JP6427876B2 - 感放射線性樹脂組成物、硬化膜、発光素子および発光層の形成方法 - Google Patents

感放射線性樹脂組成物、硬化膜、発光素子および発光層の形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、感放射線性樹脂組成物、硬化膜、発光素子および発光層の形成方法に関する。
電子を閉じ込めるために形成された極小さな粒(ドット)が、量子ドットと称され、近年注目を集めている。1粒の量子ドットの大きさは、直径数ナノメートルから数10ナノメートルであり、約1万個の原子で構成されている。
量子ドットは、太陽電池パネルの半導体の薄膜の中に分散させると、エネルギー変換効率を大幅に向上させることができることから太陽電池への適用が検討されている(例えば、特許文献1を参照のこと。)。また、量子ドットのサイズを変える(バンドギャップを変える)ことで、発光する蛍光の色(発光波長)を変えること(波長変換)ができるため、バイオ研究における蛍光プローブ(非特許文献1を参照のこと。)や、波長変換材料としての表示素子への適用(例えば、特許文献2および特許文献3を参照のこと。)が検討されている。
特開2006−216560号公報 特開2008−112154号公報 特開2009−251129号公報
神隆、「半導体量子ドット、その合成法と生命科学への応用」、生産と技術、第63巻、第2号、2011年、p58〜p65
非特許文献1や特許文献1の実施例に示されるように、代表的な量子ドットは、II−V族の半導体のCdSe(セレン化カドミウム)、CdTe(テルル化カドミウム)およびPbS等からなる半導体量子ドットである。
しかし、例えば、主成分である鉛(Pb)は、毒性への懸念が良く知られた材料である。また、カドミウム(Cd)とその化合物は、低濃度でも極めて強い毒性を示し、腎臓機能障害や発がん性が懸念される材料である。したがって、より安全な材料からなる半導体量子ドットの形成が求められている。
また、半導体量子ドットを太陽電池パネルや表示素子のディスプレイ等に適用しようとする場合、その蛍光発光を利用するため、粒子形態の半導体量子ドットからなる膜や層の形成が求められる場合がある。すなわち、蛍光発光を示す、波長変換膜(波長変換フィルム)または発光層の形成が求められることがある。
粒子形態の半導体量子ドットを用いた発光層の形成方法としては、例えば、特許文献1の実施例や特許文献2に示されるように、適当な基板上に、直接に、半導体量子ドットからなる層を形成する方法が知られている。しかしながら、このような形成方法では、得られる発光層の安定性が乏しい。特に、半導体量子ドットからなる層と基板との結着性に懸念がある。
そこで、粒子形態の半導体量子ドットを樹脂材料中に混合または埋め込んで、層または膜を構成する方法が提案されている。しかしながら、半導体量子ドットを用い、半導体量子ドットに特有の蛍光特性を安定に保ちながら、樹脂とともに層や膜等の形成を行う方法は十分な検討がなされていない。
そのため、半導体量子ドットを樹脂材料とともに用い、その蛍光発光特性を低下させることなく、層や膜を形成し、高信頼性の発光層を形成する技術が求められている。特に、半導体量子ドットとともに用いられ、半導体量子ドットと樹脂とからなる発光層等の形成に好適となる樹脂材料が求められている。
その場合、そのような樹脂材料は、特に、安全な材料からなる半導体量子ドットに好適であって、発光層等の形成に好適となるものであることが望ましい。そして、その樹脂材料は耐性に優れることが好ましく、発光層等の形成において、含有される半導体量子ドットを保護し、蛍光特性の劣化を抑え、さらに、信頼性の向上を可能とすることが好ましい。
加えて、半導体量子ドットと樹脂とからなる発光層等は、簡便な形成が可能で、高い生産性を有していることが好ましい。すなわち、そのような発光層等の形成には、例えば、塗布等の簡便な形成方法を利用できることが好ましい。そして、その発光層等は、例えば、半導体量子ドットと樹脂成分とを含む液状の樹脂組成物から、塗布等の方法を利用して形成できることが好ましい。
そのため、半導体量子ドットと樹脂成分とを含んで調製され、塗布等の方法の利用により硬化膜を形成して、発光層や発光膜を形成できる樹脂組成物が求められている。
さらに、その樹脂組成物は、優れたパターニング性を有することが好ましい。すなわち、発光層等を形成する樹脂組成物は、例えば、発光表示素子等の発光素子の構成に好適に用いることができるように、パターニングされた発光層等の形成が可能であることが好ましい。その場合、パターニングされた発光層等の形成は、例えば、フォトリソグラフィ法等の利用が可能であり、簡便に実現できることが好ましい。
そのため、放射線感度に優れ、フォトリソグラフィ法等の公知のパターニング方法を利用して、パターニングされた発光層等を簡便に形成することができる感放射線性樹脂組成物が求められている。
本発明は、以上のような問題に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的は、半導体量子ドットを含み、蛍光特性に優れた高い信頼性の硬化膜を簡便に形成できる感放射線性樹脂組成物を提供することである。
また、本発明の目的は、半導体量子ドットを含む感放射線性樹脂組成物を用いて形成され、蛍光特性に優れ、高い信頼性を有する硬化膜を提供することにある。
また、本発明の目的は、半導体量子ドットを含む感放射線性樹脂組成物を用いて形成され、蛍光特性と信頼性に優れた発光層を有する発光素子を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、半導体量子ドットを含む感放射線性樹脂組成物を用いた発光層の形成方法を提供することにある。
本発明の他の目的および利点は、以下の記載から明らかとなるであろう。
本発明の第1の態様は、
[A]ガラス転移温度が110℃以上である樹脂、
[B]感光剤、および
[C]半導体量子ドット
を含有することを特徴とする感放射線性樹脂組成物に関する。
本発明の第1の態様において、[A]ガラス転移温度が110℃以上である樹脂が、環状ポリオレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フルオレンポリカーボネート系樹脂、フルオレンポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂、(変性)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルエステル系硬化型樹脂およびシルセスキオキサン系紫外線硬化樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、[C]半導体量子ドットが、2族元素、12族元素、13族元素、14族元素、15族元素および16族元素よりなる群から選ばれる少なくとも2種の元素を含む化合物からなることが好ましい。
本発明の第1の態様において、[C]半導体量子ドットが、Inを構成成分として含む化合物からなることが好ましい。
本発明の第1の態様において、[C]半導体量子ドットが、InP/ZnS化合物、CuInS/ZnS化合物、AgInS化合物、(ZnS/AgInS)固溶体/ZnS化合物、ZnドープAgInS化合物およびSi化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、[B]感光剤が、光ラジカル重合開始剤および光酸発生剤から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の第1の態様において、[B]感光剤が、キノンジアジド化合物からなることが好ましい。
本発明の第1の態様において、[A]ガラス転移温度が110℃以上である樹脂100質量部に対する[C]半導体量子ドットの含有量が0.1質量部〜100質量部であることが好ましい。
本発明の第2の態様は、本発明の第1の態様の感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とする硬化膜に関する。
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様の感放射線性樹脂組成物を用いて形成された発光層を有することを特徴とする発光素子に関する。
本発明の第4の態様は、本発明の第3の態様の発光素子の発光層の形成方法であって、
(1)本発明の第1の態様の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
(2)工程(1)で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)工程(2)で放射線を照射された塗膜を現像する工程、および
(4)工程(3)で現像された塗膜を加熱する工程
を有することを特徴とする発光層の形成方法に関する。
本発明の第1の態様によれば、半導体量子ドットを含み、蛍光特性に優れた高信頼性の硬化膜を簡便に形成できる感放射線性樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第2の態様によれば、半導体量子ドットを含む感放射線性樹脂組成物を用いて形成され、蛍光特性に優れ、高い信頼性を有する硬化膜が提供される。
また、本発明の第3の態様によれば、半導体量子ドットを含む感放射線性樹脂組成物を用いて形成され、蛍光特性と信頼性に優れた発光層を有する発光素子が提供される。
さらに、本発明の第4の態様によれば、半導体量子ドットを含む感放射線性樹脂組成物を用いた、発光素子の発光層の形成方法が提供される。
本発明の第2実施形態の硬化膜の形成における塗膜形成工程を説明する基板の断面図である。 本発明の第2実施形態の硬化膜の形成における放射線照射工程を模式的に説明する断面図である。 本発明の第2実施形態の硬化膜の形成における現像工程を説明する基板の断面図である。 本発明の第2実施形態の硬化膜の形成における硬化工程を説明する硬化膜および基板の断面図である。 本発明の第3実施形態の発光表示素子を模式的に示す断面図である。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[A]ガラス転移温度が110℃以上である樹脂(以下、単に[A]成分とも言う。)、[B]感光剤(以下、単に[B]成分とも言う。)、および[C]半導体量子ドット(以下、単に[C]成分とも言う。)を含有してなる感放射線性の樹脂組成物である。
本発明の感放射線性樹脂組成物は、[A]ガラス転移温度が110℃以上である樹脂と[C]半導体量子ドットとを含有してなり、樹脂材料からなり半導体量子ドットを含む層や膜を形成することができる。本発明の感放射線性樹脂組成物の[A]成分は、ガラス転移温度が110℃以上である樹脂であって、環状ポリオレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フルオレンポリカーボネート系樹脂、フルオレンポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂、(変性)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルエステル系硬化型樹脂およびシルセスキオキサン系紫外線硬化樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種である。すなわち、本発明の感放射線性樹脂組成物から形成される層や膜は、優れた耐熱性の樹脂を用いて形成されて高い信頼性を備える。そして、それらの層等は、含有する半導体量子ドットを保護して層形成時の特性劣化を抑え、さらにその信頼性を向上することができる。
また、本発明の感放射線性樹脂組成物は、[B]感光剤を含有し、所望の感放射線性を有することができる。そして、本発明の感放射線性樹脂組成物は、感放射線性に基づき、例えば、フォトリソグラフィ法等を利用したパターニングが可能となる。
尚、本発明において、露光に際して照射される「放射線」には、可視光線、紫外線、遠紫外線、X線および荷電粒子線等が含まれる。
また、フォトリソグラフィ法には、加工や処理を受ける基板の表面に、所謂レジスト組成物を塗布してレジスト膜を形成する工程、光や電子線を照射して所定のレジストパターンを露光することによりレジストパターン潜像を形成する露光工程、必要に応じ加熱処理する工程、次いでこれを現像して所望の微細パターンを形成する現像工程、および、この微細パターンをマスクとして基板に対してエッチング等の加工を行う工程等が含まれる。
そして、本発明の感放射線性樹脂組成物は、必要な場合にパターニングが施され、本発明の硬化膜を形成することができる。本発明の硬化膜は、優れた耐熱性の樹脂中に[C]半導体量子ドットが含まれて構成される。
そして、本発明の硬化膜は、[C]半導体量子ドットに基づく蛍光発光(波長変換)機能を有する。そのため、励起光と異なる波長の蛍光を発光する発光層や発光膜(波長変換フィルム)としての利用が可能である。
特に、本発明の硬化膜は、発光素子の発光層としての利用に好適であり、後述する本発明の発光素子の構成に用いることができる。
以下、本発明の感放射線性樹脂組成物、硬化膜、発光素子、および、発光層の形成方法について説明する。
実施の形態1.
<感放射線性樹脂組成物>
本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述したように、[A]ガラス転移温度が110℃以上である樹脂、[B]感光剤、および[C]半導体量子ドットを必須の成分として含有する。
このような組成を有することにより、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、パターニング性を備えることができ、また、優れた蛍光発光(波長変換)機能(以下、単に、蛍光性または蛍光特性等とも言う。)を備えた本発明の実施形態の硬化膜を形成することができる。
そして、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、さらに、本発明の効果を損なわない限り、その他任意成分を含有することができる。
以下で、本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物の含有成分について、より詳細に説明する。
〔[A]ガラス転移温度が110℃以上である樹脂〕
本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述したように、[C]半導体量子ドットを含有して、蛍光発光(波長変換)機能を備えた硬化膜を形成するために使用することができる。
蛍光発光(波長変換)機能を備えた硬化膜は樹脂を成分として形成され、その樹脂成分は、主に、本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物の[A]成分によるものとなる。したがって、本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物の[A]成分は、[C]半導体量子ドットを含有した高い信頼性の硬化膜の提供に好適であることが好ましい。
このような[A]成分としては、本発明の硬化膜の蛍光発光機能を損なわない樹脂である限り特に制限されないが、上述したように、硬化膜の熱安定性の確保に好適な樹脂の選択が好ましい。
したがって、[A]成分としては、ガラス転移温度(Tg)が110℃以上である樹脂の選択が好ましい。より詳しくは、[A]成分としては、ガラス転移温度(Tg)が、好ましくは110℃〜380℃、より好ましくは110℃〜370℃、さらに好ましくは120℃〜360℃である樹脂の選択が好ましい。
その結果、本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いて形成された硬化膜は、表示素子等の発光素子に適用されて100℃以上の加熱製造工程に対して耐性を示すことができる。
このような[A]成分としては、例えば、環状ポリオレフィン系樹脂、芳香族ポリエーテル系樹脂、ポリイミド系樹脂、フルオレンポリカーボネート系樹脂、フルオレンポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアミド(アラミド)系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルホン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリパラフェニレン系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)系樹脂、フッ素化芳香族ポリマー系樹脂、(変性)アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、アリルエステル系硬化型樹脂およびシルセスキオキサン系紫外線硬化樹脂を挙げることができる。
以下、本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物の[A]成分として例示された樹脂について、特に好ましいものをより詳しく説明する。
(1)環状オレフィン系樹脂
上述の環状オレフィン系樹脂としては、下記式(X)で表される単量体および下記式(Y)で表される単量体からなる群より選ばれる少なくとも1つの単量体から得られる樹脂、または必要に応じてさらにその樹脂を水素添加することで得られる樹脂が好ましい。
Figure 0006427876
上記式(X)中、Rx1〜Rx4は、それぞれ独立に下記(i’)〜(viii’)より選ばれる原子または基を表し、k、mおよびpは、それぞれ独立に0または正の整数を表す。
(i’)水素原子
(ii’)ハロゲン原子
(iii’)トリアルキルシリル基
(iv’)酸素原子、硫黄原子、窒素原子またはケイ素原子を含む連結基を有する、置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(v’)置換または非置換の炭素数1〜30の炭化水素基
(vi’)極性基(但し(iv’)を除く)
(vii’)Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成されたアルキリデン基を表し、該結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に上述の(i’)〜(vi’)より選ばれる原子または基を表す。
(viii’)Rx1とRx2またはRx3とRx4とが、相互に結合して形成された単環もしくは多環の炭化水素環または複素環を表し、その結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に上述の(i’)〜(vi’)より選ばれる原子または基を表すか、Rx2とRx3とが、相互に結合して形成された単環の炭化水素環または複素環を表し、その結合に関与しないRx1〜Rx4は、それぞれ独立に上述の(i’)〜(vi’)より選ばれる原子または基を表す。
Figure 0006427876
上記式(Y)中、Ry1およびRy2は、それぞれ独立に上述の(i’)〜(vi’)より選ばれる原子または基を表すか、下記(ix’)を表し、kおよびpは、それぞれ独立に0または正の整数を表す。
(ix’)Ry1とRy2とが、相互に結合して形成された単環または多環の脂環式炭化水素、芳香族炭化水素または複素環を表す。
(2)芳香族ポリエーテル系樹脂
上述の芳香族ポリエーテル系樹脂は、下記式(1)で表される構造単位および下記式(2)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造単位を有することが好ましい。
Figure 0006427876
上記式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、a〜dは、それぞれ独立に0〜4の整数を示す。
Figure 0006427876
上記式(2)中、R〜Rおよびa〜dは、それぞれ独立に上記式(1)中のR〜Rおよびa〜dと同義であり、Yは単結合、−SO−または>C=Oを示し、RおよびRは、それぞれ独立にハロゲン原子、炭素数1〜12の1価の有機基またはニトロ基を示し、gおよびhは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、mは0または1を示す。但し、mが0のとき、Rはシアノ基ではない。
また、上述の芳香族ポリエーテル系樹脂は、さらに下記式(3)で表される構造単位および下記式(4)で表される構造単位からなる群より選ばれる少なくとも1つの構造単位を有することが好ましい。
Figure 0006427876
上記式(3)中、RおよびRは、それぞれ独立に炭素数1〜12の1価の有機基を示し、Zは、単結合、−O−、−S−、−SO−、>C=O、−CONH−、−COO−または炭素数1〜12の2価の有機基を示し、eおよびfは、それぞれ独立に0〜4の整数を示し、nは0または1を示す。
Figure 0006427876
上記式(4)中、R、R、Y、m、gおよびhは、それぞれ独立に上記式(2)中のR、R、Y、m、gおよびhと同義であり、R、R、Z、n、eおよびfは、それぞれ独立に上記式(3)中のR、R、Z、n、eおよびfと同義である。
(3)ポリイミド系樹脂
上述のポリイミド系樹脂としては、特に制限されず、繰り返し単位にイミド結合を含む高分子化合物であればよく、例えば、特開2006−199945号公報や特開2008−163107号公報に記載されている方法で合成することができる。
(4)フルオレンポリカーボネート系樹脂
上述のフルオレンポリカーボネート系樹脂としては、特に制限されず、フルオレン部位を含むポリカーボネート樹脂であればよく、例えば、特開2008−163194号公報に記載されている方法で合成することができる。
(5)フルオレンポリエステル系樹脂
上述のフルオレンポリエステル系樹脂としては、特に制限されず、フルオレン部位を含むポリエステル樹脂であればよく、例えば、特開2010−285505号公報や特開2011−197450号公報に記載されている方法で合成することができる。
(6)フッ素化芳香族ポリマー系樹脂
上述のフッ素化芳香族ポリマー系樹脂としては、特に制限されないが、少なくとも1つのフッ素を有する芳香族環と、エーテル結合、ケトン結合、スルホン結合、アミド結合、イミド結合およびエステル結合からなる群より選ばれる少なくとも1つの結合を含む繰り返し単位とを含有するポリマーであればよく、例えば、特開2008−181121号公報に記載されている方法で合成することができる。
(7)市販品
本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物の[A]成分の好ましい例として挙げられた樹脂は購入により入手することも可能である。
本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物の[A]成分の好ましい例として挙げられた樹脂の市販品としては、例えば、以下の市販品等を挙げることができる。
環状オレフィン系樹脂の市販品としては、例えば、JSR株式会社製アートン(登録商標)、日本ゼオン株式会社製ゼオノア(登録商標)、三井化学株式会社製APEL(登録商標)、ポリプラスチックス株式会社製TOPAS(登録商標)等を挙げることができる。ポリエーテルサルホン系樹脂の市販品としては、例えば、住友化学株式会社製スミカエクセル(登録商標)PES等を挙げることができる。ポリイミド系樹脂の市販品としては、例えば、三菱ガス化学株式会社製ネオプリム(登録商標)L等を挙げることができる。ポリカーボネート系樹脂の市販品として、例えば、帝人株式会社製ピュアエース(登録商標)等を挙げることができる。フルオレンポリカーボネート系樹脂の市販品として、例えば、三菱ガス化学株式会社製ユピゼータ(登録商標)EP−5000等を挙げることができる。フルオレンポリエステル系樹脂の市販品として、例えば、大阪ガスケミカル株式会社製OKP4HT等を挙げることができる。アクリル系樹脂の市販品として、例えば、株式会社日本触媒製アクリビュア(登録商標)等を挙げることができる。シルセスキオキサン系UV硬化樹脂の市販品として、例えば、新日鐵化学株式会社製シルプラス(登録商標)等を挙げることができる。
また、本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述したように、[C]半導体量子ドットを含有して、蛍光発光(波長変換)機能を備えた硬化膜を形成するのに用いることができる。
したがって、硬化膜を形成する樹脂は、優れた可視光透過性を備えた樹脂が好ましく、すなわち、透明樹脂であることが好ましい。
例えば、上述の樹脂としては、厚さ0.1mmでの全光線透過率(JIS K7105)が、好ましくは75%〜95%であり、より好ましくは78%〜95%であり、さらに好ましくは80%〜95%である樹脂を用いることができる。全光線透過率がこのような範囲であれば、得られる硬化膜は、発光素子の発光層や光学フィルムとして良好な透明性を示すことができる。
したがって、本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物の[A]成分も、上述した全光線透過率等の特性を備えた樹脂であることが好ましい。
〔[B]感光剤〕
本発明の実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される[B]感光剤としては、放射線に感応してラジカルを発生し重合を開始できる化合物(すなわち、[B−1]光ラジカル重合開始剤)、または、放射線に感応して酸を発生する化合物(すなわち、[B−2]光酸発生剤)を挙げることができる。
このような[B−1]光ラジカル重合開始剤としては、O−アシルオキシム化合物、アセトフェノン化合物、ビイミダゾール化合物等が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
O−アシルオキシム化合物としては、例えば、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、1−(9−エチル−6−ベンゾイル−9.H.−カルバゾール−3−イル)−オクタン−1−オンオキシム−O−アセテート、1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、1−〔9−n−ブチル−6−(2−エチルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−エタン−1−オンオキシム−O−ベンゾエート、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロピラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−5−テトラヒドロフラニルベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)等が挙げられる。
これらのうち、1,2−オクタンジオン1−[4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)]、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)、エタノン−1−〔9−エチル−6−(2−メチル−4−テトラヒドロフラニルメトキシベンゾイル)−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)またはエタノン−1−〔9−エチル−6−{2−メチル−4−(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラニル)メトキシベンゾイル}−9.H.−カルバゾール−3−イル〕−1−(O−アセチルオキシム)が好ましい。
アセトフェノン化合物としては、例えば、α−アミノケトン化合物、α−ヒドロキシケトン化合物が挙げられる。
α−アミノケトン化合物としては、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン等が挙げられる。
α−ヒドロキシケトン化合物としては、例えば、1−フェニル−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−i−プロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等が挙げられる。
アセトフェノン化合物としては、α−アミノケトン化合物が好ましく、特に、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン、2−ジメチルアミノ−2−(4−メチルベンジル)−1−(4−モルフォリン−4−イル−フェニル)−ブタン−1−オン、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オンが好ましい。
ビイミダゾール化合物としては、例えば、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールまたは2,2’−ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好ましく、そのうち、2,2’−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールがより好ましい。
[B−1]光ラジカル重合開始剤は、上述したように、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。[B−1]光ラジカル重合開始剤の含有割合は、[A]成分100質量部に対して、1質量部〜40質量部が好ましく、5質量部〜30質量部がより好ましい。[B−1]光ラジカル重合開始剤の使用割合を1質量部〜40質量部とすることで、感放射線性樹脂組成物は、低露光量であっても、高い耐溶媒性、高い硬度および高い密着性を有する硬化膜を形成することができる。その結果、そうした特性に優れた樹脂からなるパターンを提供することができる。
次に、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の[B]感光剤である[B−2]光酸発生剤としては、例えば、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、カルボン酸エステル化合物、キノンジアジド化合物等が挙げられる。尚、これらの[B−2]光酸発生剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を混合して使用してもよい。
オキシムスルホネート化合物としては、下記式(5)で表されるオキシムスルホネート基を含む化合物が好ましい。
Figure 0006427876
上記式(5)中、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のフルオロアルキル基、炭素数4〜12の脂環式炭化水素基、炭素数6〜20のアリール基、あるいはこれらのアルキル基、脂環式炭化水素基およびアリール基が有する水素原子の一部または全部が置換基で置換された基である。
上記式(5)中のRで表されるアルキル基としては、炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基が好ましい。この炭素数1〜12の直鎖状または分岐状のアルキル基は置換基により置換されていてもよく、上記置換基としては、例えば、炭素数1〜10のアルコキシ基、7,7−ジメチル−2−オキソノルボルニル基等の有橋式脂環基を含む脂環式基等が挙げられる。炭素数1〜12のフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプチルフルオロプロピル基等が挙げられる。
上記Rで表される脂環式炭化水素基としては、炭素数4〜12の脂環式炭化水素基が好ましい。この炭素数4〜12の脂環式炭化水素基は置換基により置換されていてもよく、上記置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
上記Rで表されるアリール基としては、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、フェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基がより好ましい。上記アリール基は置換基により置換されていてもよく、上記置換基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等が挙げられる。
オキシムスルホネート化合物の具体的な例としては、(5−プロピルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−オクチルスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、(5−p−トルエンスルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル、2−(オクチルスルホニルオキシイミノ)−2−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル等を挙げることができ、これらは市販品として入手することができる。
上述したオニウム塩としては、例えば、ジフェニルヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム塩、スルホニウム塩、ベンゾチアゾニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩、ベンジルスルホニウム塩等が挙げられる。
そして、オニウム塩としては、テトラヒドロチオフェニウム塩、ベンジルスルホニウム塩が好ましく、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウ
ムヘキサフルオロホスフェートがより好ましく、4,7−ジ−n−ブトキシ−1−ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネートがさらに好ましい。
スルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド等が挙げられる。
スルホン酸エステル化合物の好ましい例としては、ハロアルキルスルホン酸エステルを挙げることができ、より好ましい例として、N−ヒドロキシナフタルイミド−トリフルオロメタンスルホン酸エステルを挙げることができる。
キノンジアジド化合物としては、例えば、フェノール性化合物またはアルコール性化合物(以下、「母核」ともいう)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドまたは1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミドとの縮合物を用いることができる。
上記の母核としては、例えば、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、ペンタヒドロキシベンゾフェノン、ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、(ポリヒドロキシフェニル)アルカンのほか、上記母核以外のその他の母核等が挙げられる。
上記の母核の具体例としては、例えば、
トリヒドロキシベンゾフェノンとして、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゾフェノン等;
テトラヒドロキシベンゾフェノンとして、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,3’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,2’−テトラヒドロキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシ−3’−メトキシベンゾフェノン等;
ペンタヒドロキシベンゾフェノンとして、2,3,4,2’,6’−ペンタヒドロキシベンゾフェノン等;
ヘキサヒドロキシベンゾフェノンとして、2,4,6,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン、3,4,5,3’,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン等;
(ポリヒドロキシフェニル)アルカンとして、ビス(2,4−ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、トリス(p−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)プロパン、1,1,3−トリス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルプロパン、4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール、ビス(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインデン−5,6,7,5’,6’,7’−ヘキサノール、2,2,4−トリメチル−7,2’,4’−トリヒドロキシフラバン等;
を挙げることができる。
上記のその他の母核としては、例えば、2−メチル−2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシフェニル)−7−ヒドロキシクロマン、1−[1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]−3−(1−(3−{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−4,6−ジヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、4,6−ビス{1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル}−1,3−ジヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
これらの中で、母核としては、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、1,1,1−トリス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、4,4’−〔1−〔4−〔1−〔4−ヒドロキシフェニル〕−1−メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノールが好ましい。
また、上述した1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとしては、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸クロリドが好ましく、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸クロリド、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドがより好ましく、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸クロリドがさらに好ましい。
上述した1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸アミドとしては、2,3,4−トリアミノベンゾフェノン−1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸アミドが好ましい。
上述したフェノール性化合物またはアルコール性化合物(母核)と、1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドとの縮合反応においては、フェノール性化合物またはアルコール性化合物中のOH基数に対して、好ましくは30モル%以上85モル%以下、より好ましくは50モル%以上70モル%以下に相当する1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドを用いることができる。尚、上記縮合反応は、公知の方法によって実施することができる。
以上の[B−2]光酸発生剤としては、オキシムスルホネート化合物、オニウム塩、スルホンイミド化合物、キノンジアジド化合物が好ましく、オキシムスルホネート化合物、キノンジアジド化合物がより好ましい。
[B−2]光酸発生剤を上述した化合物とすることで、それを含有する本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、感度および溶解性を向上させることができる。
[B−2]光酸発生剤の含有量としては、[A]成分100質量部に対して、0.1質量部〜50質量部が好ましく、1質量部〜30質量部がより好ましい。[B−2]光酸発生剤の含有量を上記範囲とすることで、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の感度を最適化し、表面硬度が高い硬化膜を形成でき、そうした特性に優れたパターンを提供することができる。
〔[C]半導体量子ドット〕
本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物の[C]半導体量子ドットは、CdやPbを構成成分とせず、例えば、In(インジウム)やSi(珪素)等を構成成分として構成された、安全な材料からなる半導体量子ドットである。
[C]半導体量子ドットは、2族元素、11族元素、12族元素、13族元素、14族元素、15族元素および16族元素で示される元素の群から選ばれる少なくとも2種以上の元素を含む化合物からなる、半導体量子ドットであることが好ましい。
そして、より具体的には、人に対する安全性について懸念の大きい、例えば、PbおよびCd等の元素が除外され、Be(ベリリウム)、Mg(マグネシウム)、Ca(カルシウム)、Sr(ストロンチウム)、Ba(バリウム)、Cu(銅)、Ag(銀)、金(Au)、亜鉛(Zn)、B(ホウ素)、Al(アルミニウム)、Ga(ガリウム)、In(インジウム)、Tl(タリウム)、C(炭素)、Si(珪素)、Ge(ゲルマニウム)、Sn(錫)、N(窒素)、P(リン)、As(ヒ素)、Sb(アンチモン)、Bi(ビスマス)、O(酸素)、S(硫黄)、Se(セレン)、Te(テルル)およびPo(ポロニウム)群から選ばれる少なくとも2種以上の元素を含む化合物からなる、半導体量子ドットであることが好ましい。
このとき、[C]半導体量子ドットが500nm〜600nmの波長領域に蛍光極大を有する化合物(A)および/または600nm〜700nmの波長領域に蛍光極大を有する化合物(B)からなることが好ましい。
[C]半導体量子ドットは、このような蛍光発光特性を有する化合物(A)および/または化合物(B)からなることで、500nm〜600nmの波長領域、および/または、600nm〜700nmの波長領域に蛍光極大を有することができる。その結果、[C]半導体量子ドットを含有する本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、可視域の光を用いて画像の表示を行う発光表示素子等の発光素子の発光層の構成に好適な硬化膜を形成することができる。
そしてさらに、本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される[C]半導体量子ドットが、Inを構成成分として含む化合物からなる半導体量子ドットであることがより好ましい。また、その他に、[C]半導体量子ドットとしては、Si化合物を挙げることができる。
[C]半導体量子ドットとして好ましいSi化合物については、Siが挙げられる。
[C]半導体量子ドットの成分構成を上述のようにすることで、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、安全で、優れた蛍光特性を有する硬化膜を形成することができ、さらには、安全で、優れた蛍光特性を有する発光素子の発光層や発光膜(波長変換フィルム)を形成することができる。
また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される[C]半導体量子ドットは、1種の化合物からなる均質構造型、および、2種以上の化合物からなるコアシェル構造型から選ばれる少なくとも一方の構造型の半導体量子ドットであることが好ましい。
コアシェル構造型の[C]半導体量子ドットは、1つの種類の化合物でコア構造を形成し、別の化合物でコア構造の周囲を被覆して構成される。例えば、バンドギャップのより大きい半導体でコアの半導体を被覆することにより、光励起によって生成された励起子(電子−正孔対)はコア内に閉じ込められる。その結果、量子ドット表面での無輻射遷移の確率が減少し、発光の量子収率および[C]半導体量子ドットの蛍光特性の安定性が向上する。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される[C]半導体量子ドットは、成分構成と構造を考慮した場合、コアシェル構造型半導体量子ドットであるInP/ZnS、CuInS/ZnSおよび(ZnS/AgInS)固溶体/ZnS、並びに、均質構造型半導体量子ドットであるAgInSおよびZnドープAgInSよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
以上より、本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される[C]半導体量子ドットは、InP/ZnS化合物、CuInS/ZnS化合物、AgInS化合物、(ZnS/AgInS)固溶体/ZnS化合物、ZnドープAgInS化合物およびSi化合物の群から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
以上で例示した[C]半導体量子ドットにより、それを含有する本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、安全で、より優れた蛍光特性を有する硬化膜を形成し、さらには、より優れた蛍光特性の波長変換膜(波長変換フィルム)や発光素子の発光層を形成することができる。
また、本実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される[C]半導体量子ドットは、平均粒径が0.5nm〜20nmであることが好ましく、1.0nm〜10nmであることがより好ましい。平均粒径が0.5nm未満である場合には、[C]半導体量子ドットを調製することが難しく、調製ができたとしても、[C]半導体量子ドットの蛍光特性が不安定になる場合がある。[C]半導体量子ドットの平均粒径が20nmを超える場合には、半導体量子ドットの大きさによる量子閉じ込め効果が得られない場合があって、所望とする蛍光特性が得られず、望ましくない。
また、[C]半導体量子ドットの形状は特に限定されず、例えば、球状、棒状、円盤状、その他の形状であっても良い。量子ドットの粒径、形状、分散状態等の情報については、透過型電子顕微鏡(TEM)により得ることができる。
本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物に含有される[C]半導体量子ドットを得る方法としては、配位性有機溶媒中で有機金属化合物を熱分解する公知の方法を利用することができる。また、コアシェル構造型の半導体量子ドットは、反応により均質なコア構造を形成した後、反応系内に、コア表面にシェルを形成するための前駆体を添加し、シェル形成の後、反応を停止し、溶媒から分離することで得ることができる。尚、市販されているものを利用することも可能である。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物における[C]半導体量子ドットの含有量としては、上述した[A]成分100質量部に対して、好ましくは、0.1質量部〜100質量部、より好ましくは0.2質量部〜50質量部である。[C]半導体量子ドットの含有量を上述の範囲とすることで、優れた蛍光特性を有する硬化膜を形成し、その結果、優れた蛍光特性の発光素子の発光層や発光膜(波長変換フィルム)を形成することができる。[C]半導体量子ドットの含有量が、[A]成分100質量部に対して、0.1質量部より少ないと、形成される硬化膜において所望とする蛍光特性を得ることができず、発光素子の発光層等を形成することができない。また、[A]成分100質量部に対して、100質量部より多いと、形成される硬化膜の安定性が損なわれ、安定な発光素子の発光層等を形成することができない。
〔その他任意成分〕
本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、上述したように、その他任意成分として、例えば、界面活性剤や密着助剤を含有することができる。
[界面活性剤]
本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、その他任意成分である界面活性剤は、感放射線性樹脂組成物の塗布性の改善、塗布ムラの低減、放射線照射部の現像性を改良するために添加することができる。好ましい界面活性剤の例としては、フッ素系界面活性剤およびシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、1,1,2,2−テトラフルオロオクチル(1,1,2,2−テトラフルオロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフルオロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフルオロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロペンチル)エーテル等のフルオロエーテル類;パーフルオロドデシルスルホン酸ナトリウム;1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフルオロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロデカン等のフルオロアルカン類;フルオロアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム類;フルオロアルキルオキシエチレンエーテル類;フルオロアルキルアンモニウムヨージド類;フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル類;パーフルオロアルキルポリオキシエタノール類;パーフルオロアルキルアルコキシレート類;フッ素系アルキルエステル類等を挙げることができる。
これらのフッ素系界面活性剤の市販品としては、エフトップ(登録商標)EF301、303、352(新秋田化成(株)製)、メガファック(登録商標)F171、172、173(DIC(株)製)、フロラードFC430、431(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG(登録商標)710(旭硝子(株)製)、サーフロン(登録商標)S−382、SC−101、102、103、104、105、106(AGCセイミケミカル(株)製)、FTX−218((株)ネオス製)等を挙げることができる。
シリコーン系界面活性剤の例としては、市販されている商品名で、SH200−100cs、SH28PA、SH30PA、ST89PA、SH190、SH 8400 FLUID(東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
任意成分として界面活性剤を使用する場合、その含有量は、[A]成分100質量部に対して、好ましくは0.01質量部〜10質量部、より好ましくは0.05質量部〜5質量部である。界面活性剤の使用量を0.01質量部〜10質量部とすることによって、感放射線性樹脂組成物の塗布性を最適化することができる。
[密着助剤]
本実施形態の感放射線性樹脂組成物においては、基板となる無機物、例えば、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン等のシリコン化合物、珪酸塩、石英等のガラス、および金、銅、アルミニウム等の金属と絶縁膜との接着性を向上させるため密着助剤を使用することができる。このような密着助剤としては、官能性シランカップリング剤を挙げることができる。官能性シランカップリング剤の例としては、カルボキシル基、メタクリロイル基、イソシアネート基、エポキシ基(好ましくはオキシラニル基)、チオール基等の反応性置換基を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
官能性シランカップリング剤の具体例としては、トリメトキシシリル安息香酸、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、γ−クロロプロピルトリアルコキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの中でも、γ−グリシドキシプロピルアルキルジアルコキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランが好ましい。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物において、このような密着助剤は、[A]成分100質量部に対して、好ましくは0.5質量部〜20質量部、より好ましくは1質量部〜10質量部の量で用いられる。密着助剤の量を上記範囲とすることによって、形成される硬化膜と基板との密着性が改善される。
〔感放射線性樹脂組成物の調製〕
本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[A]ガラス転移温度が110℃以上である樹脂、[B]感光剤、および[C]半導体量子ドット、さらに必要に応じて界面活性剤等のその他の任意成分を均一に混合することによって調製される。このとき、分散液状態の感放射線性樹脂組成物を調製するため、有機溶剤を用いることができる。
すなわち、本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、適当な溶剤に溶解または分散させた状態での調製が可能であり、そのまま分散液状態で使用することができる。例えば、有機溶剤中で、[A]成分、[B]成分および[C]成分、並びに必要に応じてその他の任意成分を所定の割合で混合することにより、本実施形態の感放射線性樹脂組成物を調製することができる。このとき、有機溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用できる。
有機溶剤の機能としては、感放射線性樹脂組成物の粘度等を調節して、例えば、基板等への塗布性を向上させることの他、操作性や成形性を向上させること等が挙げられる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物に使用可能な有機溶剤としては、他の含有成分を溶解または分散させるとともに、他の含有成分と反応しないものを挙げることができる。このような有機溶剤としては、例えば、アルコール類、エーテル類、ジエチレングリコールアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類等が挙げられる。
これらの有機溶剤としては、
アルコール類として、例えば、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等;
エーテル類として、例えば、テトラヒドロフランや、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジn−ペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジn−ヘキシルエーテル等のジアルキルエーテル等;
ジエチレングリコールアルキルエーテル類として、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル等;
エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類として、例えば、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等;
プロピレングリコールモノアルキルエーテル類として、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル等;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類として、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等;
プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート類として、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネート等;
芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等;
ケトン類として、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等;
エステル類として、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロチル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル等をそれぞれ挙げられる。
これらの有機溶剤の中でも、溶解性または分散性が優れていること、各成分と非反応性であること、並びに塗膜形成の容易性の観点から、ジアルキルエーテル等のエーテル類、ジエチレングリコールアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ケトン類およびエステル類が好ましく、特に、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、シクロヘキサノン、酢酸プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチルが好ましい。これらの有機溶剤は、単独でまたは混合して用いることができる。
また、これらの有機溶剤の中でも、ジイソプロピルエーテル、ジn−ブチルエーテル、ジn−ペンチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ジn−ヘキシルエーテル等のジアルキルエーテル等のエーテル類が好ましく、ジイソペンチルエーテルが最も好ましい。このような溶媒を用いることによって、本実施形態の感放射線性樹脂組成物をスリット塗布法で大型ガラス基板に塗布する際に、乾燥工程時間を短縮すると同時に、塗布性をより一層向上(塗布ムラを抑制)することが可能となる。
上記した有機溶剤に加え、さらに必要に応じて、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、アセトニルアセトン、イソホロン、カプロン酸、カプリル酸、1−オクタノール、1−ノナノール、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸エチル、シュウ酸ジエチル、マレイン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、フェニルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート等の高沸点溶媒を併用することもできる。
本実施形態の感放射線性樹脂組成物において用いられる有機溶剤の含有量は、粘度等も考慮して適宜決めることができる。すなわち、本実施形態の感放射線性樹脂組成物の固形分濃度は、使用目的や所望の膜厚等に応じて任意に設定することができるが、好ましくは5質量%〜50質量%、より好ましくは10質量%〜40質量%、さらに好ましくは15質量%〜35質量%である。
このようにして調製された本実施形態の感放射線性樹脂組成物は、液状である場合、孔径0.5μm程度のミリポアフィルタ等を用いて濾過した後に、本実施形態の硬化膜の形成に使用することが好ましい。
実施の形態2.
<硬化膜>
本発明の第2実施形態の硬化膜は、上述した本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物を用い、基板上にそれを塗布し、必要な場合にパターニングをした後、加熱硬化して形成される。本発明の第2実施形態の硬化膜は、[C]半導体量子ドットに基づく蛍光発光(波長変換)機能を有し、波長変換膜(波長変換フィルム)や発光素子の発光層としての利用が可能である。以下で、本発明の第2実施形態の硬化膜およびその形成方法について説明する。
本実施形態の硬化膜の形成方法では、基板上に硬化膜が形成されるように、少なくとも下記の工程(1)〜工程(4)をこの順で含むことが好ましい。
(1)本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する塗膜形成工程。
(2)工程(1)で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する放射線照射工程。
(3)工程(2)で放射線を照射された塗膜を現像する現像工程。
(4)工程(3)で現像された塗膜を加熱する硬化工程。
そして、図1〜図4は、本発明の第2実施形態の硬化膜の形成方法を説明する図である。
図1は、本発明の第2実施形態の硬化膜の形成における塗膜形成工程を説明する基板の断面図である。
図2は、本発明の第2実施形態の硬化膜の形成における放射線照射工程を模式的に説明する断面図である。
図3は、本発明の第2実施形態の硬化膜の形成における現像工程を説明する基板の断面図である。
図4は、本発明の第2実施形態の硬化膜の形成における硬化工程を説明する硬化膜および基板の断面図である。
以下、上述の工程(1)(塗膜形成工程)〜工程(4)(硬化工程)についてそれぞれ説明する。
[工程(1)]
本実施形態の硬化膜の形成方法の工程(1)である塗膜形成工程では、図1に示すように、本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜1を基板2上に形成する。
塗膜1を形成する基板2には、ガラス、石英、シリコン、または、樹脂(例えば、ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエステル、環状オレフィンの開環重合体およびその水素添加物等)等からなる基板を用いることができる。また、これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の前処理を施しておくこともできる。
基板2において、一方の面に、本実施形態の感放射線性樹脂組成物が塗布された後、プレベークを行い、感放射線性樹脂組成物に含有される溶剤等の成分が蒸発し、塗膜1の形成が行われる。
本工程における感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法またはスピンナ法と称されることもある。)、スリット塗布法(スリットダイ塗布法)、バー塗布法、インクジェット塗布法等の適宜の方法が採用できる。これらのうち、均一な厚みの膜を形成できる点から、スピンコート法またはスリット塗布法が好ましい。
上述のプレベークの条件は、感放射線性樹脂組成物を構成する各成分の種類、配合割合等によって異なるが、70℃〜120℃の温度で行うのが好ましく、時間は、ホットプレートやオーブン等の加熱装置によって異なるが、おおよそ1分間〜15分間程度である。
[工程(2)]
次いで、本実施形態の硬化膜の形成方法の工程(2)である放射線照射工程では、図2に示すように、工程(1)で基板2上に形成された塗膜1の少なくとも一部に放射線4を照射する。このとき、塗膜1の一部にのみ、放射線4aを照射するには、例えば、所望の形状の形成に対応するパターンのフォトマスク3を介して行う。このフォトマスク3を用いることにより、照射された放射線4の一部がフォトマスクを透過し、その一部の放射線4aが、塗膜1に照射される。
照射に使用される放射線4としては、可視光線、紫外線、遠紫外線等が挙げられる。このうち波長が200nm〜550nmの範囲にある放射線が好ましく、365nmの紫外線を含む放射線がより好ましい。
放射線4の照射量(露光量)は、放射線4の波長365nmにおける強度を照度計(OAI model 356、Optical Associates Inc.製)により測定した値として、10J/m〜10000J/mとすることができ、100J/m〜5000J/mが好ましく、200J/m〜3000J/mがより好ましい。
[工程(3)]
次に、本実施形態の硬化膜の形成方法の工程(3)である現像工程では、図3に示すように、放射線照射後の図2の塗膜1を現像して不要な部分を除去し、所定の形状にパターニングされた塗膜1aを得る。
尚、本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物は、[B]感光剤の選択等により、所謂ポジ型の感放射線性およびネガ型の感放射線性等、所望とする感放射線性を有することができる。そして、本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物は、ポジ型である場合、現像工程で除去される不要な部分は、放射線の照射された塗膜の一部となり、図3に示したように、現像によって所定の形状にパターニングされた塗膜1aを得ることができる。
また、本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物がネガ型である場合、現像工程で除去される不要な部分は、放射線の照射されない塗膜の未露光部分となり、現像によって所定の形状にパターニングされた塗膜を得ることができる。
現像に使用される現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア等の無機アルカリや、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩や、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の水溶液が使用できる。上述のアルカリ性化合物の水溶液には、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤を適当量添加して使用することもできる。さらに、界面活性剤をそれのみで、または、上述の水溶性有機溶剤の添加とともに、適当量添加して使用することもできる。
現像方法は、液盛り法、ディッピング法、シャワー法、スプレー法等のいずれでもよく、現像時間は、常温で5秒間〜300秒間とすることができ、好ましくは常温で10秒間〜180秒間程度である。現像処理に続いて、例えば、流水洗浄を30秒間〜90秒間行った後、圧縮空気や圧縮窒素で風乾することによって、所望のパターンが得られる。
[工程(4)]
次に、本実施形態の硬化膜の形成方法の工程(4)である硬化工程では、図3に示したパターニングされた塗膜1aを、ホットプレート、オーブン等の適当な加熱装置により硬化(ポストベークとも言う。)する。これにより、図4に示すように、基板2上に形成された、本実施形態の硬化膜5が得られる。硬化膜5は、上述したように、所望の形状となるようにパターニングされている。
本実施形態の硬化膜5の形成には、上述した本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物を用いており、本工程の加熱温度は100℃〜250℃とすることが好ましい。硬化時間は、例えば、ホットプレート上では5分間〜30分間とすることが好ましく、オーブン中では30分間〜180分間とすることが好ましい。
以上の工程(1)〜工程(4)を含む硬化膜の形成方法によって形成された本実施形態の硬化膜は、樹脂中に[C]半導体量子ドットを含んで構成され、[C]半導体量子ドットに基づく蛍光発光(波長変換)機能を有する。そのため、励起光と異なる波長の蛍光を発光する波長変換膜として用いることができる。したがって、本発明の実施形態の波長変換膜は、本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物を用い、上述した本実施形態の硬化膜の形成方法に従って形成することができる。そして、本実施形態の波長変換膜は、[C]半導体量子ドットに基づく蛍光発光(波長変換)機能を有する。
また、本実施形態の硬化膜を発光層として用い、発光素子を提供することも可能である。
特に、本発明の第2実施形態の硬化膜は、後述するように、発光素子の例である発光表示素子の発光層としての利用に好適であり、発光表示素子の構成に用いることができる。その場合、本発明の実施形態の発光素子の発光層は、本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物を用い、上述した本実施形態の硬化膜の形成方法に従って、同様に形成することができる。そして、本実施形態の発光素子の発光層は、[C]半導体量子ドットに基づく蛍光発光(波長変換)機能を有する。
そのため、本実施形態の硬化膜は光の利用効率を高めることができるように、それを構成する樹脂において、厚さ0.1mmでの全光線透過率(JIS K7105)が、好ましくは75%〜95%であり、より好ましくは78%〜95%であり、さらに好ましくは80%〜95%である。全光線透過率がこのような範囲であれば、得られる硬化膜は優れた光利用効率の波長変換膜や発光素子の発光層を構成することができる。
実施の形態3.
<発光表示素子およびその発光層>
本発明においては、上述した本発明の第2実施形態の硬化膜を用い、波長変換膜や発光層として使用することにより、照明装置や発光表示素子等の発光素子を提供することができる。
したがって、本発明の第3実施形態である発光表示素子は、本発明の発光素子の一例である。本発明の第3実施形態である発光表示素子は、上述した本発明の第2実施形態の硬化膜を発光層とする波長変換基板を用いて構成される。
図5は、本発明の実施形態の発光表示素子を模式的に示す断面図である。
本発明の第3実施形態の発光表示素子100は、基板12上に発光層13(13a、13b、13c)とブラックマトリクス14とを設けて構成された波長変換基板11と、波長変換基板11上に接着剤層15を介して貼り合わされた光源基板18とを有する。
基板12は、ガラス、石英、または、透明樹脂(例えば、透明ポリイミド、ポリエチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステルフィルム、環状オレフィン系樹脂フィルム等)等からなる。
波長変換基板11の発光層13は、上述した本発明の第2実施形態の硬化膜を利用してなるものである。すなわち、発光層13は、上述した本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物を用い、パターニングして形成される。
発光層の形成方法については、それらが本発明の第2実施形態の硬化膜を用いてなるものであることから、上述した本発明の第2実施形態の硬化膜の形成方法と同様となる。
すなわち、基板12上に本発明の第2実施形態の硬化膜が形成され、それらが発光層13となって発光表示素子100の波長変換基板11を構成する。したがって、発光層13の形成方法は、上述したのと同様の下記工程(1)〜工程(4)をこの順で含むことが好ましい。
(1)本発明の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する塗膜形成工程。
(2)工程(1)で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する放射線照射工程。
(3)工程(2)で放射線を照射された塗膜を現像する現像工程。
(4)工程(3)で現像された塗膜を加熱する硬化工程。
そして、発光層13を形成するための(1)工程〜(4)工程のそれぞれは、本発明の第2実施形態の硬化膜の形成において、図1〜図4を用いて説明したとおりである。したがって、その詳細は省略するが、図4において示される所望の形状となるようにパターニングされた硬化膜5が、図5の波長変換基板11の発光層13となる。
波長変換基板11は、発光層13のそれぞれが、含有する半導体量子ドットを用い、光源基板18の光源17からの励起光を波長変換し、所望とする波長の蛍光を発光する。
そして、波長変換基板11では、発光層13aと発光層13bと発光層13cとが、それぞれ、異なる半導体量子ドットを含んで構成され、異なる蛍光を発光することができる。
例えば、波長変換基板11は、発光層13aが励起光を赤色の光に変換し、発光層13bが励起光を緑色の光に変換し、発光層13cが励起光を青色の光に変換するように構成することができる。
その場合、発光層13a、13b、13cは、それぞれが所望とする蛍光特性を有するように、含有する半導体量子ドットの選択がなされる。そのため、波長変換基板11の発光層13a、13b、13cの形成においては、異なる発光特性の半導体量子ドットを含む、例えば、3種の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物が準備される。
そして、その3種の第1実施形態の感放射線性樹脂組成物をそれぞれ用いて、上述した工程(1)〜工程(4)を含む発光層13の形成方法を繰り返して、発光層13a、発光層13bおよび発光層13cを順次形成する。そして、基板12上に発光層13を形成して、波長変換基板11を得る。
波長変換基板11の発光層13の厚さは、100nm〜100μm程度が好ましく、1μm〜100μmがより好ましい。その厚さが100nm未満であると、励起光を十分吸収することができず、光変換効率が低下するために発光表示素子の輝度が十分に確保できないといった問題が生じる。さらに、励起光の吸収を高め、発光表示素子の輝度を十分に確保するためには、膜厚として、1μm以上とすることが好ましい。
基板12上の各発光層13の間には、ブラックマトリクス14が配置されている。ブラックマトリクス14は、公知の遮光性の材料を用い、公知の方法に従ってパターニングして形成することができる。尚、ブラックマトリクス14は、波長変換基板11において、必須の構成要素ではなく、波長変換基板11は、ブラックマトリクス14を設けない構成とすることも可能である。
接着剤層15は、後述する波長の紫外光または青色光を透過する公知の接着剤を用いて形成される。尚、接着剤層15は、図5に示すように、基板12上に発光層13a、13b、13cの全面を被覆するように設ける必要はなく、波長変換基板11の周囲のみに設けることも可能である。
光源基板18は、基板16と、基板16の波長変換基板11の側に配置された光源17とを備えている。光源17からはそれぞれ、励起光として紫外光または青色光が出射される。
光源17としては、公知の構造の紫外発光有機EL素子および青色発光有機EL素子等の使用が可能であり、特に限定されるものではなく、公知の材料、公知の製造方法で作製することが可能である。ここで、紫外光としては、主発光ピークが360nm〜435nmの発光が好ましく、青色光としては、主発光ピークが435nm〜480nmの発光が好ましい。光源17は、それぞれの出射光が対向する発光層13を照射するように、指向性を有していることが望ましい。
本実施形態の発光表示素子100は、光源17の1つである光源17aからの励起光を、対向する波長変換基板11の発光層13aの半導体量子ドットにより波長変換する。同様に、光源17bからの励起光を、対向する波長変換基板11の発光層13bの半導体量子ドットにより波長変換し、また、光源17cからの励起光を、対向する波長変換基板11の発光層13cの半導体量子ドットにより波長変換する。このようにして、光源17からの励起光が、それぞれ所望とする波長の可視光に変換されて表示に用いられている。
尚、波長変換基板11においては、後述するように、発光層13cにおいて励起光を青色光に変換する。このとき、波長変換基板11は、発光層13cに代えて、樹脂中に光酸散乱粒子を分散して構成された光散乱層を用いることも可能である。こうすることで、励起光が青色光である場合、その励起光を波長変換することなく、そのままの波長特性で使用することができる。
発光表示素子100の波長変換基板11は、上述したように、それぞれ半導体量子ドットと樹脂とからなる発光層13aと発光層13bと発光層13cとが、基板12の上にパターニングされて設けられたものである。発光層13a、13b、13cは、半導体量子ドットを含む、第1実施形態の感放射線性樹脂組成物からそれぞれ形成される。
発光表示素子100においては、発光層13aの設けられた部分が、赤色表示を行うサブ画素を構成する。すなわち、波長変換基板11の発光層13aは、光源基板18の対向する光源17aからの励起光を赤色に変換する。また、発光層13bの設けられた部分が、緑色表示を行うサブ画素を構成する。すなわち、発光層13bは、光源基板18の対向する光源17bからの励起光を緑色に変換する。また、発光層13cの設けられた部分が、青色表示を行うサブ画素を構成する。すなわち、発光層13cは、光源基板18の対向する光源17cからの励起光を青色に変換する。
そして、発光表示素子100は、発光層13aを備えたサブ画素、発光層13bを備えたサブ画素および発光層13cを備えたサブ画素の3種により、画像を構成する最小単位となる1つの画素を構成する。
以上の構成を有する本実施形態の発光表示素子100は、発光層13aを備えたサブ画素、発光層13bを備えたサブ画素および発光層13cを備えたサブ画素のサブ画素毎に、赤色、緑色または青色の光の発光が制御される。そして、発光表示素子100は、上記3種のサブ画素からなる画素を1つまたは複数有し、その1つの画素毎に、赤色、緑色および青色の光の発光が制御され、フルカラーの表示が行われる。
尚、本発明の実施形態の発光表示素子100においては、発光層13と基板12との間に、カラーフィルタを設けることが可能である。すなわち、発光層13aと基板12との間に赤色のカラーフィルタを設け、発光層13bと基板12との間に緑色のカラーフィルタを設け、発光層13cと基板12との間に赤色のカラーフィルタを設けることができる。
本発明の第3実施形態の発光表示素子100は、カラーフィルタを設けることにより、表示の色の純度を高めることができる。ここで、カラーフィルタとしては、液晶表示素子用等として公知のものを公知の方法で形成して用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
<半導体量子ドット>
本実施例で用いた[C]半導体量子ドットを次に示す。
半導体量子ドットA:InP/ZnSコアシェル型量子ドット
半導体量子ドットB:InCuS/ZnSコアシェル型量子ドット
半導体量子ドットC:Si量子ドット
そして、下記実施例で用いた[B]成分の半導体量子ドットA:InP/ZnSコアシェル型量子ドット、半導体量子ドットB:InCuS/ZnSコアシェル型量子ドット、半導体量子ドットC:Si量子ドットは、一般的に知られている方法で合成することができる。
例えば、半導体量子ドットA:InP/ZnSコアシェル型量子ドットに関しては技術文献「Journal of American Chemical Society. 2007, 129, 15432−15433」に、半導体量子ドットB:InCuS/ZnSコアシェル型量子ドットに関しては技術文献「Journal of American Chemical Society. 2009, 131, 5691−5697」および技術文献「Chemistry of Materials. 2009, 21, 2422−2429」に、半導体量子ドットC:Si量子ドットに関しては技術文献「Journal of American Chemical Society. 2010, 132, 248−253」記載されている方法を参照して合成することができる。
<感放射線性樹脂組成物の調製>
合成例1
[樹脂(α−I)の合成]
8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン250部、1−ヘキセン180部およびトルエン750部を、窒素置換した反応容器に仕込み、60℃に加熱した。これに、トリエチルアルミニウム(1.5モル/l)のトルエン溶液0.62部、tert−COH/CHOHで変性(tert−COH/CHOH/W=0.35/0.3/1;モル比)したWCl溶液(濃度0.05モル/l)3.7部を加え、80℃で3時間加熱攪拌して、開環重合体溶液(α−1)を得た。この重合反応における重合転化率は90%であり、重合体の重量平均分子量は17000であった。
合成例2
[樹脂(α−II)の合成]
単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンと5−メチル−5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンとの混合物(80/20(モル比))を用いたこと以外は合成例1と同様にして開環重合反応、水素添加反応、加水分解を行い加水分解重合体(α−2)を得た。この重合反応における重合転化率は89%であり、重合体の重量平均分子量は13000であった。
合成例3
[樹脂(α−III)の合成]
単量体として8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセンとビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エンとの混合物(80/20(モル比))を用いたこと以外は合成例1と同様にして開環重合反応、水素添加反応、加水分解を行い加水分解重合体(α−3)を得た。この重合反応における重合転化率は95%であり、重合体の重量平均分子量は21000であった。
合成例4
[樹脂(α−IV)の合成]
冷却管、撹拌機を備えたフラスコに、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3重量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート200重量部を仕込み、引き続きメタクリル酸15重量部、n−ブチルメタクリレート45重量部、メチルメタクリレート40重量部、および分子量調節剤としてα−メチルスチレンダイマー5重量部を仕込んで、窒素置換した。その後ゆるやかに撹拌して、反応溶液を80℃に昇温し、この温度を保持して5時間保持して重合することにより、共重合体(α−IV)の溶液を得た。この重合反応における重合転化率は94%であり、重合体の重量平均分子量は11000であった。
実施例1
[感放射線性樹脂組成物(β−I)の調製]
合成例1の樹脂(α−I)を含有する溶液を、共重合体100質量部(固形分)に相当する量、および感光剤として[(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]5質量を混合し、半導体量子ドットAを10質量部混合して、感放射線性樹脂組成物(β−I)を調製した。
実施例2
[感放射線性樹脂組成物(β−II)の調製]
合成例1の樹脂(α−I)を含有する溶液を、共重合体100質量部(固形分)に相当する量、および感光剤として[(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]5質量を混合し、半導体量子ドットBを10質量部混合して、感放射線性樹脂組成物(β−II)を調製した。
実施例3
[感放射線性樹脂組成物(β−III)の調製]
合成例1の樹脂(α−I)を含有する溶液を、共重合体100質量部(固形分)に相当する量、および感光剤として[(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]5質量を混合し、半導体量子ドットCを10質量部混合して、感放射線性樹脂組成物(β−III)を調製した。
実施例4
[感放射線性樹脂組成物(β−IV)の調製]
合成例の樹脂(α−II)を含有する溶液を、共重合体100質量部(固形分)に相当する量、および感光剤として[(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]5質量を混合し、半導体量子ドットAを10質量部混合して、感放射線性樹脂組成物(β−IV)を調製した。
実施例5
[感放射線性樹脂組成物(β−V)の調製]
合成例の樹脂(α−III)を含有する溶液を、共重合体100質量部(固形分)に相当する量、および感光剤として4,4’−[1−[4−[1−[4−ヒドロキシフェニル]−1−メチルエチル]フェニル]エチリデン]ビスフェノール−1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステル20質量を混合し、半導体量子ドットAを10質量部混合して、感放射線性樹脂組成物(β−V)を調製した。
比較例1
[感放射線性樹脂組成物(β−VI)の調製]
合成例の樹脂(α−IV)を含有する溶液を、共重合体100質量部(固形分)に相当する量、および感光剤として[(カンファースルフォニルオキシイミノ−5H−チオフェン−2−イリデン)−(2−メチルフェニル)アセトニトリル]5質量を混合し、半導体量子ドットAを10質量部混合して、感放射線性樹脂組成物(β−VI)を調製した。
実施例6
[感放射線性樹脂組成物(β−I)を用いた硬化膜の形成]
無アルカリガラス基板上に、実施例1で調製した感放射線性樹脂組成物(β−I)をスピン塗布法により塗布した後、90℃のホットプレート上で2分間プレベークすることにより塗膜を形成した。
次に、所定のパターンを備えたフォトマスクを介し、得られた塗膜に高圧水銀ランプを用いて露光量700J/mとして放射線照射を行いた。次いで、0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、60秒間現像を行った。
次に、オーブン中で230℃の硬化温度および30分間の硬化時間でポストベークすることにより、所定の形状にパターニングされた硬化膜を形成した。
実施例7
[感放射線性樹脂組成物(β−II)を用いた硬化膜の形成]
無アルカリガラス基板上に、実施例2で調製した感放射線性樹脂組成物(β−II)をスピンナにより塗布した後、90℃のホットプレート上で2分間プレベークすることにより塗膜を形成した。
次に、所定のパターンを備えたフォトマスクを介し、得られた塗膜に高圧水銀ランプを用いて露光量1000J/mとして放射線照射を行い、0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、150秒間現像を行った。
次に、オーブン中で230℃の硬化温度および30分間の硬化時間でポストベークすることにより、所定の形状にパターニングされた硬化膜を形成した。
実施例8
[感放射線性樹脂組成物(β−III)を用いた硬化膜の形成]
無アルカリガラス基板上に、実施例3で調製した感放射線性樹脂組成物(β−III)をスピンナにより塗布した後、100℃のホットプレート上で2分間プレベークすることにより塗膜を形成した。
次に、所定のパターンを備えたフォトマスクを介し、得られた塗膜に高圧水銀ランプを用いて露光量800J/mとして放射線照射を行い、0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、80秒間現像を行った。
次に、オーブン中で230℃の硬化温度および30分間の硬化時間でポストベークすることにより、所定の形状にパターニングされた硬化膜を形成した。
実施例9
[感放射線性樹脂組成物(β−IV)を用いた硬化膜の形成]
無アルカリガラス基板上に、実施例4で調製した感放射線性樹脂組成物(β−IV)をスピンナにより塗布した後、100℃のホットプレート上で2分間プレベークすることにより塗膜を形成した。
次に、所定のパターンを備えたフォトマスクを介し、得られた塗膜に高圧水銀ランプを用いて露光量800J/mとして放射線照射を行い、0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、80秒間現像を行った。
次に、オーブン中で230℃の硬化温度および30分間の硬化時間でポストベークすることにより、所定の形状にパターニングされた硬化膜を形成した。
実施例10
[感放射線性樹脂組成物(β−V)を用いた硬化膜の形成]
無アルカリガラス基板上に、実施例5で調製した感放射線性樹脂組成物(β−V)をスピンナにより塗布した後、100℃のホットプレート上で2分間プレベークすることにより塗膜を形成した。
次に、所定のパターンを備えたフォトマスクを介し、得られた塗膜に高圧水銀ランプを用いて露光量800J/mとして放射線照射を行い、0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、80秒間現像を行った。
次に、オーブン中で230℃の硬化温度および30分間の硬化時間でポストベークすることにより、所定の形状にパターニングされた硬化膜を形成した。
比較例2
[感放射線性樹脂組成物(β−VI)を用いた硬化膜の形成]
無アルカリガラス基板上に、比較例1で調製した感放射線性樹脂組成物(β−VI)をスピンナにより塗布した後、100℃のホットプレート上で2分間プレベークすることにより塗膜を形成した。
次に、所定のパターンを備えたフォトマスクを介し、得られた塗膜に高圧水銀ランプを用いて露光量800J/mとして放射線照射を行い、0.4質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、80秒間現像を行った。
次に、オーブン中で230℃の硬化温度および30分間の硬化時間でポストベークすることにより、所定の形状にパターニングされた硬化膜を形成した。
<感放射線性樹脂組成物および硬化膜の評価>
次に、実施例1〜実施例5で調製した感放射線性樹脂組成物、および、それらを用いて形成された硬化膜について、以下にように特性の評価を行った。
実施例11
[パターニング性の評価]
実施例1〜実施例5および比較例1で調製した感放射線性樹脂組成物((β−I)〜(β−V))をそれぞれ用い、ガラス基板(「コーニング(登録商標)7059」(コーニング社製))に、スピン塗布法を用いて塗布した後、ホットプレート上で90℃にて2分間プレベークして、それぞれの塗膜を形成した。
次いで、得られた各ガラス基板上の塗膜に対し、キヤノン(株)製PLA(登録商標)−501F露光機(超高圧水銀ランプ)を用い、5cm×8cmのパターンを有するマスクを介して露光を行った。その後、2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液にて25℃、60秒間、現像した。次いで、超純水で1分間流水洗浄を行い、5cm×8cmの開口部を有するようにパターニングされた硬化膜を形成した。
パターニングされた各硬化膜の端部分を光学顕微鏡で観察し、現像残渣がなく、パターンが直線状に形成されている場合をパターニング性良好と判断した。
その結果、実施例1〜実施例5で調製した感放射線性樹脂組成物(β−I〜β−V)をそれぞれ用い、パターニングして形成された硬化膜のパターニング性はいずれも良好であった。
実施例12
[耐熱性の評価]
実施例6の形成方法による硬化膜について、さらにオーブン中、230℃で20分加熱し、この加熱前後での膜厚を触針式膜厚測定機(アルファステップIQ、KLAテンコール社)で測定した。そして、残膜率(処理後膜厚/処理前膜厚×100)を算出し、この残膜率を耐熱性とした。残膜率は99%であり、耐熱性は良好と判断した。
同様に実施例7の形成方法による硬化膜について、さらにオーブン中、230℃で20分加熱し、この加熱前後での膜厚を触針式膜厚測定機(アルファステップIQ、KLAテンコール社)で測定した。そして、残膜率(処理後膜厚/処理前膜厚×100)を算出し、この残膜率を耐熱性とした。残膜率は99%であり、耐熱性は良好と判断した。
同様に実施例8の形成方法による硬化膜について、さらにオーブン中、230℃で20分加熱し、この加熱前後での膜厚を触針式膜厚測定機(アルファステップIQ、KLAテンコール社)で測定した。そして、残膜率(処理後膜厚/処理前膜厚×100)を算出し、この残膜率を耐熱性とした。残膜率は99%であり、耐熱性は良好と判断した。
同様に実施例9の形成方法による硬化膜について、さらにオーブン中、230℃で20分加熱し、この加熱前後での膜厚を触針式膜厚測定機(アルファステップIQ、KLAテンコール社)で測定した。そして、残膜率(処理後膜厚/処理前膜厚×100)を算出し、この残膜率を耐熱性とした。残膜率は99%であり、耐熱性は良好と判断した。
同様に実施例10の形成方法による硬化膜について、さらにオーブン中、230℃で20分加熱し、この加熱前後での膜厚を触針式膜厚測定機(アルファステップIQ、KLAテンコール社)で測定した。そして、残膜率(処理後膜厚/処理前膜厚×100)を算出し、この残膜率を耐熱性とした。残膜率は99%であり、耐熱性は良好と判断した。
同様に比較例2の形成方法による硬化膜について、さらにオーブン中、230℃で20分加熱し、この加熱前後での膜厚を触針式膜厚測定機(アルファステップIQ、KLAテンコール社)で測定した。そして、残膜率(処理後膜厚/処理前膜厚×100)を算出し、この残膜率を耐熱性とした。残膜率は99%であり、耐熱性は良好と判断した。
実施例13
[耐光性の評価]
実施例6の形成方法による硬化膜について、さらに、UV照射装置(UVX−02516S1JS01、ウシオ社)を用いて、130mWの照度で800000J/mの紫外光を照射して、照射後の膜減り量を調べた。膜減り量は2%以下であり、耐光性は良好と判断した。
同様に、実施例7の形成方法による硬化膜について、さらに、UV照射装置(UVX−02516S1JS01、ウシオ社)を用いて、130mWの照度で800000J/mの紫外光を照射して、照射後の膜減り量を調べた。膜減り量は2%以下であり、耐光性は良好と判断した。
同様に、実施例8の形成方法による硬化膜について、さらに、UV照射装置(UVX−02516S1JS01、ウシオ社)を用いて、130mWの照度で800000J/mの紫外光を照射して、照射後の膜減り量を調べた。膜減り量は2%以下であり、耐光性は良好と判断した。
同様に、実施例9の形成方法による硬化膜について、さらに、UV照射装置(UVX−02516S1JS01、ウシオ社)を用いて、130mWの照度で800000J/mの紫外光を照射して、照射後の膜減り量を調べた。膜減り量は2%以下であり、耐光性は良好と判断した。
同様に、実施例10の形成方法による硬化膜について、さらに、UV照射装置(UVX−02516S1JS01、ウシオ社)を用いて、130mWの照度で800000J/mの紫外光を照射して、照射後の膜減り量を調べた。膜減り量は2%以下であり、耐光性は良好と判断した。
同様に、比較例2の形成方法による硬化膜について、さらに、UV照射装置(UVX−02516S1JS01、ウシオ社)を用いて、130mWの照度で800000J/mの紫外光を照射して、照射後の膜減り量を調べた。膜減り量は2%以下であり、耐光性は良好と判断した。
実施例14
[蛍光特性の評価]
実施例6の形成方法による硬化膜について、さらに、絶対PL量子収率測定装置(C11347−01、浜松ホトニクス社)を用いて、25℃における蛍光量子収率を調べた。蛍光量子収率は81%であり、蛍光特性は良好と判断した。
同様に、実施例7の形成方法による硬化膜について、さらに、絶対PL量子収率測定装置(C11347−01、浜松ホトニクス社)を用いて、25℃における蛍光量子収率を調べた。蛍光量子収率は72%であり、蛍光特性は良好と判断した。
同様に、実施例8の形成方法による硬化膜について、さらに、絶対PL量子収率測定装置(C11347−01、浜松ホトニクス社)を用いて、25℃における蛍光量子収率を調べた。蛍光量子収率は64%であり、蛍光特性は良好と判断した。
同様に、実施例9の形成方法による硬化膜について、さらに、絶対PL量子収率測定装置(C11347−01、浜松ホトニクス社)を用いて、25℃における蛍光量子収率を調べた。蛍光量子収率は80%であり、蛍光特性は良好と判断した。
同様に、実施例10の形成方法による硬化膜について、さらに、絶対PL量子収率測定装置(C11347−01、浜松ホトニクス社)を用いて、25℃における蛍光量子収率を調べた。蛍光量子収率は81%であり、蛍光特性は良好と判断した。
同様に、比較例2の形成方法による硬化膜について、さらに、絶対PL量子収率測定装置(C11347−01、浜松ホトニクス社)を用いて、25℃における蛍光量子収率を調べた。蛍光量子収率は13%であり、蛍光特性の劣化が顕著に見られた。
本発明の感放射線性樹脂組成物を用いて形成された硬化膜は、耐光性等の信頼性に優れ、また、パターニングも容易であり、波長変換層または波長変換フィルムとして、表示素子およびそれを用いた電子機器の他、LEDおよびそれを用いた照明装置、並びに、太陽電池の分野でも利用することができる。
1、1a 塗膜
2、12、16 基板
3 フォトマスク
4、4a 放射線
5 硬化膜
11 波長変換基板
13、13a、13b、13c 発光層
14 ブラックマトリクス
15 接着剤層
17、17a、17b、17c 光源
18 光源基板
100 発光表示素子

Claims (10)

  1. [A]ガラス転移温度が110℃以上である樹脂、
    [B]感光剤、および
    [C]半導体量子ドット
    を含有し、該[A]ガラス転移温度が110℃以上である樹脂が、環状ポリオレフィン系樹脂より選ばれる少なくとも1種である、ことを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
  2. [C]半導体量子ドットが、2族元素、12族元素、13族元素、14族元素、15族元素および16族元素よりなる群から選ばれる少なくとも2種の元素を含む化合物からなることを特徴とする請求項1記載の感放射線性樹脂組成物。
  3. [C]半導体量子ドットが、Inを構成成分として含む化合物からなることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  4. [C]半導体量子ドットが、InP/ZnS化合物、CuInS /ZnS化合物、AgInS 化合物、(ZnS/AgInS )固溶体/ZnS化合物、ZnドープAgInS 化合物およびSi化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  5. [B]感光剤が、光ラジカル重合開始剤および光酸発生剤から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  6. [B]感光剤が、キノンジアジド化合物からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  7. [A]ガラス転移温度が110℃以上である樹脂100質量部に対する[C]半導体量子ドットの含有量が0.1質量部〜100質量部であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたことを特徴とする硬化膜。
  9. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物を用いて形成された発光層を有することを特徴とする発光素子。
  10. 請求項9に記載の発光素子の発光層の形成方法であって、
    (1)請求項1〜7のいずれか1項に記載の感放射線性樹脂組成物の塗膜を基板上に形成する工程、
    (2)工程(1)で形成した塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
    (3)工程(2)で放射線を照射された塗膜を現像する工程、および
    (4)工程(3)で現像された塗膜を加熱する工程を有することを特徴とする発光層の形成方法。
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