JP2006097350A - 消音装置、遮音壁及び消音方法 - Google Patents

消音装置、遮音壁及び消音方法 Download PDF

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慶三 大西
Taku Saito
卓 齋藤
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進 寺西
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隆範 新井
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Abstract

【課題】 消音装置、遮音壁及び消音方法において、隣接するシステムの悪影響を低減し、特定の場所を狙って騒音低減を行うこと。
【解決手段】 騒音源からの伝搬音波λ1に対して逆位相の干渉音波λ2を発生させて騒音を低減させる消音装置11であって、騒音源からの伝搬音波λ1を検出して電気信号に変換する検出マイクロフォン(音波検出部、信号変換手段)12と、干渉音波λ2を電気信号に基づいて生成し空間に出力する干渉音波発生手段13と、を備え、干渉音波発生手段13が、指向性を有して干渉音波λ2を出力するラウドスピーカ(指向性音波発生部)14を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、高速道路や一般道路、鉄道等、或いは既設のフェンス、防音壁等に付設され騒音を低減する消音装置、遮音壁及び消音方法に関する。
騒音源から放射される騒音の伝搬音波を検出マイクロフォンで検出し、この騒音の伝搬音波と逆位相の音波をスピーカから出力することによって、所定の位置に設置された他の検出マイクロフォンによって検知される騒音を低減するアクティブ・ノイズ・コントロール(ANC)が知られている。
このようなアクティブ・ノイズ・コントロールとしては、例えば図10に示すように、検出マイクロフォン1と制御スピーカ5とを防音塀Bより騒音源S側に配置し、上端エッジEの音を低減することにより、受音点Mの騒音を低減する能動制御型防音装置が特許文献1に開示されている。この装置は、検出マイクロフォン1で騒音源Sから防音塀Bに対する入射音波を検出し、その検出信号からDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサー)3で入射音波の振幅と位相を瞬時に計算して逆位相の音波信号を生成し、この音波信号を上端エッジE近傍に設置された制御スピーカ5に送って、制御音波を騒音源Sに向けて放射し、上端エッジEでの騒音ポテンシャルを消去するシステムである。
特公平7−82347号公報(第4頁、第2図)
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
従来のシステムを道路騒音等に適用するには、防音塀Bに沿った方向(紙面直交方向)にシステムを並べて設置する必要があるが、上端エッジEのある部分の音を低減するための制御スピーカ5の制御音波(干渉音波)は、広い範囲に拡がるため、上端エッジEの他の部分において逆に制御音圧が増大して増音させてしまい、消音効果が低減する場合があった。また、防音塀Bから離れた位置に民家などがある場合、その民家の位置において騒音を低減する際、制御音波の比較的大きなエネルギーが必要となる。また、民家の位置での騒音を低減するために制御音波のエネルギーを大きくすると、隣接するシステムの消音領域に影響を及ぼし、制御音波の音圧を増加させてしまって増音が生じ、消音効果が低減する場合があった。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、隣接するシステムの悪影響を低減し、特定の場所を狙って騒音低減ができる消音装置、遮音壁及び消音方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明の消音装置は、騒音源からの伝搬音波に対して逆位相の干渉音波を発生させて騒音を低減させる消音装置であって、騒音源からの伝搬音波を検出して電気信号に変換する信号変換手段と、干渉音波を電気信号に基づいて生成し空間に出力する干渉音波発生手段と、を備え、干渉音波発生手段が、指向性を有して干渉音波を出力する指向性音波発生部を備えていることを特徴とする。
本発明の消音方法は、騒音源からの伝搬音波に対して逆位相の干渉音波を発生させて騒音を低減させる消音方法であって、騒音源からの伝搬音波を音波検出部で検出して電気信号に変換するステップと、干渉音波を電気信号に基づいて生成し指向性音波発生部から指向性を有して干渉音波を出力するステップと、を有していることを特徴とする。
すなわち、これらの消音装置及び消音方法では、指向性音波発生部から指向性を有して干渉音波を出力するので、騒音低減を行いたい消音領域に対して局所的に干渉音波を出射することができ、離間した消音領域に対しても他の領域の増音を抑制した状態で干渉音波の音圧を増大させて消音を図ることができる。したがって、消音装置のシステムが複数配列されている場合に、隣接するシステムによる指向性音波発生部の影響が低減され、消音領域を効果的に消音することができる。
本発明の消音装置は、指向性音波発生部が、複数の超音波振動子を配列したパラメトリック音源であることを特徴とする。すなわち、この消音装置では、指向性音波発生部としてパラメトリック音源を採用することにより、極めて高い指向性が得られ、さらに隣接するシステムによる指向性音波発生部の影響を低減することができると共に、騒音を低減したい消音領域をより狭い領域に局所的に限定することが可能になる。
本発明の消音装置は、信号変換手段が、指向性を有して特定方向からの伝搬音波を検出する指向性音波検出部を備えている。すなわち、この消音装置では、指向性音波検出部で特定方向からの伝搬音波を選択的に検出することにより、特定領域から発生する騒音を選択的に消音することができ、それ以外の領域で生じる騒音や反射した騒音を除外して、消音性能を向上させることができる。
さらに、本発明の消音装置は、指向性音波発生部とこれに対応する指向性音波検出部とを、複数組同一方向に配列して備えていることを特徴とする。
また、本発明の消音方法は、指向性音波発生部とこれに対応する音波検出部とを複数組同一方向に配列し、伝搬音波を検出した音波検出部の位置に対応した指向性音波発生部から干渉音波を出力することを特徴とする。
すなわち、これらの消音装置及び消音方法では、互いに対応した複数組の指向性音波発生部及び指向性音波検出部が同一方向に配列されているので、配列方向に移動する騒音源がある場合、当該騒音源からの騒音をいずれかの組の指向性音波検出部が検出すると、これに対応する位置の指向性音波発生部によって干渉音波が出力される。したがって、移動する騒音源の位置に対応して必要な領域の指向性音波発生部だけを動作させて、高い消音効果を効率的に得ることができる。
本発明の消音装置は、複数の指向性音波発生部を延在方向に配列して設けた柱状支持体を備えていることを特徴とする。すなわち、この消音装置では、指向性音波発生部を有する柱状支持体を備えることにより、遮音壁等が付設されていない場所でも、指向性音波発生部を消音したい方向に向けて柱状支持体を設置するだけで、容易に局所的な消音効果を得ることができる。
また、本発明の消音装置は、複数の柱状支持体が並設されていることを特徴とする。すなわち、この消音装置では、複数の柱状支持体を並設しているので、柱状支持体の延在方向だけでなく、並設方向を任意に選択することで当該方向における消音効果も得ることができる。
本発明の消音装置は、指向性音波発生部を配設した網状体を備えていることを特徴とする。すなわち、この消音装置では、指向性音波発生部が網状体に配設されているので、空気や雨水の流通が可能になって風雨の強い場所への設置に適していると共に、高所への設置も容易となり、設置箇所の自由度が向上する。
本発明の遮音壁は、騒音源からの伝搬音波を遮蔽する遮音壁であって、壁本体と、騒音源からの伝搬音波を検出して電気信号に変換する信号変換手段と、伝搬音波に対して逆位相の干渉音波を電気信号に基づいて生成し空間に出力する干渉音波発生手段と、を備え、干渉音波発生手段が、壁本体の頂部に配され指向性を有して干渉音波を出力する指向性音波発生部を備えていることを特徴とする。
すなわち、この遮音壁では、指向性を有する指向性音波発生部が壁本体の頂部に配列されているので、壁本体頂部近傍における騒音を比較的少ないエネルギーで効率的に消音することができる。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係る消音装置、遮音壁及び消音方法によれば、各指向性音波発生部から指向性を有して干渉音波を出力するので、騒音低減を行いたい消音領域に対して局所的に干渉音波を出射することができ、他の領域の増音を抑制した状態で干渉音波の音圧を増大させて効果的な消音が可能となる。したがって、遮音壁の頂部近傍や遮音壁などから離れた民家位置において、隣接するシステムの悪影響を低減し、特定の場所を狙って局所的に騒音を低減することができる。
以下、本発明に係る消音装置、遮音壁及び消音方法の第1実施形態を、図1を参照しながら説明する。
本実施形態の消音装置は、例えば高速道路に沿って延在して立設された遮音壁に適用したものであり、道路を走行する自動車などからの騒音を遮音壁の頂部近傍や遮音壁から離間した民家位置で局所的に消音するものである。この消音装置を有する遮音壁は、図1に示すように、騒音源(図示略)からの騒音を吸収又は反射して直接的に遮音する鉄骨や鉄筋コンクリート等で構成された壁本体10と、騒音源(図示略)からの伝搬音波λ1に対して逆位相の干渉音波λ2を発生させて騒音を低減させるアクティブ・ノイズ・コントロール(ANC)を行う消音装置11と、を備えている。
前記消音装置11は、騒音源からの伝搬音波λ1を検出して電気信号に変換する複数の検出マイクロフォン(音波検出部、信号変換手段)12と、伝搬音波λ1に対して逆位相の干渉音波λ2を制御音波として前記電気信号に基づいて生成し空間に出力する干渉音波発生手段13と、を備えている。
前記検出マイクロフォン12は、壁本体10の内側面(道路側面)に壁本体10の延在方向に配列して取り付けられている無指向性マイクロフォンである。
前記干渉音波発生手段13は、壁本体10の頂部に配され指向性を有して干渉音波λ2を出力する指向性スピーカのラウドスピーカ(指向性音波発生部)14を、アレイ状に複数配列して備えている。すなわち、各ラウドスピーカ14は、検出マイクロフォン12の位置に対応させて壁本体10の頂部外面に、壁本体10の延在方向に沿って並べて設置されている。また、ラウドスピーカ14は、上下方向にも複数段配列されている。なお、各ラウドスピーカ14は、互いに所定間隔を空けて配置されている。
各ラウドスピーカ14は、騒音源の存在する方向(壁本体10の内側)とは逆方向、つまり騒音の伝搬音波λ1の進む側に向けて設置されている。特に、離れた位置に民家等が有る場合、騒音を低減したい消音領域が民家位置となるように各ラウドスピーカ14の向きが設定されている。また、各ラウドスピーカ14は、壁本体10の延在方向と上下方向との2方向に配列されているので、縦横両方向において指向性をもって干渉音波λ2を出射することができる。
また、干渉音波発生手段13は、伝搬音波λ1に対して逆位相の干渉音波λ2を前記電気信号に基づいて生成する複数の演算回路部15を備えている。これらの演算回路部15は、対応する検出マイクロフォン12の電気信号を演算して求めた制御信号を増幅して対応するラウドスピーカ14に送る機能を有する。演算回路部15は、対応する検出マイクロフォン12とラウドスピーカ14とに電気的に接続されて、壁本体10に取り付けられている。なお、演算回路部15は、壁本体10に取り付けないで、壁本体10の近傍等に壁本体10と別体に設置しても構わない。
壁本体10の延在方向において同位置に配された検出マイクロフォン12及びラウドスピーカ14は、それぞれ対応して1セットの消音システムを構成しており、複数システムが壁本体10の延在方向に隣接して配列されている。
なお、演算回路部15には、前記電気信号の処理を行う際、対応するラウドスピーカ14からの干渉音波λ2と隣接するシステムのラウドスピーカ14からの干渉音波λ2とが干渉して生じるハウリングを防ぐための演算処理機能を付加してもよい。
次に、本実施形態による消音方法について、図1を参照して説明する。
道路側で走行する自動車等の騒音源から騒音として伝搬音波λ1が発生した場合、伝搬音波λ1が遮音壁の壁本体10に当たって一部が吸収又は反射されると共に、一部が壁本体10の頂部近傍を抜け、または壁本体10を抜けて外側に伝搬される。この際、壁本体10内側の検出マイクロフォン12で伝搬音波λ1を検出すると共に電気信号に変換し、該電気信号を演算回路部15に送る。演算回路部15では、電気信号に基づいて制御信号を算出して対応するラウドスピーカ14に増幅して送信する。
ラウドスピーカ14は、制御信号により、消音領域(民家位置等)に向けて指向性を有して干渉音波λ2を空間に出力する。そして、消音領域では、伝搬音波λ1と干渉音波λ2とが干渉して消音が行われる。このとき、干渉音波λ2が指向性を有して消音領域に放射されるため、隣接する他の領域の増音が抑制された状態で、消音領域で局所的に消音が行われる。
また、離れた消音領域での騒音を低減するために干渉音波λ2のエネルギーを大きくしても、隣接する消音システムが狙う消音領域に影響を及ぼさず、高い消音性能が得られる。
このように本実施形態では、ラウドスピーカ14から指向性を有して干渉音波λ2を出力するので、騒音低減を行いたい消音領域に対して集中的に干渉音波λ2を出射することができ、他の領域の増音を抑制した状態で干渉音波λ2の音圧を増大することができる。したがって、隣接するラウドスピーカ14の影響が低減され、消音領域を効果的に消音することができる。
次に、本発明に係る第2実施形態について、図2及び図3を参照して説明する。
なお、以下の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、この点について、後述する第3実施形態以降の実施形態においても同様とする。
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、干渉音波発生手段13が、干渉音波λ2を出力するラウドスピーカ14を有しているのに対し、第2実施形態の遮音壁では、図2及び図3に示すように、消音装置21の干渉音波発生手段23が、複数の超音波振動子24aが配列され干渉音波λ2を出力する複数のパラメトリック音源24を備えている点である。このパラメトリック音源24は、壁本体10の頂部外面に延在方向に一列配列されて、特定の方向に対して非常に高い指向性を有して干渉音波λ2を出力することができる。
前記パラメトリック音源24は、図3の(a)(b)に示すように、複数の超音波振動子24aを市松模様状に配置して異なる2つの周波数で駆動することで、図3の(c)に示すように、周波数の低い差音(実線)と周波数の高い和音(破線)とを発生させ、差音については非常に強い指向性を得ることができるものである。なお、このパラメトリック音源24については、例えば、「非線形音響学とその応用」(鎌倉友男:電気通信大学電子工学科、[平成16年9月28日検索]、インターネット<URL:http://ew3.ee.uec.ac.jp/subject/nonlinear_1.pdf>)に説明がされている。
第2実施形態では、パラメトリック音源24において、超音波振動子24aで発生させる差音の周波数を、可聴周波数帯域である騒音源の伝搬音波λ1に対応させて干渉音波λ2を発生させ、非常に高い指向性により特定の狭い消音領域で局所的に消音効果を得ることができる。例えば、消音領域として民家の窓等を特定場所として狙って消音を行うことが可能になる。なお、この際の和音は、超音波であり可聴周波数帯域ではないことから伝搬音波λ1とは干渉せず、消音への影響はない。
このように本実施形態では、極めて強い指向性を持つパラメトリック音源24を用いることにより、特定の狭い消音領域での騒音低減が可能であると共に、隣接するシステムからの悪影響をさらに低減することができる。
次に、本発明に係る第3〜第5実施形態について、図4〜図6を参照して説明する。
第3実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、無指向性の検出マイクロフォン12が壁本体10に取り付けられているのに対し、第3実施形態の遮音壁では、図4に示すように、縦方向に複数配列された指向性検出マイクロフォン(信号変換手段、指向性音波検出部)32を壁本体10に取り付けた消音装置31を備えている点である。また、第1実施形態では、ラウドスピーカ14が壁本体10の頂部外面に複数列配置されているのに対し、第3実施形態の消音装置31では、壁本体10の頂部に庇部34が設けられ該庇部34の上面に複数のラウドスピーカ14が上方に向けて一列に配列されている点で異なっている。
この第3実施形態では、縦に配列された指向性検出マイクロフォン32が上下方向における特定方向からの伝搬音波λ1を指向性を持って検出するように同一方向に向けて設置されている。なお、指向性検出マイクロフォン32を複数同一方向に向けて設置しているのは、複数で検出することにより各検出音波を合成して特定方向の伝搬音波λ1をより強く検出するためである。また、ラウドスピーカ14を庇部34の上面に配列しているのは、壁本体10の頂部近傍における騒音を消音するためである。
第3実施形態では、例えば、走行する自動車からの騒音を選択的に消音したい場合、自動車の走行車線に向けて指向性検出マイクロフォン32を設置することにより、自動車からの伝搬音波λ1を選択的に検出して対応する干渉音波λ2で消音を図り、自動車以外の位置、例えばビルの屋上における工事の騒音や壁や天井等からの反射音等を除外することができる。
このように本実施形態では、指向性検出マイクロフォン32で上下方向における特定方向からの伝搬音波λ1を選択的に検出することができ、この特定方向から検出された伝搬音波λ1に基づいてラウドスピーカ14から上方に向けて干渉音波λ2が出力される。したがって、特定領域で発生する騒音(伝搬音波λ1)を、壁本体10の頂部近傍において比較的少ないエネルギーで消音することが可能となり、それ以外の領域で生じる騒音や反射した騒音等を除外して、消音性能を向上させることができる。
第4実施形態と第3実施形態との異なる点は、第3実施形態では指向性検出マイクロフォン32が縦方向に配列されているのに対し、第4実施形態の遮音壁は、図5に示すように、複数の指向性検出マイクロフォン32が壁本体10の内面上端部に延在方向にわたって一列に配列された消音装置41を備えている点である。すなわち、この消音装置41は、パラメトリック音源24とこれに対応する指向性検出マイクロフォン32とを複数組同一方向(壁本体10の延在方向)に配列して備え、各指向性検出マイクロフォン32が水平方向の特定方向からの騒音を選択的に検出するように当該特定方向に向けて配置されている。
この本実施形態では、各指向性検出マイクロフォン32が水平方向の特定方向に向けて設置されているので、壁本体10の延在方向において特定方向からの騒音(伝搬音波λ1)のみを指向性検出マイクロフォン32が選択的に検出し、消音することができる。また、互いに対応した複数組のラウドスピーカ14及び指向性検出マイクロフォン32が同一方向に配列されているので、配列方向に移動する騒音源がある場合、当該騒音源からの騒音(伝搬音波λ1)をいずれかの組の指向性検出マイクロフォン32が検出すると、これに対応する位置のラウドスピーカ14によって干渉音波λ2が出力される。したがって、移動する騒音源の位置に対応して必要な領域のラウドスピーカ14だけを動作させて、壁本体10頂部近傍において高い消音効果を効率的に得ることができる。
第5実施形態と第2実施形態との異なる点は、第2実施形態では、無指向性の検出マイクロフォン12を壁本体10内面側に取り付けているが、第5実施形態の遮音壁は、図6に示すように、複数の指向性検出マイクロフォン32が壁本体10の内面上端部に延在方向にわたって一列に配列された消音装置51を備えている点である。すなわち、本実施形態では、上記第4実施形態と同様に、水平方向の特定方向からの騒音を選択的に検出すると共に、壁本体10から離間した位置にある民家等の消音位置(受音点M)に向けてパラメトリック音源24から指向性の強い干渉音波λ2を出射して狭い領域で騒音低減を図ることができる。
例えば、壁本体10に沿った高速道路を走行する自動車(騒音源S)が有る場合、特定範囲の通過時のみ指向性検出マイクロフォン32が当該自動車からの騒音を検出して、民家位置(受音点M)に向けてパラメトリック音源24から干渉音波λ2を出射して消音を行うことができる。
次に、本発明に係る第6〜8実施形態について、図7〜図9を参照して説明する。
第6実施形態の消音装置61は、図7に示すように、柱状支持体60に複数のラウドスピーカ14及び検出マイクロフォン12とを長さ方向(延在方向)に配列して設けたポール状消音装置である。なお、柱状支持体60には、内部に演算回路部(図示略)が設けられている。また、本実施形態では、検出マイクロフォン12も柱状支持体60に取り付けているが、電気的に接続してあれば、別体に設けておいても構わない。
この消音装置61は、ラウドスピーカ14を有する柱状支持体60を備えて全体をポール状とすることにより、遮音壁等が付設されていない場所でも、ラウドスピーカ14を消音したい方向に向けて柱状支持体60を立設するだけで、容易に局所的な消音効果を得ることができる。また、この消音装置61は、ポール状であるので、移設や増設が容易である。
第7実施形態と第6実施形態との異なる点は、第6実施形態では、ラウドスピーカ14及び無指向性の検出マイクロフォン12を柱状支持体60に取り付けているのに対し、第7実施形態の消音装置71では、図8に示すように、複数のパラメトリック音源24及び指向性検出マイクロフォン32を柱状支持体60に取り付けている点である。すなわち、この消音装置71では、特定方向からの騒音を指向性検出マイクロフォン32で選択的に検出すると共に、特定方向の消音位置(受音点M)を局所的に狙って消音することができる。
第8実施形態と第7実施形態との異なる点は、第7実施形態では、パラメトリック音源24及び指向性検出マイクロフォン32を取り付けた柱状支持体60を1本だけ立設しているのに対し、第8実施形態では、図9の(a)(b)に示すように、第7実施形態の消音装置71をユニットとして複数並設している点である。なお、消音装置71の並設方向としては、図9の(a)に示すように、横方向に並べて立設する場合や、図9の(b)に示すように、支柱72に水平状態の柱状支持体60を取り付けて縦方向に複数段並べて設ける場合等、任意な方向に可能である。
このように本実施形態では、パラメトリック音源24及び指向性検出マイクロフォン32を取り付けた複数の柱状支持体60を並設しているので、柱状支持体60の延在方向だけでなく、並設方向を任意に選択することで当該方向における消音効果も得ることができる。
第9実施形態と第7実施形態との異なる点は、第7実施形態では、柱状支持体60に複数のパラメトリック音源24及び指向性検出マイクロフォン32を取り付けているのに対し、第8実施形態の消音装置81では、図9の(c)に示すように、網状体80に複数のパラメトリック音源24及び指向性検出マイクロフォン32を取り付けて構成されている点である。
この消音装置81では、ワイヤー等で格子状に構成された網状体80に、消音位置に向けた複数のパラメトリック音源24が互いに所定間隔を空けて2次元的に取り付けられている。また、消音装置81には、複数の指向性検出マイクロフォン32が特定方向に向けて網状体80に取り付けられている。なお、演算回路部(図示略)は、網状体80に直接取り付けてもよいし、パラメトリック音源24及び指向性検出マイクロフォン32に電気的に接続された状態で網状体80とは別体に設けても構わない。
この消音装置81では、パラメトリック音源24を網状体80に配設して構成されているので、空気や雨水の流通が可能になって風雨の強い場所への設置に適していると共に、高所への設置も容易となり、設置箇所の自由度が向上する。
なお、本発明の技術範囲は上記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態の遮音壁は、高速道路等の自動車道路に沿って設けているが、他の騒音発生場所の周辺等に設置しても構わない。例えば、繁華街、住宅街、球場や多目的ホール周辺等に設置してもよい。
本発明に係る第1実施形態における遮音壁を示す斜視図である。 本発明に係る第2実施形態における遮音壁を示す斜視図である。 第2実施形態におけるパラメトリック音源について、超音波振動子を示す正面図、側面図及び音波の指向性を示すグラフである。 本発明に係る第3実施形態における遮音壁を示す斜視図である。 本発明に係る第4実施形態における遮音壁を示す斜視図である。 本発明に係る第5実施形態における遮音壁、騒音源及び受音点の位置関係を示す上面図である。 本発明に係る第6実施形態における消音装置を示す斜視図である。 本発明に係る第7実施形態における消音装置を示す斜視図である。 本発明に係る第8及び第9実施形態における消音装置を示す正面図である。 本発明に係る従来例を示すブロック図である。
符号の説明
10…壁本体、11、21、31、41、51、61、71、81…消音装置、12…検出マイクロフォン(音波検出部、信号変換手段)、13…干渉音波発生手段、14…ラウドスピーカ(指向性音波発生部)、24…パラメトリック音源、24a…超音波振動子、32…指向性検出マイクロフォン(信号変換手段、指向性音波検出部)、60…柱状支持体、80…網状体、M…受音点、S…騒音源、λ1…伝搬音波、λ2…干渉音波

Claims (10)

  1. 騒音源からの伝搬音波に対して逆位相の干渉音波を発生させて騒音を低減させる消音装置であって、
    前記騒音源からの伝搬音波を検出して電気信号に変換する信号変換手段と、
    前記干渉音波を前記電気信号に基づいて生成し空間に出力する干渉音波発生手段と、を備え、
    前記干渉音波発生手段が、指向性を有して前記干渉音波を出力する指向性音波発生部を備えていることを特徴とする消音装置。
  2. 前記指向性音波発生部が、複数の超音波振動子を配列したパラメトリック音源であることを特徴とする請求項1に記載の消音装置。
  3. 前記信号変換手段が、指向性を有して特定方向からの前記伝搬音波を検出する指向性音波検出部を備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の消音装置。
  4. 前記指向性音波発生部とこれに対応する前記指向性音波検出部とを、複数組同一方向に配列して備えていることを特徴とする請求項3に記載の消音装置。
  5. 複数の前記指向性音波発生部を延在方向に配列して設けた柱状支持体を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の消音装置。
  6. 複数の前記柱状支持体が並設されていることを特徴とする請求項5に記載の消音装置。
  7. 前記指向性音波発生部を配設した網状体を備えていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の消音装置。
  8. 騒音源からの伝搬音波を遮蔽する遮音壁であって、
    壁本体と、
    前記騒音源からの伝搬音波を検出して電気信号に変換する信号変換手段と、
    前記伝搬音波に対して逆位相の干渉音波を前記電気信号に基づいて生成し空間に出力する干渉音波発生手段と、を備え、
    前記干渉音波発生手段が、前記壁本体の頂部に配され指向性を有して前記干渉音波を出力する指向性音波発生部を備えていることを特徴とする遮音壁。
  9. 騒音源からの伝搬音波に対して逆位相の干渉音波を発生させて騒音を低減させる消音方法であって、
    前記騒音源からの伝搬音波を音波検出部で検出して電気信号に変換するステップと、
    前記干渉音波を前記電気信号に基づいて生成し指向性音波発生部から指向性を有して前記干渉音波を出力するステップと、を有していることを特徴とする消音方法。
  10. 前記指向性音波発生部とこれに対応する前記音波検出部とを複数組同一方向に配列し、
    前記伝搬音波を検出した前記音波検出部の位置に対応した前記指向性音波発生部から前記干渉音波を出力することを特徴とする請求項9に記載の消音方法。
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