極部材40,42は、長い方の電極部材42の両端が短い方の電極部材40の両端から延出するように互いに重ね合わされた状態で圧延・接合されている。
各電極部材40,42は、導電性の正極基板と、正極基板に保持された正極合剤とからなり、正極基板としては、3次元的な網目構造を有するニッケル等の金属体を用いることができる。より詳しくは、金属体は、発泡ウレタンにニッケルめっきを施したものを、焙焼、還元処理して作製される。このニッケル電極では、好適な態様として、電極群22において、径方向外側に位置付けられる短尺な電極部材40における金属体のニッケルめっき量(目付量)が、内側に位置付けられる長尺な電極部材42での目付量よりも少量に設定されている。
正極合剤は、正極活物質粉末としての水酸化ニッケル粉末及び結着剤からなる。ここで、正極活物質粉末は、電池がニッケル水素蓄電池なので水酸化ニッケル粉末を主成分として含むけれども、水酸化ニッケル粉末は、コバルト、亜鉛、カドミウム等を固溶していてもよい。また、正極活物質粉末は、コバルト化合物粉末を少量含んでいてもよく、あるいは表面がコバルト化合物で被覆されていてもよい。結着剤としては親水性若しくは疎水性のポリマー等を用いることができる。
ここで、このニッケル電極では、好適な態様として、圧延後の電極部材40,42における金属体への正極活物質粉末の充填密度が、径方向外側に位置付けられる電極部材40の方が、内側に位置付けられる電極部材42よりも低くなるよう設定されている。なお、正極活物質粉末の充填密度とは、圧延後の各電極部材40,42において、正極基板(金属体)の空孔の単位容積当りに充填された正極活物質粉末の質量である。
ここで、上述したニッケル電極に接続される正極リード30は、図4に示したように、帯状をなし、一端部の両面に複数の突起30aを有する。そして、この正極リード30は、その一端部が電極部材40,42間に挟まれた状態で電極部材40,42とともに圧延され、圧延により突起30aが電極部材40,42に突き刺さることで、ニッケル電極に固定される。なお、突起30aは、正極リード30の両面に形成されるのが好ましいが、片面だけに形成されてもよい。
上記した構成の円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極は、電極群22の巻始め及び巻終わりに対応する両端が1枚の電極部材40からなり、2枚の電極部材40,42が重ね合わされている中央部分よりも薄く形成されている。このため、このニッケル電極を正極24として用いた上述の電池では、正極24及び負極26が奇麗に巻回され、正極24の一部に応力集中により折曲や亀裂が生じるのが防止される。
また、正極24の両端は、その中央部分に比べて薄く形成されているので、セパレータ28を介して重ね合わされた負極26の部位に折曲や亀裂が生じるのが防止される。
従って、上記した非焼結式ニッケル電極によれば、ニッケル電極の厚みが増大しても、巻回された正極24及び負極26の一部に折曲や亀裂が生じることはなく、折曲や亀裂が生じた金属体によるセパレータ28を突き破るのが防止され、この結果、内部短絡が防止されて電池の品質が向上する。
そして、上記した非焼結式ニッケル電極では、好適な態様として、径方向外側に位置する電極部材40における金属体の目付量が、内側に位置する電極部材42よりも低く、外側の電極部材40は内側の電極部材よりも伸張し易い。それ故、電極群22の巻回時、外側の電極部材40の金属体に亀裂が生じることはなく、亀裂が生じた金属体がセパレータ28を突き破るのが防止され、この結果、内部短絡が更に防止されて電池の品質が一層向上する。
また、上記した非焼結式ニッケル電極では、好適な態様として、外側の電極部材40における活物質粉末の充填密度が、内側の電極部材42よりも低く、外側の電極部材40は、内側の電極部材42よりも伸張し易い。それ故、電極群22の巻回時、外側の電極部材40の金属体に亀裂が生じ、亀裂が生じた金属体がセパレータ28を突き破るのが防止され、この結果、内部短絡が更に防止されて電池の品質が一層向上する。
また、上述した非焼結式ニッケル電極に取り付けられる正極リード30は、その一端部が電極部材40,42間に挟まれ、且つ、その一端部に形成された突起30aが電極部材40,42に突き刺さる。つまり、正極リード30は溶接によらずに非焼結式ニッケル電極に取り付けられる。従って、電極厚みや活物質の充填密度の増大、金属体の目付量の低減にかかわらず、確実且つ容易に正極リードが非焼結式ニッケル電極に固定され、この結果、電池の品質が向上する。
なお、本発明は、上記した一実施形態に限定されることはなく、種々変形が可能であり、非焼結式ニッケル電極における2つの電極部材は、同一の長さを有していても良く、この場合、非焼結式ニッケル電極の両端が何れか1枚の電極部材から形成されるよう、長手方向に位置をずらして重ね合わされる。ただし、一実施形態のように、2つの電極部材40,42の両端が、径方向外側に段付き形状をなすことで、電極群22の渦巻き形態は更に奇麗になり、ニッケル電極の一部に応力集中により折曲や亀裂が生じるのが一層防止される。
1.正極の作製
まず、以下のようにしてスラリを作製した。
ナトリウムを含有する高次コバルト化合物からなる被覆層が粒子の表面に形成された水酸化ニッケル粉末を主成分とし、コバルト化合物粉末を少量含む活物質粉末を用意した。この活物質粉末100質量部に、濃度0.2質量%のヒドロキシプロピルセルロース水溶液を40質量部と、濃度60重量%のPTFEディスパージョン液1質量部とを添加して混合し、スラリを調製した。
<実施例1>
前記スラリを、目付量250g/m2、厚み1.0mmの2枚のNiスポンジ基体に所定量を充填し、乾燥させた。この後、これらの基体を、圧延方向での長さが95mm,100mmになるよう裁断し、長さの相違する第1の電極部材(95mm)及び第2の電極部材(100mm)を得た。これら2枚の電極部材を、第2の電極部材の両端が第1の電極部材の両端から延出した状態で重ね合わせ、このとき、電極部材間に正極リードの一端が挟まれるようにした。そして、重ね合わされた電極部材を厚み0.9mmまで圧延して接合し、所定寸法に切断して正極を得た。なお、圧延後の各電極部材における活物質の充填密度は2.9g/cm3-voidであった。
<実施例2>
前記スラリを、目付量225g/m2、厚み1.0mmのNiスポンジ基体、及び、目付量275g/m2、厚み1.0mmのNiスポンジ基体のそれぞれに所定量を充填し、乾燥させた。この後、これらの基体を、圧延方向での長さが95mm,100mmになるよう裁断し、目付量及び長さの相違する第1の電極部材(225g/m2,95mm)及び第2の電極部材(275g/m2,100mm)を得た。これら2枚の電極部材を、第2の電極部材の両端が第1の電極部材の両端から延出した状態で重ね合わせ、このとき、電極部材間に正極リードの一端が挟まれるようにした。そして、重ね合わされた電極部材を厚み0.9mmまで圧延して接合し、所定寸法に切断して正極を得た。なお、圧延後の各電極部材における活物質の充填密度は2.9g/cm3-voidであった。
<実施例3>
前記スラリを、目付量250g/m2、厚み1.0mmの2枚のNiスポンジ基体に互いに異なる量にて充填し、乾燥させた。この後、これらの基体を、圧延方向での長さが95mm,100mmになるよう裁断し、長さの相違する第1の電極部材(95mm)及び第2の電極部材(100mm)を得た。これら2枚の電極部材を、第2の電極部材の両端が第1の電極部材の両端から延出した状態で重ね合わせ、このとき、電極部材間に正極リードの一端が挟まれるようにした。そして、重ね合わされた電極部材を厚み0.9mmまで圧延して接合し、所定寸法に切断して正極を得た。なお、圧延後の第1の電極部材における活物質の充填密度は2.85g/cm3-void あり、第2の電極部材における活物質の充填密度は2.95g/cm3-voidであった。
<比較例1>
前記スラリを、目付量500g/m2、厚み2.0mmの1枚のNiスポンジ基体に所定量を充填し、乾燥させた。この後、この基体を、圧延方向での長さが97.5mmになるよう裁断し、1枚の電極部材を得た。この電極部材を厚み0.9mmまで圧延して接合し、所定寸法に切断して正極を得た。そして、得られた正極に正極リードの一端を溶接した。なお、圧延後の各電極部材における活物質の充填密度は2.9g/cm3-voidであった。
<比較例2>
前記スラリを、目付量250g/m2、厚み1.0mmの2枚のNiスポンジ基体に所定量を充填し、乾燥させた。この後、これらの基体を、圧延方向での長さが97.5mmになるよう裁断し、長さが同一の第1の電極部材及び第2の電極部材を得た。これら2枚の電極部材を両端を揃えて重ね合わせ、このとき、電極部材間に正極リードの一端が挟まれるようにした。そして、重ね合わされた電極部材を厚み0.9mmまで圧延して接合し、所定寸法に切断して正極を得た。そして、得られた正極に正極リードの一端を溶接した。なお、圧延後の各電極部材における活物質の充填密度は2.9g/cm3-voidであった。
2.負極の作製
まず、金属原料をMm1.0Ni3.4Co0.8Al0.2Mn0.6となるように秤量して混合したものを高周波溶解炉にて溶解し、この溶湯を鋳型に流し込んで水素吸蔵合金インゴットを作製した。そして、このインゴットを予め粗粉砕してから、不活性ガス雰囲気中で平均粒径が50μm程度になるまで機械的に粉砕を行った。
次に、得られた水素吸蔵合金粉末に、結着剤としてのポリエチレンオキサイド等、および、適量の水を加えて混合して負極用スラリを作製し、この負極用スラリをパンチングメタルからなる負極基板の両面に塗着して乾燥させた。そして、乾燥した負極スラリが両面に付着したパンチングメタルを圧延した後、所定の寸法に切断して負極を作製した。
3.電池の組立て
得られた正極のうち一種と負極とを、ポリプロピレン製不織布からなる2枚のセパレータを介して渦巻状に巻回して電極群を作製し、外装缶にこの電極群を挿入した。そして、7Nのアルカリ電解液(LiOH:1.0N,NaOH:1.0N,KOH:5.0N)を外装缶内に注液し、蓋板等で外装缶の開口を封口し、公称容量2.0Ahの円筒形ニッケル水素蓄電池を組立てた。なお、電池は、実施例及び比較例毎に300個ずつ組立てた。
4.電極群及び電池評価試験
(1)電極群の真円度の測定
電池組立て前に各電極群の短径及び長径を測定し、長径に対する短径の比率を真円度として表1に示した。
(2)短絡発生率の測定
各電池の正極端子と負極端子との間の抵抗を測定することにより、内部短絡の発生数を測定し、結果を発生率として表1に示した。
Figure 2006100179
表1から以下のことが明らかである。
(1)電極群の真円度が高い実施例1〜3の電池は、比較例1,2に比べて短絡発生数が少ない。これは、実施例1〜3の電池では、電極群の作製時、正極及び負極がきれいに巻回されたことで、正極及び負極において折曲や亀裂の発生が防止され、折曲もしくは亀裂した部位がセパレータを貫通するのが防止されたためと考えられる。
(2)径方向外側に位置する電極部材の金属体の目付量が、内側に位置する電極部材よりも低い実施例2の電池では、実施例1よりも一層短絡が防止されている。
(3)径方向外側に位置する電極部材の充填密度が、内側に位置する電極部材よりも低い実施例2の電池では、実施例1よりも一層短絡が防止されている。
本発明の一実施形態に係る円筒形ニッケル水素蓄電池の部分切欠き斜視図である。 図1の電池の横断面を示した概略図である。 図1の電池に適用された非焼結式ニッケル電極の説明図である。 図3の非焼結式ニッケル電極に適用された正極リードの斜視図である。
符号の説明
10 外装缶
22 電極群
24 正極(非焼結式ニッケル電極)
26 負極
28 セパレータ
30 正極リード
30a 突起
40,42 電極部材

Claims (6)

  1. 2つの帯状の電極部材からなり、各電極部材が3次元的網目構造を有する金属体と、該金属体内に分布され、水酸化ニッケルを主成分とする活物質粉末とを含む、円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極であって、
    前記2つの電極部材は、
    互いに長手方向に沿って重ね合わされた状態で接合され、
    前記長手方向でみて互いに位置がずれた両端を有する
    ことを特徴とする円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極。
  2. 一方の電極部材は他方の電極部材よりも短く、
    前記他方の電極部材の両端は、前記一方の電極部材の両端から延出していることを特徴とする請求項1記載の円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極。
  3. 一方の電極部材における金属体の目付量は、他方の電極部材での目付量よりも少ないことを特徴とする請求項1又は2記載の円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極。
  4. 一方の電極部材における活物質粉末の充填密度は、他方の電極部材での充填密度よりも低いことを特徴とする請求項1、2、3の何れかに記載された円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極。
  5. 一端に正極端子が配置され、他端が負極端子を兼ねる円筒状の外装缶と、
    前記外装缶内にアルカリ電解液とともに収容され、請求項1、2、3、4の何れかに記載された円筒形アルカリ蓄電池用の非焼結式ニッケル電極、負極及びセパレータを含む渦巻き状電極群と、
    前記ニッケル電極に接続された一端部を有し、前記ニッケル電極と前記正極端子との間を電気的に接続するための正極リードと
    を具備したことを特徴とする円筒形アルカリ蓄電池。
  6. 前記正極リードの前記一端部は前記2つの電極部材間に挟持され、
    前記正極リードは、前記一端部に形成され、前記電極部材の少なくとも一方に突き刺さった突起を含む
    ことを特徴とする請求項5記載の円筒形アルカリ蓄電池。

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