JP2006098628A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 カラートナーを色重ねしたカラー画像を形成する際に、低温オフセットが生じることがなく高速での定着が可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】 トナーを2層以上色重ねして画像形成する画像形成装置において、カラートナーのうち画像が形成される記録材から最も近い側に重ねられるカラートナーの離型剤分散径をカラートナー中で最大とする画像形成装置。
【選択図】 図1

Description

本発明は、潜像担持体上に形成した潜像を現像して画像形成する画像形成装置に関するものであって、とくに複数色のトナーを用いて色重ねしてカラー画像を形成する画像形成装置に関するものである。
潜像担持体上に形成した画像を現像して定着する画像形成装置として、感光体ドラムや感光体ベルトからなる潜像担持体を有し、画像形成動作時には感光体の感光層に静電潜像を形成した後、形成した潜像を現像装置の現像剤によって可視像化し、次いでコロナ転写、転写ローラ、転写ドラムまたは転写ベルトを用いて紙等の記録材上に画像を転写をすることが知られている。
また、フルカラー画像形成装置では複数の現像機構を用い、転写ベルトや転写ドラム上の記録材、例えば紙上に複数の色画像を順次重ね合わせて転写後、定着する方式がタンデム機として知られている。また、中間転写媒体上に色画像を順次一次転写しその一次転写画像を一括して記録材に二次転写する4サイクルの中間転写方式やロータリー現像方式のプリンタが知られている。
一方、カラー画像形成装置においては、文字や線画像のみからなる白黒画像の場合には、形成される画像の光沢を抑制した画像を形成するために、黒色トナーすなわち無彩色トナーを充分には溶融せずに定着することにより光沢を抑さえた画像とし、有彩色トナーについては、よく混色された光沢のある画像を形成するために、有彩色トナーをワックス含有トナーとし、無彩色トナーをワックスを含有しないトナー又は有彩色トナーに比べ、バインダー樹脂の単位質量当たりのワックスの含有量が少ないトナーとすることにより、無彩色の画像、有彩色の画像のいずれもが特性の優れた画像を形成することが提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、黒色トナーと有彩色トナーとをそれぞれの特性に応じたものとした場合にあっても、3色の有彩色トナー間には画像形成時に求められる特性は相違し、有彩色トナーを特性に応じてワックス量等を適正なものとすることが必要であることを見出したものである。
画像形成装置においては画像形成速度の高速化によって、各構成装置の運転速度が高速化されており、定着装置においては、紙等への記録材への受熱時間すなわち定着ローラにより形成されるニップを紙が通過する時間は短くなり、離型剤の効果を十分発揮するためには、定着温度、定着速度に対応した離型剤の選択、離型剤の添加量の増量によって定着時の剥離特性、高温オフセットへの対応が必要となる。
高速定着用のトナーは、短い定着時間で定着強度を得るために、短時間でトナー間、およびトナーと紙等の記録材との間で定着強度を発現する必要がある。
離型剤は主な構成成分である結着樹脂に比べて低融点であるため、離型剤の添加量を増やすこと、あるいは離型剤分散径を大きくすることは短い定着時間で定着を成し遂げるためには有効である。
また、離型剤の添加量が増えると、熱に対する感度は高くなり、トナーカートリッジの高温度での保存性が低下したり、現像装置においてフィルミングが発生して形成される画像が劣化するという問題点があった。
そこで、離型剤の添加量、あるいは離型剤分散径等を調整してフィルミングが生じにくいようにすることが提案されている。
複数色のトナーを色重ねして、所望の画像を形成することが行われている。複数色のトナーを色重ねして記録材に一括して加熱定着した場合には、個々の単色のトナーが、離型剤の添加量を定着特性とフィルミング、保存性の両立できるように調製されている場合でも、一括して加熱定着した場合には、トナー量が多くなるために、単色トナーと同一の時間内に十分な定着を行うことが困難となる。
すなわち、トナー量が多くなると定着ローラに近い側のトナーについては定着ローラとの直接接触がなされるが、定着ローラから遠い記録材側のトナーは定着ローラ側のトナーを通じての熱伝導となるので、定着時間が短い場合には定着が充分になされる前に定着ニップを通過してしまい、低温オフセットによる定着不良を起こしやすい。
一方、トナー量が増えた際に低温オフセットの回避のために、べた画像等の色重ねのようにトナー量が多くなる画像データの場合には、予め重ね合わされた際のトナー量が少なくなるように、画像処理によってハーフ画像として重ねることでトナー量としては定着強度が確保できる量以下となるように調整することが行われていた。しかし、この方法では、画像形成に使用されるトナー量が制限されるので、画像の色再現性が低下するという問題がある。
特許第3342198号公報
本発明は、離型剤を添加したトナーを使用して色重ねによって画像が形成される画像形成装置において、色重ねしたトナーの低温オフセットによる定着不良を防止することを課題とするものであって、高速定着可能な画像形成装置を提供することを課題とするものである。
本発明の課題は、トナーを2層以上色重ねして画像形成する画像形成装置において、カラートナーのうち画像が形成される記録材から最も近い側に重ねられるカラートナーの離型剤分散径をカラートナー中で最大とする画像形成装置によって解決することができる。
また、カラートナーは有彩色トナーである前記の画像形成装置である。
本発明の画像形成装置は、カラー画像の形成に使用する離型剤を含有したカラートナーとして、離型剤の分散径が最も大きいトナーを記録材に最も近いトナーとして色重ねによって画像を形成したので、高速定着時においても、記録材に最も近く定着ローラから離れたトナーも速やかに加熱されるので、低温オフセットを生じることなく、速やかな定着が可能となり、良好な画像の形成が可能な画像形成装置を供することができる。
本発明は、カラー画像を形成する画像形成装置において、色重ねによって形成された記録材との距離が最も小さなトナー層の離型剤分散径を、カラートナー色中で最大としたことによって、短時間に定着可能な高速定着手段を適用して定着した場合であっても、記録材との距離が小さなトナーの定着も速やかに実現することが可能であることを見出したものである。
すなわち、トナー中の離型剤の分散径、すなわちトナー中に分散して存在する離型剤の径が大きくなると、離型剤の分散径が小さな場合に比べて離型剤の添加の効果が高まり定着時の剥離性が向上することが知られている。
本発明は、色重ねによって画像を形成する際に、記録材から最も近い側に画像が形成されるトナーの離型剤分散径をカラートナー中で最大とすることによって、定着時に定着ローラから与えられる熱量が小さくても良好な定着特性が得られることを見出したものである。
本発明は、原料を溶融混練した後に微粉砕して製造する粉砕法、単量体を重合してトナー粒子を製造する重合法等の各種の方法で製造したトナー粒子に適用することが可能である。一般に、トナー粒子に含有した離型剤としては、樹脂成分とは相溶しない成分が選ばれており、離型剤は樹脂成分中に粒子状に分散して存在している。
特に、粉砕法によって製造したトナーでは、離型剤を樹脂中に溶融混練した後、粉砕して微粒子化するため、トナー表面に離型剤が存在するものが生じるので、離型剤の添加量の増加による保存性悪化や、フィルミングの現象がより発生し易いものとなる。
フィルミングの発生を防止するために、離型剤含有量を調整する等の方法を適用することが好ましい。
複数のカラートナー、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)を用いてカラー画像を、4サイクルの中間転写媒体を用いた画像形成装置によって、現像をK、M、C、Yの順序で現像する場合には、記録材上に形成されるトナー層は、4層のトナーの場合にはYCMKである。また、3層を形成する場合にはYCM、2層を形成する場合にはYC、CM、YMという組合せに限られる。
4層の組合せのうち、YCMは黒に相当するために実際にはKに置き換えられるので、色重ねにおいてトナー量が最も多くなるのは3層の場合である。
したがって、トナー量が多くなる3層形成の場合に記録材側に位置するトナーはこの例の場合、Yであり、Yの離型剤分散径を大きくする。
また、2層形成時についてもY以外で紙と接する可能性があるCのトナーについても離型剤分散径を大きくすることで、十分な定着が可能となる。
また、色重ねによって形成された記録材との距離が最も小さなトナー層の離型剤分散径に着目したが、本発明によって以下のような問題点も同時に解決することが可能となる。
すなわち、オーバーヘッドプロジェクター等で利用する透明フィルム(OHPシート)に用いるカラートナーとしては、投影像を鮮やかに再現するために、定着後のトナー層の平滑性、透明性が要求される。
定着ローラから画像形成した用紙の剥離性能を定着ローラへの離型性オイルを塗布するではなく、トナーに含有させた離型剤を定着時にしみ出させ、トナー像と定着ローラ間に離型剤の層を形成することで剥離性能を確保するという本件のトナーの構成では、定着トナー像中の樹脂と離型剤の屈折率の差から透明性が損なわれるという問題があった。
透明フィルムに画像形成されたカラー画像の透明性を確保するため、離型剤の量は極力少なく、その分散径は小さくすることが好ましい。また、透明フィルムに画像形成されたカラー画像の透明性はトナー量が増えると低下する傾向があり、単色の1層形成よりも2層、3層形成というトナー量が増えた場合に特に透明性の低下が問題となる。
したがって、短い定着時間での定着強度の確保のために離型剤の分散径を大きくする場合、MCYすべてについて離型剤分散径を大きくすることは透明フィルム上の画像の透明性の確保から難しいが、1色についてのみ離型剤分散径を増やすことで、トナー量が多い2〜3層形成時のトナー像の定着強度の確保と透明フィルムに画像形成されたカラー画像の透明性を両立することができる。
以下に図面を参照して本発明を説明する。
図1は本発明の画像形成装置の一例を説明する図であり、4サイクル式の現像装置を有する画像形成装置を説明する図である。
画像形成装置1は、感光体2の周囲に、帯電装置3、感光体上に所望の静電潜像を形成する露光装置4、および感光体上に残留したトナーを除去するクリーナ5が配置されており、感光体1は、図示しない駆動手段によって回転駆動される。
また、感光体に対向して、Y(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の4色の現像手段を備えた現像装置6が配置されており、現像装置6は、回転可能に構成されており、4色のうちの1色の現像ローラから順次、感光体2にトナーを付与して感光体2上の静電潜像を現像する。
現像されたトナー像は、中間転写装置7の中間転写ベルト71上に転写される。中間転写装置7は、駆動ローラと従動ローラと、これら各ローラの周りに張架された無端状の中間転写ベルト71とを有しており、中間転写ベルト71が感光体2とほぼ同一の周速で循環駆動される。
中間転写ベルト71が循環駆動される過程で、感光体2上の4色のトナー像が順次中間転写ベルト71上に転写される。中間転写ベルト71上に転写されたトナー像は、二次転写部において、二次転写ローラとの間に供給される用紙等の記録材に転写される。
次いで、定着装置8でトナー像が定着され、排紙経路を通って装置本体の筐体上に形成されたシート受け部上に排出される。
図2は、図1に示した画像形成装置における現像装置を拡大して説明する図である。
現像器6の現像ローラ61が感光体に対向して配置されており、現像ローラ61には、供給ローラ62によて、トナーが現像ローラ61に供給される。現像ローラ61上には、規制ブレード63が配置されており、現像ローラ61上に形成されるトナーの厚みを規制し、トナーの厚みを所定の厚みとしている。
また、現像ローラ61は反時計方向に回転し、トナー供給ローラ62により搬送されたトナーをその表面に保持した状態で感光体と対向する部分に搬送し、非接触状態でトナーが感光体上の静電潜像を可視像化する。一方、現像ローラには、シール64が接触して、トナーの現像ローラ61の周囲からの漏れを防止している。
図3は、図1に示した転写装置の拡大図を示す図である。
中間転写ベルト71は、感光体2の周速とほぼ同一の速度で、感光体2の回転方向へ支持ローラ76、テンションローラ77によって保持されながら駆動ローラ74によって駆動されている。感光体2には、第1色目のトナー、例えばイエロー用の現像器の現像ローラ上のトナーによって静電潜像が現像され、第1色目のイエローのトナー像が感光体2上に形成される。感光体2上に形成されたトナー像が第1転写ローラ73によって中間転写ベルト71上に転写される。このとき、二次転写ローラ79は中間転写ベルト71から離間している。
第1色目のトナー像が中間転写媒体71に転写されると、次いで、第2色目、第3色目、第4色目とトナー像の転写が繰り返され、トナー像が中間転写ベルト71上において重ね合わされて形成される。
第4色目までのトナー像が転写されると、所定のタイミングで給紙装置から記録材Sが給送され、中間転写ベルト71上のトナー像が転写されるタイミングで、二次転写ローラ79が中間転写ベルト71上のトナー像、すなわち4色のトナー像が重ね合わせられたフルカラー画像が記録材S上に転写されて、記録材Sは二次転写ガイド78に沿って定着装置へ送られる。
次いで、ベルトクリーナ72が転写クリーナロール75上の中間転写ベルト71に当接し、二次転写後に中間転写ベルト71上に残留しているトナーが除去される。
図4は、図1に示した画像形成装置の定着装置を拡大して説明する図である。
中間転写ベルトからトナー像が形成された用紙Sは、定着紙ガイド84によって、ハロゲンランプ82によって所定の温度に加熱された加熱ローラ81と加圧ローラ83との間に送られて定着された後に、用紙Sは、加圧ローラ剥離板85および加熱ローラ剥離板86の間を通じて、外部へ排出される。
次に、本発明に画像形成装置に用いるトナーについて説明する。
トナー母粒子としては、溶融混練粉砕法(以下、粉砕法とも称す)で得た粒子状の混合物、あるいは重合法により直接合成して得た粒子状の合成物、あるいは溶剤分散法により微粒子化した粒子状の混合物を用いることができる。
粉砕法によるトナー母粒子は、結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、離型剤等からなる原料を予備混合の後に溶融混練、粉砕、分級などの工程を経て得られる粒子状の混合物であり、体積平均粒径で1〜15μm、好ましくは3〜10μmのものである。結着樹脂としては、ポリスチレンまたはその共重合体、水素添加スチレン樹脂、スチレン−イソブチレン共重合体、ABS樹脂、ASA樹脂、AS樹脂、AAS樹脂、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ブタジエン架橋ポリマー、スチレン−ブタジエン−水素化パラフィン共重合体、スチレン−ブタジエンゴムエマルジョン、スチレン−マレイン酸エステル共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−アクリル系樹脂およびその共重合体、例えば、スチレン−アクリル共重合体、スチレン−ジエチルアミノエチルメタクリレート共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メチルメタクリレート共重合体、スチレン−n−ブチルメタクリレート共重合体、スチレン−メチルメタクリレート−n−ブチルアクリレート共重合体、スチレン−メチルメタクリレート−ブチルアクリレート−N−(エトキシメチル)アクリルアミド共重合体、スチレン−アクリル酸エステル−マレイン酸エステル共重合体、スチレン−n−ブチルメタクリレート−アクリル酸共重合体、ポリエステルまたはその共重合体、ポリエチレンまたはその共重合体、ポリプロピレンまたはその共重合体、環状ポリオレフィン、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリビニルブチラール等であり、これらを1種類あるいは2種類以上を混合して用いことができる。
重合法によるトナー母粒子は、重合性単量体に着色剤、帯電制御剤、離型剤、重合開始剤、あるいは分散剤や架橋剤を加えて均一分散、あるいは溶解せしめて単量体組成物とした後に、連続した液相からなる媒体(例えば水相媒体)中に滴下して分散機により前記単量体組成物を微細な液滴状に懸濁させて、重合を進行させることによって得られる体積平均粒径で1〜15μm、好ましくは3〜10μmの粒子状の合成物である。重合性単量体としては、スチレン、o(m、p)−メチルスチレンなどのスチレン系単量体、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸、またはメタアクリル酸エステル系単量体、ブタジエン、イソプレン、シクロヘキサン、アクリロニトリル、アクリル酸アミド等のエン系単量体を用いることができる。
着色剤としては、黒色系着色剤としては、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化チタン、四三酸化鉄、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、スピリットブラック、ニグロシンなどの黒色系顔料または染料を用いることができる。黄色系着色剤としては、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントイエローNCG、黄鉛、亜鉛華、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエローなどの黄色系顔料または染料を用いることができる。赤色系着色剤としては、ウオッチングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ、ベンガラ、カドミウムレッドなどの赤色顔料または染料を用いることができる。青色系着色剤としては、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、紺青、コバルトブルー、メチレンブルーなどの青色顔料または染料を用いることができる。
また、上記の着色剤は単独、または2種類以上を混合して用いることができる。さらに、上記に示した着色剤の他に橙色系着色剤、紫色系着色剤、緑色系着色剤、白色系着色剤を単独、または2種類以上を混合して用いることができる。これらは、結着樹脂あるいは重合性単量体に対して1〜10質量%添加することが好ましい。
離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス、あるいはそれらのブロック共重合体を用いることができる。また、カルナウバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステル系ワックスを用いることができる。また、パルミチン酸、ステアリン酸、モンタン酸、あるいは更に長鎖アルキル基を有する飽和直鎖脂肪酸類、ブランジン酸、エレオステアリン酸、バナリン酸などの不飽和脂肪酸類、ステアリンアルコール、アラルキルアルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコール、セリルアルコール、メリシルアルコール、あるいは更に長鎖アルキル基を有する長鎖アルキルアルコール類のような飽和アルコール類、ソルビトールのような多価アルコール類、リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラウリン酸アミドのような脂肪酸アミド類、ステリン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムのような脂肪酸金属塩を用いることができる。これらは単独、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。これらは結着樹脂あるいは重合性単量体に対して1〜10質量%、好ましくは3〜8質量%添加される。
帯電制御剤としては、Cr錯体、Zn錯体、Fe錯体、Al錯体等の金属錯体系染料、第四級アンモニウム塩化合物やニグロシン系化合物、トリフェニルメタン系顔料等を用いることができ、単独、あるいは2種類以上を混合して用いることができる。帯電制御剤は、結着樹脂あるいは重合性単量体に対して0.5〜5質量%添加することが好ましい。
次に、本発明の画像形成方法の一例について、図1〜図4の画像形成装置に基づき説明する。
外径40mmのアルミニウム管に有機感光層を形成した感光体1に、スコトロン式の帯電器3により−600Vに帯電し、レーザー走査式露光装置4から発せられるレーザー光で潜像を形成し、トナー層を保持した現像ローラ61を前記感光体2に近接するように現像装置6を移動させ、現像ローラ61に所定の現像バイアスを印加して感光体2の潜像を反転現像する。現像装置6は、ロータリー式の枠体に支持されながらロータリー回転動作によって移動し、Y、M、C、Kの所定の現像装置6が現像位置にて感光体2上にトナー像を形成する。
次に、感光体2上のトナー像を中間転写ベルト71からなる転写装置7を介して用紙S上に接触転写した後、加熱ローラ81と加圧ローラ83とを有する定着装置8で熱圧力定着される。
図2に示す現像装置6は、外径18mmの鉄製管にサンドブラスト処理後にNi−Pメッキを施した現像ローラ61に外径19mmのウレタンスポンジ製供給ローラ62を圧接対向配置し、現像ローラ61との対向配置において周速比(供給ローラ/現像ローラ)1.5で同方向回転させる。また、現像ローラ61は感光ドラム2との対向位置において周速比(現像ローラ/感光ドラム)1.6で同方向回転させる。現像ローラ61にはりん青銅の板バネの先端に中抵抗ゴム層を有する規制ブレード63を0.2〜2N/cmの荷重で圧接配置し、供給ローラ62により現像ローラ61上に供給したトナーを薄層規制して現像ローラ61上に所望の極性に摩擦帯電したトナー層を保持する。本発明における構成では、トナーを負極性に摩擦帯電させており、その平均帯電量は−10〜−20μC/gである。
現像条件としては、感光ドラムと現像ローラ間には150〜200μm程度の現像ギャップを形成し、このギャップ間に直流バイアス−150〜−250V、周波数1.0〜3.0kHzの交流バイアスをPーP値で1100〜1300Vを同時に印加する。このとき交流バイアス成分の時間デューティは、現像方向への成分を50〜40%程度、すなわち剥離方向への成分を少し大きく設定するのが好ましい。現像ローラに対して、供給ローラと規制ブレードと同電位に設定する。
本発明においては、現像ローラ61上にトナー層を1層〜3層、好ましくは1.5層〜2.5層担持させることにより、現像装置6における規制ブレード63/供給ローラ62/シール64の当接部材から受けるストレスを緩和することを可能とする。
図3に示す転写装置6は、周長600mm程度の無端ベルト表面に転写機能層を設けた中間転写ベルト71に複数のローラ73〜77を掛け渡し、中間転写ベルトの一面を感光体2と対向配置して一次転写バックアップローラ73との圧接により一次転写部を形成し、また、他面を用紙搬送経路において用紙背面から押し当てる二次転写ローラ79に対向配置して駆動ローラ74との圧接により二次転写部を形成する。中間転写ベルト71は、回転する感光ドラム2の移動速度と略同等となるように駆動され、一次転写部で感光ドラム上のトナー像を転写してベルト表面に保持した後、二次転写部でベルト表面のトナー像を用紙S上に転写して保持させる。特に、多色画像形成時には、中間転写ベルト71上に複数回の現像で形成した複数のトナー像を順次積層させ、二次転写部において積層したトナー像を一括転写して用紙S上に多色画像を形成する。
中間転写ベルト71表面の転写機能層は、少なくとも最外層となる抵抗層Aと中間層となる導電層Bとからなる。抵抗層Aは、ウレタン樹脂等の結着樹脂に酸化錫等の導電性粒子とポリテトラフルオロエチレン等の滑材からなり20μm程度の厚さに層形成されるもので、導電性粒子は、抵抗層Aの電気抵抗を108 〜1014Ω・cm程度に調整することを目的として添加されるものであり、また、滑剤は抵抗体層Aの摩擦係数(μ)を0.1〜0.2程度に調整することを目的として添加されるものである。導電層Bは、金属の蒸着膜であり、例えば1μm未満の薄膜アルミニウムであり、ベルト基体となる樹脂膜、例えば、100μm程度の膜厚のPETフィルムの上に形成したものである。
感光ドラム2と中間転写ベルト71とが対向する一次転写部は、感光ドラムに対して中間転写ベルトを一次転写バックアップローラ73により所定の荷重で押圧する構成とし、中間転写ベルト、さらに詳しくは導電層Bに50〜400V程度の一次転写バイアスを印加することで、感光ドラム上のトナー像を中間転写ベルト上に接触転写する。用紙Sを介して二次転写ローラが対向する二次転写部は、駆動ローラ74と二次転写ローラ79により中間転写ベルトと用紙を所定の荷重で押圧する構成とし、二次転写ローラに1〜100μA程度の二次転写バイアスを印加することで中間転写ベルト上のトナー像を用紙上に接触転写する。また、二次転写ローラは離接クラッチにより用紙を介した中間転写ベルトへの当接状態と、中間転写ベルトへの離間状態とに所定のタイミングで切り替えることができる。
感光ドラム/中間転写ベルトには、一次転写/二次転写残トナーをそれぞれ除去するためにウレタンゴム板で形成したクリーニングブレードを圧接するクリーニング装置をそれぞれ備える。図1に示す感光体用クリーナ4は、感光ドラムに対して0.1〜0.3N/cm程度の荷重で圧接するように定荷重で配置され、感光ドラム上の一次転写残トナーを順次掻き落とす。図3に示す中間転写ベルト用クリーニング装置62は、離接クラッチにより中間転写ベルトへの当接状態と、中間転写ベルトへの離間状態とに所定のタイミングで切替えることができる。さらに、中間転写ベルトに対して0.1〜0.3N/cm程度の荷重で圧接するように定荷重で配置し、中間転写ベルト上の二次転写残トナーを順次掻き落とす。
図4に示す定着装置8は、ハロゲンランプ82を熱源として内蔵した外径30mmの加熱ローラ81と外径35mmの加圧ローラ83を備える。加熱ローラと加圧ローラは略平行に配置され、付勢手段によって5〜30×104Pa程度の押圧力で互いに接触させる。また、加熱ローラと加圧ローラは芯金の周囲にシリコンゴム等より成る弾性層とフッ素ゴムやフッ素樹脂(PFA:パーフルオロアルコキシフッ素樹脂、PTFE:ポリテトラフルオロエチレン等)より成る表面層より構成する。加熱ローラ及び加圧ローラの近傍には定着直後の用紙を剥離するための剥離板85、86がそれぞれ配置される。
定着に際しては、加圧ローラ81と加圧ローラ83との間に、両ローラの接触面によりニップ部が形成される。ニップ部はニップ幅が両端部で広く、中央部で狭い、所謂逆クラウン形状をなしていることが好ましい。本実施例では、両端ニップ幅8mm、中央ニップ幅7mmの構成とした。加熱ローラと加圧ローラは、用紙の搬送速度がプロセス速度と同等となるように所定の回転数で回転させる。また、加熱ローラは、その表面温度が140〜200℃、好ましくは150〜190℃の範囲になるように、ハロゲンランプ82の出力を制御して所定の定着温度に維持される。
本発明における離型剤分散径、軟化点(Tm)、ガラス転移温度(Tg)は以下の測定方法によって測定したものである。
1.離型剤分散径
トナー粒子を100nmに超薄切片化し、四酸化ルテニウムにより染色した後、透過型電子顕微鏡により倍率1万倍で観察を行ない写真撮影した。
視野内の任意の離型剤粒子100個について長径方向を離型剤径として測定し、計測した100個の離型剤径100個を加重平均して測定したトナーの離型剤分散径とした
2.軟化点(Tm)
軟化点Tmは、流動特性評価装置(島津製作所製 フローテスタCTF−500)を用い、ダイス細孔の径1mm、長さ1mm、加圧力1.96MPa、昇温速度6℃/minの条件で1cm3 の試料を軟化流出させたときの流出開始点から流出終了点の高さ1/2に相当する温度をTmとした。
3.ガラス転移温度(Tg)
ガラス転移温度(Tg)は、示差熱分析測定装置DSC−7(パーキンエルマー製)を用い、試料10mgを窒素雰囲気下で室温から200℃まで10℃/minで昇温させ、200℃で10分間保持し、その後、100℃/minで急冷し、10℃まで温度を下げ、10℃で10分間保持し、その後、昇温速度10℃/minで200℃まで昇温する。
この昇温過程で、温度40〜100℃の範囲におけるメインピークの吸熱ピークが得られるので、吸熱ピークが出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をガラス転移点Tgとした。
以下に、実施例を示し本発明を説明する。
トナーの製造例1
(マゼンタトナーの製造)
結着樹脂:ポリエステル樹脂 100重量部
(軟化温度Tm:126℃、ガラス転移温度Tg:60℃)
着色剤:カーミン6B 6重量部
離型剤:カルナウバワックス(融点80℃) 12重量部
帯電制御剤:(ボントロンE−81 オリエント化学工業製) 2重量部
をヘンシェルミキサーに投入し、2分間混合攪拌して原料混合物を得た。得られた原料混合物を2軸押出機にて100℃で熱溶融混練した。
混練物は2軸押出機から取り出し直後にドラムフレーカーで急冷して粗粉砕した。粗粉砕物をさらにジェットミル気流粉砕機で微粉砕後、風力分級機で粒度分布を調整し、体積平均粒径8.5μm、比重1.2のマゼンタトナー母粒子を得た。
次いで、先に得られたマゼンタトナー母粒子100重量部と、疎水性シリカ(TG−811Fキャボット製、一次粒子の体積平均粒径0.008μm)1.0重量部、疎水性シリカ(RX−80 日本アエロジル製、一次粒子の体積平均粒径0.04μm)1.5重量部、疎水性酸化チタン(NKT90 日本アエロジル製、一次粒子の体積平均粒径0.014μm)1.0重量部からなる混合物をヘンシェルミキサーで混合し、体積平均粒径8.5μmのマゼンタトナーを得た。
得られたマゼンタトナーの離型剤分散径は、0.5μmであった。
(シアントナーの製造)
結着樹脂:ポリエステル樹脂 100重量部
(軟化温度Tm:126℃、ガラス転移温度Tg:60℃)
着色剤:銅フタロシアニン 3.5重量部
離型剤:カルナウバワックス(融点80℃) 12重量部
帯電制御剤:(ボントロンE−81 オリエント化学工業製) 2重量部
からなる混合物をヘンシェルミキサーに投入し、2分間混合攪拌して原料混合物を得た。得られた原料混合物を2軸押出機にて100℃にて熱溶融混練した。混練物は2軸押出機から取り出し直後にドラムフレーカーで急冷して粗粉砕した。粗粉砕物をさらにジェットミル気流粉砕機で微粉砕後、風力分級機で粒度分布を調整し、体積平均粒径8.5μm、比重1.2のシアントナー母粒子を得た。
得られたシアントナー母粒子を用い、上記マゼンタと同様の外添を施し、体積平均粒径8.5μmのシアントナーを得た。
得られたシアントナーの離型剤分散径は、0.5μmであった。
(イエロートナーの製造)
結着樹脂:ポリエステル樹脂 100重量部
(軟化温度Tm:126℃、ガラス転移温度Tg:60℃)
着色剤:ベンジジンイエロー 3.5重量部
離型剤:カルナウバワックス(融点80℃) 9重量部
帯電制御剤:(ボントロンE−81 オリエント化学工業製) 2重量部
からなる混合物をヘンシェルミキサーに投入し、2分間混合攪拌して原料混合物を得た。得られた原料混合物を2軸押出機にて熱溶融混練した。混練物は2軸押出機から取り出し直後にドラムフレーカーで急冷して粗粉砕した。粗粉砕物をさらにジェットミル気流粉砕機で微粉砕後、風力分級機で粒度分布を調整し、体積平均粒径8.5μm、比重1.2のイエロートナー母粒子を得た。
得られたイエロートナー母粒子を用い、上記マゼンタと同様の外添を施し、体積平均粒径8.5μmのイエロートナーを得た。
得られたイエロートナーの離型剤分散径は、1.2μmであった。
実施例1
トナーの製造例1によって製造した有彩色トナーを、図2に示すものと同様の4サイクル中間転写媒体方式のプリンタ(セイコーエプソン製LP9000C)のトナーカートリッジに充填して画像形成試験を行った。
また、図4に示したものと同様に、加熱ローラと加圧ローラとして芯金の周囲にシリコーンゴムの弾性層とPFAよりなる表面層で構成した定着装置を用い、通紙速度210mm/sで定着温度良好域を確認した。
以下の方法で確認される低温オフセット限界温度以上、高温剥離性試験限界温度以下の温度範囲を定着温度良好域とした。
(低温オフセット)
15℃30%の低温低湿環境で印字用紙としてボンド紙を用い、紙上のべた画像トナー量をイエロー、マゼンタ、シアン各色ともに0.8mg/cm2に調整し、定着温度を120℃から10℃刻みで上昇させる方向で変更し、トナー層の定着状態を確認した。また、MC、CY、MYの2層形成、MCYの3層形成(コンポジットブラック)についても確認した。べた画像でわずかでも定着において白抜けが発生した場合、低温オフセットが不良とし、一切白抜けのない最も低い温度を低温オフセット限界温度とした。
(高温剥離性)
30℃80%の高温高湿環境で印字用紙としてレーザープリンタ用普通紙(富士ゼロックス製P紙)を用い、紙上のトナー量をイエロー、マゼンタ、シアン各色ともに0.8mg/cm2、通紙方向先端の紙余白、すなわちトナーがない部分を1mmに調整し、定着温度を170℃から10℃刻みで上昇させる方向で変更して通紙した際の、紙の加熱ローラへの巻きつきを確認した。また、MC、CY、MYの2層形成、MCYの3層形成(コンポジットブラック)についても確認した。巻きつきが発生しない、最も高い温度を高温剥離性限界温度とした。
低温オフセットについては1層、2層形成時については140℃以上で低温オフセットは発生しなかったが、3層形成では140℃ではわずかに白抜け、すなわち低温オフセットが発生し、150℃では発生しなくなった。この結果、3層形成時は低温オフセット限界温度は150℃、1、2層形成時は140℃であった。
また、高温剥離性については、使用した定着装置の最高使用温度である210℃まで、1層、2層形成時については巻きつきは発生しなかったが、3層形成時では210℃で巻きつきが発生し、200℃に下げることで巻きつきは発生しなくなった。
この結果から高温剥離性限界温度は3層形成時は200℃、1、2層形成時は210℃以上であった。
したがって、3層形成が良好に可能な温度領域である150〜200℃を定着温度良好域とした。
続いて、図2に示したものと同様に4サイクル中間転写媒体方式のプリンタ(セイコーエプソン製LP9000C)のトナーカートリッジにトナーを充填し画像形成試験を行った。定着装置の加熱ローラの設定中心温度170℃、加熱ローラの温度範囲150〜190℃とした。
(透明フィルムへの画像形成試験)
オーバーヘッドプロジェクター用の透明フィルムに形成した画像の透明性の確認を行った。透明フィルム上にイエロー、マゼンタ、シアン各色ともにべたトナー量0.8mg/cm2 に調整し、3層重ねのトナー像を形成した。透明フィルム上に形成したべたトナー像を定着良好温度域の確認と同様に図4に示した定着器を用い、定着温度150℃から10℃刻みで200℃まで加熱定着した。
得られた画像についてHAZEメーター(日本電色工業株式会社製 MODEL1001DP)でHAZE値を測定した。HAZE値は定着温度が高いほど下がる傾向があり、150℃で50.3、200℃で43.5であった。
(画像形成試験)
画像形成試験は、レーザープリンタ用普通紙(富士ゼロックス製P紙)を使用し、紙に対する画像占有率5%の文字画像を出力するとともに、1000枚毎にレーザープリンタ用上質紙(富士ゼロックス製J紙)を差し入れてハーフトーン画像、べた画像、写真画像を出力した。形成された画像は、すじ、むら等のない均一で十分な濃度の良好な画像が得られた。
また、イエローが9994枚、マゼンタが10150枚、シアンが10044枚でトナーカートリッジ中のトナーを使い切ったが、トナー終了直前まで各色とも初期画像に比べほぼ遜色のない良好な画像が得られた
表1
トナー色 離型剤分散径(μm) 軟化温度Tm(℃)
イエロー 1.2 126
マゼンタ 0.5 126
シアン 0.5 126
比較例1
イエローの離型剤分散径を0.5μmとした点を除いては実施例1と同様にトナーを作製して画像形成試験を行ったところ、3層のトナー層の形成で150℃で低温オフセットが発生してしまい、定着良好温度域は160〜200℃であった。
実施例2
トナーの製造例1によって製造した表2に示す組成の有彩色トナーを、図2に示すものと同様に4サイクル中間転写媒体のプリンタ(セイコーエプソン製LP9000C)のトナーカートリッジに充填して画像形成を行った。
表2
トナー色 離型剤分散径(μm) 軟化温度Tm(℃)
イエロー 1.2 126
マゼンタ 0.5 126
シアン 0.8 126
紙上のべたトナー量を1.2mg/cm2に調整したことを除いては、実施例1と同様の方法で定着温度良好域を確認したところ、150〜200℃であった。
また、透明フィルム上に画像形成した画像の透明性についても各色のべたトナー量を1.2mg/cm2に調整したことを除いては実施例1と同様の方法で確認した。
得られた透明フィルム上の画像についてHAZEメーター(日本電色工業株式会社製MODEL1001DP)でHAZE値を測定した。HAZE値は定着温度が高いほど下がる傾向があり、150℃で65.2、200℃で54.8であった。
(画像形成試験)
レーザープリンタ用普通紙(富士ゼロックス製P紙)を使用し、紙に対する画像占有率5%の文字画像を出力するとともに、1000枚毎にレーザープリンタ用上質紙(富士ゼロックス製J紙)を差し入れてハーフトーン画像、べた画像、写真画像を出力した。形成された画像は、すじ、むら等のない均一で十分な濃度の良好な画像が得られた。
また、イエローが10033枚、マゼンタが10003枚、シアンが10015枚でトナーカートリッジ中のトナーを使い切ったが、トナー終了直前まで各色とも初期画像に比べほぼ遜色のない良好な画像が得られた。
比較例1
イエローの離型剤分散径が0.5μmとした点を除いて実施例1と同様にトナーを作製して、実施例1と同様に画像形成試験を行ったところ、定着温度良好域は、150〜190℃で、3層のコンポジットの画像形成で低温オフセットが発生した。
比較例2
実施例1のトナーを、紙上のべたトナー量を1.2mg/cm2に調整したことを除いては、実施例1と同様の方法で定着温度良好域を確認した。トナーをMC(シアンが紙側)2層重ねた画像、すなわちブルー画像で150℃で低温オフセットが発生し、定着良好温度域は160〜200℃であった。
本発明の画像形成装置は、色重ねカラー画像の形成に使用する離型剤を含有したカラートナーとして、離型剤の分散径が最も大きいトナーを記録材に最も近いトナーとして画像を形成したので、高速定着時においても、記録材に最も近く、定着ローラから離れたトナーも速やかに加熱されるので、低温オフセットを生じることなく、速やかな定着が可能となる良好な画像の形成が可能な画像形成装置を供することができる。
図1は本発明の画像形成装置の一例を説明する図であり、4サイクル式の現像装置を有する画像形成装置を説明する図である。 図2は、図1に示した画像形成装置における現像装置を拡大して説明する図である。 図3は、図1に示した転写装置の拡大図を示す図である。 図4は、図1に示した画像形成装置の定着装置を拡大して説明する図である。
符号の説明
1…画像形成装置、2…感光体、3…帯電装置、4…露光装置、5…クリーナ、6…現像装置、61…現像ローラ、62…供給ローラ、63…規制ブレード、64…シール、7…中間転写装置、71…中間転写ベルト、72…ベルトクリーナ、73…第1転写ローラ、74…駆動ローラ、75…転写クリーナロール、76…支持ローラ、77…テンションローラ、78…二次転写ガイド、79…二次転写ローラ、8…定着装置、81…加熱ローラ、82…ハロゲンランプ、83…加圧ローラ、84…定着紙ガイド、85…加圧ローラ剥離板、86…加熱ローラ剥離板

Claims (2)

  1. トナーを2層以上色重ねして画像形成する画像形成装置において、カラートナーのうち画像が形成される記録材から最も近い側に重ねられるカラートナーの離型剤分散径をカラートナー中で最大とすることを特徴とする画像形成装置。
  2. カラートナーは有彩色トナーであることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014106517A (ja) * 2012-11-30 2014-06-09 Ricoh Co Ltd 静電荷像現像用フルカラートナー及び画像形成装置、プロセスカートリッジ

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