JP2006096776A - アクリル樹脂組成物 - Google Patents

アクリル樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2006096776A
JP2006096776A JP2004261960A JP2004261960A JP2006096776A JP 2006096776 A JP2006096776 A JP 2006096776A JP 2004261960 A JP2004261960 A JP 2004261960A JP 2004261960 A JP2004261960 A JP 2004261960A JP 2006096776 A JP2006096776 A JP 2006096776A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylic resin
monomer
parts
structural unit
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004261960A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4507774B2 (ja
Inventor
Akira Kawamura
晃 河村
Ryu Takeatsu
流 竹厚
Satoshi Iwata
智 岩田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP2004261960A priority Critical patent/JP4507774B2/ja
Publication of JP2006096776A publication Critical patent/JP2006096776A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4507774B2 publication Critical patent/JP4507774B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】 光学フィルムの伸縮等により生じる応力集中に対して耐性を持ち、光学積層体の白抜けや色ムラを抑制するとともに、光学積層体における光学フィルムと粘着剤層との間の浮き、剥れや、粘着剤層内での発泡を一層抑制し得る、粘着剤に好適なアクリル樹脂系物質を提供する。
【解決手段】 下記アクリル樹脂(1)及び(2)を含有するアクリル樹脂組成物
(1):下記構造単位(a)、(b)及び(c)を含有し、(1)100重量部に対し、
構造単位(c)を0.05〜5重量部含有するアクリル樹脂。
(2):構造単位(a)を主成分とする直鎖状アクリル樹脂。
(a):(メタ)アクリル酸エステル
(b):分子内に1つのオレフィン性二重結合と、分子内に少なくとも1つの5員環以上 の複素環基とを含有する単量体
(c):分子内に少なくとも2つのオレフィン性二重結合を含有する単量体
【選択図】 なし

Description

本発明は、アクリル樹脂組成物、該樹脂組成物からなる粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体に関する。
TFT、STNなどの液晶表示装置に一般に用いられている液晶セルは、液晶成分が二枚のガラス基材間に挟持された構造を有している。そして、該ガラス基材の表面には、アクリル樹脂を主成分とする粘着剤を介して、偏光フィルム、位相差フィルムなどの光学フィルムが積層されている。そして、ガラス基板、粘着剤及び光学フィルムを順次積層してなる光学積層体は、まず、光学フィルムに粘着剤を積層して得られる粘着剤付光学フィルムを製造し、続いて、粘着剤の面にガラス基材を積層する方法が、一般に用いられている。
このような粘着剤付光学フィルムは、熱または湿熱条件下では伸縮による寸法変化が大きいためカール等を生じ易く、得られる光学積層体の粘着剤層内で発泡したり、粘着剤層とガラス基材との間の浮き、剥れ等が発生するという問題があった。さらに、熱または湿熱条件下では粘着剤付光学フィルムに作用する残留応力の分布が不均一となり、光学積層体の外周部に応力集中が生じる結果、TN液晶セル(TFT)では白抜け、STN液晶セルでは色ムラが起こるという問題があった。かかる問題を解消するために、粘着剤として、分子内に複素環を有するモノマーの一種であるN−ビニルピロリドンに由来する構造単位を有するアクリル樹脂を主成分とする粘着剤(特許文献1)が提案されている。
特開平5−107410号公報[実施例1〜4]
しかしながら、本発明者らが検討したところ、N−ビニルピロリドンに由来する構造単位を含有するアクリル樹脂を主成分とする粘着剤を用いた光学積層体を高湿度下で保存すると、該光学積層体に白抜けが生じることが明らかになった。
本発明の目的は、光学フィルムの伸縮等により生じる応力集中に対して耐性を持ち、光学積層体の白抜けや色ムラを抑制するとともに、光学積層体における光学フィルムと粘着剤層との間の浮き、剥れや、粘着剤層内での発泡を一層抑制し得る、粘着剤に好適なアクリル樹脂系物質;該アクリル樹脂系物質を含有する粘着剤;該粘着剤と光学フィルムとからなる粘着剤付光学フィルム、該粘着剤付光学フィルムの粘着剤層を介して光学フィルムとガラス基板とが積層してなる光学積層体を提供することである。
このような状況下、本発明者らは鋭意検討した結果、特定のアクリル樹脂組成物を粘着剤として用いると、かかる課題を解決し得るとともに、該粘着剤付き光学フィルムを貼り直すために光学積層体から該フィルムを剥離した後でも、粘着剤層と接していたガラス基材の表面に、曇りや糊残り等がほとんど発生しない、いわゆる、リワーク性に優れていることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記アクリル樹脂(1)及び(2)を含有するアクリル樹脂組成物;該アクリル樹脂組成物と、架橋剤及び/又はシラン系化合物とを配合してなる粘着剤;光学フィルムの両面または片面に該粘着剤を積層してなる粘着剤付光学フィルム;該粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材を積層してなる光学積層体である。
アクリル樹脂(1):単量体(a)に由来する構造単位(構造単位(a))、単量体(b)に由来する構造単位(構造単位(b))及び単量体(c)に由来する構造単位(構造単位(c))を含有し、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、構造単位(c)を0.05〜5重量部含有するアクリル樹脂。
アクリル樹脂(2):構造単位(a)を主成分とする直鎖状アクリル樹脂。
(a):下記式(A)で表される(メタ)アクリル酸エステル
Figure 2006096776
(式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜14のアルキル基またはアラルキル基を表す。Rのアルキル基の水素原子またはアラルキル基の水素原子は炭素数1〜10のアルコキシ基によって置換されていてもよい。)
(b):分子内に1つのオレフィン性二重結合と、分子内に少なくとも1つの5員環以上 の複素環基とを含有する単量体
(c):分子内に少なくとも2つのオレフィン性二重結合を含有する単量体
アクリル樹脂(1)がさらに、下記単量体(d)に由来する構造単位を含有するアクリル樹脂であるアクリル樹脂組成物についても、粘着剤として前記アクリル樹脂組成物と同等程度の優れた特性を与えることを見出した。
(d):(a)〜(c)とは異なる単量体であって、分子内に1つのオレフィン性二重結 合と、少なくとも1つの脂環式構造を含有する単量体。
本発明のアクリル樹脂組成物は、柔軟性に優れ、光学フィルムなどに優れた密着性を有する。また、該アクリル樹脂組成物と架橋剤及び/又はシラン系化合物とを配合してなるものは粘着剤として好適である。光学フィルムと該粘着剤とを積層した粘着剤付光学フィルムは、例えば液晶セルのガラス基板に積層すると、本発明の光学積層体を与える。かかる光学積層体は、湿熱条件下、光学フィルムおよびガラス基板の寸法変化に起因する応力を粘着剤層が吸収・緩和するため、局部的な応力集中が軽減され、ガラス基板に対する粘着剤層の浮剥れが抑制される。また、不均一な応力分布に起因する光学的欠陥が防止されることから、ガラス基板がTN液晶セル(TFT)である場合、白ヌケが抑制され、ガラス基板がSTN液晶セルである場合、色ムラが抑制される。さらに、リワーク性に優れることから、一度積層した粘着剤付光学フィルムを光学積層体のガラス基板から剥離しても、剥離後のガラス基板の表面に糊残りや曇りが抑制され、再び、ガラス基板として用いることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のアクリル樹脂(1)及び(2)に用いられる単量体(a)は、下記式(A)で表される(メタ)アクリル酸エステルである。
Figure 2006096776
式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜14のアルキル基またはアラルキル基を表す。Rのアルキル基の水素原子またはアラルキル基の水素原子は炭素数1〜10のアルコキシ基によって置換されていてもよい。
炭素数1〜14のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
炭素数1〜14のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基、トリチル基などが挙げられる。
の置換基であってもよい炭素数1〜10のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。
単量体(a)としては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n-ブチルアクリレート、iso-ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、iso-オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシエチルアクリレート及びエトキシメチルアクリレートなどのアクリル酸エステル;メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n-ブチルメタクリレート、iso-ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n-オクチルメタクリレート、iso-オクチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート及びエトキシメチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル等を挙げることができる。
単量体(a)として、異なる2種類以上の単量体(a)を用いてもよい。
本発明のアクリル樹脂(1)における、単量体(a)に由来する構造単位(構造単位(a))の含有量としては、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、通常、15〜99.85重量部程度であり、好ましくは70〜95重量部程度である。また、アクリル樹脂(2)における、単量体(a)に由来する構造単位(構造単位(a))の含有量としては、アクリル樹脂(2)100重量部に対し、通常、65〜100重量部程度である。
単量体(b)に由来する構造単位(構造単位(b))は、アクリル樹脂(1)の必須成分であり、アクリル樹脂(2)には任意成分として含有されていてもよい。
ここで、単量体(b)は、分子内に1つのオレフィン性二重結合と、分子内に少なくとも1つの5員環以上の複素環基とを含有する単量体である。
少なくとも1つの5員環以上の複素環基とは、炭素数5以上、好ましくは炭素数5〜7の脂環式炭化水素基内の少なくとも1つのメチレン基が窒素原子、酸素原子又は硫黄原子などのヘテロ原子で置換されている基をいう。
単量体(b)の具体例としては、アクリロイルモルホリン、ビニルカプロラクタム、N−ビニル−2−ピロリドン、テトラハイドロフルフリルアクリレート、テトラハイドロフルフリルメタクリレート、カプロラクトン変性テトラハイドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。また、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレートなどのように、ヘテロ原子が3員環及び7員環を構成している単量体は、7員環の複素環基を持つことから単量体(b)である。さらに、2,5−ジヒドロフランなどのように、オレフィン性二重結合が複素環基に含まれていてもよい。単量体(b)として、異なる2種類以上の単量体(b)を用いてもよい。
単量体(b)としては、中でも、N−ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン又はこれらの混合物が好適である。
本発明のアクリル樹脂(1)に含有される単量体(b)に由来する構造単位(構造単位(b))の含有量としては、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、通常、0.1〜30重量部程度であり、好ましくは0.1〜20重量部程度である。構造単位(b)の含有量が0.1重量部以上であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましく、30重量部以下であるとガラス基板と粘着剤層との浮き剥れが抑制される傾向にあることから好ましい。
本発明のアクリル樹脂(1)に用いられる単量体(c)とは、分子内にオレフィン性二重結合を少なくとも2つ含有する単量体である。この単量体(c)の存在により、アクリル樹脂(1)の構造単位(a)及び(b)などから構成される主鎖が架橋されることになる。単量体(c)の具体例としては、分子内にオレフィン性二重結合を2つ含有する単量体(2官能性モノマー)としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレート類、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミドなどのビス(メタ)アクリルアミド類、アジピン酸ジビニル、セバシン酸ジビニルなどのジビニルエステル類、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼンなどが挙げられる。また、分子内にオレフィン性二重結合を3つ含有する単量体(3官能性ビニルモノマー)としては、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−S−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルアミン、N,N−ジアリルアクリルアミドなどが挙げられ、分子内にオレフィン性二重結合を4つ含有する単量体(4官能性ビニルモノマー)としては、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、テトラアリルピロメリテート、N,N,N’,N’−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン、テトラアリルアンモニウム塩などが挙げられる。単量体(c)として、異なる2種類以上の単量体(c)を用いてもよい。
単量体(c)の中でも、下記式(B)で表される(メタ)アクリロイル基を分子内に2つ有する単量体が好ましい。
Figure 2006096776
(式中Rは水素原子またはメチル基を表す。)
アクリル樹脂(1)における単量体(c)に由来する構造単位の含有量([c−1])としては、アクリル樹脂(1)を構成するすべての構造単位100重量部に対し0.05〜5重量部であり、好ましくは0.1〜3重量部程度である。[c−1]が0.05重量部以上であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましく、5重量部以下であると、アクリル樹脂を製造する際のゲルの生成が抑制される傾向にあることから好ましい。
本発明に用いられるアクリル樹脂(2)は、構造単位(a)を主成分とする直鎖状アクリル樹脂である。具体的なアクリル樹脂(2)とは、実質的に構造単位(c)を含有しないアクリル樹脂であり、具体的なアクリル樹脂(2)としては、例えば、必須成分として構造単位(a)を含有し、該アクリル樹脂(1)に含有される構造単位(c)の含有量(重量)の5分の1以下の構造単位(c)を任意成分として含有するアクリル樹脂などが挙げられる。該アクリル樹脂を換言すれば、アクリル樹脂(2)における構造単位(c)の含有量([c−2])と、アクリル樹脂組成物として同時に用いられるアクリル樹脂(1)における構造単位(c)の含有量([c−1])が、下記式で表されることを意味する。
[c−2]/[c−1]≦1/5
とりわけ、アクリル樹脂(2)を構成する全ての構造単位100重量部に対し、アクリル樹脂(2)における構造単位(c)の含有量が0.02重量部以下、好ましくは0.01重量部以下であることが好ましい。アクリル樹脂(2)が直鎖状アクリル樹脂であることにより、本発明のアクリル樹脂組成物を含有する粘着剤層とガラス基板との間の浮き剥れが抑制される傾向にあることから好ましい。
本発明のアクリル樹脂(1)には、さらに、単量体(d)に由来する構造単位(構造単位(d))を含有していてもよい。ここで、単量体(d)は、単量体(a)〜(c)とは異なる単量体であって、分子内に1つのオレフィン性二重結合と、少なくとも1つの脂環式構造を含有する単量体である。該脂環式構造とは、通常、炭素数5以上、好ましくは炭素数5〜7程度のシクロパラフィン構造又はシクロオレフィン構造であり、シクロオレフィン構造では、脂環式構造の中にオレフィン性二重結合を含有する。具体的には、脂環式構造を有するアクリル酸エステルとして、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸シクロドデシル、メチルシクロヘキシルアクリレート、トリメチルシクロヘキシルアクリレート、アクリル酸tert-ブチルシクロヘキシル、シクロヘキシルαエトキシアクリレート、シクロヘキシルフェニルアクリレート等が挙げられ、脂環式構造を有するメタクリル酸エステルとしては、例えば、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジシクロペンタニル、メタクリル酸シクロドデシル、メチルシクロヘキシルメタクリレート、トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸tert-ブチルシクロヘキシル、シクロヘキシルアルフαエトキシメタクリレート、シクロヘキシルフェニルメタクリレート等が挙げられる。また、脂環式構造を複数含有するアクリレートとして、ビスシクロヘキシルメチルイタコネート、ジシクロオクチルイタコネート、ジシクロドデシルメチルサクシネート等が挙げられ、ビニル基を含有するビニルシクロヘキシルアセテート等も単量体(d)である。
単量体(d)としては、異なる2種以上の単量体(d)を組み合わせて使用してもよい。
アクリル樹脂(1)に単量体(d)を用いる場合、アクリル樹脂(1)に含有される構造単位(d)の含有量としては、通常、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、0.1〜30重量部程度であり、好ましくは1〜15重量部程度である。構造単位(d)の含有量が0.1重量部以上であると、ガラス基板と粘着剤層との浮き剥れが抑制される傾向にあることから好ましく、30重量部以下であると光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
単量体(d)としては、中でも、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ジシクロペンタニルは、入手が容易なことから好ましい。
本発明に用いられるアクリル樹脂(1)及び/又は(2)には、単量体(a)〜(d)とは異なる単量体であって、分子内に1つのオレフィン性二重結合を含有し、かつ、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、アミド基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基、イソシアネート基などの極性官能基を含有する単量体(e)に由来する構造単位(構造単位(e))を有することが推奨される。特に、アクリル樹脂(2)が構造単位(e)を含有することが好ましい。構造単位(e)を有することにより、本発明のアクリル樹脂組成物が、後述する架橋剤と極性官能基として架橋することから好ましい。
単量体(e)の具体例としては、極性官能基がカルボキシル基である単量体(e)として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられ、極性官能基が水酸基である単量体(e)として、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ−ト、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、極性官能基がアミド基である単量体(e)としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジアセトンジアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられ、極性官能基がエポキシ基である単量体(e)としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等が挙げられ、極性官能基がオキセタニル基である単量体(e)として、例えば、オキセタニル(メタ)アクリレート、3−オキセタニルメチル(メタ)アクリレート、(3−メチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、(3−エチル−3−オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。さらに、極性官能基がアミノ基である単量体(e)としては、例えば、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、アリルアミン等が挙げられ、極性官能基がイソシアネート基である単量体(e)としては、例えば、2−メタクリロイロキシエチルイソシアネート等が挙げられ、極性官能基がアルデヒド基である単量体(e)としては、例えば、アクリルアルデヒド等が挙げられる。これら単量体(e)としては、異なる2種以上の単量体(e)を組み合わせて使用してもよい。
単量体(e)としては、中でも、極性官能基が水酸基である単量体(e)及び極性官能基がカルボキシル基である単量体(e)が好ましく、とりわけ、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ−トが好適である。
アクリル樹脂(1)に構造単位(e)を含有する場合、アクリル樹脂(1)における構造単位(e)の含有量としては、通常、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、0〜20重量部程度である。構造単位(e)の含有量が20重量部以下であるとガラス基板と粘着剤層との間の浮き剥れが抑制される傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂(2)に構造単位(e)を含有する場合、アクリル樹脂(2)における構造単位(e)の含有量としては、通常、アクリル樹脂100重量部に対し、0.05〜20重量部程度であり、好ましくは0.1〜15重量部程度である。構造単位(e)の含有量が0.05重量部以上であると、得られる樹脂の凝集力が向上する傾向にあることから好ましく、20重量部以下であると、ガラス基板と粘着剤層との浮き、剥れが抑制される傾向にあることから好ましい。
本発明に用いられるアクリル樹脂(1)及び/又は(2)を製造する際には、単量体(a)〜(e)のいずれとも異なるビニル系単量体(f)とともに重合させてもよい。該ビニル系単量体としては、例えば、脂肪酸ビニルエステル、ハロゲン化ビニル、ハロゲン化ビニリデン、芳香族ビニル、(メタ)アクリロニトリル、共役ジエン化合物などが挙げられる。
ここで、脂肪酸ビニルエステルとしては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、絡酸ビニル、2−エチルヘキサン酸ビニル、ラウリン酸ビニルなどが挙げられる。ハロゲン化ビニルとしては、塩化ビニルおよび臭化ビニル等が例示され、ハロゲン化ビニリデンとしては、塩化ビニリデン等が例示され、(メタ)アクリロニトリルとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが例示される。共役ジエン化合物とは、分子内に共役二重結合を有するオレフィンであり、具体例としては、イソプレン、ブタジエン、クロロプレンなどが挙げられる。芳香族ビニルとは、ビニル基と芳香族基を有する化合物であり、具体例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、ジエチルスチレン、トリエチルスチレン、プロピルスチレン、ブチルスチレン、ヘキシルスチレン、ヘプチルスチレン、オクチルスチレン、フロロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ヨードスチレン、ニトロスチレン、アセチルスチレンおよびメトキシスチレンなどのスチレン系単量体、ビニルピリジン、ビニルカルバゾールなどの含窒素芳香族ビニルなどが挙げられる。これらビニル系単量体(f)としては、異なる2種以上の単量体(f)を組み合わせて使用してもよい。
アクリル樹脂(1)に含有される単量体(f)に由来する構造単位(f)は、通常、アクリル樹脂(1)を構成する全ての構造単位100重量部に対し、5重量部以下、好ましくは0.05重量部以下、とりわけ好ましくは、実質的に含有しないことが好ましい。アクリル樹脂(2)に含有される構造単位(f)は、通常、アクリル樹脂(2)を構成する全ての構造単位100重量部に対し、5重量部以下、好ましくは0.05重量部以下、とりわけ好ましくは、実質的に含有しないことが好ましい。
本発明のアクリル樹脂(1)は、構造単位(a)、(b)及び(c)を含有する樹脂であり、アクリル樹脂(2)は構造単位(a)を主成分とする直鎖状アクリル樹脂である。
アクリル樹脂(1)及び(2)の製造方法としては、例えば、溶液重合法、乳化重合法、塊状重合法、懸濁重合法などが挙げられる。アクリル樹脂の製造において、通常、重合開始剤が用いられる。重合開始剤はアクリル樹脂の製造に用いられる全ての単量体の合計100重量部に対して0.001〜5重量部程度使用される。
重合開始剤としては、熱重合開始剤や光重合開始剤などが例示され、光重合開始剤としては、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトンなどが挙げられる。熱重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル)、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチルプロピオニトリル)などのアゾ系化合物;ラウリルパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、tert−ブチルパーオキシピバレート、(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシドなどの有機過酸化物;過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素など無機過酸化物等が挙げられる。また、熱重合開始剤と還元剤を併用したレドックス系開始剤なども重合開始剤として使用し得る。
アクリル樹脂の製造方法としては、中でも、溶液重合法が好ましい。溶液重合法の具体例としては、所望の単量体及び有機溶媒を混合し、窒素雰囲気下にて、熱重合開始剤を添加して、40〜90℃程度、好ましくは60〜80℃程度にて3〜10時間程度攪拌する方法などが挙げられる。また、反応を制御するために、用いる単量体や熱重合開始剤を重合中に添加したり、有機溶媒に溶解したのち添加してもよい。ここで、有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の脂肪族アルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類などが挙げられる。
かくして得られたアクリル樹脂(1)を酢酸エチルで不揮発分30%に希釈した溶液の粘度(25℃)としては、通常、10Pa・s以下であり、好ましくは、5Pa・s以下である。アクリル樹脂の粘度が10Pa・s以下であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。アクリル樹脂(1)の分子量としては、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の光散乱法による重量平均分子量が、通常、5×10以上、好ましくは1×10以上である。重量平均分子量が5×10以上であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着剤層との間の浮き剥がれが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂(2)の分子量としては、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)の光散乱法による重量平均分子量が、通常、1×10以上であり、好ましくは2×10〜1×10である。重量平均分子量が1×10以上であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着剤層との間の浮き剥がれが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。重量平均分子量が1×10以下であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
本発明のアクリル樹脂は、かくして得られたアクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)を含有する樹脂組成物であり、その製造方法としては、通常、アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)を別々に製造後、混合するが、アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)のいずれかを製造後、製造されたアクリル樹脂存在下に異なるアクリル樹脂を製造してもよい。また、アクリル樹脂(1)及び(2)を混合した後、有機溶媒で希釈してもよい。
アクリル樹脂組成物における重量比率(不揮発分)としては、アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)の合計100重量部に対し、アクリル樹脂(1)が、通常5重量部以上、好ましくは10〜50重量部程度である。アクリル樹脂(1)が5重量部以上であると、光学フィルムの寸法が変化しても、その寸法変化に粘着剤層が追随して変動するので、液晶セルの周縁部の明るさと中心部の明るさとの間に差がなくなり、白抜け、色ムラが抑制される傾向にあることから好ましい。
アクリル樹脂組成物を酢酸エチルで不揮発分20%に調整した溶液(25℃)の粘度は、10Pa・s以下、好ましくは0.1〜7Pa・sであることが好ましい。該粘度が10Pa・s以下であると、高温高湿下での接着性が向上し、ガラス基板と粘着剤層との間の浮き剥がれが低下する傾向があり、しかもリワーク性が向上する傾向にあることから好ましい。
本発明のアクリル樹脂組成物は、例えば、粘着剤、接着剤、塗料、増粘剤等にそのまま使用してもよい。また、該アクリル樹脂組成物に架橋剤及び/又はシラン系化合物を配合してなる組成物は粘着剤として好適である。ここで、架橋剤とは、極性官能基と架橋し得る官能基を分子内に2個以上有するものであり、具体的にはイソシアネート系化合物、エポキシ系化合物、金属キレート系化合物およびアジリジン系化合物などが例示される。
ここで、イソシアネート系化合物とは、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどが挙げられる。また、前記イソシアネート化合物にグリセロール、トリメチロールプロパンなどポリオールとを反応せしめたアダクト体やイソシアネート化合物を2、3量体等にしたものについても本発明の架橋剤である。
エポキシ系化合物としては、例えば、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂、エチレングリコールグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N',N'-テトラグリシジル-m-キシレンジアミンおよび1,3-ビス(N,N'-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
金属キレート化合物としては、例えば、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロムおよびジルコニウムなどの多価金属に、アセチルアセトンやアセト酢酸エチルが配位した化合物などが挙げられる。
アジリジン系化合物としては、例えば、N,N'-ジフェニルメタン-4,4'-ビス(1-アジリジンカルボキサイド)、N,N'-トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキサミド)、トリエチレンメラミン、ビスイソフタロイル-1-(2-メチルアジリジン)、トリ-1-アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N'-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキサイド)、トリメチロールプロパン-トリ-β-アジリジニルプロピオネートおよびテトラメチロールメタン-トリ-β-アジリジニルプロピオネートなどが挙げられる。
本発明の粘着剤における架橋剤として、2種類以上の架橋剤を使用してもよい。粘着剤における架橋剤(不揮発分)の使用量としては、アクリル樹脂100重量部(不揮発分)に対して、通常、0.005〜5重量部程度であり、好ましくは0.01〜3重量部程度である。架橋剤の量が0.005重量以上であると、ガラス基板と粘着剤層との間の浮剥れ及びリワーク性が向上する傾向にあることから好ましく、5重量部以下であると、光学フィルムの寸法変化に対して粘着剤層の追随性が優れることから、白抜け、色ムラが低下する傾向にあり、好ましい。
本発明の粘着剤に用いられるシラン系化合物としては、通常、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。本発明の粘着剤に、2種類以上のシラン系化合物を使用してもよい。
粘着剤におけるシラン系化合物の使用量(溶液)としては、アクリル樹脂組成物100重量部(不揮発分)に対して、通常、0.0001〜10重量部程度であり、好ましくは0.01〜5重量部の量で使用される。シラン系化合物の量が0.0001重量部以上であると粘着剤層とガラス基板との密着性が向上することから、好ましい。またシラン系化合物の量が10重量部以下であると、粘着剤層からシラン系化合物がブリードアウトすることを抑制する傾向にあることから、好ましい。
本発明の粘着剤は、上記のようにアクリル樹脂組成物、架橋剤及び/又はシラン系化合物からなり、好ましくは、アクリル樹脂組成物、架橋剤及びシラン系化合物を含有する。粘着剤には、架橋触媒、耐候安定剤、タッキファイヤー、可塑剤、軟化剤、染料、顔料、および無機フィラー等を配合させてもよい。
中でも、粘着剤に架橋触媒と架橋剤とを配合すると、粘着剤付光学フィルムを短時間の熟成で調製することができ、該フィルムを含む光学積層体は、光学フィルムと粘着剤層と間の浮き、剥れや、粘着剤層内での発泡を抑制し、しかもリワーク性に優れる場合がある。
架橋触媒としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、トリエチレンジアミン、ポリアミノ樹脂およびメラミン樹脂などのアミン系化合物などが挙げられる。粘着剤に架橋触媒としてアミン化合物を用いる場合、架橋剤としてはイソシアネート系化合物が好適である。
本発明の粘着剤付光学フィルムに用いられる光学フィルムとは、光学特性を有するフィルムであり、例えば、偏光フィルム、位相差フィルムなどが挙げられる。偏光フィルムとは、自然光などの入射光に対して、偏光を出射する機能を持つ光学フィルムである。偏光フィルムとしては、光学軸に対して平行である振動面の直線偏光を吸収し、垂直面である振動面を有する直線偏光を透過する性質を有する直線偏光フィルム、光学軸に対して平行である振動面の直線偏光を反射する偏光分離フィルム、偏光フィルムと後述する位相差フィルムを積層した楕円偏光フィルムなどが挙げられる。偏光フィルムの具体例としては、一軸延伸されたポリビニルアルコールフィルムにヨウ素、二色性染料などの二色性色素が吸着配向されているものなどが挙げられる。
位相差フィルムとは、一軸または二軸などの光学異方性を有する光学フィルムであって、例えば、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアリレート、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリビニリデンフルオライド/ポリメチルメタアクリレート、液晶ポリエステル、アセチルセルロース、環状ポリオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、ポリ塩化ビニルなどからなる高分子フィルムを1.01〜6倍程度に延伸することにより得られる延伸フィルムなどが挙げられる。中でも、ポリカーボネートあるいはポリビニルアルコールを一軸延伸、二軸延伸した高分子フィルムが好ましい。
位相差フィルムとしては、一軸性位相差フィルム、広視野角位相差フィルム、低光弾性率位相差フィルム、温度補償型位相差フィルム、LCフィルム(棒状液晶ねじれ配向)、WVフィルム(円盤状液晶傾斜配向)、NHフィルム(棒状液晶傾斜配向)、VACフィルム(完全二軸配向型位相差フィルム)、newVACフィルム(二軸配向型位相差フィルム)などが挙げられる。
さらに、これら光学フィルムに保護フィルムをさらに貼着しているものも光学フィルムとして本発明の粘着剤に積層してもよい。保護フィルムとしては、例えば、本発明のアクリル樹脂とは異なるアクリル樹脂フィルム、三酢酸セルロースフィルム等のアセチルセルロース系フィルム、ポリエステル樹脂フィルム、オレフィン樹脂フィルム、ポリカーボネート樹脂フィルム、ポリエーテルエーテルケトン樹脂フィルム、ポリスルホン樹脂フィルム等が挙げられる。保護フィルムには、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、ニッケル錯塩系化合物等の紫外線吸収剤を配合されていてもよい。保護フィルムの中でも、アセチルセルロース系フィルムが好適である。
本発明の光学積層体とは、粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基板を積層してなるものである。ここで、ガラス基板としては、例えば、液晶セルのガラス基板、防眩用ガラス、サングラス用ガラスなどが挙げられる。中でも、液晶セルの上部のガラス基板に粘着剤付光学フィルム(上板偏光板)を積層し、液晶セルの下部のガラス基板に別の粘着剤付光学フィルム(下板偏光板)を積層してなる光学積層体は液晶表示装置として使用し得ることから好ましい。ガラス基板の材料としては、例えば、ソーダライムガラス、低アルカリガラス、無アルカリガラスなどが挙げられる。
粘着剤付光学フィルム及び光学積層体の製造方法としては、例えば、剥離フィルムの上に粘着剤を積層し、得られた粘着剤層にさらに光学フィルムを積層したのち、剥離フィルムを剥離して粘着剤付光学フィルムを得、続いて、剥離された粘着剤層とガラス基板の面とを積層して光学積層体を製造する方法;光学フィルムの上に粘着剤を積層し、剥離フィルムを貼り合わせて保護して粘着剤付光学フィルムを製造し、ガラス基板の面と積層する際に、該粘着剤付光学フィルムから剥離フィルムを剥離し、剥離された粘着剤層とガラス基板の面とを積層して光学積層体を製造する方法などが挙げられる。ここで、剥離フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート等の各種樹脂からなるフィルムを基材とし、この基材の粘着剤層との接合面に、離型処理(シリコーン処理等)が施されたものなどが挙げられる。
さらに、本発明の光学積層体から粘着剤付き光学フィルムを剥離した後でも、粘着剤層と接していたガラス基材の表面に、曇りや糊残り等がほとんど発生しないことから、剥離されたガラス基板に再び、粘着剤付き光学フィルムを貼り直すことが容易である。いわゆる、リワーク性に優れている。
以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、実施例中「部」、「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。また不揮発分は、JIS K-5407に準じた測定方法で行った。具体的には粘着剤溶液を任意の重量、シャーレにとり防爆オーブンにて115℃、2時間乾燥させた後の残留不揮発分重量を最初に測りとった溶液の重量に対して割合で表したものである。粘度は、25℃でブルックフィールド粘度計により測定した値である。GPCの光散乱法による重量平均分子量測定は、検出器として光散乱光度計(Wyatt Technology 社製 DAWN EOS)と示差屈折計を備え、カラム 東ソー(株)製 TSKgel G−5000HXL ×2本 + TSKgel G−6000HXL ×2本を備えたGPC装置を用い、カラム温度40℃、流速1ml/minの条件で、溶出液としてテトラヒドロフランを用いた。ポリスチレン換算によるよる重量平均分子量の測定は、同じGPCの条件で試料と標準ポリスチレンを測定し、保持容量から分子量を換算して求めた。
<アクリル樹脂の製造例>
(重合例1)
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、酢酸エチル222部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としたあと、内温を70℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNという)0.65部を酢酸エチル12.5部に溶かした溶液を全量添加したあと、内温を69〜71℃に保ちながら、単量体(a)としてアクリル酸ブチル93.9部、単量体(b)としてN−ビニル−2−ピロリドン4.3部及び単量体(c)としてトリプロピレングリコールジアクリレート1.8部の混合溶液を3時間かけて反応系内に滴下した。その後、内温69〜71℃で5時間保温し、反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は212mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約4260000、ポリスチレン換算の重量平均分子量482000であった。
(重合例2)
単量体(a)としてアクリル酸ブチル85.1部及び単量体(b)としてN−ビニル−2−ピロリドン13.1部を用いる以外は、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。
得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は235mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約2510000、ポリスチレン換算の重量平均分子量314000であった。
(重合例3)
単量体(a)としてアクリル酸ブチル92.8部及び単量体(b)としてアクリロイルモルホリン5.4部を用いる以外は、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は172mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約2740000、ポリスチレン換算の重量平均分子量442000であった。
(重合例4)
単量体(a)としてアクリル酸ブチル92.3部、単量体(b)としてテトラヒドロフルフリルアクリレート6部及び単量体(c)としてトリプロピレングリコールジアクリレート1.7部を用いる以外は、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は121mPa・sであった。
GPCの光散乱法による重量平均分子量は約1480000、ポリスチレン換算の重量平均分子量396000であった。
(重合例5)
単量体(a)としてアクリル酸ブチル93.6部、単量体(b)としてN−ビニル−2−ピロリドン4.3部、単量体(c)としてトリプロピレングリコールジアクリレート1.8部に加えて、単量体(e)としてアクリル酸0.28部を用いる以外は、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は122mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約1240000、ポリスチレン換算の重量平均分子量321000であった。
(重合例6)
単量体(a)としてアクリル酸ブチル180.0部、メタクリル酸イソブチル40.9部、単量体(b)としてビニルカプロラクタム26.7部、単量体(c)としてトリプロピレングリコールジアクリレート4.4部及び単量体(d)としてアクリル酸イソボルニル3.9部を用いる以外は、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は172mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約2741000、ポリスチレン換算の重量平均分子量387500であった。
(重合例7)
冷却管、窒素導入管、温度計、攪拌機を備えた反応器に、酢酸エチル184部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としたあと、内温を70℃に昇温した。アゾビスイソブチロニトリル(以下AIBNという)0.63部を酢酸エチル10.0部に溶かした溶液を全量添加したあと、内温を69〜71℃に保ちながら、単量体(a)としてアクリル酸ブチル65.0部及びイソブチルアクリレート8.9部、単量体(b)としてビニルカプロラクタム6.1部、単量体(d)としてアクリル酸イソボルニル1.3部及び単量体(c)としてトリプロピレングリコールジアクリレート1.4部の混合溶液を3時間かけて反応系内に滴下した。その後、内温69〜71℃で5時間保温し、反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は381mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約2120000、ポリスチレン換算の重量平均分子量367000であった。
(重合例8)
酢酸エチル192.3部、AIBN0.65部、単量体(a)としてアクリル酸ブチル65.0部及びイソブチルアクリレート9.2部、単量体(b)としてビニルカプロラクタム9.0部、単量体(d)としてアクリル酸イソボルニル1.3部及び単量体(c)としてトリプロピレングリコールジアクリレート1.5部を用いる以外は、重合例7とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は153mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約2010000、ポリスチレン換算の重量平均分子量343000であった。
(重合例9)
酢酸エチル1155.7部、AIBN3.2部、単量体(a)としてアクリル酸ブチル450.0部及びメチルメタクリレート19.9部、単量体(b)としてN−ビニル−2−ピロリドン22.1部、単量体(d)としてアクリル酸イソボルニル8.2部及び単量体(c)としてトリプロピレングリコールジアクリレート9.1部を用いる以外は、重合例7とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は258mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約4170000、ポリスチレン換算の重量平均分子量483000であった。
(重合例10)
酢酸エチル185.0部、AIBN0.58部、単量体(a)としてアクリル酸ブチル60.0部及びメチルメタクリレート3.2部、単量体(b)としてアクリロイルモルホリン13.4部、単量体(d)としてアクリル酸イソボルニル6.5部及び単量体(c)としてトリプロピレングリコールジアクリレート1.4部を用いる以外は、重合例7とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は162mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約3080000、ポリスチレン換算の重量平均分子量430000であった。
(重合例11)
重合例1と同様の反応容器に、酢酸エチル96部、単量体(a)としてアクリル酸ブチル98部及び単量体(e)として4−ヒドロキシブチルアクリレート1.1部を仕込み、窒素ガスで装置内の空気を置換し、酸素不含としたあと、内温を55℃に昇温した。2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.018部を酢酸エチル4部に溶かした溶液を全量添加したあと、内温を54〜56℃に保ちながら3時間保温した。このとき、単量体の濃度は50%であった。その後、仕込まれた単量体(a)及び(e)の合計濃度が5%づつ低下するように、3時間おきに酢酸エチルを添加し、単量体濃度が15%になった時点からさらに3時間保温し、反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分は15.4%であり、粘度は6350mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約3740000、ポリスチレン換算の重量平均分子量1350000であった。
(重合例12)
単量体(a)98.2部及び単量体(c)1.8部を用い、単量体(b)を用いない以外には、重合例1とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分を30%に調整したところ、粘度は251mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約2250000、ポリスチレン換算の重量平均分子量559000であった。
(重合例13)
単量体(a)としてアクリル酸ブチル93.7部、単量体(b)としてN−ビニルピロリドン4.3部及び単量体(e)として4−ヒドロキシブチルアクリレート2.0部を用いる以外には、重合例11とほぼ同様にして反応を完結した。得られたアクリル樹脂溶液の不揮発分は19.4%であり、粘度は51600mPa・sであった。GPCの光散乱法による重量平均分子量は約3768000、ポリスチレン換算の重量平均分子量1466000であった。
<アクリル樹脂組成物及び該組成物を含有する接着剤の製造例>
(実施例1)
重合例1で得られたアクリル樹脂溶液をアクリル樹脂(1)の溶液とし、重合例11で得られたアクリル樹脂溶液をアクリル樹脂(2)の溶液とし、アクリル樹脂(1)の不揮発分60部及びアクリル樹脂(2)の不揮発分40部となるように混合して、不揮発分19.5%のアクリル樹脂組成物の酢酸エチル溶液を得た。該溶液の粘度は3540mPa・sであった。得られた溶液の不揮発分100部に、架橋剤であるポリイソシアネート系化合物(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン製)の不揮発分0.13部と、シラン系化合物(商品名:KBM−403、信越シリコーン製)0.2部とを混合させ、本発明の粘着剤を得た。
<粘着剤付光学フィルム及び光学積層体の製造例>
このようにして得られた粘着剤を、アプリケーターを用いて離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック社製、商品名:PET3811)の離型処理面に乾燥後の厚さが25μmになるように塗布し、90℃で1分間乾燥させ、シート状の粘着剤を得た。次いで、光学フィルムとして偏光フィルム(ポリビニルアルコールにヨウ素を吸着させて延伸したものの両面にトリアセチルセルロース系保護フィルムで挟んだ3層構造にしたフィルム)を用い、該光学フィルム上に、前記で得られた粘着剤を有する面をラミネーターによって貼り合せたのち、温度40℃、湿度50%の条件で14日間熟成させて粘着剤層が設けられた粘着剤付き光学フィルムを得た。続いて、該粘着剤付光学フィルムを液晶セル用ガラス基板(コーニング社製、1737)の両面にクロスニコルになるように添着した。これを80℃、Dryで96時間保管した場合(条件1)と、60℃、90%RHで96時間保管した場合(条件2)のそれぞれについて、保管後の光学積層体における耐久性および白ヌケの発現状態を目視で観察した。結果を下記要領に分類し、表1にまとめた。
<光学積層体の白ヌケ性>
白ヌケの発現状態の評価は、以下の4段階で行った。
◎ :白ヌケが全くみられない。
○ :白ヌケがほとんど目立たない。
△ :白ヌケがやや目立つ。
× :白ヌケが顕著にみとめられる。
<光学積層体の耐久性>
耐久性の評価は、以下の4段階で行った。
◎ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が全くみられない。
○ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がほとんどみられない。
△ :浮き、剥れ、発泡等の外観変化がやや目立つ。
× :浮き、剥れ、発泡等の外観変化が顕著にみとめられる。
<リワーク性>
リワーク性の評価は次のように行った。まず、前記光学積層体を25mm×150mmの試験片に調製した。次に、この試験片を貼付装置(富士プラスチック機械(株)製「ラミパッカー」)を用いて液晶セル用ガラス基板(コーニング社製、1737)に貼付し、50℃、5kg/cm2(490.3kPa)で20分間オートクレーブ処理を行った。続いて該剥離試験用光学積層体を23℃、相体湿度50%RH雰囲気中にて720時間保管した後、23℃、相対湿度50%RH雰囲気中にてこの貼着試験片を300mm/minの速度で180°方向に剥離し、下記要領で分類したガラス板表面の状態を観察した結果を、表1に示した。
◎ :ガラス板表面に曇りおよび糊残りが全くみられない。
○ :ガラス板表面に曇り等がほとんど認められない。
△ :ガラス板表面に曇り等が認められる。
× :ガラス板表面に糊残りが認められる。
(実施例2〜6及び比較例1〜3)
アクリル樹脂(1)及び(2)を、表1、2の重量比率で、実施例1に準じて、アクリル樹脂組成物、粘着剤、粘着剤付光学フィルム及び光学積層体を製造した。得られた光学積層体の評価を実施例1と同様に実施し、結果を実施例1とともに表1、2に示した。尚、比較例1はアクリル樹脂(1)中に構造単位(b)を含有しないアクリル樹脂組成物からなる粘着剤を用いた結果であり、比較例2及び3はアクリル樹脂(2)のみからなる粘着剤を用いた結果である。
Figure 2006096776

*1:構造単位(a)+(b)+(c)+(d)+(e)の重量部=100(重量部)
*2:構造単位(a)の重量部+(e)の重量部=100重量部
*3:構造単位(b)及び(c)を含有しない
Figure 2006096776
*1:構造単位(a)の重量部+(c)の重量部=100重量部
*2:構造単位(a)の重量部+(b)の重量部+(e)の重量部=100重量部
*3:アクリル樹脂(2)には構造単位(b)及び(c)を含有しない
本発明のアクリル樹脂組成物は、例えば、粘着剤、接着剤、塗料、増粘剤等に用いることができる。また、本発明の粘着剤は、例えば、TN液晶セル(TFT)、STN液晶セルなどの光学積層体に好適な粘着剤として用いることができる。

Claims (17)

  1. 下記アクリル樹脂(1)及び(2)を含有するアクリル樹脂組成物
    アクリル樹脂(1):単量体(a)に由来する構造単位(構造単位(a))、単量体(b) に由来する構造単位(構造単位(b))及び単量体(c)に由来す る構造単位(構造単位(c))を含有し、
    アクリル樹脂(1)100重量部に対し、
    構造単位(c)を0.05〜5重量部含有するアクリル樹脂。
    アクリル樹脂(2):構造単位(a)を主成分とする直鎖状アクリル樹脂。
    (a):式(A)で表される(メタ)アクリル酸エステル
    Figure 2006096776
    (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Rは炭素数1〜14のアルキル基またはアラルキル基を表す。Rのアルキル基の水素原子またはアラルキル基の水素原子は炭素数1〜10のアルコキシ基によって置換されていてもよい。)
    (b):分子内に1つのオレフィン性二重結合と、分子内に少なくとも1つの5員環以上 の複素環基とを含有する単量体
    (c):分子内に少なくとも2つのオレフィン性二重結合を含有する単量体
  2. アクリル樹脂(2)が、アクリル樹脂(1)に含有される構造単位(c)の含有量(重量)の5分の1以下の構造単位(c)を含有してもよいアクリル樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のアクリル樹脂組成物。
  3. アクリル樹脂(1)における構造単位(a)の含有量が、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、15〜99.85重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアクリル樹脂組成物。
  4. アクリル樹脂(1)における構造単位(b)の含有量が、アクリル樹脂(1)100重量部に対し、0.1〜30重量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物。
  5. 単量体(b)が、N−ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム及び/又はアクリロイルモルホリンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物。
  6. アクリル樹脂(1)がさらに、単量体(d)に由来する構造単位を含有するアクリル樹脂である請求項1〜5のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物。
    (d):(a)〜(c)とは異なる単量体であって、分子内に1つのオレフィン性二重結合と、少なくとも1つの脂環式構造を含有する単量体。
  7. アクリル樹脂(1)及び/又は(2)が、さらに単量体(e)に由来する構造単位を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物。
    (e):(a)〜(d)とは異なる単量体であって、カルボキシル基、水酸基、アミド基、アミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、アルデヒド基及びイソシアネート基からなる群から選ばれる少なくとも一つの極性官能基と、一つのオレフィン性二重結合とを分子内に含有する単量体。
  8. 単量体(c)が式(B)で表される(メタ)アクリロイル基を分子内に少なくとも2つ含有する単量体であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物。
    Figure 2006096776
    (式中Rは水素原子またはメチル基を表す。)
  9. アクリル樹脂(1)とアクリル樹脂(2)の合計100重量部に対し、アクリル樹脂(1)が5〜50重量部であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載のアクリル樹脂組成物と、架橋剤及び/又はシラン系化合物とを配合してなる粘着剤。
  11. 光学フィルムの両面または片面に請求項10に記載の粘着剤を積層してなる粘着剤付光学フィルム。
  12. 光学フィルムが、偏光フィルム及び/又は位相差フィルムであることを特徴とする請求項11に記載の粘着剤付光学フィルム。
  13. 光学フィルムが、さらにアセチルセルロース系フィルムを保護フィルムとして貼着してなる光学フィルムであることを特徴とする請求項11又は12に記載の粘着剤付光学フィルム。
  14. 粘着剤付光学フィルムの粘着剤層に、さらに、剥離フィルムを積層してなる請求項11〜13のいずれかに記載の粘着剤付光学フィルム。
  15. 請求項11〜13のいずれかに記載の粘着剤付光学フィルムの粘着剤層にガラス基材を積層してなる光学積層体。
  16. 請求項14に記載の粘着剤付光学フィルムから剥離フィルムを剥離したのち、剥離して得られた粘着剤層にガラス基材を積層してなる光学積層体。
  17. 請求項15又は16に記載の光学積層体から粘着剤付光学フィルムを剥離したのち、剥離して得られたガラス基材に、粘着剤付光学フィルムを再び積層してなる光学積層体。
JP2004261960A 2003-09-10 2004-09-09 アクリル樹脂組成物及びその用途 Expired - Fee Related JP4507774B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004261960A JP4507774B2 (ja) 2003-09-10 2004-09-09 アクリル樹脂組成物及びその用途

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003317918 2003-09-10
JP2004135492 2004-04-30
JP2004251732 2004-08-31
JP2004261960A JP4507774B2 (ja) 2003-09-10 2004-09-09 アクリル樹脂組成物及びその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006096776A true JP2006096776A (ja) 2006-04-13
JP4507774B2 JP4507774B2 (ja) 2010-07-21

Family

ID=36236906

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004261960A Expired - Fee Related JP4507774B2 (ja) 2003-09-10 2004-09-09 アクリル樹脂組成物及びその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4507774B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010007044A (ja) * 2008-05-29 2010-01-14 Nitto Denko Corp 光学部材用粘着剤組成物、粘着型光学部材および画像表示装置
JP2012052086A (ja) * 2010-09-02 2012-03-15 Cheil Industries Inc アクリル系粘着剤組成物及びこれを含む偏光フィルム
JP2012087240A (ja) * 2010-10-21 2012-05-10 Nitto Denko Corp 光学用粘着シート、光学フィルムおよび表示装置
JP2012117041A (ja) * 2010-11-12 2012-06-21 Nitto Denko Corp 粘着剤組成物、粘着剤層、及び、粘着テープ又はシート
JP2015523433A (ja) * 2012-06-13 2015-08-13 エルジー・ハウシス・リミテッドLg Hausys,Ltd. 高温での剥離性に優れた光学用粘着フィルム
WO2015132940A1 (ja) * 2014-03-06 2015-09-11 リンテック株式会社 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート
WO2016072201A1 (ja) * 2014-11-04 2016-05-12 綜研化学株式会社 偏光板用粘着剤組成物および粘着剤層付き偏光板
JP2017519093A (ja) * 2014-05-09 2017-07-13 テーザ・ソシエタス・ヨーロピア 親水性表面上での接着テープの接着を向上するためのプライマー

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07150125A (ja) * 1993-12-02 1995-06-13 Sekisui Chem Co Ltd 水系感圧性接着剤組成物
JPH093104A (ja) * 1995-03-31 1997-01-07 Sekisui Chem Co Ltd 医療用粘着剤の製造方法
JPH10130612A (ja) * 1996-10-30 1998-05-19 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 粘着剤組成物
JPH1192533A (ja) * 1997-09-25 1999-04-06 Mitsubishi Rayon Co Ltd アクリル系樹脂組成物、プレミックス、smc又はbmc、及び人工大理石の製造方法
JPH11116927A (ja) * 1997-08-08 1999-04-27 Rikidain Kk アクリル系粘着剤組成物、粘着テープ及び粘着剤層の形成方法
JP2002501106A (ja) * 1998-01-27 2002-01-15 ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー 非白化エマルジョン感圧接着剤

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07150125A (ja) * 1993-12-02 1995-06-13 Sekisui Chem Co Ltd 水系感圧性接着剤組成物
JPH093104A (ja) * 1995-03-31 1997-01-07 Sekisui Chem Co Ltd 医療用粘着剤の製造方法
JPH10130612A (ja) * 1996-10-30 1998-05-19 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The 粘着剤組成物
JPH11116927A (ja) * 1997-08-08 1999-04-27 Rikidain Kk アクリル系粘着剤組成物、粘着テープ及び粘着剤層の形成方法
JPH1192533A (ja) * 1997-09-25 1999-04-06 Mitsubishi Rayon Co Ltd アクリル系樹脂組成物、プレミックス、smc又はbmc、及び人工大理石の製造方法
JP2002501106A (ja) * 1998-01-27 2002-01-15 ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー 非白化エマルジョン感圧接着剤

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010007044A (ja) * 2008-05-29 2010-01-14 Nitto Denko Corp 光学部材用粘着剤組成物、粘着型光学部材および画像表示装置
JP2012052086A (ja) * 2010-09-02 2012-03-15 Cheil Industries Inc アクリル系粘着剤組成物及びこれを含む偏光フィルム
JP2012087240A (ja) * 2010-10-21 2012-05-10 Nitto Denko Corp 光学用粘着シート、光学フィルムおよび表示装置
US9695337B2 (en) 2010-10-21 2017-07-04 Nitto Denko Corporation Optical pressure-sensitive adhesive sheet, optical film and display device
JP2012117041A (ja) * 2010-11-12 2012-06-21 Nitto Denko Corp 粘着剤組成物、粘着剤層、及び、粘着テープ又はシート
JP2015523433A (ja) * 2012-06-13 2015-08-13 エルジー・ハウシス・リミテッドLg Hausys,Ltd. 高温での剥離性に優れた光学用粘着フィルム
WO2015132940A1 (ja) * 2014-03-06 2015-09-11 リンテック株式会社 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート
JP5948509B2 (ja) * 2014-03-06 2016-07-06 リンテック株式会社 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート
JPWO2015132940A1 (ja) * 2014-03-06 2017-03-30 リンテック株式会社 粘着性組成物、粘着剤および粘着シート
JP2017519093A (ja) * 2014-05-09 2017-07-13 テーザ・ソシエタス・ヨーロピア 親水性表面上での接着テープの接着を向上するためのプライマー
WO2016072201A1 (ja) * 2014-11-04 2016-05-12 綜研化学株式会社 偏光板用粘着剤組成物および粘着剤層付き偏光板

Also Published As

Publication number Publication date
JP4507774B2 (ja) 2010-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5023470B2 (ja) アクリル樹脂組成物及び粘着剤
JP5269282B2 (ja) 粘着剤
JP2005314453A (ja) アクリル樹脂及び該樹脂を含有する粘着剤
JP2007126559A5 (ja)
JP2007119667A (ja) 粘着剤
US7960476B2 (en) Acrylic resin composition
JP5386808B2 (ja) 粘着剤付き光学フィルムが積層された光学積層体
US20050196624A1 (en) Acrylic resin
JP2007119667A5 (ja)
JP2008176173A (ja) 粘着剤付き光学フィルム及び光学積層体
JP4839745B2 (ja) 光学積層体
JP4839744B2 (ja) 光学積層体及びその製造方法
US20050065252A1 (en) Acrylic resin composition
US20040092689A1 (en) Acrylic resin, adhesive comprising the resin, and optical laminate comprising the adhesive
JP5011798B2 (ja) 粘着剤
US20040152812A1 (en) Acrylic resin composition, adhesive comprising the composition, and optical laminate comprising the adhesive
JP4251060B2 (ja) アクリル樹脂、該樹脂を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体
JP4370888B2 (ja) 粘着剤付光学フィルム及びそれを用いた光学積層体
JP4507774B2 (ja) アクリル樹脂組成物及びその用途
US20050215743A1 (en) Acrylic resin
KR20060050292A (ko) 아크릴 수지 조성물
JP2006321871A (ja) アクリル樹脂の製造方法
JP2006077235A (ja) 光学フィルム粘着剤用アクリル樹脂組成物
JP2004244561A (ja) アクリル樹脂、該樹脂を含有する粘着剤、及び該粘着剤を積層してなる光学積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070808

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080131

RD05 Notification of revocation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425

Effective date: 20080514

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100126

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100323

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100413

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100426

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4507774

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140514

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees