JP2006099663A - 角速度制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】たわみ振動の影響を排除して高い空間安定性を確保することができる角速度制御装置を提供すること。
【解決手段】視軸角速度検出部210が検出した角速度信号から、減算器130によりAZ軸回転成分を除去した後、フィルタ演算器140によりたわみ振動成分を除去する。こうしてロール方向回転成分のみとなった角速度信号と、AZ軸角速度検出部が検出されたAZ軸回転成分を含む角速度信号を加算し、この信号を用いて振動補正のフィードバック制御をおこなう。このように、たわみ振動成分を排除して制御をおこなうことにより、制御の安定度を高め、高い空間安定性を実現させる。
【選択図】 図8

Description

この発明は、ジンバル装置の振動抑制制御をおこなう角速度制御装置に関し、特にたわみ振動の影響を排除して高い空間安定性を確保することができる角速度制御装置に関するものである。
航空機にカメラを搭載する場合、機体の振動等により生ずるカメラ画像のぶれを防止するために、カメラをジンバル装置(空間安定装置)内に設置する手法が一般的にとられている。ジンバル装置内にとって最も重要な要件は高空間安定性であるが、近年では、複数個のカメラや側距離装置等を航空機に搭載する要望があり、小型軽量化・低消費電力化が強く求められようになっている。
ジンバル装置が空間安定性を確保する上で問題となるのは、機体から伝わる振動とこれに起因するジンバル装置自身のたわみである。これらの問題を解決するために、防振マウントを利用する手法やジンバルの剛性を高める手法をとることも考えられるが、いずれも装置の重量の増加を招き、前述した要望を満たすことができなくなる。
そこで、従来より、ジンバル装置のカメラ設置部分に角速度センサを取り付け、この角速度センサが検出した信号に基づいて振動補正制御をおこなう技術が利用されており、このような技術は、たとえば、特許文献1において開示されている。
特開平11−252461号公報
しかしながら、かかる角速度センサを用いた制御装置では、ジンバル装置のたわみの影響により、制御のための駆動電力が飽和して制御偏差が増大し、カメラ画像に画像ぶれが発生することがあった。
ジンバル装置は、構造上の理由から左右方向にたわみやすく、カメラ部に取り付けられた角速度センサは、カメラの視軸が垂直方向に近づくにつれてたわみの影響を大きく受けるようになる。たわみが大きくなり、角速度センサの検出値が一定の大きさを超えると、制御装置においてたわみの影響を減衰できなくなり、制御偏差が悪化して画像ぶれが発生してしまう。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、たわみ振動の影響を排除して高い空間安定性を確保することができる角速度制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、水平方向に回転する本体部と、前記本体部により支持され、取付け面と垂直方向に回転する機器格納部とを有する空間安定装置の振動抑制制御をおこなう角速度制御装置であって、前記本体部に配設された第1の角速度検出手段より検出された角速度信号を、前記機器格納部に配設された第2の角速度検出手段より検出された角速度信号から減算処理し、前記取付け面回転方向の角速度成分を除去した角速度信号を出力する減算手段と、前記減算手段の出力した角速度信号をフィルタ処理し、たわみ振動成分を除去した角速度信号を出力するフィルタ演算手段と、前記フィルタ演算手段の出力した角速度信号と前記第1の角速度検出手段より検出された角速度信号とを加算処理した角速度信号を出力する加算手段と、前記加算手段の出力した角速度信号を基にして前記空間安定装置の振動抑制のためのフィードバック制御をおこなう補償手段とを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、2つの角速度検出部からの角速度信号を利用してたわみ振動成分を除去した角速度情報に基づいてフィードバック制御をおこなうように構成したので、安定した振動補正制御をおこなうことができ、もって高い空間安定性を実現することができる。また、振動補正制御のための駆動電力が飽和することが少なくなるため、省電力化を実現することができる。
また、本発明は、上記の発明において、前記機器格納部に格納された機器の俯仰角度が所定の範囲にある場合には、前記フィルタ演算手段の出力した角速度信号の前記加算手段への入力を抑止する切換処理手段をさらに備え、前記加算手段は、前記切換処理手段が概加算手段への角速度信号を抑止する場合は、前記第1の角速度検出手段より検出された角速度信号をそのまま出力することを特徴とする。
この発明によれば、機器格納部に格納された機器の俯仰角度が所定の範囲にある場合には水平方向の角速度のみを検出する角速度検出部からの角速度信号を利用してフィードバック制御をおこなうように構成したので、格納された機器の俯仰角度が垂直に近い場合であっても安定した振動補正制御をおこなうことができ、もって高い空間安定性を実現することができる。また、振動補正制御のための駆動電力が飽和することが少なくなるため、省電力化を実現することができる。
また、本発明は、上記の発明において、前記フィルタ演算手段は、空間安定装置の特異な伝道特性に起因するたわみ振動成分を除去するためのノッチフィルタを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、空間安定装置の伝道特性に起因する共鳴等による影響をノッチフィルタにより除去するように構成したので、安定した振動補正制御をおこなうことができ、もって高い空間安定性を実現することができる。
また、本発明は、上記の発明において、前記フィルタ演算手段は、空間安定装置が搭載される装置の特異な振動条件に起因するたわみ振動成分を除去するためのノッチフィルタを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、空間安定装置が搭載される装置の振動条件に含まれるサイン波による影響をノッチフィルタにより除去するように構成したので、安定した振動補正制御をおこなうことができ、もって高い空間安定性を実現することができる。
また、本発明は、上記の発明において、前記第1の角速度検出手段により検出された角速度信号および/または前記第2の角速度検出手段により検出された角速度信号に含まれるドリフト成分を除去するドリフト成分補正手段をさらに備えたことを特徴とする。
この発明によれば、温度変化等に起因するドリフト成分による影響をドリフト成分補正手段により除去するように構成したので、安定した振動補正制御をおこなうことができ、もって高い空間安定性を実現することができる。
本発明によれば、2つの角速度検出部からの角速度信号を利用してたわみ振動成分を除去した角速度情報に基づいてフィードバック制御をおこなうように構成したので、安定した振動補正制御をおこなうことができ、もって高い空間安定性を実現することができるという効果を奏する。また、振動補正制御のための駆動電力が飽和することが少なくなるため、省電力化を実現することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、機器格納部に格納された機器の俯仰角度が所定の範囲にある場合には水平方向の角速度のみを検出する角速度検出部からの角速度信号を利用してフィードバック制御をおこなうように構成したので、格納された機器の俯仰角度が垂直に近い場合であっても安定した振動補正制御をおこなうことができ、もって高い空間安定性を実現することができるという効果を奏する。また、振動補正制御のための駆動電力が飽和することが少なくなるため、省電力化を実現することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、空間安定装置の伝道特性に起因する共鳴等による影響をノッチフィルタにより除去するように構成したので、安定した振動補正制御をおこなうことができ、もって高い空間安定性を実現することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、空間安定装置が搭載される装置の振動条件に含まれるサイン波による影響をノッチフィルタにより除去するように構成したので、安定した振動補正制御をおこなうことができ、もって高い空間安定性を実現することができるという効果を奏する。
また、本発明によれば、温度変化等に起因するドリフト成分による影響をドリフト成分補正手段により除去するように構成したので、安定した振動補正制御をおこなうことができ、もって高い空間安定性を実現することができるという効果を奏する。
以下に添付図面を参照して、この発明に係る角速度制御装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。なお、ここでは、この発明に係る角速度制御装置を航空機に搭載されたジンバル装置の振動補正制御に用いた場合について説明する。また、このジンバル装置にはカメラが設置されているものとする。
本実施例に係る角速度制御方式を説明する前に、ジンバル装置の概要と従来の角速度制御方式について説明しておく。
まず、ジンバル装置の概形について説明する。図1は、ジンバル装置の概形を示すサンプル図である。同図に示すように、ジンバル装置は、0〜360度水平方向を指向するAZ(アジマス)軸回りの回転構造と、水平〜垂直方向を指向するEL(エレベーション)軸回りの回転構造を備える。AZ軸とEL軸には駆動用のトルクモータが配置される。
カメラは、EL軸回りに回転する部分に収められる。従来の角速度制御方式では、ここに角速度センサも取り付けられ、カメラの視軸のぶれの大きさを角速度として検出する仕組みとなっていた。
ジンバル装置は、構造が一番弱い方向である視軸左右方向にたわみやすい。図2−1は、カメラが水平方向を向いている場合のたわみの影響を説明するための説明図である。同図に示すように、カメラ視軸が水平方向を向いている場合、カメラ視軸は、機体取付け部を中心とした円弧上を左右に小さく移動することになる。
図2−2は、カメラが水平方向を向いている場合のカメラ画像のサンプル図である。同図に示すように、カメラが水平方向を向いている場合、カメラ画像は、たわみの影響をわずかに受けてロール方向に小さく回転しているように映る。視軸上に角速度センサが取り付けられている場合、このロール方向の小さな回転は、角速度センサが水平方向を向いている場合には全く検出されず、俯仰角度が大きくなるにつれてロール方向回転成分として検出されるようになる。
ジンバル装置のたわみの影響は、カメラ視軸が垂直に近づくほど大きくなる。図3−1は、カメラが垂直方向を向いている場合のたわみの影響を説明するための説明図である。同図に示すように、カメラ視軸が垂直方向を向いている場合、カメラ視軸は、弧の外側を向いた状態で左右に大きく往復運動する。
図3−2は、カメラが垂直方向を向いている場合のカメラ画像のサンプル図である。同図に示すように、カメラが垂直方向を向いている場合、カメラ画像は、たわみの影響を受けて左右方向に大きく振動しているように映る。視軸上に角速度センサが取り付けられている場合、センサは、この大きな左右方向の振動をたわみ振動成分として検出することになる。
カメラ視軸上に角速度センサが取り付けられている場合、センサが検出する角速度信号には、上記のロール方向回転成分とたわみ振動成分以外に、AZ軸回転成分が含まれる。これは、機体取付け部分の強度の不足やトルクモータの出力不足等に起因するものである。
ここで、たわみの発生と検出の仕組みについて説明しておく。図4は、たわみの発生と検出のしくみを説明するための説明図である。ジンバル装置に伝わる振動の強さは加速度(G)として表わされ、プラットフォーム振動条件10とジンバル機構伝達特性20によって決まる。
プラットフォーム振動条件10は、プラットフォーム(航空機の機体)の周波数毎の振動の強さを表わす。図5は、プラットフォーム振動条件10の一例を示すサンプル図である。同図は、F1〜F2の範囲の周波数で一定の強さの大きさのランダム波があり、さらに、F3の周波数で特異的に強いサイン波があることを示している。このようなサイン波は、たとえば、エンジンの特性などに起因するものである。
ジンバル機構伝達特性20は、ジンバル装置の周波数毎の振動の伝わりやすさを表わす。図6は、ジンバル機構伝達特性20の一例を示すサンプル図である。同図は、F0の周波数近辺で共振により振動が増幅されることを示している。
ジンバル装置に伝わる振動の強さに1G当たりのたわみ角度30を乗じたものが、最大たわみ角度40となる。この角度は、センサが垂直方向を向いているときの角度であり、センサがカメラ視軸方向を向いている場合は、この角度を視軸回りの角度に変換したものが、センサの検出値の最大値となる。
次に、従来の角速度制御方式について説明する。図10は、従来の角速度制御装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、角速度制御装置101は、ジンバル装置201と接続される。
ジンバル装置201は、カメラ等を格納し、空間安定性を確保する装置であり、視軸角速度検出部210と、アンプ230と、トルクモータ240とを有する。視軸角速度検出部210は、角速度を検出する角速度センサであり、常にカメラの視軸方向を向くように取り付けられる。
アンプ230は、空間安定性を確保するために、角速度制御装置101からの制御信号に基づいてトルクモータを駆動させる電力を増幅させる増幅装置である。トルクモータ240は、ジングル装置201の駆動部を駆動させ、空間安定性を実現させる装置である。
角速度制御装置101は、視軸角速度検出部210の検出した信号を基にして、ジンバル装置201に設置されたカメラの画像ぶれがなくなるようにフィードバック制御する制御装置であり、ドリフト成分補正器111と、ノイズ除去フィルタ141と、AZ軸演算器151と、補償器181とを有する。
ドリフト成分補正器111は、視軸角速度検出部210の検出した信号から、温度変化等によって変動するドリフト成分を除去する演算器である。ノイズ除去フィルタ141は、視軸角速度検出部210の検出した信号から、ノイズ成分を除去する演算器である。
AZ軸演算器151は、視軸角速度検出部210の検出した視軸回りの角速度成分をAZ軸回りの角速度成分に変換する演算器である。補償部181は、角速度指令0rad/sを実現するために必要な制御量を算出し、ジングル装置201のアンプ230へ伝達する演算器である。
AZ軸演算器151が角速度を変換するのは、ジングル装置201での振動補正制御がAZ軸回りの方向でおこなわれるためであり、この変換は、カメラの俯仰角度をθELとすると、1/cos(θEL)を角速度信号に乗じておこなわれていた。このため、カメラの視軸が垂直方向に近づくほど、信号が大きく増幅され、俯仰角度が85度になると11倍にも増幅されていた。
既に説明したとおり、カメラの視軸が垂直方向に近づくほど、視軸角速度検出部210が検出する角速度信号におけるたわみ振動成分が増大する。そして、AZ軸演算器151の変換によってこれがさらに大きく増幅されることとなる。このため、従来の角速度制御方式では、カメラの視軸が垂直方向に近づくと、指令角速度に対する偏差が大きくなり、アンプ230への駆動指令が飽和してしまい、空間安定化ができない状態が発生していた。
空間安定化を図るには、視軸角速度検出部210が検出した信号からたわみ振動成分を取り除くことが有効であるが、たわみ振動成分は、AZ軸回転成分と周波数が近いため、ノイズ除去フィルタ141で除去することができなかった。
次に、本実施例に係る角速度制御方式について説明する。図7は、本実施例に係るジンバル装置の概形を示すサンプル図である。同図に示すように、本実施例に係る角速度制御方式では、視軸角速度検出部210以外に、もう一つの角速度検出部であるAZ軸角速度検出部220を備える。
AZ軸角速度検出部220は、EL軸回りに回転する部分ではなく、機体取付け面近くのAZ軸旋回部に取り付けられる。この位置は、機体取付け面に近いため、たわみの影響をほとんど受けることがない。
図8は、本実施例に係る角速度制御装置の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、角速度制御装置100は、ジンバル装置200と接続される。なお、角速度制御装置100は、ジンバル装置200の内部に存在していても外部に存在していてもよい。
ジンバル装置200は、カメラ等を格納し、空間安定性を確保する装置であり、視軸角速度検出部210と、AZ軸角速度検出部220と、アンプ230と、トルクモータ240とを有する。視軸角速度検出部210は、角速度を検出する角速度センサであり、常にカメラの視軸方向を向くように取り付けられる。AZ軸角速度検出部220も、角速度を検出する角速度センサであり、これは、機体取付け面近くのAZ軸旋回部に取り付けられ、AZ軸回転成分のみを検出する。
アンプ230は、空間安定性を確保するために、角速度制御装置101からの制御信号に基づいてトルクモータを駆動させる電力を増減させる増幅装置である。トルクモータ240は、ジングル装置200の駆動部を駆動させ、空間安定性を実現させる装置である。
角速度制御装置100は、視軸角速度検出部210の検出した信号を基にして、ジンバル装置200に設置されたカメラのぶれがなくなるようにフィードバック制御する制御装置であり、ドリフト成分補正器110aと、ドリフト成分補正器110bと、視軸演算器120と、減算器130と、フィルタ演算器140と、AZ軸演算器150と、切換処理器160と、加算器170と、補償器180とを有する。
ドリフト成分補正器110aおよび110bは、それぞれ、視軸角速度検出部210およびAZ軸角速度検出部220の検出した信号から、温度変化等によって変動するドリフト成分を除去する演算器である。視軸演算器120は、AZ軸角速度検出部220が検出した角速度信号をカメラの視軸回りのAZ軸回転成分に変換する演算器である。
減算器130は、視軸角速度検出部210が検出した角速度信号からAZ軸角速度検出部220が検出した角速度信号を減算する演算器である。演算結果の角速度信号は、AZ軸回転成分が除去され、ロール方向回転成分とたわみ振動成分とが残った状態となる。
フィルタ演算器140は、角速度信号からたわみ振動成分を除去する演算装置であり、ノッチフィルタ140aとローパスフィルタ140bとを有する。ノッチフィルタ140aは、図5のF3や図6のF0のような特異な周波数に起因する加速度成分を除去する動作をおこなう。そして、ローパスフィルタ140bが、それ以外のたわみ振動成分を除去する動作をおこなう。
本実施例では、減算器130によってAZ軸回転成分を除去した状態の角速度信号からたわみ振動成分をフィルタリングして除去している。AZ軸回転成分が混在した状態ではこれと周波数特性が近いたわみ振動成分だけを除去するのは困難であるが、予めAZ軸回転成分が除去された状態であれば、たわみ振動成分をフィルタによって容易に除去することができる。
AZ軸演算器150は、ロール方向回転成分のみとなった視軸回りの角速度信号をAZ軸回りの角速度信号に変換する演算器である。切換処理器160は、カメラの俯仰角度が所定の値を超過した場合に、AZ軸演算器150からの信号を切断するスイッチである。
既に説明したとおり、カメラの俯仰角度が大きくなり、カメラが垂直方向に近づくほどAZ軸演算器150の出力は増幅され、結果として空間安定化ができなくなることがある。そこで、本実施例に係る角速度制御方式では、カメラの俯仰角度が所定の値を超過した場合には、AZ軸演算器150からの信号を切断して、AZ軸角速度検出部220が検出した角速度信号のみをもちいて制御をおこなうこととしている。
加算器170は、AZ軸角速度検出部220が検出したAZ軸回転成分からなる角速度信号と、AZ軸演算器150が出力するロール方向回転成分からなる角速度信号を加算する演算器である。補償部180は、加算器170が出力する角速度信号に対して、角速度指令0rad/sを実現するために必要な制御量を算出し、ジングル装置200のアンプ230へ伝達する演算器である。
次に本実施例に係る角速度制御装置100の動作について説明する。図9は、本実施例に係る角速度制御装置100の動作を説明するための説明図である。
同図に示すように、ジンバル装置200の視軸角速度検出部210でAZ軸回転成分と、ロール方向回転成分と、たわみ振動成分とからなる角速度信号が検出されると(ステップS101)、この信号は、角速度制御装置100のドリフト成分補正器110aに伝えられて温度変化等によって変動するドリフト成分が除去される(ステップS102)。ここでドリフト成分が除去された角速度信号は、減算器130へ伝達される。
これと同時に、ジンバル装置200のAZ軸角速度検出部220でAZ軸回転成分のみからなる角速度信号が検出されると(ステップS103)、この信号は、角速度制御装置100のドリフト成分補正器110bに伝えられて温度変化等によって変動するドリフト成分が除去される(ステップS104)。ここでドリフト成分が除去された角速度信号は、視軸演算器120と加算器170へ伝達される。
加算器170へ伝達された角速度信号は、カメラ視軸回りのAZ軸回転成分に変換され(ステップS105)、減算器130へ伝達される。
減算器130では、ドリフト成分補正器110aから伝えられた角速度信号から、加算器170から伝えられた角速度信号のAZ軸回転成分を減算し、ロール方向回転成分とたわみ振動成分とからなる角速度信号を生成し(ステップS106)、フィルタ演算器140へ伝達する。
フィルタ演算器140では、減算器130から伝えられた角速度信号からたわみ振動成分を除去してロール方向回転成分のみからなる角速度信号を生成して(ステップS107)、AZ軸演算器150へ伝達する。AZ軸演算器150では、伝達された信号をAZ軸回りの成分に変換して(ステップS108)、切換処理器160へ伝達する。
切換処理器160は、カメラの俯仰角度が所定の角度よりも小さい場合には角速度信号を加算器170に伝達し、カメラの俯仰角度が所定の角度よりも大きい場合にはAZ軸演算器150からの角速度信号を切り離す動作をとる(ステップS109)。
加算器170では、ドリフト成分補正器110bから伝えられた角速度信号と切換処理器160とから伝えられた角速度信号とを加算して、AZ軸回転成分とロール方向回転成分とからなる角速度信号を生成する(ステップS110)。ただし、カメラの俯仰角度が所定の角度よりも大きく、切換処理器160が入力を切り離した場合は、AZ軸回転成分のみからなる角速度信号が出力される。
補償器180は、加算器170から伝えらた角速度信号の大きさに対して、角速度指令0rad/sを実現するために必要な補正量を求め、ジンバル装置200のアンプ230へ伝達する。この一連の動作を繰り返し行うことで、角速度制御装置100は、ジンバル装置200の振動補正制御をおこなう。
上述してきたように、本実施例では、2つの角速度検出部からの角速度信号を利用してたわみ振動成分を除去した角速度情報に基づいてフィードバック制御をおこなうように構成したので、安定した振動補正制御をおこなうことができ、もって高い空間安定性を実現することができる。
なお、本発明に係る角速度制御装置は、カメラ以外の機器をジンバル装置に格納する場合にも適用することができる。また、ジンバル装置を航空機以外の乗り物に搭載する場合にも適用することができる。
(付記1)水平方向に回転する本体部と、前記本体部により支持され、取付け面と垂直方向に回転する機器格納部とを有する空間安定装置の振動抑制制御をおこなう角速度制御装置であって、
前記本体部に配設された第1の角速度検出手段より検出された角速度信号を、前記機器格納部に配設された第2の角速度検出手段より検出された角速度信号から減算処理し、前記取付け面回転方向の角速度成分を除去した角速度信号を出力する減算手段と、
前記減算手段の出力した角速度信号をフィルタ処理し、たわみ振動成分を除去した角速度信号を出力するフィルタ演算手段と、
前記フィルタ演算手段の出力した角速度信号と前記第1の角速度検出手段より検出された角速度信号とを加算処理した角速度信号を出力する加算手段と、
前記加算手段の出力した角速度信号を基にして前記空間安定装置の振動抑制のためのフィードバック制御をおこなう補償手段と
を備えたことを特徴とする角速度制御装置。
(付記2)前記機器格納部に格納された機器の俯仰角度が所定の範囲にある場合には、前記フィルタ演算手段の出力した角速度信号の前記加算手段への入力を抑止する切換処理手段をさらに備え、
前記加算手段は、前記切換処理手段が概加算手段への角速度信号を抑止する場合は、前記第1の角速度検出手段より検出された角速度信号をそのまま出力することを特徴とする付記1に記載の角速度制御装置。
(付記3)前記フィルタ演算手段は、空間安定装置の特異な伝道特性に起因するたわみ振動成分を除去するためのノッチフィルタを備えたことを特徴とする付記1または2に記載の角速度制御装置。
(付記4)前記フィルタ演算手段は、空間安定装置が搭載される装置の特異な振動条件に起因するたわみ振動成分を除去するためのノッチフィルタを備えたことを特徴とする付記1、2または3に記載の角速度制御装置。
(付記5)前記第1の角速度検出手段により検出された角速度信号および/または前記第2の角速度検出手段により検出された角速度信号に含まれるドリフト成分を除去するドリフト成分補正手段をさらに備えたことを特徴とする付記1〜4のいずれか一つに記載の角速度制御装置。
(付記6)水平方向に回転する本体部と、前記本体部により支持され、取付け面と垂直方向に回転する機器格納部とを有する空間安定装置の振動抑制制御をおこなう角速度制御方法であって、
前記本体部に配設された第1の角速度検出手段より検出された角速度信号を、前記機器格納部に配設された第2の角速度検出手段より検出された角速度信号から減算処理し、前記取付け面回転方向の角速度成分を除去した角速度信号を出力する減算工程と、
前記減算工程の出力した角速度信号をフィルタ処理し、たわみ振動成分を除去した角速度信号を出力するフィルタ演算工程と、
前記フィルタ演算工程の出力した角速度信号と前記第1の角速度検出手段より検出された角速度信号とを加算処理した角速度信号を出力する加算工程と、
前記加算工程の出力した角速度信号を基にして前記空間安定装置の振動抑制のためのフィードバック制御をおこなう補償工程と
を含んだことを特徴とする角速度制御方法。
以上のように、本発明にかかる角速度制御装置は、ジンバル装置の振動抑制制御に有用であり、特に、たわみ振動の影響を排除して高い空間安定性を確保することが必要な場合に適している。
ジンバル装置の概形を示すサンプル図である。 カメラが水平方向を向いている場合のたわみの影響を説明するための説明図である。 カメラが水平方向を向いている場合のカメラ画像のサンプル図である。 カメラが垂直方向を向いている場合のたわみの影響を説明するための説明図である。 カメラが垂直方向を向いている場合のカメラ画像のサンプル図である。 たわみの発生と検出のしくみを説明するための説明図である。 プラットフォーム振動条件の一例を示すサンプル図である。 ジンバル機構伝達特性の一例を示すサンプル図である。 本実施例に係るジンバル装置の概形を示すサンプル図である。 本実施例に係る角速度制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 本実施例に係る角速度制御装置の動作を説明するための説明図である。 従来の角速度制御装置の構成を示す機能ブロック図である。
符号の説明
10 プラットフォーム振動条件
20 ジンバル機構伝達特性
30 1G当たりのたわみ角度
40 最大たわみ角度
50 視軸回りのたわみ角度
100,101 角速度制御装置
110a,110b,111 ドリフト成分補正器
120 視軸演算器
130 減算器
140 フィルタ演算器
140a ノッチフィルタ
140b ローパスフィルタ
141 ノイズ除去フィルタ
150,151 AZ軸演算器
160 切換処理器
170 加算器
180,181 補償器
200 ジンバル装置
210,201 視軸角速度検出器
220 AZ軸角速度検出器
230 アンプ
240 トルクモータ

Claims (5)

  1. 水平方向に回転する本体部と、前記本体部により支持され、取付け面と垂直方向に回転する機器格納部とを有する空間安定装置の振動抑制制御をおこなう角速度制御装置であって、
    前記本体部に配設された第1の角速度検出手段より検出された角速度信号を、前記機器格納部に配設された第2の角速度検出手段より検出された角速度信号から減算処理し、前記取付け面回転方向の角速度成分を除去した角速度信号を出力する減算手段と、
    前記減算手段の出力した角速度信号をフィルタ処理し、たわみ振動成分を除去した角速度信号を出力するフィルタ演算手段と、
    前記フィルタ演算手段の出力した角速度信号と前記第1の角速度検出手段より検出された角速度信号とを加算処理した角速度信号を出力する加算手段と、
    前記加算手段の出力した角速度信号を基にして前記空間安定装置の振動抑制のためのフィードバック制御をおこなう補償手段と
    を備えたことを特徴とする角速度制御装置。
  2. 前記機器格納部に格納された機器の俯仰角度が所定の範囲にある場合には、前記フィルタ演算手段の出力した角速度信号の前記加算手段への入力を抑止する切換処理手段をさらに備え、
    前記加算手段は、前記切換処理手段が概加算手段への角速度信号を抑止する場合は、前記第1の角速度検出手段より検出された角速度信号をそのまま出力することを特徴とする請求項1に記載の角速度制御装置。
  3. 前記フィルタ演算手段は、空間安定装置の特異な伝道特性に起因するたわみ振動成分を除去するためのノッチフィルタを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の角速度制御装置。
  4. 前記フィルタ演算手段は、空間安定装置が搭載される装置の特異な振動条件に起因するたわみ振動成分を除去するためのノッチフィルタを備えたことを特徴とする請求項1、2または3に記載の角速度制御装置。
  5. 前記第1の角速度検出手段により検出された角速度信号および/または前記第2の角速度検出手段により検出された角速度信号に含まれるドリフト成分を除去するドリフト成分補正手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の角速度制御装置。
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