JP2006096363A - 包装用容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 蓋体と合成樹脂発泡体からなる容器本体を有するとともに、容器本体の開口部と蓋体の開口部の双方の周囲には、夫々外方向に水平に張り出した段部と該段部の外方向端部から上方向に向かって延設された側壁部とを含むフランジ部を備え、容器本体のフランジ部と蓋体のフランジ部とが互いに沿うように嵌合してなる包装用容器において、嵌合する面における前記蓋体の段部の外方向端部と前記容器本体の段部の外方向端部とが接触しないとともに、蓋体の側壁部と容器本体の側壁部とが相互に全周囲で面接触するように設けられていることにより、蓋体や容器本体が高い寸法精度で製造されなくても、蓋体と容器本体を嵌合するにあたり、密閉性や断熱性を十分に維持し、容器本体に汁物を収納しても、その外部への汁漏れを十分に抑止できる。
【選択図】 図2
Description
このような内嵌合容器の材料としては、軽量化を図ることができるとともに、量産製造に要する原材料樹脂量を削減して製造コストを下げることができ、さらに保温性や断熱性を維持できるものが望ましい。そこで軽量化と原材料樹脂量の削減を図ることができる内嵌合容器として、容器本体を合成樹脂発泡シートより製造するものが提案されている。
この合成樹脂製内嵌合容器は、容器本体の開口部を外方に張り出させて設けられた張り出し部の内側に、蓋体の開口周縁に張設された鍔部の外周縁より上方に向かって設けられた上向片を嵌合させることにより、容器本体と蓋体を嵌合できるように構成しており、張り出し部と上向片には嵌合機構が設けられている。嵌合機構は、容器本体と蓋体を嵌合して閉止するにあたり、条溝および突条が相対向するように張り出し部と上向片の夫々の周に沿って断続して設けられて構成される。
この合成樹脂嵌合容器は、閉止時において嵌合機構を構成する条溝と突条とが互いに嵌合することにより、容器本体と蓋体をより強固に嵌合しようとするものである。
この蓋付き容器は、容器本体の開口部の内周面に蓋体を載せ得る略水平の段部と、段部の外側から上方に形成される開口部側壁を設け、開口部側壁の上端部を内側方向に突き出して嵌合部を形成しており、また、蓋体に、容器本体の段部と開口部側壁に係合可能であるように底壁と外側の側壁とを有する溝型部分を設け、溝型部分には嵌合部に対応した受け部を蓋体と容器本体とを嵌着可能に形成している。
この蓋付き容器は、容器本体の材料となる合成樹脂発泡体シートとして、その曲げ弾性率などにつき特定の物性を有するものが使用されることで、着脱自在性の向上を図るものである。
また、この合成樹脂製内嵌合容器では、蓋と容器本体に条溝や突条とが断続的に設けられて相互に嵌合するように構成しているため、蓋と容器本体の形状が複雑であるばかりか、蓋と容器本体が高い寸法精度で製造される必要もあり、製造コストが嵩むという問題もある。
しかし、この包装用容器では、蓋体の突出縁部の先端が容器本体に接触して容器本体と蓋体との嵌合状態が形成されるから、蓋体は、容器本体の湾曲縁部に対して突出縁部の上下方向の肉厚程度の幅で容器本体に係止され、嵌合状態を形成するにとどまる。したがって、蓋体の突出縁部の先端と容器本体の湾曲縁部との間に隙間が生じやすく、特にこの包装用容器に汁物が納められている場合、この包装用容器では汁漏れが容易に生じてしまうという問題がある。
また、この包装用容器では、製造時に容器本体の嵌合用段部の形状にずれが生じた場合蓋体の突出縁部の先端と容器本体との接触が一層容易に解除されて、蓋体が過度に外れ易くなる。したがって、この包装用容器では、容器本体は正確な寸法で製造される必要があり、製造コストが嵩んでしまうという問題がある。
なお、この包装用容器について、蓋体の突出縁部の先端を上方に屈曲させた屈曲部を形成したものも提案されている。この場合、この屈曲部は、被蓋状態で容器本体の湾曲縁部の上面に突出して露出するように備えられている。しかし、この屈曲部は、蓋体の開閉作業時における手掛かりとなるように設けられているものにすぎず、蓋体と容器本体との密閉性とは何ら関係せず、密閉性を向上させるように設けられるものでない。したがって、この包装用容器に屈曲部を備えたものについても、やはり上記した包装用容器と同様に、汁漏れが容易に生じてしまう問題がある。
(2)前記容器本体の側壁部は、蓋体の側壁部と面接触する位置では、上方向に向かった位置ほど肉厚を厚く形成し、前記容器本体の密度(A)がフランジ部を除いた容器本体の密度(B)より低いことを特徴とする上記(1)記載の包装用容器、
(3)前記容器本体の側壁部の密度(A)を100とした場合、フランジ部を除いた容器本体の密度(B)が100を超えて200以下であることを特徴とする上記(2)記載の包装用容器、を要旨とする。
図1は、本発明の包装用容器における実施例の1つについて、蓋体と容器本体を示す縦断面模式図である。
本発明の包装用容器である内嵌合容器1は、蓋体2と、合成樹脂発泡体でなる容器本体3とからなり、蓋体2は上方向に窪むとともに下方向に開口して開口部を形成し、容器本体3は下方向に窪むとともに上方向に開口して開口部を形成している。容器本体3には、その開口部の全周にわたり、フランジ部9が外方向に向かって張り出して形成されているとともに、フランジ部9の外方向端部に鍔状部12が略水平に延設形成されており、蓋体2には、その開口部の全周にわたり、容器本体3と同様に、フランジ部8が形成されるとともに、フランジ部8の外方向端部に鍔状部11が延設されている。
蓋体2のフランジ部8は、蓋体2の外縁部の全周にわたり、容器本体3のフランジ部9に対向して外方向に張り出した段部5と、段部5の外方向端部より上方に向かって立ち上がる側壁部4とからなり、蓋体2の鍔状部11は、容器本体3の鍔状部12に対向している。
側壁部4は、その嵌合面における下端位置が上端位置よりも蓋体2の外方向に向かうように傾斜した面を備えている。
さらに、図2に示すように蓋体2において、段部5の外方向端部51の位置は、蓋体2と容器本体3との嵌合状態において、容器本体3の段部7の外方向端部71の位置よりもやや内側にあり、また段部5は、その外方向端部51近傍では段部7に対してやや上方向を向いている。
上記嵌合する面における蓋体2の段部5の外方向端部51と容器本体3の段部7の外方向端部71との間隔は、蓋体2の取り付け、取り外しがし易い観点と密閉性に優れる観点から0.1〜0.5mmが好ましい。この間隔は、上記観点から0.1〜0.4mmがさらに好ましく、0.1〜0.3mmがより好ましい。上記間隔を定めるにあたり、寸法は、蓋体2、容器本体3それぞれの段部における外方向の最大寸法を採用し、また、上記間隔は、蓋体2と内嵌本体3との嵌合面の全周に渡って上記範囲内であることが好ましい。
側壁部6が、このように構成されることで、内嵌合容器1はより蓋体2の取り付け、取り外しが容易となる。
また、内嵌合容器1では、容器本体3が合成樹脂発泡体からなるため、フランジ部9は多少のクッション性を有してフランジ8と弾力的に面接触することができる。
また、この内嵌合容器1に汁物が収納されているような場合、蓋体2と容器本体3が嵌合して側壁部4と側壁部6とが当接している状態では、汁物を構成する液体が段部5と段部7との間隙に毛細管現象により染み込む。すると、この液体が段部5の外方向端部51と段部7の外方向端部71との間の空気層を密閉する役目をはたしこの内嵌合容器1は、蓋体2と容器本体3との密閉性がより一層向上したものとなる。
また、この内嵌合容器1では、鍔状部11の外方向端部を斜め上方向に押し上げると、鍔状部11に接合する側壁部4の上端位置が内方向に移動し、蓋体2の側壁部4と容器品体3の側壁部6との面接触が解除され、空間部20における若干の減圧状態が解消されることで、蓋体2と容器本体3との嵌合状態を容易に解除することができる。この場合、段部5と段部7は互いに接触する状態を維持できるため、内嵌合容器1の密閉性は維持されており、したがって内嵌合容器1は、たとえ容器本体3に汁物が収納されていても汁漏れ等を生じる虞の少ないものとなる。
容器本体3及び蓋体2は、その外形形状を特に限定するものではないが、開口部を上から見た平面視で見た場合、円形状、四角形状、五角形状等の多角形状が挙げられる。円形状の場合、直径100mmから300mmを呈していることが好ましい。多角形状の場合、最大寸法が100〜300mmであることが好ましい。容器本体3及び蓋体2は、あまりにも直径或いは最大寸法が小さいものでは実用性に欠くものとなり、あまりにも直径或いは最大寸法が大きいものでは撓みやすくなる虞れがある。
また、蓋体2は上方向に窪むとともに下方向に開口して開口部を形成するものに限定されず、上方向への窪みのないものであってもよい。
また、容器本体3は、容器本体3の側壁部6の密度(図3のFの部分)を100とする場合に、容器本体3のフランジ部9を除く部分の密度が100を超えて200以下であるように構成していることがより好ましい。このように容器本体3が構成されていると、内嵌合容器1は蓋体2の取り付け、取り外しが容易であるとともに、容器本体3のフランジ部9がクッション性があるので、密閉性にも優れたものとなる。
尚、上記側壁部6の密度(A)(図3のFの部分)とは、容器本体3の段部7上面の延長した面と鍔状部12の下面の延長面で切り取った部分の密度いう。また、フランジ部を除いた容器本体の密度(B)とは、容器本体の段部7の下面を延長面で切り取った容器本体の密度をいう。
上記密度は、重量を体積で割った値が採用され、体積は水没法により測定された値を採用する。
アンダー量(R)は0.45mm、蓋体2のフランジ部8の側壁部4と容器本体3の側壁部6との面接触している領域の上下端間隔(D)が側壁部6の上下端間隔(E)の23%であった。
また、嵌合する面における蓋体2の段部5の外方向端部51と容器本体3の段部7の外方向端部71との間隔は、0.25mmであった。
得られた内嵌合容器1は、容器本体3から蓋体2を容易に取り付け取り外しでき、内容物を入れずに容器本体3と蓋体2との嵌合状態を形成した後、内嵌合容器1を全体が沈むまで水槽へ入れても内嵌合容器1内部から空気が漏れず、内嵌合容器1の密閉性が維持された。
尚、容器本体3において、側壁部6の密度(A)(図3におけるFに相当する部分)を100とした場合、フランジ部を除いた容器本体の密度(B)が150であった。
特に、容器本体3の側壁部6の密度(A)を100とした場合、フランジ部9を除いた容器本体3の密度(B)が100を超えて200以下であるようにすることで、内嵌合容器1は、容器本体3と蓋体2の嵌合係止時における密着性と容器本体3の剛性のバランスよいものとすることができる。
2 蓋体
3 容器本体
5、7 段部
4、6 側壁部
8、9 フランジ部
20 空間部
Claims (3)
- 蓋体と、合成樹脂発泡体からなる容器本体を有するとともに、容器本体の開口部と蓋体の開口部の双方の周囲には、夫々外方向に水平に張り出した段部と該段部の外方向端部から上方向に向かって延設された側壁部とを含むフランジ部を備え、容器本体のフランジ部と蓋体のフランジ部とが互いに沿うように嵌合してなる包装用容器において、嵌合する面における前記蓋体の段部の外方向端部と前記容器本体の段部の外方向端部とが接触しないとともに、蓋体の側壁部と容器本体の側壁部とが相互に全周囲で面接触するように設けられていることを特徴とする包装用容器。
- 前記容器本体の側壁部は、蓋体の側壁部と面接触する位置では、上方向に向かった位置ほど肉厚を厚く形成し、前記容器本体の側壁部の密度(A)がフランジ部を除いた容器本体の密度(B)より低いことを特徴とする請求項1記載の包装用容器。
- 前記容器本体の側壁部の密度(A)を100とした場合、フランジ部を除いた容器本体の密度(B)が100を超えて200以下であることを特徴とする請求項2記載の包装用容器。
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