JP2006072197A - 能動消音装置付き遮音壁 - Google Patents

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Nobuyuki Matsui
信行 松井
Akihiko Ebato
明彦 江波戸
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Abstract

【課題】能動消音装置付き遮音壁において、遮音壁自体を円筒状や矩形等のダクトに変えて騒音源の回折音自体の振幅・位相特性を改変し、スピーカは複数用いても、制御装置、マイクが1組で遮音壁の回折音を壁周方向に均一に確実に低減できるようにする。
【解決手段】遮音壁1の先端部や先端付近に設置した、壁円周方向に沿って同振幅・同位相の線音源特性を有する制御用線音源スピーカ2や複数個の点音源スピーカ3aをその半波長以内に1個の割合で壁円周方向に沿って離間配置してなる制御用点音源スピーカ群3と、遮音壁1の上端近くの内側に設置して騒音源Aの音圧を検出する参照マイク4と、遮音壁1の上端近くの外側に設置して回折音の音圧を検出する制御用マイク5と、参照マイク4で検出した信号によりスピーカ2または3aの振幅・位相を調整するとともに制御用マイク5で検出した信号を最小とする制御装置6から構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は遮音壁を回折する音の低減を行うための消音装置、とりわけ、遮音壁の遮音・吸音効果でも低減が困難な低周波音が支配的な場合に好適な能動消音装置に関する。
遮音壁を用いた騒音低減技術は、外見上大きく2つの方法に分けられる。すなわち、遮音壁の高さを高くすることで騒音を遮断する方法と、遮音壁の上端部に騒音低減装置を取り付け、壁の高さをあまり高くすることなく、伝達される騒音を低減して対処する方法である。
騒音低減装置を用いたものとしては、さらにその低減原理から受動的な手法を用いたものと、能動的な手法を用いたものに分けられる。受動的な手法を用いたものとしては、音の干渉を利用した分岐型遮音壁や、グラスウ−ル円筒、厚さ20μmのPVFフィルム、穴あきアルミ版、ステンレスグリルを用いて形成された吸音性円筒エッジや、音響管の形状を騒音の波長にあわせて最適設計し、音響的にソフトな面を作り出すソフトエッジなどが知られている。これらの手法では、中・高域音に効果的である。
一方、能動的な手法を用いたものとしては、音響管の管長を変化させずに、スピーカとマイクを用いてアクティブ制御で電気的にソフトな面(音圧ゼロ)を作り出すものが知られている。また、壁上端にスピーカを取り付けて音圧干渉により低減させるものであり、これらは低周波音に効果的である(例えば特許文献1、2、3、非特許文献1)。
従って、壁自体を高くせずに低域から高域まで広い周波数範囲で大きな減音効果を得るには、壁自体の遮音効果と壁上端への能動消音装置の設置の併用が望ましい。ここで、従来の遮音壁は高速道路などで見かけるように直線上に延びたものが一般的である。しかしながら、この場合、壁長手方向で壁上端から回折する音の振幅、位相はすべて同じ特性になるとは限らず、通常は壁にそって複数のスピーカ、マイクから構成する制御装置を使用することになる。例えば、制御周波数が500Hz までの場合は、その半波長の0.34mに1個の割合でシステムが必要となる。従って、広い領域で壁回折減音効果を実現するには、複数のマイク、スピーカ、制御装置を用いたシステムが必要不可欠となる。
特開2003−055918号公報 特開2001−172925号公報 特開平07−114390号公報 「音で音を消すアクティブ・ソフト・エッジ遮音壁」 三菱重工技報 Vol.39 No.2 (2002-3)
従来の直線上に延びた遮音壁では、遮音壁長手方向における回折音の振幅・位相が必ずしも同じ特性になるとは限らない。特に、本技術で対象とする騒音は低周波音とはいえ、500Hz くらいまでの広い周波数帯域を対象とすることから、壁の長さが0.5 m以上になると半波長を超え、位相が異なる方が自然である。こうした音場に対して、従来は、複数のスピーカを遮音壁長手方向に並べ、各スピーカごとに独立に振幅・位相を調整する方式をとっていた。しかし、これを実現するにはスピーカ1個につき1個の制御装置、1本の参照マイク、1本の制御用マイクが必要になり、特に、スピーカ間隔が狭いと、これに伴い、制御マイク間隔も狭くなり、結果として、隣からの音も拾うことになり、複数の制御用マイクでの音圧を同時に低減するためにはマルチチャンネル制御を導入する以外に方法がなかった。
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、遮音壁自体を円筒状あるいは矩形等のダクトに変えることで、騒音源の回折音自体の振幅・位相特性を改変し、種々の騒音源に対して遮音壁の回折音を壁周方向に均一に、かつ、確実に低減することができ、さらにスピーカは複数用いても、制御装置、参照マイク、制御用マイクが1組で済むようにすることができる能動消音装置付き遮音壁を提供することを目的とする。
本発明の請求項1の能動消音装置付き遮音壁は、付加的な複数の音源から音を放射することにより、遮音壁先端部の回折音の音響エネルギーを低減する能動消音装置機能を有した遮音壁であって、筒状(円筒形や矩形等)ダクト形状の遮音壁の先端部または先端付近(内側や外側の側面等)に設置した、壁周方向に沿って同振幅・同位相の線音源特性を有する制御用線音源スピーカ、あるいは、複数個の点音源スピーカを壁周方向に沿って離間配置してなる制御用点音源スピーカ群と、遮音壁の上端近くの内側に設置して騒音源の音圧を検出する参照マイクと、遮音壁の上端近くの外側に設置して回折音の音圧を検出する制御用マイクと、前記参照マイクで検出した信号によりスピーカの振幅・位相を調整するとともに前記制御用マイクで検出した信号を最小とする制御装置を有し、前記線音源スピーカまたは点音源スピーカ群から騒音と逆位相の音を発することで、遮音壁の回折音を低減することを特徴とする。
この第1の発明は、図1に例示した能動消音装置付き遮音壁であり、円筒形や矩形等の遮音壁の内部中心に騒音源を配置することにより遮音壁先端での回折音の振幅・位相が壁周方向でほぼ等しくなる。従って、壁周方向に沿って同振幅・同位相の線音源特性を有する制御用線音源スピーカ、あるいは、複数個の点音源スピーカを壁周方向に沿って離間配置してなる制御用点音源スピーカ群を用いることにより、壁周方向で減音効果の偏りなしに、遮音壁の回折音を確実に低減することができる。また、線音源スピーカまたは点音源スピーカ群とマイクと制御装置からなる比較的簡易な構成の能動消音装置により壁周方向で均一な回折音の低減が可能となる。
本発明の請求項2の能動消音装置付き遮音壁は、請求項1記載の能動消音装置付き遮音壁において、参照マイクと制御用マイクと制御装置を1組だけ有し、1つ制御装置で得られた振幅・位相を線音源スピーカまたは点音源スピーカ群に入力することで、単チャンネル制御でも壁周方向で均一な減音効果を保つことを特徴とする。
この第2の発明は、図2に例示した能動消音装置付き遮音壁であり、参照マイク、制御用スピーカをそれぞれ1本ずつ、振幅・位相を調整する制御装置を1つだけ設置し、線音源スピーカまたは点音源スピーカ群に対して、制御フィルタを1個だけ具備した単チャンネル制御を行う。本発明では騒音は同心円状に広がり、遮音壁自体も筒状であるため、遮音壁先端では周方向の振幅・位相がほぼ均一となって遮音壁から周囲に放射される。従って、参照マイクと制御用マイクと制御装置が1組だけの単チャンネル制御でも、遮音壁周方向全体で均一な減音効果を得ることができる。
本発明の請求項3の能動消音装置付き遮音壁は、請求項1記載の能動消音装置付き遮音壁において、点音源スピーカ群は、点音源スピーカが壁周方向に沿って点音源スピーカの半波長以内に1個の割合で離間配置され、各点音源スピーカに参照マイクと制御用マイクと制御装置を1組ずつ有し、各制御装置でそれぞれの点音源スピーカの振幅・位相を個別に調整することで、指向性のある騒音源に対しても、壁周方向で均一な減音効果を保つことを特徴とする。
この第3の発明は、図3に例示した能動消音装置付き遮音壁であり、点音源スピーカ群を用いた場合である。指向性のある騒音源では、遮音壁の壁周方向でばらつきが生じ、マイクと制御装置が1組では、壁周方向の減音効果が劣化してしまうが、スピーカ1個につき、参照マイクと制御用マイクと制御装置を1組ずつ設置し、スピーカ個別に振幅・位相を調整し、壁周方向できめこまかな制御を行うことにより、指向性のある騒音源に対しても、壁周方向で均一な減音効果を得ることができる。各スピーカは、半波長以内に1個の割合で離間配置してきめこまかな制御を行うのが好ましい。
本発明の請求項4の能動消音装置付き遮音壁は、筒状(円筒形や矩形等)ダクト形状の遮音壁の内部の中心に設置した制御用スピーカ、あるいは、その周りに複数個のスピーカをリング状に離間配置した制御用スピーカ群と、前記スピーカの下方に設置して騒音源の音圧を検出する参照マイクと、遮音壁の上端あるいはその外側に設置して回折音の音圧を検出する制御用マイクと、前記参照マイクで検出した信号によりスピーカの振幅・位相を調整するとともに前記制御用マイクで検出した信号を最小とする制御装置を有し、前記制御用スピーカから騒音と逆位相の音を発することで、遮音壁の回折音を低減することを特徴とする。
この第4の発明は、図5に例示した能動消音装置付き遮音壁であり、遮音壁の内部における騒音源の上に1つのスピーカあるいはスピーカ群を設置する。騒音源とスピーカが壁内部の中心にあり、騒音と制御音源が同心円状に放射されるため、参照マイクと制御用マイクと制御装置が1組だけの単チャンネル制御でも、遮音壁周方向全体で均一な減音効果を得ることができる。
本発明の請求項5の能動消音装置付き遮音壁は、請求項1〜4のいずれか1つに記載の能動消音装置付き遮音壁において、筒状ダクト形状の遮音壁は、鉛直方向に対して傾斜させ、あるいは、壁周方向で高さを変えることにより、壁周方向において指向性のある壁回折減音特性を有し、低減したい方向の回折減音効果を高めることを特徴とする。
この第5の発明は、図6に例示した能動消音装置付き遮音壁である。通常、壁回折減音効果は、騒音源の位置と受信位置及びその間に入る遮音壁の高さで決定され、遮音壁の傾きを変え、あるいは、上端面を水平に対して傾斜させるなどすることにより、壁周方向において指向性のある壁回折減音特性が得られ、遮音壁の形状を変えるだけで、低減したい方向の回折減音効果を高めることができる。
本発明の請求項6の能動消音装置付き遮音壁は、請求項1〜5のいずれか1つに記載の能動消音装置付き遮音壁において、筒状ダクト形状の遮音壁の上部に、遮音部材を追加することにより、回折音の放射特性を改変し、壁周方向で均一な減音効果を保つことを特徴とする。
この第6の発明は、図9に例示した能動消音装置付き遮音壁であり、遮音壁の上端に変形した筒状壁あるいはドーナツ状の平板壁等を追加する。騒音源の位置が遮音壁の中心からずれている場合、減音効果が劣化するが、遮音壁の上端に遮音部材を追加することで、騒音源の位置あるいは遮音壁自体の位置を修正せずに、回折音の放射特性を改変し、制御装置を複数個使用せずに、遮音壁周方向で均一な減音効果を保つことができる。
(1) スピーカとマイクと制御装置を有する能動消音装置を備えた遮音壁において、遮音壁自体を円筒状あるいは矩形等のダクトに変えることで、遮音壁先端での回折音の振幅・位相が壁周方向でほぼ等しくすることができ、線音源スピーカまたは点音源スピーカ群とマイクと制御装置からなる比較的簡易な構成の能動消音装置により遮音壁の回折音を壁周方向に均一に、かつ、確実に低減することができる。
(2) 参照マイクと制御用マイクと制御装置を1組だけ設置し、1つ制御装置で得られた振幅・位相を線音源スピーカまたは点音源スピーカ群に入力することで、単チャンネル制御でも壁周方向で均一な減音効果を保つことができ、コストの大幅な低減を図ることができる。
(3) 点音源スピーカ群を用いた場合、スピーカ1個につき、参照マイクと制御用マイクと制御装置を1組ずつ設置することにより、壁周方向できめこまかな制御を行うことができ、指向性のある騒音源に対しても、壁周方向で均一な減音効果を得ることができる。
(4) 筒状ダクト形状の遮音壁の内部の中心に設置した制御用スピーカ、あるいは、その周りに複数個のスピーカをリング状に離間配置した制御用スピーカ群を用いることにより、参照マイクと制御用マイクと制御装置が1組だけの単チャンネル制御でも、遮音壁周方向全体で均一な減音効果を得ることができ、コストの大幅な低減を図ることができる。
(5) 筒状ダクト形状の遮音壁を、鉛直方向に対して傾斜させ、あるいは、壁周方向で高さを変えることにより、形状を変えるだけの簡単な方法で、低減したい方向の回折減音効果を高めることができる。
(6) 筒状ダクト形状の遮音壁の上部に、遮音部材を追加することで、騒音源の位置あるいは遮音壁自体の位置を修正せずに、回折音の放射特性を改変し、制御装置を複数個使用せずに、遮音壁周方向で均一な減音効果を保つことができる。
以下、本発明を図示する実施の形態に基づいて説明する。図1〜図9は、本発明の能動消音装置付き遮音壁の種々の実施の形態を示したものである。
<第1の発明の実施の形態>
本発明の基本構成である第1の発明の実施の形態の能動消音装置付き遮音壁の構成を図1に示す。遮音壁1は、例えば円筒状のダクト形状であり、能動消音装置は、遮音壁1の先端部または先端付近(例えば内外側面)に設置した、壁円周方向に沿って同振幅・同位相の線音源特性を有する制御用線音源スピーカ2、あるいは、複数個の点音源スピーカ3aをその半波長以内に1個の割合で壁円周方向に沿って離間配置してなる制御用点音源スピーカ群3と、遮音壁1の上端近くの内側に設置して騒音源Aの音圧を検出する参照マイク4と、遮音壁1の上端近くの外側に設置して回折音の音圧を検出する制御用マイク5と、前記参照マイク4で検出した信号によりスピーカ2または3aの振幅・位相を調整するとともに前記制御用マイク5で検出した信号を最小とする制御装置6から構成されている。
制御装置6では、参照マイク4で検出した騒音の大きさに対応した大きさの音圧で逆位相の音を作成してスピーカ2または3aに出力すると共に、制御用マイク5で検出した音が最小となるようスピーカ2または3aからの音を制御し、遮音壁1の先端部から回り込んでくる騒音すなわち回折音を低減する。
そして、騒音源Aは遮音壁1の内部中心に位置するように円筒状の遮音壁1で覆うことにより、遮音壁1の上端での回折音の振幅・位相は壁円周方向でほぼ等しくなる。従って、壁円周方向で振幅・位相が一定の放射特性を実現する線音源スピーカ2、あるいは、スピーカを離間配置した点音源スピーカ群3を用いることで、壁円周方向で減音効果の偏りなしに、遮音壁1の回折音を低減することができる。
遮音壁1は円筒状に限らず、矩形等のダクト形状でもよく、同様に回折音を低減することができる。以下の実施の形態も同様である。
<第2の発明の実施の形態>
第1の発明の実施の形態を具体的に実現させるための第2の発明の実施の形態の能動消音装置付き遮音壁の構成を図2示す。参照マイク4、制御用マイク5をそれぞれ1本ずつ、振幅・位相を調整する制御装置6を1つだけ設置する。1本の参照マイク4で検出した音圧を参照信号とし制御装置6に入力する。そして、壁外部の制御用マイク5で検出した回折音の信号を最小とするように制御装置6でフィードバック制御を行なうと、制御用マイク5近傍の壁上端にたまった回折エネルギーも低減し、制御用マイク5位置だけでなく、そのマイク位置周囲Bで減音効果が得られる。
通常の直線上に延びた壁では、減音領域を拡大するために壁に沿ってスピーカ、制御用マイクを複数配列するが、本発明では騒音源Aは同心円状に広がり、壁自体も円筒形であることから壁上端では壁円周方向の振幅・位相がほぼ均一となって壁から周囲に放射される。従って、前記1本の参照マイク4と1本の制御用マイク5と1つの制御装置6を使って算出された振幅・位相を、線音源スピーカ2、もしくは、離間配置した複数のスピーカ3aに転用することで、単チャンネル制御でも壁周方向全体Cで均一な減音効果を保つことが可能となる。
<第3の発明の実施の形態>
第3の発明の実施の形態の能動消音装置付き遮音壁の構成を図3に示す。壁円周方向に離間配置するスピーカ3aを用いた能動消音装置に関しては、スピーカ3a、1 個につき、その近傍の壁内側に設置した参照マイク4、その近傍の壁外側に設置した制御用マイク5、制御装置6を1 組ずつ有し、スピーカ個別に振幅・位相を調整する。
騒音源Aが図4に示すように仮に壁内部の中心に置かれていても指向性のある騒音源Aでは、壁周囲方向でばらつきが生じ、前記第3の発明の実施の形態ではマイクと制御装置を1組用いるため、壁円周方向の減音効果が劣化してしまう。しかし、この第3の発明の実施の形態では、壁円周方向に沿って各スピーカ3aから振幅・位相を独立に調整することができるため、壁円周方向で均一な減音効果を保つことが可能となる。
<第4の発明の実施の形態>
第4の発明の実施の形態の能動消音装置付き遮音壁の構成を図5に示す。円筒あるいは矩形等のダクト形状の遮音壁1の内部の中心に設置された1個の制御用スピーカ12、あるいは、その周りに、複数個のスピーカ13aをリング状に離間配置した制御用スピーカ群13と、前記スピーカ12または13aの下方に設置して騒音源の音圧を検出する参照マイク14と、遮音壁の上端あるいはその外側に設置して回折音の音圧を検出する制御用マイク15と、前記参照マイク14で検出した信号によりスピーカの振幅・位相を調整するとともに前記制御用マイク15で検出した信号を最小とする制御装置16とから能動消音装置が構成される。
騒音源Aと同様に制御音源すなわちスピーカ12、13も中心にあることから同心円状に放射する。従って、1本の参照マイク14で検出した参照信号を使って1つの制御装置16で算出した振幅・位相を制御用スピーカ12あるいは制御用スピーカ群13に与えることで、単チャンネル制御でも壁円周方向で均一な減音効果を保つことが可能となる。
<第5の発明の実施の形態>
第5の発明の実施の形態の能動消音装置付き遮音壁の構成を図6に示す。円筒あるいは矩形等のダクト形状の遮音壁を鉛直方向に対して傾斜させ、上端面が水平の側面視で平行四辺形の遮音壁20とする。あるいは、鉛直の遮音壁の高さを壁周方向で変えることにより、円筒の場合、上端面の形状が円ではなく楕円の遮音壁21とする。
通常、壁回折減音効果は図7(a) に示すように、騒音源Aの位置と受音位置D及びその間に入る壁1の高さで決定される。騒音源Aから受音位置Dまでの直線距離をL(m),騒音源Aから壁上端までの長さa(m)、壁上端から受音位置Dまでの長さb(m)とすると、Δr=L−(a+b)(m)が長いほど、壁による減音効果は向上するとされている。従って、図7(b) に示すように、遮音壁21の場合、壁の高さが円周方向で異なることから、減音効果も異なることになる。従って、壁の形状を遮音壁20や21のように工夫することで、低減したい方向の回折減音効果を高めることができる。このような形状の遮音壁に第1〜第4の発明の能動消音装置を設置する。
<第6の発明の実施の形態>
第6の発明の発明の実施の形態の能動消音装置付き遮音壁の構成を図9に示す。第1〜第5の発明の能動消音装置付き遮音壁において、図8に示すように、騒音源Aの位置が遮音壁1の中心からずれている場合についての対策案である。図9に示すように、筒状ダクト形状の遮音壁1(あるいは遮音壁20や21)の上端に、遮音部材、例えば変形した側面視で直角三角形等の円筒壁30またはドーナツ状の平板壁31を追加することで、騒音源Aの位置、あるいは遮音壁1自体の位置を修正せずに、回折音の放射特性を改変することができる。これにより、マイクや制御装置を複数個使用せずにも、壁周方向で均一な減音効果を保つことができる。このような後付け対策が可能となる遮音壁である。
以上のような構成の能動消音装置付き遮音壁は、ニューマチックケーソンのマテリアルロックの消音、建設現場等の外構フェンスにおける消音、その他の筒状遮音壁に適用することができる。図10は、マテリアルロックに適用した場合の例であり、マテリアルロック50の上部に筒状遮音壁として防音筒51を設け、この防音筒51に、例えばスピーカ2あるいはスピーカ群3と参照マイク4と制御用マイク5と制御装置6からなる能動消音装置を設置し、ワイヤロープ挿通孔52からの漏気音を低減する。
本発明の第1の実施の形態の能動消音装置付き遮音壁であり、(a)は鉛直断面図、(b)、(c)、(d)は平面図、(e)、(f)は斜視図である。 本発明の第2の実施の形態の能動消音装置付き遮音壁であり、(a)は鉛直断面図、(b)、(c)は平面図である。 本発明の第3の実施の形態の能動消音装置付き遮音壁であり、(a)は鉛直断面図、(b)は平面図である。 指向性音源の放射形態を説明する説明図であり、(a)は鉛直断面図、(b)は平面図である。 本発明の第4の実施の形態の能動消音装置付き遮音壁であり、(a)、(c)は鉛直断面図、(b)、(d)は平面図である。 本発明の第5の実施の形態の遮音壁であり、(a)、(b)は鉛直断面図、(c)は斜視図である。 遮音壁による回折減音効果を表す説明図であり、(a)、(b)共に鉛直断面図である。 騒音源が偏心している場合の放射形態を示す鉛直断面図である。 本発明の第6の実施の形態の遮音壁であり、(a)、(c)は鉛直断面図、(b)、(d)は斜視図である。 本発明の能動消音装置付き遮音壁をニューマチックケーソンのマテリアルロックに適用した例であり、(a)は斜視図、(b)は鉛直断面図、(c)は部分拡大した鉛直断面図である。
符号の説明
1……筒状ダクト形状の遮音壁
2……制御用線音源スピーカ
3……制御用点音源スピーカ群
3a…点音源スピーカ
4……参照マイク
5……制御用マイク
6……制御装置
12……制御用スピーカ
13……制御用スピーカ群
13a…スピーカ
14……参照マイク
15……制御用マイク
16……制御装置
20……指向性を有する遮音壁
21……指向性を有する遮音壁
30……変形円筒壁
31……ドーナッツ状の平板壁
A……騒音源
B……マイク位置周囲
C……壁周方向全体
D……受音位置

Claims (6)

  1. 筒状ダクト形状の遮音壁の先端部または先端付近に設置した、壁周方向に沿って同振幅・同位相の線音源特性を有する制御用線音源スピーカ、あるいは、複数個の点音源スピーカを壁周方向に沿って離間配置してなる制御用点音源スピーカ群と、遮音壁の上端近くの内側に設置して騒音源の音圧を検出する参照マイクと、遮音壁の上端近くの外側に設置して回折音の音圧を検出する制御用マイクと、前記参照マイクで検出した信号によりスピーカの振幅・位相を調整するとともに前記制御用マイクで検出した信号を最小とする制御装置を有し、前記線音源スピーカまたは点音源スピーカ群から騒音と逆位相の音を発することで、遮音壁の回折音を低減することを特徴とする能動消音装置付き遮音壁。
  2. 請求項1記載の能動消音装置付き遮音壁において、参照マイクと制御用マイクと制御装置を1組だけ有し、1つ制御装置で得られた振幅・位相を線音源スピーカまたは点音源スピーカ群に入力することで、単チャンネル制御でも壁周方向で均一な減音効果を保つことを特徴とする能動消音装置付き遮音壁。
  3. 請求項1記載の能動消音装置付き遮音壁において、点音源スピーカ群は、点音源スピーカが壁周方向に沿って点音源スピーカの半波長以内に1個の割合で離間配置され、各点音源スピーカに参照マイクと制御用マイクと制御装置を1組ずつ有し、各制御装置でそれぞれの点音源スピーカの振幅・位相を個別に調整することで、指向性のある騒音源に対しても、壁周方向で均一な減音効果を保つことを特徴とする能動消音装置付き遮音壁。
  4. 筒状ダクト形状の遮音壁の内部の中心に設置した制御用スピーカ、あるいは、その周りに複数個のスピーカをリング状に離間配置した制御用スピーカ群と、前記スピーカの下方に設置して騒音源の音圧を検出する参照マイクと、遮音壁の上端あるいはその外側に設置して回折音の音圧を検出する制御用マイクと、前記参照マイクで検出した信号によりスピーカの振幅・位相を調整するとともに前記制御用マイクで検出した信号を最小とする制御装置を有し、前記制御用スピーカから騒音と逆位相の音を発することで、遮音壁の回折音を低減することを特徴とする能動消音装置付き遮音壁。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の能動消音装置付き遮音壁において、筒状ダクト形状の遮音壁は、鉛直方向に対して傾斜させ、あるいは、壁周方向で高さを変えることにより、壁周方向において指向性のある壁回折減音特性を有し、低減したい方向の回折減音効果を高めることを特徴とする能動消音装置付き遮音壁。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の能動消音装置付き遮音壁において、筒状ダクト形状の遮音壁の上部に、遮音部材を追加することにより、回折音の放射特性を改変し、壁周方向で均一な減音効果を保つことを特徴とする能動消音装置付き遮音壁。
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