JP6415217B2 - 平坦化層を備える構造体 - Google Patents

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本発明は、金属酸化物及び/又は有機物を含むパターン化された凸部を有する基板と、凸部パターンにより形成される凹部を少なくとも充填する平坦化層とを備える構造体に関する。
従来、発光又は受光機能を備え積層構造を有する種々の装置が使用されている。このような装置としては、発光素子、固体撮像素子、及び画像表示装置等が挙げられる。このような装置においては、光の進行方向のコントロールや、光の反射を抑える目的等で透光性の凹凸層が形成される場合がある。
このような凹凸層を備える装置としては、例えば、透明基板、当該透明基板上に設けられる凹凸層、及び凹凸層の凹凸面上に設けられる平坦化層を備え、有機層の発する光を、平坦化層、凹凸層、透明基板の順に透過させて取り出す、OLED(有機発光ダイオード)素子が知られている(特許文献1を参照)。
特許文献1に記載のOLED素子では、平坦化層は、凹凸層の凹凸面上にウェットコート法により形成される。つまり、平坦化層を形成するための液状の材料を、凹凸層の凹凸面上に塗布して平坦化層が形成される。
特開2014−013668号公報
しかし、特許文献1に記載されるようにウェットコート法により平坦化層を形成する場合、平坦化層を形成する材料の種類によっては凹凸層の形状に追従した形状の平坦化層が形成され、平坦化層の平坦性が十分でなかったり、平坦化層を形成するための材料が凹凸層の凹部に完全に充填されず凹部内に空気溜りが形成されたりする。
平坦化層が十分に平坦でない場合においても、平坦化層上にITO等の透明電極層を積層する際に、平坦化層と透明電極層との間に空気溜りが生じる場合がある。一般的に、凹凸層や平坦化層を形成するための材料の屈折率よりも、空気の屈折率は低い。このため、OLED素子内に空気溜りが存在すると、空気溜りに光が入射する際に反射が生じ、光の取り出し効率が低下する場合がある。
本発明は、その表面にパターン化された凸部を有する基板と、平坦性及び透明性に優れ、且つ基板表面に存在する凸部パターンにより形成される凹部に空隙なく充填された平坦化層とを備える構造体を提供することを目的とする。
本発明者らは、パターン化された凸部を有する基板の表面に、芳香族縮合環を中心骨格に有する特定の構造の化合物、又は当該化合物を含む組成物を平坦化層形成用材料として用いて、当該化合物、当該化合物の硬化物、当該化合物を含む組成物、又は当該化合物を含む組成物の硬化物からなる平坦化層を形成することによって上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、金属酸化物及び/又は有機物を含むパターン化された凸部を有する基板と、パターン化された凸部により形成される凹部を少なくとも充填する平坦化層とを備える構造体であって、
平坦化層が、
(I)下記式(1)で表されるビニル基含有化合物;
(II)下記式(10)で表されるモノビニル基及びモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物;
(III)下記式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物;
(IV)下記式(1)で表されるビニル基含有化合物の硬化物;
(V)下記式(10)で表されるモノビニル基及びモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の硬化物;
(VI)下記式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の硬化物;
(VII)上記(I)、(II)及び(III)からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物;並びに、
(VIII)上記(I)、(II)及び(III)からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物の硬化物、
からなる群より選択される1種からなる、構造体に関する。
Figure 0006415217
(式(1)中、W及びWは独立に下記式(2)で表される基、下記式(4)で表される基、水酸基、又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、ただし、W及びWは同時に水酸基でも下記式(4)で表される基でもなく、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、R3a及びR3bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、n1及びn2は独立に0〜4の整数を示す。)
Figure 0006415217
(式(2)中、環Zは芳香族炭化水素環を示し、Xは単結合又は−S−で示される基を示し、Rは単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を示し、Rは1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、スルホ基、又は1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、−NHR4cで示される基、もしくは−N(R4dで示される基に含まれる炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一部が1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メシルオキシ基、もしくはスルホ基で置換された基を示し、R4a〜R4dは独立に1価炭化水素基を示し、mは0以上の整数を示す。)
Figure 0006415217
(式(4)中、環Z、X、R、R、及びmは前述の通りである。)
Figure 0006415217
(式(10)中、W11及びW12のいずれか一方は上記式(2)で表される基を示し、他方は下記式(11)又は(12)で表される基を示し、環Y、環Y、R、R3a、R3b、n1、及びn2は前述の通りである。)
Figure 0006415217
(式(11)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、lは1〜4の整数を示し、環Z、X、R、R、及びmは前述の通りである。)
Figure 0006415217
(式(12)中、環Z、X、R、R、R、及びmは前述の通りである。)
Figure 0006415217
(式(19)中、W13及びW14は独立に上記式(12)で表される基、水酸基、又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、ただし、W13及びW14の少なくとも一方は上記式(12)で表される基であり、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、R3a及びR3bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、n1及びn2は独立に0〜4の整数を示す。)
本発明によれば、その表面にパターン化された凸部を有する基板と、平坦性及び透明性に優れ、且つ基板表面に存在するパターン化された凸部により形成される凹部に空隙なく充填された平坦化層とを備える構造体を提供することができる。
本発明に係る構造体を含むイメージセンサーの断面を部分的に示す模式図である。 本発明に係る構造体を含むOLED照明の断面を部分的に示す模式図である。 本発明に係る構造体を含むタッチパネルの断面を部分的に示す模式図である。
本発明に係る構造体は、金属酸化物及び/又は有機物を含むパターン化された凸部を有する基板と、当該パターン化された凸部により形成される凹部を少なくとも充填する平坦化層とを備える。構造体が備える平坦化層は、
(I)後述する式(1)で表されるビニル基含有化合物;
(II)後述する式(10)で表されるモノビニル基及びモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物;
(III)後述する式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物;
(IV)後述する式(1)で表されるビニル基含有化合物の硬化物;
(V)後述する式(10)で表されるモノビニル基及びモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の硬化物;
(VI)後述する式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の硬化物;
(VII)上記の(I)、(II)及び(III)からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物;並びに、
(VIII)上記の(I)、(II)及び(III)からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物の硬化物、
からなる群より選択される1種からなる。
以下、平坦化層を形成するために使用される材料である平坦化層形成用材料と、基板と、構造体の形成方法とについて順に説明する。
≪平坦化層形成用材料≫
平坦化層形成用材料は、上記の(I)〜(VIII)からなる群より選択される材料で構成される平坦化層を形成するための材料である。(VII)は、(I)、(II)及び(III)からなる群より選択される2種以上の成分のみからなる組成物であってもよい。また、(VIII)は、(I)、(II)及び(III)からなる群より選択される2種以上の成分のみからなる組成物の硬化物であってもよい。
上記の(I)〜(VIII)からなる群より選択される材料で構成される平坦化層は、式(1)で表されるビニル基含有化合物、式(10)で表されるモノビニル基及びモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物、及び式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物からなる群より選択される1種以上の化合物の融液、当該化合物を含む組成物の融液、又は当該化合物を含む液状組成物を平坦化層形成用材料として用いて形成される。
当該平坦化層形成用材料は、式(1)で表されるビニル基含有化合物、式(10)で表されるモノビニル基及びモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物、及び式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物からなる群より選択される1種以上の化合物を含むため、当該平坦化材料をパターン化された凸部を備える基板の表面に塗布すると、当該平坦化材料が基板表面の微細な凹部にも良好に侵入するとともに、平坦性に優れる塗布膜を形成できる。
そして、平坦化層は、式(10)で表されるモノビニル基及びモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物、及び式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物からなる群より選択される1種以上の化合物か、当該化合物の単独重合体、又は当該化合物に由来する単位を含む共重合体を必須に含む。このため、平坦化層は、透明性に優れる。
以下、上記の(I)〜(VII)の成分を構成する材料である、式(1)で表されるビニル基含有化合物、式(10)で表されるモノビニル基及びモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物、及び式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物と、(VII)又は(VIII)の成分からなる平坦化層を形成するために用いられる平坦化層形成用材料が含んでいてもよい、(I)〜(III)の成分以外のその他成分について説明する。
〔式(1)で表されるビニル基含有化合物〕
以下、下式(1)で表されるビニル基含有化合物について説明する。
Figure 0006415217
(式(1)中、W及びWは独立に下記式(2)で表される基、下記式(4)で表される基、水酸基、又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、ただし、W及びWは同時に水酸基でも下記式(4)で表される基でもなく、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、R3a及びR3bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、n1及びn2は独立に0〜4の整数を示す。)
Figure 0006415217
(式(2)中、環Zは芳香族炭化水素環を示し、Xは単結合又は−S−で示される基を示し、Rは単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を示し、Rは1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、スルホ基、又は1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、−NHR4cで示される基、もしくは−N(R4dで示される基に含まれる炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一部が1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メシルオキシ基、もしくはスルホ基で置換された基を示し、R4a〜R4dは独立に1価炭化水素基を示し、mは0以上の整数を示す。)
Figure 0006415217
(式(4)中、環Z、X、R、R、及びmは前述の通りである。)
式(1)において、W及びWは、独立に式(2)で表される基、式(4)で表される基、水酸基、又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、ただし、W及びWは同時に水酸基でも式(4)で表される基でもない。W及びWの少なくとも一方は、式(2)で表される基であることが好ましく、W及びWのいずれもが式(2)で表される基であることがより好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」という用語は、アクリロイルとメタクリロイルの両方を意味する。
式(2)及び(4)において、環Zとしては、例えば、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環[例えば、縮合二環式炭化水素環(例えば、ナフタレン環等のC8−20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式芳香族炭化水素環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環等)等の縮合2乃至4環式芳香族炭化水素環]等が挙げられる。環Zは、ベンゼン環又はナフタレン環であるのが好ましく、ナフタレン環であるのがより好ましい。なお、W及びWがいずれも式(2)で表される基である場合、又は、W及びWの一方が式(2)で表される基であり、他方が式(4)で表される基である場合、Wに含まれる環ZとWに含まれる環Zとは、同一でも異なっていてもよく、例えば、一方の環がベンゼン環、他方の環がナフタレン環等であってもよいが、いずれの環もナフタレン環であることが特に好ましい。また、W及びWの両方が直結する炭素原子にXを介して結合する環Zの置換位置は、特に限定されない。例えば、環Zがナフタレン環の場合、上記炭素原子に結合する環Zに対応する基は、1−ナフチル基、2−ナフチル基等であってもよい。
式(2)及び(4)において、Xは、独立に単結合又は−S−で示される基を示し、典型的には単結合である。
式(2)及び(4)において、Rとしては、例えば、単結合;メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、ブタン−1,2−ジイル基等の炭素原子数1〜4のアルキレン基が挙げられ、単結合;C2−4アルキレン基(特に、エチレン基、プロピレン基等のC2−3アルキレン基)が好ましく、単結合がより好ましい。なお、W及びWがいずれも式(2)で表される基である場合、又は、W及びWの一方が式(2)で表される基であり、他方が式(4)で表される基である場合、Wに含まれるRとWに含まれるRとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(2)及び(4)において、Rとしては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等のC1−12アルキル基、好ましくはC1−8アルキル基、より好ましくはC1−6アルキル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキシル基等のC5−10シクロアルキル基、好ましくはC5−8シクロアルキル基、より好ましくはC5−6シクロアルキル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のC6−14アリール基、好ましくはC6−10アリール基、より好ましくはC6−8アリール基等)、アラルキル基(ベンジル基、フェネチル基等のC6−10アリール−C1−4アルキル基等)等の1価炭化水素基;水酸基;アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のC1−12アルコキシ基、好ましくはC1−8アルコキシ基、より好ましくはC1−6アルコキシ基等)、シクロアルコキシ基(シクロヘキシルオキシ基等のC5−10シクロアルコキシ基等)、アリールオキシ基(フェノキシ基等のC6−10アリールオキシ基)、アラルキルオキシ基(例えば、ベンジルオキシ基等のC6−10アリール−C1−4アルキルオキシ基)等の−OR4aで示される基[式中、R4aは1価炭化水素基(上記例示の1価炭化水素基等)を示す。];アルキルチオ基(メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基等のC1−12アルキルチオ基、好ましくはC1−8アルキルチオ基、より好ましくはC1−6アルキルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(シクロヘキシルチオ基等のC5−10シクロアルキルチオ基等)、アリールチオ基(フェニルチオ基等のC6−10アリールチオ基)、アラルキルチオ基(例えば、ベンジルチオ基等のC6−10アリール−C1−4アルキルチオ基)等の−SR4bで示される基[式中、R4bは1価炭化水素基(上記例示の1価炭化水素基等)を示す。];アシル基(アセチル基等のC1−6アシル基等);アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基等のC1−4アルコキシ−カルボニル基等);ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等);ニトロ基;シアノ基;メルカプト基;カルボキシル基;アミノ基;カルバモイル基;アルキルアミノ基(メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基等のC1−12アルキルアミノ基、好ましくはC1−8アルキルアミノ基、より好ましくはC1−6アルキルアミノ基等)、シクロアルキルアミノ基(シクロヘキシルアミノ基等のC5−10シクロアルキルアミノ基等)、アリールアミノ基(フェニルアミノ基等のC6−10アリールアミノ基)、アラルキルアミノ基(例えば、ベンジルアミノ基等のC6−10アリール−C1−4アルキルアミノ基)等の−NHR4cで示される基[式中、R4cは1価炭化水素基(上記例示の1価炭化水素基等)を示す。];ジアルキルアミノ基(ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基等のジ(C1−12アルキル)アミノ基、好ましくはジ(C1−8アルキル)アミノ基、より好ましくはジ(C1−6アルキル)アミノ基等)、ジシクロアルキルアミノ基(ジシクロヘキシルアミノ基等のジ(C5−10シクロアルキル)アミノ基等)、ジアリールアミノ基(ジフェニルアミノ基等のジ(C6−10アリール)アミノ基)、ジアラルキルアミノ基(例えば、ジベンジルアミノ基等のジ(C6−10アリール−C1−4アルキル)アミノ基)等の−N(R4dで示される基[式中、R4dは独立に1価炭化水素基(上記例示の1価炭化水素基等)を示す。];(メタ)アクリロイルオキシ基;スルホ基;上記の1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、−NHR4cで示される基、もしくは−N(R4dで示される基に含まれる炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一部が上記の1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メシルオキシ基、もしくはスルホ基で置換された基[例えば、アルコキシアリール基(例えば、メトキシフェニル基等のC1−4アルコキシC6−10アリール基)、アルコキシカルボニルアリール基(例えば、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシカルボニルフェニル基等のC1−4アルコキシ−カルボニルC6−10アリール基等)]等が挙げられる。
これらのうち、代表的には、Rは、1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基等であってもよい。
好ましいRとしては、1価炭化水素基[例えば、アルキル基(例えば、C1−6アルキル基)、シクロアルキル基(例えば、C5−8シクロアルキル基)、アリール基(例えば、C6−10アリール基)、アラルキル基(例えば、C6−8アリール−C1−2アルキル基)等]、アルコキシ基(C1−4アルコキシ基等)等が挙げられる。特に、R2a及びR2bは、アルキル基[C1−4アルキル基(特にメチル基)等]、アリール基[例えば、C6−10アリール基(特にフェニル基)等]等の1価炭化水素基(特に、アルキル基)であるのが好ましい。
なお、mが2以上の整数である場合、Rは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、W及びWがいずれも式(2)で表される基である場合、又は、W及びWの一方が式(2)で表される基であり、他方が式(4)で表される基である場合、Wに含まれるRとWに含まれるRとは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
式(2)及び(4)において、Rの数mは、環Zの種類に応じて選択でき、例えば、0〜4、好ましくは0〜3、より好ましくは0〜2であってもよい。なお、W及びWがいずれも式(2)で表される基である場合、又は、W及びWの一方が式(2)で表される基であり、他方が式(4)で表される基である場合、WにおけるmとWにおけるmとは、同一でも異なっていてもよい。
式(1)において、環Y及び環Yとしては、例えば、ベンゼン環、縮合多環式芳香族炭化水素環[例えば、縮合二環式炭化水素環(例えば、ナフタレン環等のC8−20縮合二環式炭化水素環、好ましくはC10−16縮合二環式炭化水素環)、縮合三環式芳香族炭化水素環(例えば、アントラセン環、フェナントレン環等)等の縮合2乃至4環式芳香族炭化水素環]等が挙げられる。環Y及び環Yは、ベンゼン環又はナフタレン環であるのが好ましい。なお、環Y及び環Yは、同一でも異なっていてもよく、例えば、一方の環がベンゼン環、他方の環がナフタレン環等であってもよい。
式(1)において、Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、典型的には単結合である。ここで、置換基としては、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、1価炭化水素基[例えば、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等のC1−6アルキル基)、アリール基(フェニル基等のC6−10アリール基)等]等が挙げられ、ヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、イオウ原子、珪素原子等が挙げられる。
式(1)において、R3a及びR3bとしては、通常、非反応性置換基、例えば、シアノ基、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、1価炭化水素基[例えば、アルキル基、アリール基(フェニル基等のC6−10アリール基)等]等が挙げられ、シアノ基又はアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることが特に好ましい。アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基等のC1−6アルキル基(例えば、C1−4アルキル基、特にメチル基)等が例示できる。なお、n1が2以上の整数である場合、R3aは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。また、n2が2以上の整数である場合、R3bは互いに異なっていてもよく、同一であってもよい。さらに、R3aとR3bとが同一であってもよく、異なっていてもよい。また、環Y及び環Yに対するR3a及びR3bの結合位置(置換位置)は、特に限定されない。好ましい置換数n1及びn2は、0又は1、特に0である。なお、n1及びn2は、互いに同一でも異なっていてもよい。
式(1)で表される化合物は、優れた光学的特性及び熱的特性を保持しつつ、ビニロキシ基及び/又は(メタ)アクリロイルオキシ基を有するため、高い反応性を有する。特に、環Y及び環Yがベンゼン環であり、Rが単結合である場合、式(1)で表される化合物は、フルオレン骨格を有し、光学的特性及び熱的特性にさらに優れる。このような式(1)で表される化合物は、重合することができるため、重合性モノマーとして機能する。特に、W及びWがいずれも式(2)で表される基である場合、式(1)で表される化合物は、カチオン重合することができるため、カチオン重合性モノマーとして機能する。一方、W及びWがいずれも(メタ)アクリロイルオキシ基である場合、式(1)で表される化合物は、ラジカル重合することができるため、ラジカル重合性モノマーとして機能する。また、式(1)で表される化合物は、W及びWが独立に式(2)で表される基又は(メタ)アクリロイルオキシ基である場合、ビニロキシ基及び/又は(メタ)アクリロイルオキシ基の形で含まれる2個のビニル基が別々の分子と反応することができるため、架橋剤として好適に用いることができる。さらに、式(1)で表される化合物は、高い硬度を有する硬化物を与え、組成物中の基材成分として好ましい。
上述の通り、環Y及び環Yがベンゼン環であり、Rが単結合である場合、式(1)で表される化合物は、フルオレン骨格を有し、光透過率、屈折率等の光学的特性及び熱的特性に更に優れるため好ましい。また、式(1)で表される化合物においてW及びWがいずれも式(2)で表される基であり、Xが単結合であり、Rが単結合である場合には光透過率、屈折率などの光学特性はより優れる傾向がある。特に、Rが単結合である場合には光学的特性及び熱的特性は格段に向上する傾向があり好ましい。
式(1)で表される化合物のうち、特に好ましい具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006415217
Figure 0006415217
Figure 0006415217
Figure 0006415217
[式(1a)で表されるビニル基含有化合物の製造方法]
式(1)で表されるビニル基含有化合物の中でも、下記式(1a)で表されるものは、例えば、下記の製造方法1〜3により製造することができる。
Figure 0006415217
(式(1a)中、W1a及びW2aは独立に上記式(2)で表される基、上記式(4)で表される基、水酸基、又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、ただし、W1a及びW2aは同時に水酸基でも上記式(4)で表される基でも(メタ)アクリロイルオキシ基でもなく、環Y、環Y、R、R3a、R3b、n1、及びn2は前述の通りである。)
・製造方法1
式(1a)で表されるビニル基含有化合物は、例えば、特開2008−266169号公報に記載の製造方法に従い、遷移元素化合物触媒及び無機塩基の存在下、下記式(13)で表されるビニルエステル化合物と、下記式(3)で表される水酸基含有化合物とを反応させることにより、合成することが可能である。上記無機塩基は、粒子径150μm未満の粒子を10重量%以上含有する固体の無機塩基であることが好ましい。具体的には、式(1a)で表されるビニル基含有化合物は、後述する合成例1〜3のようにして合成することが可能である。
−CO−O−CH=CH (13)
(式(13)中、Rは、水素原子又は有機基を示す。)
Figure 0006415217
(式(3)中、W及びWは独立に下記式(4)で表される基又は水酸基を示し、ただし、W及びWは同時に水酸基ではなく、環Y、環Y、R、R3a、R3b、n1、及びn2は前述の通りである。)
Figure 0006415217
(式(4)中、環Z、X、R、R、及びmは前述の通りである。)
なお、式(3)で表される化合物は、例えば、酸触媒の存在下、下記式(14)で表される化合物及び/又は下記式(15)で表される化合物と、下記式(16)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。適宜、下記式(14)で表される化合物及び下記式(15)で表される化合物の組み合わせ方や添加量等を調整することにより、式(3)で表される所望の水酸基含有化合物を得ることができる。また、反応後に、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の分離方法により、目的とする水酸基含有化合物を分離してもよい。
Figure 0006415217
(上記式(14)、(15)、及び(16)中、環Y、環Y、環Z、R、R、R、R3a、R3b、m、n1、及びn2は前述の通りである。)
式(3)で表される化合物の合成に用いられる酸触媒、反応条件等としては、例えば、特許文献1又は特開2002−255929号公報において、特許請求の範囲に記載されたフルオレン系化合物の製造方法に用いることができると記載されているものが挙げられる。
・製造方法2
式(1a)で表される化合物は、例えば、式(3)で表される水酸基含有化合物から、下記式(5)で表される脱離基含有化合物を経由して、式(1a)で表されるビニル基含有化合物を得ることを含む製造方法により、合成することも可能である。
Figure 0006415217
(式(5)中、W及びWは独立に下記式(6)で表される基又は水酸基を示し、ただし、W及びWは同時に水酸基ではなく、環Y、環Y、R、R3a、R3b、n1、及びn2は前述の通りである。)
Figure 0006415217
(式(6)中、Eは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基、パラトルエンスルホニルオキシ基、又はベンゼンスルホニルオキシ基で置換された炭素原子数1〜4のアルキルオキシ基を示し、環Z、X、R、R、及びmは前述の通りである。)
式(5)で表される脱離基含有化合物は、例えば、式(3)で表される水酸基含有化合物と脱離基含有化合物とを反応させることにより、合成することができる。脱離基含有化合物としては、例えば、塩化チオニル、下記式で表される化合物等が挙げられる。また、反応温度としては、例えば、−20〜150℃、好ましくは−10〜140℃、より好ましくは30〜130℃が挙げられる。
Figure 0006415217
式(1a)で表されるビニル基含有化合物は、例えば、式(5)で表される脱離基含有化合物とビニル化剤とを反応させることにより、合成することができる。ビニル化剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ジアザビシクロウンデセン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド等が挙げられ、好ましくはジアザビシクロウンデセン、ナトリウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド等が挙げられ、より好ましくはカリウム−t−ブトキシドが挙げられる。また、反応温度としては、例えば、−20〜150℃、好ましくは−10〜100℃、より好ましくは0〜60℃が挙げられる。
・製造方法3
式(1a)で表される化合物は、例えば、下記式(7)で表されるヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物から、式(5)で表される脱離基含有化合物を経由して、式(1a)で表されるビニル基含有化合物を得ることを含む製造方法により、合成することも可能であり、具体的には、後述する合成例4及び5並びに合成例12及び13のようにして合成することが可能である。
Figure 0006415217
(式(7)中、W及びWは独立に下記式(8)で表される基又は水酸基を示し、ただし、W及びWは同時に水酸基ではなく、環Y、環Y、R、R3a、R3b、n1、及びn2は前述の通りである。)
Figure 0006415217
(式(8)中、lは1〜4の整数を示し、環Z、X、R、R、及びmは前述の通りである。)
式(7)で表されるヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物は、例えば、酸触媒の存在下、下記式(17)で表される化合物及び/又は下記式(18)で表される化合物と、式(16)で表される化合物とを反応させることにより、合成することができる。適宜、下記式(17)で表される化合物及び下記式(18)で表される化合物の組み合わせ方や添加量等を調整することにより、式(7)で表される所望のヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物を得ることができる。また、反応後に、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の分離方法により、目的とするヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物を分離してもよい。式(7)で表される化合物の合成に用いられる酸触媒、反応条件等としては、例えば、式(3)で表される化合物の合成方法の説明中で例示したものが挙げられる。
Figure 0006415217
(上記式(17)及び(18)中、環Z、R、R、及びmは前述の通りである。)
式(5)で表される脱離基含有化合物は、例えば、式(7)で表されるヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物と脱離基含有化合物とを反応させることにより、合成することができる。脱離基含有化合物及び反応温度としては、例えば、上記製造方法2について例示したものが挙げられる。
式(1a)で表されるビニル基含有化合物は、例えば、式(5)で表される脱離基含有化合物とビニル化剤とを反応させることにより、合成することができる。ビニル化剤及び反応温度としては、例えば、上記製造方法2について例示したものが挙げられる。
製造方法3により、式(7)で表されるヒドロキシアルキルオキシ基含有化合物から、高収率で、上記式(1a)で表される化合物を得ることができる。例えば、合成例4及び5において、9,9’−ビス(6−ビニルオキシ−2−ナフチル)フルオレンの収率は77%であり、合成例12及び13において、9,9’−ビス(4−ビニロキシフェニル)フルオレンの収率は79%であった。製造方法3によれば、上記式(1a)で表される化合物の精製工程における負荷を低くすることができる。また、製造方法3では、常圧で反応を行うことができるため、耐熱容器等の特別の反応設備が不要であり、より簡便な装置を用いることができる。さらに、製造方法3では、アセチレンガス等の可燃性ガスが用いられておらず、より安全に式(1a)で表される化合物を製造することができる。
<精製方法>
式(1)で表されるビニル基含有化合物は、合成後に精製してもよい。精製方法としては、特に限定されず、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の方法が挙げられる。精製により、式(1)で表されるビニル基含有化合物の純度が向上するとともに、金属成分の含有量が低減する。精製されたビニル基含有化合物は、反応性が向上しやすくなり、また、反応時の着色が効果的に抑制される。
・式(5)で表される脱離基含有化合物
式(5)で表される脱離基含有化合物は、式(1a)で表されるビニル基含有化合物を製造するための中間体として有用である。式(5)で表される脱離基含有化合物は、例えば、上記製造方法2又は3中で説明した方法により合成することができる。
・式(9)で表されるモノビニル基含有化合物及びその製造方法
下記式(9)で表されるモノビニル基含有化合物は、式(1a)で表されるビニル基含有化合物を製造するための中間体として有用である。
Figure 0006415217
(式(9)中、W及びW10のいずれか一方は上記式(2)で表される基を示し、他方は上記式(6)で表される基を示し、環Y、環Y、R、R3a、R3b、n1、及びn2は前述の通りである。)
式(9)で表されるモノビニル基含有化合物は、下記式(5a)で表される脱離基含有化合物から式(9)で表されるモノビニル基含有化合物を得ることを含む製造方法により、合成することが可能であり、具体的には、後述する合成例8及び11のようにして合成することが可能である。即ち、式(9)で表されるモノビニル基含有化合物は、例えば、式(5a)で表される脱離基含有化合物とビニル化剤とを反応させることにより、合成することができる。ビニル化剤及び反応温度としては、例えば、上記製造方法2について例示したものが挙げられる。ビニル化剤の使用量は、式(5a)で表される脱離基含有化合物中の脱離基1モルに対し、好ましくは0.1〜10モル、より好ましくは0.5〜5モル、さらに好ましくは0.8〜2モルである。
Figure 0006415217
(式(5a)中、W5a及びW6aは上記式(6)で表される基を示し、環Y、環Y、R、R3a、R3b、n1、及びn2は前述の通りである。)
〔式(10)で表されるモノビニル基及びモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物〕
以下、下式(10)で表されるモノビニル基及びモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物について説明する。
Figure 0006415217
(式(10)中、W11及びW12のいずれか一方は上記式(2)で表される基を示し、他方は下記式(11)又は(12)で表される基を示し、環Y、環Y、R、R3a、R3b、n1、及びn2は前述の通りである。)
Figure 0006415217
(式(11)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、lは1〜4の整数を示し、環Z、X、R、R、及びmは前述の通りである。)
Figure 0006415217
(式(12)中、環Z、X、R、R、R、及びmは前述の通りである。)
式(10)で表されるモノビニル基及びモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。この化合物は、優れた光学的特性及び熱的特性を保持しつつ、ビニロキシ基及び(メタ)アクリロイルオキシ基を有するため、高い反応性を有する。特に、環Y及び環Yがベンゼン環であり、Rが単結合である場合、式(10)で表される化合物は、フルオレン骨格を有し、光学的特性及び熱的特性にさらに優れる。式(10)で表される化合物は、式(1)で表されるビニル基含有化合物と同様に、重合することができるため、重合性モノマーとして機能し、また、架橋剤として好適に用いることができる。さらに、式(10)で表される化合物は、高い硬度を有する硬化物を与え、組成物中の基材成分として好ましい。加えて、式(10)で表される化合物をネガ型感光性樹脂組成物に含有させた際には、良好な微小パターニング特性を得ることが可能である。
〔式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物〕
平坦化層形成用材料は、下記式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を含んでいてもよい。上記(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。この化合物は、優れた光学的特性及び熱的特性を保持しつつ、(メタ)アクリロイルオキシ基を有するため、高い反応性を有する。特に、環Y及び環Yがベンゼン環であり、Rが単結合である場合、下記式(19)で表される化合物は、フルオレン骨格を有し、光学的特性及び熱的特性にさらに優れる。下記式(19)で表される化合物は、式(1)で表されるビニル基含有化合物と同様に、重合することができるため、重合性モノマーとして機能し、また、架橋剤として好適に用いることができる。さらに、下記式(19)で表される化合物は、高い硬度を有する硬化物を与え、組成物中の基材成分として好ましい。加えて、下記式(19)で表される化合物をネガ型感光性樹脂組成物に含有させた際には、良好な微小パターニング特性を得ることが可能である。
Figure 0006415217
(式(19)中、W13及びW14は独立に上記式(12)で表される基、水酸基、又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、ただし、W13及びW14の少なくとも一方は上記式(12)で表される基であり、環Y、環Y、R、R3a、R3b、n1、及びn2は上記の通りである。)
式(19)で表される化合物のうち、特に好ましい具体例としては、下記式で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006415217
Figure 0006415217
Figure 0006415217
[式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の製造方法]
式(19)で表される化合物は、例えば、式(3)で表される水酸基含有化合物から式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物を得ることを含む製造方法により、合成することが可能であり、具体的には、後述する合成例14及び15のようにして合成することが可能である。
式(19)で表される化合物は、例えば、式(3)で表される水酸基含有化合物と(メタ)アクリル化剤とを反応させることにより、合成することができる。(メタ)アクリル化剤としては、例えば、(メタ)アクリロイルクロリド等の(メタ)アクリロイルハライド;(メタ)アクリル酸無水物等が挙げられ、(メタ)アクリロイルハライドが好ましく、(メタ)アクリロイルクロリドがより好ましい。また、反応温度としては、例えば、−20〜150℃、好ましくは−10〜100℃、より好ましくは0〜60℃が挙げられる。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル化剤」は、アクリル化剤とメタクリル化剤の両方を意味し、「(メタ)アクリル酸無水物」は、アクリル酸無水物とメタクリル酸無水物の両方を意味する。
式(19)で表される化合物は、合成後に精製してもよい。精製方法としては、特に限定されず、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー等の公知の方法が挙げられる。精製により、式(19)で表される化合物の純度が向上するとともに、金属成分の含有量が低減する。生成された上記化合物は、反応性が向上しやすくなり、また、反応時の着色が効果的に抑制される。
平坦化層形成用材料が、式(1)で表される化合物、式(10)で表される化合物、及び式(19)で表される化合物から選択される1種以上の化合物を含む場合、平坦化層形成用材料中の当該化合物の含有量は、平坦化層形成用材料中の固形分の質量に対して、1〜100質量%であることが好ましく、3〜80質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらに好ましい。上記の範囲である場合、平坦化層形成用材料の塗布性や硬化性が良好である。
〔(I)〜(III)の成分以外のその他成分〕
平坦化層が、(VII)上記の(I)、(II)及び(III)からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物、又は、(VIII)上記の(I)、(II)及び(III)からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物の硬化物からなる場合、平坦化層形成用材料は、本発明の目的を阻害しない範囲で、(I)〜(III)の成分以外のその他の成分として、種々の成分を含んでいてもよい。
<基材成分>
例えば、平坦化層形成用材料は、式(1)で表される化合物、式(10)で表される化合物、及び/又は式(19)で表される化合物とともに硬化物を形成することができる基材成分を含んでいてもよい。基材成分としては、例えば、付加重合性化合物、付加縮合性化合物、及び縮合重合性化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物や、樹脂が挙げられる。上記基材成分は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
付加重合性化合物としては、例えば、エチレン性不飽和結合を有する化合物が挙げられる。エチレン性不飽和結合を有する化合物としては、以下説明する単官能モノマー及び多官能モノマーや、式(1)で表される化合物、式(10)で表される化合物、及び式(19)で表される化合物以外のビニル基含有化合物が挙げられる。
単官能モノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アクリルアミド、メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、プロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、ブトキシメトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、クロトン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単官能モノマーは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
多官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、グリセリントリアクリレート、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート(即ち、トリレンジイソシアネート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネートとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとの反応物、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルアミドメチレンエーテル、多価アルコールとN−メチロール(メタ)アクリルアミドとの縮合物等の多官能モノマーや、トリアクリルホルマール等が挙げられる。これらの多官能モノマーは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
付加縮合性化合物としては、例えば、フェノール類、アルデヒド類、エピクロルヒドリンが挙げられ、フェノール類とアルデヒド類との間、及び、フェノール類、特にビスフェノール類とエピクロルヒドリンとの間で付加縮合が生じる。フェノール類及びアルデヒド類としては、下記のものが挙げられる。
フェノール類としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類;2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノール類;レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール等の多価フェノール類;アルキルレゾルシン、アルキルカテコール、アルキルハイドロキノン等のアルキル多価フェノール類(いずれのアルキル基も炭素原子数1〜4である);α−ナフトール、β−ナフトール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。これらのフェノール類は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらのフェノール類の中でも、m−クレゾール、p−クレゾールが好ましく、m−クレゾールとp−クレゾールとを併用することがより好ましい。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
縮合重合性化合物としては、例えば、酸二無水物、ジアミンが挙げられ、酸二無水物とジアミンとの間で縮合重合が生じる。酸二無水物及びジアミンとしては、下記のものが挙げられる。
酸二無水物としては、例えば、エチレンテトラカルボン酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロブタンテトラカルボン酸二無水物、メチルシクロブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪族テトラカルボン酸二無水物;ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,6,6’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、1,3−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、1,4−ビス〔(3,4−ジカルボキシ)ベンゾイル〕ベンゼン二無水物、2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、2,2−ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}プロパン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、4,4’−ビス〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、4,4’−ビス〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕ビフェニル二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}ケトン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルホン二無水物、ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}スルフィド二無水物、2,2−ビス{4−〔4−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,2−ビス{4−〔3−(1,2−ジカルボキシ)フェノキシ〕フェニル}−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン二無水物、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,3,4−ベンゼンテトラカルボン酸二無水物、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7−アントラセンテトラカルボン酸二無水物、1,2,7,8−フェナントレンテトラカルボン酸二無水物、ピリジンテトラカルボン酸二無水物、スルホニルジフタル酸無水物、m−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、p−ターフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。これらの酸二無水物は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ジアミンとしては、例えば、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2−ジ(3−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ジ(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,1−ジ(3−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ジ(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1−(3−アミノフェニル)−1−(4−アミノフェニル)−1−フェニルエタン、1,3−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノベンゾイル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(3−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、1,4−ビス(4−アミノ−α,α−ジトリフルオロメチルベンジル)ベンゼン、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ベンゾニトリル、2,6−ビス(3−アミノフェノキシ)ピリジン、4,4’−ビス(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、4,4’−ビス(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ケトン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルフィド、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、2,2−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[3−(3−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]−1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,3−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、1,4−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)−α,α−ジメチルベンジル]ベンゼン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)ベンゾイル]ジフェニルエーテル、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ベンゾフェノン、4,4’−ビス[4−(4−アミノ−α,α−ジメチルベンジル)フェノキシ]ジフェニルスルホン、4,4’−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェノキシ]ジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4,4’−ジビフェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−フェノキシベンゾフェノン、3,3’−ジアミノ−4−ビフェノキシベンゾフェノン、6,6’−ビス(3−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、6,6’−ビス(4−アミノフェノキシ)−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン等の芳香族アミン;1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサン、1,3−ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、α,ω−ビス(3−アミノブチル)ポリジメチルシロキサン、ビス(アミノメチル)エーテル、ビス(2−アミノエチル)エーテル、ビス(3−アミノプロピル)エーテル、ビス(2−アミノメトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(2−アミノエトキシ)エチル]エーテル、ビス[2−(3−アミノプロポキシ)エチル]エーテル、1,2−ビス(アミノメトキシ)エタン、1,2−ビス(2−アミノエトキシ)エタン、1,2−ビス[2−(アミノメトキシ)エトキシ]エタン、1,2−ビス[2−(2−アミノエトキシ)エトキシ]エタン、エチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、ジエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、トリエチレングリコールビス(3−アミノプロピル)エーテル、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン等の脂肪族アミン;1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,2−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(2−アミノエチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,6−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、2,5−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等の脂環式ジアミン;等が挙げられる。また、上記ジアミンの芳香環上水素原子の一部又は全てをフルオロ基、メチル基、メトキシ基、トリフルオロメチル基、及びトリフルオロメトキシ基からなる群から選ばれた置換基で置換したジアミンも使用することができる。これらのジアミンは、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
付加重合性化合物、付加縮合性化合物、及び縮合重合性化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物の含有量は、平坦化層形成用材料の固形分に対して、0〜99質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましく、10〜50質量%であることがさらに好ましい。上記の範囲とすることにより、平坦化層形成用材料の基板への塗布が容易である。
樹脂としては、例えば、カルド構造を有する樹脂、フェノール性水酸基を有する樹脂、ポリイミド前駆体、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂が挙げられる。樹脂は、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましい。
なお、本明細書においてアルカリ可溶性樹脂とは、樹脂濃度20質量%の樹脂溶液(溶媒:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)により、膜厚1μmの樹脂膜を基板上に形成し、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液に1分間浸漬した際に、膜厚0.01μm以上溶解するものをいう。
樹脂の含有量は、平坦化層形成用材料の固形分に対して、0〜99質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることがより好ましく、15〜50質量%であることがさらに好ましい。上記の範囲とすることにより、平坦化層形成用材料の基板への塗布が容易である。
<有機溶剤>
平坦化層形成用材料は、有機溶剤をさらに含有してもよい。有機溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の他のエーテル類;メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン類;2−ヒドロキシプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル等の乳酸アルキルエステル類;2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸エチル、2−ヒドロキシ−3−メチル部炭酸メチル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、蟻酸n−ペンチル、酢酸イソペンチル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸イソプロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸エチル等の他のエステル類;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
有機溶剤の含有量は、平坦化層形成用材料の固形分濃度が0.5〜70質量%となる量が好ましく、1〜50質量%となる量がより好ましく、5〜30質量%となる量がさらに好ましい。
<その他の成分>
平坦化層形成用材料は、所望により、光重合開始剤、光重合性モノマー、酸架橋性物質、酸発生剤(光酸発生剤、熱酸発生剤等)、塩基発生剤(光塩基発生剤、熱塩基発生剤等)、着色剤、分散剤、増感剤、ケイ素含有化合物、無機フィラー、水酸基含有化合物、カルボキシル基含有化合物、その他の各種の添加剤等を含有していてもよい。
平坦化層形成用材料に、光重合開始剤、光重合性モノマー、酸架橋性物質、酸発生剤(光酸発生剤、熱酸発生剤等)、塩基発生剤(光塩基発生剤、熱塩基発生剤等)、増感剤等を適宜選択して配合することによって、平坦化層形成用材料に感光性を付与したり、熱硬化性を付与したりすることができる。
また、平坦化層形成用材料は、所望により、結晶化阻害剤、密着増強剤、界面活性剤等を含有してもよい。平坦化層形成用材料が結晶化阻害剤を含有すると、平坦化層形成用材料からなる塗布膜を硬化させて形成される平坦化層において、クラックの発生が抑制される。平坦化層形成用材料が密着増強剤を含有すると、形成される平坦化層の基板に対する密着性が改良される。密着増強剤としては、典型的には種々のカップリング剤が用いられる。カップリング剤の中では、シランカップリング剤が好ましい。界面活性剤としては、例えば、シリコーン系界面活性剤やフッ素系界面活性剤が挙げられる。平坦化層形成用材料が界面活性剤を含有すると、得られる硬化物は、濡れ性が向上しやすく、所望の界面効果が得やすい。
以上説明した(I)〜(III)の成分以外のその他成分を含む平坦化層形成用材料の好適な例としては、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、ナフトール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、チオフェノール性チオール基を有するアルカリ可溶性樹脂、及び/又はチオナフトール性チオール基を有するアルカリ可溶性樹脂と、式(1)で表される化合物、式(10)で表される化合物、及び/又は式(19)で表される化合物とを含有する平坦化層形成用材料が挙げられる。かかる平坦化層形成用材料は、酸架橋性物質、光酸発生剤、及び/又は有機溶剤をさらに含有してもよい。かかる平坦化層形成用材料は、光酸発生剤を含有しない場合、非感光性樹脂組成物であるが、光酸発生剤を含有すると、感光性を示す。
平坦化層形成用材料が感光性である場合、その具体例としては、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、ナフトール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、チオフェノール性チオール基を有するアルカリ可溶性樹脂、及び/又はチオナフトール性チオール基を有するアルカリ可溶性樹脂と、光酸発生剤と、式(1)で表される化合物、式(10)で表される化合物、及び/又は式(19)で表される化合物とを含有するネガ型感光性樹脂組成物が挙げられる。このネガ型感光性樹脂組成物は、酸架橋性物質及び/又は有機溶剤をさらに含有してもよい。
フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、ポリヒドロキシスチレン系樹脂を用いることができる。ポリヒドロキシスチレン系樹脂は、ヒドロキシスチレンに由来する構成単位を少なくとも有する。
ここで「ヒドロキシスチレン」とは、ヒドロキシスチレン、及びヒドロキシスチレンのα位に結合する水素原子がハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体のヒドロキシスチレン誘導体(モノマー)を含む概念とする。
「ヒドロキシスチレン誘導体」は、少なくともベンゼン環とこれに結合する水酸基とが維持されており、例えば、ヒドロキシスチレンのα位に結合する水素原子が、ハロゲン原子、炭素原子数1〜5のアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにヒドロキシスチレンの水酸基が結合したベンゼン環に、さらに炭素原子数1〜5のアルキル基が結合したものや、この水酸基が結合したベンゼン環に、さらに1〜2個の水酸基が結合したもの(このとき、水酸基の数の合計は2〜3である。)等を包含するものとする。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
なお、「ヒドロキシスチレンのα位」とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
このヒドロキシスチレンに由来する構成単位は、例えば下記式(s−1)で表される。
Figure 0006415217
式(s−1)中、Rs1は水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、又はハロゲン化アルキル基を示し、Rs2は炭素原子数1〜5のアルキル基を示し、pは1〜3の整数を示し、qは0〜2の整数を示す。
s1のアルキル基は、好ましくは炭素原子数1〜5である。また、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、工業的にはメチル基が好ましい。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン化アルキル基としては、上述した炭素原子数1〜5のアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換されたものである。この中でも、水素原子の全部がフッ素原子で置換されたものが好ましい。また、直鎖状又は分岐鎖状のフッ素化アルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基、ヘキサフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等がより好ましく、トリフルオロメチル基(−CF)が最も好ましい。
s1としては、水素原子又はメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
s2の炭素原子数1〜5のアルキル基としては、Rs1の場合と同様のものが挙げられる。
qは0〜2の整数である。これらの中でも0又は1であることが好ましく、工業上は特に0であることが好ましい。
b2の置換位置は、qが1である場合にはオルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよく、さらに、qが2の場合には任意の置換位置を組み合わせることができる。
pは1〜3の整数であり、好ましくは1である。
水酸基の置換位置は、pが1である場合にはオルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよいが、容易に入手可能で低価格であることからパラ位が好ましい。さらに、pが2又は3の場合には任意の置換位置を組み合わせることができる。
式(s−1)で表される構成単位は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリヒドロキシスチレン系樹脂中、ヒドロキシスチレンに由来する構成単位の割合は、ポリヒドロキシスチレン系樹脂を構成する全構成単位に対して60〜100モル%であることが好ましく、70〜100モル%であることがより好ましく、80〜100モル%であることがさらに好ましい。上記の範囲内とすることにより、ネガ型感光性樹脂組成物とした際に適度なアルカリ溶解性が得られる。
ポリヒドロキシスチレン系樹脂は、スチレンに由来する構成単位をさらに有することが好ましい。
ここで「スチレンに由来する構成単位」とは、スチレン及びスチレン誘導体(但し、ヒドロキシスチレンは含まない。)のエチレン性二重結合が開裂してなる構成単位を包含するものとする。
「スチレン誘導体」は、スチレンのα位に結合する水素原子が、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにスチレンのフェニル基の水素原子が、炭素原子数1〜5のアルキル基等の置換基に置換されているもの等を包含するものとする。
ハロゲン原子としては、塩素原子、フッ素原子、臭素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
なお、「スチレンのα位」とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
このスチレンに由来する構成単位は、例えば下記式(s−2)で表される。式(s−2)中、Rs1、Rs2、qは式(s−1)と同義である。
Figure 0006415217
s1及びRs2としては、式(s−1)のRs1及びRs2とそれぞれ同様のものが挙げられる。
qは0〜2の整数である。これらの中でも0又は1であることが好ましく、工業上は特に0であることが好ましい。
s2の置換位置は、qが1である場合にはオルト位、メタ位、パラ位のいずれでもよく、さらに、qが2の場合には任意の置換位置を組み合わせることができる。
式(s−2)で表される構成単位は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
ポリヒドロキシスチレン系樹脂中、スチレンに由来する構成単位の割合は、ポリヒドロキシスチレン系樹脂を構成する全構成単位に対して40モル%以下であることが好ましく、30モル%以下であることがより好ましく、20モル%以下であることがさらに好ましい。上記の範囲とすることにより、ネガ型感光性樹脂組成物とした際に適度なアルカリ溶解性が得られるとともに、他の構成単位とのバランスも良好になる。
なお、ポリヒドロキシスチレン系樹脂は、ヒドロキシスチレンに由来する構成単位やスチレンに由来する構成単位以外の他の構成単位を有していてもよい。より好ましくは、上記ポリヒドロキシスチレン系樹脂は、ヒドロキシスチレンに由来する構成単位のみからなる重合体、あるいはヒドロキシスチレンに由来する構成単位とスチレンに由来する構成単位とからなる共重合体である。
ポリヒドロキシスチレン系樹脂の質量平均分子量は、特に限定されないが、1500〜40000が好ましく、2000〜8000がより好ましい。
また、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、ノボラック樹脂を用いることもできる。このノボラック樹脂は、フェノール類とアルデヒド類とを酸触媒の存在下で付加縮合させることにより得ることができる。
フェノール類としては、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等のクレゾール類;2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール等のキシレノール類;o−エチルフェノール、m−エチルフェノール、p−エチルフェノール、2−イソプロピルフェノール、3−イソプロピルフェノール、4−イソプロピルフェノール、o−ブチルフェノール、m−ブチルフェノール、p−ブチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール類;2,3,5−トリメチルフェノール、3,4,5−トリメチルフェノール等のトリアルキルフェノール類;レゾルシノール、カテコール、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、ピロガロール、フロログリシノール等の多価フェノール類;アルキルレゾルシン、アルキルカテコール、アルキルハイドロキノン等のアルキル多価フェノール類(いずれのアルキル基も炭素原子数1〜4である);α−ナフトール、β−ナフトール、ヒドロキシジフェニル、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等が挙げられる。これらのフェノール類は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
これらのフェノール類の中でも、m−クレゾール、p−クレゾールが好ましく、m−クレゾールとp−クレゾールとを併用することがより好ましい。この場合、両者の配合割合を調整することにより、感度等の諸特性を調整することができる。
アルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、パラホルムアルデヒド、フルフラール、ベンズアルデヒド、ニトロベンズアルデヒド、アセトアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒド類は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
酸触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、亜リン酸等の無機酸類;蟻酸、シュウ酸、酢酸、ジエチル硫酸、パラトルエンスルホン酸等の有機酸類;酢酸亜鉛等の金属塩類等が挙げられる。これらの酸触媒は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
このようにして得られるノボラック樹脂としては、具体的には、フェノール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、クレゾール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂、フェノール−ナフトール/ホルムアルデヒド縮合ノボラック樹脂等が挙げられる。
ノボラック樹脂の質量平均分子量は、特に限定されないが、1000〜30000が好ましく、3000〜25000がより好ましい。
また、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、フェノール−キシリレングリコール縮合樹脂、クレゾール−キシリレングリコール縮合樹脂、フェノール−ジシクロペンタジエン縮合樹脂等を用いることもできる。
ナフトール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂として例示した樹脂において、ヒドロキシフェニル基をヒドロキシナフチル基に置換した樹脂が挙げられ、より具体的には、例えば、ポリヒドロキシスチレン系樹脂において、ヒドロキシフェニル基をヒドロキシナフチル基に置換した樹脂が挙げられる。
チオフェノール性チオール基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂として例示した樹脂において、ヒドロキシフェニル基をメルカプトフェニル基に置換した樹脂が挙げられ、より具体的には、例えば、ポリヒドロキシスチレン系樹脂において、ヒドロキシフェニル基をメルカプトフェニル基に置換した樹脂が挙げられる。
チオナフトール性チオール基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、例えば、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂として例示した樹脂において、ヒドロキシフェニル基をメルカプトナフチル基に置換した樹脂が挙げられ、より具体的には、例えば、ポリヒドロキシスチレン系樹脂において、ヒドロキシフェニル基をメルカプトナフチル基に置換した樹脂が挙げられる。
フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、ナフトール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、チオフェノール性チオール基を有するアルカリ可溶性樹脂、及び/又はチオナフトール性チオール基を有するアルカリ可溶性樹脂の含有量は、平坦化層形成用材料の固形分に対して20〜80質量%であることが好ましく、35〜65質量%であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、平坦化層形成用材料の塗膜形成能等が向上しやすく、平坦化層形成用材料がネガ型感光性樹脂組成物である場合には、現像性のバランスがとりやすい傾向がある。
酸架橋性物質としては、特に限定されず、従来公知の酸架橋性物質を用いることができる。
酸架橋性物質として具体的には、ヒドロキシル基又はアルコキシル基を有するアミノ樹脂、例えばメラミン樹脂、尿素樹脂、グアナミン樹脂、アセトグアナミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、グリコールウリル−ホルムアルデヒド樹脂、スクシニルアミド−ホルムアルデヒド樹脂、エチレン尿素−ホルムアルデヒド樹脂等が挙げられる。これらの酸架橋性物質は、メラミン、尿素、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン、グリコールウリル、スクシニルアミド、エチレン尿素を沸騰水中でホルマリンと反応させてメチロール化、あるいはこれにさらに低級アルコールを反応させてアルコキシル化することにより容易に得られる。実用上は、ニカラックMX−750、ニカラックMW−30、ニカラックMW100LM等のメラミン樹脂、ニカラックMX−290等の尿素樹脂(いずれも三和ケミカル社製)として入手することができる。また、サイメル1123、サイメル1128(三井サイアナッド社製)等のベンゾグアナミン樹脂も市販品として入手することができる。
また、1,3,5−トリス(メトキシメトキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(イソプロポキシメトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(sec−ブトキシメトキシ)ベンゼン等のアルコキシル基を有するベンゼン化合物、2,6−ジヒドロキシメチル−p−tert−ブチルフェノール等のヒドロキシル基又はアルコキシル基を有するフェノール化合物等を用いることもできる。
これらの酸架橋性物質は、単独又は2種以上組み合わせて用いることができる。
酸架橋性物質の含有量は、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂100質量部に対して5〜50質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、平坦化層形成用材料の硬化性が良好になり、平坦化層形成用材料がネガ型感光性樹脂組成物である場合には、そのパターニング特性が良好になる。
平坦化層形成用材料における光酸発生剤としては、特に限定されず、従来公知の光酸発生剤を用いることができる。
光酸発生剤として具体的には、ヨードニウム塩やスルホニウム塩等のオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ハロゲン含有トリアジン化合物、ジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤(ニトロベンジル誘導体)、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤等が挙げられる。
光酸発生剤の含有量は、フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂100質量部に対し0.05〜30質量部であることが好ましく、0.1〜10質量部であることがより好ましい。上記の範囲とすることにより、平坦化層形成用材料の硬化性が良好になる。
平坦化層形成用材料は、上記の通り、式(1)で表される化合物、式(10)で表される化合物、及び/又は式(19)で表される化合物を含有する。この化合物を含有する組成物からは、高い硬度を有する硬化物を得ることが容易である。また、この化合物をネガ型感光性樹脂組成物である平坦化層形成用材料に含有させた際には、良好な微小パターニング特性を得ることが可能である。
式(1)で表される化合物、式(10)で表される化合物、及び/又は式(19)で表される化合物の含有量は、平坦化層形成用材料の固形分に対して、1〜80質量%であることが好ましく、3〜65質量%であることがより好ましく、5〜50質量%であることがさらにより好ましい。上記の範囲とすることにより、平坦化層形成用材料の塗膜形成能、硬化性等が向上しやすく、平坦化層形成用材料がネガ型感光性樹脂組成物である場合には、良好な現像性を得ながら、良好な微小パターニング特性を得ることができる。
フェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、ナフトール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂、チオフェノール性チオール基を有するアルカリ可溶性樹脂、及び/又はチオナフトール性チオール基を有するアルカリ可溶性樹脂と、式(1)で表される化合物、式(10)で表される化合物、及び/又は式(19)で表される化合物とを含有する平坦化層形成用材料は有機溶剤を含んでいてもよい。この場合、有機溶剤の含有量は、第2の平坦化層形成用材料の固形分濃度が1〜50質量%となる量が好ましく、5〜30質量%となる量がより好ましい。
以上説明した成分を適宜組み合わせて、平坦化層形成用材料を調製した後、平坦化層形成用材料を基板上のパターン化された凸部の表面に塗布して、塗布膜が形成される。かかる塗布膜は、表面が平坦であり、透明性に優れるためそのまま平坦化層として使用することができる。また、かかる塗布膜を、その組成に応じて、加熱又は露光等の方法により硬化させて、平坦化層を得てもよい。平坦化層が硬化物である場合、当該平坦化層は硬度及び耐熱性に優れる。
≪基板≫
基板の種類は、金属酸化物及び/又は有機物を含むパターン化された凸部を有する基板であれば特に限定されない。金属酸化物及び有機物としては、透光性の材料であるのが好ましい。金属酸化物の例としては、SiO等のケイ素酸化物や、ITOが挙げられる。有機物としては、透明な樹脂材料が好適に使用される。透明な樹脂材料の中では、パターン化された凸部の形成が容易であること等からアクリル樹脂が好ましい。
凸部を構成する材料の屈折率は、平坦化層の屈折率と異なるようにするのが好ましい。そうすることにより、構造体の内部を通過する光線の反射や屈折を制御しやすく、構造体を含む種々の装置の性能を向上させることができる。凸部を構成する材料の屈折率と、平坦化層の屈折率との差は、0.01〜0.7であるのが好ましく、0.05〜0.5であるのがより好ましい。
基板の材質は特に限定されず、構造体の用途に応じて適宜選択される。本発明に係る構造体がOLED(有機発光ダイオード)照明や、タッチパネルに使用される場合、典型的にはガラス基板が使用される。構造体がイメージセンサーに使用される場合、基板としてはフォトダイオードを備えるシリコン基板が使用される。
パターン化された凸部の形状及びサイズは特に限定されず、構造体の用途に応じて適宜選択される。パターン化された凸部間に形成される凹部について、幅は、0.05〜500μmであるのが好ましく、深さは0.01〜10μmであるのが好ましい。
≪構造体の製造方法≫
本発明に係る構造体の好ましい用途としては、イメージセンサー、OLED照明、タッチパネル等が挙げられる。以下、イメージセンサー用の構造体の製造方法、OLED照明用の構造体の製造方法、及びタッチパネル用の構造体の製造方法について順に説明する。
〔イメージセンサー〕
本発明に係る構造体をイメージセンサーに適用する場合の、典型的なイメージセンサーの製造方法を、図1を参照しつつ以下に説明する。
イメージセンサーは通常、フォトダイオード11と、パターン化された凸部に相当する絶縁層12とを備えるシリコン等の半導体基板10を用いて製造される。絶縁層12は、典型的には、SiO等のケイ素酸化物からなる。絶縁層12は、その内部に金属配線13を備える。絶縁層12とフォトダイオード11とを備える半導体基板10上の表面に、前述の平坦化層形成用材料を塗布した後、必要に応じて塗布膜を硬化させることによって、平坦化層14が形成される。平坦化層14は、未硬化の塗布膜であってもよく、塗布膜を硬化させた硬化膜であってもよい。
絶縁層12間の凹部の深さは、0.5〜5μmが好ましく、1〜3μmがより好ましく、1.5〜2μmが特に好ましい。凹部の幅は、0.1〜2μmが好ましく、0.1〜1μmがより好ましい。
平坦化層形成用材料を塗布する方法は、特に限定されない。塗布方法としては、例えば、ロールコータ、リバースコータ、バーコータ等の接触転写型塗布装置やスピンナー(回転式塗布装置)、カーテンフローコータ等の非接触型塗布装置を用いる方法が挙げられる。平坦化層14の厚さは特に限定されず、半導体基板10上の凹部の深さ以上であればよい。平坦化層14の厚さが凹部の深さ以上である場合、平坦化層14の厚さは、凹部の深さの1.0〜2倍であるのが好ましく、1.0〜1.5倍であるのが好ましい。
平坦化層形成用材料が、溶剤を含まず室温で固体である場合、当該固体を加熱して溶融させた融液を調整した後、当該融液を半導体基板10上に塗布する。融液の温度は、平坦化層形成用材料に含まれる化合物の重合が生じない温度であるのが好ましく、典型的には、110〜210℃に加熱されるのが好ましい。
平坦化層形成用材料が有機溶剤を含む場合、塗布後に、塗布膜中の有機溶剤を除去するのが好ましい。有機溶剤を除去する方法としては、例えば、(1)ホットプレートにて80〜120℃、好ましくは90〜100℃の温度にて60〜120秒間、プリベークを行う方法、(2)室温にて塗布膜を数時間〜数日間放置する方法、(3)温風ヒータや赤外線ヒータを用いて数十分間〜数時間塗布膜を加熱して溶剤を除去する方法等が挙げられる。
平坦化層形成用材料は、フォトリソグラフィー法によりパターニング可能な感光性を有するものであってもよい。感光性を有する平坦化層形成用材料を用いることによって、基板上の必要な箇所にのみ、平坦化層14を形成することができる。
次いで、塗膜又は成形体に対して所定パターン状に電磁波を照射し、露光する。電磁波
感光性の平坦化層形成用材料からなる塗布膜を用いてフォトリソグラフィー法により平坦化層14を形成する場合、平坦化層形成用材料からなる塗布膜に位置選択的に電磁波が照射される。電磁波は、ネガ型のマスクを介して照射されてもよく、直接照射されてもよい。露光量は、平坦化層形成用材料の組成によっても異なるが、例えば5〜500mJ/cm程度が好ましい。
露光後された塗布膜を、現像液により現像することによって所望の形状にパターン化された平坦化層14が形成される。現像方法は、特に限定されず、例えば、浸漬法、スプレー法等を用いることができる。現像液としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の有機系のものや、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア、4級アンモニウム塩等の水溶液が挙げられる。
未露光の塗布膜、又は、現像後のパターンに対しては、必要に応じて、200〜250℃程度でベーク処理が施される。このような温度でベーク処理を行うことによって、式(1)で表される化合物、式(10)で表される化合物、及び式(19)で表される化合物を熱硬化させることができる。
なお、塗布膜に対して、全面露光を行ってもよい。この場合、現像することなく、光硬化された平坦化層14が形成される。
平坦化層14の上部には、フォトダイオード11に入射する光を分光するためのRGBの着色領域を備えるカラーレジスト層15が配置される。また、カラーレジスト層15上には、フォトダイオード11に向けて集光するためのマイクロレンズ16が配置される。絶縁層12の屈折率は通常1.2〜1.6程度であり、平坦化層14の屈折率は通常1.7以上である。この屈折率差によって、絶縁層12間に充填された平坦化層14は光導波路として作用し、フォトダイオード11に良好に集光される。
〔OLED照明〕
本発明に係る構造体をOLED照明に適用する場合の、典型的なOLED照明の製造方法を、図2を参照しつつ以下に説明する。
OLED照明は通常、OLED層24の発する光線の反射を抑制するようにパターン化された凸部21を備える透明基板20を用いて製造される。透明基板20としては、典型的にはガラスが使用される。凸部21は、所望する形状にパターン化することが容易であることから、アクリル樹脂等の透明な樹脂材料で形成されるのが好ましい。
凸部21は、プリズム構造であったり、レンズ構造であったり、モスアイ構造であったりする。凸部21上に形成される、平坦化層に該当する反射抑制層22の屈折率は通常1.7以上であり、アクリル樹脂等により形成される凸部21の屈折率は通常1.5程度である。この屈折率の差と、凸部21の形状の効果とによって、反射抑制層22を透過して凸部21に光線が入射する際の、反射抑制層22と凸部21との界面での光線の反射が抑制される。このため、本発明に係る構造体をOLED照明に適用する場合、OLED照明の輝度を高めることができる。
凸部21間の凹部の深さは、0.05〜10μmが好ましく、0.1〜5μmがより好ましい。凹部の幅は、0.05〜20μmが好ましく、0.1〜10μmがより好ましい。
以上説明した、ガラス基板20上の凸部21の表面に、平坦化層形成用材料を用いて反射抑制層22が形成される。反射抑制層22の形成方法は、イメージセンサーにおける平坦化層14の形成方法と同様である。反射抑制層22の厚さは、凸部21間の凹部の深さ以上であれば特に限定されない。反射抑制層22の厚さは、凹部の深さの1.0〜2.0倍であるのが好ましく、1.0〜1.5倍であるのが好ましい。
反射抑制層22の凸部21と接しない面上には、ITO等の透明な導電性材料からなる透明電極層23が配置される。透明電極層23の反射抑制層22と接しない面上にはOLED層24が発光可能な状態で配置される。
〔タッチパネル〕
本発明に係る構造体をタッチパネルに適用する場合の、典型的なタッチパネルの製造方法を、図3を参照しつつ以下に説明する。
タッチパネルは通常、絶縁膜32を介して絶縁され、且つ、互いに直交する方向に形成された第一の電極パターン31と、第二の電極パターン33とを備える。まず、透明な導電性材料からなる第一の電極パターン31(凸部パターン)をその表面に備える、ガラス板等の透明基板30を基板として用いる。電極パターン31の材料としては、典型的にはITOのような導電性の金属酸化物が用いられる。
第一の電極パターン31の形状は特に限定されず、従来のタッチパネルにおいて採用されている電極パターンの形状を適宜採用できる。第一の電極パターン31の厚さは、典型的には10〜500nmが好ましく、10〜300nmがより好ましく、10〜200nmが特に好ましい。なお、第一の電極パターンの厚さとは、基板の面方向に対して垂直方向の厚さである。
透明基板30上には、このような厚さの第一の電極パターン31(凸部)により凹部が規定される。このため、第一の電極パターン31の好ましい厚さは、透明基板上に形成された凹部の好ましい深さにそのまま該当する。
第一の電極パターン31を構成する、隣接する凸部間の間隔は50〜500μmが好ましく、50〜300μmがより好ましい。この凸部の間隔は、凸部間に形成される凹部の幅に該当する。
第一の電極パターン31を構成する透明な導電性材料からなる凸部の幅は特に限定されないが、1〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましく、1〜30μmが特に好ましい。なお、第一の電極パターン31を構成する凸部の幅とは、当該凸部の基板の面方向の幅である。
以上説明した、透明基板30上の第一の電極パターン31を備える表面に、平坦化層形成用材料を用いて絶縁層32が形成される。絶縁層32の形成方法は、イメージセンサーにおける平坦化層14の形成方法と同様である。絶縁層32の厚さは、電極パターン31を構成する凸部間の凹部の深さ以上であれば特に限定されない。絶縁層32の厚さは、凹部の深さの1.0〜2.0倍であるのが好ましく、1.0〜1.5倍であるのが好ましい。
このようにして形成される、透明基板30と、第一の電極パターン31と、絶縁層32とを備える構造体は、タッチパネル製造用の構造体として有用である。
さらに、透明基板30と、第一の電極パターン31と、絶縁層32とを備える構造体中の絶縁層32の表面に、第一の電極パターン31と直交する方向に第二の電極パターン33(凸部)を形成する。第二の電極パターン33や、第二の電極パターン33中に形成される凹部のサイズは、第一の電極パターン31と同様である。
透明基板30と、第一の電極パターン31と、絶縁層32と、第二の電極パターン33とを備える構造体を基板として用いて、平坦化層として保護層34を形成することによって、直交する第一の電極パターン31と第二の電極パターン33とを備える構造体が得られる。保護層34の形成方法は、イメージセンサーにおける平坦化層14の形成方法と同様である。保護層34の厚さと、第二の電極パターン33中の凹部の深さとの関係は、絶縁層32と、第一の電極パターン31中の凹部の深さとの関係と同様である。
保護層34の第二の電極パターンと接しない面上に、液晶表示素子等の画像表示素子モジュール35が配置されタッチパネルが構成される。
第一の電極パターン31と、第二の電極パターン33とがITOを用いて形成されている場合、上記の平坦化層形成用材料を用いて形成される絶縁層32及び保護層34の屈折率と、ITOの屈折率とは非常に近い。このため、本発明に係る構造体をタッチパネル用の構造体とする場合、タッチパネル用の構造体を透明基板30側から観察する場合に、透明基板上に第一の電極パターン31と、第二の電極パターン33とに由来する模様が視認されなくなる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、本発明は、実施例の範囲になんら限定されない。
以下、実施例において、下記構造の化合物1そのもの、化合物1の溶液、化合物1を含む組成物を用いて平坦化層を形成した。化合物1の合成方法を合成例1に記す。
Figure 0006415217
〔合成例1:化合物1の合成〕
合成例1において、無機塩基として下記の粒子径分布を有する軽灰炭酸ナトリウム粉末を用いた。
粒子径分布:250μm以上;3重量%
150μm以上250μm未満;15重量%
75μm以上150μm未満;50重量%
75μm未満;32重量%
なお、上記の粒子径分布は、60メッシュ(250μm)、100メッシュ(150μm)、200メッシュ(75μm)のふるいを用いて仕分けた後、最終的に得られた篩上成分及び篩下成分各々の重量を測定することにより算出した。
冷却管、及び、凝縮液を分液させて有機層を反応容器に戻し水層を系外に排出するためのデカンターを取り付けた1000ml反応容器に、ジ−μ−クロロビス(1,5−シクロオクタジエン)二イリジウム(I)[Ir(cod)Cl](839mg、1.25mmol)、軽灰炭酸ナトリウム(12.7g、0.12mol)、9,9’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレン(225g、0.5mol)、プロピオン酸ビニル(125g、1.25mol)、及びトルエン(300ml)を仕込んだ後、表面積が10cmの撹拌羽根を用い回転数を250rpmに設定し、撹拌しながら徐々に温度を上げて還流させた。還流下、副生する水をデカンターで除去しながら、5時間反応させた。反応液をガスクロマトグラフィーにより分析したところ、9,9’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレンの転化率は100%であり、9,9’−ビス(6−ヒドロキシ−2−ナフチル)フルオレンを基準として9,9’−ビス(6−ビニロキシ−2−ナフチル)フルオレン(化合物1)が81%、ビス6−ナフトールフルオレンモノビニルエーテルが4%の収率で生成していた。生成物を、カラムクロマトグラフィーにより生成し、化合物1を得た。
H−NMR(CDCl):4.47(dd、2H、J=1.5Hz、5.0Hz)、4.81(dd、2H、J=3.5Hz、12.0Hz)、6.71(dd、2H、J=6.0Hz)、7.12−7.82(m、20H)
〔参考例1〕
化合物1をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに溶解して20質量%の溶液を調製した。この溶液をガラス基板にスピンコーターを用いて塗布し、100℃で120秒間プリベークを行い、乾燥塗膜(膜厚2.0μm)を形成した。この乾燥塗膜を230℃で20分間ポストベークを行い、硬化膜(膜厚1.7μm)を得た。
得られた乾燥塗膜と硬化膜とについて、波長400nmでの光透過率と波長633nmでの屈折率とを測定した。また、硬化膜については、鉛筆硬度と、5%質量減少温度Td5%とを測定した。鉛筆硬度は、JIS K 5400に従って測定した。5%質量減少温度Td5%は、以下の方法に従って測定した。
(Td5%測定方法)
硬化膜を室温(約20℃)から1分間に10℃ずつの割合で昇温加熱して大気中で熱重量分析を行い、分析開始時の質量を基準として質量が5%減少する温度をTd5%とした。
以上の測定の結果、乾燥塗膜及び硬化膜について、光透過率はいずれも95%であり、屈折率はいずれも1.73であった。また、硬化膜の鉛筆硬度は7Hであり、5%質量減少温度Td5%は357℃であった。
つまり、化合物1を用いて形成された乾燥塗膜及び硬化膜は、いずれも透明性に優れる。また、化合物1を用いて形成された硬化膜は、高硬度であって耐熱性に優れる。
〔実施例1〜3〕
実施例1〜3は、イメージセンサー用の構造体に相当する構造体の製造例である。
実施例1〜3では、SiOを主体とするケイ素酸化物からなる高さ1μmの絶縁層(凸部)を、凸部間の間隔が0.5μmであるようにその表面上に備えるシリコン基板を用いた。つまり、シリコン基板は、深さ1μm、幅0.5μmの凹部を備える。
実施例1〜3では、以下の方法に従って、光導波路に相当する平坦化層を形成した。実施例1では、化合物1を150℃で溶融させた融液をシリコン基板上にスピンコーターを用いて塗布して、230℃で20分間ポストベークを行い膜厚1.1μmの平坦化層を形成した。実施例2では、濃度10質量%の化合物1のシクロヘキサノン溶液を、スピンコーターを用いてシリコン基板上に塗布した後、100℃120秒間の条件で塗布膜をプリベークして、230℃で20分間ポストベークを行い膜厚1.1μmの平坦化層を形成した。実施例3では、以下の方法に従って、化合物1を含むネガ型感光性樹脂組成物を用いて膜厚1.1μmの平坦化層を形成した。
実施例3では、10質量部の化合物1と、10質量部のポリヒドロキシスチレン(質量平均分子量5,000)と、1質量部の光酸発生剤(CPI−210S、サンアプロ社製)とを、固形分濃度が15質量%となるようにシクロヘキサノンに溶解させて平坦化層形成用材料を得た。得られた平坦化層形成材料を、スピンコーターを用いてシリコン基板上に塗布した後、100℃で2分間塗布膜をプリベークした。その後230℃で20分間ポストベークを行い塗布膜をブロードバンド光で全面露光し、膜厚1.1μmの平坦化層を形成した。
実施例1〜3で得られた平坦化層を備える基板の断面を、走査型電子顕微鏡により観察した。その結果、実施例1〜3のいずれにおいても、平坦化層が凹部に完全に充填されていることと、平坦化層の基板と接する面と反対の面が平坦(段差が10nm以下)であることとが確認された。
〔実施例4〜6〕
実施例4〜6は、OLED照明用の構造体に相当する構造体の製造例である。
実施例4〜6では、アクリル樹脂からなる高さ1μmの凸部を、凸部間の間隔が0.5μmであるようにその表面上に備えるガラス基板を用いた。つまり、ガラス基板は、深さ1μm、幅0.5μmの凹部を備える。
実施例4では、化合物1を150℃で溶融させた融液をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布して、230℃で20分間ポストベークを行い膜厚1.1μmの平坦化層を形成した。実施例5では、濃度10質量%の化合物1のシクロヘキサノン溶液を、スピンコーターを用いてガラス基板上に塗布した後、100℃120秒間の条件で塗布膜をプリベークして、230℃で20分間ポストベークを行い膜厚1.1μmの平坦化層を形成した。実施例6では、実施例3と同様にして化合物1を含むネガ型感光性樹脂組成物を用いて膜厚1.1μmの平坦化層を形成した。
実施例4〜6で得られた平坦化層を備える基板の断面を、走査型電子顕微鏡により観察した。その結果、実施例4〜6のいずれにおいても、平坦化層が凹部に完全に充填されていることと、平坦化層の基板と接する面と反対の面が平坦(段差が10nm以下)であることとが確認された。
〔実施例7〜9〕
実施例7〜9は、タッチパネル用の構造体に相当する構造体の製造例である。
実施例7〜9では、ITOからなる高さ0.1μm(100nm)、幅7μmの電極(凸部)を、凸部間の間隔が300μmであるようにその表面上に平衡に配置されたガラス基板を用いた。つまり、ガラス基板は、深さ0.1μm、幅300μmの凹部を備える。
実施例7では、化合物1を150℃で溶融させた融液をガラス基板上にスピンコーターを用いて塗布して、230℃で20分間ポストベークを行い膜厚0.15μmの平坦化層を形成した。実施例8では、濃度10質量%の化合物1のシクロヘキサノン溶液を、スピンコーターを用いてガラス基板上に塗布した後、100℃120秒間の条件で塗布膜をプリベークして、230℃で20分間ポストベークを行い膜厚0.15μmの平坦化層を形成した。実施例9では、実施例3と同様にして化合物1を含むネガ型感光性樹脂組成物を用いて膜厚0.15μmの平坦化層を形成した。
実施例7〜9で得られた平坦化層を備える基板の断面を、走査型電子顕微鏡により観察した。その結果、実施例7〜9のいずれにおいても、平坦化層が凹部に完全に充填されていることと、平坦化層の基板と接する面と反対の面が平坦(段差が10nm以下)であることとが確認された。また、実施例7〜9で得られた構造体を、ガラス基板側から観察したところ、いずれの構造体においてもITOからなる凸部に由来する模様は視認されなかった。
〔比較例1〜3〕
実施例3、6、及び9において用いたネガ型感光性樹脂組成物に替えて下記組成の感光性樹脂組成物を用いた以外は、実施例3、6、及び9と同様にして平坦化層を形成した。なお、比較例1がイメージセンサー用の構造体の製造例であり、比較例2がOLED照明用の構造体の製造例であり、比較例3がタッチパネル用の構造体の製造例である。
比較例1〜3では、12質量部の下記の樹脂溶液と、45質量部の下記の無機微粒子分散液と、4質量部のカヤキュアDPCA(日本化薬株式会社製)と、0.4質量部のIrgacure369(BASF社製)と、38質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とを均一に混合して得られた感光性樹脂組成物を用いた。
(樹脂溶液)
ベンジルメタクリレート50質量部と、メタクリル酸15.8質量部と、メタクリル酸メチル20質量部とを、PGMEA100質量部中で、アゾビスイソブチロニトリル8質量部を重合開始剤として用いて、120℃で2.5時間共重合させて得られた樹脂を含む溶液を樹脂溶液として用いた。樹脂溶液の固形分濃度は、PGMEAを用いて40質量%に調整された。樹脂溶液中の樹脂の質量平均分子量は1000であった。
(無機微粒子分散液)
70質量部のZrO微粒子と、30質量部の分散剤(BYK−111、ビックケミー社製)と、250質量部のPGMEAとを均一に混合して、無機微粒子分散液を得た。
平坦化層を備える基板の断面を、走査型電子顕微鏡により観察した。その結果、比較例1〜3のいずれにおいても、平坦化層の基板と接する面と反対の面の平坦性が良好でない(段差が50nm以上ある)ことが確認された。
また、比較例にて用いた感光性組成物をスピンコーターを用いてシリコン基板上に塗布した後、100℃で2分間塗布膜をプリベークし、その後230℃で20分間ポストベークを行い塗布膜をブロードバンド光で全面露光して得られる硬化膜(膜厚1.7μm)について波長400nmでの光透過率と波長633nmでの屈折率とを測定したところ、光透過率90%、屈折率1.65であった。
10 半導体基板
11 フォトダイオード
12 絶縁層
13 金属配線
14 平坦化層
15 カラーレジスト層
16 マイクロレンズ
20 ガラス基板
21 凸部
22 反射抑制層
23 透明電極層
24 OLED層
30 透明電極
31 第一の電極パターン
32 絶縁層
33 第二の電極パターン
34 保護層
35 表示素子モジュール

Claims (5)

  1. 金属酸化物及び/又は有機物を含むパターン化された凸部を有する基板と、前記凸部パターンにより形成される凹部を少なくとも充填する平坦化層とを備える構造体であって、
    前記平坦化層が、
    (I)下記式(1)で表されるビニル基含有化合物;
    (II)下記式(10)で表されるモノビニル基及びモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物;
    (III)下記式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物;
    (IV)下記式(1)で表されるビニル基含有化合物の硬化物;
    (V)下記式(10)で表されるモノビニル基及びモノ(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の硬化物;
    (VI)下記式(19)で表される(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物の硬化物;
    (VII)前記(I)、前記(II)及び前記(III)からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物;並びに、
    (VIII)前記(I)、前記(II)及び前記(III)からなる群より選択される少なくとも1種を含む組成物の硬化物、
    からなる群より選択される1種からなる、構造体。
    Figure 0006415217
    (式(1)中、W及びWは独立に下記式(2)で表される基、下記式(4)で表される基、水酸基、又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、ただし、W及びWは同時に水酸基でも下記式(4)で表される基でもなく、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、R3a及びR3bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、n1及びn2は独立に0〜4の整数を示す。)
    Figure 0006415217
    (式(2)中、環Zは縮合多環式芳香族炭化水素環を示し、Xは単結合又は−S−で示される基を示し、Rは単結合又は炭素原子数1〜4のアルキレン基を示し、Rは1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、スルホ基、又は1価炭化水素基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、−NHR4cで示される基、もしくは−N(R4dで示される基に含まれる炭素原子に結合した水素原子の少なくとも一部が1価炭化水素基、水酸基、−OR4aで示される基、−SR4bで示される基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メルカプト基、カルボキシル基、アミノ基、カルバモイル基、−NHR4cで示される基、−N(R4dで示される基、(メタ)アクリロイルオキシ基、メシルオキシ基、もしくはスルホ基で置換された基を示し、R4a〜R4dは独立に1価炭化水素基を示し、mは0以上の整数を示す。)
    Figure 0006415217
    (式(4)中、環Z、X、R、R、及びmは前記の通りである。)
    Figure 0006415217
    (式(10)中、W11及びW12のいずれか一方は上記式(2)で表される基を示し、他方は下記式(11)又は(12)で表される基を示し、環Y、環Y、R、R3a、R3b、n1、及びn2は前記の通りである。)
    Figure 0006415217
    (式(11)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、lは1〜4の整数を示し、環Z、X、R、R、及びmは前記の通りである。)
    Figure 0006415217
    (式(12)中、環Z、X、R、R、R、及びmは前記の通りである。)
    Figure 0006415217
    (式(19)中、W13及びW14は独立に上記式(12)で表される基、水酸基、又は(メタ)アクリロイルオキシ基を示し、ただし、W13及びW14の少なくとも一方は上記式(12)で表される基であり、環Y及び環Yは同一の又は異なる芳香族炭化水素環を示し、Rは単結合、置換基を有してもよいメチレン基、置換基を有してもよく、2個の炭素原子間にヘテロ原子を含んでもよいエチレン基、−O−で示される基、−NH−で示される基、又は−S−で示される基を示し、R3a及びR3bは独立にシアノ基、ハロゲン原子、又は1価炭化水素基を示し、n1及びn2は独立に0〜4の整数を示す。)
  2. 前記平坦化層の屈折率が前記凸部の屈折率とは異なる請求項1に記載の構造体。
  3. 前記凹部が0.05〜500μmの幅及び0.01〜10μmの深さを有する請求項1又は2に記載の構造体。
  4. 前記環Zがナフタレン環である請求項1から3のいずれか1項に記載の構造体。
  5. 前記Rが単結合である請求項1から4のいずれか1項に記載の構造体。
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