JP2006098985A - 固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物、これを用いた固体撮像素子レンズ及び固体撮像素子レンズの形成方法、並びに固体撮像素子 - Google Patents

固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物、これを用いた固体撮像素子レンズ及び固体撮像素子レンズの形成方法、並びに固体撮像素子 Download PDF

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Abstract

【課題】 高い自由度で、且つ、光学設計通りの形状を有する固体撮像素子レンズを作製することが可能な固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物を提供する。
また、上記感光性樹脂組成物を用いた固体撮像素子レンズ及び上記固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物を用いて固体撮像素子レンズを製造する方法、並びに該固体撮像素子レンズを備えた固体撮像素子を提供する。
【解決手段】 マイクロレンズを形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態により露光する際の透過光量分布を制御するフォトマスクを用いたマイクロレンズの形成方法において使用する、固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物であって、
残膜率飽和露光量を前記フォトマスクを介して感光性樹脂組成物に照射、現像した時のマスク開口率と残膜率の関係において、マスク開口率が20%から80%の範囲で最小2乗法により直線近似した時のR2が0.950〜1.000の範囲であることを特徴とする固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、設計の自由度が高く、光学的に優れた形状のマイクロレンズを設計通りに作製できる固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物、これを用いた固体撮像素子レンズ及び固体撮像素子レンズの形成方法、さらには固体撮像素子に関するものである。
固体撮像素子に用いられる層構成の代表例を、図1を用いて説明する。CCD又はCMOS等に用いられる撮像素子基板は、通常、シリコーンウェハ1、該シリコーンウェハ1上に形成された信号転送部2、及び該信号転送部2の相互間のシリコーンウェハ1表面に形成された受光部(光電変換部)3等から構成される。この撮像素子基板の表面には樹脂からなる下平坦化膜4が全面に設けられている。さらに、下平坦化膜4上の受光部3に対応する位置に各受光部に必要な分光特性に合わせて赤、緑、青(RGB)の組み合わせ、シアン、マゼンダ、イエロー(CMY)の組み合わせ又はその他の色のカラーフィルター層5が形成されている。そして、カラーフィルター層5の上には、樹脂からなる上平坦化膜6が全面に設けられている。さらに、上平坦化膜6上には、受光部3の集光効率を高めるためのマイクロレンズ7が、受光部3の位置に合わせて設けられた各カラーフィルター層5と対応する位置に選択的に設けられている。マイクロレンズ7は、その性質上、各受光部3及び各カラーフィルター層5の位置に合わせて正確に設けられることが要求される。
近年、固体撮像素子を搭載したデジタルカメラの高画質化や、携帯電話へのデジタルカメラ搭載及びコンパクトデジタルカメラの普及に伴う固体撮像素子自体の小型化に対応するべく、マイクロレンズや着色パターンの微細化が進んでいる。固体撮像素子に設けられるカラーフィルターのパターンサイズは、一般的に10μm角以下であり、その上に設けられるマイクロレンズのサイズも同様に微細なものである。パターンサイズが小さくなるにつれて、一受光部に届く光が少なくなる傾向があり、充分な感度が得られない場合がある。そのため、集光効率の高い光学的に優れたレンズ形状を有し、且つカラーフィルターや受光部の位置にあわせて正確に設けることができるマイクロレンズの開発が望まれている。
固体撮像素子のマイクロレンズに代表される曲面等の連続的変化形状を、感光性樹脂組成物を用いて形成する方法としては、次のような方法が挙げられる。すなわち、(1)所定のパターンを有するフォトマスクを利用して感光性樹脂組成物を露光、現像することによりパターンを形成し、得られたパターンに熱処理(熱フロー)を施して融解し、感光性樹脂組成物の表面張力によってレンズ形状を得る方法、(2)レンズ形成材料層上に、(1)と同様にして感光性樹脂組成物でレンズ形状を形成し、このレンズ形状の感光性樹脂をドライエッチングして、下層(レンズ形成材料層)にレンズ形状を転写する方法、(3)感光性樹脂組成物にパターン露光する際、デフォーカスすることによって解像力を調整し、現像後、レンズ形状を得る方法、等が一般的である(特許文献1〜5参照)。
しかし、上記(1)や(2)のような熱フロー方式では、熱によって融解したレンズ用感光性樹脂組成物とその下層との接触角や、熱フロー前のレンズ用感光性樹脂組成物の硬化の度合い、フロー温度等によって得られるレンズ形状をコントロールする必要があり、レンズ作製プロセスにかかる負荷が大きい。また、得られるレンズ形状は、レンズ用感光性樹脂組成物の表面張力に従った範囲のものしか作製することができないことから、光学的に設計された曲率を持つレンズが得られにくく、しかも、レンズ作製において制御できる要素が、少なくともレンズ用感光性樹脂組成物やその塗布膜厚、パターン作製時の露光量、プリベーク温度、プリベーク時間、ポストベーク温度、ポストベーク時間と多岐にわたるため、目的とするレンズ形状や所望の焦点距離を有する集光効率の良いマイクロレンズを形成することが難しい。また、熱フローによるマイクロレンズ作製では、固体撮像素子1チップに設けられる全てのレンズを一度の熱フローによってフローさせる場合がほとんどであり、カラーフィルターの色ごとにレンズ形状を変化させたり、固体撮像素子1チップにおける位置ごとにレンズ形状を変化させることが困難である。
上記(3)のようなデフォーカス方式は、露光の際にマスクパターンの開口部を中心としてフォーカスをずらすことにより光強度を変化させ、光強度による感光性樹脂組成物の反応性の差を利用することによりレンズ形状を得るものである。このデフォーカスによる光強度変化はマスク開口部からの回折、散乱光による変化に限られ、断面からみた膜厚極大値が2点以上あるような半球面形状や適した曲率を有するレンズを得ることは難しい。また、熱フロー方式同様、カラーフィルターの色ごとに形状を変化させたレンズや固体撮像素子1チップにおける位置ごとに形状を変化させたレンズを効率的に作製することが困難である。
以上のように、従来の一般的なマイクロレンズ作製法では、レンズ形状の自由度が低く、光学的に適したレンズ形状を設計通りに作製することは難しい。
そこで、レンズ形状の設計における自由度が高く、光学的に設計した通りのマイクロレンズを簡易的に作製できる技術の開発が望まれている。そのような技術の一例としては、階調的にマスク開口率を変化させることによって透過光量を変化させるフォトマスクを使用して一度の露光、現像でレンズ等の3次元形状を作製する方法(階調露光法)が挙げられる(特許文献6〜9参照)。階調露光法によるマイクロレンズの作製は、フォトマスク内の各部位によって透過光量を変化させることにより、一括露光でも対応するフォトマスク内の各部位によって露光量を異ならしめ、現像後の感光性樹脂組成物の膜厚をコントロールすることで、レンズ形状を得るものである。このように階調露光法は、マスクの開口率を変化させて透過光量を制御することによってレンズ形状を得るため、レンズ形状の設計の自由度が高く、上記した熱フロー方式やデフォーカス方式では得られなかった形状を有するマイクロレンズを作製することも可能である。
特開昭60−60756号公報 特開平5−203805号公報 特開平6−194502号公報 特開平9−152503号公報 特開平11−151758号公報 特開平5−142752号公報 特開2004−12940号公報 特開2004-70087号公報 特開2004−145319号公報
しかしながら、上記階調露光法によるマイクロレンズの作製に利用できる感光性樹脂組成物は限られている。一般のレンズ用感光性樹脂組成物は、フォトマスクのマスク開口率と残膜率とが曲線関係であり、開口率の範囲によってその残膜率の変化量が大きく異なるものが多い。また、特許文献9の図10のように、残膜率を変化させることが可能なマスク開口率の範囲が狭い場合がある。
例えば、あるマスク開口率の範囲では残膜率がほぼ一定であり、あるマスク開口率の範囲ではマスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量が非常に大きいレンズ用感光性樹脂組成物を用いる場合、上記残膜率がほぼ一定の範囲では、マスク開口率を変化させることによって残膜率をコントロールすることができず、一方、上記マスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量が非常に大きい範囲では、残膜率を細かくコントロールすることが難しい。
また、マスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量が適度な範囲と、上記のようにマスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量が非常に小さい又は大きな範囲とを有するようなレンズ用感光性樹脂組成物を用いる場合には、マスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量が適度な範囲を選択する必要があり、手間を要する。しかも、この場合、残膜率を変化させることが可能なマスク開口率の範囲が狭くなってしまう。
このように、一般的に用いられているレンズ用感光性樹脂組成物では、マスクの開口率を変化させることによって、残膜率をコントロールすることが難しく、理論的レンズ曲率から逆算されたマスク開口率変化をもとにマスク開口率を変化させたフォトマスクを用いても、設計した通りのレンズ形状が得られにくい。さらに、フォトマスクのマスク開口率と残膜率との関係は、個々のレンズ用感光性樹脂組成物によって大きく異なるため、個々の材料に対応したフォトマスクを作製する必要があり、製造コストの面から望ましくない。
以上の背景から、階調露光法に適したレンズ用感光性樹脂組成物の開発が望まれている。
本発明は上記実情を鑑みて成し遂げられたものであり、高い自由度で、且つ、光学設計通りの形状を有する固体撮像素子レンズを作製することが可能な固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。
また、本発明は、上記感光性樹脂組成物を用いた固体撮像素子レンズ及び上記固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物を用いて固体撮像素子レンズを形成する方法、並びに該固体撮像素子レンズを備えた固体撮像素子を提供することを目的とする。
本発明の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物は、マイクロレンズを形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態により露光する際の透過光量分布を制御するフォトマスクを用いたマイクロレンズの形成方法において使用する、固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物であって、残膜率飽和露光量を前記フォトマスクを介して感光性樹脂組成物に照射、現像した時のマスク開口率と残膜率の関係において、マスク開口率が20%から80%の範囲で最小2乗法により直線近似した時のR2が0.950〜1.000の範囲であることを特徴とする。
本発明の感光性樹脂組成物は、現像したときのマスク開口率と残膜率の関係が、マスク開口率20〜80%という広い範囲において略線形性を有していることから、マスク開口率による残膜率のコントロールが容易であり、しかも、レンズ形成の際に使用するフォトマスクの作成が容易である。さらに、上記のような略線形性を有し、得られる近似直線の傾きが等しく、且つ、同じ屈折率を有している感光性樹脂組成物であれば、感光性樹脂組成物を構成する材料が異なっていても、同じフォトマスクを用いてレンズを作製することも可能であり、複数の感光性樹脂組成物に対して、それぞれフォトマスクを作成する必要がない。
特に、前記マスク開口率が0〜100%の範囲における最大残膜率が75%以上である場合には、マスク開口率によってコントロールできる残膜率の範囲が広く、よりレンズ形状の設計における自由度が高くなるため、好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、ネガ型でもポジ型でもどちらでもよいが、感光性樹脂組成物膜において、光(可視及び非可視領域の波長の紫外線、電磁波及び放射線等の光線)が照射された部分の上面側から現像時の溶解性が付与されるポジ型の方が、設計通りのレンズ形状を得やすいため好ましく、中でも、前記マスク開口率が0%の時、最大残膜率が75%以上となるポジ型感光性樹脂組成物であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物としては、具体的に、少なくともキノンジアジド化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有するものが挙げられる。また、少なくとも、アルカリ可溶性樹脂及び光酸発生剤又は光塩基発生剤を含有するものも好適に使用することができる。
さらに具体的には、前記アルカリ可溶性樹脂がイミド骨格ユニット又はイミド骨格の前駆体構造を有するユニットを含む樹脂を含む固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物や、前記アルカリ可溶性樹脂がシロキサン骨格ユニットを含む樹脂を含む固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物、前記アルカリ可溶性樹脂がポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸の共重合体、メタクリル酸の共重合体、又はフェノール性水酸基を含有する樹脂より選ばれる少なくとも1つを含む固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物、或いは、前記アルカリ可溶性樹脂がポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体、又はメタクリル酸エステルの共重合体より選ばれる少なくとも1つを含む固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物等が挙げられる。
前記イミド骨格ユニット又はイミド骨格の前駆体構造を有するユニットを含む樹脂としては、ポリイミド又はポリアミック酸が挙げられ、前記フェノール性水酸基を含有する樹脂としては、p−ヒドロキシスチレンユニットを含む重合体が挙げられる。
本発明の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物は、さらに、硬化剤として、メラミン樹脂、エポキシ化合物、ノボラック樹脂、オキセタン化合物又はアルコキシド化合物より選ばれる少なくとも1つを含有することが好ましい。
薄くても集光効率の高いレンズを形成するため、前記固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物は、さらに、1.50以上の屈折率を有する微粒子を、固形分に対して5〜70重量%含み、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上であることが好ましい。
また、得られるレンズの耐熱性の点から、前記固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物は、硬化後のガラス転移温度が170℃以上であることが好ましい。
また、前記固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物は、膜厚1μmの硬化膜に成形したとき、400〜750nmの範囲の各波長を有する光に対する透過率が85%以上であることが好ましい。
以上のような本発明の感光性樹脂組成物は、固体撮像素子レンズを作製する際に好適に用いることができる。
本発明の固体撮像素子レンズの形成方法は、マイクロレンズを形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態により露光する際の透過光量分布を制御するフォトマスクを用いたマイクロレンズの形成方法において、前記固体撮像素子レンズ用感光用樹脂組成物のマスク開口率と残膜率との関係を、設計したレンズ形状に対応させることにより前記フォトマスクのパターンデータを作成する工程と、前記パターンデータを用いてフォトマスクを作製する工程と、前記固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物を用いて形成された塗膜を、前記フォトマスクを介して露光する工程とを含むものである。
本発明の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物を用いる上記固体撮像素子レンズの形成方法では、前記パターンデータを作成する工程において、20〜80%のマスク開口率範囲におけるマスク開口率と残膜率との関係を、設計したレンズ形状に対応させることができる。このように20〜80%という広い範囲において、マスク開口率を変化させることにより残膜率をコントロールすることが可能なフォトマスクを作製することによって、設計通りの所望のレンズ形状を有するマイクロレンズを作製することができる。また、従来用いられてきた固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物のように、残膜率をコントロールすることが可能なマスク開口率の範囲を選び出す必要がない。
本発明の固体撮像素子レンズは、固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物膜をより精密に露光を行うことができる観点から、前記露光工程において、ステッパーを用いた投影露光法により露光することにより形成することが好ましい。
以上のような本発明の固体撮像素子レンズは、特に高解像度のCCD素子やCMOS等の固体撮像素子や携帯電話用等の小型の固体撮像素子に好適に使用することができる。特に、固体撮像素子1チップ内に形状の異なる固体撮像素子レンズが、2種以上混在しているような固体撮像素子、具体的には、カラーフィルターにおける色によってレンズ形状が異なる固体撮像素子や、固体撮像素子1チップにおける位置によってレンズ形状が異なる固体撮像素子は、レンズの位置やカラーフィルターにおける色等による光感度のばらつきが抑制されているため、より高画質の固体撮像素子を得ることができる。
本発明の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物は、マスク開口率による残膜率のコントロールが容易であり、しかも、レンズ形成の際に使用するフォトマスクの作成が容易である。そのため、マイクロレンズを形成する際には、レンズ形状の設計における自由度が高く、且つ、理論的レンズ曲線から逆算して得られるマスク開口率を有するフォトマスクを用いて設計通りの形状を有するレンズを形成することが可能である。また、透過光量分布に対応して、マスク開口率を多段階に変化させることによって、レンズ曲率を細かく制御することができる。
ゆえに、本発明の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物を用いて形成される固体撮像素子レンズは、設計通りの理論的レンズ曲率を有し、優れた集光効率を実現するものとなる。このような固体撮像素子レンズを設けることによって、高画質な固体撮像素子を得ることが可能である。特に、レンズ形状をカラーフィルターにおける色によって変化させたり、固体撮像素子1チップにおける位置によって変化させた固体撮像素子は、レンズの位置やカラーフィルターにおける色による光感度のばらつきが抑制されているため、より高画質の固体撮像素子を得ることができる。
さらに、得られる近似直線の傾きが等しく、且つ、同じ屈折率を有している感光性樹脂組成物であれば、感光性樹脂組成物を構成する材料が異なっていても、同じフォトマスクを用いてレンズを作製することも可能である。その結果、複数の感光性樹脂組成物に対して、1つのフォトマスクを使いまわしすることができるため、フォトマスクの製造の手間が省け、さらには、製造コストを削減することができる。
本発明の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物は、マイクロレンズを形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態により露光する際の透過光量分布を制御するフォトマスクを用いたマイクロレンズの形成方法において使用する、固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物であって、前記フォトマスクを介して感光性樹脂組成物に残膜率飽和露光量を照射、現像した時のマスク開口率と残膜率の関係において、マスク開口率が20%から80%の範囲で最小2乗法により直線近似した時のR2が0.950〜1.000の範囲であることを特徴とするものである。
本発明の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物(以下、単に、感光性樹脂組成物ということがある)は、いわゆる階調露光法によりレンズを作製する際に使用されるものである。階調露光用フォトマスクに形成された微細なパターンは、感光性樹脂組成物に照射する光の波長では解像しない大きさであり、その分布状態によってマスクの透過光量が段階的に制御される。従って、このフォトマスクを介して露光された感光性樹脂組成物は、フォトマスクに形成されたパターンの分布状態に応じて連続的に変化する透過光量分布で露光され、現像後に所望の形状を有するレンズが得られる。
ここで、ポジ型の感光性樹脂組成物を用いて、マイクロレンズ(以下、単にレンズということがある)を作製するために用いる階調露光用フォトマスクについて、図2を用いて簡単に説明する。図2は、マイクロレンズの作製に用いられる階調露光用フォトマスクのドットパターンを示している。フォトマスク8は、光透過性支持体9上に、図2に示すようなドット10を位置選択的に描画することでドット分布状態を変化させたドットパターンにより、遮光パターンが形成されて構成されている。なお、遮光パターンを形成する微細なパターンは、透過光量を制御できればドットパターンに限定されず、ラインの分布状態を変化させたラインパターンでもよく、また、ドットやラインの形状や大きさも限定されるものではない。以下、フォトマスクの遮光パターンを形成する微細なパターンとして、便宜上、ドットパターンを例に本発明を説明していく。
図2では、中心付近でドット10の密度が最も高く、略同心円状に周辺に向かって階調的にドット10の密度が疎になるようにドット10が分布している。図2に示すパターンを有するフォトマスクを透過する光は、上記ドットの分布状態に対応して、フォトマスク中心部では透過光量が少なく、略同心円状に周辺に向かうにしたがって、階調的に透過光量が多くなる。このフォトマスクを介して露光を行ったポジ型感光性樹脂組成物膜は、フォトマスク中心部に対応する位置では、現像後もほぼ溶解せずに残存し、中心部から周辺へと向かうにしたがって溶解の度合いが大きくなり、曲面状の立体パターンを形成することとなる。
なお、フォトマスクに形成されるドットパターン等の遮光パターンは、感光性樹脂組成物より形成する所望のレンズ形状に応じて、適宜設計すればよい。具体的な、フォトマスクのパターンデータの作成については、後で説明する。
本発明の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物は、残膜率飽和露光量を上記のようなフォトマスクを介して照射、現像した時のマスク開口率と残膜率の関係において、マスク開口率が20%から80%の範囲で最小2乗法により直線近似した時のR2が0.950〜1.000の範囲であることを特徴とするものである。
ここで、残膜率飽和露光量とは、感光性樹脂組成物を、マスクを介さずに直接露光した時に残膜率を飽和させる露光量である。このとき、残膜率とは下記式にて表されるものである。
残膜率(%)=(現像後膜厚(μm)÷現像前膜厚(μm))×100
尚、残膜率の具体的な測定方法は後述する。
残膜率飽和露光量は、露光部分が現像時に溶解するポジ型の場合には、残膜率がこれ以上小さくならない、すなわち、残膜率が最小(0%)となる露光量であり、露光部分が硬化するネガ型の場合には、残膜率がこれ以上大きくならない、すなわち、残膜率が最大となる露光量である。残膜率飽和露光量は、使用する感光性樹脂組成物及び感光性樹脂組成物を用いて形成した当初の膜厚によって異なる。
また、マスク開口率とは、フォトマスクの透過光量が均一となるようにドットパターンを設けた領域(面積一定。例えば、100mm×50mm)における、ドットパターンによって遮光されていない面積の割合を示すものであり、{1−(前記領域中のドットパターンの面積)/(前記領域の面積)}×100(%)で表される。このとき、ドットパターンが全くない領域のマスク開口率は100%、ドットパターンによって完全に遮光されている領域のマスク開口率は0%となる。
マスク開口率と残膜率との関係は、例えば、一定面積(例えば、100mm×50mm)内では透過光量が均一となるようにドットパターンを設けた領域を、予め複数個形成したフォトマスクを用いて得ることができる。このフォトマスク上には、ドットパターンが全く無い開口率100%の領域、ドットパターンにより完全に遮光されている開口率0%の領域、及び開口率0%〜100%間を多段階に分ける開口率を有する領域が複数形成されている。このとき、多段階の段数は特に限定されないが、段数が多いほどより精密なデータが得られるため、例えば、10段階以上が好ましく、特に16段階以上が好ましい。
感光性樹脂組成物の残膜率とマスク開口率との関係は、通常、感光性樹脂組成物を用いて実際にレンズを作製する工程とほぼ同様の条件の下、上記開口率の異なる領域が複数形成されたフォトマスクを用いて評価する。当該感光性樹脂組成物の評価を行う際の条件は、感光性樹脂組成物を用いて実際にレンズを作製する工程の条件と完全に一致している必要はないが、できる限り一致していることが好ましい。
具体的には、一般的な固体撮像素子レンズの作製工程のように、まず、マイクロレンズを形成する基板と同等の基板上に、感光性樹脂組成物を所定の膜厚で塗布して塗膜を形成し、この塗膜を適切な条件で、例えば70〜160℃で、1〜10分間、プリベークする。このとき、所定の膜厚とは、固体撮像素子レンズを作製する際の一般的な膜厚、具体的には、プリベーク後の膜厚が0.3〜2.0μm程度となるような膜厚である。プリベーク後、残膜率飽和露光量を上記フォトマスクを介して、塗膜全面に一括露光し、フォトマスクの開口率の異なる領域に対応する各位置の塗膜の膜厚を測定する。この段階で測定した膜厚を「現像前膜厚」とする。
次に、露光した塗膜を適切な現像剤に接触させて露光部(ポジ型)又は未露光部(ネガ型)を溶解、除去し、残った未露光部(ポジ型)又は露光部(ネガ型)を必要に応じて洗浄することによって、塗膜を現像する。ここで、現像剤の組成及び現像の条件は、用いる感光性樹脂組成物に合わせて適切に選択する。現像剤としては、感光性樹脂組成物の未露光部(ポジ型)又は露光部(ネガ型)はほとんど溶解せず、露光部(ポジ型)又は未露光部(ネガ型)を完全に溶解できるものが好ましいことは言うまでもない。そして、現像された塗膜を、適切な条件で、例えば170〜280℃で、3〜60分間、ポストベークする。ポストベーク後、フォトマスクの開口率の異なる領域に対応する各位置の塗膜の厚さを測定し、「現像後膜厚」とする。
尚、残膜率とマスク開口率の関係を評価するための工程には、上記以外の工程を含んでいても良く、上述したように、実際のレンズ作製工程に合わせてその他の工程を追加してよい。例えば、現像工程とポストベーク工程との間に再度露光工程を含んでいてもよいし、露光工程と現像工程の間に加熱工程を含んでいてもよい。
このようにして測定された、フォトマスクの開口率の異なる領域に対応する各位置における塗膜の現像前膜厚と現像後膜厚とから上記した残膜率を表す式に従って、残膜率を計算する。
以上のようにして得られるマスク開口率(横軸)と残膜率(縦軸)との関係を図3に示す。本発明の感光性樹脂組成物は、以上のようにして得られたマスク開口率と残膜率とを、マスク開口率20〜80%の範囲において、最小二乗法により直線近似した時のR2が0.950〜1.000の範囲であることを特徴とするものである。なお、最小二乗法については周知技術であるためその説明を省略する。
従来一般的に使用されてきたレンズ用感光性樹脂組成物は、ある露光量、すなわち、あるマスク開口率の範囲では残膜率がほぼ一定、あるマスク開口率の範囲ではマスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量が非常に大きい、というように、マスク開口率と残膜率との関係がマスク開口率の範囲によって大きく異なるものが多い。マスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量が大きいと、マスク開口率によって残膜率を制御することが困難なため、マスク開口率に対して残膜率がなだらかに変化する範囲を選択し、その範囲内でマスク開口率を変化させる必要があった。従って、マスク開口率によって残膜率をコントロールすることが可能なマスク開口率の範囲が非常に狭く、フォトマスク設計や所望の形状を有するレンズの作製が困難であった。
これに対して、本発明の感光性樹脂組成物は、マスク開口率20〜80%の範囲において、マスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量がほぼ一定すなわち、マスク開口率と残膜率との関係がほぼ線形である。つまり、マスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量がマスク開口率の範囲によって大きく異ならない。しかも、マスクの開口率によって残膜率をコントロールすることが可能なマスク開口率の範囲が20〜80%と広い。従って、本発明の感光性樹脂組成物は、マスク開口率による残膜率のコントロールが容易である。
さらに、マスク開口率と残膜率との関係が略線形性を有していることから、所望のレンズ形状を形成するフォトマスクの透過光量分布を容易に求めることができ、しかも、残膜率をコントロールすることが可能なマスク開口率の範囲が広いため、従来一般的に使用されてきた感光性樹脂組成物と比較して、フォトマスクの作製も容易である。
そのため、本発明の感光性樹脂組成物を用いてレンズを形成する際には、レンズ形状の設計における自由度が高く、且つ、理論的レンズ曲線から逆算して得られるマスク開口率を有するフォトマスクを用いて設計通りの形状を有するレンズを形成することが可能であり、レンズ曲率を精密に制御することが可能である。
さらに、上記のような略線形性を有し、得られる近似直線の傾きが等しく、且つ、同じ屈折率を有している感光性樹脂組成物であれば、感光性樹脂組成物を構成する材料が異なっていても、同じフォトマスクを用いてレンズを作製することも可能である。すなわち、いくつかの感光性樹脂組成物に対して、1つのフォトマスクを使いまわしすることができるため、フォトマスクの製造の手間が省け、さらには、製造コストを削減することができる。
上記R2は、特に0.960〜1.000、さらに0.970〜1.000の範囲であることが好ましい。マスク開口率と残膜率の関係がより線形性の強いものであることにより、得られる近似直線と、もとのマスク開口率及び残膜率の関係との一致性が高くなるからである。このような近似直線を用いてフォトマスクのパターンデータ(後に説明する。)を作成することによって、さらに設計通りの形状を有するレンズを形成することができるフォトマスクを作製することが可能となる。
一般的に、マスク開口率20%未満では残膜率が殆ど変化せず、また、マスク開口率が80%を超える範囲では残膜率が飽和に達して残膜率が殆ど変化しない感光性樹脂組成物が多い。ゆえに、マスク開口率を20〜80%の範囲内で変化させることで残膜率をコントロールする場合が多い。本発明の感光性樹脂組成物が、上記のように残膜率を変化させることができるマスク開口率の範囲が20〜80%である場合には、この残膜率を変化させることができるマスク開口率の全範囲で、マスク開口率と残膜率とがほぼ線形であるため、より残膜率のコントロールが容易となる。
マスク開口率と残膜率との関係において、最小二乗法により直線近似した時のR2が0.950〜1.000の範囲となるマスク開口率の範囲は、10〜90%であることが好ましく、0〜100%であることが特に好ましい。より広いマスク開口率範囲において残膜率のコントロールが容易であり、レンズ設計の自由度に優れ、且つ、設計通りのレンズ形状が得られるからである。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、マスク開口率が0〜100%の範囲における最大残膜率が75%以上であることが好ましく、さらに80%以上、特に85%以上であることが好ましい。マスク開口率と残膜率との関係がほぼ線形である上に、最大残膜率が75%以上であることによって、開口率によってコントロールできる残膜率の範囲が広く、よりレンズ形状の設計における自由度が高くなるからである。しかも、最大残膜率が75%以上であることによって、マスク開口率と残膜率との直線近似により得られる直線が適度な傾きを有するものとなる。マスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量が小さすぎると、得られるレンズ形状がレンズ曲率の小さなだれたものになる恐れがあり、一方、マスク開口率の変化量に対する残膜率の変化量が大きいと、レンズ形状はだれないが、残膜率のコントロールが難しくなってしまう。
なお、本発明の感光性樹脂組成物は、上記特徴を有するものであれば、ポジ型でも、ネガ型でもよい。ゆえに、マスク開口率0〜100%の範囲における最大残膜率が75%以上であるとは、ポジ型の場合にはマスク開口率が0%の時に最大残膜率が75%以上、ネガ型の場合にはマスク開口率が100%の時に最大残膜率が75%以上、ということを意味する。しかしながら、感光性樹脂組成物膜において、光が照射された部分の上面側から現像時の溶解性が付与されるポジ型の方が、設計通りのレンズ形状を得やすいため好ましい。
以下、ポジ型の感光性樹脂組成物を例に、本発明について詳しく説明していく。
本発明のポジ型感光性樹脂組成物は、上記したような特徴を有しているものであれば、本感光性樹脂組成物を構成する具体的な成分や配合割合等は特に限定されるものではないが、好ましいものとして、少なくともキノンジアジド化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有するもの、或いは、少なくとも、アルカリ可溶性樹脂及び光酸発生剤又は光塩基発生剤を含有するものが挙げられる。なお、本発明において、アルカリ可溶性樹脂の「アルカリ可溶性」とは、アルカリ可溶性樹脂自体がアルカリ可溶性であることのほか、露光工程後にアルカリ可溶性となる(例えば、光酸発生剤により生成した酸又は光塩基発生剤により生成した塩基による作用を受けて側鎖が分解し、アルカリ可溶性を示すようになる)ことも含む。
また、キノンジアジド化合物、光酸発生剤または光塩基発生剤には所望の露光波長で感光しないものがあるため、キノンジアジド化合物、光酸発生剤または光塩基発生剤を反応させるための増感剤を適宜添加する場合もある。
キノンジアジド化合物とアルカリ可溶性樹脂を含む感光性樹脂組成物は、アルカリ現像後に膨潤しない高解像度の感光性樹脂組成物であるため好ましいものである。
キノンジアジド化合物としては、光の照射により分解し、酸を生成することができる構造を有するキノンジアジド化合物を使用することができ、例えば、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸アミド、1,2−ベンゾキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,2−ベンゾキノンジアジド−5−スルホン酸アミド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸アミド等が挙げられる。中でも、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルは、アルカリ現像液に対して、未露光部では溶解阻止、露光部では溶解促進効果を付与することができるため好ましい。
キノンジアジドスルホン酸エステルのエステル成分としては特に限定されるものではないが、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,4’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン、フェノール、1,3−ジヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸フェニル、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びそのフェニル基にさらに水酸基を1〜6つ付加させたビスフェノールA誘導体、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン及びそのフェニル基にさらに水酸基を1〜9つ付加させた化合物等を挙げることができる。
中でも、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン及びそのフェニル基にさらに水酸基を1〜6つ付加させたビスフェノールA誘導体、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン及びそのフェニル基にさらに水酸基を1〜9つ付加させた化合物等、複数のフェニル基とメチル基をメチンで結合した主骨格構造を有する化合物を添加した感光性樹脂組成物は、i線で露光する際に所望のパターン形状が得られやすいため好ましい。複数のフェニル基とメチル基をメチンで結合した主骨格構造を有する化合物としては、上記にて例示したものの他、メチンでメチル基と結合されたフェニル基に水酸基を有するフェニル基がメチレン鎖を介して結合した構造を有するものや、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンがメチレン鎖を介して複数結合した構造を有するもの等も挙げられる。
本発明において、キノンジアジド化合物は、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上の複数種を混合して用いても良い。なお、キノンジアジド化合物の配合割合は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し、好ましくは5〜50重量部、より好ましくは5〜35重量部の割合で配合する。キノンジアジド化合物の濃度を5重量部以上にすることで、光に対する感光性樹脂組成物の感度を高くすることができ、50重量部以下にすることで、感光性樹脂の残膜率を高く保つことができる。
アルカリ可溶性樹脂としては、現像時に露光部がアルカリ現像液に溶解し、有機溶剤に可溶で、塗膜性を有するものであれば特に制限されないが、好ましいものとしてイミド骨格ユニット又はイミド骨格の前駆体構造を有するユニットを含む樹脂、シロキサン骨格ユニット又はシロキサン骨格の前駆体構造を有するユニットを含む樹脂等を挙げることができる。イミド骨格ユニット又はイミド骨格の前駆体構造を有するユニット含む樹脂及びシロキサン骨格ユニット又はシロキサン骨格の前駆体構造を有するユニットを含む樹脂は、それぞれ、その他の骨格ユニットを含んでいてもよく、例えば、イミド骨格ユニットとシロキサン骨格ユニットを含む樹脂を用いることもできる。
イミド骨格ユニット又はイミド骨格の前駆体構造を有するユニットを含むアルカリ可溶性樹脂としては、イミド骨格ユニット又はイミド骨格の前駆体構造を有するユニットを含みアルカリ可溶性を示すものであれば、特に限定されない。イミド骨格の前駆体構造を有するユニットを含むものとしては、例えば、ポリアミック酸、ポリアミック酸反応性誘導体等が挙げられる。
ポリアミック酸は、通常、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物又はその他の酸二無水物と、ジアミン化合物とを重縮合させることによって得ることができる。ポリアミック酸は、加熱により脱水閉環し、ポリイミドに転化して硬化するものであり、硬化剤としての機能も有している。
ポリアミック酸反応性誘導体としては、ポリアミック酸のカルボキシ基を完全又は部分的にエステル化することによって保護したものが挙げられる。ポリアミック酸によっては、感光性樹脂組成物内でキノンジアジド化合物による溶解阻止効果を大きく超える過剰なアルカリ可溶性を示すものがあり、この場合には、ポリアミック酸のカルボキシ基をアルコール等によって部分的にエステル化したポリアミック酸誘導体を用いることが好ましい。カルボキシ基をエステル化するために用いるアルコールとしては、メタノールやエタノール等の脂肪族アルコールが主に用いられるがこの限りではない。
イミド骨格ユニットを含むアルカリ可溶性樹脂としては、ポリアミック酸又はポリアミック酸反応性誘導体を加熱し、脱水閉環することによって得られるポリイミド樹脂が挙げられる。
テトラカルボン酸の具体的な化合物としては、ピロメリット酸、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸、1,2,3,4−シクロブテンカルボン酸、1,2,4,5−シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ビシクロヘキシルテトラカルボン酸、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸、3,4−ジカルボキシ1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンー1−コハク酸、3,3',4,4'−ビフェニルテトラカルボン酸、2,3,3',4'−ビフェニルテトラカルボン酸、3,3',4,4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸(4,4'−オキシジフタル酸)、2,3,3',4'−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、3,3',4,4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,3,3',4'−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸、1,4,5,8、−ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸、2,4,9,10−テトラカルボキシペリレン、2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{4−(3,4−ジカルボキシフェニキシ)フェニル}ヘキサフルオロプロパン等が挙げられる。また、これらの酸二無水物も使用することができる。
テトラカルボン酸二無水物及びその他の酸無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、1,4−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、2,2−ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、4,4’−ビス〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、4,4’−ビス〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルプロパン二無水物、2,2−ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}−1,1,1,3,3,3−プロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ぺリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。特に好ましく用いられるテトラカルボン酸二無水物としては、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物が挙げられる。
これらのテトラカルボン酸、テトラカルボン酸二無水物、その他の酸二無水物は、単独又は二種以上を混合して使用することができる。
ジアミン化合物は、芳香族系、シロキサン系、脂肪族系等、特に限定されない。芳香族系ジアミン化合物としては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン等のベンゼン環を1つ有するもの、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン等のベンゼン環を2つ有するもの、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン等のベンゼン環を3つ有するもの等が挙げられる。
また、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン等のベンゼン環を4つ有するもの、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン等のベンゼン環を5つ有するものや、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノーα,αージメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノーα,αージメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン等のベンゼン環を6つ有するもの等が挙げられる。
さらに、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン等の芳香族置換基を有するもの、6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン等のスピロビインダン環を有するもの、1−ヒドロキシ−2,5−ジアミノベンゼン、1−ヒドロキシ−3,5−ジアミノベンゼン、3,3'−ジヒドロキシ−4,4'−ジアミノビフェニル、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジアミノビフェニル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジヒドロキシ−4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、4,4'−ジヒドロキシ−3,3'−ジアミノジフェニルエーテル、1,4−ビス(3−ヒドロキシ−4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−ヒドロキシー3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−ヒドロキシー4−アミノフェノキシ)ベンゼン等の芳香族環に直接水酸基が結合しているもの等が挙げられる。
シロキサン系ジアミン化合物としては、1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
脂肪族系ジアミン化合物としては、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロトキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル等のエチレングリコールジアミン類や、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン等のメチレンジアミン類、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロへキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン等の脂環式ジアミン類が例示される。
また、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てをフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、又はトリフルオロメトキシ基から選ばれた置換基で置換したジアミンも使用することができる。さらに、目的に応じ、架橋点となるエチニル基、ベンゾシクロブテン−4’−イル基、ビニル基、アリル基、シアノ基、イソシアネート基、及びイソプロペニル基を、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部若しくは全てに置換基として導入しても使用することができる。これらジアミンは単独または二種以上を混合して使用することができる。
イミド骨格ユニット又はイミド骨格の前駆体構造を有するユニットを有するアルカリ可溶性樹脂は、上記したものに限らず、従来のアルカリ可溶性樹脂、例えば、後述するアクリル系樹脂やフェノール性水酸基を有する高分子化合物等にイミド骨格ユニット又はイミド骨格の前駆体構造を有するユニットを導入した構造を有するものでもよい。
上記のようなイミド骨格ユニット又はイミド骨格の前駆体構造を有するユニットを有するアルカリ可溶性樹脂を含有させることによって、感光性樹脂組成物に耐熱性を付与することができる。
シロキサン骨格ユニット又はシロキサン骨格の前駆体構造を有するユニットを含むアルカリ可溶性樹脂としては、シロキサン骨格ユニット又はシロキサン骨格の前駆体構造を有するユニットを含みアルカリ可溶性を示すものであれば特に限定されるものではない。本発明においてシロキサン骨格ユニットとは、酸素(O)と珪素(Si)が直接結合した構造(Si−O)を有するものであり、酸素原子や珪素原子に他の任意の置換基が結合されていてもよい。
例えば、シロキサン骨格ユニットを含むアルカリ可溶性樹脂としては、前述の種々のアルカリ可溶性樹脂を構成するモノマー成分とシロキサン骨格を持つユニットとの共重合体やフェノール性水酸基をもつポリシロキサン化合物が挙げられる。具体的には、ポリアミック酸へのシロキサン骨格導入例として、ポリアミック酸を構成する酸無水物及びジアミンに、ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンやビス(p−アミノ−フェニル)オクタメチルペンタシロキサンなどを1〜20モル%の範囲で共重合したものが挙げられる。
シロキサン骨格ユニット又はシロキサン骨格の前駆体構造を有するユニットを含むアルカリ可溶性樹脂は、上記したものに限らず、従来のアルカリ可溶性樹脂、例えば、後述するアクリル系樹脂やフェノール性水酸基を有する高分子化合物にシロキサン骨格ユニット又はシロキサン骨格の前駆体構造を有するユニットを導入した構造を有するものでもよい。
シロキサン骨格ユニット又はシロキサン骨格の前駆体構造を有するユニットを有するアルカリ可溶性樹脂を含有させることによって、感光性樹脂組成物に耐熱性及び高透明性を付与することができる。
また、アルカリ可溶性樹脂として、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体等のアクリル系樹脂や、フェノール性水酸基を含有する樹脂等も有用である。
アクリル系樹脂のうち、アクリル酸共重合体、メタクリル酸共重合体等の共重合体としては、アクリル酸、メタクリル酸、及びこれらの誘導体からなるアルカリ可溶性モノマーを、その他のアルカリ可溶性モノマー又はアルカリ可溶性を有していないモノマーと重合したものが挙げられる。アルカリ可溶性モノマーとしては、上記アクリル酸、メタクリル酸のほかマレイン酸、イタコン酸、クロトン酸、等を例示できる。アルカリ可溶性を有していないモノマーとしては、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル、スチレン、ヒドロキシスチレンエステル、ビニルアルコール、酢酸ビニル、ビニルエステル及びこれらの反応性誘導体等を例示できる。アルカリ可溶性を有していないモノマーを共重合させる場合には、アルカリ可溶性を保持できる範囲内で、これらのモノマーを重合させる必要がある。
また、アルカリ可溶性でないアクリル酸エステル共重合体を加水分解し、カルボキシ基を含む構造としてアルカリ可溶性を付与させる場合や、反応性の二重結合やグリシジル基をもつポリアクリル酸誘導体に、カルボキシ基を持つ反応性の化合物を反応させ、カルボキシ基を含む構造としてアルカリ可溶性樹脂とする場合がある。
フェノール性水酸基を含有する樹脂は、特に限定されず、例えば、ヒドロキシスチレンユニットを含む樹脂等が挙げられる。ヒドロキシスチレンユニットを含む樹脂としては、具体的にはp−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、o−ヒドロキシスチレン、2−(o−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(m−ヒドロキシフェニル)プロピレン、2−(p−ヒドロキシフェニル)プロピレン等を含む樹脂が挙げられ、例えば、ポリヒドロキシスチレン、及びヒドロキシスチレン共重合体を用いることができる。ヒドロキシスチレン共重合体としては、ヒドロキシスチレンとスチレンとの共重合体、ヒドロキシスチレンとアセトキシスチレンとの共重合体、ヒドロキシスチレンとアクリル酸等のアクリル系モノマーとの共重合体等が挙げられ、特に、ヒドロキシスチレンとスチレンとの共重合体が好ましい。上記ヒドロキシスチレンユニットを含む樹脂の中でも、p−ヒドロキシスチレンを含む樹脂が好ましく、ポリp−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンとスチレンとの共重合体が好ましい。
フェノール性水酸基を有する化合物としては、例えば、Bis−Z、BisOC−Z、BisOPP−Z、BisP−CP、BisOTBP−Z、BisOCHP−Z、BisOCR−CP、BisP−MZ、BisP−EZ、BisPC−PCHP、BisRS−PEP、BisTBC−PC、Bis24X−PC、Bis35X−PC、メチレンビス−p−CR、o,o’−BPF、o,o’−BisOC−F、o,o’−Bis25X−F、MB−PIPP、BisMHQ−F、Bis24X−F(以上、商品名、本州化学工業製)や、BIHQ−PC、BI2MR−PC、BI4MC−PC、BIR−34X、BIR−PAP、BIPC−PC、BIR−PC、BIR−PTBP、BIR−PCHP、4PC、BIR−BIPC−F(以上、商品名、旭有機材工業製)等の市販品を用いることもできる。
本発明において、上記にて例示したようなアルカリ可溶性樹脂は1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上の複数種を混合して用いても良い。
イミド骨格ユニット又はイミド骨格の前駆体構造を有するユニットを含むアルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド化合物を含む感光性樹脂組成物としては、具体的には、CS5100(商品名、東レ製)、DL−2000(商品名、東レ製)が好ましく用いられる。また、フェノール性水酸基を含有するアルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド化合物を含む感光性樹脂組成物としては具体的には、MFR−401(商品名、JSR製)が好ましく用いられる。
次に、アルカリ可溶性樹脂及び光酸発生剤又は光塩基発生剤を含有する感光性樹脂組成物について説明する。
アルカリ可溶性樹脂としては、上記したアルカリ可溶性樹脂自体がアルカリ可溶性を有しているものの他、酸若しくは塩基を作用させることによりアルカリ可溶性を示す樹脂を用いることができる。特に、酸若しくは塩基を作用させることによりアルカリ可溶性を示す樹脂を用いた場合には、未露光部分はアルカリ現像溶液に溶解しないので、最大残膜率が大きくなり、残膜率の制御が容易になる上、さらに設計通りのレンズ形状を形成することが可能となるため好ましい。
酸又は塩基を作用させることによりアルカリ可溶性を示す樹脂としては、アルカリ可溶基が酸又は塩基の作用により脱離する基で保護された基を有する樹脂を用いることができる。このような樹脂は、露光時に光酸発生剤から生成する酸、又は、光塩基発生剤から生成する塩基により、上記アルカリ可溶性基を保護している基が、室温又は露光後の加熱で脱離し、アルカリ可溶性を示すものであれば特に限定されず、例えば、イミド骨格ユニットやシロキサン骨格ユニットを有する高分子化合物に、酸又は塩基を作用させることによりアルカリ可溶性を示す基を導入した構造を有する樹脂、或いは、上記にて列挙したアルカリ可溶性樹脂のアルカリ可溶性基の一部又は全部を、酸又は塩基を作用させることにより脱離する基で保護した構造を有する樹脂等を用いることができる。
アルカリ可溶性基が酸又は塩基の作用により脱離する基で保護されている基としては、具体的には、例えばメトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−メトキシプロピル基、1−メトキシブチル基、1−エトキシエチル基、1−エトキシプロピル基、1−エトキシブチル基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基、1−メトキシ−1−メチルエチル基、t−ブトキシカルボニル基等を挙げることができる。また、これらの例示した基のうち、メトキシ基のメチル基、エトキシ基のエチル基等、酸又は塩基の作用により脱離する部分がフッ素化されたものも挙げられる。具体的には、トリフルオロメトキシメチル基、1−トリフルオロメトキシエチル基等を例示することができる。
酸若しくは塩基を作用させることによりアルカリ可溶性を示す樹脂としては、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体、又はメタクリル酸エステルの共重合体が好適に使用することができる。その理由は、骨格の自由度が高く、アルカリ可溶性能をもつカルボン酸等の側鎖の導入が容易であるため、酸化等のコントロールがしやすく、現像液に対する溶解度をコントロールすることができるからである。さらに、これらの樹脂は、一般的に用いられている樹脂として安価な材料であり、コストを削減することが可能である。
アルカリ可溶性基の保護は、樹脂の全てのアルカリ可溶性基に行う必要はなく、アルカリ可溶基全体の50〜100モル%を保護することが好ましい。また、保護された樹脂100重量部に保護されていない樹脂を1〜50重量部混合することも可能である。このような保護されていない基、樹脂を含むことにより現像時の溶解速度を調節することが可能になる。
本発明において、上記にて例示したようなアルカリ可溶性樹脂は1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上の複数種を混合して用いても良い。
光酸発生剤としては、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物、ジアゾケトン化合物等を例示することができる。
オニウム塩としては、例えば、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスニウム塩、オキソニウム塩等が挙げられる。具体的には、ジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、ジアルキル−4−ヒドロキシスルホネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネート等を例示することができる。
ハロゲン含有化合物としては、例えば、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物等が挙げられる。具体的には、1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン等を例示することができる。
ジアゾメタン化合物としては、例えば、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(ベンゾイル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物等が挙げられる。具体的には、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタン等を例示することができる。
スルホン酸エステル化合物としては、例えば、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、アリールスルホン酸−p−ニトロベンジルエステル、イミノスルホネート等が挙げられる。具体的には、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリメシレート、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート、2,5−ジニトロベンジルトシレート等を例示することができる。
スルホンイミド化合物としては、具体的には、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−トシフタル酸イミド等を挙げることができる。
ジアゾケトン化合物としては、具体的には、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物等が挙げられる。
また、シラノール−アルミニウム錯体、(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)等も用いることができる。
光酸発生剤として特に好ましく用いられるのは、スルホニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、スルホン酸エステル、イミドスルホネート、ジアルキル−4−ヒドロキシスルホニウム塩、アリールスルホン酸−p−ニトロベンジルエステル、シラノール−アルミニウム錯体、(η6−ベンゼン)(η5−シクロペンタジエニル)鉄(II)等が例示され、さらに具体的には、ベンゾイントシレート、2,5−ジニトロベンジルトシレート、N−トシフタル酸イミド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明において、光酸発生剤は1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上の複数種を混合して用いても良い。なお、光酸発生剤の配合比は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部の割合で配合する。光酸発生剤の濃度を1重量部以上にすることで、光に対する感光性樹脂組成物の感度を高くすることができ、30重量部以下にすることで、感光性樹脂の残膜率を高く保つことができる。
光塩基発生剤としては、遷移金属錯体、オルトニトロベンジルカルボメート類、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルカルバメート類、アシルオキシイミノ類等が挙げられる。
遷移金属錯体としては、例えば、ブロモペンタアンモニアコバルト過塩素酸塩、ブロモペンタメチルアミンコバルト過塩素酸塩、ブロモペンタプロピルアミンコバルト過塩素酸塩、ヘキサアンモニアコバルト過塩素酸塩、ヘキサメチルアミンコバルト過塩素酸塩、ヘキサプロピルアミンコバルト過塩素酸塩等が挙げられる。
オルトニトロベンジルカルボメート類として、具体的には、[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]メチルアミン、[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]プロピルアミン、[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキシルアミン、[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン、[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]アニリン、[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ピペリジン、ビス[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキサメチレンジアミン、ビス[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]フェニレンジアミン、ビス[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]トルエンジアミン、ビス[[(2−ニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ジアミノジフェニルメタン、[[(2、6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]メチルアミン、[[(2、6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]プロピルアミン、[[(2、6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ブチルアミン、[[(2、6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキシルアミン、[[(2、6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]アニリン、ビス[[(2、6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]エチレンジアミン、ビス[[(2、6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキサメチレンジアミン、ビス[[(2、6−ジニトロベンジル)オキシ]カルボニル]フェニレンジアミン等が挙げられる。
α、α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルカルバメート類として、具体的には、[[(α、α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジル)オキシ]カルボニル]メチルアミン、[[(α、α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジル)オキシ]カルボニル]プロピルアミン、[[(α、α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジル)オキシ]カルボニル]ブチルアミン、[[(α、α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキシルアミン、[[(α、α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジル)オキシ]カルボニル]シクロヘキシルアミン、[[(α、α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジル)オキシ]カルボニル]アニリン、[[(α、α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジル)オキシ]カルボニル]ピペリジン、ビス[[(α、α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジル)オキシ]カルボニル]エチレンジアミン、ビス[[(α、α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジル)オキシ]カルボニル]ヘキサメチレンジアミン、ビス[[(α、α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジル)オキシ]カルボニル]フェニレンジアミン等が挙げられる。
アシルオキシイミノ類として、具体的には、プロピオニルアセトフェノンオキシム、プロピオニルベンゾフェノンオキシム、プロピオニルアセトンオキシム、ブチリルアセトフェノンオキシム、ブチリルアセトンオキシム、アジポイルアセトフェノンオキシム、アジポイルアセトンオキシム、アクロイルアセトフェノンオキシム、アルロイルベンゾフェノンオキシム、アクロイルアセトンオキシム等が挙げられる。
本発明において、光塩基発生剤は1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上の複数種を混合して用いても良い。なお、光塩基発生剤の配合比は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し、好ましくは1〜30重量部、より好ましくは5〜20重量部の割合で配合する。光塩基発生剤の濃度を1重量部以上にすることで、光に対する感光性樹脂組成物の感度を高くすることができ、30重量部以下にすることで、感光性樹脂の残膜率を高く保つことができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ可溶性樹脂及びキノンジアジド化合物の組み合わせ、或いは、アルカリ可溶性樹脂及び光酸発生剤又は光塩基発生剤の組み合わせに、さらに、硬化剤として、メラミン樹脂、エポキシ化合物、ノボラック樹脂、オキセタン化合物又はアルコシキド化合物より選ばれる少なくとも1つを含有することが好ましい。これら硬化剤を含有させることにより、熱硬化性が向上し、耐熱性、耐薬品性に優れたレンズを形成することができる。
メラミン樹脂としては、例えば、ヘキサメチロールメラミン、アルキル化ヘキサメチロールメラミン、部分メチロール化メラミン又はそのアルキル化体、テトラメチロールベンゾグアナミン、アルキル化テトラメチロールベンゾグアナミン、部分メチロール化ベンゾグアナミン又はそのアルキル化体等が挙げられる。
エポキシ系硬化剤としては、例えば、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エトキシヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ジグリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、o−フタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジルヘキサヒドロフタレート等のグリシジルエステル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシシクロヘキサン)カルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサン)カルボキシレート、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジシクロペンタジエンオキサイド、ビス(2,3−エポキシシクロペンチル)エーテル、シクロヘキセンオキシド等の脂環式エポキシ等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ノボラック樹脂は、種々のフェノール類の単独或いはそれらの複数種の混合物と、ホルムアルデヒドやパラホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを80〜200℃で重縮合することによって得ることができる。また、これらのポリマーを部分エーテル化、部分エステル化したポリマーも使用することができる。
ノボラック樹脂を構成するフェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、p−クレゾール、m−クレゾール、o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、p−イソプロピルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,4−ジメチルフェノール、2,5−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、3,4−ジメチルフェノール、3,5−ジメチルフェノール、2,3,4−トリメチルフェノール、2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール、2,4,5−トリメチルフェノール、メチレンビスフェノール、メチレンビスp−クレゾール、レゾルシノール、カテコール、ピロガロール、2−メチルレゾルシン、4−メチルレゾルシン、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、2,3−ジクロロフェノール、m−メトキシフェノール、p−メトキシフェノール、p−ブトキシフェノール、2,3−ジエチルフェノール、2,5−ジエチルフェノール、α−ナフトール、β−ナフトール等が挙げられ、これらは単独でまたは複数の混合物として用いることができる。
アルデヒド類としては、例えば、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒド、ヒドロキシベンズアルデヒド、クロロアセトアルデヒト等が挙げられ、これらは単独でまたは複数の混合物として用いることができる。
オキセタン化合物は、分子内にオキセタン環を有していれば特に限定されるものではない。分子内のオキセタン環の数は1個でも2個以上でもよく、好ましくは2個以上である。オキセタン化合物としては、例えば、オキセタン、2−メチルオキセタン、2,2−ジメチルオキセタン、3−メチルオキセタン、3,3−ジメチルオキセタン等のアルキルオキセタン、3−メチル−3−メトキシメチルオキセタン、3,3’−ジ(トリフルオロメチル)パーフルオロオキセタン、2−クロロメチルオキセタン、3,3−ビス(クロルメチル)オキセタン、カーボネートビスオキセタン、キシリレンビスオキセタン、アジペートビスオキセタン、テレフタレートビスオキセタン、シクロヘキサンジカルボン酸ビスオキセタン等が挙げられる。
アルコキシド化合物としては、特に限定されず、例えば、ケイ素、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、ゲルマニウム、バリウム、銅、ランタン、タンタル等の金属を含むものが挙げられる。具体的には、例えば、Si(OR)、R1Si(OR)等のケイ素アルコキシド、Ti(OR)、R1Ti(OR) 等のチタンアルコキシド、Zr(OR)、RZr(OR)等のジルコニウムアルコキシド、Al(OR)、RAl(OR)等のアルミニウムアルコキシド、Ge(OR)、RGe(OR)等のゲルマニウムアルコキシド、Ba(OR)等のバリウムアルコキシド、Cu(OR)等の銅アルコキシド、La(OR)等のランタンアルコキシド、Ta(OR)等のタンタルアルコキシド等の金属アルコキシド化合物が挙げられる。ここで、R、はアルキル基、Rは、アルキル基、フェニル基、グリシジル基、オキセタニル基、アミノ基、チオシジル基、ビニル基等を含有した官能基を示している。上記アルコキシド化合物のうち、ケイ素アルコキシド化合物は、ゾル−ゲル反応によりポリシロキサン構造をとることにより、耐熱性及び透明性に優れたレンズが得られるため好ましい。
これらの硬化剤は、1種類を単独で使用しても良いし、2種類以上の複数種を混合して用いても良い。なお、硬化剤の配合比は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対し、好ましくは1〜90重量部、より好ましくは5〜50重量部の割合で配合する。硬化剤の濃度を1重量部以上にすることで、充分な硬化膜が得られ、90重量部以下にすることによって、充分なアルカリ可溶性を保持することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記した各成分の他、必要に応じて、各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、上記以外の高分子化合物、微粒子、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、密着促進剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の感光性樹脂組成物は、屈折率を調節することを目的として、さらに微粒子を含むことが好ましい。この微粒子は、当該微粒子を除いた材料からなる感光性樹脂組成物の屈折率より屈折率が高いものであり、具体的には、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上の微粒子が好ましく、特に屈折率が1.70以上、さらには1.90以上の微粒子が好ましい。
ここで、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.50以上であるとは、上記範囲の波長を有する光における平均屈折率が1.50以上であることを意味し、上記範囲の波長を有する全ての光における屈折率が1.50以上であることを要しない。また、平均屈折率は、上記範囲の波長を有する各光に対する屈折率の測定値の総和を、測定点の数で割った値である。
このような高い屈折率を有する微粒子としては、例えば、無機酸化物微粒子等の無機微粒子や有機微粒子等を例示することができ、中でも、透明性が高く光透過性を有することから無機酸化物微粒子が好ましい。無機酸化物は、無色であるか又はほとんど着色していないので、屈折率が高いものは高屈折率を付与するための成分として適している。光透過性で屈折率の高い無機酸化物としては、酸化チタン(TiO)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ジルコニウム(ZrO)、インジウム/スズ酸化物(ITO)、アンチモン/スズ酸化物(ATO)等が挙げられる。酸化チタンとしては、特に屈折率の高いルチル型が好ましい。
感光性樹脂組成物の透明性を低下させないためには、これら微粒子の一次粒子径は、10〜350nm程度が好ましく、特に10〜100nm程度が好ましい。一次粒子径が350nmより大きい微粒子は、感光性樹脂組成物の透明性を損なうおそれがあり、一次粒子径が10nmより小さい微粒子は、凝集しやすく、感光性樹脂組成物中に均一に分散させることが困難である。ここで微粒子の一次粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)等により目視計測してもよいし、動的光散乱法や静的光散乱法等を利用する粒度分布計等により機械計測してもよい。また、微粒子の一次粒子径が上記範囲内であれば、その粒子形状が球状であっても針状であっても、その他どのような形状であってもよい。
本発明の感光性樹脂組成物において、上記範囲の波長を有する光において1.50以上の屈折率を有する微粒子の含有量は、感光性樹脂組成物により得られるレンズに要求される屈折率や、光透過性等を考慮して、適宜決定すればよいが、感光性樹脂組成物の固形分に対して、5〜70重量%程度とすることが好ましく、このとき、400〜750nmの波長を有する光における該感光性樹脂組成物の屈折率が1.50以上であることが好ましい。このように高屈折率の感光性樹脂組成物を用いることによって、薄くても集光効率の高いレンズを得ることができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、上記したような各成分を固形分濃度が5〜35重量%となるように、溶剤に溶解又は分散させ、濾過によって不溶分を除去することにより調製される。溶剤としては、各成分の溶解性や感光性樹脂組成物の塗膜性を満たすものであれば特に限定されず、一般の感光性樹脂組成物に用いられているものを用いることができる。
本発明に用いる溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、N−プロピルアルコール、i−プロピルアルコールなどのアルコール系溶剤;メトキシアルコール、エトキシアルコールなどのセロソルブ系溶剤;メトキシエトキシエタノール、エトキシエトキシエタノールなどのカルビトール系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤;アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶剤;メトキシエチルアセテート、メトキシプロピルアセテート、メトキシブチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶剤;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテートなどのカルビトールアセテート系溶剤;ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどの非プロトン性アミド溶剤;γ−ブチロラクトンなどのラクトン系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン、ナフタレンなどの不飽和炭化水素系溶剤;N−ヘプタン、N−ヘキサン、N−オクタンなどの飽和炭化水素系溶剤等の有機溶剤が挙げられる。
これらの溶剤の中では、メトキシエチルアセテート、エトキシエチルアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのセロソルブアセテート系溶剤;メトキシエトキシエチルアセテート、エトキシエトキシエチルアセテートなどのカルビトールアセテート系溶剤;エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル系溶剤;メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、乳酸エチルなどのエステル系溶剤が好適に用いられる。更に好ましくは、MBA(酢酸−3−メトキシブチル、CH3CH(OCH3)CH2CH2OCOCH3)、PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、CH3OCH2CH(CH3)OCOCH3)、DMDG(ジエチレングリコールジメチルエーテル、H3COC24OCH3)、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル又はこれらを混合したものを使用することができる。
本発明の感光性樹脂組成物は、得られるレンズの耐熱性の観点から、硬化後のガラス転移温度が100℃以上であることが好ましく、特に170℃以上、さらに180℃以上であることが好ましい。ここで、硬化後のガラス転移温度が100℃以上であるとは、少なくとも充分に硬化したときのガラス転移温度が100℃以上であればよく、硬化条件により硬化が不十分な場合に、ガラス転移温度が100℃以上でなくても差し支えない。このとき、硬化条件は特に限定されるものではないが、本発明の感光性樹脂組成物を用いてレンズを形成する際の硬化条件によって得られる硬化物のガラス転移温度が100℃以上であることが好ましい。
このように硬化後のガラス転移温度が高い樹脂組成物を用いて形成されたレンズは、レンズ設置工程に続く固体撮像素子の製造工程や固体撮像素子を使用する際に、高温条件下にさらされた場合でも変形しないため、レンズ曲率を保持することができ、集光効率が変化しない。
また、本発明の感光性樹脂組成物を厚さ1μmの硬化膜に形成したときに、当該硬化膜の400〜750nmの範囲の各波長を有する光に対する透過率が、85%以上であることが好ましく、特に90%以上であることが好ましい。ここで、透過率が85%以上であるとは、最適な硬化条件において硬化した厚さ1μmの硬化膜の透過率が85%以上であればよく、硬化条件により透過率が85%以上とならない場合があっても差し支えない。このとき、硬化条件は、特に限定されるものではないが、本発明の樹脂組成物を用いてレンズを形成する際の硬化条件によって得られる1μmの硬化膜の透過率が85%以上であることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、固体撮像素子レンズ用として好適に用いることができるが、その用途は限られず、広い分野における様々な用途に利用可能である。
以下、本発明の感光性樹脂組成物を用いて、固体撮像素子レンズを作製する方法の一例について説明する。
まず、シリコーンウェハ1、該シリコーンウェハ1上に形成された信号転送部2、及び該信号転送部2の相互間のシリコーンウェハ1表面に形成された受光部3等から構成される撮像素子基板を準備する。この撮像素子基板の表面全面には、樹脂からなる下平坦化膜4、次に下平坦化膜4上の受光部3に対応する位置に各受光部に必要な分光特性に合わせて赤、緑、青(RGB)の組み合わせ、シアン、マゼンダ、イエロー(CMY)の組み合わせ又はその他の色のカラーフィルター層5、さらに、カラーフィルター層5の上には、樹脂からなる上平坦化膜6を全面に設ける(図1参照)。これら各層の形成は、一般的な方法により行うことができる。
次に、この上平坦化膜6上に、本発明の感光性樹脂組成物をスピンコーター、ロールコーター、カーテンコーター等の任意の塗工方法により塗布して塗膜を形成し、適切な条件で、例えば70〜160℃で、1〜10分間、プリベークする。感光性樹脂組成物の塗膜の厚みは、プリベーク後の膜厚が0.3〜2.0μm程度となるようにし、作製するレンズの形状と寸法、感光性樹脂組成物の最大残膜率等を考慮して、適宜決定すればよい。プリベーク後、階調露光用フォトマスクを介して、光を照射し、現像液で現像することによってレンズ形状を形成する。現像後、適切な条件で、例えば170〜280℃で、3〜60分間、ポストベークする。
本発明において用いるフォトマスクは、マイクロレンズを形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態により透過光量分布を制御するフォトマスクである。例えば、フォトマスクのパターン形成平面をX−Y座標とし、その座標値x、yを関数として、所望する透過光量分布をZ座標上のz値として求め、求められたz値に対応してX−Y座標上の位置にドットパタ−ンを配置するパターンデータを用いて作製されたフォトマスクを使用することができる。以下、このフォトマスクのパターンデータの作成方法について説明する。
上記フォトマスクのパターンデータの作成方法は、詳しくは、順に、(a)感光性樹脂組成物のポストベーク後のレンズとしての所望の形状を得るため、フォトマスクのパターンの透過光量分布を得て、フォトマスクのパターン形成平面をX−Y座標として、その座標値x、yを関数として、目的とするフォトマスクの透過光量分布をZ座標上のz値として表す透過光量分布の把握処理と、(b)露光においてフォトマスク面上は均一照度とし、Z座標上のz値に対応して、再現性のある所定のアルゴリズムを用いて、X−Y座標の領域毎に、露光波長では解像しない所定サイズのドットパターンの配置の有無を決め、パターンの配置が有と決められた所定サイズのX−Y座標の領域にはドットパターンを生成配置するドットパターンの生成処理を行なう。
透過光量分布の把握処理方法は、特に限定されるものではないが、本発明の感光性樹脂組成物は、ある露光波長におけるマスク開口率と残膜率との間に線形の関係が既に把握されており、この関係をフォトマスクの透過光量分布の把握処理に利用することができる。すなわち、マスクパターンのある座標上の理想的なマスク開口率を、理論的レンズ形状から逆算して得られる残膜率から求めて、フォトマスクのパターンの透過光量分布を得ることができる。マスク開口率を透過光量分布に対応させる時に、シミュレーションを併用することも可能である。この開口率分布を調節する方法に、マスク開口率と残膜率との関係が略線形性を有する本発明の感光性樹脂組成物を用いることにより、比較的容易に精密なレンズ形状が得られる。
このように本発明の感光性樹脂組成物を用いた場合、感光性樹脂組成物に関して既に把握しているマスク開口率と残膜率との関係を利用して、フォトマスクの透過光量分布を把握することができるので、所望の形状を有するレンズを形成するフォトマスクを容易に作製することができる。しかし、作製するレンズの形状や配置、密度によっては、マスク開口率と残膜率との関係データを適宜追加することが好ましい。より細かなデータを得ることで、より精密なフォトマスクを作製することができるからである。
上記感光性樹脂組成物のマスク開口率と残膜率との関係データを用い、被加工物であるレンズの所望の形状に適合したフォトマスクのパターンの透過光量分布を求める。この一連の処理が透過光量分布把握処理である。
次に、フォトマスクのパターン形成平面をX−Y座標として、その座標値x、yを関数として露光量分布をZ座標上のz値として表す。ここでは、z=F(x,y)と表し、図4に示すように求められるとする。図4はフォトマスクのパタ−ン形成平面をX−Y座標とし、その座標値x、yを関数として、所望の露光する際の透過光量分布をZ座標上の値zとして表した図である。
一方、フォトマスクの、決められた露光波長では解像しないパターン領域のサイズを決定しておく。次いで、求められた、z=F(x,y)の関係データと、決められた露光波長では解像しないパターン領域のサイズとから、再現性のある所定のアルゴリズムを用いて、露光波長では解像しないサイズのドットパターンを、X−Y座標上の該サイズに分割された各領域毎に、配置の有無を決定する。所定のアルゴリズムとしては、誤差分散法やオーダードディザ(Ordered Dither)法が挙げられる。そして、この決定に基づき、CADツールにより、X−Y座標上の所定の位置にドットパターンを配置してパターンデータを作成する。この一連の処理がドットパターンの生成処理である。上記したいずれのアルゴリズム方法もハーフトーン処理に用いることができ、画像全体を擬似的に階調表現でき、マイクロレンズの高さ方向を表現し、再現性のある手法である。
このようにして、パターンデータは作成することができる。例えば、図4に示す透過光量分布であるz=F(x,y)に対応するパターンデータは、図5に示すようなフォトマスクパターンになる。
ここで、所望の現像後のレンズ形状を得る露光量分布が、図6(a)に示す露光量分布、z=F1(x,y)であり、各位置(x,y)のz値が図6(b)の表のようになる場合について、オーダードディザ法を適用する場合を、図7に基づいて、その手順のみを簡単に説明しておく。図7(a)の表は、図6(b)に示す表と同じであり、各位置(x,y)におけるz値が配列される。一方、例えば、図7(a)に示す表の配列に合せ、最大値を1とした4行×4列のディザ行列を、図7(b)のように配列させておく。
ここで、図7(a)の表の配列と、図7(b)の表の配列について、対応する位置毎に、その大小を比較し、ディザ行列を示す図7(b)の表の値が元データである図7(a)の値よりも小の場合を1、そうでない場合を0として、図7(c)に示すように、オーダードディザ法による2値化データを求める。図7(c)では、1の領域の場合はドットパターンを配置しない領域とし、0の領域(黒部)の場合はドットパターンを配置する領域とする。このとき、ドットパターンのX方向、Y方向サイズと図7(a)に示す各位置間距離との関係は特に限定されないが、ドットパターンのX方向、Y方向サイズと図7(a)に示す各位置間距離を同じにする方法もある。
次に、所定のアルゴリズムとして誤差分散法を適用する場合について説明する。先ず、図8に基づいて、誤差分散法の手順を簡単に説明しておく。例えば、表の横方向、縦方向を、X方向、Y方向とし、それぞれ、所定ピッチでセル(画素とも言い、ピッチに対応するサイズである)を設け、各セルに図8(a)のように、値が配列されている場合について、表の左上から右下方向にかけて以下の処理を順次行なう。先ず、左上セルの値0.1について、中間値(0.5)を閾値とし、2値化を行なうと、左上セルの値0. 1は2値化により0となる(図8(b))。次いで、このセルに隣接するセルに重み付け加算(あるいは減算)して、図8(c)のようになる。次に、隣のセルに移り、2値化、重み付け加算(あるいは減算)して図8(d)を得る。更に、その隣のセルに移り、同様に、値化、重み付け加算(あるいは減算)して図8(e)を得る。以降、図8(e)の矢印の方向に順次、各セルに対して同様の処理を行ない、得られた結果が求めるものである。
図6(b)に示す表の場合、誤差分散法により求められる2値化データは、図9のようになる。即ち、図6(a)に示す露光量分布、Z=F1(x,y)の場合、図9に示す1の領域の場合はドットパターンを配置しない領域とし、図9に示す0の領域(黒部)の場合はドットパターンを配置する領域とする。上記は、表の左上から右下方向にかけて処理を順次行なったが、処理方向はこれに限定はされない。
上記操作を、図10に示すように、誤差分散行列を用いて、座標(0,0)からはじめて、順次全セルに対して繰り返す誤差分散方法もある。図10で、f(x,y)を元データ、fnew(x,y)を誤差分散を行った後のデータ、g(x,y)を閾値0.5で2値化したデータ、Exyを2値化により生じた誤差とした場合、それぞれの関係は、図10に示す式のように表される。これらの関係式に基づいて、上記と同様にして、図9に相当する配列を求めることもできる。
本発明のマイクロレンズの製造方法で用いるフォトマスクは、上記のパターンデータを用いて作製されたものであり、露光波長では解像しない微細なドットパターンの透過光量変化が感光性樹脂組成物の現像後の残膜率の変化となり、所望形状のレンズが形成される。
フォトマスクに形成されるドットパターンは、照射する光の波長やフォトマスクの投影倍率等を考慮して、その寸法を決定すればよい。例えば、露光波長365nm(i線)で5倍フォトマスクを用いた場合、フォトマスク上でのドットパターンの一辺の寸法が0.6μm(0.6×0.6μm)以上であると、ドットパターンが感光性樹脂組成物に解像してレンズ形状に微細な凹凸が生じてしまい、レンズとして使用できなくなる。しかし、ドットパターンの寸法が0.5μm(0.5×0.5μm)である場合には、露光波長365nmでは解像せず、本発明に用いることが可能である。一方、ドットパターンの寸法を小さくして0.2μm(0.2×0.2μm)以下にすると、電子ビームまたはレーザビームを用いるフォトマスクの作製に多大な時間と費用が必要となってしまい、実用的ではない。従って、露光波長365nmで5倍レチクルを用いた場合には、ドットパターンの一辺の寸法が、5倍フォトマスクであるフォトマスク上で、0.3μm〜0.5μmの範囲にあることを好ましい。この場合、パターンデータの作成上、ドットパターンは正方形状が望ましい。
上記においては、レンズ1つに対応するドットパターンを中心に説明しているが、本発明に使用するフォトマスクは、一度の露光により複数のレンズを形成することができるようにドットパターンが形成されているものを用いることが好ましい。このようなフォトマスクを使用することによって、固体撮像素子上にレンズを効率良く形成することができ、さらに、熱フロー方式等の方法とは異なり、使用するフォトマスクのドットパターンの設計によっては、一度の露光と現像によって形状の異なる複数のレンズを作製することが可能である。
なお、本発明により得られるマイクロレンズの形状としては、よく用いられる外接回転楕円体型はもとより、内接回転楕円体型、座布団型、またはそれ以外の所望の形状を得ることが可能である。また、必要に応じて、適宜、形状の異なる2種以上のレンズを固体撮像素子1チップに混在させることが好ましい。
固体撮像素子を搭載したデジタルカメラは、光学系の性質上、受光部に集められる光の角度は受光部の固体撮像素子における位置、特に固体撮像素子の中心からの位置によって異なる。その結果、固体撮像素子1チップ内の位置によって光感度にばらつきが生じてしまう。この光感度のばらつきを抑制するためには、固体撮像素子1チップ上のどの位置においても、受光部の目的の位置に効率良く集光できるようにすることが重要であり、固体撮像素子に形成されるレンズの形状を、その設置位置によって適宜変化させることにより実現することが可能である。また、受光部の上部に形成されるカラーフィルターの色によって屈折率や透過する光の波長が異なるため、固体撮像素子1チップ内のカラーフィルターの色によって光感度にばらつきが生じてしまう。このカラーフィルターの色による光感度のばらつきも、レンズ下部に形成されているカラーフィルターの色に対応してレンズ形状を適宜変化させることにより、抑制することが可能である。
従って、上記のように固体撮像素子上のレンズの設置位置やカラーフィルターの色を考慮して設計されたレンズを形成することによって、レンズの設置位置やカラーフィルターの色による光感度にばらつきのない固体撮像素子が得られる。特に、固体撮像素子1チップ内の位置と共に、カラーフィルターの色を考慮して、その形状を設計したレンズを形成することが好ましい。レンズの設置位置による光感度のばらつきと、カラーフィルターの色による光感度のばらつきを同時に抑制することができるからである。
マスク開口率と残膜率との関係が略線形性を有している本発明の感光性樹脂組成物を用いる場合には、容易に露光量分布を計算することができるので、このような形状の異なる複数のレンズを形成するためのフォトマスクを、容易に作製することが可能である。
露光工程においては、より精密に露光を行うために、ステッパー用いた投影露光法により露光することが好ましい。すなわち、半導体製造用ステッパーを用いてレンズによりマスクパターンを縮小投影させ、塗膜の表面に光線を照射することによって塗膜を露光し、フォトマスクの透過光量分布に応じた残膜率となるように現像液に対する溶解性を付与する。露光に用いる光線としては、可視及び非可視領域の波長の紫外線、電磁波及び放射線の中から、光硬化性を有する成分の反応を引き起こす波長を有するものを適宜選んで用いればよいが、g線、h線、i線等の紫外線、特にi線が好ましく用いられる。残膜率飽和露光量は、用いる感光性樹脂組成物によって異なるが、通常、10〜500mJ/cm2程度である。
露光後、必要に応じて、加熱工程を設けてもよい。光酸発生剤や光塩基性発生剤を含むような化学増幅型感光性樹脂組成物の場合には、通常、露光によって発生した酸やアルカリを拡散させるために、この加熱工程が設けられる。この加熱工程における加熱温度、加熱時間等は適宜設定すればよい。
現像工程では、浸漬法、スプレー法、パドル法等により露光部分を溶解して現像を行い、所定形状を有するレンズを得る。上記のようなフォトマスクを用いて製造される本発明の固体撮像素子レンズは、従来のレンズ形成方法のように、現像後、パターンニングされた感光性樹脂組成物を加熱して熱流動させたり、あるいはレンズ材料層をエッチバックする必要性はなく、現像後には所望の形状を有するレンズ形状が得られるため、従来の方法と比較して、高精度のマイクロレンズを従来より短い工程で歩留まり良く形成することができる。
現像剤の組成及び現像の条件は、用いる感光性樹脂組成物に合わせて適切に選択すればよい。現像剤としては、感光性樹脂組成物の未露光部(ポジ型)又は露光部(ネガ型)はほとんど溶解せず、露光部(ポジ型)又は未露光部(ネガ型)を完全に溶解できるものが好ましいことは言うまでもない。尚、ここではアルカリ現像性を有している感光性樹脂組成物を中心に本発明を説明してきたが、本発明の感光性樹脂組成物は、アルカリ現像性を有しているものに限定されず、本発明の感光性樹脂組成物がアルカリ現像性を有している場合にはアルカリ性溶液、アルカリ現像性を有していない場合には、溶剤や界面活性剤溶液等その他の溶液を現像液として用いればよい。
アルカリ性溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%となるように溶解してなるアルカリ性水溶液が好適である。尚、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合は、一般に、現像後、水で洗浄する。
現像後、必要に応じて、10〜2000mJ/cm2程度の露光を行ってもよい。キノンジアジド化合物を含む場合には、現像後に再度露光を行うことによって、キノンジアジド化合物を分解し、レンズの光(特に可視光)透過性を向上させることができる。
以上のようにして、本発明の感光性樹脂組成物を用いて固体撮像素子レンズが形成される。本発明の固体撮像素子レンズは、特に高解像度のCCD素子やCMOS等の固体撮像素子や携帯電話用等の小型の固体撮像素子に好適に使用することができる。特に、上記したような固体撮像素子1チップにおける位置によってレンズ形状が異なる固体撮像素子や、カラーフィルターにおける色によってレンズ形状が異なる固体撮像素子は、レンズの位置やカラーフィルターにおける色による光感度のばらつきが抑制されているため、より高画質の固体撮像素子を得ることができる。
(実施例1)
<感光性樹脂組成物のマスク開口率と残膜率の関係の評価>
まず、シリコーンウェハに信号転送部、及び受光部を設けた撮像素子基板上に下平坦下膜、カラーフィルター層、上平坦化膜が設けられたもの(以下、シリコーンウェハ基板とする)を準備した。このシリコーンウェハ基板上に、ポジ型感光性樹脂組成物1(ポリアミック酸、ナフトキノンジアジド化合物を含有、CS5100、東レ製)をプリベーク後の膜厚が1μmとなるように塗布した後、100℃で2分間プリベークし、感光性樹脂組成物膜を形成した。続いて、この感光性樹脂組成物膜を、パターンの分布状態により、マスク開口率を0〜100%の範囲において6.25%毎(16段階)に変化させた領域を形成したマスクを用いて、i線ステッパーで150mJ/cm露光した。その後、触針式表面形状測定器(Dektak、アルバック製)により、フォトマスクの各開口率を有する領域に対応する領域の膜厚(現像前膜厚)を測定した。
次に、2.38%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)(NMD−3、東京応化製)を用いて60秒間、パドル現像した。
さらに、高圧水銀灯(USH−500BY1、ウシオ電機製)で300mJ/cm全面露光し、220℃で5分間ポストベークして、シリコーンウェハ上の上平坦化膜上に、階調パターンを形成した。得られた階調パターンの、フォトマスクの各開口率を有する領域に対応する領域の膜厚(現像後膜厚)を、触針式表面形状測定器により測定した。得られた現像前膜厚と現像後膜厚により残膜率を算出した。
マスク開口率をX軸、残膜率をY軸にとったグラフを作成し、マスク開口率が20〜80%の範囲のデータを最小二乗法によって直線近似した結果、Rは0.960であった。また、マスク開口率が0%のときの残膜率は81%、マスク開口率が100%のときの残膜率は0%であった。
<感光性樹脂組成物の特性評価>
ポジ型感光性樹脂組成物1の屈折率を、エリプソメータ(真空紫外域自動多入射角分光エリプソメータVUV−VASE、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製)を用いて測定したところ、400〜750nmの波長を有する光における屈折率は1.78だった。
また、上記感光性樹脂組成物のマスク開口率と残膜率の関係評価において、i線ステッパーによる露光工程を削除する以外は、同様の工程(同様の条件)を経て高圧水銀灯による全面露光を行い、ポジ型感光性樹脂組成物1の硬化膜を作製した。得られた硬化膜のガラス転移温度を剛体振り子型粘弾性測定装置(RPT−3000、エーアンドディー製)により測定したところ、170℃まで観察されなかったことから、ポジ型感光性樹脂組成物1の硬化膜のガラス転移温度は、170℃より高いことがわかった。
また、ガラスウェハ上にポジ型感光性樹脂組成物1を 露光後 の膜厚が1μmとなるように塗布し、上記感光性樹脂組成物のマスク開口率と残膜率の関係評価において、i線ステッパーによる露光工程を削除する以外は、同様の工程(同様の条件)を経て高圧水銀灯による全面露光を行い、ポジ型感光性樹脂組成物1の硬化膜を作製した。得られた硬化膜の、400〜750nmの範囲の各波長を有する光に対する透過率を、分光光度計によって測定したところ、上記測定波長範囲における最も低い透過率が88%であった。
<固体撮像素子レンズの作製>
上記にて得られたポジ型感光性樹脂組成物1のマスク開口率と残膜率との関係及び屈折率を基に、焦点距離5μm、照射範囲2μm角における集光効率が80%以上となるような回転楕円体型レンズを設計し、求めたレンズ曲率を16段階のマスク開口率(0〜100%の範囲を6.25%毎に変化)に変換したフォトマスク(階調露光用フォトマスク)を設計した。
シリコーンウェハ基板上に、ポジ型感光性樹脂組成物1をプリベーク後の膜厚が1μmとなるように塗布した後、100℃で2分間プリベークし、感光性樹脂組成物膜を形成した。続いて、この感光性樹脂組成物膜を、上記にて設計したフォトマスクを用いて、i線ステッパーで150mJ/cm露光した。その後、2.38%TMAH(NMD−3、東京応化製)を用いて60秒間、パドル現像した。さらに、高圧水銀灯(USH−500BY1、ウシオ電機製)で300mJ/cm全面露光し、続いて、220℃で5分間ポストベークし、シリコーンウェハ上の上平坦化膜上に、回転楕円体型レンズを形成した。得られた回転楕円体型レンズは、ほぼ設計通りの形状を有するものであった。
得られたレンズ層下5μm、範囲2μm角への集光効率は、90%であった。また、レンズ形状も、フォトマスクの開口率を調整することによって、カラーフィルター層の各色、シリコーンウェハ上の位置毎に、容易に調整することができた。
(実施例2)
<感光性樹脂組成物のマスク開口率と残膜率の関係の評価>
シリコーンウェハ基板上に、ポジ型感光性樹脂組成物2(フェノールノボラック系エポキシ樹脂とナフトキノンジアジド化合物を含有、MFR−401、JSR製)をプリベーク後の膜厚が1μmとなるように塗布し、100℃で2分間プリベークして感光性樹脂組成物膜を形成した。続いて、この感光性樹脂組成物膜を、パターンの分布状態により、マスク開口率を0〜100%の範囲において6.25%毎(16段階)に変化させた領域を形成したマスクを用いて、i線ステッパーで150mJ/cm露光した。その後、触針式表面形状測定器(Dektak、アルバック製)により、フォトマスクの各開口率を有する領域に対応する領域の膜厚(現像前膜厚)を測定した。
次に、2.38%TMAH(NMD−3、東京応化製)を用いて40秒間、パドル現像した。
さらに、高圧水銀灯(USH−500BY1、ウシオ電機製)で300mJ/cm全面露光し、220℃で5分間ポストベークして、シリコーンウェハ上の上平坦化膜上に、階調パターンを形成した。得られた階調パターンの、フォトマスクの各開口率を有する領域に対応する領域の膜厚(現像後膜厚)を、触針式表面形状測定器により測定した。得られた現像前膜厚と現像後膜厚により残膜率を算出した。
実施例1と同様にして、階調パターンのマスク開口率と残膜率との関係を調べたところ、マスク開口率が20〜80%の範囲におけるRは0.960であった。また、マスク開口率が0%のときの残膜率は81%、マスク開口率が100%のときの残膜率は0%であった。
<感光性樹脂組成物の特性評価>
上記ポジ型感光性樹脂組成物2の屈折率を、エリプソメータ(真空紫外域自動多入射角分光エリプソメータVUV−VASE、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製)を用いて測定したところ、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.65であることがわかった。
また、上記感光性樹脂組成物2のマスク開口率と残膜率の関係評価において、i線ステッパーによる露光工程を削除する以外は、同様の工程(同様の条件)を経て高圧水銀灯による全面露光を行い、ポジ型感光性樹脂組成物2の硬化膜を作製した。得られた硬化膜のガラス転移温度を剛体振り子型粘弾性測定装置(RPT−3000、エーアンドディー製)により測定したところ、170℃まで観察されなかったことから、ポジ型感光性樹脂組成物2の硬化膜のガラス転移温度は170℃より高いことがわかった。
<固体撮像素子レンズの作製>
上記にて得られた、ポジ型感光性樹脂組成物2のマスク開口率と残膜率との関係及び屈折率を基に、焦点距離5μm、照射範囲2μm角における集光効率が80%以上となるような回転楕円体型レンズを設計し、求めたレンズ曲率を16段階のマスク開口率(0〜100%の範囲を6.25%毎に変化)に変換したフォトマスクを設計した。
シリコーンウェハ基板上に、ポジ型感光性樹脂組成物2をプリベーク後の膜厚が1μmとなるように塗布、100℃で2分間プリベークして感光性樹脂組成物膜を形成した。続いて、この感光性樹脂組成物膜を、上記にて設計したフォトマスクを用いて、i線ステッパーで150mJ/cm露光した。その後、2.38%TMAH(NMD−3、東京応化製)を用いて40秒間、パドル現像した。さらに、高圧水銀灯(USH−500BY1、ウシオ電機製)で300mJ/cm全面露光し、続いて、220℃で5分間ポストベークし、シリコーンウェハ上の上平坦化膜上に、回転楕円体型レンズを形成した。得られた回転楕円体型レンズは、ほぼ設計通りの形状を有するものであった。
得られたレンズ層下5μm、範囲2μm角への集光効率は、85%であった。
(比較例1)
<感光性樹脂組成物のマスク開口率と残膜率の関係の評価>
ポジ型感光性樹脂組成物3(ポリヒドロキシスチレン系エポキシ樹脂とポリメチルメタクリレート共重合体とナフトキノンジアジド化合物を含有、TMR−P11、東京応化製)について、実施例2と同様の方法によりマスク開口率と残膜率との関係を調べたところ、マスク開口率20〜80%の範囲におけるRが0.911、マスク開口率0%のときの残膜率は83%、マスク開口率が100%のときの残膜率は0%であった。
<感光性樹脂組成物の特性評価>
上記ポジ型感光性樹脂組成物3の屈折率を、エリプソメータ(真空紫外域自動多入射角分光エリプソメータVUV−VASE、ジェー・エー・ウーラム・ジャパン製)を用いて測定したところ、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.61であることがわかった。
また、上記感光性樹脂組成物3のマスク開口率と残膜率の関係評価において、i線ステッパーによる露光工程を削除する以外は、同様の工程(同様の条件)を経て高圧水銀灯による全面露光を行い、ポジ型感光性樹脂組成物3の硬化膜を作製した。得られた硬化膜のガラス転移温度を、実施例2と同様にして測定したところ、ガラス転移温度は150℃であった。
<固体撮像素子レンズの作製>
ポジ型感光性樹脂組成物3を用いて、実施例2と同様にして、シリコーンウェハ上の上平坦化膜上に回転楕円体型レンズを形成した。
得られたレンズ層下5μm、範囲2μm角への集光効率は73%であり、実施例より劣るものであった。実施例ほど設計通りの形状を有するレンズを作製することができなかったためと考えられる。
(比較例2)
ポジ型感光性樹脂組成物3(ポリヒドロキシスチレン系エポキシ樹脂とポリメチルメタクリレート共重合体とナフトキノンジアジド化合物を含有、TMR−P11、東京応化製)を用いて、以下の熱フロー方式によりレンズを作製した。
下平坦下膜、カラーフィルター層、上平坦化膜が設けられたシリコーンウェハ上に、ポジ型感光性樹脂組成物3をプリベーク後の膜厚が1μmとなるように塗布、100℃で2分間プリベークして感光性樹脂組成物膜を形成した。続いて、この感光性樹脂組成物膜を、所定パターンを有するフォトマスクを用いて、i線ステッパーで150mJ/cm露光した。その後、1.19%TMAH(NMD−3、東京応化製)を用いて40秒間、パドル現像し、矩形パターンを形成した。
次に、120℃〜250℃で5〜15分間加熱し、上記にて得られた矩形パターンを融解させて、レンズ形状のコントロールを試みたが、上記範囲で加熱温度を変化させても、目的のレンズ形状を再現することはできなかった。
(比較例3)
<感光性樹脂組成物のマスク開口率と残膜率の関係の評価>
ナフトキノンジアジド化合物(4NT300、東洋合成製)20重量部と、ビスフェノールA型エポキシ化合物(エピコート1002、ジャパンエポキシレジン製)27重量部と、スチレン/ベンジルメタクリレート/アクリル酸/2−ヒドロキシメチルアクリレート/2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート共重合体(酸価70mg/KOH g)53重量部とを、固形分が20重量%になるように乳酸エチル(関東化学製)に溶解、混合し、ポジ型感光性樹脂組成物4とした。
上記ポジ型感光性樹脂組成物4について、実施例2における感光性樹脂組成物のマスク開口率と残膜率の関係評価においてi線ステッパーによる露光量を300mJ/cmとする以外は、同様の方法によりマスク開口率と残膜率の関係評価を行った。マスク開口率20〜80%の範囲におけるRが0.91、マスク開口率0%のときの残膜率が78%であった。
<感光性樹脂組成物の特性評価>
上記ポジ型感光性樹脂組成物4の屈折率を、エリプソメータにより測定したところ、400〜750nmの波長を有する光における屈折率が1.55であった。
また、ガラスウェハ上に、ポジ型感光性樹脂組成物4を露光後の膜厚が1μmとなるように塗布し、上記感光性樹脂組成物4のマスク開口率と残膜率の関係評価における、i線ステッパーによる露光工程を削除する以外は、同様の工程(同様の条件)を経て高圧水銀灯による全面露光を行い、ポジ型感光性樹脂組成物4の硬化膜を作製した。得られた硬化膜の、400〜750nmの範囲の各波長を有する光に対する透過率を、分光光度計によって測定したところ、上記測定波長範囲における最も低い透過率が81%であった。
<固体撮像素子レンズの作製>
i線ステッパーによる露光量を300mJ/cmとする以外は、実施例2と同様の方法によりレンズを作製したところ、目的とする形状を有するレンズは作製することができなかった。
(比較例4)
ポジ型感光性樹脂組成物1(ポリアミック酸、ナフトキノンジアジド化合物を含有、CS5100、東レ製)を用いて、以下の熱フロー方式によりレンズを作製した。
下平坦下膜、カラーフィルター層、上平坦化膜が設けられたシリコーンウェハ上に、ポジ型感光性樹脂組成物1をプリベーク後の膜厚が1μmとなるように塗布、100℃で2分間プリベークして感光性樹脂組成物膜を形成した。続いて、この感光性樹脂組成物膜を、所定パターンを有するフォトマスクを用いて、i線ステッパーで150mJ/cm露光した。その後、2.38%TMAH(NMD−3、東京応化製)を用いて60秒間、パドル現像し、矩形パターンを形成した。
次に、100℃〜250℃で5〜15分間加熱し、上記にて得られた矩形パターンを融解させて、レンズ形状のコントロールを試みたが、上記範囲で加熱温度を変化させても、目的のレンズ形状を再現することはできなかった。
固体撮像素子の代表的な構造を示す図である。 本発明に用いるフォトマスクのドットパターンの一例を示す図である。 本発明の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物の一例のマスク開口率と残膜率との関係を示す図である。 フォトマスクのパタ−ン形成平面をX−Y座標とし、その座標値x、yを関数として、所望の露光する際の透過光量(露光量)分布をZ座標上の値zとして表した図である。 図4のパタンデ−タをフォトマスク上にドットパタ−ンとして表した上面図である。 図6(a)は所望のレンズ形状を得るためのフォトマスクのパタ−ンの露光量分布を表した図で、図6(b)は図6(a)に示す露光量分布における所定のX−Y座標位置でのZ座標上のz値の一覧を示した図である。 オーダードディザ法を説明するための図である。 誤差分散法を説明するための図である。 図6に示す所定のX−Y座標位置でのZ座標上のz値の一覧に基づき誤差分散法を実施した結果を示した図である。 誤差分散行列を用いた誤差分散法を数式により説明するための図である。
符号の説明
1…シリコーンウェハ
2…信号転送部
3…受光部
4…下平坦化膜
5(5R,5G,5B)…カラーフィルター層
6…上平坦化膜
7…レンズ
8…フォトマスク
9…光透過性基板
10…ドット

Claims (23)

  1. マイクロレンズを形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態により露光する際の透過光量分布を制御するフォトマスクを用いたマイクロレンズの形成方法において使用する、固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物であって、
    残膜率飽和露光量を前記フォトマスクを介して感光性樹脂組成物に照射、現像した時のマスク開口率と残膜率の関係において、マスク開口率が20%から80%の範囲で最小2乗法により直線近似した時のR2が0.950〜1.000の範囲であることを特徴とする固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  2. 前記マスク開口率が0〜100%の範囲における最大残膜率が、75%以上である請求項1に記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  3. 前記マスク開口率が0%の時、最大残膜率が75%以上となるポジ型感光性樹脂組成物である、請求項2に記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  4. 少なくともキノンジアジド化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  5. 少なくとも、アルカリ可溶性樹脂及び光酸発生剤又は光塩基発生剤を含有する、請求項1乃至3のいずれかに記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  6. 前記アルカリ可溶性樹脂が、イミド骨格ユニット又はイミド骨格の前駆体構造を有するユニットを含む樹脂を含む、請求項4又は5に記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  7. 前記イミド骨格ユニット又はイミド骨格の前駆体構造を含むユニットを含む樹脂がポリイミド又はポリアミック酸である、請求項6に記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  8. 前記アルカリ可溶性樹脂が、シロキサン骨格ユニット又はシロキサン骨格の前駆体構造を有するユニットを含む樹脂を含む、請求項4乃至7のいずれかに記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  9. 前記アルカリ可溶性樹脂が、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸の共重合体、メタクリル酸の共重合体、又はフェノール性水酸基を含有する樹脂より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項4乃至8のいずれかに記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  10. 前記フェノール性水酸基を含有する樹脂が、p−ヒドロキシスチレンユニットを含む重合体である、請求項9に記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  11. 前記アルカリ可溶性樹脂が、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、アクリル酸エステルの共重合体、又はメタクリル酸エステルの共重合体より選ばれる少なくとも1つを含む、請求項4乃至10のいずれかに記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  12. さらに、硬化剤として、メラミン樹脂、エポキシ化合物、ノボラック樹脂、オキセタン化合物又はアルコキシド化合物より選ばれる少なくとも1つを含有する、請求項4乃至11のいずれかに記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  13. さらに、1.50以上の屈折率を有する微粒子を、固形分に対して5〜70重量%含み、400〜750nmの範囲の波長を有する光における屈折率が1.50以上である、請求項1乃至12のいずれかに記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  14. 硬化後のガラス転移温度が170℃以上である、請求項1乃至13のいずれかに記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  15. 膜厚1μmの硬化膜に成形したとき、400〜750nmの範囲の各波長を有する光に対する透過率が85%以上である、請求項1乃至14のいずれかに記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物。
  16. 請求項1乃至15のいずれかに記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物を用いて形成された、固体撮像素子レンズ。
  17. マイクロレンズを形成する際の露光波長では解像しない微細なパターンの分布状態により露光する際の透過光量分布を制御するフォトマスクを用いたマイクロレンズの形成方法において、
    請求項1乃至15のいずれかに記載の固体撮像素子レンズ用感光用樹脂組成物のマスク開口率と残膜率との関係を、設計したレンズ形状に対応させることにより前記フォトマスクのパターンデータを作成する工程と、
    前記パターンデータを用いてフォトマスクを作製する工程と、
    請求項1乃至15のいずれかに記載の固体撮像素子レンズ用感光性樹脂組成物を用いて形成された塗膜を、前記フォトマスクを介して露光する工程と、
    を含む固体撮像素子レンズの形成方法。
  18. 前記パターンデータを作成する工程において、20〜80%のマスク開口率範囲におけるマスク開口率と残膜率との関係を、設計したレンズ形状に対応させる請求項17に記載の固体撮像素子レンズの形成方法。
  19. 前記露光工程において、ステッパーを用いた投影露光法により露光する、請求項17又は18に記載の固体撮像素子レンズの形成方法。
  20. 請求項16に記載の固体撮像素子レンズを備えることを特徴とする、固体撮像素子。
  21. 固体撮像素子1チップ内に、形状が異なる固体撮像素子レンズが、2種以上混在している請求項20に記載の固体撮像素子。
  22. 前記固体撮像素子レンズの形状がカラーフィルターにおける色ごとに異なる、請求項21に記載の固体撮像素子。
  23. 前記固体撮像素子レンズの形状が、固体撮像素子1チップにおける位置によって異なる、請求項21又は22に記載の固体撮像素子。
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