JP5157049B2 - 密閉形電池及びその製造方法並びに密閉形電池の複数個で構成した組電池及びその製造方法 - Google Patents

密閉形電池及びその製造方法並びに密閉形電池の複数個で構成した組電池及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、密閉形電池及びその製造方法並びに密閉形電池の複数個で構成した組電池及びその製造方法に関し、特に、密閉形電池の上部集電板と蓋とを接続する構造・方法、密閉形電池同士を接続する構造・方法の改善に関する。
一般に、ニッケル−水素化物電池、ニッケル−カドミウム電池などのアルカリ電池は、発電要素を電池ケース内に収容し、電池ケースを一方極の端子として構成される。例えば図37に一例を示すように、集電体として、集電体101と集電リード板103を同一厚みで伸長させ、一体成形したものが提案されている。
このような電池では、図38に示すように、正極板8および負極板9の間にセパレータ10を介在させ、これらを渦巻状に巻回して形成された発電要素を外装容器6としての金属製電池ケースに収納して集電リード板103を封口体に1箇所溶接した後、封口体11を電池ケース6の開口部に絶縁ガスケットを介在させて装着することにより密閉して構成されている。
特に、このようなアルカリ電池が、電動工具や電気自動車などの高率で充放電を行う用途に使用される場合、電池構成の中でも特に、発電要素と封口体の間を接続する集電体の電気抵抗が電池特性に大きな影響を与える。これらの用途ではしばしば大電流での充放電が要求されるので、極力内部抵抗を低減する必要がある。
上述の内部抵抗を低減させた電池としては以下のものが知られている。(例えば、特許文献1参照)
特開2004−63272号公報(図1〜4、10、11、段落[0022]〜[0038])
特許文献1に記載の内部抵抗を低減させた電池をニッケル−カドミウム電池に適用した場合について説明する。
図39は、打ち抜き加工により一体形成された集電体を装着したニッケル−カドミウム電池の要部を示す斜視図、図40(a)および(b)は、この集電体1の平面図および断面図である。この集電体は、ニッケルめっきのなされた厚み0.3mmの鉄板からなり、平坦部2と、打ち抜き加工により高さ2.0mm程度に突出せしめられた突起部3とで構成されている。
この集電体は、ほぼ円板状をなすように形成され、突起部3を具備し、前記突起部の頂面が溶接領域となり得る肉薄領域4を構成したことを特徴とする。
また、この平坦部には孔5が形成されている。そしてこの孔の周縁に裏面側に突出するようにばり5Bが形成され、このばりが正極板との溶接点を形成している。図41は電極体を外装容器としての電池ケース6に挿入して前記集電体1を介して封口体と溶接するときの状態を示す断面図である。
このニッケル−カドミウム電池は、図41に示すように、鉄にニッケルめっきを施した有底筒状体の電池ケース6内に、ニッケル正極板8とカドミウム負極板9がセパレータ10を介して巻回された電池要素が収容され、この上に上述の集電体1が載置され、封口体11がこの集電体1の突起部3と直接溶接法によって溶接接続せしめられてなるものである。
この封口体11は底面に円形の下方突出部を形成した蓋体12と、正極キャップ13と、これら蓋体12と正極キャップ13との間に介在せしめられるスプリング15と弁板14とからなる弁体とで構成されており、この蓋体の中央にはガス抜き孔16が形成されている。
ここでニッケル正極板と集電体1との間は、封口体との溶接に先立ち、平坦部2に形成された孔5の周縁に裏面側に突出するようにばり5Bが形成され、このばりが正極板8との溶接点を形成している。一方電池ケース6の底部には円板状の負極集電体7が配設され、負極板9と溶接接続されている。またこの電池ケース6の開口部17はかしめ加工によって封止がなされている。
かかる構成によれば、1枚の円形金属板を打ち抜き加工により形成するのみで、容易に確実な溶接領域を形成することが可能となり、確実で信頼性の高い接続が可能となる。
また、平坦部2が電極と接続される集電体本体部、突起部3が封口体である正極側端子と接続される集電リードの役割を果たすことができ、一体形成が可能であるため、接続抵抗の低減を図ることが可能となる。
また、図40(b)に示すように、突起部3の頂面4が肉薄となっているため、溶接電流を集中させることができ、さらに弾性をもち溶接領域に圧力が確実にかかるため、より確実な接続が可能となる。
この電池は、リードの長さを短くすることができるが、リードを厚肉な蓋に溶接する必要があるため溶接時の熱が蓋に逃げるために、溶接箇所の確実性が低下し溶接のばらつきが大きいと言う問題や、同じ理由から1点の溶接に必要な電流を大きくする必要があるため、多数の溶接点を形成することが出来ず、内部抵抗低減の効果は十分とはいえない。
また、その他、内部抵抗を低減させた電池としては以下のものが知られている。
(例えば、特許文献2、3参照)
特開2001−345088号公報(図2、本願添付図面の図42) 特開2001−155710号公報(図3、4、本願添付図面の図43、図44)
特許文献2に記載の内部抵抗を低減させた電池は、図42に示すような構造を有し、「ニッケル正極板1と水素吸蔵合金負極板2との間にセパレータ3を介在させて渦巻状に巻回して渦巻状電極群を作製した後、この渦巻状電極群の上端面に露出する極板芯体に正極集電体4を溶接するとともに、下端面に露出する極板芯体に負極集電体(図示せず)を溶接した。ついで、正極集電体4の上部に中央部が円筒状になるように折り曲げ加工された正極用リード5を溶接した後、これらを鉄にニッケルメッキを施した有底筒状の外装缶(底面の外面は負極外部端子となる)6内に収納し、水素吸蔵合金負極板2に溶接された負極集電体を外装缶6の内底面に溶接する。」(段落[0026])という溶接方法が採用されている。
この電池は、リードを厚肉な蓋に溶接する必要があるため溶接時の電流を大きくすると、熱によってリードが軟化し、溶接箇所の密着性を維持しにくく、溶接の確実性が低下し溶接のばらつきが大きいと言う問題があるため、多数の溶接点を形成することが出来ず、内部抵抗低減の効果は十分とはいえない。
特許文献3に記載の内部抵抗を低減させた電池は、図43、図44に示すように、一方極の端子を兼ねる開口部を備えた電池ケース16と、この開口部を密封する他方極の端子を兼ねる封口体17(蓋体17a、正極キャップ17b、スプリング17c、弁体17d)と、電池ケース16内に収容される正極板11、負極板12の少なくとも一方の端部に集電体14が接続された電極体10とを備え、封口体17と集電体14とは長さ方向の中央部が凹んだ鼓状筒体20から構成されるリード部により固着接続されている。鼓状筒体20の上下端部に幅広部22a,23aと幅狭部22b,23bとが交互に形成された鍔部22,23を備えている。幅広部22aと幅狭部23bは空間を隔てて互に重なり合い、幅狭部22bと幅広部23aは空間を隔てて互に重なり合うように配置されている。
上記の鼓状筒体20から構成されるリード部を有するニッケルー水素蓄電池は、以下のように溶接されて作製される。
ニッケル−水素蓄電池を組み立てるに際しては、まず、上述した鼓状筒体20を正極集電体14の上に載置した後、上端鍔部の幅狭部22bの外周部に溶接電極(図示せず)を配置して、下端鍔部の幅広部23aと集電体14とをスポット溶接した。この後、鼓状筒体20を正極集電体14に溶接した電極体10を鉄にニッケルメッキを施した有底筒状の電池ケース(底面の外面は負極外部端子となる)16内に収納した。(段落[0025])
上述のように封口体17を配置した後、正極キャップ(正極外部端子)17aの上面に一方の溶接電極W1を配置するとともに、電池ケース16の底面(負極外部端子)の下面に他方の溶接電極W2を配置した。この後、これらの一対の溶接電極W1,W2間に2×106N/m2の圧力を加えながら、これらの溶接電極W1,W2間に電池の放電方向に24Vの電圧を印加し、3KAの電流を約15msecの時間流す通電処理を施した。この通電処理により、封口体17の底面と鼓状筒体20の上端鍔部22の幅広部22aに形成された小突起22cとの接触部に電流が集中して、この小突起22cと封口体17の底面とが溶接されて、溶接部が形成された。これと同時に負極集電体15の下面と電池ケース16の底面(負極外部端子)の上面との接触部が溶接されて溶接部が形成された。(段落[0027])
ついで、封口体17の周縁に絶縁ガスケット19を嵌着させ、プレス機を用いて封口体17に加圧力を加えて、絶縁ガスケット19の下端が凹部16aの位置になるまで封口体17を電池ケース16内に押し込んだ。この後、電池ケース16の開口端縁を内方にかしめて電池を封口して、公称容量6.5Ahの円筒形ニッケル−水素蓄電池を作製した。なお、この封口時の加圧力により、鼓状筒体20の本体部21は凹んだ中央部を中心にして押しつぶされた。(段落[0028])
また、封口前と封口後に溶接して、公称容量6.5Ahの円筒形ニッケル−水素蓄電池を作製する方法として、以下の方法が示されている。
まず、上述した鼓状筒体20を正極集電体14の上に載置した後、上端鍔部22の幅狭部22bの外周部に溶接電極(図示せず)を配置して、下端鍔部23の幅広部23aと集電体14とをスポット溶接した。この後、鼓状筒体20を正極集電体14に溶接した電極体10を鉄にニッケルメッキを施した有底筒状の電池ケース(底面の外面は負極外部端子となる)16内に収納した。(段落[0029])
ついで、封口体17の周縁に絶縁ガスケット19を嵌着させ、プレス機を用いて封口体17に加圧力を加えて、絶縁ガスケット19の下端が凹部16aの位置になるまで封口体17を電池ケース16内に押し込んだ。この後、電池ケース16の開口端縁を内方にかしめて電池を封口した。なお、この封口時の加圧力により、鼓状筒体20の本体部21は凹んだ中央部を中心にして押しつぶされた。ついで、正極キャップ(正極外部端子)17aの上面に一方の溶接電極W1を配置するとともに、電池ケース16の底面(負極外部端子)の下面に他方の溶接電極W2を配置した。(段落[0031])
この後、これらの一対の溶接電極W1,W2間に2×106N/m2の圧力を加えながら、これらの溶接電極W1,W2間に電池の放電方向に24Vの電圧を印加し、3KAの電流を約15msecの時間流す通電処理を施した。この通電処理により、封口体17の底面と鼓状筒体20の上端鍔部22の幅広部22aに形成された小突起22cとの接触部に電流が集中して、この小突起22cと封口体17の底面とが溶接されて、溶接部が形成された。これと同時に負極集電体15の下面と電池ケース16の底面(負極外部端子)の上面との接触部が溶接されて溶接部が形成された。(段落[0032])
この電池は、正極集電体(上部集電板)の溶接点と蓋との溶接点の点数が同数であるため、リードを厚肉な蓋に溶接するために溶接時の電流を大きくすると、正極集電体(上部集電板)の溶接点が大電流により破損し、溶接の確実性が低下しリード部の抵抗ばらつきが大きくなると言う問題や、リードを厚肉な蓋に溶接する必要があるため溶接時の電流を大きくすると、熱によってリードが軟化し、溶接箇所の密着性を維持しにくく、溶接の確実性が低下し溶接のばらつきが大きいと言う問題があるため、多数の溶接点を形成することが出来ず、内部抵抗低減の効果は十分とはいえない。
上記のように、上部集電板の上面と封口体(蓋)の内面をリードを介して溶接した電池においては、溶接後に蓋を閉めるために、リードの長さを長くしておく必要があり、抵抗が大きくなるという問題があった。
また、リードの長さの短い電池もあったが、あらかじめ上部集電板の上面とリードを先に溶接して一体とするか、集電板打ち抜き加工により一体とし、その後、封口体(蓋)の内面とリードを溶接する電池であるため、集電抵抗が大きくなるという問題があった。
本発明の課題は、上部集電板と封口体(蓋)とをリードを介して接続するに際して、蓋とリードの確実で低抵抗な溶接を可能とするとともに、リードと上部集電板のより小さな電流による確実で低抵抗な溶接を可能とし、低抵抗で出力特性に優れた密閉形電池を提供すること、密閉形電池を複数個接続して、同じく低抵抗で出力特性に優れた組電池を提供することにある。
本発明者らは鋭意検討の結果、密閉形電池及びその製造方法において、リードの溶接順序を特定の順序とすること、組電池及びその製造方法において、特定の溶接方法を採用することにより、上記の課題が解決でき、電圧損失を最小限にとどめることができることを見いだし、本発明を完成した。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の手段を採用するものである。
(1)密閉形電池の電槽を閉鎖する蓋の内面と上部集電板の上面とがリードを介して接続された密閉形電池において、前記蓋の内面に前記リードの一方の面が溶接され、前記電槽が密閉された後で、前記上部集電板の上面に前記リードの他方の面が外部電源により交流パルスを通電して溶接されたものであり、前記蓋の内面における前記リードの溶接点から該溶接点に最も近い前記上部集電板の上面における前記リードの溶接点までの前記リードの長さが、前記蓋の内面における前記リードの溶接点から前記上部集電板の上面に至る最短距離の1〜2.1倍であり、かつ、内部抵抗が1mΩ以下であることを特徴とする密閉形電池。
(1−1)前記蓋がその内面における平坦部から下方に湾曲又は屈曲した部分を有し、前記蓋の湾曲又は屈曲部分に前記リードの一方の面が溶接されたものであり、前記蓋の湾曲又は屈曲部分における前記リードの溶接点から該溶接点に最も近い前記上部集電板の上面における前記リードの溶接点までの前記リードの長さと、前記蓋の湾曲又は屈曲部分における前記リードの溶接点から前記蓋の平坦部に至る前記蓋の湾曲又は屈曲部分の長さの合計が、前記蓋の平坦部と前記上部集電板の間隔の1〜2.1倍であることを特徴とする前記(1)の密閉形電池。
(1−2)前記上部集電板がその上面における平坦部から上方に湾曲又は屈曲した部分を有し、前記上部集電板の湾曲又は屈曲部分に前記リードの他方の面が溶接されたものであり、前記蓋の内面における前記リードの溶接点から該溶接点に最も近い前記上部集電板の湾曲又は屈曲部分における前記リードの溶接点までの前記リードの長さと、前記上部集電板の湾曲又は屈曲部分における前記リードの溶接点から前記上部集電板の平坦部に至る前記上部集電板の湾曲又は屈曲部分の長さの合計が、前記蓋と前記上部集電板の平坦部の間隔の1〜2.1倍であることを特徴とする前記(1)の密閉形電池。
(1−3)前記蓋がその内面における平坦部から下方に湾曲又は屈曲した部分を有し、かつ、前記上部集電板がその上面における平坦部から上方に湾曲又は屈曲した部分を有したものであり、前記蓋の湾曲又は屈曲部分に前記リードの一方の面が溶接された後、前記上部集電板の湾曲又は屈曲部分に前記リードの他方の面が溶接されたものであり、前記蓋の湾曲又は屈曲部分における前記リードの溶接点から該溶接点に最も近い前記上部集電板の湾曲又は屈曲部分における前記リードの溶接点までの前記リードの長さと、前記蓋の湾曲又は屈曲部分における前記リードの溶接点から前記蓋の平坦部に至る前記蓋の湾曲又は屈曲部分の長さと、前記上部集電板の湾曲又は屈曲部分における前記リードの溶接点から前記上部集電板の平坦部に至る前記上部集電板の湾曲又は屈曲部分の長さの合計が、前記蓋の平坦部と前記上部集電板の平坦部との間隔の1〜2.1倍であることを特徴とする前記(1)の密閉形電池。
(1−4)前記リードがリング状リードであり、前記蓋の内面に前記リング状リードの一方の面が溶接された後、前記上部集電板の上面に前記リング状リードの他方の面が溶接されたものであることを特徴とする前記(1)、(1−1)〜(1−3)のいずれか一項の密閉形電池。
(1−5)前記リードがリング状の主リード及び補助リードからなるものであり、前記蓋の内面に前記主リードの一方の面が溶接された後、前記上部集電板の上面に前記主リードの他方の面が前記補助リードを介して溶接されたものであることを特徴とする前記(1−4)の密閉形電池。
(1−6)前記リードが枠状部と前記枠状部の内周及び外周から下方に向けて延びた二重構造の側壁部を有するものであり、前記蓋の内面に前記リードの枠状部が溶接された後、前記上部集電板の上面に前記リードの二重構造の側壁部の端部が溶接されたものであることを特徴とする前記(1)、(1−1)〜(1−3)のいずれか一項の密閉形電池。
(1−7)前記二重構造の側壁部を有するリードが、前記枠状部をV字の折り部分とする断面が逆V字状又は前記枠状部をU字の2つの折り部分及び底辺とする断面が逆U字状のものであることを特徴とする前記(1−6)の密閉形電池。
(1−8)前記リードが前記枠状部及び前記二重構造の側壁部を有する主リード部並びに補助リード部からなり、前記主リード部の二重構造の側壁部の端部には、それぞれ、複数の突片状又は連続した平板状の補助リード部が形成されているものであり、前記蓋の内面に前記主リード部の枠状部が溶接された後、前記上部集電板の上面に前記補助リード部が溶接されたものであることを特徴とする前記(1−6)又は(1―7)の密閉形電池。
(1−9)前記リードが枠状部と前記枠状部の内周及び外周から上方に向けて延びた二重構造の側壁部を有するものであり、前記蓋の内面に前記リードの二重構造の側壁部の端部が溶接された後、前記上部集電板の上面に前記リードの枠状部が溶接されたものであることを特徴とする前記(1)、(1−1)〜(1−3)のいずれか一項の密閉形電池。
(1−10)前記二重構造の側壁部を有するリードが、前記枠状部をV字の折り部分とする断面がV字状又は前記枠状部をU字の2つの折り部分及び底辺とする断面がU字状のものであることを特徴とする前記(1−9)の密閉形電池。
(1−11)前記リードが前記枠状部及び前記二重構造の側壁部を有する主リード部並びに補助リード部からなり、前記主リード部の二重構造の側壁部の端部には、それぞれ、複数の突片状又は連続した平板状の補助リード部が形成されているものであり、前記蓋の内面に前記補助リード部が溶接された後、前記上部集電板の上面に前記主リード部の枠状部が溶接されたものであることを特徴とする前記(1−9)又は(1−10)の密閉形電池。
(1−12)前記リードの枠状部の内周及び外周が円形であることを特徴とする前記(1−6)(1−11)のいずれか一項の密閉形電池。
(1−13)前記リードの二重構造の側壁部が蛇腹様に加工されていることを特徴とする前記(1−6)(1−12)のいずれか一項の密閉形電池。
(1−14)前記リードの枠状部及び二重構造の側壁部が、周方向に間隔をおいて分割され複数のパーツとされていることを特徴とする前記(1−6)(1−13)のいずれか一項の密閉形電池。
(1−15)前記リードの二重構造の側壁部が、周方向に間隔をおいて下端又は上端から縦方向にスリット加工され少なくとも一部又は全部が分断されていることを特徴とする前記(1−6)(1−13)のいずれか一項の密閉形電池。
(2)密閉形電池の電槽を閉鎖する蓋の内面と上部集電板の上面とをリードを介して接続する密閉形電池の製造方法において、前記蓋の内面に前記リードの一方の面を溶接する第1の溶接工程と、前記上部集電板が前記電槽の開放端側に位置するように、前記上部集電板を接合した極群を前記電槽内に収容し、電解液を注液し、前記リードの他方の面が前記上部集電板の上面に当接するように前記蓋を載置し、前記電槽を密閉した後、密閉形電池の正負極両端子間に溶接のための電流を電池を介して通電することにより前記上部集電板の上面に前記リードの他方の面を溶接する第2の溶接工程とを、この溶接順序で行い、前記蓋の内面における前記リードの溶接点から該溶接点に最も近い前記上部集電板の上面における前記リードの溶接点までの前記リードの長さを、前記蓋の内面における前記リードの溶接点から前記上部集電板の上面に至る最短距離の1〜2.1倍とし、かつ、前記第2の溶接工程を、外部電源により交流パルスを通電して、充電パルス及び放電パルスの電流値を電池の単位容量当たり0.4〜0.8kA/Ah、その通電時間を3〜7msecとし、充電と放電を1セットとした通電を2回〜6回行うことを特徴とする密閉形電池の製造方法。
(2−1)前記リードがリング状の主リード及び補助リードからなるものであり、前記蓋の内面に前記主リードの一方の面を溶接する第1の溶接工程の後、前記主リードの他方の面に補助リードを溶接し、前記上部集電板の上面に前記主リードの他方の面を前記補助リードを介して溶接する第2の溶接工程を行うことを特徴とする前記(2)の密閉形電池の製造方法。
(2−2)前記リードの溶接面には、それぞれ突起が形成されていることを特徴とする前記(2)又は(2−1)の密閉形電池の製造方法。(なお、前記の第1の溶接工程に際しては、溶接箇所に設けた突起に押圧が加わるために、溶接後において突起は殆ど消失する。)
(2−3)前記交流パルスを通電したときに、前記密閉形電池内部の圧力が該電池の開弁圧を超えないことを特徴とする前記(2)、(2−1)又は(2−2)の密閉形電池の製造方法。
(2−4)前記交流パルスの通電において、充電パルス及び放電パルスの電流値を前記上部集電板と前記リードの溶接接点の接点1点あたり、0.33kA/1点〜0.65kA/1点とすることを特徴とする前記(2)、(2−1)〜(2−3)のいずれか一項の密閉形電池の製造方法。
(3)前記(1)の密閉形電池の複数個で構成したことを特徴とする組電池。
(4)前記組電池を構成する少なくとも1つの密閉形電池内に、外部電源により交流パルスを通電して、充電パルス及び放電パルスの電流値を電池の単位容量当たり0.4〜0.8kA/Ah、その通電時間を3〜7msecとし、充電と放電を1セットとした通電を2回〜6回行い、該電池と該電池と隣り合う電池の端子同士を直にまたは電池間接続部品を介して溶接することを特徴とする前記(3)の組電池の製造方法。
(4−1)前記交流パルスを通電したときに、前記密閉形電池内部の圧力が該電池の開弁圧を超えないことを特徴とする前記(4)の組電池の製造方法。
(4−2)前記組電池を溶接する前記交流パルスの通電において、充電パルス及び放電パルスの電流値を前記電池の端子同士または前記電池の端子と電池間接続部品の接合箇所の接点1点あたり、0.33kA/1点〜0.65kA/1点とすることを特徴とする前記(4)又は(4−1)の組電池の製造方法。
(4−3)前記組電池を構成する少なくとも1つの密閉形電池と該電池と隣合う電池の端子同士を電池間接続部品を介して溶接する組電池の製造方法であって、前記少なくとも1つの電池の蓋に電池間接続部品の一端を接合し、前記電池間接続部品の他端を該電池と隣り合う電池の端子に当接させ、少なくとも1つの密閉形電池内に通電することにより前記電池間接続部品の他端と隣り合う電池の端子を溶接することを特徴とする前記(4)、(4−1)又は(4−2)のいずれか一項の組電池の製造方法。
ここで、「リードの一方の面」、「リードの他方の面」とは、リードの溶接可能な幅を有する部分を意味するが、補助リードを介して、溶接可能な幅を有する部分が設けられていてもよい。
また、「蓋の内面」、「上部集電板の上面」には、蓋及び上部集電板の平坦面のみではなく、蓋が、蓋の内面における平坦部から下方若しくは上方に湾曲又は屈曲した部分を有する場合、上部集電板が、上部集電板の上面における平坦部から上方若しくは下方に湾曲又は屈曲した部分を有する場合、その湾曲又は屈曲した部分の面も含まれる。
「蓋の内面における平坦部」、「上部集電板の上面における平坦部」とは、蓋又は上部集電板が、複数の平坦部を経て屈曲、例えば、階段状に屈曲している場合には、蓋については集電板から最も離れた位置にある平坦部、上部集電板については蓋から最も離れた位置にある平坦部を意味し、それ以外の平坦部は、屈曲部分の一部である。
なお、「リング状の主リード」とは、リング状リードであって、蓋と上部集電板とを補助リードを介して電気的に接続する機能を有するものである。「補助リード」とは、リング状リードの端部に複数の突片状又は連続した平板状に形成されたものであって、上部集電板の上下方向の位置のバラツキを吸収するバネ機能(スプリング機能)を有し、主リードと上部集電板又は蓋とを電気的に接続するものであり、リング状リードと別に作製したものをその端部に溶接したもの、リング状リードと一体成形したものを含む。
ここで、「リング状リード」とは、リング状の側壁部を有し、側壁部の上端又は下端に一方の面又は他方の面を有するものであり、リングの形状は円形だけでなく、楕円形、多角形などの他の形状も含む。
また、「主リード部」とは、枠状部と前記枠状部の内周及び外周から下方又は上方に向けて二重構造の側壁部を有するように形成された二重構造のリードの主要部であって、蓋と上部集電板とを補助リード部を介して電気的に接続する機能を有するものである。「補助リード部」とは、二重構造のリードの二重構造の側壁部の端部に複数の突片状又は連続した平板状に形成されたものであって、上部集電板の上下方向の位置のバラツキを吸収するバネ機能(スプリング機能)を有し、主リード部と上部集電板又は蓋とを電気的に接続するものである。
ここで、「枠状部」とは、内周及び外周を画する2本の輪郭線によって囲まれた溶接可能な幅を有する部分であり、その内周及び外周から下方又は上方に向けて二重構造の側壁部が延びるところの根元の部分である。
本発明においては、蓋の内面にリードの一方の面を溶接する第1の溶接工程と、上部集電板の上面に前記リードの他方の面を溶接する第2の溶接工程とを、この溶接順序で行うことにより確実で低抵抗な溶接が実現でき、従来、特殊な構造で高価な角形のニッケル水素電池でしか達成し得なかった1400W/kg以上の極めて優れた出力密度を、円筒形電池で達成できる。
さらに、前記第2の溶接工程を、外部電源により交流パルスを通電して行うことによって、大電流を通電することができ、上部集電板とリードの溶接接点を多点で低抵抗な溶接とすることができ、電池の高率放電特性を向上させることができる。
本発明者らは、密閉形電池の抵抗成分解析を行うことによって、密閉形電池内部の抵抗の大きな部分をリードの抵抗が占めることを確認した。そこで、本発明者らは、リードの溶接点抵抗を低減させるために、蓋と上部集電板とを接続するリードの距離を短縮すべく検討した結果、図42、43に示すような構造のリードと比較して、リードの溶接点距離が短いリードを用い、前記蓋の内面に前記リードの一方の面を溶接する第1の溶接工程と、前記上部集電板の上面に前記リードの他方の面を溶接する第2の溶接工程とを、この溶接順序で行うことによって、極めて低い抵抗で蓋と上部集電板との接続が可能となることを見いだした。
図1〜図6に示すように、蓋(50)の内面におけるリード(主リード部)(20)、(40)又は補助リード部(44)の溶接点から、該溶接点に最も近い上部集電板(2)の上面における補助リード部(30)、(44)又は主リード部(20)、(40)の溶接点までのリードの長さ(L1)が、蓋(50)の内面におけるリード(20)、(40)(44)の溶接点から上部集電板(2)の上面に至る最短距離(X1)の1〜2.1倍であることが好ましい。このL1/X1比を小さくすることによって、内部抵抗を小さく、出力密度を大きくすることができる。L1/X1比が1.7以下であることがより好ましい。
図7〜10に示すようなリング状リード(20)、図11〜29に示すような枠状部と前記枠状部の内周及び外周から下方若しくは上方に向けて延びた二重構造の側壁部を有する二重構造のリード(40)、それを分割した二重構造のリード(45)を用いることによって、L1/X1比を1〜2.1倍とすることができる。
また、図35に示すように、上部集電板(2)が、上部集電板(2)の上面における平坦部から上方に湾曲又は屈曲した部分を有する場合には、上記L1/X1比の代わりに、蓋(50)の内面におけるリード(40)の溶接点から該溶接点に最も近い上部集電板(2)の湾曲又は屈曲部分におけるリードの溶接点(2−1)までのリードの長さ(L1)と、上部集電板(2)の湾曲又は屈曲部分におけるリードの補助リード部(44)の溶接点(2−1)から上部集電板(2)の平坦部に至る上部集電板(2)の湾曲又は屈曲部分の長さ(L2)の合計(図35の破線の長さ)が、蓋(50)と上部集電板(2)の平坦部の間隔(X2)の1〜2.1倍であるようにすることが好ましい。この(L1+L2)/X2比を小さくすることによって、内部抵抗を小さく、出力密度を大きくすることができる。
図36に示すように、蓋(50)が、蓋(50)の内面における平坦部から下方に湾曲又は屈曲した部分を有する場合には、蓋(50)の湾曲又は屈曲部分におけるリード(40)の溶接点から該溶接点に最も近い上部集電板(2)の上面におけるリードの補助リード部(44)の溶接点(2−1)までのリードの長さ(L1)と、蓋(50)の湾曲又は屈曲部分におけるリード(40)の溶接点から蓋(50)の平坦部に至る蓋(50)の湾曲又は屈曲部分の長さ(L3)の合計(図36の破線の長さ)が、蓋(50)の平坦部と上部集電板(2)の間隔(X3)の1〜2.1倍であるようにすることが好ましい。この(L1+L3)/X3比を小さくすることによって、内部抵抗を小さく、出力密度を大きくすることができる。
さらに、上部集電板(2)が、上部集電板(2)の上面における平坦部から上方に湾曲又は屈曲した部分を有し、かつ、蓋(50)が、蓋(50)の内面における平坦部から下方に湾曲又は屈曲した部分を有する場合にも、同様にすることによって、内部抵抗を小さく、出力密度を大きくすることができる。
図1、7及び8に示すようなリング状のリード(20)を用い、蓋(50)の内面に前記リング状のリード(20)の一方の面を溶接した後、上部集電板(2)の上面にリング状のリード(20)の他方の面を溶接することによって、リードと蓋の溶接点及びリードと上部集電板の溶接点間の距離を短くすることができ、リードを低抵抗化できるばかりでなく、リードと蓋及びリードと上部集電板の溶接点数を多点にすることができ、蓋と上部集電板との溶接抵抗を低減でき、電池の高率放電特性を向上させることができる。
また、図2、9及び10に示すように、補助リード(30)を用いることによって、極めて安定した接続の再現性が得られることを見いだした。このため、前記リードとしてリング状の主リード(20)及び補助リード(30)からなるものを用い、蓋(50)の内面に主リード(20)の一方の面を溶接した後、上部集電板(2)の上面に主リード(20)の他方の面を補助リード(30)を介して溶接することによって、蓋と上部集電板との高さばらつきを補助リードで吸収して確実な溶接を実現できる。
補助リード(30)と主リード(20)は、別々に作製したものを溶接して一体としたものであっても、一体成形により構成されたものであってもよい。
さらに、図11〜14に示すように、前記リードとして枠状部(41)と枠状部の内周(41−1)及び外周(41−2)から下方に向けて二重構造の側壁部(42)及び(43)を有する二重構造のリード(40)を用いることによって、1枚の板からの成形で安価なリードを得ることができ、蓋(50)の内面にリードの枠状部(41)を溶接した後、上部集電板(2)の上面にリードの二重構造の側壁部(42)及び(43)の端部を溶接するか、蓋(50)の内面にリードの二重構造の側壁部(42)及び(43)の端部を溶接した後、上部集電板(2)の上面にリードの枠状部(41)を溶接することによって、低抵抗な溶接をすることができる。
また、二重構造のリードは、図11及び12に示すように、枠状部(41)がU字の2つの折り部分及び底辺に対応する断面が逆U字状であるか、又は、図13及び14に示すように、枠状部(41)がV字の折り部分に対応する断面が逆V字状であることが好ましい。なお、断面が逆V字状又はV字状の二重構造のリードも、枠状部(41)であるV字の折り部分は溶接可能な幅を有するものであるが、図13及び14と図11及び12とを比較すると明らかなように、断面が逆U字状又はU字状の二重構造のリードと比べて枠状部(41)の幅が狭く、また、二重構造の側壁部(42)及び(43)が、枠状部の内周(41−1)及び外周(41−2)から斜めに下方又は上方に向けて延びている点で、垂直に下方又は上方に向けて延びている断面が逆U字状又はU字状の二重構造のリードと異なる。
また、前記リードとして主リード部の二重構造の側壁部(42)及び(43)の端部には、それぞれ、複数の突片状の補助リード部(44)が形成されているものを用い、上部集電板(2)の上面に主リード部の二重構造の側壁部(42)及び(43)の端部を補助リード部(44)を介して溶接することによって、蓋と上部集電板の高さばらつきを吸収し、低抵抗で確実な溶接を実現できる。複数の突片状の補助リード部(44)の代わりに、連続した平板状(リング状)の補助リード部を用いることもできる。
リードの枠状部(41)の形状は、内周(41−1)及び外周(41−2)を円形、楕円形、多角形とすることができるが、成形の容易さ、溶接点を多数設置することの容易さ等の面からみて、内周(41−1)及び外周(41−2)は図11〜14に示すようなほぼ円形が好ましい。
図15〜18に示すように、二重構造のリードの枠状部(41)及び二重構造の側壁部(42)、(43)を周方向に間隔をおいて複数、例えば8個のパーツ(45)に分割して、分割された枠状部(46)及び分割された二重構造の側壁部(47)、(48)とすることにより、シリーズでの溶接による無効電流を低減でき、分割された枠状部(46)の溶接を確実で低抵抗なものとすることができる。分割していくつのパーツにするかは、限定されるものではないが、4〜10に分割することができる。
図19〜21に示すように、リードの抵抗をより小さくするために、リードの枠状部(41)を分割せずに、二重構造の側壁部(42)、(43)のみを、周方向に間隔をおいて下端から縦方向にスリット加工を施すことにより分断(図示の例では8個)して(47)、(48)としてもよい。
図22のように、リード(40)の二重構造の側壁部(42)、(43)に、周方向に間隔をおいて下端から縦方向にスリット(42−1)、(43−1)を入れておくか、又は、図22及び23に示すように、連続した平板状(リング状)の補助リード部(44)に、周方向に間隔をおいてスリット(44−1)を入れておくと、極群高さがばらついて蓋内面と上部集電板上面との高さがばらついた場合でも、図26〜29のように高さのばらつきを吸収することができ、溶接を確実なものとすることができる。なお、スリット(42−1)、(43−1)を下端から上端まで設けて、二重構造の側壁部(42)、(43)の全部を完全に分断する代わりに、スリット(42−1)、(43−1)を中途まで設けて、二重構造の側壁部(42)、(43)の一部を分断するようにしてもよい。
また、高さのばらつきを吸収する方法として、図24及び25のように、主リード部の二重構造の側壁部(42)、(43)を蛇腹様形状(断面が波形)とし高さのばらつきを吸収することが可能である。
これらの場合、補助リード部(44)の強度が主リード部(蛇腹様形状を含む)の強度を下回ると突片(44)が湾曲して突起(44a)以外の部分が上部集電板(2)と接触してしまうので、これを防ぐため、図19〜21に示すように、リードの二重構造の側壁部(42)、(43)を周方向に分断して(47)、(48)とするか、図22に示すように、リードの二重構造の側壁部(42)、(43)にスリット(42−1)、(43−1)を入れることが好ましい。
リードの溶接面である枠状部(41)には、複数の突起(41a)を形成し、また、複数の突片状の補助リード部(44)及び分割された枠状部(46)には、それぞれ1つ若しくは複数の突起(44a)及び(46a)を形成することにより、リードの溶接をプロジェクション溶接とすることができ、確実で低抵抗なものとすることができる。
本発明で使用するリードの一例であるリング状リード(主リード)について図7を用いて説明する。
図7において、(a)は、リング状リード(20)であって、厚さ0.4〜1.0mmのNiまたはFeNi(ニッケルメッキ鋼板)(c)をリング状に曲げ加工したものである。(図の例では、厚さ0.7mmのニッケル板を打ち抜き又はワイヤカットで加工後に、リング状に曲げ加工されており、その直径は約19mm、高さは約2.7mmである)
(b)は、側面図であり、(d)は図(c)の2点鎖線部分の拡大図である。
(a)では、ほぼ円形のリング状に曲げ加工されているが、リングの形状は必ずしも円形である必要はなく、例えば、楕円形、多角形など他の形状でも良い。
また、図7では、円形のリングに切れ目a−1が存在しているが、この切れ目は、板状の素材を円形に加工したためであって、切れ目は必ずしも存在しなくても良い。
図8は、図7のリング状リードの斜視図である。
また、図7及び8に記載のリング状リードには、上部及び下部にそれぞれ複数の突起(20a,20b)が形成されている。
また、複数の突起はリング状リードの上部と下部とでは異なった形状又は同じ形状に形成されている。(図7,8の例では、長い突起は約2.0mm、短い突起は約0.5mm)
上部の突起の長さは、0.5mm以上が好ましく、下部の突起の長さは1.5mm〜2.5mmが好ましい。
しかし、補助リード部を用いる場合では、後述の補助リード部で高さのバラツキを吸収するので、上部と下部の突起の長さを必ずしも異ならせる必要はない。
また、図7,8のリング状リードに形成されている突起の数は、上部と下部で異なった数になっている。(図の例では、上部に4個、下部に8個の突起が形成されている。)
上部の突起の数は、8個以上が好ましく、下部の突起の数は上部の突起の数より少なくする方が好ましい。
なお、図7,8のリング状リードに形成されている突起の数は、上部と下部で異なった数になっているが、上部と下部の突起数を同数として、突起面の面積を異ならせても良い。
リング状リードに形成されている突起の数(または突起の総面積)は、上部と下部で異なった数にする理由は、リング状リードを蓋部と集電板とに溶接するに際して、本発明では先ず蓋部にリング状リードの突起の数の多い面を溶接するためである。
このように、リング状リードの突起の数の多い面を溶接することによって、リング状リードが強固に溶接でき、リング状リードの他方の面(突起の数の少ない面)を集電板に溶接するために電流を流した際に、先に溶接された部分に溶接電流が流れることによって破断することがなくなる。
なお、先に溶接した部分の破断電流とは、先に溶接された部品同士を介して、後で電流を通電する条件(時間と電流値)にて電流を流し、時間は同じとして電流値を上げていき、溶接された部分の試験通電前後の抵抗が10%以上増加する場合の電流値を指す。
次に、本発明で使用するリング状リード(主リード)の第2の要素である補助リードについて図9を用いて説明する。
図9は、本発明で使用する補助リードであって、(a)は平面図、(b)は側面図である。
補助リード(30)は、厚さ0.2〜0.4mmのNiまたはFeNi(ニッケルメッキ鋼板)をドーナツ状に打ち抜き加工したもので突片となる部分以外の内部は中空である。(図9の例では、厚さ0.3mmのニッケル板で、外径は約21mm、内径は約18mm) 主リード(20)の一方の面が接続可能な幅を有する平板のリング形状で、主リード(20)の内周より内部(図9で破線で囲われた部分)では下部に突片(30−2)が形成されて弾力性(バネ作用)を有すると共に、該突片の先端面にはそれぞれ突起(30−1)が形成されている。
(図9の2点鎖線で囲まれた部分の断面拡大図を図10に示す)
本発明で使用するリードの別の例として、枠状部と前記枠状部の内周及び外周から下方に向けて延びた二重構造の側壁部を有する断面が逆V字状又は逆U字状の二重構造のリング状リードについて図11及び12−逆U、図13及び14−逆Vを用いて説明する。
図11及び12−逆U、図13及び14−逆Vにおいて、(41)、(42)及び(43)は、主リード部であって、厚さ0.2〜0.4mmのNiまたはFeNi(ニッケルメッキ鋼板)をリング状に打ち抜き、プレス加工したものである。(図の例では、厚さ0.3mmのニッケル板を打ち抜き又はワイヤカットで加工後に、リング状の枠状部(41)を残して枠状部(41)の内周(41−1)及び外周(41−2)から下方に向けて絞り加工又はプレス曲げ加工し、二重構造の側壁部(42)及び(43)が形成されており、その中心の直径は約19mm、高さは約2.7mmである。)
ここでいう枠状部(41)とは、断面が逆V字状の2本の主リード部(42)及び(43)に囲まれたV字の折り部分、又は、断面が逆U字状の2本の主リード部(42)及び(43)に囲まれたU字の2つの折り部分及び底辺のことである。
図では、内周(41−1)及び外周(41−2)が、ほぼ円形の二重構造のリング状にプレス加工されているが、必ずしも円形である必要はなく、例えば、楕円形、多角形など他の形状でも良い。
また、図11〜14では、リング状の二重構造の側壁部(42)及び(43)にスリットはないが、溶接の無効電流を低減するため、(42)及び(43)に、図22に示すようにスリット(42−1)、(43−1)をいれて、周方向に分断しても良い。
次に、本発明で使用する断面が逆V字状又は逆U字状の二重構造のリング状リードの補助リード部について図11〜14を用いて説明する。
補助リード部(44)を形成するには、上記のように、リング状に打ち抜いた厚さ0.2〜0.4mmのNiまたはFeNi(ニッケルメッキ鋼板)からプレス加工により主リード部(41)、(42)及び(43)を形成する際に、リング状の枠状部(41)とともに複数の突片状の補助リード部(44)となる部分を除いてプレス加工すればよい。
図11〜14の主リード部(二重構造のリング状リード)の枠状部(41)の溶接面には、複数の突起(41a)が形成されている。
突起(41a)は、直径0.5〜1.0mm、高さが0.5mm以上であると、プロジェクション溶接が良好となるために好ましく、その数は8点以上が溶接部抵抗が小さくなるため好ましい。
また、補助リード部(44)の溶接面には、前述の補助リード部で高さのバラツキを吸収するのみならず、枠状部(41)の突起(41a)と同様に、直径0.5〜1.0mm、高さが0.5mm以上の突起(44a)を形成すると、プロジェクション溶接が良好となるために好ましく、その数は8点以上が溶接部抵抗が小さくなるため好ましい。
図11〜14においては、主リード部の枠状部(41)の溶接面に形成されている突起(41a)の数と補助リード部(44)の溶接面に形成されている突起(44a)の数は、異なった数(枠状部に8個、補助リード部に16個)になっている。
主リード部の枠状部(41)の突起(41a)の数は、4個以上が強度を確実なものとするために好ましく、溶接部の抵抗を低減するためには8個以上がより好ましく、枠状部(41)から延びた二重構造の側壁部(42)、(43)の端部に形成されている補助リード部(44)の突起(44a)の数は、その2倍となる。
なお、このように突起の数は、枠状部(41)と補助リード部(44)で異なった数になっているが、点数の少ない枠状部(41)を先付けする場合には、枠状部(41)の突起(41a)の溶接部は、補助リード部(44)の突起(44a)の溶接部より溶接面積を大きくして、枠状部の破断電流を補助リード部の突起の溶接電流より大きくしておくと、補助リード部の突起の溶接時に枠状部の溶接部の破断を防ぐことができるためより好ましい。
突起の溶接部の総面積を、主リード部の枠状部と補助リード部で異なった数にする理由は、リードを蓋と上部集電板とに溶接するに際して、本発明では先ず枠状部を溶接することが好ましく、この場合、枠状部の突起の溶接面が大きい面を溶接することによって、枠状部が強固に溶接でき、次に補助リード部の面を上部集電板に溶接するために電流を流した際に、先に溶接された部分に溶接電流が流れることによって破断することがなくなるからである。
なお、先に溶接した部分の破断電流とは、先に溶接された部品同士を介して、後で電流を通電する条件(時間と電流値)にて電流を流し、時間は同じとして電流値を上げていき、溶接された部分の試験通電前後の抵抗が10%以上増加する場合の電流値を指す。
本発明における主リード部及び補助リード部を用いた上部集電板と蓋との溶接の手順を以下に詳細に説明する。
本発明は、上部集電板と蓋との溶接に主リード部及び補助リード部を使用すると共に、その溶接の手順と構成に特徴を有している。以下に記載の手順と構成によれば、確実に溶接ができ、且つ、電気抵抗を低減できるので好ましい。
(i)密閉形電池の電槽を閉鎖する蓋の内面側に主リード部の一方の面(主リード部の枠状部)を予め溶接する。(第1の溶接工程)
(ii)次に、集電板が電槽の開放端側に位置するように、上部集電板を接合した極群を電槽内に収容し、電解液を注液後、該極群上に、補助リード部が上部集電板に当接するように蓋を載置し、電槽を気密に密閉した後、密閉形電池の正負極両端子間に溶接のための電流を通電することにより、上部集電板の上面に、蓋に溶接済みのリードの補助リード部を溶接する。(第2の溶接工程)
第2の溶接工程では、密閉化された後、密閉形電池の正負極両端子間に溶接のための電流を通電することによって、溶接が実行されるが、極群の高さ寸法にばらつきがあっても、補助リード部に形成されている突片の可撓性によるバネ作用で、弾力性が高められ、高さ方向の位置ずれも吸収し得ることになり、集電板と主リード部及び補助リード部との溶接が容易で確実なものとなる。
また、リードがリング状の主リード及び補助リードからなるものである場合は、蓋の内面に主リードの一方の面を溶接する第1の溶接工程の後、主リードの他方の面に補助リードを溶接し、上部集電板の上面に、蓋に溶接された主リードに溶接済みの補助リードを溶接する第2の溶接工程を行うことが好ましい。
なお、従来の解放状態(圧縮による高さ調整前)での溶接では、圧縮の余裕を有する長さや幅のリードが必要となることから、好ましくない。
次に、主リードが予め溶接された蓋を載せて、主リードと補助リードを集電体に溶接するに際して、高さ方向の位置ずれを吸収する実例を図10を用いて説明する。
図10では、集電板(2)と蓋(50)とをリング状の主リード(20)及び補助リード(30)を介して溶接した部分を拡大して示している。
図10における(a),(b),(c)は、極群の高さが高い場合(a)、極群の高さが標準的な場合(b)、極群の高さが低い場合(c)であり、集電板2の高さがずれていることを示している。
図示の如く、集電板(2)と蓋部(50)との高さ方向の位置ずれは、補助リード(30)に形成された突片(30−2)のバネ弾力により、吸収されていることが理解できる。
なお、主リード(20)及び補助リード(30)を蓋部(50)と集電板(2)とに溶接するに際して先ず蓋部(50)に主リード(20)の突起の数を多くして溶接することが好ましい。
これは密閉形電池構成上蓋は密閉形電池密閉を維持するために厚い部品を使うことが一般的であるので、リードとの溶接時には発熱量を大きくしないと溶接熱が周囲に逃げて溶接しにくい為大きな電流が必要であり、溶接後の破断強度が小さくなりやすいためである。
集電板は蓋よりも薄い部品を使うことが一般的であり、主リード部との溶接時には発熱量が小さくても溶接熱が周囲に逃げにくく、溶接が容易であるため、通電電流量を小さく、通電時間を短くできるため、補助リードを集電板へ溶接をする際に第1回目の溶接部分は強固に溶接されているので、破断を防止することができる。
さらに、図26〜28を用いて、断面が逆U字状の二重構造の主リード部(40)が予め溶接された蓋(50)を載せて、主リード部(40)と補助リード部(44)を上部集電板(2)に溶接するに際して、高さ方向の位置ずれを吸収する実例を説明する。
図26〜28は、極群の高さが高い場合(図28)、極群の高さが標準的な場合(図26)、極群の高さが低い場合(図27)であり、上部集電板(2)の高さがずれていることを示している。
この図から、補助リード部の突片(44)のバネ弾力により、極群の高さのずれを吸収し、溶接を確実なものとすることができるのが分かる。なお、第1の溶接工程において、二重構造の主リード部(40)の枠状部(41)を蓋(50)の内面に溶接する工程で、枠状部(41)に設けた突起(41a)に押圧が加わり、突起が消失するので、図には、枠状部(41)の突起が記載されていない。
図29では、図19のスリットが形成された逆U字状の主リード部(40)を用いて、高さのばらつきが主リード部(40)の開きと補助リード部(44)の湾曲で吸収した場合を示している。
図示の如く、上部集電板(2)と蓋(50)との高さ方向の大きな位置ずれは、主リード部(40)のスリットと補助リード部の突片(44)で吸収されていることが理解できる。
また、前記の本発明の一実施形態によれば、2回の溶接工程を要するが、第1回目の溶接では蓋とリードを予め溶接しておき、注液して密閉化した後、密閉形電池を介して溶接電流を流すのは第2回目の溶接時のみであると共に、図9〜29に示す如き構成の主リード部及び補助リード部を使用することが可能になるので、極めて低い抵抗の集電構造を備えた密閉形電池を実現することができるので好ましい。
なお、密閉形電池内部の集電板と主リード部との溶接接点は、酸化被膜などに覆われると溶接しにくくなるため、酸化しにくい金属そのものやこれらの金属のメッキなどによる被膜を形成することが好ましい。ニッケルはアルカリ電解液中で腐食しにくく、優れた溶接性を有しているため、電流経路の各部品接点は金属ニッケルであることが好ましい。
また、注液後の充電や放電を行うと、その充放電の条件によっては、正極電位によって正極集電板やリードの表面が酸化される場合があり溶接が安定しないため、注液後でかつ
正極の電位変動を伴う初充電前であることが好ましい。
図30に本発明の1実施例である補助リードを介してリング状の主リードを溶接した密閉形電池の組立て図を示す。
図30において、(a)は蓋(50)の構造の1例を示す断面図であって、素蓋の中央上部には安全弁ゴム(弁体)(90)を介してキャップ(80)が被せられている。
(b)は、蓋部(50)にリング端子(主リード)(20)が予め溶接された状態を示している。
また、(c)は、(b)の蓋部(50)にリング端子(20)に補助リード(30)が予め溶接された状態を示している。
さらに、(d)は、(c)の蓋部(50)に溶接済みのリング端子(20)を補助リード(30)を介して上部集電板(2)に溶接した状態を示している。
次に、図31に本発明の1実施例である補助リード部を介して断面が逆U字状の二重構造の主リード部を溶接した密閉形電池の組立て図を示す。
図31において、(a)は、図30と同じである。
(b)は、蓋(50)に逆U字状二重構造のリード(40)が予め溶接された状態を示している。
また、(c)は、(b)の補助リード部(44)が極群高さを吸収するため、バネ角度を有している状態を示している。
さらに、(d)は、(c)の蓋(50)に溶接済みの逆U字状二重構造のリード(40)を補助リード部(44)を介して上部集電板(2)に溶接した状態を示している。
このとき、本発明においては、蓋(50)の内面におけるリング端子(主リード)(20)、逆U字状二重構造のリード(40)の溶接点が、キャップ(80)の端部に対応する蓋の内面の位置(51)より外側の範囲にあることが好ましい。そうすると、電池外部への電流取り出し接点が、蓋の上面におけるキャップの端部より外側の範囲にある場合に、電流の流通経路が短くなるため、内部抵抗が低くなり、出力密度も大きくなる。
本発明においては、集電板とリードを溶接する際に、正負極間に極短時間ではあるが交流パルスであって、大きな電流を通電することが好ましい。該通電された電気は正極板および負極板の電気二重層に貯えられるために電解液が電気分解によって分解されるのを防止することができる。電気二重層容量の大きさが大きいと、電池に損傷を与えることなく通電可能な電流の大きさおよび電気量が大きくできる。正極板と負極板の電気二重層容量は、極板の放電容量と密接な関係があると考えられるので、通電する電流値の大きさや1回の通電で一方向に流す通電量(電流値が一定とすると通電時間に置き換えることができる)は極板の容量との関係で適切な値に設定することが好ましいと考えられる。本発明では、単位放電容量当たりに対して通電する電流の範囲を定め、その上で通電時間の範囲を定めることによって、正負極間で通電しても電池を損傷させることなく、集電板とリードを溶接して良好に接合するものである。
従来提案されていた充電側又は放電側への一方向へのパルス充電又は放電による溶接方法では、通電時に電池内からのガスが発生し電解液を含んだガスが安全弁を開弁させ、安全弁を電解液が腐食させてしまうため、安全弁の開弁圧安定性が低下してしまう問題が発生する。このため、このような溶接方法を実施するためには、蓋を密閉させずに開放状態で通電し溶接するか、ガス発生を抑制するため通電電流を出来るだけ小さく設定する必要があった。
蓋を密閉化させずに開放状態とすると、リードの接続距離はどうしても長くなってしまう欠点を有しており、短いリードを用いると溶接接点が正極集電板と接触できず溶接できないという問題を有していた。また、電池内のガス発生を抑制するため、通電電気量を小さくするか、通電時間を短くするため、溶接点の強度が低くなり、抵抗も増大してしまう。
このため、電池からのガス発生を抑制すべく、通電のパルス電流について検討したが、その通電パルス電流を特定のものとすることによって、驚くべきガス発生抑制効果が得られることが判った。即ち、通電電流を充電と放電を1セットとした交流パルスとせしめることによって、大きな電流や長い通電時間でもガス発生を抑制でき、密閉化状態で電池内接点溶接を可能にするに至った。
具体的には、通電電気量が0.4kA/Ah以上の場合、優れた低抵抗溶接が可能となるものの、0.8kA/Ahより通電電気量が大きくなると、溶接接点がはじけ飛び逆に抵抗が増大するため、通電電気量は0.4〜0.8kA/Ahが好ましい。
また、充電パルスの通電時間及び放電パルスの通電時間は3msec以上の場合、優れた低抵抗溶接が可能となるものの、7msecより通電時間が大きくなると、溶接接点がはじけ飛んだり、接点が加熱されて酸化被膜が形成されるためか、逆に抵抗が増大するため、通電時間は3〜7msecが好ましい。
単発のパルスで長い時間の通電を行い接触点の抵抗を低減するには、できるだけ大きな電流と長い時間を必要とするが、前記問題を有しており好ましくない。
通電電流のパルスを、充放電を1回のパルスとして、充電と放電を1セットとした交流パルスの通電を複数回で行うことによって、1つのパルスの通電電流と通電時間を短く出来るため好ましく、6回の通電を超えると、電池内での分極が充電側、放電側に蓄積されてしまうためか、ガス発生が大きくなり密閉状態を維持できなくなるため、2回〜6回実施することが好ましい。
また、密閉形電池の複数個で組電池とする場合にも、組電池を構成する少なくとも1つの密閉形電池内に、外部電源により交流パルスを通電して、該電池と該電池と隣り合う電池の端子同士を直にまたは電池間接続部品を介して溶接することができる。
電池間接続部品(接続リード)としては、図49及び図50に示すように、蓋と上部集電板を接続するリードと同じリング状リード110、二重構造のリード110′を用いることができるが、異なる接続リードであってもよい。
組電池を製造する場合の交流パルスの通電においても、通電電気量は0.4〜0.8kA/Ahが好ましく、通電時間は3〜7msecが好ましく、充電と放電を1セットとした交流パルスの通電を2回〜6回実施することが好ましい。
なお、電池の正極と負極の放電容量は、必ずしも等しくなく、ニッケル水素蓄電池やニッケルカドミウム電池等のアルカリ蓄電池においては、負極に比べて正極の放電容量が小さい。このような場合には、放電容量の小さい正極の放電容量を基準にして単位放電容量当たりの通電電流の大きさを設定する。また、通電電流の大きさは時間に対して一定であるとは限らない。ここでいう、通電電流の大きさは、通電電流値の通電時間に対する平均値をいう。
前記のように、本発明においては電気二重層の容量が大きければ、正負極間に大きな電流を通電しても電気分解が生ぜず良好な溶接が可能となる。ニッケル水素蓄電池を例に採ると、負極を構成する水素吸蔵合金粉末の比表面積が小さいためか、正極板に比べて負極板の電気二重層容量が小さい傾向がある。このような点から、電池に組み込む前に水素吸蔵合金粉末を高温のNaOH水溶液や酢酸−酢酸ナトリウム水溶液などの弱酸性の水溶液に浸漬処理を施して負極板の電気二重層容量を大きくすることが好ましい。
なお、ここでいう電気二重層容量とは、電池が電解液を分解しガスを発生させ、電池内部の圧力が電池の開弁圧を超えない範囲で充電可能な電気容量を指し、厳密には正極板および負極板のいわゆる二重層容量以外に電池の充放電反応に伴う電気容量とガス発生反応による電気容量を含んでいる。
また、本発明に係る密閉形蓄電池は電池内部の抵抗が小さく、急速充電に対する適応性も高めることができるものである。従って、正極および負極も充電受け入れ特性が高い構成となるように配慮することが好ましい。
ニッケル水素蓄電池を例に採れば、正極のニッケル電極には、水酸化ニッケルに水酸化亜鉛、水酸化コバルトを混合したものが用いられるが、水酸化ニッケルと水酸化亜鉛、水酸化コバルトを共沈させて得られる水酸化ニッケルを主成分とする複合水酸化物が好ましく、さらに、ニッケル電極中にY、Er、Yb等の希土類元素の単体またはその化合物を添加することによりニッケル電極の酸素過電圧を高めて急速充電を行ったときにニッケル電極で酸素が発生するのを抑制する構成とするのが好ましい。
以下に、円筒形ニッケル水素電池を例の採り挙げて本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明の実施の形態は、以下に例示する実施例に限定されるものではない。
(正極板の作製)
硫酸ニッケルと硫酸亜鉛および硫酸コバルトを所定比で溶解した水溶液に硫酸アンモニウムと苛性ソーダ水溶液を添加してアンミン錯体を生成させた。反応系を激しく撹拌しながら更に苛性ソーダを滴下し、反応系のpHを11〜12に制御して芯層母材となる球状高密度水酸化ニッケル粒子を水酸化ニッケル:水酸化亜鉛:水酸化コバルト=88.45:5.12:1.1の比となるように合成した。
前記高密度水酸化ニッケル粒子を、苛性ソーダでpH10〜13に制御したアルカリ水溶液に投入した。該溶液を撹拌しながら、所定濃度の硫酸コバルト、アンモニアを含む水溶液を滴下した。この間、苛性ソーダ水溶液を適宜滴下して反応浴のpHを11〜12の範囲に維持した。約1時間pHを11〜12の範囲に保持し、水酸化ニッケル粒子表面にCoを含む混合水酸化物から成る表面層を形成させた。該混合水酸化物の表面層の比率は芯層母粒子(以下単に芯層と記述する)に対して、4.0wt%であった。
前記混合水酸化物から成る表面層を有する水酸化ニッケル粒子50gを、温度110℃の30wt%(10N)の苛性ソーダ水溶液に投入し、充分に攪拌した。続いて表面層に含まれるコバルトの水酸化物の当量に対して過剰のK228を添加し、粒子表面から酸素ガスが発生するのを確認した。活物質粒子をろ過し、水洗、乾燥した。
前記活物質粒子にカルボキシメチルセルローズ(CMC)水溶液を添加して前記活物質粒子:CMC溶質=99.5:0.5のペースト状とし、該ペーストを450g/m2
ニッケル多孔体(住友電工(株)社製ニッケルセルメット#8)に充填した。その後80℃で乾燥した後、所定の厚みにプレスし、表面にポリテトラフロロエチレンコーテイングを行い幅47.5mm(内、無塗工部1mm)長さ1150mmの容量6500mAh(6.5Ah)のニッケル正極板とした。
(負極板の作製)
粒径30μmのAB5型希土類系のMmNi3.6Co0.6Al0.3Mn0.35の組成を有する水素吸蔵合金を水素吸蔵処理後の水素吸蔵合金粉末を20℃の比重で48重量%のNaOH水溶液に浸漬し、100℃の水溶液に浸漬し4時間の処理を行った。
その後、加圧濾過して処理液と合金を分離した後、純水を合金重量と同重量添加して28KHzの超音波を10分間かけた。その後、緩やかに攪拌しつつ純水を攪拌層下部より注入し、排水をフローさせて合金より遊離する希土類水酸化物を除去した。その後、PH10以下になるまで水洗した後、加圧濾過した。この後、80℃温水に暴露して水素脱離を行った。温水を加圧濾過して、再度の水洗を行い合金を25℃に冷却し、攪拌下4%過酸化水素を合金重量と同量加え、水素脱離を行って、電極用水素吸蔵合金を得た。
得られた合金とスチレンブタジエン共重合体とを99.35:0.65の固形分重量比で混合し、水で分散してペースト状にし、ブレードコーターを用いて、鉄にニッケルメッキを施したパンチング鋼板に塗布した後、80℃で乾燥した後、所定の厚みにプレスして
幅47.5mm長さ1175mmの容量11000mAh(11.0Ah)の水素吸蔵合金負極板とした。
(密閉形ニッケル水素蓄電池の作製)
前記負極板とスルフォン化処理を施した厚み120μmのポリプロピレンの不織布状セパレータと前記正極板とを組み合わせてロール状に巻回して極板群とした。該極板群の一方の捲回端面に突出させた正極基板の端面に、図32に示すようなニッケルメッキを施した鋼板からなる厚さ0.4mm、中央に円形の透孔と16カ所(8スリット(2−2))の0.5mmの下駄(2−3)(電極へのかみ込み部)を設けた半径14.5mmの円板状の上部集電板(正極集電板)(2)を抵抗溶接により接合した。捲回式極板群の他方の捲回端面に突出させた負極基板の端面にニッケルメッキを施した鋼板からなる厚さ0.4mmの円板状の下部集電板(負極集電板)を抵抗溶接により接合した。ニッケルメッキを施した鋼板からなる有底円筒状の電槽を用意し、前記集電板を取り付けた極板群を、正極集電板が電槽缶の開放端側、負極集電板が電槽の底に当接するように電槽内に収容し、負極集電板の中央部分を電槽の底壁面に抵抗溶接により接合した。次いで6.8NのKOHと0.8NのLiOHを含む水溶液からなる電解液を所定量注液した。
図7及び8に示すように、厚さ0.6mmのニッケル板であって、幅2.5mm、長さ66mm、長辺の一方に高さ0.5mmの突起を10個(但し、図7及び8では、突起20bは8個であるが、これを10個とした。)備え、他方の長辺に高さ2mmの突起を4個備える板を内径20mmのリング状に丸めた主リード(20)を用意した。ニッケルメッキを施した鋼板からなり中央に直径0.8mmの円形の透孔を設けた円板状の蓋(50)を用意し、蓋(50)の内面側に主リード(20)の高さ0.5mmの10個の突起を当接させ、図30(b)のように、蓋(50)の内面に主リード(20)の一方の面を溶接する第1の溶接工程を実施した。
この後、図33に示すような正極集電板(2)との溶接点(2−1)となる図9に示されるような突起(30−1)16点を有する補助リード(30)をリング状の主リードに取り付け、図30(c)示すように溶接した。
蓋(50)の外面には、弁体(90)(ゴム弁)およびキャップ(80)(正極端子)を取り付けた。蓋の周縁をつつみ込むように蓋にリング状のガスケットを装着した。
蓋(50)を、蓋(50)に取り付けた補助リード(30)の突片の突起(30−1)が正極集電板(2)に当接するように極群(70)の上に載置し、電槽(60)の開放端をかしめて気密に密閉した後、圧縮して電池の総高さを調整した。なお、電池の総高さ調整後の蓋と正極端子間の高さが、補助リードの突片の突起と正極集電板の当接面1個当たり200gfの押圧力が加わる高さになるように、突片の角度を調整した。
なお、蓋の半径は14.5mm キャップの半径は6.5mm ガスケットのカシメ半径は12.5mmであり、主リード内面の半径は10mmであり、補助リードの正極集電板との溶接点(突起)16点と主リードの内面までの距離を1mmに設定してある。
(即ち、突起16点に囲われた内径は半径で9mm)
蓋(50)の内面における主リード(20)の溶接点から、該溶接点に最も近い正極集電板(2)の上面における補助リード(30)の溶接点(2−1)までのリードの長さ(L1=3.8mm)が、蓋(50)の内面における主リード(20)の溶接点から正極集電板(2)の上面に至る最短距離(X1=2.8mm)の1.4倍(L1/X1=1.4)であった。
キャップ(80)(正極端子)、電槽(60)の底面(負極端子)に抵抗溶接機の溶接用出力端子を当接させ、充電方向および放電方向に同じ電流値で同じ通電時間となるように通電条件を設定した。具体的には、電流値を正極板の容量(6.5Ah)1Ah当たり0.6kA/Ah(3.9kA)、通電時間を充電方向に4.5msec、放電方向に4.5msecに設定し、該交流パルス通電を1サイクルとして2サイクル通電ができるようにセットし、矩形波からなる交流パルスを通電し、正極集電板(2)の上面に主リード(20)の他方の面を補助リード(30)を介して溶接する第2の溶接工程を実施した。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。このようにして蓋(50)と正極集電板(2)がリング状の主リード(20)と補助リード(30)で接続された図2及び図30(d)に示されるような密閉形ニッケル水素蓄電池を作製した。
なお、この発明の実施例および比較例に用いた電池の重量はすべて176gであった。
(化成、内部抵抗および出力密度の測定)
前記密閉形蓄電池を周囲温度25℃において12時間の放置後、130mA(0.02ItA)にて1200mAh充電し、引き続き650mA(0.1ItA)で10時間充電した後、1300mA(0.2ItA)でカット電圧1Vまで放電した。さらに、650mA(0.1ItA)で16時間充電後、1300mA(0.2ItA)でカット電圧1.0Vまで放電し、該充放電を1サイクルとして4サイクル充放電を行った。4サイクル目の放電終了後、1kHzの交流を用いて内部抵抗を測定した。
出力密度の測定方法は、電池1個用いて25℃雰囲気下において、放電末より650mA(0.1ItA)で5時間充電後、60Aで12秒間流した時の10秒目電圧を60A放電時10秒目電圧とし、放電分の電気容量を6Aで充電した後、90Aで12秒流した時の10秒目電圧を90A放電時10秒目電圧とし、放電分の電気容量を6Aで充電した後、120Aで12秒流した時の10秒目電圧を120A放電時10秒目電圧とし、放電分の電気容量を6Aで充電した後、150Aで12秒流した時の10秒目電圧を150A放電時10秒目電圧とし、放電分の電気容量を6Aで充電した後、180Aで12秒流した時の10秒目電圧を180A放電時10秒目電圧とした。
この各10秒目電圧を電流値と電圧値を最小自乗法で直線近似し、電流値0Aの時の電圧値をE0とし、傾きをRDCとした。その後、
出力密度(W/kg)=(E0−0.8)÷RDC×0.8÷電池重量(kg)
の計算式に当てはめ、0.8Vカット時の25℃電池における出力密度とした。
(比較例1)
実施例1の蓋(50)の内面に主リード(20)の一方の面を溶接する第1の溶接工程と正極集電板(2)の上面にリード(20)の他方の面を補助リード(30)を介して溶接する第2の溶接工程とを入れ替え、抵抗溶接により正極集電板(2)に主リード(20)の一方の面を溶接する第1の溶接工程、主リード(20)に溶接した補助リード(30)が電槽(60)の開放端側に位置するように、主リード(20)と補助リード(30)が取り付けられた正極集電板(2)を接合した極群を電槽(60)内に収容し、電解液を注液し、補助リード(30)の突片の突起(30−1)が蓋(50)の内面に当接するように蓋(50)を載置し、電槽(60)を密閉した後、密閉電池の正負極両端子間に溶接のための電流を通電することにより蓋(50)の内面に主リード(20)の他方の面を補助リード(30)を介して溶接する第2の溶接工程としたこと以外は実施例1と同様にして密閉形電池を得た。
実施例1のリング状リードに代えて、図11及び12に示すような枠状部(41)と枠状部(41)の内周(41−1)及び外周(41−2)から下方に向けて延びた二重構造の側壁部(42)及び(43)を有する断面が逆U字状の二重構造のリード(40)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図3に示すような密閉形電池を得た。プレス加工により形成された溶接点となる突起(41a)を除いた最も薄肉な部分の厚みは0.25mm、平均厚みは0.3mm、最も厚い部分は0.35mmである。
このとき、蓋(50)と溶接された主リード部の枠状部(41)の溶接点は8点(溶接点となる突起(41a)は図11に示すように8個)、上部集電板(正極集電板)(2)と補助リード部(44)との溶接点(2−1)は図34に示すように16点(溶接点となる突起(44a)は図12に示すように16個)であった。
蓋(50)の内面における主リード部の枠状部(41)の溶接点(41a)から、該溶接点に最も近い正極集電板(2)の上面における補助リード部(44)の溶接点(2−1)までのリードの長さ(L1=3.8mm)が、蓋(50)の内面における主リード部の枠状部(41)の溶接点から正極集電板(2)の上面に至る最短距離(X1=2.8mm)の1.4倍(L1/X1=1.4)であった。枠状部(41)の中心径は19mm、枠状部(41)の幅は1.8mmであった。
(比較例2)
実施例2(図11及び12)の断面が逆U字状の二重構造のリードを逆さにして、枠状部(41)と枠状部(41)の内周(41−1)及び外周(41−2)から上方に向けて延びた二重構造の側壁部(42)及び(43)を有する断面がU字状の二重構造のリードを用い、U字状リードの枠状部(41)の溶接点(41a)を溶接する第1の溶接工程を、抵抗溶接により上部集電板(正極集電板)(2)に溶接し、U字状リードの補助リード部(44)となる突片の突起(44a)とが電槽(60)の開放端側に位置するように、前記U字状リードが取り付けられた正極集電板(2)を接合した極群を前記電槽内に収容し、電解液を注液し、補助リード部(44)の突片の突起(44a)が蓋(50)の内面に当接するように蓋(50)を載置し、電槽(60)を密閉した後、密閉形電池の正負極両端子間に溶接のための電流を通電することにより蓋(50)の内面にU字状リードの補助リード部(44)を溶接する第2の溶接工程を実施したこと以外は実施例1と同様にして、図4に示すような密閉形電池を得た。プレス加工により形成された溶接部となる突起(41a)を除いた最も薄肉な部分の厚みは0.25mm、平均厚みは0.3mm、最も厚い部分は0.35mmである。
このとき、正極集電板(2)と溶接された主リード部の枠状部(41)の溶接点は8点(溶接点となる突起(41a)は図11に示すように8個)、蓋(50)と補助リード部(44)との溶接点は16点(溶接点となる突起(44a)は図12に示すように16個)であった。
実施例2と同様にL1/X1=1.4であった。
実施例1のリング状リードに代えて、図13及び14に示すような枠状部(41)と枠状部(41)の内周(41−1)及び外周(41−2)から下方に向けて延びた二重構造の側壁部(42)及び(43)を有する断面が逆V字状の二重構造のリード(40)を用いたこと以外は実施例1と同様にして、図5に示すような密閉形電池を得た。プレス加工により形成された溶接部となる突起(41a)を除いた最も薄肉な部分の厚みは0.25mm、平均厚みは0.3mm、最も厚い部分は0.35mmである。
このとき、蓋(50)と溶接された主リード部の枠状部(41)の溶接点は8点(溶接点となる突起(41a)は図13に示すように8個)、上部集電板(正極集電板)(2)と補助リード部(44)との溶接点(2−1)は図34に示すように16点(溶接点となる突起(44a)は図14に示すように16個)であった。枠状部(41)の中心径は19mm、枠状部(41)の幅は1mmであった。
L1/X1=1.3であった。
(比較例3)
実施例3(図13及び14)の断面が逆V字状の二重構造のリードを逆さにして、枠状部(41)と枠状部(41)の内周(41−1)及び外周(41−2)から上方に向けて延びた二重構造の側壁部(42)及び(43)を有する断面がV字状の二重構造のリードを用い、前記V字状リードの枠状部(41)の溶接点(41a)を溶接する第1の溶接工程を、抵抗溶接により上部集電板(正極集電板)(2)に溶接し、V字状リードの補助リード部(44)となる突片と突起(44a)とが電槽(60)の開放端側に位置するように、V字状リード(40)が取り付けられた正極集電板(2)を接合した極群を電槽(60)内に収容し、電解液を注液し、補助リード部(44)の突片の突起(44a)が蓋(50)の内面に当接するように蓋(50)を載置し、電槽(60)を密閉した後、密閉形電池の正負極両端子間に溶接のための電流を通電することにより蓋(50)の内面にV字状リードの補助リード部(44)を溶接する第2の溶接工程を実施したこと以外は実施例1と同様にして、図6に示すような密閉形電池を得た。プレス加工により形成された溶接部となる突起(41a)を除いた最も薄肉な部分の厚みは0.25mm、平均厚みは0.3mm、最も厚い部分は0.35mmである。
このとき、正極集電板(2)と溶接された主リード部の枠状部(41)の溶接点は8点(溶接点となる突起(41a)は図13に示すように8個)、蓋(50)と補助リード部(44)との溶接点は16点(溶接点となる突起(44a)は図14に示すように16個)であった。
L1/X1=1.4であった。
実施例2(図11及び12)の断面が逆U字状の二重構造のリードを逆さにして、枠状部(41)と枠状部(41)の内周(41−1)及び外周(41−2)から上方に向けて延びた二重構造の側壁部(42)及び(43)を有する断面がU字状の二重構造のリードを用い、第1の工程として、U字状リードの補助リード部(44)の突起(44a)を当接して蓋(50)の内面にスポット溶接して取り付ける工程を実施し、第2の工程として、蓋(50)を、蓋(50)に取り付けたU字状リード(主リード部)の枠状部(41)の突起(41a)が正極集電板(2)に当接するように極板群の上に載置し、電槽(60)の開放端をかしめて気密に密閉した後、正極集電板(2)の上面に枠状部(41)を溶接する工程を実施したこと以外は実施例1と同様にして図4に示されるような密閉形電池を得た。
このとき、蓋(50)と溶接された補助リード部(44)の溶接点は16点(溶接点となる突起(44a)は図12に示すように16個)、正極集電板(2)と主リード部の枠状部(41)との溶接点は8点(溶接点となる突起(41a)は図11に示すように8個)であった。
実施例2と同様にL1/X1=1.4であった。
実施例2の蓋(50)の内面と正極集電板(2)の上面を溶接するリードを、図24及び25のように逆U字状リードに蛇腹様加工を施したこと以外は実施例1と同様にして密閉形電池を得た。
実施例2よりも溶接点間距離は長く、L1/X1=2.1であった。
実施例1〜5、比較例1〜3で得た密閉形電池を、上述した実施例1と同じ条件で化成し、内部抵抗および出力密度の測定を行った。内部抵抗、出力密度の測定結果を、実施例1の測定結果とともに表1に示す。
Figure 0005157049
表1に示されるように、蓋の内面にリードの一方の面を溶接する第1の溶接工程と上部集電板が電槽の開放端側に位置するように、前記上部集電板を接合した極群を前記電槽内に収容し、電解液を注液し、前記リードの他方の面が前記上部集電板の上面に当接するように前記蓋を載置し、前記電槽を密閉した後、密閉電池の正負極両端子間に溶接のための電流を通電することにより前記上部集電板の上面に前記リードの他方の面を溶接する第2の溶接工程とを、この溶接順序で行った密閉形電池は、内部抵抗が1mΩ以下と低く、出力密度も1400W/kg以上の高出力のものであることが分かった。
1400W/kg以上の出力を保持することは、ハイブリッド形電気自動車(HEV)でのアシスト時に200A(30ItAのレートに相当)の放電を行っても、常温において1V/セルを切ることがない性能を保持することを意味している。このため、1400W/kg以上の出力密度を有するニッケル水素電池は、過放電防止のための電圧制御の下限値として1V/セルを設定でき、このため放電レートの上限を30ItAとしたときの、いかなる放電パターンにおいても過放電を防止することができるので好ましい。
これに対して、第1の溶接工程と第2の溶接工程とを逆にして、蓋を後で溶接した場合には、内部抵抗が高く、出力密度が低くなった。
これは、蓋は電池の機密を保持するために、上部集電板より厚い板材を使用する必要があり、溶接時の電流による熱が厚い板材に逃げるために、溶接の溶け込みが小さくなり、不具合が発生して、高抵抗な溶接となったためと考えられる。
実施例1と実施例2及び実施例3とを比較して、主リード部は単リング構造、多重リング構造のいずれでもよく、単リング構造であれば、0.4〜0.8mmの厚みが好ましい。
多重リング構造の場合は、単リング構造に比較して、構成する複数個分の1の厚みで、同じ抵抗が得られるため、2重リング構造では2分の1の厚みの0.2〜0.4mmで良く、厚みが0.3mm以下の場合、プレス成形で多重リング構造のリードを成形することができるため、安価となりより好ましい。
また、補助リード部の厚みは、0.4mmより大きい場合、溶接熱が不足し溶接不良を発生しやすいが、0.4mm以下では確実な溶接が可能となるため0.4mm以下が好ましい。
0.2mm以下になった場合、バネ部としての強度が低下し、確実で均一な溶接ができなくなる。このため、0.2mm以上0.4mm以下が好ましい。
多重リング構造とすることで、主リード部の厚みと補助リード部の厚みが同一と出来るため、多重リング構造の場合、1枚の板から主リード部と補助リード部がプレス成形で形成できるために安価となりより好ましい。
実施例4のように、逆U字状リードを逆にとり付け、U字状とした場合、逆U字状リードと同様な低抵抗が得られるものの、厚い蓋への熱の拡散により補助リード部の突起部の溶接が確実なものとならず、1400W/Kgを下回る抵抗の高いものが30%発生した。
より大きな電流の通電などにより不良率は改善できるものの、溶接機が高価となるため、実施例2のように、逆U字状リードの二重構造の側壁部の端部が上部集電板の上面に溶接され、逆U字状リードの枠状部が蓋の内面に溶接されていることが好ましい。
実施例1の第2工程の溶接条件を、放電方向に電流値を正極板の容量(6.5Ah)1Ah当たり0.6kA/Ah(3.9kA)、通電時間を4.5msecで4サイクル通電ができるようにセットし、矩形波からなる直流パルスを通電した。
この結果、電解液が電池の耐圧を超えたためか、安全弁から気密が漏れ、電解液の漏液を確認した。
したがって、第2工程の溶接工程は、外部電源により交流パルスを通電して行うことが好ましい。
実施例2の逆U字状リング構造のリードに代えて、このリードを図15〜18に示すように分割して8個のパーツからなるリード(45)としたものを用いたこと以外は実施例1と同様にして密閉形電池を得た。
実施例2の蓋(50)の内面と正極集電板(2)の上面を溶接するリードを、図19〜21のように逆U字状リード(40)に幅1mmのスリット加工を施してを周方向に8個に分断して二重構造の側壁部(47)、(48)としたこと以外は実施例1と同様にして密閉形電池を得た。
実施例2と同様にL1/X1=1.4であった。
実施例2の蓋(50)の内面と正極集電板(2)の上面を溶接するリードを、図22のように逆U字状リード(40)の二重構造の側壁部(42)、(43)に幅0.25mmのスリット(42−1)、(43−1)を形成して8個に分断したこと以外は実施例1と同様にして密閉形電池を得た。
実施例2と同様にL1/X1=1.4であった。
実施例6〜8で得た密閉形電池を、上述した実施例1と同じ条件で化成し、内部抵抗および出力密度の測定を行った。内部抵抗、出力密度の測定結果を表2に示す。
Figure 0005157049
この結果、分割したパーツからなるリード、周方向に間隔をおいてスリット加工を施して分断したリードを用いても出力が下がりにくかった。
分割したパーツからなるリードの場合、8個のパーツを合わせた主リード部としての全体抵抗は悪くなるものの、蓋へ主リード部を溶接するときの無効溶接電流が低下し、より強固な溶接が可能となり、全体としての抵抗が実施例2とあまり変わらなかったためと考えられる。
上記のような主リード部の部品は、プレス加工時のロスが少なく、安い部品が作ることが可能であり、より安価になるため好ましい。
正極集電板(2)との溶接点(2−1)となる図9に示されるような突起(30−1)4点を有する補助リード(30)を介してリング状の主リードを溶接したこと以外は実施例1と同様にして図2に示されるような密閉形電池を得た。
なお、主リード内面の半径は10mmであり、補助リードの上部集電板との溶接点(突起)と主リードの内面までの距離を1mmに設定してある。
(即ち、突起部4点に囲われた内径は半径で9mm)
正極集電板(2)との溶接点(2−1)となる図9に示されるような突起(30−1)4点を有する補助リード(30)を介してリング状の主リードを溶接したこと以外は実施例1と同様にして図2に示されるような密閉形電池を得た。
なお、主リード内面の半径は10mmであり、補助リードの上部集電板との溶接点(突起)と主リードの内面までの距離を2mmに設定してある。
(即ち、突起部4点に囲われた内径は半径で8mm)
正極集電板(2)との溶接点(2−1)となる図9に示されるような突起(30−1)4点を有する補助リード(30)を介してリング状の主リードを溶接したこと以外は実施例1と同様にして図2に示されるような密閉形電池を得た。
なお、主リード内面の半径は10mmであり、補助リードの上部集電板との溶接点(突起)と主リードの内面までの距離を3mmに設定してある。
(即ち、突起部4点に囲われた内径は半径で7mm)
(比較例4)
正極集電板(2)との溶接点(2−1)となる図9に示されるような突起(30−1)4点を有する補助リード(30)を介してリング状の主リードを溶接したこと以外は実施例1と同様にして密閉形電池を得た。
なお、主リード内面の半径は10mmであり、補助リードの上部集電板との溶接点(突起)と主リードの内面までの距離を4mmに設定してある。
(即ち、突起部4点に囲われた内径は半径で6mm)
実施例9〜11、比較例4で得た密閉形電池を、上述した実施例1と同じ条件で化成し、内部抵抗および出力密度の測定を行った。内部抵抗、出力密度の測定結果を表3に示す。
Figure 0005157049
表3に示されるように、L1/X1比が本発明の範囲を満たす実施例9〜11の密閉形電池は、内部抵抗が1mΩ以下と低く、出力密度も1400W/kg以上の高出力のものであることが分かった。
特に、L1/X1比が1〜2.1の範囲で小さくなるにしたがって、内部抵抗が低く、出力密度が高くなる傾向が見られた。
L1/X1比を好ましくは1〜1.7、更に好ましくは1〜1.4とすることによって、電池製造上の誤差によって生じる電池特性のバラツキを加味しても、出力密度1400W/kg以上を余裕をもってクリアーすることができる。
比較例4のように、L1/X1比が2.1を超えると、内部抵抗がやや大きくなり、出力密度も1400W/kg未満となるので、好ましくない。
実施例1の補助リードを用いないで、長辺の一方に高さ0.5mmの突起を10個備え、他方の長辺に高さ2mmの突起を8個備える板をリング状に丸めた図7及び8のようなリング状リード(20)を用い、以下のように蓋(50)と正極集電板(2)にリング状リード(20)を溶接したこと以外は実施例1と同様にして図1に示されるような密閉形電池を得た。
蓋(50)の内面側にリング状リード(20)の高さ0.5mmの10個の突起を当接させ、抵抗溶接によりリング状リード(20)を蓋(50)の内面に接合した。蓋(50)の外面には、弁体(90)およびキャップ(80)を取り付けた。蓋の周縁をつつみ込むように蓋にリング状のガスケットを装着した。
蓋(50)を、蓋(50)に取り付けたリング状リード(20)の高さ2mmの8個の突起が正極集電板(2)に当接するように極群(70)の上に載置し、電槽(60)の開放端をかしめて気密に密閉した後、圧縮して電池の総高さを調整した。なお、電池の総高さ調整後の蓋と正極端子間の高さが、突起と正極集電板の当接面1個当たり200gfの押圧力が加わる高さになるように、リードに設けた高さ2mmの突起の外側への張り出し角度を調整した。
キャップ(80)(正極端子)、電槽(60)の底面(負極端子)に抵抗溶接機の溶接用出力端子を当接させ、充電方向および放電方向に同じ電流値で同じ通電時間となるように通電条件を設定した。具体的には、電流値を正極板の容量(6.5Ah)1Ah当たり0.6kA/Ah(3.9kA)、通電時間を充電方向に4.5msec、放電方向に4.5msecに設定し、該交流パルス通電を1サイクルとして2サイクル通電ができるようにセットし、矩形波からなる交流パルスを通電し、正極集電板(2)の上面にリング状リード(20)を溶接する第2の溶接工程を実施した。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(化成、内部抵抗測定および高率放電試験)
前記密閉形電池を周囲温度25℃において12時間の放置後、130mA(0.02ItA)にて1200mAh充電し、引き続き650mA(0.1ItA)で10時間充電した後、1300mA(0.2ItA)でカット電圧1Vまで放電した。さらに、650mA(0.1ItA)で16時間充電後、1300mA(0.2ItA)でカット電圧1.0Vまで放電し、該充放電を1サイクルとして4サイクル充放電を行った。4サイクル目の放電終了後、1kHzの交流を用いて内部抵抗を測定した。
次いで650mA(0.1ItA)で16時間充電後、200A(30.8ItA相当)で、カット電圧0.6Vまで放電した。
(比較例5)
図46に示すリボン状リード板(12)を適用した構造の密閉形電池を作成した。なお、図45に示すように正極集電板および正極集電板と蓋を接続するリボン状リード板を一体形とし、正極集電板およびリード板を厚さ0.4mmのニッケル板製とし、リード板の幅を7mm、長さを25mmとし、蓋とリード板を抵抗溶接にて2点溶接した。正極集電板およびリード板の構成以外は実施例12と同じ構成の図45に示されるような密閉形電池とした。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(比較例6)
特許文献1に記載されている突起部を有する正極集電板兼リード板として、図40に示されるような打ち抜き加工形リード板を適用した。突起部および該リード板は厚さ0.4mmのニッケル板製とし、正極集電板に打ち抜き加工を施して幅10mm突出高さ3mmのリード板を形成した。それ以外は実施例12と同じ構成の図39に示されるような密閉形電池とした。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
実施例12、比較例5、比較例6の電池の抵抗を表4に、高率放電試験結果を図47に示す。
Figure 0005157049
表4に示したように、実施例12の電池は比較例5、さらには比較例6の電池に比べて内部抵抗が低い。比較例5の場合は正極集電板と蓋を幅が小さく(7mm)、長さが長い(20mm)リボン状リード板で接続しており、比較例6の場合は比較例5に比べてリード板の長さが小さい(3mm)が幅が小さい(10mm)。このため、比較例5および比較例6の場合は正極集電板と蓋を接続するリード板の電気抵抗が大きい欠点があった。これに対して実施例12のリング状リードの場合は、リードの幅が大きく(66mm)、長さが小さい(2.5mm)ためにリードの電気抵抗が小さい。実施例12と比較例5、比較例6との電池の内部抵抗の相違は、正極集電板と蓋を接続するリードの電気抵抗の差によって生じたものである。
また、実施例12のリング状リードは幅が短すぎ、従来技術での解放状態(圧縮による高さ調整前)では接点が接触しないため溶接できなかった。
従来の解放状態(圧縮による高さ調整前)での溶接では、圧縮の余裕を有する長さや幅のリードが必要となることから、好ましくない。
図47に示したように、高率放電を行ったときに、実施例12の電池は比較例5の電池に比べて、放電電圧が高く、且つ、放電容量が大きい。このように、実施例12の電池が優れた高率放電特性を示すのは、前記表4に示したように、実施例12の電池の内部抵抗が小さいためである。
第2の溶接工程において、交流パルス通電の電流値を0.4kA/Ah(2.6kA)に設定し、通電したこと以外は実施例12と同様にして密閉形電池を得た。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
第2の溶接工程において、交流パルス通電の電流値を0.8kA/Ah(5.2kA)に設定し、通電したこと以外は実施例12と同様にして密閉形電池を得た。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(比較例7)
第2の溶接工程において、交流パルス通電の電流値を0.2kA/Ah(1.3kA)に設定し、通電したこと以外は実施例12と同様にして密閉形電池を得た。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(比較例8)
第2の溶接工程において、交流パルス通電の電流値を1.0kA/Ah(6.5kA)に設定し、通電したこと以外は実施例12と同様にして密閉形電池を得た。この比較例8においては交流パルス通電を実施したときに、開弁圧を超えてガス発生しキャップに設けた排気孔から少量ではあるが電解液の吹き出しが観察された。また、電池を解体したところリング状リードに設けた正極集電板との溶接点(突起)がはじけ飛んでいるのが確認された。
実施例12と合わせて、実施例13、実施例14、比較例7、比較例8の電池の内部抵抗測定結果を表5に示す。
Figure 0005157049
表5に示したように、実施例13、実施例14の電池は、実施例12の電池と同じ内部抵抗を示した。これに対して比較例7、比較例8は、実施例に比べて、電池の内部抵抗が高い値を示した。比較例7の電池を解体調査したところでは、パルス通電の電流値が小さ過ぎたためか、正極集電板とリング状リードの溶接箇所に接合不良が認められた。一方、比較例8の場合は、パルス通電の電流値が大き過ぎたためか、前記のように溶接点がはじけ飛び、正極集電板とリング状リードが接合不良となっているのが確認された。なお、詳細は省くが、実施例13、実施例14の電池は、実施例12の電池と同等の高率放電特性を示したが、内部抵抗の大きい比較例7、比較例8の電池は、実施例に比べて高率放電特性が劣っているのが確認された。
表5に示した結果から、正極集電板とリードを溶接する際のパルス通電の電流値の大きさは正極板の容量1Ah当たり、0.4〜0.8(kA/Ah)即ち、接触点1点あたり0.33KA/1点〜0.65kA/点が良いことがわかった。
第2の溶接工程において、交流パルス通電の通電時間を3msecに設定し、通電を実施したこと以外は実施例12と同様にして密閉形電池を得た。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
第2の溶接工程において、交流パルス通電の通電時間を6msecに設定し、通電を実施したこと以外は実施例12と同様にして密閉形電池を得た。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
第2の溶接工程において、交流パルス通電の通電時間を7msecに設定し、通電を実施したこと以外は実施例12と同様にして密閉形電池を得た。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(比較例9)
第2の溶接工程において、交流パルス通電の通電時間を2msecに設定し、通電を実施したこと以外は実施例12と同様にして密閉形電池を得た。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(比較例10)
第2の溶接工程において、交流パルス通電の通電時間を8msecに設定し、通電を実施したこと以外は実施例12と同様にして密閉形電池を得た。この比較例10においては交流パルス通電を実施したときに、開弁圧を超えてガス発生しキャップに設けた排気孔から少量ではあるが電解液の吹き出しが観察された。
実施例12と合わせて、実施例15〜実施例17、比較例9、比較例10の電池の内部抵抗測定結果を表6に示す。
Figure 0005157049
表6に示したように、実施例15〜実施例17の電池は、実施例12の電池と同じ内部抵抗を示した。これに対して比較例9、比較例10は、実施例に比べて、電池の内部抵抗が高い値を示した。比較例9の電池を解体調査したところでは、パルス通電電気量が不足したためか、正極集電板とリング状リードの溶接箇所に接合不良が認められた。一方、比較例10の場合は、パルス通電電気量が過剰なためか、前記のように電解液が吹き出しために内部抵抗が高くなったものと考えられる。なお、詳細は省くが、実施例15〜実施例17の電池は、実施例12の電池と同等の高率放電特性を示したが、内部抵抗の大きい比較例9、比較例10の電池は、実施例に比べて高率放電特性が劣っているのが確認された。また、通電時に電解液が吹き出した比較例10の場合は実施例に比べて高率放電特性のみでなく、充放電サイクル特性においても実施例に比べて劣っていることが確認された。
表6に示した結果から、正極集電板とリードを溶接する際のパルス通電の通電時間の長さは、3〜7msecが良いことが分かった。
第2の溶接工程において、交流パルス通電を4サイクル通電ができるようにセットし、通電したこと以外は実施例12と同様にして密閉形電池を得た。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
第2の溶接工程において、交流パルス通電を6サイクル通電ができるようにセットし、通電したこと以外は実施例12と同様にして密閉形電池を得た。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(比較例11)
第2の溶接工程において、交流パルス通電を1サイクル通電ができるようにセットし、通電したこと以外は実施例12と同様にして密閉形電池を得た。このとき開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(比較例12)
第2の溶接工程において、交流パルス通電を8サイクル通電ができるようにセットし、通電したこと以外は実施例12と同様にして密閉形電池を得た。この比較例12においては交流パルス通電を実施したときに、開弁圧を超えてガス発生しキャップに設けた排気孔から少量ではあるが電解液の吹き出しが観察された。
実施例12と合わせて、実施例18、実施例19、比較例11、比較例12の電池の内部抵抗測定結果を表7に示す。
Figure 0005157049
表7に示したように、実施例18、実施例19の電池は、実施例12の電池と同じ内部抵抗を示した。これに対して比較例11、比較例12は、実施例に比べて、電池の内部抵抗が高い値を示した。比較例11の電池を解体調査したところでは、パルス通電電気量が不足したためか、正極集電板とリング状リードの溶接箇所に接合不良が認められた。一方、比較例12の場合は、パルス通電電気量が過剰なためか、前記のように電解液が吹き出しために内部抵抗が高くなったものと考えられる。なお、詳細は省くが、実施例18、実施例19の電池は、実施例12の電池と同等の高率放電特性を示したが、内部抵抗の大きい比較例11、比較例12の電池は、実施例に比べて高率放電特性が劣っているのが確認された。また、比較例12の場合は実施例に比べて高率放電特性のみでなく、充放電サイクル特性においても実施例に比べて劣っていることが確認された。
表7に示した結果から、パルス通電回数は、2〜6回が良いことが分かった。
尚、実施例には8点の溶接点を有するリード端子を用いたが、電池の大きさ(容量)により溶接接点の点数は1点以上を適宜選択すれば良い。
実施例12の密閉形電池を2個用い、電池間接続部品として、実施例12に用いたリング状リード(110)(接続リード)の10点の突起がある側を1個目の電池の蓋に抵抗溶接で仮り止めした後、図48に示すように、レーザー溶接で本溶接を行った。
接続リード(110)を、蓋に取り付けた接続リードの高さ2mmの8個の突起が2個目の電槽底に当接するように載置し、加圧して突起と電槽底の当接面1個当たり200gfの押圧力を加えて、図49に示すように、1個目の電池の負極端子と、2個目の負極端子とに外部の電源の接続し、実施例12の電池内部の接続接点の溶接電流と同様な交流パルス通電の電流値を0.6kA/Ah(3.9kA)、通電時間を充電方向に4.5msec、放電方向に4.5msecに設定し、該交流パルス通電を1サイクルとして2サイクル通電ができるようにセットし、矩形波からなる交流パルスを通電した。このとき、いずれの電池からも開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。このようにして密閉形電池と密閉形電池がリング状リードで接続された組電池を作製した。
組電池の溶接接点を溶接する前記交流パルスの通電において、交流パルス通電の電流値を0.4kA/Ah(2.6kA)に設定し、通電したこと以外は実施例20と同様にして組電池を得た。このとき、いずれの電池からも開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
組電池の溶接接点を溶接する前記交流パルスの通電において、交流パルス通電の電流値を0.8kA/Ah(5.2kA)に設定し、通電したこと以外は実施例20と同様にして組電池を得た。このとき、いずれの電池からも開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(比較例13)
組電池の溶接接点を溶接する前記交流パルスの通電において、交流パルス通電の電流値を0.2kA/Ah(1.3kA)に設定し、通電したこと以外は実施例20と同様にして組電池を得た。このとき、いずれの電池からも開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(比較例14)
組電池の溶接接点を溶接する前記交流パルスの通電において、交流パルス通電の電流値を1.0kA/Ah(6.5kA)に設定し、通電したこと以外は実施例20と同様にして組電池を得た。この比較例14においては交流パルス通電を実施したときに、開弁圧を超えてガス発生し電池のキャップに設けた排気孔から少量ではあるが電解液の吹き出しが観察された。また、電池を解体したところリング状リード板に設けた正極集電板との溶接点(突起)がはじけ飛んでいるのが確認された。
実施例20と合わせて、実施例21、実施例22、比較例13、比較例14の組電池の内部抵抗測定結果を表8に示す。なお、組電池の内部抵抗は、1kHzの交流を用いて組電池の正極端と負極端との間の抵抗を測定している。
Figure 0005157049
表8に示したように、実施例21、実施例22は、実施例20と同じ組電池の内部抵抗を示した。これに対して比較例13、比較例14は、実施例に比べて組電池の内部抵抗が高い値を示した。比較例13の電池を解体調査したところでは、パルス通電の電流値が小さ過ぎたためか、電槽とリング状リードの溶接箇所に接合不良が認められた。一方、比較例14の場合は、パルス通電の電流値が大き過ぎたたためか、前記のように溶接点がはじけ飛び電槽とリング状リードが接合不良となっているのが確認された。なお、詳細は省くが、実施例21、実施例22の組電池は、実施例20の組電池と同等の高率放電特性を示したが、組電池の内部抵抗の大きい比較例13、比較例14は、実施例に比べて高率放電特性が劣っているのが確認された。
表8に示した結果から、電槽とリードを溶接する際のパルス通電の電流値の大きさは正極板の容量1Ah当たり、0.4〜0.8(kA/Ah)、即ち、接触点1点あたり0.33kA/1点〜0.65kA/1点が良いことがわかった。
組電池の溶接接点を溶接する前記交流パルスの通電において、交流パルス通電の通電時間を3msecに設定し、通電を実施したこと以外は実施例20と同様にして組電池を得た。このとき、いずれの電池からも開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
組電池の溶接接点を溶接する前記交流パルスの通電において、交流パルス通電の通電時間を6msecに設定し、通電を実施したこと以外は実施例20と同様にして組電池を得た。このとき、いずれの電池からも開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
組電池の溶接接点を溶接する前記交流パルスの通電において、交流パルス通電の通電時間を7msecに設定し、通電を実施したこと以外は実施例20と同様にして組電池を得た。このとき、いずれの電池からも開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(比較例15)
組電池の溶接接点を溶接する前記交流パルスの通電において、交流パルス通電の通電時間を2msecに設定し、通電を実施したこと以外は実施例20と同様にして組電池を得た。このとき、いずれの電池からも開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(比較例16)
組電池の溶接接点を溶接する前記交流パルスの通電において、交流パルス通電の通電時間を8msecに設定し、通電を実施したこと以外は実施例20と同様にして組電池を得た。この比較例13においては交流パルス通電を実施したときに、開弁圧を超えてガス発生しキャップに設けた排気孔から少量ではあるが電解液の吹き出しが観察された。
実施例20と合わせて、実施例23〜実施例25、比較例15、比較例16の組電池の内部抵抗測定結果を表9に示す。
Figure 0005157049
表9に示したように、実施例23〜実施例25は、実施例20と同じ組電池の内部抵抗を示した。これに対して比較例15、比較例16は、実施例に比べて組電池の内部抵抗が高い値を示した。比較例15の電池を解体調査したところでは、パルス通電電気量が不足したためか、電槽とリング状リードの溶接箇所に接合不良が認められた。一方、比較例16の場合は、パルス通電電気量が過剰なためか、前記のように電解液が吹き出しために組電池の内部抵抗が高くなったものと考えられる。なお、詳細は省くが、実施例23〜実施例25の組電池は、実施例20の組電池と同等の高率放電特性を示したが、組電池の内部抵抗の大きい比較例15、比較例16は、実施例に比べて高率放電特性が劣っているのが確認された。また、通電時に電解液が吹き出した比較例16の場合は実施例20の組電池に比べて高率放電特性のみでなく、充放電サイクル特性においても劣っていることが確認された。
表9に示した結果から、電槽とリードを溶接する際のパルス通電の通電時間の長さは、3〜7msecが良いことが分かった。
組電池の溶接接点を溶接する前記交流パルスの通電において、交流パルス通電を4サイクル通電ができるようにセットし、通電したこと以外は実施例20と同様にして組電池を得た。このとき、いずれの電池からも開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
組電池の溶接接点を溶接する前記交流パルスの通電において、交流パルス通電を6サイクル通電ができるようにセットし、通電したこと以外は実施例20と同様にして組電池を得た。このとき、いずれの電池からも開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(比較例17)
組電池の溶接接点を溶接する前記交流パルスの通電において、交流パルス通電を1サイクル通電ができるようにセットし、通電したこと以外は実施例20と同様にして組電池を得た。このとき、いずれの電池からも開弁圧を超えてガス発生していないことを確認した。
(比較例18)
組電池の溶接接点を溶接する前記交流パルスの通電において、交流パルス通電を8サイクル通電ができるようにセットし、通電したこと以外は実施例20と同様にして組電池を得た。この比較例17においては交流パルス通電を実施したときに、開弁圧を超えてガス発生しキャップに設けた排気孔から少量ではあるが電解液の吹き出しが観察された。
実施例20と合わせて、実施例26、実施例27、比較例17、比較例18の組電池の内部抵抗測定結果を表10に示す。
Figure 0005157049
表10に示したように、実施例26、実施例27は、実施例20と同じ組電池の内部抵抗を示した。これに対して比較例17、比較例18は実施例に比べて、組電池の内部抵抗が高い値を示した。比較例17の電池を解体調査したところでは、パルス通電電気量が不足したためか、電槽とリング状リードの溶接箇所に接合不良が認められた。一方、比較例18の場合は、パルス通電電気量が過剰なためか、前記のように電解液が吹き出しために組電池の内部抵抗が高くなったものと考えられる。なお、詳細は省くが、実施例26、実施例27の組電池は、実施例20の組電池と同等の高率放電特性を示したが、組電池の内部抵抗の大きい比較例17、比較例18は、実施例に比べて高率放電特性が劣っているのが確認された。また、比較例18の場合は実施例に比べて高率放電特性のみでなく、充放電サイクル特性においても実施例に比べて劣っていることが確認された。
表10に示した結果から、パルス通電回数は、2〜6回が良いことが分かった。
実施例20の方法にて、実施例12の電池を6個直列にして、650mA(0.1ItA)で16時間充電後、200A(30.8ItA相当)で、カット電圧4.0Vまで放電した。この電圧変化を図52に記載する。
(比較例19)
図51に示すように、はかま式接続リード(120)による接続方法を用い、実施例12の電池を6個直列にして、200A放電を行った。この電圧変化を図52に記載する。
(比較例20)
図51に示すように、はかま式接続リード(120)による接続方法を用い、比較例5の電池を6個直列にして、200A放電を行った。この電圧変化を図52に記載する。
実施例12〜19と比較例5〜12の一部の電池を用いて、25℃の出力密度を測定した。
なお、出力密度の測定方法は、段落[0061]に記載の方法と同じである。
出力密度を縦軸に内部抵抗を横軸にプロットした結果を図53に示す。
この結果、内部抵抗の低減と出力密度の向上に良い相関が得られ、本発明に係る溶接方法を用いた密閉形電池や本発明に係る溶接方法を用いた組電池は、極めて低い抵抗と高い出力を有し、HEV用電池に好適であると考えられる。
リング状リードを溶接した密閉形電池の例(実施例12〜19)を示す図である。 リング状の主リード及び補助リードからなるリードを溶接した密閉形電池の例(実施例1、実施例9〜11)を示す図である。 断面が逆U字状の二重構造の主リード部及び補助リード部を溶接した密閉形電池の例(実施例2)を示す図である。 断面がU字状の二重構造の主リード部及び補助リード部を溶接した密閉形電池の例(比較例2、実施例4)を示す図である。 断面が逆V字状の二重構造の主リード部及び補助リード部を溶接した密閉形電池の例(実施例3)を示す図である。 断面がV字状の二重構造の主リード部及び補助リード部を溶接した密閉形電池の例(比較例3)を示す図である。 本発明で用いるリング状リード(主リード)の例(実施例12〜19)を示す図である。 本発明で用いるリング状リードの例(実施例12〜19)を示す斜視図である。 本発明で用いるリング状の主リード及び補助リードからなるリードの例(実施例1、実施例9〜11)を示す平面図及び側面図である。 蓋に溶接されたリング状の主リード及び補助リードからなるリードを集電板に溶接する状態を示す図である。 本発明で用いる断面が逆U字状の二重構造の主リード部及び補助リード部の一例(実施例2)を示す斜視図(表側)である。 本発明で用いる断面が逆U字状の二重構造の主リード部及び補助リード部の一例(実施例2)を示す斜視図(裏側)である。 本発明で用いる断面が逆V字状の二重構造の主リード部及び補助リード部の一例(実施例3)を示す斜視図(表側)である。 本発明で用いる断面が逆V字状の二重構造の主リード部及び補助リード部の一例(実施例3)を示す斜視図(裏側)である。 本発明で用いる断面が逆U字状の二重構造のリードを分割して8個のパーツからなるリードとした例(実施例6)を示す図(表側)である。 本発明で用いる断面が逆U字状の二重構造のリードを分割して8個のパーツからなるリードとした例(実施例6)を示す図(裏側)である。 図15及び16に示す8個のパーツからなるリードを蓋に溶接した状態を示す斜視図(表側)である。 図15及び16に示す8個のパーツからなるリードを蓋に溶接した状態を示す斜視図(裏側)である。 断面が逆U字状の二重構造のリードの二重構造の側壁部のみを周方向に間隔をおいて8個に分断してリードとした例(実施例7)を示す斜視図(表側)である。 断面が逆U字状の二重構造のリードの二重構造の側壁部のみを周方向に間隔をおいて8個に分断してリードとした例(実施例7)を示す斜視図(裏側)である。 図19及び20に示す二重構造の側壁部のみを周方向に間隔をおいて8個に分断したリードを蓋に溶接した状態を示す斜視図(裏側)である。 断面が逆U字状の二重構造のリードの二重構造の側壁部に周方向に間隔をおいてスリットを形成してリードとした例(実施例8)を示す斜視図である。 断面が逆U字状の二重構造のリードの補助リード部のみに周方向に間隔をおいてスリットを形成してリードとした例を示す斜視図である。 断面が逆U字状の二重構造のリードに蛇腹様加工を施してリードとした例(実施例5)を示す斜視図(表側)である。 断面が逆U字状の二重構造のリードに蛇腹様加工を施してリードとした例(実施例5)を示す斜視図(裏側)である。 蓋に溶接された断面が逆U字状の二重構造の主リード部及び補助リード部からなるリードを上部集電板に溶接するに際して、高さ方向の位置ずれ(極群の高さが標準的な場合)を補助リード部の突片で吸収する例を示す図である。 蓋に溶接された断面が逆U字状の二重構造の主リード部及び補助リード部からなるリードを上部集電板に溶接するに際して、高さ方向の位置ずれ(極群の高さが低い場合)を補助リード部の突片で吸収する例を示す図である。 蓋に溶接された断面が逆U字状の二重構造の主リード部及び補助リード部からなるリードを上部集電板に溶接するに際して、高さ方向の位置ずれ(極群の高さが高い場合)を補助リード部の突片で吸収する例を示す図である。 蓋に溶接された断面が逆U字状の二重構造の主リード部(図19のもの)及び補助リード部からなるリードを上部集電板に溶接するに際して、高さ方向の位置ずれを主リード部の開きと補助リード部の湾曲で吸収する例を示す図である。 補助リードを介してリング状の主リードを溶接した密閉形電池の組立て図である。 蓋に溶接された断面が逆U字状の二重構造の主リード及び補助リードからなるリードを上部集電板に溶接した密閉形電池の例(実施例2)を示す図である。 本発明で用いる集電板の例(実施例1等)を示す図である。 上部集電板(正極集電板)におけるリードの溶接点(16点)の例(実施例1)を示す図である。 上部集電板(正極集電板)における補助リードの溶接点(16点)の例(実施例2等)を示す図である。 上部集電板が平坦部から上方に湾曲又は屈曲した部分を有する場合の、溶接点間のリードの長さ及び上部集電板の湾曲又は屈曲部分の長さと、蓋と上部集電板の平坦部の間隔との関係を示す図である。 蓋が平坦部から下方に湾曲又は屈曲した部分を有する場合の、溶接点間のリードの長さ及び蓋の湾曲又は屈曲部分の長さと、蓋の平坦部と上部集電板の間隔との関係を示す図である。 集電体と集電リードを同一厚みで伸長させ一体成形した従来の集電構造の一例を示す斜視図である。 図37の集電リードが封口体に溶接されて完成した従来の密閉形電池を示す断面図である。 従来の打ち抜き加工により一体形成された集電体を装着したニッケル−カドミウム電池の要部を示す斜視図である。 従来の打ち抜き加工により一体形成された集電体を示す平面図及び断面図である。 電極体を電池ケースに挿入して図40の集電体を介して封口体と溶接するときの状態を示す断面図である。 従来の円筒状のリードを正極集電体に溶接したときの状態を示す断面図である。 従来の鼓状筒体から構成されるリード部を示す平面図、側面図及び断面図である。 電極体を電池ケースに収納して図43のリード部を介して封口体と溶接するときの状態を示す断面図である。 従来のリボン状リード板を蓋及び上部集電板に溶接した密閉形電池を示す断面図である。 従来の上部集電板及びリボン状リード板を示す概略図である。 単電池の放電曲線を示す図である。 密閉形電池の蓋の外面に電池間接続部品(リング状リード)を接合する方法を示す図である。 本発明に係る電池間接続部品(リング状リード)を用いた組電池の製造方法を説明する図である。 本発明に係る電池間接続部品(断面がV字状の二重構造のリード)を用いた組電池の概略図である。 従来の組電池のはかま式接続リードによるセル間接続構造を示す図である。 6セル直列接続の組電池の放電曲線を示す図である。 内部抵抗と出力密度の関係を示す図である。
符号の説明
2 上部集電板(正極集電板)
2−1 上部集電板におけるリードの溶接点
2−2 上部集電板におけるスリット
2−3 上部集電板における下駄(電極へのかみ込み部)
12 リボン状リード板
13 リボン状リード板と蓋との溶接接点
20 リング状リード(主リード)
20a,20b リング状リードにおける突起
30 リング状リード20の補助リード
30−1 リング状リード20の補助リードにおける突起
30−2 リング状リード20の補助リードにおける突片
40 断面が逆V字状(V字状)又は逆U字状(U字状)の二重構造のリード
41 二重構造のリード40の枠状部
41−1 二重構造のリードの枠状部41の内周
41−2 二重構造のリードの枠状部41の外周
41a 二重構造のリード枠状部41における突起
42,43 二重構造のリード40の二重構造の側壁部
42−1,43−1 二重構造のリード40の二重構造の側壁部に形成されたスリット
44 二重構造のリード40の補助リード部
44a 二重構造のリードの補助リード部44における突起
45 断面が逆U字状の二重構造のリードを分割した8個のパーツ
46 二重構造のリードを分割した8個のパーツ45の枠状部
46a 二重構造のリードを分割した8個のパーツの枠状部46における突起
47,48 二重構造のリードを分割した8個のパーツ45の二重構造の側壁部
50 蓋
51 キャップ端部に対応する蓋の内面の位置
60 電槽
70 極群
80 キャップ
90 弁体
100 下部集電板(負極集電板)
110 電池間接続部品(リング状リードと同じもの)
111 電池間接続部品と1個目の電池の蓋の外面との溶接接点
112 電池間接続部品と2個目の電池の電槽底との溶接接点
110’ 電池間接続部品(断面がV字状の二重構造のリードと同じもの)
120 電池間接続部品(はかま式接続リード)

Claims (8)

  1. 密閉形電池の電槽を閉鎖する蓋の内面と上部集電板の上面とがリードを介して接続された密閉形電池において、前記蓋の内面に前記リードの一方の面が溶接され、前記電槽が密閉された後で、前記上部集電板の上面に前記リードの他方の面が外部電源により交流パルスを通電して溶接されたものであり、前記蓋の内面における前記リードの溶接点から該溶接点に最も近い前記上部集電板の上面における前記リードの溶接点までの前記リードの長さが、前記蓋の内面における前記リードの溶接点から前記上部集電板の上面に至る最短距離の1〜2.1倍であり、かつ、内部抵抗が1mΩ以下であることを特徴とする密閉形電池。
  2. 前記リードがリング状リードであり、前記蓋の内面に前記リング状リードの一方の面が溶接された後、前記上部集電板の上面に前記リング状リードの他方の面が溶接されたものであることを特徴とする請求項1に記載の密閉形電池。
  3. 前記リードがリング状の主リード及び補助リードからなるものであり、前記蓋の内面に前記主リードの一方の面が溶接された後、前記上部集電板の上面に前記主リードの他方の面が前記補助リードを介して溶接されたものであることを特徴とする請求項2に記載の密閉形電池。
  4. 前記リードが枠状部と前記枠状部の内周及び外周から下方に向けて延びた二重構造の側壁部を有するものであり、前記蓋の内面に前記リードの枠状部が溶接された後、前記上部集電板の上面に前記リードの二重構造の側壁部の端部が溶接されたものであることを特徴とする請求項1に記載の密閉形電池。
  5. 前記リードが枠状部と前記枠状部の内周及び外周から上方に向けて延びた二重構造の側壁部を有するものであり、前記蓋の内面に前記リードの二重構造の側壁部の端部が溶接された後、前記上部集電板の上面に前記リードの枠状部が溶接されたものであることを特徴とする請求項1に記載の密閉形電池。
  6. 密閉形電池の電槽を閉鎖する蓋の内面と上部集電板の上面とをリードを介して接続する密閉形電池の製造方法において、前記蓋の内面に前記リードの一方の面を溶接する第1の溶接工程と、前記上部集電板が前記電槽の開放端側に位置するように、前記上部集電板を接合した極群を前記電槽内に収容し、電解液を注液し、前記リードの他方の面が前記上部集電板の上面に当接するように前記蓋を載置し、前記電槽を密閉した後、密閉形電池の正負極両端子間に溶接のための電流を電池を介して通電することにより前記上部集電板の上面に前記リードの他方の面を溶接する第2の溶接工程とを、この溶接順序で行い、前記蓋の内面における前記リードの溶接点から該溶接点に最も近い前記上部集電板の上面における前記リードの溶接点までの前記リードの長さを、前記蓋の内面における前記リードの溶接点から前記上部集電板の上面に至る最短距離の1〜2.1倍とし、かつ、前記第2の溶接工程を、外部電源により交流パルスを通電して、充電パルス及び放電パルスの電流値を電池の単位容量当たり0.4〜0.8kA/Ah、その通電時間を3〜7msecとし、充電と放電を1セットとした通電を2回〜6回行うことを特徴とする密閉形電池の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の密閉形電池の複数個で構成したことを特徴とする組電池。
  8. 前記組電池を構成する少なくとも1つの密閉形電池内に、外部電源により交流パルスを通電して、充電パルス及び放電パルスの電流値を電池の単位容量当たり0.4〜0.8kA/Ah、その通電時間を3〜7msecとし、充電と放電を1セットとした通電を2回〜6回行い、該電池と該電池と隣り合う電池の端子同士を直にまたは電池間接続部品を介して溶接することを特徴とする請求項に記載の組電池の製造方法。
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