JP2006096985A - 微粒子、微粒子の製造方法、微粒子分散液およびそれを用いた画像表示媒体、装置 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は以上の知見に基づくものである。
(2)「マクロマーをさらに構成要素として含むことを特徴とする前記第(1)項に記載の微粒子」;
(3)「前記マクロマーが下記一般式(II)に示されるシリコーンマクロマーであることを特徴とする前記第(2)項に記載の微粒子」;
(4)「少なくとも上記一般式(I)に示されるモノマーを含むモノマーを重合することにより得られる微粒子の製造方法」;
(5)「前記モノマーを可溶化する溶媒中で重合を行ない、該溶媒に不溶な重合体である粒子を析出させることを特徴とする前記第(4)項に記載の微粒子の製造方法」;
(6)「前記溶媒が非極性有機溶媒であることを特徴とする前記第(4)項又は第(5)項に記載の微粒子の製造方法」;
(7)「前記モノマーにさらに少なくともマクロマーを含むことを特徴とする前記第(4)項乃至第(6)項のいずれかに記載の微粒子の製造方法」;
(8)「マクロマーが前記一般式(II)に示されるシリコーンマクロマーであることを特徴とする前記第(7)項に記載の微粒子の製造方法」;
(9)「少なくとも前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載の微粒子を含む微粒子を非極性溶媒に分散させたことを特徴とする微粒子分散液」;
(10)「所望の間隔を設けて配設された少なくとも一方が光透過性である二つの基板間に、少なくとも前記第(9)項に記載の粒子分散液を含有してなり、前記二基板間に電圧を印加することによる該粒子の電気泳動により表示動作を行なうことを特徴とする画像表示媒体」;
(11)「前記第(10)項に記載の画像表示媒体を構成要素に有することを特徴とする画像表示装置」によって解決される。
ここで、「一般式(I)に示される化合物を構成要素とする物質を含む」は、該化合物(モノマー)を含む場合と、その重合体を含む場合と、その両方(混合物)を含む場合とを意味し、重合体を含む場合は、該一般式(I)に示される化合物由来の構造部分を有する材料を含むことを意味しているが、便宜上、纏めてこのように表言する。該化合物(モノマー)を含むものとしては、例えば、ポリスチレン微粒子のようなポリマー微粒子に含浸させて微粒子の屈折率を上げるもの、また、特性を損ねない範囲で添加される酸化チタンなどのさらに白色度の高い顔料などが挙げられる。また、本発明における微粒子の好ましい粒径としては50nmから10μmで、白色の電気泳動粒子として特に好ましいのは200nmから1μm(それ以下では光散乱能が低下して白から透明に変化、それ以上では電気泳動速度、あるいは分散媒中での分散安定性が低下)である。さらに、該微粒子中での化合物(I)(モノマー)の好ましい量比は、使用態様や微粒子の光学的性質にもよるが、通常10重量%〜100重量%(ポリビニルナフタレン単独微粒子でもよい)である。
前記第(2)項の発明によれば、微粒子がマクロマーを構成要素として含むので、マクロマー部位と相溶性が高い分散媒中で安定に分散する微粒子が得られるという優れた効果が発揮される。
前記第(3)項の発明によれば、マクロマーが上記一般式(II)に示されるシリコーンマクロマーであるので、特に非極性有機溶媒に安定して分散する微粒子が得られるという優れた効果が発揮される。
前記第(4)項の発明によれば、少なくとも上記一般式(I)に示されるモノマーを含むモノマーを重合することにより粒子を得るので、粒形が小さく散乱強度が高い微粒子を得ることができるという優れた効果が発揮される。
前記第(5)項の発明によれば、モノマーを可溶化する溶媒中で重合を行い、該溶媒に不溶な重合体である粒子を析出させることにより、さらに粒径のばらつきが少なく散乱強度も高い微粒子を得ることができるという優れた効果が発揮される。
前記第(6)項の発明によれば、重合を行なう溶媒が非極性有機溶媒であるので、非極性有機溶媒中で安定に分散する微粒子を得ることができるという優れた効果が発揮される。
前記第(7)項の発明によれば、モノマーにさらに少なくともマクロマーを含むので、マクロマー部位と溶媒との相溶性により、さらに溶媒中で安定に分散する微粒子を得ることができるという優れた効果が発揮される。
前記第(8)項の発明によれば、マクロマーが上記一般式(II)に示されるシリコーンマクロマーであることにより、シリコーン部位と非極性有機溶媒の相溶性により、非極性有機溶媒中でさらに安定に分散する微粒子を得ることができるという優れた効果が発揮される。一般式(II)の「シリコーンマクロマー」の分子量には特に制限はないが、通常、分子量として500から50000程度であり、例えば、x=3で、分子量が1000、5000、10000のものが実際に製品として市販されており、いずれも良好に使用可能である。
前記第(9)項の発明によれば、前記第(1)項乃至第(3)項における微粒子を含む微粒子を非極性溶媒に分散させることにより、粒子の光散乱強度が高く非極性溶媒中での分散安定性も高いので、電気泳動表示に好適な粒子分散液が得られるという優れた効果が発揮される。
前記第(10)項と第(11)項の発明によれば、少なくとも前記第(9)項の粒子分散液を含有してなるので、白色反射率が高く表示メモリー性に優れた画像表示媒体および画像表示装置を提供することができるという優れた効果が発揮される。
この一般式を有する化合物はナフタレン骨格に起因する高い屈折率とビニル基に起因する重合反応性を有する。すなわち一般式(I)を含むモノマーから得られる重合体は高い屈折率を有する固体となりうる。一般式(I)に示される化合物の例としては1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレンなどが挙げられる。また、ナフタレン環に結合する任意の水素原子は屈折率や重合反応時の析出速度を制御する目的で炭素数1〜12のアルキル基及び/又はハロゲン基の単数又は複数によって置換されていても良い。
非極性有機溶媒としてはペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン等のパラフィン系炭化水素、イソヘキサン、イソオクタン、イソドデカン等のイソパラフィン系炭化水素、流動パラフィン等のアルキルナフテン系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン、ソルベントナフサ等の芳香族炭化水素、ジメチルシリコーンオイル、フェニルメチルシリコーンオイル、ジアルキルシリコーンオイル、アルキルフェニルシリコーンオイル、環状ポリジアルキルシロキサン又は環状ポリアルキルフェニルシロキサン等のシリコーンオイルが挙げられる。
図1において、(1)および(2)は導電層で少なくとも一方は光透過性である。
導電層としてはAl、Ag、Ni、Cu等の金属やITO、SnO2、ZnO:Al等の透明導電体をスパッタリング法、真空蒸着法、CVD法、塗布法等で薄膜状に形成したもの、あるいは導電剤を溶媒あるいは合成樹脂バインダに混合して塗布したものが用いられる。
導電剤としてはポリメチルベンジルトリメチルクロライド、ポリアリルポリメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性高分子電解質、ポリスチレンスルホン酸塩、ポリアクリル酸塩等のアニオン性高分子電解質や電子伝導性の酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウム微粉末等が用いられる。導電層は自体が自己保持機能を有する程度に厚い場合もあるし、図示しない自己保持機能を有する基体上に導電層が設けられている場合もあり、いずれの場合も好適に使用できる。
また、導電層(1)、(2)は、異方導電性を示す層であってもよいし、厚さ方向に導電性部分が貫通したパターン状ないしマルチドット状のセグメントを有する層であってもよい。いずれにおいても導電層(1)、(2)の一部に電源電極をコンタクトすれば導電層(1)、(2)の間に電界を生じさせることが可能となるので、白色ないし着色粒子は確実に移動できる。表示を行なうには導電層(1)、(2)間の電圧印加手段を用意すればよいので、簡便である。
マイクロカプセルの作製方法としては、コアセルベーション法、相分離法など公知の方法が使用でき特に限定されない。
(4)は白色粒子である。白色粒子としては前記本発明の1乃至3の実施の形態における微粒子が挙げられる。粒子分散液における固形分の重量割合は、所望の濃度の色が得られるように適宜設定されるが、0.1〜25重量%程度が適当である。これら各成分を非極性溶媒中に加え混合分散することにより粒子分散液を得る。この場合、分散手段としてホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、アトライター等公知の分散手段を用いてもよい。
着色分散媒には分散粒子の分散性を制御するために分散剤などが必要に応じて添加されることもある。使用される染料の例としては、上記分散媒に可溶な油溶性染料が挙げられ、Colour IndexにおいてSolvent dyeに分類される染料が好適に使用される。これらの染料にはアゾ系、アントラキノン系、フタロシアニン系、トリアリルメタン系の各色の染料が存在する。これら油性染料は、例えば、スピリットブラック(SB、SSBB、AB)、ニグロシンベース(SA、SAP、SAPL、EE、EEL、EX、EXBP、EB)、オイルイエロー(105、107、129、3G、GGS)、オイルオレンジ(201、PS、PR)、ファーストオレンジ、オイルレッド(5B、RR、OG)、オイルスカーレット、オイルピンク312、オイルバイオレット#730、マクロレックスブルーRR、スミプラストグリーンG、オイルブラウン(GR、416)、スーダンブラックX60、オイルグリーン(502、BG)、オイルブルー(613、2N、BOS)、オイルブラック(HBB、860、BS)、バリファーストイエロー(1101、1105、3108、4120)、バリファーストオレンジ(3209、3210)、バリファーストレッド(1306、1355、2303、3304、3306、3320)、バリファーストピンク2310N、バリファーストブラウン(2402、3405)、バリファーストブルー(3405、1501、1603、1605、1607、2606、2610)、バリファーストバイオレット(1701、1702)、ヴァリファーストブラック(1802、1807、3804、3810、3820、3830)が代表的なものとして挙げられるが、本発明の目的に反しない限り、ここに記載された染料以外の油性染料又は油溶性染料であっても構わない。
図2において、(4A)、(4B)は白色ないし着色粒子であり、(4A)、(4B)の色および帯電極性はそれぞれ異なる。
図2において、(7)は分散媒であり、無色透明であることが白色ないし着色粒子(4A)、(4B)の色の違いに基づく画像のコントラストに悪影響を与えないので好ましい。分散媒(7)には分散粒子の分散性を制御するために分散剤などが必要に応じて添加されることもある。粒子分散液を構成する白色粒子の例としては、前記白色粒子が挙げられる。着色粒子の例としては、公知の白色以外の電気泳動粒子が挙げられる。
図2において(1)および(2)は導電層で少なくとも一方は光透過性である。導電層としては前記の材料が使用できる。導電層(1)、(2)の一部に電源電極をコンタクトすれば導電層(1)、(2)の間に電界を生じさせることが可能となり、2種の粒子(4A)、(4B)は確実にかつそれぞれ逆方向に移動できる。表示を行なうには導電層(1)、(2)間の電圧印加手段を用意すればよいので、簡便である。
図3に示されるように、本発明の画像表示装置(10)は画像表示媒体(11)を備え、そして、図示しない駆動回路、演算回路、内部メモリ、電源等を備えている。表示媒体における電極は、ドットマトリックスを形成し、指定のドットをON表示することにより、全体として画像を表示する。図3において、(12)は筺体であり、また、(13)は情報入力手段である。
(微粒子の作製)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた反応容器にイソパラフィン系炭化水素(エクソン化学 Isopar G)100部に2−ビニルナフタレン(新日鐵化学)10部、シリコーンマクロマー(チッソ サイラプレーンFM0721)1部、アゾビスイソブチロニトリル(和光純薬)0.1部を溶解し、200rpmで攪拌しながら70℃に加熱した。この温度で24時間撹拌し反応を終了したところ、白色微粒子が得られた。
水290部に尿素10部、レソルシノール1部、エチレン−無水マレイン酸共重合体10部を溶解したものを水酸化ナトリウム水溶液でpHを3.5に調整した。別にイソパラフィン系炭化水素溶媒(エクソン化学 Isopar H)の染料(バイエル マクロレックスブルーRR)飽和溶液30部に上記微粒子6部およびオクタン酸酸化ジルコニウム0.03部を加え超音波分散したものを粒子分散液として調製し、この分散液を上記水溶液に加え、さらにホルムアルデヒド溶液25部を加えて50℃で3時間加熱撹拌した。反応終了後吸引ろ過と水洗、乾燥によりマイクロカプセルを回収した。
上記で得られたマイクロカプセルを紫外線硬化エポキシ樹脂(商品名:スリーボンド 3121)中に分散させ、ITO電極付きガラス基板上にワイヤーバーで塗布した。次にもう一枚のITO電極で電極間が100μmになるように塗布膜を挟み、その後紫外線を照射し硬化させた。
上部ITO電極に−100Vを印加すると、白色微粒子は速やかに上部電極側に電着し、上部基板面から見ると白色に見えた。次に上部電極に+100Vを印加すると、白色微粒子は下部電極側に移動し、上部基板側から見ると染料の色に起因する着色状態が鮮明に見られた。また白色表示時の白色反射率(白色入射光量に対する反射光量の割合)は35%であり、この白色状態を電圧印加しない状態で1日放置したところ白色反射率にほとんど変化はなかった。
(画像表示媒体の作製と動作)
白色泳動粒子として酸化チタンを使用した以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し電圧を印加させて表示切替を行なったところ、白色表示時の白色反射率は初め38%であったが、1日放置したところ20%まで低下した。
(微粒子の作製)
反応溶媒としてシリコーンオイル(信越化学 KF96L−1cs)100部を使用した以外は実施例1と同様に微粒子を合成したところ、実施例1と同様に白色微粒子が得られた。
また、黒色粒子としてカーボンブラック(三菱化学 MA100)10部とポリエチレン90部を加熱により溶融混練し微粉砕したものを準備した。
上記白色微粒子6部と黒色粒子1部をシリコーンオイル30部に加えて超音波分散したものを粒子分散液として調製した以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製した。
この画像表示媒体の上部ITO電極に−100Vを印加すると、白色微粒子は速やかに上部電極側に電着し、一方黒色粒子は下部電極側に移動し、上部基板面から見ると白色に見えた。次に上部電極に+100Vを印加すると、白色微粒子は下部電極側に移動し、一方黒色粒子は上部電極側に移動し、上部基板側から見ると黒色に見えた。また白色表示時の白色反射率は40%であり、この白色状態を電圧印加しない状態で1日放置したところ白色反射率にほとんど変化はなかった。
(画像表示媒体の作製と動作)
白色泳動粒子として酸化チタンを使用した以外は実施例1と同様に画像表示媒体を作製し電圧を印加させて表示切替を行なったところ、白色表示時の白色反射率は初め42%であったが、1日放置したところ25%まで低下した。
2 導電層
3 マイクロカプセル
4、4A、4B 白色ないし着色粒子
5 着色分散媒
6 接着支持層
7 分散媒
10 画像表示装置
11 画像表示媒体
12 筺体
13 情報入力手段
Claims (11)
- マクロマーをさらに構成要素として含むことを特徴とする請求項1に記載の微粒子。
- 少なくとも一般式(I)に示されるモノマーを含むモノマーを重合することにより得られる微粒子の製造方法。
- 前記モノマーを可溶化する溶媒中で重合を行ない、該溶媒に不溶な重合体である粒子を析出させることを特徴とする請求項4に記載の微粒子の製造方法。
- 前記溶媒が非極性有機溶媒であることを特徴とする請求項4又は5に記載の微粒子の製造方法。
- 前記モノマーにさらに少なくともマクロマーを含むことを特徴とする請求項4乃至6のいずれかに記載の微粒子の製造方法。
- マクロマーが一般式(II)に示されるシリコーンマクロマーであることを特徴とする請求項7に記載の微粒子の製造方法。
- 少なくとも請求項1乃至3のいずれかに記載の微粒子を含む微粒子を非極性溶媒に分散させたことを特徴とする微粒子分散液。
- 所望の間隔を設けて配設された少なくとも一方が光透過性である二つの基板間に、少なくとも請求項9に記載の粒子分散液を含有してなり、前記二基板間に電圧を印加することによる該粒子の電気泳動により表示動作を行なうことを特徴とする画像表示媒体。
- 請求項10に記載の画像表示媒体を構成要素に有することを特徴とする画像表示装置。
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