JP7166062B2 - 騒音低減方法および騒音低減装置 - Google Patents

騒音低減方法および騒音低減装置 Download PDF

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Description

本発明は騒音低減方法および騒音低減装置に関し、特にトンネル工事において発生するトンネル発破音や騒音に含まれる20~200Hz帯域の低周波音成分を低減する騒音低減方法および騒音低減装置に関する。
山岳トンネル等のトンネル工事においては、坑口側から順に坑内での発破を繰り返しながらトンネルの延伸作業が行われる場合がある。この発破の際に生じる発破音は広帯域の周波数を含んでいるとともに、音圧レベルも極めて高いことも知られている。
このような性質の発破音がトンネル外に漏れ出すと、周辺環境への騒音問題を引き起こすことになるほか、発破音に含まれている50Hz以下の低周波音が周辺建物を振動させるという問題も生じさせることになる。
トンネル発破音に含まれる低周波帯域の音、すなわち50Hz以下の低周波音を低減する低周波音低減装置としては、例えば特許文献1に示す技術が開示されている。
特許文献1に示す低周波音低減装置は、トンネルの坑口または坑内に、これを閉鎖するように設けられた隔壁と、隔壁よりトンネルの切羽側に設置され、一端がトンネル坑内に開口し他端が閉塞された、それぞれ経路長の異なる複数の管体とからなるヘルムホルツ共鳴器を備えてなるものである。
しかし、特許文献1に示す低周波音低減装置では、経路長の異なる複数の管体を隔壁よりトンネルの切羽側に設置しなければならないため、トンネル内の作業スペースが狭くなり、重機や作業員の坑内作業に支障を来たし、トンネル工事全体の作業効率を低下させるという問題がある。
ところで、トンネル工事の際に発生する広帯域の周波数からなる発破音の音圧を低減する方法として、アクティブノイズコントロール方式(以下、ANC方式と略称する)の騒音低減装置を利用することが考えられている。
このようなANC方式の騒音低減装置を用いてトンネル発破音に含まれる低周波音をトンネルの坑口で低減しようとすると、ANC方式のサブウーファーを構成するスピーカには、少なくとも150dB程度といった極めて大きな音圧レベルの低周波音を出力する必要がある。
しかしながら、上述のような大きな出力のスピーカは市販されておらず、発破音に含まれる低周波音を効果的に低減するには多数のサブウーファー用スピーカが必要になる。このことは、騒音低減装置のコストアップを招くことになる。
さらに、発破音に含まれる低周波音の一部が低減しきれずにトンネル外に漏れ出すおそれがあり、周辺環境への騒音問題を引き起こすほか、周辺建物を振動させる問題も生じさせることになる。このような場合には周辺建物の近傍に防音壁を設置する必要が生じ、さらにコストアップを招くとともに、眺望および日当たりが悪くなるという問題も生じる。
また、発破音に含まれる低周波音をトンネルの坑口で低減する場合、サブウーファーシステムを収容するエンクロージャーおよびエンクロージャーを含むサブウーファーシステム全体を収容する防音ハウスを設置する必要があるほか、トンネルの坑口を覆う防音柵や防音柵に設けられた出入口を開閉する複数の防音扉を設置する必要が生じてくる。その結果、騒音低減装置のコストアップを更に上昇させる問題がある。
特開2014-74328号公報
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、簡素で安価な構成によりトンネル発破音や騒音に含まれる低周波音成分が周辺環境や周辺建物等の対象物に及ぼす影響を効果的に低減することができる騒音低減方法および騒音低減装置を提供することにある。
上述の目的を達成するため、本発明の騒音低減方法は、低周波音発生源から発生する20~200Hzの低周波音が対象物に及ぼす影響を低減する方法であって、前記低周波音発生源から発生する低周波音の伝播線上で前記対象物に近接して配置され20~200Hzの低周波音を発生する音発生手段を有し、前記音発生手段から発生する前記低周波音を前記対象物に指向させ、前記低周波音発生源から発生する低周波音に関する情報を検出し、前記検出された情報に基づいて前記低周波音発生源から発生する低周波音を打ち消すに足る前記低周波音と逆位相の低周波音を前記音発生手段で生成して前記対象物に向け放射させ、前記低周波音発生源から発生し前記対象物に到達する低周波音は、前記対象物付近において平面波とみなせる音波であって、前記対象物に到達する前記低周波音と逆位相の低周波音は、球面波であって、前記対象物は、前記平面波の波面と前記球面波の波面とが重なり合う範囲内に存在することを特徴とする。
また、本発明の騒音低減装置は、低周波音発生源から発生する20~200Hzの低周波音が対象物に及ぼす影響を低減する装置であって、前記低周波音発生源から発生する低周波音の伝播線上で前記対象物に近接して配置され、かつ前記低周波音発生源の低周波音と逆位相の低周波音を発生して前記対象物に向け放射する音発生手段と、前記低周波音発生源から発生する低周波音に関する情報を検出する検出手段と、前記検出された情報に基づいて前記低周波音発生源から前記対象物に伝播される低周波音を打ち消すに足る前記低周波音と逆位相の低周波音を前記音発生手段から発生させる制御手段とを備え、前記低周波音発生源から発生し前記対象物に到達する低周波音は、前記対象物付近において平面波とみなせる音波であって、前記対象物に到達する前記低周波音と逆位相の低周波音は、球面波であって、前記対象物は、前記平面波の波面と前記球面波の波面とが重なり合う範囲内に存在することを特徴とする。
本発明によれば、逆位相の低周波音を発生する音発生手段は、低周波音発生源から離間され、かつ低周波音の影響を受ける対象物に対し近接して配置されるため、低周波音発生源から音発生手段に到達する低周波音発生源の低周波音の音圧レベルは減衰される。これに伴い、音発生手段から発生する逆位相の低周波音の音圧レベルを低周波音発生源からの低周波音の音圧レベルの減衰量に合わせて下げることができる。
すなわち、低周波音発生源から発生する高い音圧レベルの低周波音を直接低減し得る構成の音発生手段が不要になり、低い音圧レベルの音発生手段を利用してトンネル発破音やその他の低周波音成分を減衰することができ、ひいてはウーファー式等の低周波音スピーカからなる市販の音発生手段を利用することが可能になり、音発生手段の低コスト化を実現できるほか、低周波音発生源からの低周波音の生成に要する付帯設備も不要になる。
したがって、簡素で安価な構成によりトンネル発破音や騒音に含まれる低周波音成分が周辺環境や周辺建物等の対象物に及ぼす影響を効果的に低減することができる。
本発明の第1の実施の形態の騒音低減装置によりトンネル発破音を低減する場合を示す構成説明図である。 第1の実施の形態の騒音低減装置の制御系の構成を示すブロック図である。 第1の実施の形態の騒音低減装置によりトンネル発破音を低減し得る制御エリアの説明図である。 第1の実施の形態の騒音低減装置によりトンネル発破音に含まれる低周波音を低減した場合と低減しない場合の音圧レベルの特性の一例を示す線図である。 第1の実施の形態の騒音低減装置によりトンネル発破音に含まれる騒音を低減した場合と低減しない場合の騒音レベルの特性の一例を示す線図である。 第1の実施の形態の騒音低減装置によりトンネル発破音に含まれる低周波音の音圧レベルを低減し得る制御エリアの低減量特性を示す線図である。 第1の実施の形態の騒音低減装置によりトンネル発破音に含まれる低周波音の音圧レベルを低減し得る制御エリアの低減量特性を示す線図である。 本発明の第2の実施の形態の騒音低減装置によりトンネル発破音を低減する場合を示す構成説明図である。 本発明の第3の実施の形態の騒音低減装置によりトンネル発破音を低減する場合を示す構成説明図である。
(第1の実施の形態)
次に、本発明の実施の形態の騒音低減装置と共に騒音低減方法について図面を参照して説明する。
なお、以下の実施の形態では、騒音発生源がトンネルの延伸工事において行われる発破である場合について説明する。
図1に示すように、騒音低減装置10Aは、トンネル2の延伸工事の際に生じるトンネル発破音4に含まれる広帯域の周波数のうち、周辺環境、特に延伸工事が行われるトンネル2の坑口2Aの周辺に存在する対象物、例えば民家6(建造物または施設)に影響を及ぼす20~200Hzの低周波音を低減するものである。
なお、図中符号5は坑口2Aに設置された防音扉を示す。
騒音低減装置10Aは、図1及び図2に示すように、マイクロフォン12(検出手段)と、信号処理部14と、コントローラ16と、低周波音スピーカ18(音発生手段)とを含んで構成されている。
信号処理部14とコントローラ16は、低周波音スピーカ18を制御する制御部20を構成している。
本実施の形態において、トンネル2の坑口2Aに対する民家6とマイクロフォン12および低周波音スピーカ18との配置関係の一例を説明すると、図1に示すように、民家6はトンネル2の坑口2Aから150m離れた箇所に存在し、低周波音スピーカ18はトンネル2の坑口2Aから放射される20~200Hzの低周波音S1の伝播線上で民家6から6m離した近接状態に配置され、さらに、マイクロフォン12は低周波音S1の伝播線上で低周波音スピーカ18から3m離したトンネル2の坑口2A寄りに配置されている。
なお、本発明におけるトンネル2の坑口2Aに対する民家6とマイクロフォン12および低周波音スピーカ18との距離関係は、上述したものに限定されず、トンネル発破音の影響を受ける民家の存在場所やトンネル2の坑口2Aの周辺環境に応じて種々に変更される。
マイクロフォン12は、トンネル2の坑口2Aから放射される低周波音S1に対してトンネル2の坑口2Aから民家6までの距離、例えば150mに応じて減衰された値の音圧レベルに相当する低周波音S1´(S1>S1´)に関する情報を検出するものであり、この情報としては、低周波音S1´の振幅、周波数、位相である。
信号処理部14は、マイクロフォン12で検出された情報に基づいて低周波音S1´と逆位相の振幅、周波数、位相に関する信号を生成するものである。この信号処理部14は、DSP(Digital Signal Processor :ディジタル信号プロセッサー)によって構成することができる。
コントローラ16は、信号処理部14から供給される信号に基づいて低周波音スピーカ18を駆動することにより、トンネル2の坑口2Aから放射されるトンネル発破音の低周波音S1を直接打ち消すに足る低周波音S1と逆位相の低周波音ではなく、トンネル2の坑口2Aから民家6までの距離150mに応じて減衰された値の音圧ベルを有する低周波音S1´と逆位相の低周波音S2(S1>S2)を生成するように低周波音スピーカ18を制御し、これにより低周波音スピーカ18から発生する低周波音S1´と逆位相の低周波音S2を民家6に向け放射するものである。
したがって、低周波音スピーカ18は、減衰された音圧レベルの低周波音S1´と逆位相の低周波音S2を発生し得る低周波音スピーカ18であればよい。このため、低周波音スピーカ18には市販品であるサブウーファー、コーン式ウーファー、あるいは従来公知の様々な方式などの既存のウーファーを使用できる。
因みに、トンネル2の坑口2Aでの発破音の低周波音成分の音圧レベルが140dBの場合、坑口2Aから100m遠方での音圧レベルは100dBまで低減されることが確認されている。
なお、マイクロフォン12および低周波音スピーカ18は、図示省略した設置部材を用いて民家6に近接して地上に設置される。
次に、本実施の形態に示す騒音低減装置10Aの作用効果について説明する。
トンネル2の坑口2Aから放射される発破音の影響を受ける民家6とマイクロフォン12および低周波音スピーカ18とが図1に示す配置関係にある場合において、民家6に影響を及ぼすトンネル発破音に含まれる低周波音S1´の波面は、ほぼ平面となり、図3の破線で示すように、民家6に到達する低周波音S1´はほぼ平面波Aとなる。これは、発破音の発生源と民家6とが150m程度離間しているためである。
これに対して低周波音スピーカ18から民家6に向けて放射される、低周波音S1´と逆位相の低周波音S2の波面は球面となり、図3の実線で示すように、民家6に到達する低周波音S2は球面波Bとなる。これは、低周波音スピーカ18と民家6とが6m程度しか離れていないためである。
そして、低周波音S1´の平面波Aと逆位相の低周波音S2の球面波Bとが重ね合わさることで民家6に影響を及ぼすトンネル発破音の低周波音S1´が低減される。この場合、トンネル発破音の低周波音S1´を低減できる制御エリアCは、図3に示す破線に囲んだ範囲となる。すなわち、破線で囲んだ範囲は平面波Aの波面と球面波Bの波面とが重なり合う範囲であり、したがって、平面波Aと球面波Bとが効率よく打ち消し合う範囲である。
この破線に囲んだ範囲内に民家6が存在していれば、民家6に対するトンネル発破音の低周波音S1´の影響をなくすことができる。
したがって、図3に示す制御エリアC内に民家6が存在していれば、トンネル2の坑口2Aでのトンネル発破音4の低周波音S1の音圧レベルより低い音圧レベルで、かつ逆位相の低周波音S2(=S1´)を発生するウーファー式の低周波音スピーカ18を利用してトンネル発破音4からの低周波音S1´を低減することができ、民家6に与える振動や騒音の影響、住民や家畜、ペットに与える騒音の影響を効果的に低減する上で有利となる。
また、本実施の形態に使用される低周波音スピーカ18は、トンネル2の坑口2Aと民家6との間の距離に応じて減衰された音圧レベルで、かつ逆位相の低周波音S2を放射し得る構成のものでよい。
そのため、低周波音スピーカ18として、出力する低周波音の音圧レベルが例えば100dB~120dB程度の市販のウーファー式の低周波音スピーカ18を利用することができ、騒音低減装置10Aの低コスト化を図る上で有利となるほか、トンネル発破音の影響を受ける場所に点在する個々の民家や建造物などに対しても本実施の形態に示す騒音低減装置10Aを低コストで設置することが可能となる。
さらに、本実施の形態に示す騒音低減装置10Aにおいては、トンネル2の坑口2Aから離れた点に設置するため、トンネル坑内の作業を妨げることがなく、簡素で安価に構成された騒音低減装置により、周辺環境や周辺建物に影響を及ぼすトンネル発破音や騒音に含まれる低周波音を効果的に低減する上で有利となる。
なお、本実施の形態に示す騒音低減装置10Aは、トンネル2の坑口2A周辺に密集して存在する民家や建造物にも発破低周波音の低減制御が可能であり、特に、点在する民家や建造物に対する発破低周波音の低減制御を局所的に行なう場合に有効で、低コスト化を実現できる上で有効となる。
図4は、騒音低減装置10Aによりトンネル発破音に含まれる20~200Hzの低周波音S1´を低減した場合と低減しない場合の音圧レベルの特性を示す線図であり、横軸に周波数(Hz)、縦軸に音圧レベル(dB)を示している。なお、横軸の周波数20~4000Hzは人間が聞こえる周波数範囲である。
同図において、実線で示す音圧レベル特性Eは騒音低減装置10Aにより20~200Hzの低周波音S1´を低減した場合であり、また、破線で示す音圧レベル特性Fは騒音低減装置10Aによる低周波音S1´の低減制御をオフにした場合である。
また、図4において、特に、民家6に影響を及ぼすトンネル発破音の低周波音の周波数が31.5Hzおよび63Hzの場合に、両特性EとFを比較すると、図4からも明らかなように、騒音低減装置10Aを低減制御オンにした時の音圧レベルを、低減制御オフにした時の音圧レベルよりも10dB以上低減することが可能になる。
図5は、騒音低減装置10Aによりトンネル発破音に含まれる20~200Hzの低周波音S1´を低減した場合と低減しない場合の騒音レベルの特性を示す線図であり、横軸に周波数(Hz)、縦軸に騒音レベル(dBA)を示している。なお、横軸の周波数20~4000Hzは人間が聞こえる周波数範囲である。
同図において、実線で示す騒音レベル特性Gは騒音低減装置10Aにより20~200Hzの低周波音S1´を低減した場合であり、また、破線で示す騒音レベル特性Hは騒音低減装置10Aによる低周波音S1の低減制御をオフにした場合である。
また、図5において、特に、民家に6に影響を及ぼすトンネル発破音の低周波音の周波数が31.5Hzおよび63Hzの場合に、両特性GとHを比較すると、図5からも明らかなように、騒音低減装置10Aを低減制御オンにした時の騒音レベルを、低減制御オフにした時の騒音レベルよりも10dB以上低減することが可能になる。
図6、図7は、トンネル2の坑口2Aから100mの位置に民家6が存在し、トンネル2の坑口2Aから90mの位置にコーン式ウーファーなどからなる1台の低周波音スピーカ18が設置され、この低周波音スピーカ18から10m離れた位置にある民家6に対し、発破音の低周波音S1´と逆位相の低周波音S2を低周波音スピーカ18から民家6に向け放射した場合の制御エリアにおける音圧レベルの低減量特性を示す線図である。
図6は低周波音の周波数が31.5Hzの場合を示し、図7は低周波音の周波数が63Hzの場合を示す。
横軸は、平面視した場合に坑口2Aと民家6とを結ぶ直線と直交するX方向の距離(m)を示し、縦軸は平面視した場合に坑口2Aと民家6とを結ぶ直線と平行するY方向の距離(m)を示している。
図6において、実線Jは31.5Hzの低周波音の音圧レベルの低減量が10.0dBを示し、実線Kは音圧レベルの低減量が8.0dBを示し、実線Lは音圧レベルの低減量が6.0dBを示し、実線Mは音圧レベルの低減量が4.0dBを示す。
図7において、実線Nは63Hzの低周波音の音圧レベルの低減量が10.0dBを示し、実線Oは音圧レベルの低減量が8.0dBを示し、実線Pは音圧レベルの低減量が6.0dBを示し、実線Qは音圧レベルの低減量が4.0dBを示す。
図6、図7から明らかなように、低周波音スピーカ18からの低周波音の放射距離が大きくなるほど、発破音の低周波音に対する音圧レベルの低減量が減少する。
また図6に示すように31.5Hzの低周波音を効率良く低減し得る制御エリアは実線J、Kで囲まれた範囲を含む、例えば矩形状の10×10mの範囲であり、この範囲内に存在する民家6に対しては、発破音に含まれる31.5Hzの低周波音S1´の音圧を効果的に低減することができる。
また図7に示すように63Hzの低周波音を効率良く低減し得る制御エリアは実線N、Oで囲まれた範囲を含む、例えば矩形状の10×10mの範囲であり、この範囲内に存在する民家6に対しては、発破音に含まれる63Hzの低周波騒音の音圧レベル(騒音レベル)を効果的に低減することができる。
(第2の実施の形態)
次に、第2の実施の形態について図8を参照して説明する。
第2の実施の形態に示す騒音低減装置10Bは、民家6Aに対する低周波音の低減制御エリアを横方向に拡大可能に複数の低周波音スピーカ18を含んで構成されている点が第1の実施の形態と異なっている。
すなわち、本実施の形態は、1台の低周波音スピーカ18では、トンネル発破音の低周波音成分の低減制御エリアを確保できない、図8に示すような横方向に長い民家6Aに対してトンネル発破音の低周波音成分の低減制御エリアを横方向に拡大できるようにしたところにある。
第2の実施の形態に示す騒音低減装置10Bでは、図8に示すように、複数、例えば3個の低周波音スピーカ18A、18Bおよび18Cを民家6Aの横方向の長さに応じて水平方向に一定の間隔で並べられて配置する。この場合、各低周波音スピーカ18A、18Bおよび18Cと民家6Aとの間隔は6~10m程度である。
また、各低周波音スピーカ18A、18Bおよび18Cは、これら低周波音スピーカ18A、18Bおよび18Cを個別に制御する、第1の実施の形態に示す制御手段と同様に機能を有する制御部20A、20Bおよび20Cを備えている。
マイクロフォン12は、第1の実施の形態と同様に、トンネル発破音4の低周波音の伝播線上で各低周波音スピーカ18A、18Bおよび18Cとから3m程度離してトンネル発破音4の発生源寄りに配置され、マイクロフォン12で検出されたトンネル発破音4の低周波音に関する情報は各制御部20A、20Bおよび20Cに供給されるように構成されている。
なお、マイクロフォン12および低周波音スピーカ18A、18B、18Cは、図示省略した設置部材を用いて民家6Aに近接して地上に設置される。
本実施の形態においては、第1の実施の形態に示した場合と同様に、トンネル発破音4の発生源から民家6Aまでの距離に応じて減衰された値の音圧レベルに相当する低周波音S1´に関する情報はマイクロフォン12により検出され、制御部20A、20Bおよび20Cのそれぞれに供給される。そして、この情報に基づいて各制御部20A、20Bおよび20Cで生成されたそれぞれの制御信号により各低周波音スピーカ18A、18Bおよび18Cを駆動し、各低周波音スピーカ18A、18Bおよび18Cから民家6Aに向けて低周波音S1´と逆位相の低周波音S2を放射し、トンネル発破音4に含まれる低周波音S1´を低減する。
したがって、本第2の実施の形態によれば、横方向に拡大された制御エリアを形成することができ、横方向に長い民家6Aに対して発破音に含まれる低周波騒音の音圧を効果的に低減することができるほか、第1の実施の形態に示した場合と同様の効果が奏される。
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態について図9を参照して説明する。
第3の実施の形態に示す騒音低減装置10Cは、民家6Bに対する低周波音の低減制御エリアを上下方向に拡大可能に複数の低周波音スピーカ18を含んで構成されている点が第1の実施の形態と異なっている。
すなわち、本実施の形態は、1台の低周波音スピーカ18では、トンネル発破音の低周波音成分の低減制御エリアを確保できない、図9に示すような上下方向に長い民家6Bに対してトンネル発破音の制御エリアを上下方向に拡大できるようにしたところにある。
第3の実施の形態に示す騒音低減装置10Cでは、図9に示すように、複数、例えば3個の低周波音スピーカ18D、18Eおよび18Fを民家6Bの上下方向の長さに応じて上下方向に一定の間隔で並べられて配置する。この場合、各低周波音スピーカ18D、18Eおよび18Fと民家6Bとの間隔は6~10m程度である。
また、各低周波音スピーカ18D、18Eおよび18Fは、これら低周波音スピーカ18D、18Eおよび18Fを個別に制御する、第1の実施の形態に示す制御手段と同様に機能を有する制御部20D、20Eおよび20Fを備えている。
マイクロフォン12は、第1の実施の形態と同様に、トンネル発破音4の低周波音の伝播線上で各低周波音スピーカ18D、18Eおよび18Fとから3m程度離してトンネル発破音4の発生源寄りに配置される。
なお、マイクロフォン12および低周波音スピーカ18D、18E、18Fは、図示省略した設置部材を用いて民家6Bに近接して地上に設置される。
本実施の形態においては、第1の実施の形態に示した場合と同様に、トンネル発破音4の発生源から民家6Bまでの距離に応じて減衰された値の音圧レベルに相当する低周波音S1´に関する情報はマイクロフォン12により検出され、制御部20D、20Eおよび20Fのそれぞれに供給される。そして、この情報に基づいて各制御部20D、20Eおよび20Fで生成されたそれぞれの制御信号により各低周波音スピーカ18D、18Eおよび18Fを駆動し、各低周波音スピーカ18D、18Eおよび18Fから民家6Bに向けて低周波音S1´と逆位相の低周波音S2を放射し、トンネル発破音4に含まれる低周波音S1´を低減する。
したがって、本第3の実施の形態によれば、上下方向に拡大された制御エリアを形成することができ、上下向に長い民家6Bに対して発破音に含まれる低周波騒音の音圧を効果的に低減することができるほか、第1の実施の形態に示した場合と同様の効果が奏される。
なお、上記第2および第3の実施の形態では、3個の低周波音スピーカ18と、これら低周波音スピーカ18に共通の1個のマイクロフォン12とにより騒音低減装置を構成する場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、低周波音スピーカ18の数は民家や建物等の規模および必要とされる低周波音低減制御エリアの大きさに応じて任意に設定することができる。
また、マイクロフォン12の数は、上記第2および第3の実施の形態に示すように1個に限らず、各低周波音スピーカ18ごとに設けるようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、トンネル発破音に含まれる200Hz以下の低周波音成分を低減する場合について説明したが、本発明はこれに限らず、20~20kHzの可聴周数範囲で、必要な音を聞き取ることを妨害し、人を不快にする騒音に相当する周波数成分を低減する場合にも適用できることは勿論である。
2……トンネル
2A……坑口
4……トンネル発破音
6,6A,6B……民家
10A~10C……騒音低減装置
12……マイクロフォン(検出手段)
14……信号処理部(制御手段)
16……コントローラ(制御手段)
18,18A~18F……低周波音スピーカ
20A~20F……制御部

Claims (9)

  1. 低周波音発生源から発生する20~200Hzの低周波音が対象物に及ぼす影響を低減する方法であって、
    前記低周波音発生源から発生する低周波音の伝播線上で前記対象物に近接して配置され20~200Hzの低周波音を発生する音発生手段を有し、
    前記音発生手段から発生する前記低周波音を前記対象物に指向させ、
    前記低周波音発生源から発生する低周波音に関する情報を検出し、
    前記検出された情報に基づいて前記低周波音発生源から発生する低周波音を打ち消すに足る前記低周波音と逆位相の低周波音を前記音発生手段で生成して前記対象物に向け放射させ、
    前記低周波音発生源から発生し前記対象物に到達する低周波音は、前記対象物付近において平面波とみなせる音波であって、
    前記対象物に到達する前記低周波音と逆位相の低周波音は、球面波であって、
    前記対象物は、前記平面波の波面と前記球面波の波面とが重なり合う範囲内に存在する、
    ことを特徴とする騒音低減方法。
  2. 前記音発生手段から発生する逆位相の低周波音の音圧レベルは、前記低周波音発生源から発生する低周波音の音圧レベルが前記対象物に伝播されるまでに減衰される値に応じた音圧レベルに設定される、
    ことを特徴とする請求項1記載の騒音低減方法。
  3. 前記低周波音発生源は、トンネルの延伸工事において発破の際に生じるトンネル発破音である、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の騒音低減方法。
  4. 低周波音発生源から発生する20~200Hzの低周波音が対象物に及ぼす影響を低減する装置であって、
    前記低周波音発生源から発生する低周波音の伝播線上で前記対象物に近接して配置され、かつ前記低周波音発生源の低周波音と逆位相の低周波音を発生して前記対象物に向け放射する音発生手段と、
    前記低周波音発生源から発生する低周波音に関する情報を検出する検出手段と、
    前記検出された情報に基づいて前記低周波音発生源から前記対象物に伝播される低周波音を打ち消すに足る前記低周波音と逆位相の低周波音を前記音発生手段から発生させる制御手段と、を備え、
    前記低周波音発生源から発生し前記対象物に到達する低周波音は、前記対象物付近において平面波とみなせる音波であって、
    前記対象物に到達する前記低周波音と逆位相の低周波音は、球面波であって、
    前記対象物は、前記平面波の波面と前記球面波の波面とが重なり合う範囲内に存在する、
    ことを特徴とする騒音低減装置。
  5. 前記音発生手段から発生する逆位相の低周波音の音圧レベルは、前記低周波音発生源から発生する低周波音の音圧レベルが前記対象物に伝播されるまでに減衰される値に応じた音圧レベルに設定される、
    ことを特徴とする請求項4記載の騒音低減装置。
  6. 前記音発生手段は、前記対象物の高さに応じて上下方向に並べられて複数配置された低周波音スピーカで構成されている、
    ことを特徴とする請求項4または5記載の騒音低減装置。
  7. 前記音発生手段は、前記対象物の長さに応じて水平方向に並べられて複数配置された低周波音スピーカで構成されている、
    ことを特徴とする請求項4または5記載の騒音低減装置。
  8. 前記音発生手段は低周波音スピーカからなり、
    前記検出手段はマイクロフォンからなり、
    前記制御手段は、前記マイクロフォンで検出された情報に基づいて前記低周波音発生源から前記対象物に伝播される前記低周波音発生源から発生する低周波音と逆位相の信号を生成する信号処理部と、前記信号処理部から供給される信号に基づいて前記低周波音スピーカを駆動することにより、前記低周波音発生源から前記対象物に伝播される低周波音と逆位相の低周波音を前記低周波音スピーカから発生させるコントローラとを備え、
    前記低周波音スピーカから発生する逆位相の低周波音の音圧レベルは、前記低周波音発生源から発生する低周波音の音圧レベルが前記対象物に伝播されるまでに減衰される値に応じた音圧レベルに設定される、
    ことを特徴とする請求項4記載の騒音低減装置。
  9. 前記低周波音発生源は、トンネルの延伸工事において発破の際に生じるトンネル発破音である、
    ことを特徴とする請求項4~8の何れか1項記載の騒音低減装置。
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