JP2006096978A - キレート化合物含有組成物及びその洗浄剤用用途 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アルカリ性化合物とキレート化合物を含有する高濃度キレート化合物含有組成物であって、該キレート化合物は、下記一般式(1);
【化1】
(式中、X1〜X4は、同一若しくは異なって、水素原子、アルカリ金属原子又はアンモニウム基を表す。)で表される化合物を必須成分とし、該キレート化合物の含有量は、1〜90質量%であり、該アルカリ性化合物の含有量は、10〜85質量%であるキレート化合物含有組成物、及び、上記キレート化合物含有組成物の洗浄剤用用途。
【選択図】 なし
Description
このような組成物に含有されるキレート化合物は、高濃度のアルカリ水溶液に高濃度で溶解すると、沈殿したり、水溶液が層状になったりすることから、溶解性が向上されたキレート化合物とし、洗浄力やガラス腐食性においても向上された安定な組成物とする工夫の余地があった。
以下に本発明を詳述する。
上記キレート化合物としては、キレート化合物含有組成物を100質量%する場合に、1〜90質量%であることが好ましい。上記濃度が1質量%未満であると、輸送や保存において充分には有利なものとできなかったり、洗浄剤として用いる場合に、洗浄力が充分には向上しないこととなる。下限値として好ましくは、1質量%であり、より好ましくは、2質量%であり、更に好ましくは、15質量%であり、特に好ましくは、20質量%であり、最も好ましくは、25質量%である。また、90質量%を超えると、組成物としての安定性を充分には向上できないこととなる。上記キレート化合物の含有量の範囲としては、15〜90質量%であることがより好ましい。
上記キレート化合物は、上記一般式(1)で表される化合物を必須成分とするものである。上記X1〜X4において、アルカリ金属原子としては,例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等が好適である。上記X1〜X4としては、ナトリウム又はカリウムであることが好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物のアスパラギン酸骨格部分とは、一般式(1)中の下記一般式(3);
またアスパラギン酸骨格部分におけるL体、D体とは、一般式(3)で表される構造中の不斉炭素原子における立体配置がS配置、R配置である化合物であり、S配置の場合はL体、R配置の場合はD体となる。
上記調製方法において、原料におけるアスパラギン酸及び/又はその塩と、エポキシコハク酸との比率や、反応温度等の反応条件としては特に限定されるものではない。また、エポキシコハク酸としては、シス体、トランス体の両立体異性体を用いることができ、両者の中でもシス体を用いることが好ましい。水性媒体とは、水又は水と水に溶解する溶媒との混合物であり、水;水とメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、アセトニトリル等との混合溶媒が好適であるが、これらの中でも、水を用いることが好ましい。
上記アルカリ金属原子としては、上述したものを好適に用いることができ、アルカリ土類金属原子としては、例えば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等を挙げることができ、有機アンモニウム基(有機アミ
ン基)としては、例えば、モノエチルアミン基、ジエチルアミン基、トリエチルアミン基等のアルキルアミン基;モノエタノールアミン基、ジエタノールアミン基、トリエタノールアミン基等のアルカノールアミン基;エチレンジアミン基、トリエチレンジアミン基等のポリアミン基等を挙げることができる。
上記キレート化合物においては、その他のキレート化合物を本発明のキレート化合物含有組成物の効果を阻害しない範囲で加えてもよい。
上記キレート化合物含有組成物が液体状である場合、アルカリ性化合物の濃度が10〜45質量%のいずれの濃度においてもキレート化合物濃度が1〜50質量%である形態であることが好ましい。これにより高濃度アルカリにおいても組成物としての安定性を維持することができ、かつ輸送や保存において有利なものとできるだけでなく、例えば洗浄剤として用いる場合においては洗浄力が向上され、ガラスに対する低腐食性を発揮できるものとなる。すなわち、上記キレート化合物含有組成物は、水溶液であり、上記キレート化合物の含有量は、1〜50質量%であり、上記アルカリ性化合物の含有量は、10〜45質量%であるキレート化合物含有組成物もまた、本発明の好ましい形態の一つである。
上記キレート化合物含有組成物が安定化されているとは、40℃において1カ月間放置した場合に、沈殿物が実質的に生じていない状態である。
上記アルカリ性化合物濃度としては、キレート化合物含有組成物を100質量%とする場合に10質量%未満であると、輸送や保存において充分には有利なものとならないこととなる。下限値として好ましくは、15質量%であり、より好ましくは、20質量%である。また、45質量%を超えると、組成物の安定性を充分に向上できないこととなる。上限値として好ましくは、40質量%であり、より好ましくは35質量%である。
上記キレート化合物及びアルカリ性化合物としては、上述と同様である。
このように、水酸化ナトリウムとキレート化合物を含有する安定化された高濃度キレート化合物含有組成物であって、上記組成物は、水溶液であり、上記キレート化合物は、上記一般式(1)で表される化合物を必須成分とし、上記キレート化合物の含有量は、15〜50質量%であり、上記水酸化ナトリウムの含有量は、10〜45質量%であるキレート化合物含有組成物もまた、本発明の好ましい形態の一つである。
上記キレート化合物含有組成物を洗浄剤として用いる場合においては、用途に応じて、そのまま使用されてもよいし、目的に応じて希釈剤等で適当な濃度に希釈して使用されてもよく、各種食品製造機器類(食品や飲料用の設備、食品工場のタンクや配管等)、ビール瓶、牛乳瓶等の各種瓶類等の洗浄用途や自動食器洗浄機用途等に好適に用いることができる。このような用途においては、アルカリ洗浄液を噴霧する方法で洗浄がなされ、従来では、この際、洗浄剤による微量の珪酸分の溶出によりガラスや陶器の表面に不溶性の珪酸スケールが発生して、白色の汚れが付着し曇りや光沢低下を引き起こすことになる。本発明のキレート化合物含有組成物やその希釈液を用いると、EDTA溶液(エチレンジアミン四酢酸溶液)に比べてガラス腐食性が低いので、このような白色の汚れの付着による曇りや光沢低下を抑制する作用効果を発揮することができる。
このように、本発明のキレート化合物含有組成物は、洗浄用に好適に用いることができるものであり、アルカリ性化合物とキレート化合物を含有する高濃度キレート化合物含有洗浄用組成物であって、上記キレート化合物は、上記一般式(1)で表される化合物を必須成分とし、上記キレート化合物の含有量は、15〜90質量%であり、上記アルカリ性化合物の含有量は、10〜85質量%であるキレート化合物含有洗浄用組成物もまた、本発明の好ましい形態の一つである。
上記無機ビルダーとしては、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸カリウム等が好適であり、分散剤としては、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸−マレイン酸コポリマーのナトリウム塩等の高分子カルボン酸塩等が好適であり、界面活性剤としては、アルキルサルフェート塩、α−スルホ脂肪酸塩、石鹸、アルコールエトキシレート、アルキルポリグルコシド等の高起泡性界面活性剤やエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのコポリマー等の低泡性ノニオン界面活性剤が好適であり、消泡剤としては、シリコーン系消泡剤、脂肪酸系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤等が好適であり、スケール生成防止剤としては、ヘキサメタリン酸やそのアルカリ金属塩等が好適であり、造粒剤としては、硫酸ナトリウムや非晶質シリカ等が好適であり、増量剤としては、硫酸ナトリウムや硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が好適である。
また、家庭用又は業務用の自動食器洗浄機による洗浄、化学・機械工業における金属表面洗浄、金属清浄、精密洗浄等に用いることもできる。
表1に示すアルカリ性化合物及び3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸四ナトリウム塩(HIDS・4Na)、イオン交換水を表1に示す濃度となるように混合してキレート化合物含有組成物を得た。得られたキレート化合物含有組成物の40℃における1ヶ月間の溶液の変化を表1に示した。
表1に示すアルカリ性化合物を用い、HIDS・4Naをエチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩(EDTA・4Na)又はニトリロ三酢酸三ナトリウム塩(NTA・3Na)として、表1のように混合してキレート化合物含有組成物を得た。得られたキレート化合物含有組成物の40℃における1ヶ月間の溶液の変化を表1に示した。
キレート化合物、NaOH及びイオン交換水を混合して表2に示す濃度になるように試験液を調整した。キレート化合物は、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウム塩(HIDS・4Na)、エチレンジアミン四酢酸4ナトリウム(EDTA・4Na)、ニトリロ三酢酸3ナトリウム(NTA・3Na)から選択して使用した。試験液に試験片としてスライドガラスを吊り下げ、40℃で2週間浸漬した。浸漬後の試験片はイオン交換水で洗浄したのち質量および面積を計測し、(式1)に従って腐食度(mg/cm2/day)を算出した。
キレート化合物、NaOH及びイオン交換水を混合して表3に示す濃度になるように試験液を調製した以外は実施例7及び比較例8〜10と同じ試験を行った。
キレート化合物、NaOH及びイオン交換水を混合して表3に示す濃度になるように試験液を調整した。キレート化合物は、3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸4ナトリウム塩(HIDS・4Na)、エチレンジアミン四酢酸4ナトリウム(EDTA・4Na)、ニトリロ三酢酸3ナトリウム(NTA・3Na)から選択して使用した。試験液に試験片としてスライドガラスを吊り下げ、100℃で3日間浸漬した。浸漬後の試験片はイオン交換水で洗浄したのち質量および面積を計測し、(式1)に従って腐食度(mg/cm2/day)を算出した。
水不溶性カルシウム塩を0.6%、キレート化合物を0.2%、NaOHを3%、残部をイオン交換水として試験液を調製した。水不溶性カルシウム塩としては、酒石酸カルシウムおよびシュウ酸カルシウム、キレート化合物としては、HIDS・4NaおよびEDTA・4Naから表4に示すように選択して使用した。試験液を80℃で1時間攪拌したのち、溶解したCa2+をICP発光分析法により定量してカルシウム塩重量に換算したのち、(式2)に従ってカルシウム塩溶解能を算出した。
カルシウム塩溶解能(%)=(溶解したカルシウム塩の質量/仕込みカルシウム塩の質量)×100 (式2)
Claims (6)
- 前記キレート化合物の含有量は、15〜90質量%である
ことを特徴とする請求項1記載のキレート化合物含有組成物。 - 前記キレート化合物含有組成物は、水溶液であり、
前記キレート化合物の含有量は、1〜50質量%であり、
前記アルカリ性化合物の含有量は、10〜45質量%である
ことを特徴とする請求項1記載のキレート化合物含有組成物。 - 前記キレート化合物の含有量は、15〜50質量%である
ことを特徴とする請求項3記載のキレート化合物含有組成物。 - 請求項1、2、3、4又は5記載のキレート化合物含有組成物の洗浄剤用用途。
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