JP2006095768A - 画像形成装置及び方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録媒体の性質に応じて複数種の液体の吐出量及び混合比率を自動的に最適な状態に調整し、高品質の画像出力を得ることができる画像形成装置及び方法を提供する。
【解決手段】本発明による画像形成装置は、第1液を吐出する第1液吐出手段(11)と、第2液を吐出する第2液吐出手段(12K,12M,12C,12Y)と、前記第1液及び前記第2液の打滴によって記録媒体(16)上に形成される画像に基づき、前記第1液吐出手段及び前記第2液吐出手段から吐出させる第1液と第2液の液量比を制御する液量比制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は画像形成装置及び方法に係り、特にノズルから液滴を吐出して記録媒体上に画像を形成するインクジェット記録装置などの画像形成装置に好適な画像形成技術に関する。
特許文献1は、複数のプリントヘッドを有する画像出力装置において、テスト画像を形成し、テスト画像の読み取り結果に基づいて複数のプリントヘッドの駆動信号を共通に補正する補正手段を備えることを開示している。
特許文献2は、記録処理液と記録液とを用いて印字を行う記録装置において、記録1印字と記録2印字の相対的な印字位置がずれたパターンを形成し、複数のパターンの反射光学濃度を測定することにより、印字位置合わせ処理を行う技術を開示している。
特許文献3は、処理液ドットを形成した後にインクドットを形成する前処理部分と、インクドットを形成した後に処理液ドットを形成する後処理部分とで、インクの吐出量又は処理液の吐出量の少なくとも一方を異ならせる制御手段を備えるインクジェット記録装置を開示している。
特開平6−91998号公報 特開2000−127375号公報 特開平10−226055号公報
記録媒体(メディア)の種類が変わると処理液、記録液の濡れ性や浸透性等が変わるため、各液の最適な液量や最適混合比率(液量比)も変化する。しかしながら、特許文献1においては、処理液用のヘッドの制御条件と記録液用のヘッドの制御条件を各々最適化する方法は開示されていない。また、特許文献2に記載の発明が解決しようとする課題は、複数の記録ヘッド間の印字位置合わせであり、処理液と記録液の液量比を最適化するという観点は示されていない。
特許文献3は、処理液と記録液の打滴順を変えた場合の、記録液又は処理液の吐出量を制御して異ならせる技術を開示しているが、メディアの種類に応じて最適な滴量比、混合比に補正する技術について言及していない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、記録媒体の性質に応じて複数種の液体の吐出量及び混合比率を自動的に最適な状態に調整し、高品質の画像出力を得ることができる画像形成装置及び方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る画像形成装置は、第1液を吐出する第1液吐出手段と、第2液を吐出する第2液吐出手段と、前記第1液及び前記第2液の打滴によって記録媒体上に形成される画像に基づき、前記第1液吐出手段及び前記第2液吐出手段から吐出させる第1液と第2液の液量比を制御する液量比制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、第1液吐出手段及び第2液吐出手段から第1液、第2液をそれぞれ吐出して記録媒体上に画像を形成し、当該画像の検出情報から画像品質を評価するための指標となる値を測定する。この実測結果(画像検出結果)に基づいて、液量比制御手段は第1液と第2液の適切な液量比を判断し、第1液及び第2液の吐出制御条件を選択する。これにより、様々な種類の記録媒体に対して、適切な液量比(混合比)を選択することが可能になり、記録媒体種によらず高品質の画像出力が可能になる。
本発明による画像形成装置の装置構成において、第1液及び第2液の打滴によって記録媒体上に形成される画像を検出する画像検出手段を備える態様も可能であるし、装置出荷前に予め上述の画像検出(測定)を行うなどして、第1液、第2液及び記録媒体の組み合わせによる液量比の最適値(最適データ)をROM等の記憶手段に記憶させておく態様も可能である。後者の場合、装置の構成上「画像検出手段」を省略することが可能である。
第1液吐出手段と第2液吐出手段は、それぞれ別々の吐出ヘッドで構成されてもよいし、1つの吐出ヘッドに第1液吐出手段に相当する第1液吐出用ノズルと第2液吐出手段に相当する第2液吐出用ノズルとが併設された構成でもよい。
なお、第1液と第2液の吐出順や各液による着弾ドットの重なり具合(ドット同士の位置関係)などの条件は、特に限定されず、第1液、第2液の液種の組合せに応じて様々な態様があり得る。
請求項2に係る発明は、請求項1記載の画像形成装置の一態様に係り、前記第2液は色材を含む記録液であり、前記第1液は前記記録液の前記記録媒体への浸透性及び前記色材の定着性のうち少なくとも一方に影響する物性変化を生じさせる反応性を有する処理液であることを特徴とする。
処理液と記録液とが反応して記録媒体への定着性能を向上させる2種液混合型の画像形成装置について本発明を好適に用いることができる。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2記載の画像形成装置の一態様に係り、前記記録媒体の種類を検出する媒体種検出手段と、前記液量比制御手段で制御した前記液量比の情報を前記媒体種検出手段から得た記録媒体種の情報と関連付けて記憶する液量比記憶手段と、を備えたことを特徴とする。
画像検出に基づいて決定された液量比の制御情報を記録媒体種の情報と関連付けて液量比記憶手段に記憶させておくことにより、以後、同様の記録媒体種を利用する際には、当該液量比記憶手段の情報を読み出して活用することができる。複数の記録媒体種に関する液量比の制御情報を蓄積することにより、多様な記録媒体種に迅速に対応することが可能となる。
請求項4に係る発明は、請求項1、2又は3記載の画像形成装置の一態様に係り、前記第1液及び前記第2液の打滴によって記録媒体上に形成される前記画像は、テストパターンであり、該テストパターンを描画するように前記第1液吐出手段及び前記第2液吐出手段の打滴を制御するテストパターン打滴制御手段を備えることを特徴とする。
描画要求に係る画像データに応じて形成される目的の画像(実技の本画像)とは別に、テストパターンを印字し、そのテスト印字の結果を読み取ることにより、画像品質の評価に用いる有益な情報を簡単に取得することができる。
請求項5に係る発明は、請求項4記載の画像形成装置の一態様に係り、前記テストパターンは、前記第1液及び前記第2液の少なくとも一方の打滴量を変化させた複数の判定用パッチを含んだ画像であることを特徴とする。
打滴条件の異なる複数の判定用パッチを配列させたテストパターンを形成し、各判定用パッチの画像品質を評価することで、最適な条件を容易に選定することができる。なお、記録媒体上における判定用パッチの配列形態は特に限定されないが、変化させる打滴条件のパラメータの数と各値とに応じて、1列に若しくは2次元マトリクス状に判定用パッチを配列させることが好ましい。
請求項6に係る発明は、請求項5記載の画像形成装置の一態様に係り、前記複数の判定用パッチは、吐出用の駆動波形、駆動周波数、吐出ノズルピッチの組合せを変えて打滴されることを特徴とする。
かかる態様によれば、効率良く条件選定用の判定用パッチを形成することができ、最適な条件を容易に決定できる。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6の何れか1項記載の画像形成装置の一態様に係り、前記第1液及び前記第2液の打滴によって記録媒体上に形成される画像を検出する画像検出手段を備え、前記画像検出手段による画像検出結果に基づいて、液量比制御手段による前記液量比の制御が行われることを特徴とする。
画像検出手段を具備する装置構成によれば、多種多様の第1液、第2液及び記録媒体の組合せに対応することができる。
請求項8に係る発明は、請求項7記載の画像形成装置の一態様に係り、前記画像検出手段を介して取得した情報から、幅、ぼやけ、歪み、コントラスト、濃度並びに濃度均一差のうち少なくとも2つの要素を測定し、当該少なくとも2つの要素の測定結果を組み合わせて判定用の評価値を算出する評価値演算手段を有し、前記液量比制御手段は、前記評価値演算手段で算出した評価値に基づいて前記液量比を決定することを特徴とする。
画像品質を評価する指標の例として、線幅(Width) 、ぼやけ(Blur)、歪み(Rag) 、コントラスト(Contrast)、濃度(Darkness)並びに濃度均一差(Fill)がある。これらの数値化は、例えば、ISO13660で定める画質属性測定方法に準拠することが好ましい。
数値化された各測定値を個別に評価することも可能であるが、少なくとも2つの項目(要素)の測定値を組み合わせた判定用の評価値を定義し、複数の画質属性を総合的に判断することが好ましい。具体例として、各画質属性の測定値にそれぞれ所定の重み付け係数を掛けたものの和(線形結合)を判定用の評価値とする態様がある。
請求項9に係る発明は前記目的を達成する方法発明を提供する。すなわち、請求項9に記載の画像形成方法は、第1液吐出用ノズルから第1液を吐出する第1液吐出工程と、第2液吐出用ノズルから第2液を吐出する第2液吐出工程と、前記第1液及び前記第2液の打滴によって記録媒体上に形成された画像を検出する画像検出工程と、前記画像検出工程による画像検出結果に基づき、前記第1液吐出用ノズル及び前記第2液吐出用ノズルから吐出させる第1液と第2液の液量比を制御する液量比制御工程と、を含み、前記液量比制御工程によって制御された条件及び入力された画像データに基づいて前記第1液吐出用ノズル及び前記第2液吐出用ノズルから打滴を行い、記録媒体上に画像を形成することを特徴とする。
第1液及び第2液の少なくとも一方を吐出させる吐出ヘッドの構成例として、記録媒体の全幅に対応する長さにわたって複数のノズルを配列させたノズル列を有するフルライン型のヘッドを用いることができる。
この場合、記録媒体の全幅に対応する長さに満たないノズル列を有する比較的短尺の吐出ヘッドブロックを複数個組み合わせ、これらを繋ぎ合わせることで全体として記録媒体の全幅に対応する長さのノズル列を構成する態様がある。
フルライン型の吐出ヘッドは、通常、記録媒体の相対的な送り方向(相対的搬送方向)と直交する方向に沿って配置されるが、搬送方向と直交する方向に対して、ある所定の角度を持たせた斜め方向に沿って吐出ヘッドを配置する態様もあり得る。
カラー画像を形成する場合は、複数色のインク(記録液)の色別にフルライン型の吐出ヘッドを配置してもよいし、1つの吐出ヘッドから複数色の記録液を吐出可能な構成としてもよい。
「記録媒体」は、吐出ヘッドの作用によって画像の記録を受ける媒体(印字媒体、被画像形成媒体、被記録媒体、受像媒体など呼ばれ得るもの)であり、連続用紙、カット紙、シール用紙、OHPシート等の樹脂シート、フイルム、布、吐出ヘッドによって配線パターン等が形成されるプリント基板、その他材質や形状を問わず、様々な媒体を含む。
記録媒体と吐出ヘッドを相対的に移動させる搬送手段は、停止した(固定された)吐出ヘッドに対して記録媒体を搬送する態様、停止した記録媒体に対して吐出ヘッドを移動させる態様、或いは、吐出ヘッドと記録媒体の両方を移動させる態様の何れをも含む。
本発明によれば、実際に使用する記録媒体と第1液、第2液の組合せによる画像の形成結果を検出し、その検出結果に基づいて第1液と第2液の液量比を制御することにより、各種の記録媒体に対して、適切な液量比を選択することができ、記録媒体種によらず高品質の画像出力が可能になる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔インクジェット記録装置の全体構成〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、第1液に相当する処理液を吐出するための処理液吐出ヘッド11(第1液吐出手段に相当)と、黒(K),マゼンタ(M),シアン(C),イエロー(Y)の各色のインク(第2液に相当)に対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(第2液吐出手段に相当、以下「ヘッド」という。)12K,12M,12C,12Yを有する印字部12と、各ヘッド12K,12M,12C,12Yに供給する色インクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、処理液吐出ヘッド11に供給する処理液を貯蔵しておく処理液貯蔵/装填部15と、記録媒体16を供給するメディア供給部18と、記録媒体16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録媒体16の平面性を保持しながら記録媒体16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部(画像検出手段に相当)24と、記録済みの記録媒体16(プリント物)を外部に排出する排出部26と、を備えている。
インク貯蔵/装填部14は、各ヘッド12K,12M,12C,12Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンクを有し、各タンクは所要の管路を介してヘッド12K,12M,12C,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
処理液貯蔵/装填部15は、処理液を貯蔵する処理液タンクを有し、該処理液タンクは所要の管路を介して処理液吐出ヘッド11と連通されている。また、処理液貯蔵/装填部15は、インク貯蔵/装填部14と同様に、処理液の残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、液種間の誤装填を防止するための機構を有している。
本例で用いるインクには、例えば、負に荷電した界面活性イオンを含む重合体であるアニオン性ポリマーを含んだ色インクが用いられる。また、本例で用いる処理液には、例えば、正に荷電した界面活性イオンを含む重合体であるカチオン性ポリマーを含んだ透明な反応促進剤が用いられる。
インクと処理液を混合すると、化学反応によってインク中の色材の不溶化及び/又は定着反応が進行する。「不溶化」という用語には、例えば、溶媒中から色材が析出・沈殿する現象や、色材が溶解した液が固体相に変化(凝固)する現象、液が増粘、硬化する現象などが含まれる。また、「定着」には、色材が記録媒体16の表面に保持される態様と、色材が記録媒体16の内部に浸透して保持される態様、或いはこれらの組み合わせの態様がある。
なお、インク及び処理液のそれぞれの組成や反応に寄与する物質の濃度等を調節することによって反応速度や各液の物性(表面張力や粘度など)を調整することができ、所望のインクの不溶性及び/又はインクの定着性(硬化速度、定着速度など)を実現させることができる。本実施形態において使用される処理液及びインクの物性条件については後述する。
記録媒体16の供給系に関して図1では、メディア供給部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジン19が示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙(記録媒体)を供給してもよい。
複数種類の記録媒体を利用可能な構成にした場合、記録媒体の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切な処理液及びインクの吐出を実現するように吐出制御を行うことが好ましい。
メディア供給部18から送り出される記録媒体16はマガジン19に装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録媒体16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録媒体16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録媒体16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録媒体16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによって記録媒体16がベルト33上に吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図7中符号88)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上で反時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録媒体16は図1の右から左へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
処理液吐出ヘッド11及び印字部12の各ヘッド12K,12M,12C,12Yは、当該インクジェット記録装置10が対象とする記録媒体16の最大紙幅に対応する長さを有し(図2参照)、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズル又は処理液吐出用のノズルが配列されたフルライン型のヘッドとなっている。
印字部12のヘッド12K,12M,12C,12Yは、記録媒体16の送り方向に沿って上流側から黒(K)、マゼンタ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)の色順に配置され、印字部12の更に上流側に処理液吐出ヘッド11が配置されている。各ヘッド11,12K,12M,12C,12Yは、記録媒体16の搬送方向と略直交する方向に沿って延在するように固定設置される。かかるヘッド配置により、印字部12で色インクを打滴する前に、処理液吐出ヘッド11によって記録媒体16の印字面(被記録面)に処理液を付着させることができる。
吸着ベルト搬送部22により記録媒体16を搬送しつつ各ヘッド12K,12M,12C,12Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録媒体16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド12K,12M,12C,12Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録媒体16と印字部12を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(すなわち1回の副走査で)、記録媒体16の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本例では、KMCYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(図1中不図示、図10の符号132として記載)を含み、該イメージセンサによって読み取った2次元の打滴画像から滲み判定のための画質属性の測定を行う画像検出手段として機能するとともに、ノズルの目詰まりその他の吐出不良を検出する手段として機能する。
本例の印字検出部24には、受光面に複数の受光素子(光電変換素子)が2次元配列されてなるCCDエリアセンサを好適に用いることができる。エリアセンサは、少なくとも各ヘッド12K,12M,12C,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)の全域を撮像できる撮像範囲を有しているものとする。1つのエリアセンサで所要の撮像範囲を実現してもよいし、複数のエリアセンサを組み合わせて(繋ぎ合わせて)所要の撮像範囲を確保してもよい。或いはまた、エリアセンサを移動機構(不図示)によって支持し、エリアセンサを移動(走査)させることによって所要の撮像範囲を撮像する構成も可能である。
また、エリアセンサに代えてラインセンサを用いることも可能である。この場合、ラインセンサは、少なくとも各ヘッド12K,12M,12C,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列(光電変換素子列)を有する構成が好ましい。
或いはまた、滲み判定のための画像検出手段として機能するエリアセンサと、吐出不良を検出する手段として機能するラインセンサとを併設する構成も可能である。
印字部12における少なくとも1つのヘッド12K,12M,12C,12Yを用いて印字されたテストパターン又は目的の画像を印刷した本画像(実技画像)が印字検出部24により読み取られ、滲み具合など印字品質の判定や各ヘッドの吐出判定が行われる。印字品質の判定方法について詳細は後述する。また、吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部24の後段には後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
こうして生成されたプリント物は排出部26から排出される。本来プリントすべき本画像とテスト印字(テストパターンの印字結果)とは分けて排出することが好ましい。本例のインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。
なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排出部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔ヘッドの構造〕
次に、ヘッドの構造について説明する。処理液吐出ヘッド11及び色別の各ヘッド12K,12M,12C,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
図3(a) はヘッド50の構造例を示す平面透視図であり、図3(b) はその一部の拡大図である。また、図3(c) はヘッド50の他の構造例を示す平面透視図、図4は1つの液滴吐出素子(1つのノズル51に対応したインク室ユニット)の立体的構成を示す断面図(図3(a),(b) 中の4−4線に沿う断面図)である。
記録媒体16上に印字されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド50におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド50は、図3(a),(b) に示したように、インク滴の吐出口であるノズル51と、各ノズル51に対応する圧力室52等からなるインク室ユニット(液滴吐出素子)53を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(紙送り方向と直交する方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録媒体16の送り方向と略直交する方向に記録媒体16の全幅に対応する長さ以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図3(a) の構成に代えて、図3(c) に示すように、複数のノズル51が2次元に配列された短尺のヘッドユニット50’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで記録媒体16の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。
ヘッド50の各ノズル51に対応して設けられている圧力室52は、その平面形状が概略正方形となっており(図3(a),(b) 参照)、対角線上の両隅部にノズル51への流出口と供給インクの流入口(供給口)54が設けられている。なお、圧力室52の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
図4に示したように、各圧力室52は供給口54を介して共通流路55と連通されている。共通流路55はインク供給源たるインクタンク(図4中不図示、図6中符号60として記載)と連通しており、インクタンク60から供給されるインクは図4の共通流路55を介して各圧力室52に分配供給される。
圧力室52の天面を構成している加圧板(共通電極と兼用される振動板)56には個別電極57を備えたアクチュエータ58が接合されている。個別電極57に駆動電圧を印加することによってアクチュエータ58が変形して圧力室52の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル51からインクが吐出される。インク吐出後、共通流路55から供給口54を通って新しいインクが圧力室52に供給される。なお、アクチュエータ58には、ピエゾ素子などの圧電体が好適に用いられる。
かかる構造を有するインク室ユニット53を図5に示す如く主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
すなわち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット53を一定のピッチdN で複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはdN × cosθとなり、主走査方向については、各ノズル51が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、高密度のノズル列を実現することが可能になる。
なお、印字可能幅の全幅に対応した長さのノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、記録媒体の幅方向(記録媒体の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図5に示すようなマトリクス状に配置されたノズル51を駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。すなわち、ノズル51-11 、51-12 、51-13 、51-14 、51-15 、51-16 を1つのブロックとし(他にはノズル51-21 、…、51-26 を1つのブロック、ノズル51-31 、…、51-36 を1つのブロック、…として)、記録媒体16の搬送速度に応じてノズル51-11 、51-12 、…、51-16 を順次駆動することで記録媒体の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと記録媒体16とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されない。また、本実施形態では、ピエゾ素子(圧電素子)に代表されるアクチュエータ58の変形によってインク滴を飛ばす方式が採用されているが、本発明の実施に際して、インクを吐出させる方式は特に限定されず、ピエゾジェット方式に代えて、ヒータなどの発熱体によってインクを加熱して気泡を発生させ、その圧力でインク滴を飛ばすサーマルジェット方式など、各種方式を適用できる。
処理液吐出ヘッド11の構造は、図示しないが、上述した印字部12のヘッド50と概略共通している。ただし、処理液は、記録媒体16上においてインクが打滴される領域に略一様(略均一)に付着させればよいため、インクに比べると高密度ドット形成は要求されない。したがって、処理液吐出ヘッド11はインク吐出用のヘッド50に比べて、ノズル数を少なく(ノズル密度を低く)した構成も可能である。また、処理液吐出ヘッド11のノズル径をインク吐出用のヘッド50のノズル径よりも大きくする構成も可能である。
〔インク供給系の構成〕
図6はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク60はヘッド50にインクを供給する基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。すなわち、図6のインクタンク60は、図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。
図6に示したように、インクタンク60とヘッド50の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは、ノズル径と同等若しくはノズル径以下とすることが好ましい。図6には示さないが、ヘッド50の近傍又はヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル51の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面50Aの清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニット(回復手段)は、不図示の移動機構によってヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置からヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ64は、図示せぬ昇降機構によってヘッド50に対して相対的に昇降変位される。電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、ヘッド50に密着させることにより、ノズル面50Aをキャップ64で覆う。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示せぬブレード移動機構によりヘッド50のノズル面50A(ノズル板表面)に摺動可能である。ノズル板表面にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル板に摺動させることでノズル板表面を拭き取る。
印字中又は待機中において、特定のノズルの使用頻度が低くなり、ノズル近傍のインク粘度が上昇した場合、その劣化インクを排出すべくキャップ64(インク受けとして兼用)に向かって予備吐出が行われる。
ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用のアクチュエータ58が動作してもノズル51からインクを吐出できなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(アクチュエータ58の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かってアクチュエータ58を動作させ、粘度上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面50Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル板表面の汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
その一方で、ノズル51や圧力室52に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなる。このような場合、ヘッド50のノズル面50Aに吸引手段たるキャップ64を当接させて、吸引ポンプ67で圧力室52内のインク(気泡が混入したインク又は増粘インク)を吸引する。かかる吸引動作によって吸引除去されたインクは回収タンク68へ送られる。回収タンク68に集められたインクは、再利用してもよいし、再利用不能な場合は廃棄してもよい。
上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きいため、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、上記の吸引動作は、ヘッド50へのインク初期装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも行われる。
処理液の供給系については、図示しないが、図6で説明したインク供給系の構成と同様である。
〔制御系の説明〕
図7はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、ROM75、モータドライバ76、ヒータドライバ78、EEPROM(液量比記憶手段に相当)79、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。
ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。すなわち、システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御し、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74及びROM75並びにEEPROM79の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
ROM75には、システムコントローラ72のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データ(後述する滲み判定用のテストパターンを印字するためのデータを含む)などが格納されている。ROM75は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。画像メモリ74は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示に従って搬送系のモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示に従って後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ84に供給する制御部である。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図7において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース70を介して外部から入力され、画像メモリ74に蓄えられる。この段階では、例えば、RGBの画像データが画像メモリ74に記憶される。
画像メモリ74に蓄えられた画像データは、システムコントローラ72を介してプリント制御部80に送られ、該プリント制御部80においてディザ法や誤差拡散法などのハーフトーン化技術によってインク色ごとのドットデータに変換される。インクジェット記録装置10では、インク(色材) による微細なドットの打滴密度やドットサイズを変えることによって、人の目に疑似的な連続階調の画像を形成するため、入力されたデジタル画像の階調(画像の濃淡)をできるだけ忠実に再現するようなドットパターンに変換する必要がある。
すなわち、プリント制御部80は、入力されたRGB画像データをK,C,M,Yの4色のドットデータに変換する処理を行う。また、プリント制御部80は、各色のドットデータを基に処理液の打滴領域(処理液の打滴が必要な記録面の領域)を判別し、処理液打滴用のドットデータを生成する。こうして、プリント制御部80で生成されたドットデータ(処理液用及び各色用)は、画像バッファメモリ82に蓄えられる。
ヘッドドライバ84は、プリント制御部80から与えられる印字データ(すなわち、画像バッファメモリ82に記憶されたドットデータ)に基づき、処理液吐出ヘッド11及び各色インク用のヘッド12K,12C,12M,12Yの駆動制御信号を生成する。ヘッドドライバ84で生成された駆動制御信号が処理液吐出ヘッド11のアクチュエータ58及び各色インク用のヘッド12K,12C,12M,12Yのアクチュエータ58に加えられることによって、処理液吐出ヘッド11の該当ノズル51から処理液が吐出されるとともに、ヘッド12K,12C,12M,12Yの該当ノズル51からインクが吐出される。なお、ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
記録媒体16の搬送速度に同期して処理液吐出ヘッド11からの処理液の吐出、及びヘッド12K,12C,12M,12Yからのインクの吐出を制御することにより、記録媒体16に画像が形成される。上述のとおり、プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該印字データに基づいてヘッドドライバ84を介して、処理液の打滴、インクの吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
印字検出部24は、図1で説明したように、イメージセンサを含むブロックであり、記録媒体16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつき、光学濃度など)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供する。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいてヘッド12K,12C,12M,12Yに対する各種補正を行う。また、システムコントローラ72は、印字検出部24から得られる情報に基づいて、処理液とインクの液量比を調整する制御(詳細は後述)を行うとともに、予備吐出や吸引その他の所定の回復動作を実施する制御を行う。
更にまた、本例のインクジェット記録装置10は、インク情報読取部90、処理液情報読取部92及びメディア種検出部94を備えている。インク情報読取部90は、インク種の情報を取得する手段である。具体的には、例えば、インクタンク60(図6参照)のカートリッジの形状(インク種を識別可能な特定の形状)、或いはカートリッジに組み込まれたバーコードやICチップなどからインクの識別情報や物性情報を読み取る手段を用いることができる。その他、ユーザインターフェースを利用してオペレータが必要な情報を入力してもよい。
同様に、処理液情報読取部92は、処理液の種類に関する情報を取得する手段である。具体的には、例えば、処理液タンクのカートリッジの形状(液種を識別可能な特定の形状)、或いはカートリッジに組み込まれたバーコードやICチップなどから処理液の識別情報や物性情報を読み取る手段を用いることができる。その他、ユーザインターフェースを利用してオペレータが必要な情報を入力してもよい。
メディア種検出部94は、記録媒体の種類(紙種)やサイズを検出する手段である。例えば、図1で説明したメディア供給部18のマガジン19に付されたバーコード等の情報(識別情報やメディア種情報など)を読み込む手段、メディア搬送路中の適当な場所に配置されたセンサ(メディア幅検出センサ、メディアの厚みを検出するセンサ、メディアの反射率を検出するセンサなど)が用いられ、これらの適宜の組み合わせも可能である。また、これら自動検出の手段に代えて、若しくはこれと併用して、所定のユーザインターフェースからの入力によって紙種やサイズ等の情報を指定する構成も可能である。
図7に示したインク情報読取部90、処理液情報読取部92及びメディア種検出部94の各手段から得られた情報はシステムコントローラ72に送られ、処理液とインクの最適な液量比の制御及びインクの吐出制御(吐出量や吐出タイミングの制御)等に利用され、条件に応じた適切な打滴が実行される。
詳細は後述するが、滲み判定用(画像品質評価用)のテストパターンの印字結果を読み取って最適な液量比の条件が決定されると、その情報はメディア種情報と共にEEPROM79に記憶される。なお、図7ではEEPROM79とROM75を別々のブロックで示したが、これらを1つのEEPROM(不揮発性記憶手段)で構成することも可能である。
次に、処理液及びインクの最適な液量比の条件を決定するための方法について説明する。そのために、まず、滲み判定用のテストパターンの作成例について説明する。テストパターンとしては、例えば、処理液の打滴条件を数パターン振って、その上にインクを所定条件で打滴することにより液量比の異なる複数のライン(線分)描画を行う。
図8は、本例のインクジェット記録装置10で作成される滲み判定用のテストパターンにおける処理液の打滴例を示す図である。
処理液を吐出させるための処理液吐出ヘッド11(図1参照)の各ノズルの駆動波形、駆動周波数、使用ノズル数(吐出ノズルピッチ)の組合せを変化させ、図8に示すとおり、吐出量、副走査打滴間隔、主走査打滴間隔の異なる水準の矩形パターン(以下「処理液パターン」という。)110を作画する。
図8では、処理液の吐出量を3段階(例えば、2pl, 3pl, 4pl)に変化させ、副走査打滴間隔と主走査打滴間隔をそれぞれ2段階(例えば、2400dpi 相当と1200dpi 相当) に変化させることによって3×2×2=12通りのパターンを生成する例が示されている。
処理液の吐出量を変化させるには、処理液吐出ヘッド11のノズルに対応して設けられているアクチュエータの駆動波形を変化させる。最小吐出量(ここでは、2pl)を吐出量の単位として、「吐出量×1」(=2pl),「吐出量×1.5」(=3pl),「吐出量×2」(=4pl)と変化させる。
副走査打滴間隔を変化させるには、駆動周波数を変化させる。なお、記録媒体16の搬送速度は一定とする。最小打滴間隔(最大駆動周波数によって実現される打滴間隔)を基準として、「副×1」(ここでは、2400dpi に相当) , 「副×0.5」(ここでは、1200dpi に相当) と変化させる。
主走査打滴間隔を変化させるには、使用ノズル数を変化させる。最小打滴間隔(使用ノズル数最大のときに実現される打滴間隔)を基準として、「主×1」(ここでは、2400dpi に相当) , 「主×0.5」(ここでは、1200dpi に相当) と変化させる。
こうして、図示のように、打滴条件を変えて12通りの処理液パターン110が形成される。これら複数の処理液パターン110は1枚の記録媒体16上にマトリクス状に整列させて打滴されることが好ましい。
続いて、図9に示したように、各処理液パターン110の上にインクによる矩形状のパターン(以下「記録液パターン」という。)112を打滴する。こうして、処理液とインクの液量比が異なる複数の判定用パッチ114を含んだテストパターン120が作像される。すなわち、判定用パッチ114は、処理液パターン110の上にインクを重ねて打滴して成るパターン要素であり、本例では一定の長さの線分として取り扱うことができる矩形状の画像となっている。
なお、本例では、使用するインクの色、インクの吐出量、副走査打滴間隔、主走査打滴間隔をそれぞれ所定の条件に固定して記録液パターン112の打滴を行うものとするが、インクの打滴についても処理液パターン110と同様に、打滴条件を変化させてもよい。その場合、打滴条件の増加に合わせて、処理液パターン110の作成数を増やす。
また、本例では1つの処理液パターン110上に1色のみのインクを打滴する例を述べるが、1つの処理液パターン110上に複数の色のインクを打滴してもよい。
図10は、テストパターン120を読み取る印字検出部24(図1,図7参照)の検出原理を示す模式図である。図1及び図7で説明した印字検出部24は、図10のように結像光学系130とCCDイメージセンサ132とを含んで構成され、記録媒体16上の印字結果の光学濃度を測定する手段(いわゆるCCD濃測計)として機能する。すなわち、記録媒体16上に印字された判定用パッチ114を不図示の照明用光源によって照明し、その反射光を結像光学系130で集光してCCDイメージセンサ132に受光させる。
CCDイメージセンサ132の受光面に結像された被写体像(この場合、判定用パッチ114の画像)は、CCDイメージセンサ132の各受光素子(不図示)によって入射光量に応じた電気信号に変換され、CCDイメージセンサ132から画像信号として出力される。CCDイメージセンサ132を介して取得された画像信号をデジタル信号に変換して画像処理を行うことにより、線品質を数値化して画像品質の評価を行う。
図11は、CCDイメージセンサ132を用いて判定用パッチ114の線分を撮像することによって得られる画像(検出画像)の一例を示す拡大図である。なお、同図では説明の便宜上、判定用パッチ114の線分画像の輪郭がインクの滲みによって歪んでいる様子を実際よりも誇張して描いてある。
かかる検出画像140のデータから、A:線幅(Width) 、B:ぼやけ(Blur)、C:歪み(Rag) 、D:コントラスト(Contrast)、E:濃度(Darkness)並びにF:濃度均一差(Fill)等の画質属性を求める。これら各項目の数値化については、例えば、ISO13660に準拠する。
ここで、ISO13660に基づく画質属性の測定方法について概説する。図12は検出対象の線分(ここでは判定用パッチの線分)に直交する方向(図11中の矢印方向)に沿って測定した濃度測定結果の例を示したグラフである。横軸は測定位置(location;単位 [μm] )を示し、縦軸は光学反射率(reflectance ;単位 [%] )を示す。
図12に示したグラフの最大値Rmax は記録媒体16自体の反射率である。また、最小値Rmin は当該線分(ライン)の最大濃度部分における反射率を示している。更に、最大値Rmax と最小値Rmin との差のK%を最大値Rmax から減算した値RK を定義する。すなわち、R10,R60,R75,R90,R95をそれぞれ次式のように定義する。
[数1] Rmax −0.1×(Rmax −Rmin )=R10
[数2] Rmax −0.6×(Rmax −Rmin )=R60
[数3] Rmax −0.75×(Rmax −Rmin )=R75
[数4] Rmax −0.9×(Rmax −Rmin )=R90
[数5] Rmax −0.95×(Rmax −Rmin )=R95
A:線幅(Width) は、ラインの両サイドのR60間の距離とする(図12上で幅A)。
B:ぼやけ(Blur)は、R10からR90までの距離とする(図12上で幅B)。
C:歪み(Rag) は、R60でのフィッティングラインからのずれ量の標準偏差とする。
D:コントラスト(Contrast)は、(Rmax −Rmin )/Rmax で定義される。
E:濃度(Darkness)は、R75境界領域内の平均光学濃度とする。
F:濃度均一差(Fill)は、(R75以上の面積)/(R95内の総面積)で定義される。
本実施形態においては、上記の数値化された各測定値A〜Fに重み付け係数a〜fを掛けたものの和を判定値Qとする(次式 [数6] 参照)。
[数6] Q=a×A+b×B+c×C+d×D+e×E+f×F
ただし、判定値Qの数値が大きいほど画像品質が良好となるような符号変換も含むものとする。そして、上式 [数6] による判定値Qが最大値となるパターン(パッチ)の条件を最適条件と判定する。
なお、実際は、図11で示した検出画像140について、その線分の長手方向(図11において上下方向)に沿って測定位置を代えて複数回の測定を行うことが好ましい。例えば、線分の長手方向に走査分解能を数μmから十数μmの間隔として、所定回数(少なくとも10回以上)の測定を行い。得られた複数回分の測定結果を平均化するなどして、図12に示すような反射率プロファイルを取得する。或いはまた、複数回の測定毎に判定値Qを計算して、その平均値を算出してもよい。
重み付け係数a〜fは、要求される出力画像の品質に応じて可変設定されることが好ましい。例えば、主として文字データ(テキスト)を印字する「テキストモード」、テキストと画像の組合せを印字する「テキスト+画像モード」、主として画像を印字する「画像モード」という複数の画質モードを選択できる装置構成の場合、画質モードによって要求される品質が異なるので、選択される画質モードに応じて要求される品質項目を重視するように各係数a〜fを決定する。一例として、テキストモードは、文字がはっきりと判読できるようにエッジをくっきりだすために、線幅や歪みが重視されるように各係数が設定される。
こうして、線品質の比較判定から最も線品質が良好となる液量の組合せ(液量比)のパターンを選択し、当該選択に係る条件に従って処理液吐出及び記録液吐出の制御条件を決定する。
既に図1で説明したとおり、本例のインクジェット記録装置10では、印字部12の最上流に処理液吐出ヘッド11を備え、印字部12によるインクの打滴前に、先行する処理液吐出ヘッド11によって予め記録媒体16の印字面に処理液を1回だけ(最初に)付着させる構成としている。かかる構成の場合、色毎に処理液量を細かく調整できないため、KCMYの4色のインクのうち1色のみについてテストパターン120を印字し、最適な液量比を決定するものとする。なお、この場合、使用される複数色のインクのうち最も滲みやすい性質を有する色のインクについて測定を実施することが好ましい。
また、図1に例示したヘッド構成によるインクジェット装置10は、印字部12によるインクの打滴量の増加に伴って、記録媒体16上の処理液量は次第に減少するため、印字部12の下流側へ行くほど、記録媒体16上の処理液量は少なくなる。印字部12における最終段(最下流)のヘッド(図1においてイエローのヘッド12Y)による打滴が終了するまで、記録媒体16の表面近傍に処理液が残存していることが必要となるため、記録媒体16の種類や処理液の物性、インクの吐出量、記録媒体16の搬送速度などから、所要の処理液量を確保できるように処理液吐出ヘッド11による処理液の打滴量が決定される。
図13は、本実施形態に係るインクジェット記録装置10の制御例を示すフローチャートである。まず、使用される記録媒体16の種類と、処理液及びインクの種類が検出される(ステップS210)。この処理は、図で説明したインク情報読取部90、処理液情報読取部92及びメディア種検出部94から得られる情報に基づいて検出される。なお、検出のタイミングとして、例えば、電源投入時の立ち上げシーケンス中において行ってもよいし、メディア、インク、処理液のうち少なくとも1つが交換(装填)された時に行ってもよい。或いはまた、使用するメディア種、インク種、処理液種のうち少なくとも1つが変更された時に行われる。
次いで、システムコントローラ72は、取得した情報を基に当該メディア種等に対応する最適な液量比を実現する制御値の情報がEEPROM79に記憶されているか否かを判断する(ステップS212)。該当する記憶情報が存在しない場合は(ステップS212でNO判定時)、最適な条件を求めるための滲み判定テストを行うために(ステップS214に進む。
ステップS214では、図で説明した方法でテストパターン120の印字を実行する。印字されたテストパターン120を印字検出部24によって読み取り(図のステップS216)、得られた画像データから、図で説明したように、各判定用パッチ114について画質属性の測定を行い、上記の [数6] に従って判定値Qを算出する(ステップS218)。
テストパターン120内の複数の判定用パッチ114のうち、判定値Qの値が最大値となるものを最適条件と判定する(ステップS220)。最適条件と判定された処理液の打滴パターンより、処理液の吐出量、打滴周波数、使用ノズル(処理液の打滴密度)を決め、それらの制御値を設定する(ステップS222)。また、求めた最適条件の制御値の情報をメディア種及び液種の情報とともにEEPROM79に記憶する(ステップS224)。
こうして設定された制御値に従い、本画像形成時にインクの打滴に先立って、処理液の打滴を行い、その後、処理液の上にインクを打滴して目的の画像(本画像)を印字する(ステップS228)。なお、印字すべき画像内容を示す画像データに基づき、処理液の打滴範囲を制御することが好ましい。
一方、ステップS212の判定において、該当する記憶情報が存在する場合場合は(ステップS212でYES判定時)、ステップS226へ進み、EEPROM79に記憶されている情報を読み出して制御値を設定する。その後、ステップS228へ進み、処理液の打滴とインクの打滴を行って目的の画像(本画像)を印字する。
上述した制御例によれば、使用する記録媒体16の種類に応じて、滲みの少ない最適な処理液吐出及び記録液吐出の制御条件が自動的に設定されるため、メディア種によらず高品質の画像出力(プリント)が可能になる。
また、一度テストパターン120を印字して最適な条件を求めた場合には、その情報をメディア種情報に関連付けて記憶し、各種のメディアに対応した条件の情報を蓄積していくことにより、以後、登録されている情報を活用することで、重複する条件でのテスト印字と測定の処理を回避できるとともに、多様な種類のメディアに迅速に対応することができる。
インク種や処理液の種類は固定されている場合もあり得るが、少なくとも使用される記録媒体16の種類が変更された時には、図13のフローチャートに従って処理液とインクの液量比を最適化することが好ましい。
また、上述の実施形態では、処理液の打滴条件を変化させた判定用パッチ114を形成し、主として処理液の打滴条件を制御する例を述べたが、記録液についても同様に打滴条件を変化させた判定用パッチを作成し、処理液の打滴制御に代えて、又はこれと組み合わせて記録液の打滴条件を制御することも可能である。処理液の量のみならず、インク量も調整することによって、一層高品質の画像を出力することが可能となる。
更に、上述の実施形態では、複数色のインクのうち1色のみについてテストパターンによる実測を行ったが、2色以上(全色でも可)の各色についてテストパターンによる実測と、それに基づく条件の最適化を行う態様も可能である。
色別の測定の結果、色ごとに最適条件が異なる場合には、最も視認性の高い色(目立つ色)について抽出された条件を重視して採用することが好ましい。
また、図1では印字部12の最上流に1つの処理液吐出ヘッド11を配置したが(図1参照)、本発明の実施に際して、処理液吐出ヘッドの配置方法はこの例に限定されず、印字部12における各色ヘッド間の少なくとも1箇所に処理液吐出ヘッドを付加する構成も可能である。
例えば、各色ヘッド前(上流)にそれぞれ処理液ヘッドを具備する態様の場合、色別に処理液の量を調整することも可能である。この場合、滲み判定用のテストパターンの印字と、その読み取りによる測定処理は1色のみについて実施すれば足りる。実測しない他の色のインクについては、相関テーブルを用いて実測色の結果を補正(演算)して処理液との最適な液量比を予測することができる。なお、相関テーブルは、予め実験などに基づいて作成し、そのデータをROM75等の記憶手段に格納しておくものとする。
もちろん、色別にテストパターンを作成して、色毎に処理液との最適な液量比を求め、各処理液ヘッドからの打滴を制御することも可能である。
また、上記各実施形態では、メディア(記録媒体)の全幅に対応する長さのノズル列を有するページワイドのフルライン型ヘッドを用いたインクジェット記録装置を説明したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、短尺の記録ヘッドを往復移動させながら画像記録を行うシャトルヘッドを用いるインクジェット記録装置についても本発明を適用可能である。
本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字部周辺の要部平面図 ヘッドの構造例を示す平面透視図 図3(a) の要部拡大図 フルライン型ヘッドの他の構成例を示す平面透視図 図3(a) 中の4−4線に沿う断面図 図3(a) に示したヘッドのノズル配列を示す拡大図 本例のインクジェット記録装置におけるインク供給系の構成を示した概要図 本例のインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 本例のインクジェット記録装置で作成される滲み判定用のテストパターンにおける処理液の打滴例を示す図 図8に示した処理液のパターン上に付着させるインク(記録液)の打滴例を示す図 テストパターンの読み取り原理を示す模式図 判定用パッチの線分を撮像することによって得られる画像の一例を示す拡大図 画質属性の測定方法を説明するために用いた図 本実施形態に係るインクジェット記録装置の制御例を示すフローチャート
符号の説明
10…インクジェット記録装置(画像形成装置)、11…処理液吐出ヘッド(第1液吐出手段に相当)、12…印字部、12K,12M,12C,12Y…ヘッド(第2液吐出ヘッドに相当)、14…インク貯蔵/装填部、15…処理液貯蔵/装填部、16…記録媒体、18…メディア供給部、24…印字検出部(画像検出手段に相当)、72…システムコントローラ(液量比制御手段,テストパターン打滴制御手段,評価値演算手段に相当)、80…プリント制御部(液量比制御手段,テストパターン打滴制御手段に相当)、94…メディア種検出部(媒体種検出手段に相当)、110…処理液パターン、112…記録液パターン、114…判定用パッチ、120…テストパターン

Claims (9)

  1. 第1液を吐出する第1液吐出手段と、
    第2液を吐出する第2液吐出手段と、
    前記第1液及び前記第2液の打滴によって記録媒体上に形成される画像に基づき、前記第1液吐出手段及び前記第2液吐出手段から吐出させる第1液と第2液の液量比を制御する液量比制御手段と、
    を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記第2液は色材を含む記録液であり、前記第1液は前記記録液の前記記録媒体への浸透性及び前記色材の定着性のうち少なくとも一方に影響する物性変化を生じさせる反応性を有する処理液であることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
  3. 前記記録媒体の種類を検出する媒体種検出手段と、
    前記液量比制御手段で制御した前記液量比の情報を前記媒体種検出手段から得た媒体種の情報と関連付けて記憶する液量比記憶手段と、
    を備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の画像形成装置。
  4. 前記第1液及び前記第2液の打滴によって記録媒体上に形成される前記画像は、テストパターンであり、該テストパターンを描画するように前記第1液吐出手段及び前記第2液吐出手段の打滴を制御するテストパターン打滴制御手段を備えることを特徴とする請求項1、2又は3記載の画像形成装置。
  5. 前記テストパターンは、前記第1液及び前記第2液の少なくとも一方の打滴量を変化させた複数の判定用パッチを含んだ画像であることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 前記複数の判定用パッチは、吐出用の駆動波形、駆動周波数、吐出ノズルピッチの組合せを変えて打滴されることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  7. 前記第1液及び前記第2液の打滴によって記録媒体上に形成される画像を検出する画像検出手段を備え、
    前記画像検出手段による画像検出結果に基づいて、液量比制御手段による前記液量比の制御が行われることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の画像形成装置。
  8. 前記画像検出手段を介して取得した情報から、幅、ぼやけ、歪み、コントラスト、濃度並びに濃度均一差のうち少なくとも2つの要素を測定し、当該少なくとも2つの要素の測定結果を組み合わせて判定用の評価値を算出する評価値演算手段を有し、
    前記液量比制御手段は、前記評価値演算手段で算出した評価値に基づいて前記液量比を決定することを特徴とする請求項7記載の画像形成装置。
  9. 第1液吐出用ノズルから第1液を吐出する第1液吐出工程と、
    第2液吐出用ノズルから第2液を吐出する第2液吐出工程と、
    前記第1液及び前記第2液の打滴によって記録媒体上に形成された画像を検出する画像検出工程と、
    前記画像検出工程による画像検出結果に基づき、前記第1液吐出用ノズル及び前記第2液吐出用ノズルから吐出させる第1液と第2液の液量比を制御する液量比制御工程と、
    を含み、
    前記液量比制御工程によって制御された条件及び入力された画像データに基づいて前記第1液吐出用ノズル及び前記第2液吐出用ノズルから打滴を行い、記録媒体上に画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
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