JP2006098385A - 異物検出方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 この方法は、液体充填後の透明容器1の上部側の開口部を閉栓した後、透明容器の上部側の位置をチャック3でつかみ、この状態のまま透明容器を振動板4に密接させた状態で載置し、振動板を超音波振動させて気泡を除去する工程Aと、気泡除去後の透明容器を、容器の上部側の位置をつかんだ状態のまま、ライン状に配列された複数のセンサで画像情報として検知して複数の画像情報信号を出力して処理する異物検出センサ5を用いて時間をずらして少なくとも2回撮影し、先に撮影された画像と後で撮影された画像を比較することにより異物の移動の有無を検知する工程Bとを含む。本発明では、液体の入った液槽内に容器を浸漬させた状態で超音波振動を伝達させても良い。
【選択図】 図1
Description
そこで、充填された液体中に存在する気泡を、超音波を用いて強制的に消去させる装置が種々開発されてきている(例えば下記の特許文献1〜2等)。
このように、これまで、液体充填〜閉栓〜気泡除去〜異物検出という一連の工程を行なうのに適した装置及び方法は提案されていないのが現状である。
工程A:液体が充填された後の前記透明容器の上部側に存在する開口部を閉栓した後、当該透明容器の上部側の位置をチャックにてつかみ、チャックでつかんだ状態のままの前記透明容器を振動板上に密接させた状態で載置し、当該振動板を超音波振動させて、充填された液体内に存在する気泡を除去する工程と、
工程B:前記工程Aにより気泡除去を行った後の透明容器を、当該透明容器の上部側の位置を前記チャックでつかんだ状態のまま、ライン状に配列された複数のセンサで画像情報として検知して複数の画像情報信号を出力し、当該複数の画像情報信号を処理する異物検出センサを用いて時間をずらして少なくとも2回撮影し、先に撮影された画像と後で撮影された画像を比較することにより異物の移動の有無を検知する工程
とを含むことを特徴とし、この方法は、透明容器を液槽中に浸漬しないで気泡除去を行なう乾式法である。
又、本発明は、上記の異物検出方法の前記工程Bにおいて、前記透明容器を前記チャックを支点として揺動させた後、揺動を停止させ、透明容器内の液体を流動させた状態にて、当該透明容器の中心軸に対して30〜90°の角度で交差する方向から前記異物検出センサにより撮影を行なうことを特徴とするものでもある。
工程A’:液体が充填された後の前記透明容器の上部側に存在する開口部を閉栓した後、当該透明容器の上部側の位置をチャックにてつかみ、チャックでつかんだ状態のままの前記透明容器を、振動板が取り付けられ、槽内に液体が入れられた液槽中に浸漬し、前記振動板を超音波振動させて、充填された液体内に存在する気泡を除去する工程と、
工程B’:前記工程A’により気泡除去を行った後の透明容器を、当該透明容器の上部側の位置を前記チャックでつかんだ状態のまま、前記液槽から取り出し、乾燥を行うことによって当該容器の周囲に付着した液体を除去する工程と、
工程C’:前記工程B’により乾燥を行った後の透明容器を、当該透明容器の上部側の位置を前記チャックでつかんだ状態のまま、ライン状に配列された複数のセンサで画像情報として検知して複数の画像情報信号を出力し、当該複数の画像情報信号を処理する異物検出センサを用いて時間をずらして少なくとも2回撮影し、先に撮影された画像と後で撮影された画像を比較することにより異物の移動の有無を検知する工程
とを含むことを特徴とし、この方法は、透明容器を液槽中に浸漬して気泡除去を行なう湿式法である。
又、本発明は、上記の異物検出方法の前記工程C’において、前記透明容器を前記チャックを支点として揺動させた後、揺動を停止させ、透明容器内の液体を流動させた状態にて、当該透明容器の中心軸に対して30〜90°の角度で交差する方向から前記異物検出センサにより撮影を行なうことを特徴とするものでもある。
工程A”:液体が充填された後の前記透明容器の上部側に存在する開口部を閉栓した後、当該透明容器の上部側の位置をチャックにてつかみ、チャックでつかんだ状態のままの前記透明容器を、槽内に液体が入れられた液槽の上面を覆うようにして配置されたフィルムシートの上方から当該フィルムシートを下方側に押さえつけるようにして浸漬させ、前記フィルムシートが当該透明容器に密着した状態とし、前記液槽内に取り付けられた振動板を超音波振動させて、充填された液体内に存在する気泡を除去する工程と、
工程B”:前記工程A”により気泡除去を行った後の透明容器を、当該透明容器の上部側の位置を前記チャックでつかんだ状態のまま、前記液槽から取り出した後、ライン状に配列された複数のセンサで画像情報として検知して複数の画像情報信号を出力し、当該複数の画像情報信号を処理する異物検出センサを用いて時間をずらして少なくとも2回撮影し、先に撮影された画像と後で撮影された画像を比較することにより異物の移動の有無を検知する工程とを含むことを特徴とし、この方法の場合には、前記工程B’(乾燥工程)が不要である。
又、本発明は、前記工程B”において、前記透明容器内の液体を流動させた状態にて、当該透明容器の中心軸に対して30〜90°の角度で交差する方向から前記異物検出センサにより撮影を行なうことを特徴とするものでもある。
図1は、本発明の異物検出方法(乾式法)の各工程における状態の一例を示す図であり、図1に示されるようにして、本発明における工程Aを行なう前の工程としては、一般に、エア洗滌及び/又は放射線殺菌により内部洗滌された透明容器1の開口部に上方から充填ノズル6を降下させて液体を加圧充填するが、この際に液体中に微細な気泡が生じ、図1においては液体中に存在する気泡を小さな丸で表している。尚、本発明における透明容器1とは、透明性を有する材質より成るものを広く意味し、その材質が限定されるものではなく、その形状についても、図1に示されるようなビン状のものに限定されない。
そして、図1に例示した本発明における工程Aでは、この後、透明容器1の開口部の位置にキャップ2を位置させ、チャック3を用いて閉栓を行なう。この際、透明容器1の閉栓は、キャップ2を回転させて螺子留めすることによってなされても、キャップ2を上方からの押し込むことによってなされても良く、チャック3は、透明容器1の開口部をキャップ2により閉栓するキャップ機能を有し、キャップ2の位置がチャック3により確実につかんだ状態で保持できればよい。但し、本発明では、透明容器1がガラス製アンプルであっても良く、この場合には、キャップ部材を使用せずにアンプル上部側を溶融して閉栓がなされ、チャック3は、透明容器1の上部側を保持可能な構造を有していればよい。
本発明では、超音波による気泡除去を行なう際、基板となる板上に振動板4をバネ又はワイヤで浮かした状態で取り付け、この上に透明容器1を載置し、超音波振動させて気泡を除去する構造を有した装置を用いても良く、あるいは、基板となる板上に振動板4をバネ又はワイヤで浮かした状態で取り付け、更にこの振動板4に側面板を取り付け、透明容器1に対し、振動効率を高めて気泡を除去する構造を有した装置を用いても良い。又、基板となる板上にカゴや袋状ケースをバネ又はワイヤで浮かした状態で取り付け、透明容器をカゴ又は袋状ケースに入れ、透明容器全体に超音波振動が伝わり、気泡除去が早くなる構造を有した装置を用いても良い。
このようにして透明容器1を軸回転させるには、透明容器1を保持したチャック3が、X,Y,Z方向にそれぞれ移動可能な機能を有したロボットアームに取り付けられ、これにより容器の回転及び転倒が行なえることが好ましい。このようなロボットアームによりX,Y,Z方向へのそれぞれの移動が可能な場合には、撮像時に被写体(透明容器)の固定ができ、搬送システム構造が容易となってシステムの小型化が可能となり、X,Y,Z方向への移動時に持ち替えを行なったり方向変更を行なうのに時間がかからず、検査時間を短縮することができる。
図2は、本発明の異物検出方法(湿式法)の各工程における状態の一例を示す図であり、図2に示されるようにして、本発明における工程A’を行なう前の工程としての液体充填工程及び閉栓工程は、先に述べた乾式法の場合と同じである。
そして、本発明における工程A’では、図2に示されるようにして、閉栓が完了した透明容器1を、チャック3により容器上部側(キャップ部分)をつかんだ状態のまま、槽内に液体8が入れられた液槽(気泡除去液槽)9中に浸漬させる。
この際、透明容器1を液槽9に直接浸漬させると透明容器1に液体8が付着するので、液体の付着を回避するのが望ましい場合には、液槽9の上面を覆うようにしてフィルムシート11を配置させ、透明容器1がフィルムシート11を押し下げるようにして液槽9中に浸漬させ、液圧によりフィルムシート11が透明容器1に密着した状態とし、図3に示されるような状態で超音波振動を与えて気泡除去を行なうことが好ましい(図3中の透明容器内の小さな丸は気泡を示している)。この場合におけるフィルムシートの材質等は、透明容器1の外周面にある程度密着可能なものであれば特に限定されないが、一般的には20μm程度の厚みを有したポリエチレン製フィルムが好適である。図3においては、フィルムシート11は巻取りロールにて供給され、一定時間使用した後に透明容器1との接触部分を移動させて順次一定方向に巻き取る構造となっており、一方向に完全に巻き取った後には逆方向へ巻き取りが開始されるようになっている。図3において、フィルムシート11を支えるローラー10は、フィルムシートに傷を付けない材質より成るものであればよいが、透明容器1が液槽9から引き上げられた時点でフィルムシートが巻き戻る際に液体8がフィルムシートに付着しているのを除去する役目も行なうために、吸水性のある材質より成ることが好ましく、例えばスポンジ製のローラーが好適である。
尚、図2及び図3に例示した液槽9では、振動板4が槽の側壁に取り付けられているが、槽の底面に取り付けられた液槽9を用いても良く、本発明では、振動板4を超音波振動させることによって、液体8を介して透明容器1内に充填された液体内の気泡を除去する。この際、透明容器1内の気泡を除去するのに要する時間は一般的に3秒〜10秒程度で十分である。この際、気泡の除去効率を高めるために、透明容器1を液槽9内で前後左右に揺動させて透明容器1内の液体を動かせながら超音波振動を与えることが好ましい。
又、最終工程である工程C’は、前述の乾式法における工程Bと同様であり、前記工程B’により乾燥を行った後の透明容器を、容器の上部側の位置をチャックでつかんだ状態のまま、ライン状に配列された複数のセンサで画像情報として検知して複数の画像情報信号を出力し、当該複数の画像情報信号を処理する異物検出センサを用いて時間をずらして少なくとも2回撮影し、先に撮影された画像と後で撮影された画像を比較することにより異物の移動の有無を検知する。この際、透明容器を中心軸を回転軸として回転させた後、回転を停止させ、透明容器内の液体を流動させた状態にて、当該透明容器の中心軸に対して30〜90°の角度で交差する方向から異物検出センサにより撮影を行なうか、あるいは、チャックを支点として透明容器を揺動させた後、揺動を停止させ、透明容器内の液体を流動させた状態にて、当該透明容器の中心軸に対して30〜90°の角度で交差する方向から前記異物検出センサにより撮影を行なうことが好ましい。
尚、その後の不良品除去、ラベル貼付・検査、包装、梱包工程についても、前述の乾式法と同様である。
又、上述の本発明の異物検出方法(乾式法及び湿式法)は、各種透明容器内の異物検査に用いることができ、特に各種小型プラスチック容器、アンプルやバイアル瓶などの透明容器内の薬液(例えば目薬など)内に混入した異物を検出するのに好適である。
2 キャップ
3 チャック
4 振動板
5 異物検出センサ
6 充填ノズル
7 照明装置
8 液体
9 液槽
10 ローラー
11 フィルムシート
Claims (10)
- 透明容器内に充填された液体内に存在する気泡を除去し、当該溶液内の異物検出を行うための方法であって、当該方法が、
工程A:液体が充填された後の前記透明容器の上部側に存在する開口部を閉栓した後、当該透明容器の上部側の位置をチャックにてつかみ、チャックでつかんだ状態のままの前記透明容器を振動板上に密接させた状態で載置し、当該振動板を超音波振動させて、充填された液体内に存在する気泡を除去する工程と、
工程B:前記工程Aにより気泡除去を行った後の透明容器を、当該透明容器の上部側の位置を前記チャックでつかんだ状態のまま、ライン状に配列された複数のセンサで画像情報として検知して複数の画像情報信号を出力し、当該複数の画像情報信号を処理する異物検出センサを用いて時間をずらして少なくとも2回撮影し、先に撮影された画像と後で撮影された画像を比較することにより異物の移動の有無を検知する工程
とを含むことを特徴とする異物検出方法。 - 前記工程Bにおいて、前記透明容器を中心軸を回転軸として回転させた後、回転を停止させ、透明容器内の液体を流動させた状態にて、当該透明容器の中心軸に対して30〜90°の角度で交差する方向から前記異物検出センサにより撮影を行なうことを特徴とする請求項1に記載の異物検出方法。
- 前記工程Bにおいて、前記透明容器を前記チャックを支点として揺動させた後、揺動を停止させ、透明容器内の液体を流動させた状態にて、当該透明容器の中心軸に対して30〜90°の角度で交差する方向から前記異物検出センサにより撮影を行なうことを特徴とする請求項1に記載の異物検出方法。
- 透明容器内に充填された液体内に存在する気泡を除去し、当該溶液内の異物検出を行うための方法であって、当該方法が、
工程A’:液体が充填された後の前記透明容器の上部側に存在する開口部を閉栓した後、当該透明容器の上部側の位置をチャックにてつかみ、チャックでつかんだ状態のままの前記透明容器を、振動板が取り付けられ、槽内に液体が入れられた液槽中に浸漬し、前記振動板を超音波振動させて、充填された液体内に存在する気泡を除去する工程と、
工程B’:前記工程A’により気泡除去を行った後の透明容器を、当該透明容器の上部側の位置を前記チャックでつかんだ状態のまま、前記液槽から取り出し、乾燥を行うことによって当該容器の周囲に付着した液体を除去する工程と、
工程C’:前記工程B’により乾燥を行った後の透明容器を、当該透明容器の上部側の位置を前記チャックでつかんだ状態のまま、ライン状に配列された複数のセンサで画像情報として検知して複数の画像情報信号を出力し、当該複数の画像情報信号を処理する異物検出センサを用いて時間をずらして少なくとも2回撮影し、先に撮影された画像と後で撮影された画像を比較することにより異物の移動の有無を検知する工程
とを含むことを特徴とする異物検出方法。 - 前記工程A’において、前記透明容器を、当該透明容器の中心軸方向の長さの60〜100%の長さに相当する部分が液体中に沈むようにして浸漬させることを特徴とする請求項4に記載の異物検出方法。
- 前記工程C’において、前記透明容器を中心軸を回転軸として回転させた後、回転を停止させ、透明容器内の液体を流動させた状態にて、当該透明容器の中心軸に対して30〜90°の角度で交差する方向から前記異物検出センサにより撮影を行なうことを特徴とする請求項4又は5に記載の異物検出方法。
- 前記工程C’において、前記透明容器を前記チャックを支点として揺動させた後、揺動を停止させ、透明容器内の液体を流動させた状態にて、当該透明容器の中心軸に対して30〜90°の角度で交差する方向から前記異物検出センサにより撮影を行なうことを特徴とする請求項4又は5に記載の異物検出方法。
- 透明容器内に充填された液体内に存在する気泡を除去し、当該溶液内の異物検出を行うための方法であって、当該方法が、
工程A”:液体が充填された後の前記透明容器の上部側に存在する開口部を閉栓した後、当該透明容器の上部側の位置をチャックにてつかみ、チャックでつかんだ状態のままの前記透明容器を、槽内に液体が入れられた液槽の上面を覆うようにして配置されたフィルムシートの上方から当該フィルムシートを下方側に押さえつけるようにして浸漬させ、前記フィルムシートが当該透明容器に密着した状態とし、前記液槽内に取り付けられた振動板を超音波振動させて、充填された液体内に存在する気泡を除去する工程と、
工程B”:前記工程A”により気泡除去を行った後の透明容器を、当該透明容器の上部側の位置を前記チャックでつかんだ状態のまま、前記液槽から取り出した後、ライン状に配列された複数のセンサで画像情報として検知して複数の画像情報信号を出力し、当該複数の画像情報信号を処理する異物検出センサを用いて時間をずらして少なくとも2回撮影し、先に撮影された画像と後で撮影された画像を比較することにより異物の移動の有無を検知する工程
とを含むことを特徴とする異物検出方法。 - 前記工程A”において、前記透明容器を、当該透明容器の中心軸方向の長さの60〜100%の長さに相当する部分が液体中に沈むようにして浸漬させることを特徴とする請求項8に記載の異物検出方法。
- 前記工程B”において、前記透明容器内の液体を流動させた状態にて、当該透明容器の中心軸に対して30〜90°の角度で交差する方向から前記異物検出センサにより撮影を行なうことを特徴とする請求項8又は9に記載の異物検出方法。
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