JP2006097672A - 可変動弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 この発明は、可変動弁装置に関し、気筒毎の、もしくは弁体毎の弁体の開弁特性のばらつきを容易に調整することを目的とする。
【解決手段】 制御軸24に、その軸中心と同心の第1のはすば歯車34を設ける。カム28の回転と同期して揺動することによりカム28の押圧力を弁体に伝達する揺動カムアーム22を、制御軸24に取り付ける。第1のはすば歯車34と対となる第2のはすば歯車44が設けられた可変機構36を、カム軸30に対して、回転可能であって軸方向に移動可能にカム軸30により保持する。第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44との相対位置を規制する位置拘束ブラケット64、66を備える。制御軸24に対して位置が固定された位置決め用リング72と、位置拘束ブラケット64、66との間に、第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車との相対位置を調整するための調整シム68、70を配置する。
【選択図】 図3

Description

この発明は、可変動弁装置に係り、特に、弁体の開弁特性を機械的に変更可能な内燃機関の可変動弁装置に関する。
従来、例えば、特開平7−63023号公報には、弁体の作用角およびリフト量を変更する可変動弁装置を、各気筒に備える内燃機関が開示されている。この可変動弁装置は、弁体を開閉駆動するスイングレバー(ロッカーアーム)と、カムの回転と同期して揺動し、カムの押圧力をスイングレバーに伝達するロッカーレバーを備えている。そして、この装置は、偏心軸(制御軸)の回転位置に応じてロッカーレバーの揺動範囲を変更できるように構成されている。このため、上記従来の可変動弁装置によれば、偏心軸の回転位置に応じて、弁体の作用角およびリフト量を連続的に変更することができる。
特開平7−63023号公報 特開2002−371816号公報
ところで、上記従来の可変動弁装置では、個々の部材の初期公差や組立公差に起因して、弁体の作用角およびリフト量が気筒間でばらつくことが起こり得る。しかしながら、上記従来の可変動弁装置は、そのようなばらつきを補償するための手段を備えていない。つまり、上記従来の装置では、気筒間の作用角およびリフト量のばらつきは個々の部材の寸法管理による調整に頼らざるを得ず、メンテナンス性が良くなく、また、部材の交換費用やその交換部材の在庫管理などでコストが高くなってしまう。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、気筒間もしくは弁体間で弁体の開弁特性のばらつきを容易に調整することのできる可変動弁装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、カム軸の回転に対する弁体の開弁特性を機械的に変化させる可変動弁装置であって、
アクチュエータにより回転駆動され、その軸中心と同心の第1のはすば歯車が設けられた制御軸と、
カムと弁体との間に介在し、前記カムの回転と同期して揺動することにより当該カムの押圧力を前記弁体に伝達する揺動部材と、
前記制御軸とは別の支持軸により回転可能に支持され、当該支持軸の軸中心と同心であって前記第1のはすば歯車と対となる第2のはすば歯車が設けられ、前記第1のはすば歯車および前記第2のはすば歯車を介して前記制御軸の回転に伴って回転することで、前記カムの回転に対する前記揺動部材の揺動動作を変化させる可変機構と、
回転軸方向における前記第1のはすば歯車と前記第2のはすば歯車の相対位置を調整する位置調整手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記可変機構は、前記支持軸の軸方向に移動可能に構成されており、
前記位置調整手段は、
前記制御軸上における前記第1のはすば歯車の両側の位置に固定された一対のフランジと、
前記一対のフランジの間に配置され、もしくは前記一対のフランジを介して配置され、前記制御軸と前記支持軸とに橋渡され、前記第2のはすば歯車を両側から挟み込むように配置された一対の位置拘束部材と、
前記一対の位置拘束部材を介して前記一対のフランジに対向して配置され、前記一対の位置拘束部材間距離を規制する規制手段と、
前記第1のはすば歯車に対する前記一対の位置拘束部材の軸方向位置を調整する位置調整部材とを備えることを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、前記一対のフランジは、前記第1のはすば歯車に近接した位置にそれぞれ設けられていることを特徴とする。
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、前記第1のはすば歯車、前記第2のはすば歯車、前記制御軸、および前記位置調整部材が、同一系統の材質で構成されていることを特徴とする。
また、第5の発明は、第1の発明において、前記位置調整手段は、
前記支持軸上に固定され、前記支持軸に対する前記第2のはすば歯車の位置を規制するフランジと、
前記第2のはすば歯車と前記フランジとの間に配置された位置調整部材とを備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明において、前記第1のはすば歯車、前記第2のはすば歯車、前記制御軸、前記支持軸、および前記位置調整部材が、同一系統の材質で構成されていることを特徴とする。
また、第7の発明は、第5または第6の発明において、前記支持軸は前記カム軸であって、前記フランジは前記カムであることを特徴とする。
また、第8の発明は、第1の発明において、前記可変機構は、前記支持軸の軸方向に移動可能に構成されており、
前記位置調整手段は、
前記支持軸に回転可能に支持された基準部材と、
前記基準部材の両側面に接するように配置された一対の位置決め用フランジと、
軸方向における前記可変機構と前記基準部材の相対位置を調整する位置調整機構と、
を備えることを特徴とする。
また、第9の発明は、第8の発明において、前記位置調整機構は、前記可変機構および前記基準部材の一方に貫通状態で噛み合い、かつ、前記可変機構および前記基準部材の他方に係合する調整ネジを含むことを特徴とする。
また、第10の発明は、第8または第9の発明において、前記位置調整機構は、弁体のリフト動作毎に可動しない部位に配置されていることを特徴とする。
第1の発明によれば、位置調整手段によって第1のはすば歯車と第2のはすば歯車の相対位置を調整することにより、気筒間もしくは弁体間で弁体の開弁特性のばらつきを調整することができる。
第2の発明によれば、第1のはすば歯車からの位置が固定された一対のフランジに対して、第2のはすば歯車の位置が規制される。そして、位置調整部材の厚さを変更することにより、第1のはすば歯車に対する第2のはすば歯車の相対位置を調整することができる。これらの歯車間に相対位置変化を生じさせることで、制御軸の回転位置に対する可変機構の回転角度を変化させ、これにより、カムの回転に対する揺動部材の揺動動作を変化させることができる。従って、本発明によれば、気筒間もしくは弁体間で弁体の開弁特性のばらつきを調整することが可能となる。また、本発明によれば、可変機構が支持軸に対して軸方向に移動可能に構成されているため、制御軸と支持軸との間に異なる度合いの熱膨脹が生ずることがあっても、第1のはすば歯車と第2のはすば歯車との相対位置の変化を抑制することができる。
第3の発明によれば、制御軸の温度変化によって、第1のはすば歯車と一対のフランジとの位置関係が変化する値を小さくすることができる。第2のはすば歯車は一対のフランジを基準に第1のはすば歯車との相対位置が決められているため、上記の位置関係の変化を抑制できることで、第1のはすば歯車に対する第2のはすば歯車の相対位置の変化を抑制することができる。
第4の発明によれば、第1のはすば歯車と第2のはすば歯車との相対位置変化に影響を与える各部材の材質が統一されることで、温度変化によって両者の相対位置が変化するのを抑制することができる。
第5の発明によれば、フランジを介して支持軸に対する可変機構の軸方向位置が規制される。そして、位置調整部材の厚さを変更することにより、第1のはすば歯車に対する第2のはすば歯車の相対位置を調整することができる。これらの歯車間に相対位置変化を生じさせることで、制御軸の回転位置に対する可変機構の回転角度を変化させ、これにより、カムの回転に対する揺動部材の揺動動作を変化させることができる。このため、本発明によれば、気筒間もしくは弁体間で弁体の開弁特性のばらつきを調整することが可能となる。
第6の発明によれば、第1のはすば歯車と第2のはすば歯車との相対位置変化に影響を与える各部材の材質が統一されることで、温度変化によって両者の相対位置が変化するのを抑制することができる。
第7の発明によれば、部品点数の増加を抑えつつ、支持軸に対する可変機構の軸方向位置を規制することができる。
第8の発明によれば、位置調整機構により軸方向位置が拘束された基準部材に対する可変機構の相対位置を調整することができ、その結果として、第1のはすば歯車と第2のはすば歯車の相対位置を調整することが可能となる。
第9の発明によれば、調整ネジの回転量に応じて、第1のはすば歯車と第2のはすば歯車の相対位置を無段階に調整することができる。このため、本発明によれば、気筒間もしくは弁体間で弁体の開弁特性のばらつきを無段階に微調整することが可能となる。
第10の発明によれば、内燃機関の実動中に弁体の開弁特性を微調整することができるため、吸入空気量の気筒間ばらつきを直接的に調整することが可能となる。このため、本発明によれば、弁体の開弁特性を直接合わせ込む調整手法に比して、調整工数の削減と、吸気系のばらつきを含めた調整が可能となることによる調整精度の向上を実現することができる。
実施の形態1.
[可変動弁装置の構成]
以下、図1乃至図3を参照して、本発明の実施の形態1の可変動弁装置10の構成を説明する。
図1は、本発明の実施の形態1の可変動弁装置10の構成を示す側面図である。より具体的には、図1は、後述するカム28が設けられた位置で可変動弁装置10を切断した断面図である。図1に示す可変動弁装置は、内燃機関の弁体を駆動するための装置である。ここでは、内燃機関の個々の気筒に2つの吸気弁と2つの排気弁とが備わっているものとする。そして、図1に示す構成は、単一の気筒に配設された2つの吸気弁、或いは2つの排気弁を駆動する装置として機能するものとする。
図1に示す構成は、吸気弁または排気弁として機能する2つの弁体12を備えている。弁体12には、それぞれ弁軸14が固定されている。弁軸14の端部は、ロッカーアーム16の一端に設けられたピボットに接している。弁軸14には、図示しないバルブスプリングの付勢力が作用しており、ロッカーアーム16は、その付勢力を受けた弁軸14により上方に付勢されている。ロッカーアーム16の他端は、ラッシュアジャスタ18により回動可能に支持されている。ロッカーアーム16の中央部には、ロッカーローラ20が配設されている。また、ロッカーローラ20の上部には、揺動カムアーム(揺動部材)22が配置されている。揺動カムアーム22に対するロッカーローラ20の位置は、ロッカーアーム16が弁軸14を介してバルブスプリングの付勢力を受け、更に、ロッカーアーム16がラッシュアジャスタ18から押し上げ力を受けることによって特定される。
揺動カムアーム22は、制御軸24により回転可能であって、制御軸24の軸方向に移動可能に保持されている。揺動カムアーム22には、ロッカーローラ20と接する面として、揺動カム面26が形成されている。揺動カム面26は、揺動カムアーム22の回転中心、すなわち、制御軸24の軸中心からの距離が一定となるように形成された非作用面26aと、非作用面26aから離れた位置ほど制御軸24の軸中心からの距離が遠くなるように形成された作用面26bとで構成されている。
また、揺動カム面26の反対側には、カム28が固定されたカム軸(支持軸)30と対向するように、スライド面32が形成されている。スライド面32は、揺動カムアーム22が後述する中間ローラ48と接するための面であり、その中間ローラ48が揺動カムアーム22の先端側から制御軸24の軸中心側に向かって移動するほど、図1に示す方向におけるカム28との間隔が徐々に狭まるような曲面で形成されている。
制御軸24は、カム軸30に平行となるように、図示しない軸受けを介してシリンダヘッド等の固定部材に回転可能に固定されている。制御軸24の外周面には、制御軸24と同心の第1のはすば歯車34が設けられている。第1のはすば歯車34の外径は、制御軸24の外径より小さくなるように形成されている。そして、制御軸24には、図示しないアクチュエータ(例えばモータ)が接続されており、内燃機関のECUは、アクチュエータを制御することによって制御軸24の回転角度を任意の角度に調整することができる。
カム軸30の回転方向は、図1における右回り方向とされている。より具体的には、カム軸30の回転方向は、上述したスライド面32が狭まる方向と一致するように構成されている。また、カム軸30には、可変機構36が回転可能に保持されている。可変機構36は、制御アーム38、制御アーム38に回動可能に保持された揺動ローラアーム40、および一対のキャップ42により構成されている。
制御アーム38には、第1のはすば歯車34と対となる第2のはすば歯車44が形成されている。第2のはすば歯車44は、制御アーム38の回転中心、すなわち、カム軸30と同心の円弧に沿って扇状に形成されている。第2のはすば歯車44は、第1のはすば歯車34より大径とされている。そして、制御アーム38は、第2のはすば歯車44が第1のはすば歯車34と対向するように、そのカム軸30上の位置およびカム軸30に対する回転位相が調整されている。第2のはすば歯車44は、第1のはすば歯車34と噛み合わされ、制御軸24のトルクが第1のはすば歯車34および第2のはすば歯車44を介して、制御アーム38に入力されるように構成されている。つまり、第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44とにより、制御アーム38の回転を制御軸24の回転に同期させる機構が実現されている。
また、制御アーム38には、制御アーム38の回転中心、すなわち、カム軸30の軸中心から径方向に突出した位置に、揺動支点46が設けられている。揺動支点46には、上述した揺動ローラアーム40が回動可能に保持されている。揺動ローラアーム40は、中間ローラ48と、その中間ローラ48の両端部を保持する2つの側壁50とにより構成されている。尚、図1においては、説明の便宜上、中間ローラ48の両端に配置される2つの側壁50の一方を図示している。中間ローラ48は、カム28と当接するカムローラ52と、このカムローラ52と同軸上に配置され、スライド面32と当接するスライドローラ54とからなり、これらのローラ52、54は、2つの側壁50により保持されたローラ軸56を中心軸として自由に回動することができる。より具体的には、スライドローラ54は、カムローラ52の両側に、各々のスライド面32に対応して設けられている。
可変動弁装置10は、ロストモーションスプリング58を備えている。ロストモーションスプリング58は、圧縮バネであり、その一端が図示しないシリンダヘッド等の静止部材に固定されている。揺動カムアーム22には、ロストモーションスプリング58を掛けるためのバネ座60が設けられている。バネ座60は、非作用面26aの後方に揺動カムアーム22の延伸方向と逆方向に延びるように設けられている。揺動カムアーム22には、ロストモーションスプリング58からバネ座60に作用するバネ力によって、スライド面32側に回転するように付勢されている。このロストモーションスプリング58の付勢力は、スライド面32が中間ローラ48を付勢し、中間ローラ48をカム28に押し当てる力として作用する。その結果、可変動弁装置10は、カム28と揺動カムアーム22とが中間ローラ48を介して機械的に連結された状態に維持されている。
図2は、図1に示す可変動弁装置10の主要部の分解斜視図である。図2に示すように、既述した制御アーム38には、その内部に、カム28を収納するための溝62が形成されている。溝62は、そのカム軸30方向の幅寸法がカム28の幅寸法に対して大きくなるように形成されている。そして、制御アーム38は、その溝62とカム28との位置合わせがされた状態で、カム軸30を介して一対のキャップ42と重ね合わされ、制御アーム38と一対のキャップ42とが図示しないボルトによって固定される。つまり、制御アーム38は、カム軸30に対して、回転可能であって所定の範囲を軸方向に移動可能となるように、カム軸30により保持されている。尚、本明細書中において、特に断わりなく「軸方向、或いは軸方向位置」と記載している場合は、互いに平行に配置された制御軸24およびカム軸30の軸方向、或いはその軸方向位置を意味しているものとする。
上記のように構成された可変動弁装置10において、軸方向位置および回転位置が固定された制御軸24に対して制御アーム38の軸方向位置が変更されると、第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44とが相対的に変位する。これらの歯車34、44は、所定のねじれ角を有しているため、これらの歯車34、44間に生じた相対位置変化は、両者の間の相対的な回転角の変化に変換される。つまり、これらの歯車34、44間に相対位置変化を生じさせることで、制御軸24の回転位置に対する制御アーム38の回転角度を変化させることができる。
本実施形態の可変動弁装置10では、第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44との相対位置を調整する位置調整手段として、図2に示すように、一対の位置拘束ブラケット(一対の位置拘束部材)64、66、それぞれが所定の厚さを有する一対の調整シム(位置調整部材)68、70、および一対の位置決め用リング(一対のフランジ)72を備えている。位置拘束ブラケット64、66は、制御軸24およびカム軸30に係合するブラケットであり、制御軸24に保持される貫通孔74と、カム軸30に掛け留めるために径方向の一方が切り欠かれた掛け留め部76とを有している。尚、一対の位置拘束ブラケット64、66のそれぞれは、貫通孔74と掛け留め部76とを有する対称的な形状で設けられている。また、制御軸24には、一対の位置決め用リング72を取り付けるための一対のリング用溝78が、第1のはすば歯車34を間に挟んだ位置に形成されている。
本実施形態の可変動弁装置10では、第1のはすば歯車34が形成された制御軸24、第2のはすば歯車44が形成された制御アーム38、揺動カムアーム22、位置拘束ブラケット64、66、調整シム68、70、位置決め用リング72、およびカム軸30が、それぞれ同一系統の材質、より具体的には、鉄系の材質で構成されている。
図2に示すように、制御軸24には、揺動カムアーム22が挿入され、その揺動カムアーム22の両側に接するように位置拘束ブラケット64、66が挿入される。そして、位置拘束ブラケット64、66との間に調整シム68、70を挟んだ状態で、位置決め用リング72が制御軸24に取り付けられる。そして、制御軸24の回転位置に対する制御アーム38の回転角度が所定の角度となるように、第1のはすば歯車34および第2のはすば歯車44とが噛み合わされた状態で、位置拘束ブラケット64、66がカム軸30に掛け留められる。
図3は、図2に示す可変動弁装置10の各構成要素が組み付けられた状態を示す図である。図3に示すように、一対の位置拘束ブラケット64、66の一方の側面は、それぞれ揺動カムアーム22と当接するように配置されている。つまり、位置拘束ブラケット64、66は、それぞれが揺動カムアーム22と当接することにより、ブラケット間距離が規制されている。また、位置拘束ブラケット64、66の他方の側面は、調整シム68、70を挟んで位置決め用リング72により位置決めがされている。更に、位置拘束ブラケット64、66は、位置拘束ブラケット64、66がカム軸30に掛け留められた状態で、制御アーム38と当接しており、これにより、制御アーム38の軸方向位置が規制されている。第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44は、それらの歯面が所定のねじれ角を有して形成されているため、両者が回転すると、それぞれの歯車の回転軸方向にスラスト力が生ずる。以上の構成によれば、上記のスラスト力を受け止めて、第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44の相対位置を規制することができる。
[可変動弁装置の動作]
次に、図4および図5を参照して、本実施形態の可変動弁装置10の動作を説明する。
図4は、可変動弁装置10が弁体12に対して小さなリフトを与えるように動作している様子を示している。図5は、可変動弁装置10が弁体12に対して大きなリフトを与えるように動作している様子を示している。より具体的には、図4(A)および図5(A)は、リフト動作の過程で弁体12が閉弁している様子を、また、図4(B)および図5(B)はリフト動作の過程で弁体12が開弁している様子を、それぞれ表している。
(1)可変動弁装置のリフト動作
先ず、図4を参照して、可変動弁装置10のリフト動作について説明する。
図4(A)に示す状態は、カム28の押圧力が中間ローラ48に作用しておらず、揺動カム面26とロッカーローラ20との接触位置P1が、ロストモーションスプリング58(図1参照)の付勢力によって、非作用面26a上の所定位置に維持されている状態を示している。本実施形態の可変動弁装置10では、接触位置P1が非作用面26aに位置しているときに、弁体12が閉弁状態となるように各構成要素の位置関係が設定されている。
上記の状態において、カム28の回転に伴ってカムノーズが中間ローラ48を押圧すると、その力はスライド面32に伝達される。制御アーム38は、カム軸30に回転可能に保持され、かつ、第2のはすば歯車44および第1のはすば歯車34(図1参照)を介して制御軸24に回転が拘束されている。つまり、制御アーム38は、カム28の回転に関係なく一定の姿勢で静止している。中間ローラ48は、その静止している制御アーム38の揺動支点46を中心に回転し、スライド面32上を転動する。カム28の押圧力が中間ローラ48を介してスライド面32に伝達されると、揺動カムアーム22には、制御軸24を中心とする図4(B)における右回り方向の回転が生ずる。この際、揺動カム面26とロッカーローラ20との接触位置P1が非作用面26aである間は、ロッカーアーム16にカム28の押圧力が伝達されることはないが、揺動カムアーム22が更に回転することにより、接触位置P1が作用面26bにまで及ぶと、ロッカーアーム16が押し下げられ、弁体12に開弁方向の動きが与えられる。
図4(B)に示す状態は、カムノーズの頂部が中間ローラ48を押圧した状態を示している。ロッカーアーム16の押し下げ量は、この状態において最大となり、接触位置P1は、揺動カムアーム22の最も先端側に位置することとなる。一方、与えられたカム28の押圧力が減少に転ずると、揺動カムアーム22がそれまでとは反対方向に回転することとなる。その結果、接触位置P1が作用面26bから非作用面26aに向かって変化することで、ロッカーアーム16が押し戻され、その後、弁体12が閉弁することとなる。可変動弁装置10は、以上説明したように、カム28の押圧力を、中間ローラ48を介してスライド面32に伝達することで弁体12に対してリフトを与えることができる。
(2)可変動弁装置の作用角およびリフト量の変更動作
図5(A)に示す状態は、図4(A)に示す状態に比して、制御軸24を図5(A)における左回り方向により大きく回転させた状態を示している。制御軸24を図5(A)における左回り方向に回転させると、制御アーム38は、第1のはすば歯車34および第2のはすば歯車44を介して図5(A)における右回り方向に回転し、揺動支点46に支持された中間ローラ48は、スライド面32およびカム28との接触を維持しながら制御軸24に近づく方向に、言い換えれば、カム軸30の回転方向に移動する。
中間ローラ48が制御軸24に近づく方向に移動すると、揺動カムアーム22の揺動中心(制御軸24の軸中心)から中間ローラ48とスライド面32との接触位置P2までの距離が短くなる。カム28の押圧力によって中間ローラ48を介してスライド面32に変位が与えられた場合に、上記の距離が短くなるほど、揺動カムアーム22の揺動角度幅が大きくなる。揺動カムアーム22の揺動角度幅が大きくなると、初期接触位置P1i(カム28の押圧力が作用していない状態における接触位置P1)が同一であるとした場合に、最終接触位置P1f(カムノーズの頂部が中間ローラ48と接触した状態における接触位置P1)が揺動カムアーム22の先端側までより大きく移動することとなる。また、中間ローラ48が制御軸24に近づく方向に移動すると、図5(A)に示すように、揺動カムアーム22は、揺動カム面26とロッカーローラ20との初期接触位置P1iがより作用面26bに近づく方向に回転する。初期接触位置P1iが作用面26bにより近い位置にあると、揺動カムアーム22の揺動角度幅が同一であるとした場合に、最終接触位置P1fが揺動カムアーム22の先端側までより大きく移動することとなる。
既述した通り、本実施形態の揺動カムアーム22の作用面26bは、非作用面26aから離れた位置ほど制御軸24の軸中心からの距離が遠くなるように形成されている。このため、最終接触位置P1fが揺動カムアーム22の先端側までより大きく移動することで、図5(B)に示すように、弁体12の押し下げ量、およびその押し下げ期間、すなわち、弁体12のリフト量および作用角が増大する。このように、本実施形態の可変動弁装置10によれば、制御軸24を回転駆動して制御アーム38の回転角度を変更することで、揺動カムアーム22の揺動動作が変更され、その結果として、弁体12の作用角およびリフト量を連続的に変更することができる。
また、中間ローラ48が制御軸24により近い位置とされるほど、クランク角度を基準にした場合における、カム28が中間ローラ48を押圧し始めるタイミング(すなわち、揺動カムアーム22の揺動タイミング)が遅れることになる。この現象は、弁体12の開弁タイミングを遅角させる要因となる。一方、既述した通り、中間ローラ48が制御軸24により近い位置とされるほど、初期接触位置P1iは、作用面26bにより近づくことになる。この現象は、上記の現象とは逆に、弁体12の開弁タイミングを進角させる要因となる。このため、本実施形態の可変動弁装置10によれば、上記の2つの要因を考慮して、各構成要素の形状や位置関係を決定することにより、開弁タイミングを一定としつつ、弁体12の作用角およびリフト量を連続的に変更することが可能となる。
[本実施形態の可変動弁装置の利点]
図6は、可変動弁装置10の各構成要素を概念的に表した図である。以上説明した本実施形態の可変動弁装置10によれば、一方の調整シム68の厚さT1と他方の調整シム70の厚さT2を同じ厚さだけ増減させることにより、位置決め用リング72に対する第2のはすば歯車44の軸方向位置(図6中にAを付して示す距離)、つまり、第1のはすば歯車34に対する第2のはすば歯車44の軸方向位置を調整することができる。既述した通り、これらの歯車34、44間に相対位置変化を生じさせることで、制御軸24の回転位置に対する制御アーム38の回転角度を変化させることができる。一般に、可変動弁装置では、個々の部材の初期公差や組立公差に起因して、弁体の作用角およびリフト量が気筒間でばらつくことが起こり得る。本実施形態の可変動弁装置10によれば、このような場合に、第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44との相対位置を調整シム68、70で適宜調整することにより、実機上で、気筒間の弁体12の作用角およびリフト量のばらつきを容易に調整することが可能となる。尚、弁体12毎に、可変動弁装置10と同様の構成を備えることとすれば、弁体12毎に弁体12の作用角およびリフト量のばらつきを調整することが可能となる。
また、本実施形態の可変動弁装置10では、図6に示すように、制御軸24上であって第1のはすば歯車34に近い位置に設けられた位置決め用リング72の取り付け点を基準に位置拘束ブラケット64、66によって、第1のはすば歯車34に対する第2のはすば歯車44の位置が規定されている。このような構成によれば、第1のはすば歯車34と位置拘束ブラケット64、66との距離が短いため、制御軸24の温度変化による両者の位置関係の変化量をより小さくすることができる。また、制御アーム38がカム軸30に対して軸方向に移動可能に構成されているため、制御軸24とカム軸30との間で異なる度合いの熱膨脹が生じることがあっても、位置拘束ブラケット64、66に対する第2のはすば歯車44の相対位置が変化しない。更に、第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44との相対位置を規制する際に影響を与える部材、すなわち、第1のはすば歯車34が設けられた制御軸24、第2のはすば歯車44が設けられた制御アーム38、揺動カムアーム22、位置拘束ブラケット64、66、調整シム68、70、および位置決め用リング72を鉄系の材質で統一している。このため、本実施形態の可変動弁装置10によれば、各部材の温度変化によって第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44の相対位置が変化するのを効果的に抑制することができ、これにより、冷間状態から温間状態までの間で、気筒間の温度ばらつきに起因した気筒間の弁体12の作用角およびリフト量のばらつきを抑制することができる。
また、本実施形態の可変動弁装置10によれば、位置拘束ブラケット64、66により、制御軸24とカム軸30との軸間距離が拘束されているため、これらの軸間の剛性を向上させることができる。このため、可変動弁装置10の高速動作時の慣性力によるたわみで軸間距離が変化するのを防止でき、第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44のバックラッシュの変化に伴って弁体12の作用角およびリフト量が変化するのを抑制することができる。
また、第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44とは、制御アーム38の回転角度を変化させるときにのみ動作するものであり、弁体12のリフト毎には動作しない。このため、本実施形態の可変動弁装置10によれば、弁体12がリフト動作を行う際の可動部の慣性質量を低減することができ、これにより、可変動弁装置10の運動性の向上、バルブスプリング力のバネ力の低減が可能となる。
また、本実施形態の可変動弁装置10によれば、制御軸24およびカム軸30のそれぞれに保持される各部材を1つの集合部品(図3参照)として組立てることで、各部材間の位置関係の調整を完了することができる。つまり、可変動弁装置10の各部材の組み付け時に、シリンダヘッド等のエンジン側の大型の部品が必要なくなり、組み立てが完了した上記集合部品を、シリンダヘッドに組み付けることで、可変動弁装置10を内燃機関に搭載することが可能となる。
ところで、上述した実施の形態1においては、調整シム68、70が位置拘束ブラケット64、66と位置決め用リング72との間に配置されているが、第1のはすば歯車34に対する位置拘束ブラケット64、66の軸方向位置を調整するための調整シム68、70の配置場所はこれに限定されるものではない。すなわち、調整シムを、揺動カムアームと位置拘束ブラケットの間に配置してもよく、或いは、制御アームと位置拘束ブラケットの間に配置してもよい。
また、上述した実施の形態1においては、揺動カムアーム22における2つの軸受け部の外側の両側面を利用して位置拘束ブラケット64、66間の距離を規制しているが、揺動カムアーム22を用いた位置拘束ブラケット64、66間の距離の規制手法はこれに限らない。すなわち、揺動カムアームにおける2つの軸受け部の間に、位置拘束ブラケット、調整シム、および位置決め用リングといった位置調整手段を配置し、揺動カムアームにおける2つの軸受け部の内側の両側面で、一対の位置拘束ブラケット間の距離を規制することとしてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、制御軸24に固定された第1のはすば歯車34に対する第2のはすば歯車44の軸方向位置を調整可能に構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、第1のはすば歯車を制御軸に対して軸方向に移動可能に構成することによって、第1のはすば歯車と第2のはすば歯車の相対位置を調整するものであってもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、揺動カムアーム22が前記第1の発明における「規制手段」に相当している。
実施の形態2.
次に、図7を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
図7は、本実施の形態2の可変動弁装置80の特徴部の構成を説明するための概念図である。尚、図7においては、図面を分かり易くするために、制御アーム38およびキャップ42が断面で示されている。
図7に示す構成は、第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44の相対位置を調整する位置調整手段がカム軸30側に設けられている点を除き、上述した実施の形態1における可変動弁装置10と同様である。すなわち、図7に示すように、カム28と制御アーム38内部の溝62の側面との間に、一対の調整シム82、84が配置されている。そして、第1のはすば歯車34が形成された制御軸24、第2のはすば歯車44が形成された制御アーム38、カム28が固定されたカム軸30、調整シム82、84、および位置決め用リング72が、それぞれ同一系統の材質、より具体的には、鉄系の材質で構成されている。尚、このような構成に限らず、カム軸30上における制御アーム38の両側に、実施の形態1における位置決め用リング72と同様の部材を取り付けることで、カム軸30に対する制御アーム38の位置を規制してもよい。
以上説明した本実施形態の構成によれば、カム28と調整シム82、84によって、カム軸30に対する制御アーム38の軸方向位置が規制される。そして、上記の如く、第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44の相対位置変化に影響を与える各部材の材質が統一されているため、温度変化によって第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44との相対位置が変化するのを抑制することができる。また、カム28の両側面をカム軸30に対する制御アーム38の軸方向位置の基準としている。このため、本実施形態の構成によれば、実施の形態1における位置決め用リング72が不要となり、部品点数の増加を抑えつつ、弁体12の作用角およびリフト量の気筒間ばらつきを調整することができる。
実施の形態3.
次に、図8乃至図10を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
図8は、本実施形態の可変動弁装置90の特徴部の構成を説明するための分解斜視図である。尚、図8において、上記図1等に示す可変動弁装置10の構成要素と同一の要素については、同一の符号を付してその説明を省略または簡略する。また、図8は、可変動弁装置90におけるカム軸92側の構成のみを示している。可変動弁装置90における制御軸側の構成については、一対の位置拘束ブラケット64、66、一対の調整シム68、70、および一対の位置決め用リング72が排除され、かつ、リング用溝78が設けられていない点を除き(図2参照)、実施の形態1の構成と同様である。
本実施形態の可変動弁装置90は、第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44の相対位置の調整手法が、上述した実施の形態1における可変動弁装置10と異なっている。具体的には、図8に示すように、カム軸92には、カム28の両側に、一対の位置決め用フランジ94が設けられている。そして、カム28と一対の位置決め用フランジ94との間には、それぞれベアリング96が配置されている。尚、位置決め用フランジ94は、カム軸92と一体に形成されるものに限らず、カム軸92に固定される別部材であってもよい。
本実施形態の可変動弁装置90は、カム軸92により回転可能に支持される可変機構98およびカムキャップ100(基準部材)を備えている。ここで、本実施形態では、可変機構98は、上述した実施の形態1と異なり、制御アーム102と、制御アーム102に回動可能に保持された揺動ローラアーム40とを含めた機構のみを意味するものとする。制御アーム102には、カムキャップ100が取り付けられる取り付け面104上に、一部が断面C字状に形成され、カム軸92の軸線と平行な方向にカムキャップ100をガイドする一対のガイド部106が設けられている。その一方のガイド部106の一端には、フランジ部108が形成されている。フランジ部108には、ネジ加工が施された貫通孔110が設けられている。また、取り付け面104には、固定ボルト112が挿入されるネジ穴114が設けられている。
カムキャップ100は、制御アーム102のガイド部106と係合する一対のガイド部116を有している。カムキャップ100には、固定ボルト112が挿通されるボルト挿通孔118(後述する図9参照)が形成されている。より具体的には、ボルト挿通孔118は、固定ボルト112の軸径に比して大径となるように形成されている。カムキャップ100の一方のガイド部116の一端には、一部が開放されたネジ受孔120が形成されている。
可変動弁装置90は、軸方向における制御アーム102とカムキャップ100の相対位置を調整するための機構(位置調整機構)として、調整ネジ122および調整ネジロックナット124を備えている。調整ネジ122の外周面には、ネジ受孔120と係合する溝122aと、貫通孔110と貫通状態で噛み合うネジ部122bとが形成されている。
図9は、図8に示す可変動弁装置90の各構成要素が組み付けられた状態を示す図である。より具体的には、図9(A)は、可変動弁装置90を、カム軸92の軸方向から見た断面図であり、図9(B)は、可変動弁装置90を図9(A)に示すB矢視方向から見た図である。尚、図9(A)においては、第2のはすば歯車44を簡略化して表している。
図9(A)に示すように、制御アーム102とカムキャップ100は、両者のガイド部106およびガイド116が係合された状態で、ベアリング96を介してカム軸92に回転可能に保持される。カムキャップ100は、図9(B)に示すように、一対の位置決め用フランジ94と接するようにして摺動可能なクリアランスのみを有してカム軸92に保持されている。すなわち、カムキャップ100は、一対の位置決め用フランジ94によって軸方向位置が拘束されている。一方、制御アーム102は、一対の位置決め用フランジ94とは十分なクリアランスを有してカム軸92に保持されている。すなわち、制御アーム102は、一対の位置決め用フランジ94に対して、所定範囲を軸方向に移動可能となるように構成されている。また、可変動弁装置90では、調整ネジ122は、図9に示すように、可変動弁装置90が組み付けられてシリンダヘッドに搭載された状態において、調整が可能となる位置であって、弁体12のリフト動作毎には可動しない部位に組み込まれている。
以上の構成によれば、制御アーム102とカムキャップ100とは、両者のガイド部106およびガイド部116が係合され、固定ボルト112が仮締めされた状態で、固定ボルト112とボルト挿通孔118とのクリアランス分だけ互いにカム軸92の軸方向に摺動可能となる。このため、そのような状態において、カムキャップ100に回転可能に保持された調整ネジ122を回転させることにより、カムキャップ100に対する制御アーム102の軸方向位置を所定の調整代分だけ調整することが可能となる。また、上記の構成によれば、調整ネジ122による制御アーム102の軸方向位置の調整がされた後に、調整ネジロックナット124を締結することで、調整ネジ122の回転位置が規制され、カムキャップ100に対する制御アーム102の軸方向位置、言い換えれば、カム軸92に対する制御アーム102の軸方向位置が固定される。そして、制御アーム102の軸方向位置が固定された後に、固定ボルト112を規定のトルクで締め付けることにより、カムキャップ100と制御アーム102とが確実に締結される。
図10は、図8に示す可変動弁装置90による弁体12の作用角およびリフト量の気筒間ばらつきの調整手法を説明するための概略構成図である。上述したように、本実施形態の可変動弁装置90によれば、調整ネジ122の回転量に応じて、カム軸92に対する制御アーム102の軸方向位置を連続的に調整することができる。制御軸126およびカム軸92は、図9に示す軸方向拘束位置において、それぞれの軸方向位置が拘束されている。このため、調整ネジ122を回転させることによって、図9中に示す位置決め用フランジ94と制御アーム102との距離Cが変更されると、軸方向拘束位置を基準とした第1のはすば歯車34中心の寸法Dに対する第2のはすば歯車44中心の寸法Eが変化する。つまり、第1のはすば歯車34と第2のはすば歯車44の相対位置が変化する。
また、制御軸126は、制御軸126を回転駆動するアクチュエータ128によって、回転方向の位置も拘束されている。このため、はすば歯車34、44間に上記の相対位置変化が生ずると、制御軸126の回転位置に対する制御アーム102の回転角度が変化することとなり、その結果として、弁体12の作用角およびリフト量が変化することとなる。
以上説明した通り、本実施形態の可変動弁装置90によれば、調整ネジ122の回転量に応じて、気筒間に生ずる弁体12の作用角およびリフト量のばらつきを無段階に調整することが可能となる。つまり、本実施形態の可変動弁装置90によれば、上述した実施の形態1および2における調整シム68、70等のようなばらつき調整部品を不要とすることができ、また、より正確かつ繊細なばらつき調整が可能となる。
また、本実施形態の可変動弁装置90によれば、調整ネジ122が弁体12のリフト動作毎には可動しない部位に組み込まれているため、内燃機関の実動中に気筒間ばらつきを無段階に微調整することが可能となる。これにより、以下のような効果を得ることができる。すなわち、上記のばらつき調整手法によれば、例えば燃料噴射量を一定とした状態で燃焼室から排出されるガス中の排気空燃比を気筒毎に調べつつ、各気筒の弁体12の作用角およびリフト量を調整することにより、吸入空気量の気筒間ばらつきを直接的に調整することが可能となる。このため、内燃機関の始動および停止を繰り返しつつ調整部品を交換しながらのばらつき調整を不要とすることができ、気筒間ばらつきの調整工数を削減することができる。
そして、上記のばらつき調整手法によって吸入空気量の気筒間ばらつきを直接的に調整することは、吸気ポートの形状、長さ等の吸気系の気筒間ばらつきを含めた吸入空気量の気筒間ばらつきの調整が可能となることを意味する。可変動弁装置を備えて、主として可変動弁装置により吸入空気量の制御を行う内燃機関では、特に低負荷域、すなわち、弁体の作用角およびリフト量が小さく制御される領域において、弁体の作用角およびリフト量の気筒間ばらつきが吸入空気量の制御に与える影響が大きくなる。言い換えれば、そのような領域では、吸入空気量の気筒間ばらつきをより精度良く低減することが要求される。本実施形態の可変動弁装置90によれば、上記の如く、吸気系の気筒間ばらつきを含めた吸入空気量の気筒間ばらつきを直接的に調整することが可能となるため、弁体12の作用角およびリフト量を直接合わせ込む調整手法に比して、弁体12の作用角およびリフト量の気筒間ばらつき調整の精度をより向上させることができる。
ところで、上述した実施の形態3においては、カム軸92上に設けられた一対の位置決め用フランジ94によって、カムキャップ100の軸方向位置を拘束することとしている。このような構成によれば、内燃機関が発する熱により各部材に熱膨脹が生じた場合であっても、そのような熱膨脹に起因したはすば歯車34、44間の相対位置変化を生じないようにすることが可能となる。しかしながら、本発明におけるはすば歯車34、44間の相対位置を調整するための構成を得るという点においては、上記の構成に限らず、カムキャップ100の軸方向位置を拘束する一対の位置決め用フランジは、カム軸92上に設けられた部材ではなく、例えば、シリンダヘッドの軸受け部であってもよい。
本発明の実施の形態1の可変動弁装置の構成を示す側面図である。 図1に示す可変動弁装置の主要部の分解斜視図である。 図2に示す可変動弁装置の各構成要素が組み付けられた状態を示す図である。 図1に示す可変動弁装置が弁体に対して小さなリフトを与えるように動作を行う様子を示す図である。 図1に示す可変動弁装置が弁体に対して大きなリフトを与えるように動作を行う様子を示す図である。 図1に示す可変動弁装置の各構成要素を概念的に表した図である。 本発明の実施の形態2の可変動弁装置の特徴部の構成を説明するための概念図である。 本発明の実施の形態3の可変動弁装置の特徴部の構成を説明するための分解斜視図である。 図8に示す可変動弁装置の各構成要素が組み付けられた状態を示す図である。 図8に示す可変動弁装置による弁体の作用角およびリフト量の気筒間ばらつきの調整手法を説明するための概略構成図である。
符号の説明
10、80、90 可変動弁装置
12 弁体
16 ロッカーアーム
22 揺動カムアーム
24、126 制御軸
26 揺動カム面
26a 非作用面
26b 作用面
28 カム
30、92 カム軸
32 スライド面
34 第1のはすば歯車
36、98 可変機構
38、102 制御アーム
44 第2のはすば歯車
48 中間ローラ
64、66 位置拘束ブラケット
68、70、82、84 調整シム
72 位置決め用リング
94 一対の位置決め用フランジ
122 調整ネジ
124 調整ネジロックナット

Claims (10)

  1. カム軸の回転に対する弁体の開弁特性を機械的に変化させる可変動弁装置であって、
    アクチュエータにより回転駆動され、その軸中心と同心の第1のはすば歯車が設けられた制御軸と、
    カムと弁体との間に介在し、前記カムの回転と同期して揺動することにより当該カムの押圧力を前記弁体に伝達する揺動部材と、
    前記制御軸とは別の支持軸により回転可能に支持され、当該支持軸の軸中心と同心であって前記第1のはすば歯車と対となる第2のはすば歯車が設けられ、前記第1のはすば歯車および前記第2のはすば歯車を介して前記制御軸の回転に伴って回転することで、前記カムの回転に対する前記揺動部材の揺動動作を変化させる可変機構と、
    回転軸方向における前記第1のはすば歯車と前記第2のはすば歯車の相対位置を調整する位置調整手段と、
    を備えることを特徴とする可変動弁装置。
  2. 前記可変機構は、前記支持軸の軸方向に移動可能に構成されており、
    前記位置調整手段は、
    前記制御軸上における前記第1のはすば歯車の両側の位置に固定された一対のフランジと、
    前記一対のフランジの間に配置され、もしくは前記一対のフランジを介して配置され、前記制御軸と前記支持軸とに橋渡され、前記第2のはすば歯車を両側から挟み込むように配置された一対の位置拘束部材と、
    前記一対の位置拘束部材を介して前記一対のフランジに対向して配置され、前記一対の位置拘束部材間距離を規制する規制手段と、
    前記第1のはすば歯車に対する前記一対の位置拘束部材の軸方向位置を調整する位置調整部材とを備えることを特徴とする請求項1記載の可変動弁装置。
  3. 前記一対のフランジは、前記第1のはすば歯車に近接した位置にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項2記載の可変動弁装置。
  4. 前記第1のはすば歯車、前記第2のはすば歯車、前記制御軸、および前記位置調整部材が、同一系統の材質で構成されていることを特徴とする請求項2または3記載の可変動弁装置。
  5. 前記位置調整手段は、
    前記支持軸上に固定され、前記支持軸に対する前記第2のはすば歯車の位置を規制するフランジと、
    前記第2のはすば歯車と前記フランジとの間に配置された位置調整部材とを備えることを特徴とする請求項1記載の可変動弁装置。
  6. 前記第1のはすば歯車、前記第2のはすば歯車、前記制御軸、前記支持軸、および前記位置調整部材が、同一系統の材質で構成されていることを特徴とする請求項5記載の可変動弁装置。
  7. 前記支持軸は前記カム軸であって、前記フランジは前記カムであることを特徴とする請求項5または6記載の可変動弁装置。
  8. 前記可変機構は、前記支持軸の軸方向に移動可能に構成されており、
    前記位置調整手段は、
    前記支持軸に回転可能に支持された基準部材と、
    前記基準部材の両側面に接するように配置され、前記基準部材の軸方向位置を拘束する一対の位置決め用フランジと、
    軸方向における前記可変機構と前記基準部材の相対位置を調整する位置調整機構と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の可変動弁装置。
  9. 前記位置調整機構は、前記可変機構および前記基準部材の一方に貫通状態で噛み合い、かつ、前記可変機構および前記基準部材の他方に係合する調整ネジを含むことを特徴とする請求項8記載の可変動弁装置。
  10. 前記位置調整機構は、弁体のリフト動作毎に可動しない部位に配置されていることを特徴とする請求項8または9記載の可変動弁装置。
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